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T/A Deliveroo[2018]IRLR 84の検討から⎜⎜

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(1)

イギリス労働法における「アプリ」を通じた労務提供と 集団的労働関係法上の労働者概念の意義と限界

⎜⎜Independent WorkersʼUnion of Great Britain (IWGB) and RooFoods Ltd.

T/A Deliveroo[2018]IRLR 84の検討から⎜⎜

新屋敷 恵美子

Ⅰ はじめに

Ⅱ 前提的考察

1 労働者概念の位置づけ 2 承認と集団法上の労働者概念

Ⅲ 事実の概要と決定要旨 1 緒言

2 事実の概要 3 決定要旨

Ⅳ 検討

1 本決定の意義 2 労働者概念

3 Autoclenz事件最高裁判決の法理の適用

4 集団法上の労働者概念と就業形態(代替条項)の新しさ 5 他の法律との関係

Ⅴ 結びに代えて

(2)

Ⅰ はじめに

雇用・就業形態の多様化が指摘されるようになり久しいが、近年では、「プラット ホーム」を通じた就労形態が展開し、それに関連して労働法の適用の問題がさらに 議論される状況にある。では、議論すべき就労形態の「新しさ」とはいかなるもの(1) であるのか。また、従来の労働法の適用を決定する判断基準に対するその「新しさ」(2) とは何か。本稿は、この点に関し、近年のイギリス労働法において、いわゆる「ア プリ」を通じて労務提供をしていた者を集団的労働関係法上の「労働者」(worker)

概念に該当しないと判断した中央仲裁委員会(CAC)の決定(Independent Workersʼ Union of Great Britain (IWGB) and RooFoods Ltd. T/A  Deliveroo[2018]

IRLR84)(以下、「本決定」とし、決定の対象となった事件を「本件」とする。)を 紹介し、この「新しさ」を考える一資料を提供することを意図するものである。(3)

なお、個別的労働関係法上の「労働者」(worker)概念に該当するかを判示し、注 目を集めるAslam  v Uber B.V.[2018]IRLR 97(以下、事件そのものについては(4)

「Uber事件」として、判決については「Uber事件控訴審判所判決」と称する。)に ついても、本決定の意義や労働者概念の限界を明らかにするため、適宜触れる。

Ⅱ 前提的考察

まず、本決定を見るのに前提となるとため、必要な限りで、本稿に言う集団的労 働関係法上の労働者概念の位置づけと労働組合の承認手続につき概略を述べる。

季刊労働法・259号(2017)・集中連載「クラウドワークの進展と労働法の課題」を参照。

既に前注1の連載の各論稿でも、「新しさ」の把握が試みられている。

この決定については、既に、滝原充啓「イギリスにおけるクラウドワークの進展と労働法の課題」

季労260号112頁(2018)により、概略が紹介されている(118頁)。同論文は、本件のようなクラウ ドワークの問題に対応する立法政策の動向も紹介している。

國武英生「シェアリング・エコノミーと雇用関係―アメリカとイギリスにおけるUber訴訟をめぐ る覚書」季労257号139頁〔2017〕を参照。

(3)

1 労働者概念の位置づけ(5)

(1)集団的労働関係法上の労働者概念の位置づけ

本稿にいう集団的労働関係法上の労働者概念とは、1992年労働組合労使関係統合 法(Trade Union and Industrial Relations(Consolidation)Act 1992)(以下、「1992 年法」。)第296条1項の規定する労働者概念である。1992年法は、労働組合の定義、(6) 労働組合の独立性の定義、労働組合の地位や(7) 財産、(8) 運営、承認の(9) 手続、組合活動を(10) 理由とする不利益取扱いにさらされない労働者の諸

(11)

権利その他を定める、イギリス の集団的労働関係法の中核をなす法律である。したがって、同法における労働者概 念を本稿では集団的労働法(以下、「集団法」。)上の労働者概念と称する。

そして、同法の中で、労働者概念は、たとえば、同法上決定的に重要な労働組合 の定義や、組合運動に起因する不利益(12) 取扱いからの保護の対象(ただし組合活動を(13) 理由とする解雇の救済については個別法の場合と同様の「被用者」に限られる)、労(14) 働争議の

(15)

定義、

(16)

などに用いられる。

なお、本稿で議論の対象となる「労働者」概念の定義自体が問題であるが、本決 定の要旨の中で最初に示されるので、ここでは紹介しない。

2 承認と集団法上の労働者概念

次に、労働組合の「承認」をめぐる制度につき紹介する。

(1)承認の意義

イギリスでは、労働組合が、使用者と団体交渉をするためには、その前提として 独立性の要件を満たした上で、使用者による承認(recognition)を得る必要がある。(17)

以下の記述の一部は、新屋敷恵美子『労働契約成立の法構造』(信山社、2016)335頁以下を基礎 としている。

TURL (C)A 1992, s. 1.

TURL (C)A 1992, s. 5

TURL (C)A 1992, Part 1, Chap. 2.

TURL (C)A 1992, Part 1, Chap. 3.

TURL (C)A 1992, Part 1, Chap. 5A.

TURL (C)A 1992, s. 146.

TULR (C)A 1992, s. 1.

TULR (C)A 1992, s. 146.

TULR (C)A 1992, s. 152.

TULR (C)A 1992, s. 218(1).

ex. TULR (C)A 1992, ss. 68A(1), 70B(2)(a), 180(1), 181(1), 186, 187(1)(a)etc.

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 6.

(4)

1992年法上、承認は、「使用者または二以上の関連する使用者による、何らかの程度 での、団体交渉のための組合の承認を意味

(18)

する」。一般的には、承認とは、「団体交 渉のために団体の組合員を代表して使用者と交渉する発言権を有する独立した労働 組合の地位」のことを(19) 指す。法の定義や上記の一般的な表現からわかるように、こ(20) の承認とは、団体交渉の前提となるものである。そして、1992年法上、使用者の承 認を得た労働組合には、制定法により使用者からの情報の開示や一定の場合におけ る使用者との協議などの様々な権利も認めら

(21)

れる。

この承認の獲得が、労働組合にとって決定的に重要であることは言うまでもない。(22) では、労働組合は、どのようにこの承認を獲得するのか。この点について、同法は、

承認が使用者と労働組合との間で合意により自発的になされることを基本として

(23)

いる。しかしながら、同法はこの合意が成立しない場合についての強制的な承認

(compulsory recognition)も定めており、この場合、労働組合は、同法に定めら れる承認手続を通じて、究極的には、中央仲裁委員会(Central Arbitration Commit- tee,CAC)による宣告により強制的に承認を得ることができる。ただし、CACによ る承認の宣告は、賃金、労働時間、そして休暇に関する交渉に限定されている。(24)

(2)手続と労働者概念の関わり

1992年法附則A1第1条は、「労働者の団体または諸団体の代表として団体交渉を 行うための承認を得ようとする労働組合(または諸組合)は本附則の本部にしたがっ て請求(request)をなすことができる」と定める。ここからわかるように、この承 認の請求主体は「労働組合」でなければならない。そして、この労働組合は、同法 第1条により、「労働者」からなる組織と定義される。(25)

TULR (C)A 1992, s. 178(3).

