Title
友利移送裁判判決全訳
Author(s)
佐久川, 政一(訳)
Citation
沖大論叢 = OKIDAI RONSO, 7(1): 127-149
Issue Date
1967-02-08
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/10990
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琉球列島沖縄那覇米国民政府民事裁判所 友利隆彪(原告 H 被上訴人)対中央選挙管理委 ( 門 戸 4・
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n m m w m w Z 0 ・ わ -N ・ 0 0 ) 員会(被告 U 上 訴 人 ) シムズ裁判長、ブラックおよびマッキンニス両 陪席判事の前において 出頭者 原告 H 被上訴人側なし 被告 H 上訴人側 宮良長辰、宜野座毅、 島尻覚光訴訟代理人 半 日 決 シムズ裁判長 本 件 は 、 佐久
友利移送裁判判決金訳 一九五七年六月五日発布の大統領行政命令第一O
七一三号及び同改正の第一 川 ‘ 政訳
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項の規定に 一 一 一 七友 利 移 送 裁 判 判 決 全 訳 一 二 八 従い、琉球上訴裁判所に係属していた一九六六年明第八号事件である中央選挙管理委員会からの上訴を、琉球上訴裁 判所から当法廷に移送をもたらした琉球列島高等弁務官(以下高等弁務官と称す)による一九六六年六月七日発の命 令の結果として、われわれの面前にあるのである。同委員会からの上訴は二九六六年二月二十三日に中央巡回裁判所 一 九 六 五 年 によって言渡された、被上訴人友利隆彪氏勝訴、上訴人敗訴の判決からなされたものである。同判決は、 十一月十四日に行われた立法院議員総選挙に際して、第二十九区から立法院の議席へ砂川至誠が当選したことを宣言 し、当該選挙において友利に投ぜられた票は、同氏の異議にも拘らず、すべて無効であるとした地方選挙管理委員会 の決定を支持するという中央選挙管理委員会の決定をくつがえしたものである。中央巡回裁判所は砂川の当選を無効 にし、友利の得票を有効と宣言した。 書留郵便による両当事者への通告に従い、同上訴は、 一九六六年十月五日水曜日午前九時三十分に沖縄那覇在の司 法ピルの上訴審法廷において、時間通りに審理を開始した。被上訴人からは当法廷に出頭しない旨の書面が提出さ れ、かつ被上訴人は手紙で明示的に、中央巡回裁判所と琉球上訴裁判所において彼のために出頭した弁護人は、当法 廷においては彼を代理する資格はない旨当法廷に通告してきた。本件が前示の時刻、場所における審理のために呼上 げられた時、被上訴人は自ら出頭しないだけでなく、弁護士によっても代理されていなかった。従って、当裁判所の 訴訟規則の規則第六条凶にもと,すいて、当法廷は審理を更に十月十日水曜日の午前九時三十分に延期した。 当裁判所が同期日の告知された時刻、場所において、再度呼出した時、上訴人の弁護人は出頭していたが、被上訴人 は叉も本人自ら出頭しないだけでなく、弁護人によっても代理されてなかった。当法廷の書記が一九六六年十月七日 に宮古在の被上訴人が郵送の審理期日通知書を受取ったことを示す正式の送達報告書(河
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を受理し たことが明らかにされ、更に出頭期聞が満期になったので、当法廷は被上訴人の申立は記録上なされたものと取扱う旨表明した。この処置に対して、上訴人からは何の異議もなかった。そこで上訴人の弁護人は公開の法延で琉球上訴裁 判所から送付された記録を審査した後、それが全ての点で完全な--ものであると述べ、上訴人も叉記録に基いて彼の申 立をなした。記録は琉球上訴裁判所と中央巡回裁判所の両法廷において、両当事者が提出した訴答書面
