3 人組北海道ドライブ漫遊記(2)
7月4日から7月14日まで、昨年と同じ25年来の知人(FさんとTさん)との3人で、
往復とも敦賀から苫小牧までのフェリーを利用し、北海道でのドライブ旅行を楽しんだ。
3人の年齢は、この旅行中に「喜寿」を迎えたFさんを筆頭に、Tさんと小生合わせて平均 すると70歳余りの「高齢者集団」であった。今年も千歳郊外のFさんのマンションを拠点 に、主に知床等の東部方面への遠征をし、大変楽しくかつ有意義なドライブ旅行であった。
1)7/4(月):小雤
21時に守山駅に集合し、小生の車(マツダ・デミオ)で敦賀港に到着したのが、23時 過ぎであった。フェリーは今回も昨年往きに乗った「すずらん号」であることを知り、
大変懐かしい思いがした。
2)7/5(火):曇
フェリーの乗客は昨年同様それほど多くはなく、2段ベッドの2等寝台8人分を3人で 独占できるほどであった。深夜1時の出発であったが、出港直後早速3人で、今回の
旅行が昨年同様実り多いことを祈り乾杯した。諸々の話しや議論をし、就寝したのは 昨年よりも遅い4時半過ぎであった。(老いてもまだまだ元気な「3人組」である)
ゆっくり起きて、昼過ぎに売店で買ったパンを1つ食べ、風呂に入った。海を眺めな がらの入浴は、なかなかのものであった。ただ、左手にある北朝鮮には飢えに苦しむ 多くの人々がおり、一方で右手には、今回の大震災で被災された東北の方々がおられ、
我々が旅行に行けるこの幸せに、心から感謝しなくてはならないと湯船の中で思った。
フェリーは定刻通り20時30分に苫小牧東港に到着した。高速を利用し、一路千歳の 拠点となるマンション「ドミニオ」に向かい、22時前に無事到着した。
3)7/6(水):晴
昼近く、お土産の下見も兼ねて、車で20分ほどの所にある千歳空港に行った。帰りに 空港から車で10分あまりの場所にある「美々川カヌー下り」の乗場の下見もした。
今回、知床方面から帰着後の12日、天候がよければ是非3人でチャレンジしたいと 思い、Fさんも誘ってみたのだが、かなり腰が引けている様子が伺えた。
「ドミニオ」に引き返し、15時から近くの市営コートにて軽くテニスの練習をした。
お二方とも、テニスは昨年の同じ場所での練習以来ということであり、最初はラリー が続かなかったが、慣れるに従って時々素晴らしい返球も見られるようになった。
わずか1時間ではあったが、良い汗をかくことができた。
その後、昨年も通った市内のスーパー銭湯で汗を流した。帰りに千歳駅前のスーパー で新鮮な毛ガニとツブ貝を手に入れ、その足で回転寿司屋に寄り、持ち帰り用寿司を 購入した。毛ガニとツブ貝は勿論、回転寿司も普段食べているものとは鮮度が全く違 っていた。翌日はFさんの「喜寿の祝い」の日であり、その前夜祭も兼ねて、祝杯を 挙げた。
4)7/7(木):晴
この日から、北海道東部方面へのドライブ旅行が始まった。9時頃「ドミニオ」を出発 し、千歳インターから高速で夕張まで出た。ここから一般国道で日高町経由「日勝峠」
を通り、十勝清水から再び高速に乗り、足寄で下りて阿寒湖に向かった。
阿寒湖での小休止の後、天気が良いうちにということで、夕方ではあったが摩周湖に 向かった。
摩周湖とは不思議な湖で、そこに到着するまでは、あのような湖が存在する雰囲気が 全く感じられない中、突然眼下に神秘に満ちた湖が出現するという印象であった。
展望台の背後からの夕日を受けた「摩周岳」の勇姿と、湖に浮かぶ小島(カムイシュ 島)とのコントラストが実に素晴らしく、「摩周ブルー」の湖水が、微妙にその色彩を 変えながら静かにたたずむ湖は、いつまで見ていても飽きることがなく、日没の直前、
至福の一時を過ごすことができた。
18時前、摩周湖を後にし、当日の宿泊場所である川湯温泉「御園ホテル」に入った。
早速温泉に浸かり、移動距離の長かった1日の疲れを癒した。温泉は、登別のような 硫化水素系であり、にごり湯で独特のにおいのする本格的な温泉であった。(脱衣所に
「摩周湖と同じ水」で作った麦茶があり、抜群の味に感じた。気のせいなのだろうか?)