Jhon Bowers QC, Michael Duggan, David Reade QC, The Law  of Industrial Action and

  Trade Union Recognition

(2 ed.)(OUP, 2011), at p. 215.

組合承認と制定法との関係の歴史的な変化については田口典男『イギリス労使関係のパラダイ ム転換と労働政策』(ミネルヴァ書房、2007)129頁以下参照。

ex. TULR (C)A 1992, ss. 168A, 181, 188etc.

承認の獲得と組合の盛衰の密接な関係についてはStephen Machin,

Union Decline in Britain

(Centre for Economic Performance, 2000). また、2000年の承認制度導入以後の、承認件数の趨 勢と承認制度の関係を分析するものとして、Gregor Gall ʻ  Union Recognition in Britain: The End of Legally Induced Voluntarism?ʼ(2012)41ILJ 407.

TULR (C)A 1992, Schedule A1, paras. 10, 18and etc.

TULR (C)A 1992, Schedule A1, paras. 3(3);Bob Simpson,ʻ  Trade Union Recognition and the Law, a New Approachʼ(2000)29ILJ 193, at p. 195.

(5)

(3)手続の流れ

手続の詳細をここで述べる余裕はな

(26)

いが、概略は以下のとおりである。

まず、承認手続は、労働組合の使用者に対する承認請求(request)によって開始 される。この請求は、形式面では、請求が書面によりなされること、請求する労働(27) 組合と交渉単位の特定、法に基づく請求であることの明示、という諸要件を充たさ ねばならない。(28)

承認請求に対して、一定期間内に、使用者が応答をしない場合、または、使用者 が承認請求を受け入れない旨を明らかにした場合、労働組合はCACに以下の点につ(29) いて決定することを申請することができる。すなわち、労働組合の提示交渉単位(the(30) proposed bargaining unit)が適切であるか 

(31)

否か、そして、当該労働組合(諸労働 組合)が当該提示交渉単位を構成する労働者の多数の支持を得ているか、である。(32) CACは、労働組合による申請を受領した場合、当事者に申請を受領した旨の通知を 交付しなければなら

(33)

ない。

こうして労働組合からCACに承認の申請がなされると、CACは、申請の許容可能 性を判断する必要がある。判断される点は多岐にわたるが、たとえば、CACが特定(34) した形式により、また、所定の書類を添付して申請がなされているか、当該組合か(35) ら使用者にも同様に申請の複製が送られているか、当該組合がCACから独立性の認(36) 証を受けてい

(37)

るか、当該申請と競合する申請はな

(38)

いか、等である。その内、本決定

1992年労使関係統合法は、第1条において「労働組合」を定義する。その要素は3つであり、組 織の存在、組織の構成員が「労働者」であること、組合の目的、である。

詳しくは、小宮文人『イギリス雇用法』(信山社、2006)、 敏「イギリスにおける集団的労働紛 争解決システムの実態」季労236号21頁(2012)を参照。

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 4(1).

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 8.

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 11(1).

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 11(2).

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 11(2)(a).

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 11(2)(b).

TULR (C)A 1992, Schedule A1, paras. 13.

TULR (C)A 1992, Schedule A1, paras. 14(8), 15(2), and para. 33 below. CAC, ʻ  Statutory Recognition  Guide  for   the  Partiesʼ(http://www.cac.gov.uk/index.aspx?articleid=2333), para. 4.3below. このガイドでは、全体の段階が10段階に分けられているところ、第一段階が労働 組合による使用者への承認請求、第二段階が当事者間での承認に関する交渉、そして、第三段階が、

「CACへの申請╱許容可能性の諸判断(admissibility tests)」とされている。

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 33.

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 34.

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 6.

TULR (C)A 1992, Schedule A1, paras. 14and 38.

(6)

でもより直接的に問題となっていたのが、まず、提示交渉単位の労働者に関する既 存の承認合意がないかとい

(39)

う点である。そうした合意が存在する場合には申請は認 められない。また、提示交渉単位の労働者の少なくとも10パーセントが、当該申請 をしている組合員でなければ、CACは受理する(accept)ことができない。さらに、(40) 当該交渉単位を構成する労働者の多数が当該組合の承認に「賛成することが見込ま れるものである(would be likely to favour)」と判断されなければ、当該申請は受 理され

(41)

ない。この受理に関する判断は、CACが当該申請を受領した日の翌日から起 算して10日以内になされなければならない。(42)

こうして受理がなされた後、一定の期間内に当事者間で交渉単位についての合意 が達成されない場合、CACは、提示交渉単位が適切な交渉単位であるかを判断しな(43) ければならず、提示交渉単位が適切と認められない場合は、適切な交渉単位を決定(44) しなければならない。(45)

そして、CACは、提示交渉単位が適切であると判断する場合は、申請に基づく手 続を進め、当該交渉単位における多数の労働者が当該組合の組合員であると認めら(46) れる場合には、承認の宣告(declaration)をしなければならない。また、三つの(47) 場合(48) には、CACは、承認の宣告に代えて、当該交渉単位を構成する労働者らが、当該(諸)

組合がその者らのために団体交渉を遂行することを希望しているかどうかを判断す るための秘密投票を実施する意思を当事者に通知

(49)

する。秘密投票の結果が、投票し た労働者の多数が、かつ、交渉単位を構成する労働者の少なくとも40パーセントが、

当該(諸)組合を支持するという結果である場合には、CACは、当該(諸)組合が 当該交渉単位のために団体交渉を遂行する資格を有するものとして承認された旨の 宣告(declaration)をしなければならない。(50)

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 35.

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 36(1)(a).

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 36(1)(b).

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 14(6).

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 18.

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 19(2).

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 19(3).

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 21.

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 22(1)(2).

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 22(4).

TULR (C)A 1992, Schedule A1, paras. 22(1)(2)(3), 23(1)(2)(3).

TULR (C)A 1992, Schedule A1, para. 29(3).

(7)

本稿で紹介する決定の事案では、使用者が、労働組合の承認請求を明示的に拒否 しており、当事者間で合意にもとづく交渉単位の決定も行われていない。そのため、

適切な交渉単位と交渉単位における組合員ないし労働者による承認の支持につい て、CACに判断が求められた。その前提として、本件承認制度を定める附則の適用 に関して、集団法上の「労働者」性が問題となっている。

Ⅲ 事実の概要と決定要旨

1 緒言

イギリスの個別的労働関係法上の労働者性の判断も、後述するように、集団法上 の労働者性判断と同様に、適用が争われる法律により定義される「労働者の契約」

を基準としている。そして、プラットホームを通じた労務提供が広がりをみせる中、

個別的労働関係法の分野でも、本件同様特定の会社が提供するアプリを介して労務 提供の依頼を受け、当該会社のアプリを通じて注文をした顧客に対して実際の労務 を提供した労務提供者が労働者(worker)かどうか、が争われている。また、この(51) 点は、講学上も新たな就労形態をめぐり生じた労働法上の「一つの重要な問題」と して認識されている。(52)

そして、個別的労働関係法上の労働者性が争われる場合、「労働者の契約」の定義

(後述)から、「自分自身で」の労務提供の有無が、これまで問題となってきた。と いうのも、そうした事案では、法の「労働者の契約」の定義もあって、会社と労務 提供者との間の契約書面に、労務提供を他の者に代替させることができる旨の条項 が入れられていることが多いからである。仮に、当該条項が真正であると認められ(53) ると、法の適用は否定されることになる。

これに対して、本件では、集団法上の労働者性が争点となっているが、本件につ いても、代替性の点が決定の焦点となり、労働者性が否定された。

以下、Ⅲで代替性をめぐる点を中心としつつ、本件の事実の概要と決定要旨を紹

前掲Uber事件控訴院判決、Addison Lee Ltd. v Gscoigne (UKEAT/0289/17/LA) (11 May 2018)。

Malcolm  Sargeant and David Lewis,Employment Law(8th ed.)(OUP, 2018), at p. 37.