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ロ肉) 並に準備書面及び前述の中央巡回裁判所の判決書を含む。当法廷は、 その申立にもとづき、かつ上訴人の異議なくし て、上述の送付された記録に、以下に詳細に引用する立法院議員選挙法違反に対する友利隆彪の被告事件において一 九六五年五月一七日に言渡された宮古巡裁の判決正本を加えた。上訴人は、準備書面の追加若しくは口頭の陳述をな すようにとの勧めを弁護人を通して断った。従って判決は上述の記録に基いてなされたのである。 ここにおいては事実についての争いはない。被上訴人友利は一九六二年九月に城辺町の町長の職に選ばれた。彼は 渡 さ れ た が 、 社会大衆党の一員であったが、現在でもそうらしい。 それは一九六二年十一月に行なわれた立法院議員の総選挙のとき、彼が町役所の二人の吏員に対して社 一九六三年五月十七日に彼は宮古巡回裁判所によって有罪を言 会大衆一党に支持ぞ与えるよう強制するために、町長としての地位を利用した廉によるものであった。同宮古裁判所が 該犯罪を構成するための認定した特別事実は以下のとおりであった。 つ ま り 、 一九六二年十月三十日午後五時頃、友 利は二人の吏員を町長室に呼出し、そこでだいたい次の如く言っ允。 ﹁私は君達の家族が自由民主党を支持している と聞いている。どうか君達で改革者の社会大衆党に投票すべく彼らを説得できるか取計ってくれ。若し説得できなか ったら、止むを得ない場合、辞職を勧告したい。﹂同行為のため、友利は立法院議員選挙法一(一九六五年立法第一号) の第一八二条三号項の規定に基いて五O
弗の罰金を課された。この規定は、 第一八二条 選挙に闘し、左の各号に掲げる行為,をした者は、四年以下の懲役若しくは禁こ又は四万円以下 の 罰 金 に 処 す る 。 友利移送裁判判決全訳 一 二 九友利移送裁判判決全訳 同条第三号選挙人、候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人叉はその関係のある社寺、 校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、候 補者、候補者となろうとする者、選挙運動者叉は当選人を威迫したとき。 一 三
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学 同 選 挙 法 第 一 一 一O
条は次の知く規定している。 第 二 一O
条本章に掲げる罪を犯した者で罰金の刑に処せられたものは、 問 、 : : : j i -選挙権及び被選挙権を有しない。::::・ その裁判が確定した日から r 五 年 裁判所は、情状により、刑の言渡と同時に第一項に規定する者に対し同項の五年:::の期間選 挙権及び被選挙権を有しない旨の規定を適用しない:::旨の宣告をすることができる。 宮古裁判所は判決中明確に次の如く述べている。 ﹁四囲の状視を一分析乃至掛酌すれば、当裁判所は選挙権及び被選挙権の停止を規定している立法院議員選挙 法 第 二 一O
条一項の規定を、同条の三項の規定からして、被告人に対して適用することはできない。﹂ 同条第三項 友利は、言渡された罰金の支払いを怠ったために懲役に処せられたとか、 五O
弗の罰金以外の他の刑罰が彼に 課されたという証拠も、証拠の示唆もない。同判決は一九六三年十月二十六日に確定した。 一九五五年三月十六日付民政府布令第一四四号﹁刑法並ぴに訴訟手続法典﹂及ぴ一九六三年三月八日付同改正第八 号のニ・-・六項は次の如く定めている。 死刑叉は一年を超える懲役をもって罰せられるすべての罪は﹁重罪﹂とし、他のすべての罪は﹁軽罪﹂とす !る。すべての軽罪、六ヶ月の懲役を超えない刑罰或は五百弗を超えない罰金若しくは両刑の併科を﹁徴罪﹂ と す る 。一九五二年一月二日付民政府布告第一二号﹁琉球民裁判所制﹂第二条七・一項(治安裁判所の刑事裁判権を扱う﹀ は 以 下 の 如 く 定 め る 。 七l(軽罪及び重罪の定議)死刑及び罰金を併科すると否とに拘らず一年を超える期間の懲役(禁こ)を以 で罰することのできる総での犯罪は﹁重罪﹂としその他の犯罪は総て﹁軽罪﹂とする。 ,友利隆彪と砂川至誠の両人は一九六五年十一月十四日に行なわれた立法院議員の総選挙において、第二九区の候補 者であった。双方とも立法院議員選挙法第八四条一項の規定によって要求される法定期間内に候補者の届出をした。 選挙における投票総数は八九七二票でその中友利隆彪が四七三三票、砂川至誠が四二