夕食はホテルではとらず、フロントで紹介された居酒屋の1つに行ってみた。
この日はFさんの「喜寿の祝い」の日であり、改めて3人で祝杯を挙げた。
5)7/8(金):雤のち曇
朝食後ホテルのフロントで、付近の観光情報を集めてみた。お勧めは「裏摩周の展望 台」からの眺めであったが、あいにく朝から雤が降り出していた。
そこで別のお勧め場所でもあった「さくらの滝」(サクラマスが遡上する滝)と「神の 子池」(摩周湖と地下で繋がっており、ここの湧水は12,000t/日)を午前中観光する こととした。
「川湯温泉」を出発すると、間もなく雤は上がった。「さくらの滝」には、我々以外は 誰もいなかった。周囲は熊が時々出没するそうで、その旨の注意書きがあった。滝の
高さは3~4mほどで、ここを遡上するサクラマスが、豪快に飛び跳ねている姿が目の前
で見られ、大変貴重な体験ができ、感動した。
次に「神の子池」に向かった。ここは、直前の1~2kmほどは砂利道で、観光バス等は 入れないような狭い道であった。摩周湖には入り込む川も流れ出る川も存在しないが、
それでも一定の湖面を保っている理由の一つに、地下で繋がっているこの「神の子池」
の存在があるそうである。池は周囲が200m余り、水深5mと小さなものであり、透き 通ったコバルトブルーの水の色が大変印象的であった。
雤が上がったので、裏摩周からの展望が可能になったのでは?との淡い期待を抱いて 寄ってみた。だが前日とは全く異なり、そこは視界不良の「霧の摩周湖」だった。
昼前に、網走方面を目指した。まず訪れたのが、冬季に白鳥の飛来で有名な「濤沸湖」
と、オホーツク海に挟まれた「原生花園」であった。湿地帯に自然に群生した「エゾ キスゲ」や「ハマナス」その他の花々が、遠く知床連山をバックに咲き乱れていた。
エゾキスゲ エゾスカシユリ
ハマナス
「原生花園」を後にして、15時過ぎに網走に到着した。かの有名な「網走監獄」への
「体験入獄」が主な目的であった。Fさんは、2~3年ほど前に入獄した経験を持つ
「前科者」だそうで、今回は遠慮したいとのことであった。そこでTさんと小生とで
「体験入獄」し、網走と監獄との深い関係を知ることができた。判ったことは、この 監獄の歴史抜きに網走を語ることはできず、その意味で、真正面からこの事実に向き 合っている市の姿勢に、「臭いものに蓋をする」ことのない前向きさを強く感じた。
この日は、ロマンチックな「霧の摩周湖」から花々が咲き乱れる「原生花園」、更には
「網走番外地」まで、「天国から地獄」の貴重な体験ができた1日であった。
6)7/9(土):晴のち曇
この日は知床へ発つ前、前日霧で見えなかった「裏摩周展望台」へ寄ることにした。
一転、素晴らしい天候となり、別の角度からの摩周湖の姿は、これまた絶景であった。
摩周湖を後にして、一路知床半島を目指した。斜里町経由、「オシンコシンの滝」を まず見物した。何十年か前に一度この滝に来たことがあるが、スケールが今回の方が 何故か大きく感じられた。
次に「ウトロ」を通り、「知床五湖」に12時頃到着した。
以前来た時には「ウトロ」から先は、車の通れる道路が無かったが、現在では「知床 五湖」の先の峠まで開通しているとのことであった。
案内所で聞いたところ、五湖すべてを回るためには、専属のガイドが付いて3時間半 位かかるそうで、今回は「1湖」まで設置されている「高架木道」を利用して見物す ることにした。この「高架木道」は全長800m、地上3~4mの高さにあり、周囲には
「熊避け」の電線が張り巡らされていた。ゆっくり歩いても、往復40分程度で回れ、
「1湖」の近くでは「エゾシカ」が草を食んでいた。目の前の知床連山には、徐々に ガスがかかってきており、中腹以上が見通せなかったのが甚だ残念であった。
13時前ここを発ち、一路この日の宿泊地である紋別を目指した。「原生花園」付近から 網走までは、前日通った道であった。付近には「濤沸湖」、「網走湖」、「能取湖」、「サ ロマ湖」等が並んでいるが、海沿いの湖は概ね風景の変化に乏しく、休憩以外はわざ わざ立ち寄るほどではないように感じた。
