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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名

Comparison of protein profiles of pellicle, gingival crevicular fluid and saliva:

possible origin of pellicle proteins.

(ペリクル、歯肉溝浸出液、唾液のタンパク質プロファイルの比較:ペリ クルタンパク質の由来について)

掲載雑誌名

Journal of Clinical Periodontology 投稿中

歯周病学 小田中 響

内容要旨

【目的】

ペリクルは、唾液中のタンパク質が歯面に吸着することで形成される獲 得被膜である。耐酸性など歯面の保護に働く一方で、細菌付着の足場とな るが、その由来や機能には不明な点が残されている。本研究では、同一の 健康成人からペリクル、歯肉溝浸出液(GCF)、唾液を採取し、三者のタン パク質パターンを比較することでこれらの口腔内成分の特性とペリクル の由来を明らかにすることを目的とした。

【対象・方法】

健康成人 4 名のペリクル、GCF、耳下腺唾液、混合腺唾液を採取し、安 定同位体標識を用いた質量分析法(iTRAQ 法)でタンパク質の網羅的定量 解析を行った。SDS-PAGE によってバンドパターンを比較し、質量分析法 によってタンパク質を同定した。ウェスタンブロット法を用いて差があっ たタンパク質を検出した。

【結果・考察】

iTRAQ 法を用いた質量分析法により存在比が異なるタンパク質が多数見 出され、ペリクル、GCF、唾液の組成に差があることが分かった。また SDS-PAGE と質量分析法により同定したペリクル、GCF、耳下腺唾液、混合 腺唾液の主要タンパク質は、それぞれ 13、11、10、10 種類であった。ペ リクルと唾液に存在する酸性タンパク質であるシスタチン S と-アミラ ーゼは,質量分析およびウェスタンブロットでも GCF には検出されず、

iTRAQ 法の存在比でも低かった。シスタチン S と-アミラーゼは,以前の 報告と同様に、唾液由来のペリクルタンパク質であることがわかった。ま

(2)

たセロトランスフェリンはペリクルと GCF にのみ認められた。ミエロペル オキシダーゼは、すべてのサンプルに存在したが、GCF に特に多く含まれ た。GCF 中の血清タンパク質濃度が唾液中の 70 倍であることから、GCF 由 来のタンパク質がペリクル形成に寄与していると考える。これまでペリク ルは唾液由来であると一般に考えられていたが、唾液および GCF に由来す るタンパク質がともに含まれていることが明らかになった。今日までに報 告された GCF の歯周組織における役割に加えて、歯の表面上のペリクル形 成においての役割を有する可能性がある。ペリクル形成および機能におけ る GCF の役割を解明するために、さらなる研究が必要である。

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