Byrne Brothers (Formwork)LTD. v Baird[2002]IRLR 96etc.

(8)

介し、Ⅳで本決定をより詳細に検討する。

2 事実の概要 1)当事者等

被申立人Y(RooFoods Limited T/A Deliveroo)は、2013年にロンドンで設立 され、顧客の携帯端末等からレストラン等において提供されている飲食物の注文を 受け、自転車等のライダーを手配して当該ライダーに当該レストランに注文の品物

(飲食物)を受領させ、当該顧客の下に当該品物を届け、当該顧客から支払われる 料金等により収益を上げるという事業を展開していた。

申立人X(IWGB)は、独立性の認証を有する配送産業等の労働者を組織する組合 である。

2)募集と採用過程

Yのライダーになることを希望する者は、YのライダーとYとの関係が協調的な ものであることを強調するウェブサイトで参加申込みをし、電話による面接、自転 車等の乗車試験、Y敷地内でのオンライン研修の修了(最終段階では試験を受験し 100パーセント正解する必要がある)を経て、就労を開始していた。また、Yはライ ダー候補者の犯罪記録の調査も行っていた。

上記研修では、接客業たる業務における立ち振る舞い、手洗いの仕方などが示さ れ、また、従事することが予定される業務に関連して、ライダーらが顧客の食品を 取り扱う責任の重要性も強調されていた。

上記過程を経てライダーとして認められると、その者は、供給者合意に署名する ことが求められ、また、食品を運ぶ際の保温ボックスやバッグ、会社のブランドが わかる上着その他を含む「備品パック」に対して、150ポンド支払うことになる。

3)契約書面

(ⅰ)労務提供の内容等

ライダーとYとの間の書面の契約の内容は、Yによって条項が設けられており、

個別交渉の余地はなかった。以前の契約(当初契約)とは異なり、2017年5月11日 以降に、従来から労務を提供しているライダーらに示された新契約の書面は、労務 の内容を、「Y社アプリを通じて通知されるレストランその他のパートナー(「パー

(9)

トナー」。)から、温かいまたは冷たい食べ物と飲み物(「注文された商品」。)を受け 取り、自転車、車、オートバイ等で、上記アプリを通じて知らされる場所のデリバ ルーの顧客まで当該商品を届けること。」と定めていた。

(ⅱ)契約上の地位

新契約の表紙には、当該合意によって、ライダーが、Yから引き受けた労務の履 行につき代替者を用いる権限を常に有していること、当該権限を有していることを ライダーが理解していること、アプリがダウンロードされたライダーの端末や、ア プリへのログイン等を可能にするパスワードを、代替者に利用させることが自由で あること、他方で、顧客による商品のGPS追跡に支障をきたすライダー間の「注文 の交換」を行うことは認められないこと、が記載されていた。また、ライダーらが、

競業他社も含めた他の会社での就業が、「独立契約者(independent contractor)」と して当然にできること、労務提供中の服装は自由であること、なども記載されてい た。

(ⅲ)アプリにおけるログインや依頼に対する承諾の自由等

新契約によれば、ライダーらは、Yのアプリ上、ログイン・オフにつき完全な自 由を有し、また、ログインしているときも、アプリを通じて来る配達依頼に承諾す るかも自由であり、さらに、依頼自体を受け取りたくない場合には「利用不可」の 表示を用いることができるとされていた(実際にも用いられていた)。

(ⅳ)配達の時間や道順

新契約によれば、労務の依頼を承諾した場合には、上記の通りの労務を合理的な 時間内に提供することとされていたが、当該配達の道順の判断はライダーに委ねら れるとされていた。

(ⅴ)配送業務に用いる物品等

配達業務に用いる物品、すなわち、自転車等の乗り物はライダーが各自で用意し、

乗り物自体とヘルメットの装着、さらに、飲酒運転の禁止などにつき、法的基準を 満たすようにすることが新契約に記載されていた。また、食品の衛生管理に関する Yの基準を満たす食品輸送物品を用いること、それをYから得られることが記載さ れていた。

(10)

(ⅵ)報酬の支払いと保険

報酬の支払いは、本件に関係する地域では、支払い請求書を通じて2週間ごとに 配達量等に応じて支払われていた。また、公租公課についての支払は、ライダーは

「自営業供給者」として各自で行うことになっていた。

新契約により、ライダーは、第三者に関する責任のための保険に加入することを 義務づけられており、代替者を用いる場合、代替者の法的責任についてライダーの 保険で負うのであれば、代替者は自ら保険に加入する必要はないとされていた。

(ⅶ)代替者を用いる権限と行使のあり方

新契約は、ライダーの代替者を任命する権限についての規定を置いていた。そこ では、代替者を用いるのに事前の承認も要らないこと、ただし以前にYが契約違反 を理由として供給者合意を終了させていた者などの一定の不適格者を代替者として はならないこと、そして、代替者について労務の水準を確保し、代替者の本件契約 の履行に関する全責任をライダーが負うこと、代替者に対する報酬支払いはライ ダーと代替者との間の合意によるもので、Yは関知せずYは報酬に関する本合意に よる責任をライダーに対してのみ負うこと、等が記載されていた。

(ⅷ)解約告知に関する権利等

また、新契約には、ライダーにおける制限されない即時の解約告知の権利と、Y における理由の制限を受けない1週間前の告知による契約の解約の権利が規定され ていた。

さらに、秘密保持とデータ保護に関する条項、2015年現代奴隷法に関する条項が 規定され、代替者も遵守すること、が規定されていた。

(ⅸ)合意内容に関する排他性

そして、新契約が、合意内容の全部を記載していることの規定も置かれていた。

(ⅹ)注文の交換の禁止

Yからライダーらに新契約を送付した後、ライダーらは、他の者との「注文の交 換」は認められない旨の電子メールを受領した。

4)実際の当事者の言動

新契約等の締結に伴い、ライダーは、アプリを自身の携帯等の端末にダウンロー ドする。アプリは、ライダーが、配達について知らされる唯一の方法であった。ア

(11)