夕刻、紋別の宿泊場所であるビジネスホテル「ステージ」に到着した。夕食はホテル より紹介された居酒屋に出掛け、海の幸&地酒を堪能した。さすがに値段のわりに、
魚介類の鮮度と美味しさは抜群であった。
7)7/10(日):雤のち曇
夜半から、かなりの雤が降っていた。朝食はホテル脇の喫茶店のモーニングサービス とし、雤の中、層雲峡を目指した。途中で雤は上がったものの、層雲峡の岩山はガス で覆われていた。
天候がイマイチなのでロープウェイで昇るかどうか迷ったが、徐々
に回復の傾向にあり、思い切って12時発に乗ることにした。中腹から上にはガスが かかっており、小雤模様であった。終点の先にはリフト乗場があり、天気が良ければ、
乗り継いで行く選択もあったが、13時発の下りロープウェイで下山した。
昼食後、近くの「流星の滝」と「銀河の滝」を見物の後、旭川経由「十勝岳温泉」を 目指した。
残念ながら、十勝岳の中腹から上にはガスがかかっていた。
18時前、当日の宿泊場所の十勝岳温泉「ヒュッテバーデンかみふらの」に到着した。
名称の通り、山の中にあるヒュッテ風の作りで、温泉は茶褐色のにごり湯で露天風呂 もあった。一風呂浴びた後、「ふらの和牛」を中心とした美味しい夕食をとった。
23時過ぎ、就寝前にもう一度露天風呂に入ってみた。この時はガスがかかっておらず、
静かな山の上に満天の星がキラキラと輝いて見え、実に素晴らしい雰囲気だった。
8)7/11(月):曇のち晴
この日は千歳に帰る途中、美瑛のフラワーガーデン「ぜるぶの丘」を訪れた。ここは 昨年訪問した富良野の有名な「富田ファーム」に似たお花畑で、ラベンダーをはじめ、
多くの花々が見事に咲いていた。続いて、近くの規模は若干小さい「びばうし・かん のファーム」を訪れたが、ここでも、丘陵地に咲く夏の花々が実に見事であった。
昼過ぎに、「桂沢湖」を経由して岩見沢へ出た。ここから一路高速で、夕方5日ぶりに 千歳の「ドミニオ」に戻った。夜はお酒を飲みながら、東部方面への遠征の話題その 他で大いに盛り上がった。
9)7/12(火):晴
この日は、「最後のビッグイベント」である千歳郊外「美々川カヌー下り」への挑戦の 日であり、14時過ぎにスタート場所に向かった。
Fさんは参加することに最後まで腰が引けていたが、何とか説得して3人で挑戦する ことになった(運命共同体)。出発15分前に現地に到着し、責任者の若者から様々な 注意点の説明を聞いた。今回のカナディアンカヌーは2~3名乗りで、オールの使い方、
全長4kmの行程の特徴と注意点その他について説明された。3人の役割としては、
最後尾が最重要で、次に先頭ということで、先頭:Tさん、中央:Fさん、最後尾:
小生の配置に決定した。
ライフジャケットを身につけ、15時ジャストに出発した。(誘導者なし、自力操作)
説明によれば、全長4kmの前半2kmは川幅が比較的広く(10~15m)流れも緩やか で、後半の2kmは川幅が狭く、場所によっては木々の枝が川面近くに張り出しており、
如何にこれを避けて操作するかがポイントとのことであった。
説明通り前半は川幅も広く、それぞれのオールの使い方の練習を兼ねて、試行錯誤を 繰り返した。あたりは鳥のさえずりが聞こえるだけで、青空の中をゆったりと時間が 流れている感じがした。しばらくすると、下流に2羽の白鳥らしき鳥が現れ、我々の 近く(2~3mの距離)まで泳いで来て、そのまま上流へ過ぎ去って行った。(後から 聞いた話では、この2羽は元々支笏湖にいたのだが、他の仲間たちとの折り合いが 悪く、夏場もシベリアに戻ることなく、ここ「美々川」に住みついたそうである。)
前半の2kmは水深(50cm以下)も浅く、1度だけ川岸の藪に突っ込んだこと以外、
障害物も無く特別なトラブルはなかった。
問題は後半の2kmであった。中間点からの下流はそれまでとは全く状況が変わり、
川幅が狭く(当然流れは速く)、両岸から延びた木々の枝が川面近くまで覆っている 場所もあり、これらをいかに避けて無事通過するかがポイントであった。
前半の2kmの練習で、それぞれの役割分担を身体で習得し、チームワークも大分良く
なったと感じたものの、後半の2kmでは次々と遭遇する難所(ちょっと大袈裟か?)