プリでログインするには、Yから付与されるパスワードが必要となる。そして、ダ ウンロードの回数やどの端末にダウンロードするかにつき制限はないが、当該パス ワードによりログインできるのは、同時には一名のみであった。

本件で問題となった地域(CKTゾーン)では、ライダーの労務提供の予定や実際 の提供について、何らの期待も要求もなく、契約書に定められている通りであった。

ただし、少なくとも3か月に1度は配達する必要があった。支払いも、契約書の通 り、配達ごとに一定の報酬がライダーに支払われていた。

ライダーが、アプリが営業時間中とする時間帯に利用可能であるとした場合、Y

「アルゴリズム」が、ライダーの端末のGPSデータを用いて、注文された商品のレ ストランに最も近いライダーに労務の申込みをする。ライダーが、3分間以内に断 るか、あるいは単に無視した場合には、当該仕事は他のライダーに依頼される。

ライダーが、注文を承諾すると、ライダーは、パートナーの詳細をアプリを通じ て示され、そこで注文された商品を受け取り(当該時点では注文の内容と配達すべ き場所を確認するのみで足りる)、顧客に届ける(アプリは道順を示すがライダーに 従う義務はない。)。商品の配達が終了したら、ライダーは、端末を操作し配達の完 了を知らせる。

代替者の利用については、ライダーとの契約条項に依拠していた。ライダーは、

Yからの依頼を一定程度は承諾する、あるいは利用可能状態を一定程度確保すると いう制限も受けることもなく、それらの点に起因して契約を解約されたりすること もなかった。ただし、本件に関するライダー(代替者も含む)は、想定時間に対す る配達時間の遅れの程度を理由として契約が終了される弱い立場にあった。そのた め、代替者が用いられることもあったが、ライダーは代替者を契約条項通りに代替 させることができた。

実際上は、ライダーの多くは必要性が乏しいため代替者を用いることはなかった。

しかし、中には用いるライダーも存在し、そのような者の中には、代替者を用いる ことで利益を得たり、また、依頼を承諾した上ですぐに考えを変えて代替者に労務 を遂行させる例もあった。さらに、ライダーは、依頼を承諾したが自分で当該配達 をする意思を有さず、また、代替者を用いる意思を有しない場合には、Yの特定の 部署に電話をすれば、同部署が当該配達を他のライダーに引き継ぐようになってい

(12)

た。

ライダーの中には、Yの競業他社と契約を締結して食品配送業務に従事する者も おり、Yはこれに異を唱えることもなかった。

5)申請と争点

2016年11月28日付けで、XがCACに承認の申請をした。当該申請は、Xが団体交 渉のために本件提示交渉単位によって、Yによって承認されるべきというもので あった。本件提示交渉単位は、「CKTで登録された自転車とオートバイのライダー」

からなり、これらの者は、Yがロンドンの特定地域を意味する「CKT」の「稼働コー ド」を有する者として言及するライダーであった。なお、両当事者は、ライダーと Yの間の関係が、それが何であれ、契約的な効力を有するものであり、法的に拘束 力のある合意によるものであったという点では一致していた。また、当事者間の契 約が該当しうるとしても、それが、以下に見る、法296条1項(b)「労働者の契約」

のみであることについても一致している。

当事者間における中心的な争点は、本件契約の下で、ライダーらが契約の他方当 事者として、Yのために何らかの労務を自分自身で遂行することを引き受けている かどうかであったとされ、当該争点は、以下の通り、さらに二つの問題に分けられ ている。すなわち、①労務を遂行する義務が存在したかどうか、そして、②自分自 身での労務を提供する義務があったかどうか、である。契約内容につき争いが生じ、

Yは、①と②とを否定し、Xはそれと反対の旨を主張した。

3 決定要旨(申立棄却)

【決定要旨①−労働者概念】

「労働者は〔1992年〕法296条において以下の通り定義される。すなわち、

……『本法において、労働者は、以下の形で、労務を提供する、通常労務を提供 する、または労務を提供することを求める者を意味する。

(a)雇用契約の下で、

(b)それにより何らかの労務(work or services)をその者の専門的職業の依頼 人でない他方契約当事者のために自分自身で行う、もしくは遂行することを引き受 けるその他の契約の下で、または、

(13)

(c)(略)』。」(para. 88)。

1992年法「296条の定義は1996年雇用権法230条3項の規定する〔個別的労働関係 法上の〕労働者の定義とわずかに異なっている。同条同項は以下の通り〔労働者を〕

規定する。

『本法において、「労働者」とは、……以下の契約を締結した、または当該契約の 下で労務を提供している(もしくは、当該雇用が終了している場合には、当該契約 の下で就労していた)者を意味する。

(a)雇用契約、または

(b)明示であると黙示であるとを問わず、かつ、(明示である場合には)口頭であ ると書面であるとを問わず、それに従って、当該個人が、契約の観点から当該個人 が遂行する専門的職業または事業の、依頼人もしくは顧客の地位にない他方契約当 事者のために、自分自身で労務(work or services)を行うまたは遂行することを 引き受ける、その他の契約。』」(para. 89)。

「当事者らは、なぜ定義が異なっているのか、そして、なぜ立法者が、1996年雇 用権法を立法するときに、労働組合労使関係統合法の定義に従わなかったのかにつ いてうまく説明することができなかった。」(para. 90)

「二つの制定法の共通の性格を前提にするならば、両者の不整合は奇妙ではある ものの、ここでは条文の文言は注意と十分な理由により選択されているという原則 に従うことにする。判例法の広範な体系により示される諸原則は、裁判所、審判所、

あるいは、我々のような委員会が採用するアプローチに、一般的に適用されるもの であるが、解釈されるのが制定法であって、判例法ではないということを念頭にお く必要がある。」(para. 91)

【決定要旨②−契約解釈】

(1)「ある者が自分自身で労務を遂行することを引き受けているか否かは、『当事 者間の契約に完全に』(Pimlico Plumbers v Smith[2017]IRLR 323,para 73)依 拠するものであり、『各事案において基本的な問題は合意の条項が何であったかであ る』(Autoclenz v Belcher[2011]ICR 1157para 20.)ことは両当事者において認 められている。」(para. 93)

(14)

(2)「Autoclenz事件における最高裁の判断は、同等の交渉力を有する当事者間の 商業的な契約に対比される労務の提供に関する本件のような場合の、契約の解釈に 対する適切なアプローチを設定している。なすべきことは、当事者間の真の合意あ るいは実際の法的義務を認定することである。当事者の真の意思や期待と混同して はならない。あくまで何が合意されたかである。したがって、デリバルーが契約を 作成した際の目的が、彼らがライダーらに労働者の地位を得せしめないようにする ことであったかという問題は重要ではなく、適切な問いは、何が実際に合意された か、である。」(para. 94)

(3)「形式(form)と実質(substance)の違いに注目することが重要である。し ばしば引用される、Kalwak事件判決におけるElias控訴院裁判官(判決当時は審判 所長官−引用者注)の格言はこうである。『審判所が気にかけておくべき事柄は、法 律家集団は、たとえ条項が実際の関係を反映していない場合でも、形式的に、雇用 契約の中に、代替条項、または、労務を引き受ける、もしくは労務を供給する義務 を否定する条項を、単に入れておくであろうということである。』」(para. 95)

(4)「Smith控訴院裁判官によって示され、そして、Autoclenz事件最高裁判決にお いて承認され是認されたように、あらゆる関連の証拠が検討されなければならない。

『〔当事者間の実際の法的義務を発見する営み〕を実行するために、審判所は、関(54) 連のあらゆる証拠を検討しなければならない。もちろん、その証拠には、書面の条 項それ自体も含まれるが、合意全体の文脈においてそれらを読むのである。また、

それらの中には、当事者が実際に彼ら自身どのように行動したのか、そして、各当 事者の期待はいかなるものであったか、も含まれよう。当事者が実際にどのように 行動したかの証拠は非常に説得的であることから、審判所は、当該実践が当事者の 真の義務を反映しているという推論を導きうる。しかし、当事者が特定のあり方で 遂行しなかったという単なる事実は、それだけでそうした行動が法的権利義務を反 映しているということを意味するのではない。たとえば、代替労働者を供給する法 的権利がありうるところ、実践において当該権利が決して行使されなかったという 事実は、それが真正な権利ではないということを意味するわけではない。』」(para.

本決定により挿入されている。

(15)

96)

【決定要旨③−契約条項の確定と労働者性】

(1)「新契約における関連の書面の条項は、上記に示したとおりであり、また、当 事者が現在実際においてどのように行動しているかについての委員会の認定も同様 である。」(para. 97)

(2)「本件組合にとって、中心的で、かつ、克服できない困難は、デリバルーが新 契約においてライダーらが特定の仕事を引き受ける前後を問わず彼ら自身を代替を させる権利を有するということを決定しているという意味で、我々が当該代替の権 利が真正なものであると認定することである。同時に、我々はやはり認めるのだけ れども、当該条項が実際に用いられていたという証拠も確認した。デリバルーは当 該条項にも納得していた。」(para. 100)

(3)「代替性に関する我々の中心的な認定からすると、ライダーらが他の人のため に自分自身で労務(work or services)の提供をすることを引き受けているという ことは言えない。これは、本件組合の主張にとって致命的である。ライダーが、特 定の配達を引き受ける場合、彼らが引き受けることは、契約の基準に従ってそれを 彼ら自身でするか、あるいは、それを行う誰か他の人を確保するかである。ライダー らは、〔Yの特定部署〕に電話で知らせるだけで仕事を放棄することさえできる。も し、代替者が、ライダーに適用される契約条項に従えば、ライダーは、自分自身で 配達をしなくてもデリバルーから不利益を課されることはない。」(para. 101)

(4)「ライダーらの中には、デリバルーのためにほとんど仕事をせずに間歇的

(intermittent)に仕事をする者もいたが、多くのライダーらは彼らが示されただけ の貢献(commitments)を行い、レストランに可能な限り近くにいてYアルゴリズ ムから仕事の依頼を受けるようにし、彼らの主たる収入源としていた。しかし、そ のことは法296条の下での適用の要件(test)ではない。当該配達は、人によって引 き受けられなければならなかったが、しかしながら、引き受けた仕事を自分自身で 行うのが当該ライダーである必要はなく、ライダーらは自由に代替者を用いること が認められていた。また、我々は、ライダーが代替者に寄せる信頼が非常に高いと 評価する。なぜなら、代替者はライダーの携帯を所持するか、あるいは、代替者自

(16)

身の携帯にライダーのアプリをダウンロードするのに、デリバルーのパスワードを 得る必要があるからである。また、ライダーは、代替者についても契約上の責任を 負う必要があるからである……。それは、契約を下請けすることの魅力を、そのよ うにすることのインセンティブを欠くことを伴うものであるから、限定するもので ある。しかし、それは、本件代替条項を見せかけ(sham)と位置づけるようなもの ではない。本件における事実の状況は、例えば、Uberの個人ハイヤーライダー、

Excel、あるいはCity Sprintの状況とは、非常に異なっているのである。」(para.102)

(5)「したがって、デリバルーとそのライダーらの間の契約関係のその他の特徴を 詳細に吟味する必要はない。それらが、代替性の認定においてXに有利に働くとし ても、十分とはいえない。」「委員会は、公共の安全と食品衛生、そして、新たな合 意がライダーらにあらゆる危険と責任を負わせるものであることに、懸念を有して いる。委員会は、Xが、2013年食品安全衛生(イングランド)規則、関連のEU規定 と1974年労働安全衛生法とその規則に依拠した広範な主張をしていることを理解し ている。デリバルーは、デリバルーが、ライダーらの代替を見逃す無干渉主義によ り、起訴される危険があることを認めていない。しかし、代替者の指揮命令や監督 が欠けること、そして、デリバルーが負う他の者に委任できない健康、安全、食品 衛生の義務の存在が、代替条項が真正でないということを意味するのではない。代 替性についてのほぼ制限のない権利を認めることによって、デリバルーは関知可能 性を失い、したがって、その名の下で誰が労務を提供しているのかについての保証 も失い、さらにまた、評判に関する危険や、潜在的には規制に関する危険を作り出 している。しかし、それはデリバルーの問題である。ライダーらは、労働組合労使 関係統合法296条あるいは雇用権法230条3項(b)のどちらの定義であれ、それに 当てはまる労働者ではない。」(para. 103)

Ⅳ 検討

1 本決定の意義

(1)就業形態と判断基準

本決定の意義は、あくまで制定法上の定義(集団法上の「労働者」概念)の問題

(17)

として取り上げるべきである。しかし、本決定でも若干指摘されているように、ま た、労働者概念の異同につき後述するように、個別的労働関係法(以下、「個別法」。)

上の労働者概念と集団法上の労働者概念とは共通する部分も多い。ところが、近年 では、個別法上の労働者概念につき、同様に「アプリ」を介した就労形態で労務を 提供していた者の労働者性が肯定されている例が散見される。(55)

したがって、二つの労働者概念の共通性からしても、その点を意識しながら、労 働者性が否定された本件のような就労形態が、どのように(1992年法上の)「労働者 の契約」の定義に合致しないと判断されたのかが、就労形態の「新しさ」を知る上 で重要と解される。

(2)就業形態と契約解釈

次に、イギリス労働法においては、個別法上の労働者概念にしろ、集団法上の労 働者概念にしろ、それらの概念は、一定の種類の契約を用いて定義されている。そ のため、簡単に言うと、当事者間に(特定時点において)一定の種類の契約が存在 するか否かによって、法の適用の有無が決定される仕組みになっている。そこで、

当事者間の権利義務関係(雇用や就労の内容)が当該種類の契約の有無の判断材料 として確定される必要がある。そのため、「労働者」性の判断の前提として、契約解(56) 釈作業が不可避的な作業として存在する。そして、イギリスでは、個別法上の労働 者性の判断をめぐり、2011年に最高裁(前掲Autoclenz事件最高裁判決)が「目的的 アプローチ」という契約解釈のアプローチを採用している。