をどう通過するかを考えるだけで精一杯であった。所々に支流が流れ込んでいる場所 があり、流れの変化でコントロールがうまくとれず、両岸のブッシュに突っ込むこと 3~4回、一度は川面近くに張り出した太目の枝で、危うくTさんの眼鏡が飛ばされ そうになった危機もあり、悪戦苦闘の2kmであった。
そしてスタートからゴールまでの4km、90分間にわたる「3人組カヌー挑戦」を何と か無事に終えることができた。
そして夜は、昨年同様カラオケでの「喉自慢」を、千歳駅前で実施することにした。
19時過ぎのバスで千歳駅に移動し、駅の構内のカラオケ店で、昨年同様「北国の歌に 限定」という約束のもと、1時間半にわたって各自が熱唱した。小生は持ち歌の「北の 旅人」や「恋の街札幌」は勿論、普段歌ったことのない「霧の摩周湖」、「イヨマンテ の夜」、「黒百合の歌」等にも、恥を忍んで積極的にチャレンジした。
最後に、全員で「知床旅情」を歌ったが、「原生花園」で知床半島をバックに眺めた
「ハマナスの花」が思い出され、あっという間の1時間半であった。
10)7/13(水):曇時々にわか雤
長いようで、短かった旅行も終わり、いよいよ本土帰還の日となった。
朝から荷物の整理をし、寝具類のシーツやカバーの洗濯をコインランドリーで行った。
20時半過ぎ「ドミニオ」を出発し、23時30分発のフェリーに乗るべく、苫小牧東港 を目指したが、カーナビにはもう一つの「苫小牧港」しか入力されておらず、四苦八 苦したあげく、大幅遅れで22時過ぎ「東港」のフェリー乗場に無事着いた。この時は 本当にホッとした。そして定刻の23時30分、一路敦賀に向けて出港した。
7/14(木)定刻通り20時30分に敦賀港に到着し、高速を利用して栗東インター経由、
22時頃守山駅に到着、ここで別れて12日間にわたる大変楽しい漫遊旅行を終えた。
(追記)
・「摩周湖」は3日間にわたり訪れた。天気は晴天から霧まで、場所も「裏摩周展望台」
も含めて「摩周湖のすべて」が堪能でき、その神秘的な姿に一層の魅力を感じた。
・「美々川カヌー下り」は高齢の我々にとり、一つの「チャレンジイベント」であった。
途中、想定外の出来事もあったが、白鳥にも歓迎され、「一生の思い出になるイベント」
となった。
・平均年齢70歳あまりの「3人組」であるが、それぞれに目標を持ち、それに向かって チャレンジすることが、お互い今後も若さを保つ秘訣だろうと思われる。
3年目となる来年の「3人組北海道ドライブ旅行」の実現が、今から楽しみである。
・最後に、今回ご一緒したFさんの漢詩2作をご紹介いたします。
1)北 海 道 旅 行 偶 作(その1)
霧 晴 樹 海 幽 路 長 (キリハハレ ジュカイノ ユウロハナガクシテ)
眼 下 摩 周 燦 蒼 光 (ガンカノ マシュウ ソウコウサンタリ)
水 色 不 変 千 古 秘 (スイショク フヘン センコノヒ)
澄 湖 静 邃 正 仙 郷 (チョウコ セイスイ マサニセンキョウナリ)
(訳文)
霧はようやく晴れ、鬱蒼とした樹海の中の長い山道を進むと、
夕暮れ時の摩周湖が眼下に突然現れ、外輪山から鋭く落ち込んだ湖面は 波もなく、深い「摩周ブルー」に燦燦と輝いていた。
ここには、入る川も出る川もないが、千古の昔からその水位を変えること がないという、実に神秘的な世界だ。
透明度日本一の深く静まりかえったこの湖は、正に仙郷そのものである。
2)北 海 道 旅 行 偶 作(その2)
陽 光 棹 舟 下 清 流 (ヨウコウ フネニサオサシ セイリュウヲクダル)
花 漾 鵠 泅 風 色 悠
(ハナハタダヨイ コクハオヨギテ フウショクハルカナリ)到 狭 辺 荊 迫 頭 上 (キョウヘンニイタリテ ケイ ズジョウニセマル)
怖 恟 快 楽 得 重 遊 (フキョウ カイラク カサネテ アソビヲエタリ)
(訳文)
素晴らしい天気の下、三人乗りのカヌーで「美々川」の清流を下った。
前半、川幅の広い処では水草の可憐な花が漂い、ここに住む番の白鳥が 近づいて来たりして、穏やかで時間がゆったりと流れていたが、
後半に入ると急に川幅が狭くなり、両岸に茂った樹木から延びたイバラが 頭上に迫ってきたりして、スリル満点であった。
カヌーでの川下り体験は怖楽こもごも、大変楽しく過ごすことができた。
以上 11.08.12 守山裕次郎