本件事案でも、詳細な契約書が労務提供者と受領者との間で交わされていた。そ して、本決定は、Autoclenz事件最高裁判決に、本件組合のライダーらが集団法上の 労働者概念に該当するか否かの判断の中で依拠していることは明らかである。そこ で、Autoclenz事件最高裁判決に従い、契約内容の認定(契約解釈)がどのように行

前掲Uber事件控訴審判所判決。 さらに、同様にアプリを介して就労していたメッセンジャーの 個別法(1998年労働時間規則)上の労働者性を認めた判決として、Addison Lee Ltd.v Gscoigne (UKEAT/0289/17/LA)(11May 2018)(see para. 5.)。

イギリスでは、同じように契約解釈作業が要請されるが、契約の解釈(interpretation)と契約 の分類(categorization)とが区別されるという事実の認識が定着してきている。そして、後者の 作業が二段階に分かれること、すなわち、契約上の権利義務の認定(契約解釈)の段階と、当該権 利義務からなる契約がいかなる種類の契約であるかを判断する段階の段階とに分かれることも認 識されている(Richard Calnan,Principles of Contractual Interpretation(2nd.ed.)(OUP,2017), p. 97bellow)。

(18)

われたのか。この点も注目すべき点である。

(3)検討の順序

以下の検討では、第一に、既に決定に示されているが、まず個別法上と集団法上 の労働者概念について簡単に紹介と整理をする。第二に、Autoclenz事件最高裁判決 の従来の議論の中での意義に触れた上で、本決定の集団法上の労働者性判断におい て同最高裁判決の示した契約解釈がどのような意義を有しているのかを示す。第三 に、第二の点における考察を受けて、Autoclenz事件最高裁判決の示した「目的的ア プローチ」という契約解釈手法を用いても、集団法上の労働者性が認められなかっ た、本事案における就労形態の「新しさ」と同労働者概念の限界を析出する。

2 労働者概念(57)

まず、本決定でも参照されていた個別法上の労働者概念について確認する。

(1)個別法上の労働者概念

労働条件記述書や不公正に解雇されない権利などの労務提供者にとって重要かつ 基本的な諸権利を規定する1996年雇用権法(Employment Rights Act 1996)も含 む個別法の分野では、「労働者」は以下のように定義される。(58)

「『労働者』とは、以下の契約を締結している、またはその下で労務を提供してい る(もしくは、雇用が終了している場合には、その下で労務を提供していた)個人 を意味する。

(a)雇用契約(contract of employment)、または、

(b)明示であると黙示であると、かつ、(明示の場合であれば)口頭であると書面 であるとを問わず、それによって、個人が、契約の観点から、当該個人によって営 まれる、専門的または商業的事業の、依頼人もしくは顧客の地位にない契約の他方 当事者のために、自分自身で労働または労務を履行することを引き受ける、その他 のあらゆる契約。

以下の記述は、前掲新屋敷書・335頁以下の記述をベースにしている。

ここでは1998年労働時間規則の定義(Working Time Reglations 1998SI1998/1833,reg.2)を 紹介しているが、本決定でも挙げられていたEmployment Rights Act 1996, s. 230(3)も含め、他 の制定法でも同様の定義が用いられる(National Minimum  Wage Act 1998, s. 54(3);Employ- ment Relations Act 1999, s. 13.)。

(19)

また、あらゆる労働者の契約(workerʼs contract)についての言及は、以上に従っ て解釈される。」

このように、個別法上の労働者概念は、(a)の雇用契約だけでなく、上記(b)

の契約も含む被用者概念よりも広い概念である。当然、上記(b)の契約は、(a)

の雇用契約よりも広く、雇用契約を包摂する契約類型として捉えられている。そし て、「労働者の契約」について裁判例上問題となるのは、上記(b)の定義である。

なぜなら、当事者間で最終的に争われるのは、一番広い概念に依拠する権利主張の 当否となるからである。

なお、「労働者の契約」は、(a)と(b)の契約を含むものであるが、本稿では、

実際上問題となる(b)の定義に対応する契約類型を、特に断りのない限り、「個別 法上の労働者の契約」と呼ぶことにする。

(2)集団法上の労働者概念

次に、本決定で問題となった1992年法上の労働者概念についてみる。1992年法第 296条1項は、以下のように労働者を定義している。(59)

「本法において労働者(worker)は、〔以下の契約の下で、〕労務を提供する、通 常労務を提供する(normally  works)、または労務を提供することを求める(or seeks to work)、個人を意味する。  

(a)雇用契約の下で、または、

(b)当該個人の専門的職業の依頼人でない他方契約当事者に対して何らかの労働 ないし労務を自分自身でなす、または履行することを引き受けるあらゆる契約の下 で。

(c)((60)略)」。

まず、挙げられている契約を見る。(a)の内容に関しては個別法上の労働者概念 と全く異なら

(61)

ない。(b)に関しては、個別法上の労働者概念には含まれていた「商

同条は、1919年労働裁判所法(Industrial Courts Act 1919)第8条に起源を有し、その後1974 年労働組合労使関係法(Trade Union and Labour Relations Act 1974)第30条1項、1975年法 雇用保護法(Employment Protection Act 1975)第126条1項、1982年雇用法(Employment Act 1982)附則3第10条、1988年雇用法(Employment Act 1988)第第32条1項に由来する(1992年 法・附則3)。ただし、1919年法においては、個別的労働関係法における「労働者」の定義と同様 の定義であった。

TULR (C)A 1992, s. 296(1).00

TULR (C)A 1992, s. 295(1)and ERA 1996, s. 230(2).

(20)

業的事業」と「顧客」の語句が入っていないという違いがある。しかし、(b)に関 して、「専門的職業」とその「依頼人」という要素では共通している。

ただし、下線の箇所については異なっている。すなわち、「通常」とか「労務を提 供することを求める」といった言葉からわかるように、この労働者概念は、紛争に 関連する行為の時点で、当事者間に(a)ないし(b)の契約が存続していること は要求していない。つまり、「通常」や「提供することを求める」という言葉が加え られているため、条文を文言に素直に解釈すれば契約の存在と時間の関係を厳密に 問わない構造となっている。

(3)まとめ

このように、集団法上の労働者概念は、契約の具体的な定義((a)(b))の内容 において、個別法上の労働者概念との共通部分を見出すことができる。他方で、集 団法上の労働者概念は、個別法上の労働者概念と比べて、契約の具体的な定義((a)

(b))に至る前の段階では異なって

(62)

いる。

本決定では、当事者や委員会は両概念の異同の有無と内容を把握するのに若干困 惑気味であるが、それは以上のような各概念の中心的部分と目される(a)と(b)

における類似性の故であった。それほど、両者はその点において似通っているとい うことであろう。

Autoclenz事件最高裁判決の法理の適用

次に、本決定でも依拠されていたAutoclenz事件最高裁判決の示した契約解釈手 法とその意義に触れ、集団法上の労働者概念についての判断を示した本決定で当該 契約解釈手法がどのように用いられていたのか、検討する。(63)

(1)契約名称・内容の操作と契約解釈手法の展開

上記の通り、イギリス労働法においては、個別法上の労働者概念であれ、集団法 上の労働者概念であれ、「労働者の契約」と労働者概念とが結び付けられて労働者概 念が定義される。そのため、法の適用を免れたい当事者(とりわけ労務受領者)は、

この相違の意義については、前掲新屋敷書・342頁以下を参照。

労務提供契約の性質決定と契約解釈をめぐる法理の展開については、前掲新屋敷書・226頁以下 を参照。ここでの記述も、同研究をベースとしている。

(21)

契約を操作する可能性、すなわち、①契約名称の操作や②契約内容の操作を行う可 能性がある。

①契約名称の操作とは、労働者の範疇に労務提供者が入らないようにするために、

契約において、当事者間の契約の名称を「請負その他の契約(contract   for   ser- vices)」、「独立契約者(independent   contractor)の契約」、あるいは「自営業者

(self-employed)の契約」などとし、さらに、契約書中でも一貫して労務提供者を

「自営業者」などの用語で指し続ける、という契約自由の行使である。

②契約内容の操作とは、①に加えて、契約書の中に、労働者の契約の定義に含ま れる「自分自身での労務の提供」(上記集団法上の労働者の契約の定義を参照)に反 するような条項(本件であれば「代替条項」)を、契約自由の行使として、詳細かつ 執拗に規定することである。

①や②は、たしかに実際の当事者間の法的関係を反映し当事者間の法的関係につ いての疑義を避けるためになされる場合もある。しかし、他方で、実際の法的関係 を無視して法律の適用を免れたいと考える当事者(とりわけ労務受領者)によって も行われる。そのため、イギリスでは、審判所や裁判所において、とりわけ個別法 上の法の適用(被用者〔employee〕や労働者(worker)概念)をめぐって、長く契 約解釈のあり方が議論されてきた。そして、個別法上の(被用者と)労働者概念に 労務提供者が該当するかを判断するための労務提供に関する契約の当事者間の交渉 力格差を前提とした契約解釈の手法(「目的的アプローチ」)を、2011年に、本決定 も引用するAutoclenz事件最高裁判決が示したのである。(64)

(2)集団法上の労働者の契約とAutoclenz事件最高裁判決

(ⅰ)契約解釈における区別の不存在

【決定要旨②】からわかるように、個別法上の労働者性が争われたAutoclenz事件 で最高裁が示した契約解釈が、集団法上の労働者性の判断、すなわち、労働者の契 約の有無の判断でも、依拠されている。判旨を見る限り、個別法上の労働者の契約 に関するものと集団法上のそれとで、契約解釈のあり方につき特段区別していない。

したがって、本決定からは、問題となる労働者概念(労働者の契約)が、個別法上

Autoclenz v Belcher[2011]ICR 1157.

(22)

のものであろうと、集団法上のものであろうと、契約解釈のあり方の点で区別され ない、ということになる。

(ⅱ)契約解釈を通じた就労の実態についての詳細な検討

また、Autoclenz事件最高裁判決は、同判決が肯定した当事者の契約書面に拘束さ れずに、当事者の合意内容、言い換えると、当事者の権利義務の認定(契約解釈)

を行った控訴院判決のアプローチを肯定しつつ、それが「目的的アプローチ」と評 されるとしても満足であると

(65)

した。本件事案の概要にあるように、新契約には、契 約書面の条項が当事者の契約内容を完全に示すものであることを明示する条項が存 在した。しかし、本決定は、Autoclenz事件最高裁判決と同様に、新契約の代替条項 を確認すると同時に、代替につき、契約の当事者が実際にどのように行動していた かも、つぶさに検討したのである(事案の概要に示した就労の実態に関する事実は、

本決定が認定したものである。また、【決定要旨②】参照。)。

(ⅲ)合意した条項の認定としての判断

ただし、本決定は、Autoclenz事件最高裁判決以前の、同最高裁判決も是認した Kalwak事件控訴審判所判決においてElias審判所長官が強調していた

(66)

点を、確認す ることも忘れていない。それは、契約解釈があくまで「何が合意されたか」を認定 する作業であるという点である。たとえ、当事者らの契約下における実際の行動を 検討すべき証拠とするとしても、それはあくまで当事者間で何が合意されたかを判 断する材料として参照されるに過ぎない。

(ⅳ)最高裁判決に従った判断

以上からわかるように、本決定は、契約解釈の点では、Autoclenz事件最高裁判決 に忠実に従った判断をしている。

4 集団法上の労働者概念と就業形態(代替条項)の新しさ

本決定は、当事者間の契約上の権利義務内容を検討するにあたって少なくとも Autoclenz事件最高裁判決に従った上で、集団法上の労働者性を否定したといえる。

Ibid., para. 35.

Consistent Group Ltd.v Kalwak[2007]IRLR 560,at paras.56‑58. 前掲新屋敷書・285頁以 下。

(23)

だとすれば、本決定につき、注目すべきは、当事者間の関係(権利義務)の認定(契 約解釈)のあり方ではなく、むしろ同概念に合致しないと判断された就労形態の特 徴であり、また、そうした就労形態を判断する労働者概念の判断基準の何が障害と なっていたのかである。特に、本件の場合と同様にアプリを介して就労していた個 別法上の労働者性が争われた事件では、Autoclenz事件最高裁判決の示した契約解 釈手法が功を奏し、労働者性が認められている。だとすれば、なぜ本件の就労形態(67) の場合には、集団法上の労働者性が否定されたのか。

(1)労働者概念と従属性

まず、【決定要旨③】(4)が、労務提供者が主たる収入源として労務受領者との 間の契約に依存していることは、労働者の契約の有無の判断には関係がないことを 明らかにしている点を確認しておこう。この点は、本決定以前の個別法上の労働者 性(労働者の契約)雇用控訴審判所判決も、「当該個人が経済的にかつ実質的に、従 属的な地位にあるという事実は、それ自身、関連の境界線を引く際の助けにはほと んどならない」としており、また集団法上の労働者性(労働者の契約)の高等法院(68) 判決も、「依存性の基準に何らの助けも見出さない」としていたことを確認できる。(69) 本決定も同様の判断傾向を示しているといえよう。

(2)自分自身での労務の提供

(ⅰ)代替性の問題化

本決定は、「当該配達は、……引き受けた仕事を自分自身で遂行するのが当該ライ ダーである必要がなく、ライダーらが自由に代替者を用いることが認められていた」

(【決定要旨③】(4))としていた。ここからは、本決定は、労働者性の判断として 掲げられていた争点のうち、②(自分自身での労務の提供)を問題としていたとい える。

そして、集団法上の「労働者の契約」の定義に含まれる「自分自身での労務の提 供」という要件について、本件事案で、レストランまでYの顧客により注文された 商品を受け取りに行き、そして、顧客の元まで届けるという一連の配達の労務提供

前掲Uber事件控訴審判所判決(paras.91‑100)、前掲Addison Lee事件控訴審判所判決(para.

5.)。

James v Redcats (Brands)Ltd.[2006]IRLR 303, at p. 301‑302.

R (on the application of the BBC)v CAC[2003]IRLR 460, at para. 22.

(24)

における、代替性が問題となっていた。

(ⅱ)代替性が肯定された要因と就労実態

では、具体的に、いかなる代替性が、「自分自身での労務の提供」の要件に該当し ないとされたのか。本件の事実と【決定要旨③】からは、労務の代替について、第 一に、労務受領者が、ほとんど関知しようもなかったし、関知する意思も有してい なかった、という点が重要であった。具体的には、アプリのダウンロードの回数や ダウンロードする端末に関する制限もなく、アプリでログインする際に必要となる パスワードを代替者に開示することも認められていた。ライダーの所有する端末を、

Yの許可なく、配達の労務提供時に代替者に持たせてさせて行わせても問題がなく、

また、やはりYの許可なく、ライダー自身が労務の依頼をアプリで承諾した後に端 末を渡して代替者に労務提供をさせることも認められていた。報酬の支払も含め、

Yは代替者に基本的に関与していない。

また、第二に、ログインするか否か、ログインしたとしてもアプリを通じて申し 込まれる配達の依頼を承諾するか否か、依頼を承諾した後に履行することを強制さ れるか否か、の各段階で、労務提供者側には自由が認められており、そのため、代 替者を用いなければ配達の労務が遂行できないような状況に追い込まれることもな かった。

さらに、第三に、代替者を用いることで、金銭面や自分の都合を優先するという 利益を得ている者もいる状況であった。

こうした労務提供者と労務受領者間の権利義務が、契約書面の条項と就労におけ る実態とから認められ、結論として、「自分自身での労務の提供」という要素が否定 された。

(ⅲ)アプリを介した就労から導かれる新しさなのか

ただ、このような代替性が、「アプリ」を通じた労務提供であることから生じるの か、その意味で新しく特徴的であるのか、というと疑問がないわけではない。まず、

この点、個別法(1996年雇用権法、1998年労働時間規則、1998年全国最低賃金法)

上の労働者性が問題となったUber事件控訴審判所判決と比較しようと確認すると、

同判決では、代替性に関しては以下の通りの契約に関する事実が認められていた。

すなわち、当事者間の契約は、運転手のアプリへのアクセスが一身専属的なもので

(25)

あり、したがって、アプリを利用する権利は移譲が認められず、また、アプリにロ グオンするときに必要なアカウントや運転手のIDを他者と共有することも認めら れないことが認定されていた。もちろん、Autoclenz事件控訴審判所判決の契約解釈(70) 手法に基づき、契約書面と就労実態の検討からこのような契約上の権利義務が認め られている。これらの事実が形成するUber事件の事案と、本件の事案とは異なって いることが明らかであろう。

たしかに、本件の事案のように、アプリが労務提供の申込みと承諾に介在する場 合には、申込みや承諾の実現の場所的、時間的な制約はより少なくなる、というこ とは言えるのかもしれない。そのため、契約当事者ではない第三者による労務提供 の代替の余地は広がる。しかしながら、本件事案を見ると、代替者をどのような仕 組みの下で許容するかは当事者間の契約内容や実際の労務提供・受領のあり方によ るものであるということが窺われ、それが「アプリ」を介した労務提供・受領に起 因するとするのは、やはり難しいと解される。したがって、「アプリ」自体によって、

あるいは少なくとも「アプリ」の存在のみによって、集団法上の労働者概念に該当 しないような就労実態が形成されているわけではないといえよう。

(ⅳ)アプリによりもたらされる複雑性

他方で、Uber事件の控訴審判所では、①「運転手が労務を提供しているときに、

運転手は誰に労務を提供しているのか」とい

(71)

う点、そして、②アプリを起動させて 労務を提供できる状態になったときから、もしくは、依頼された業務を承諾したと きから、いったいどちらの時点から労務の提供を開始したと認められるかという点、(72) が実は争われていた。①は、アプリの仕組みを提供する会社と労務提供者、そして(73) サービスを利用する顧客との関係性が、たとえば当該会社と労務提供者が雇用契約

(contract of employment)を締結した場合と比較すると、アプリを通じて、より 希薄になっていると解しうるため、問題になってくるものと考えられる。また、②

[2018]IRLR 97, at para. 11.

Uberの側は、契約書通りに、「Uber運転手は直接顧客のために自らの計算で事業を行っている」、

Uberと運転手の関係は「代理関係である」(Uberが代理人で運転手が本人)と主張していた(Ibid., at para. 104)。

契約上の労務の提供義務がどの時点から認められるかの判断が、1998年労働時間規則が定める

「労働時間」の定義に問題の時間が該当するか、そして2015年全国最低賃金規則第44条に定められ るunmeasured workに該当するかという問題に関わってくる(Ibid., paras. 3and 123.)。

Ibid., at para. 103.

(26)

も、会社と労務提供者とがアプリを介して接触を図るため、業務の開始につき明確 な接点を見出しがたいことから、いかなる時点から労務提供の義務を当事者が負う ことになるか、という、やはりアプリが当事者のやり取りを媒介することから生じ る問題であろう。

このように、Uber事件では、アプリを介して会社と労務提供者(とサービスを受 ける顧客)が関係性を形成することに起因して、両当事者の法的関係の性質を判断 するのに複雑性がもたらされていたことも事実である。今後、「アプリ」を介した就 労が展開する中で、個別法上の労働者概念と共通する部分が認められることから、

集団法上の労働者性の判断においても問題となる可能性は否定できない。

(ⅴ)自分自身での労務の提供の要件の可能性と限界

次に、「労働者の契約」の側における新たな就業形態をめぐって生じる問題点を考 える。

本決定でも引用されている、Pimlico Plumbers v Smith[2017]IRLR 323(CA)

(以下、「Pimlico事件控訴院判決」。)は、先例等を参考に、「自分自身での労務の提 供の要件についての適用されうる諸原則」を以下のようにまとめている。すなわち、(74)

「第一に、他の者に労務を代替させることについて制約のない権利は、労務を自分 自身で遂行することを引き受けることと整合的ではない。第二に、〔事前に労務受領 者の許可を得るなど〕条件付で他の者に労務の遂行を代替させる権利は、当該条件 次第で、自分自身による労務の提供と整合的でない場合もあるし、整合的である場 合もある。それは、当該契約上の取り決めと、とりわけ、代替に関する権利につい ての制限の性格と程度による。後者について別言すると、当該代替に関する権利の 程度が制限された(limited)ものなのか臨時の(occasional)ものなのか、という ことである。第三に、例えば、契約者が当該労務を実行できないときに限定してい る代替の権利は、例外的な場合はあるとしても、自分自身での労務の提供と整合的 ということになる。第四に、これもまた例ということなのだが、特定の手続を経る 必要があろうとなかろうと、当該契約者が当該労務を提供する資格を有するとこと が認められているのと同様に、代替者が資格を有する者であると示すことのみ求め

[2017]IRLR 323(CA), at para. 84.

参照

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