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六票得た。検事長から地方の 選挙管理委員会の長に供された上述の友利の有罪及び判決書の証拠に基づいて、問委員会は一九五二年の民政府布令 。 L 第六八号、同改正第二二魚に依り、友利は候補者になることはできないし、かつ彼に投ぜられた票は立法院議員選挙 法第七二条四号によって無効でみると決定した。一九六五年十一月二十七日、砂川至誠は当選した候補者であると宣 である中央選挙管理委員会に異事申立をしたが、同委 書された。それ故に友利は被上訴人(訳者註、上訴人の誤り) 員会は一九六五年十二月十七日に彼の異議を却下し、地方選挙管理委員会の決定を支持した。その後友利は本上訴に 戒功をもたらした原訴訟を起した。 琉球においては、公職を保持するための資格及び欠格基準は、多くの立法に述べられている。民政府布令第六八号 一九五二年の誤り)二月二十九日付民政府布告第一三号による琉球政府 ﹁琉球政府章典﹂││一九六二年(訳者註、 の創立と時を同じうして公布された││第三条三項に次の如く適切に規定されている 禁治産者若しくは準禁治産者又は懲役若しくは禁この刑に処せられた者でその執行を終るまでの者若しくは その執行を受けることがなくなるまでの者叉は正当に設置された裁判所によって執行猶予の言渡を受けた者 ( 公 布 以 来 改 正 な し ) 。 友利移送裁判判決全訳一
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友利移送裁判判決全訳
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で当該執行猶予の期聞を満了しない者は、:::公選若しくは任命による公職に就く権利を有しない。 ( 傍 点 は 強 調 ) 同条の四項は次の如く定めている(これも公布以来改正なし)。 琉球政府叉は米国政府を暴力で破壊することを主張する者叉はこれを主張する党、 その他の団体を援助し、 叉はこれに属する者は、信任による叉は報酬を受ける公職に立候補し、叉はこれに就くことができない。 第 一O
条 (これも叉一九五二年以来改正されていない) の関連部分は次の如く定めている。 ﹁ : ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 贈 収 賄 、 偽証罪叉はその他の破廉恥罪を犯した者は、 行 政 主 席 、 行政副主席叉はそ、の他琉球政府の 信任による叉は責任ある地位に就くことができない。 ( 傍 点 は 強 調 ) 第二二条 (一九五二年の制定当時)の本文は次の如く定めている。 ﹁ : : ・ : : 贈 収 賄 、 偽 証 叉 は そ の 他 の 破 廉 恥 罪 を 犯 し た 者 は 、 立法院議員の職に就くことはできない。﹂ 傍 点は強調) 一九五一年十二月二十八日付民政府布令第五七号(選挙法)も同趣旨の規定を含んでいた ( 第 三 条 の 六 項 、 七 項 ) 。 一 九 五O
年七月七日付憲政府布令第一七号﹁市町村議会議員及び市町村長選挙法﹂の第三条三号は次の如く規 定 し て い る 。 禁治産者、準禁治産者、受刑中の者及び執行猶予中の者は::;被選挙権を有しない。 ( 傍 点 は 強 調 ) 斯かる法律状況において、琉球政府立法院は一九五六年立法第一号﹁立法院議員選挙法﹂を制定した。同法は一九五六 年 一 月 十 九 日 に 通 過 し 、 a a τ 一九五六年一月三十一日に承認を得ているが、上に引用した第一八二条及び二一
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条を導 入し、かてて加えてその第一九条には次の知く規定している。 第一九条 (選挙権及び被選挙権を有しない者) 左の各号に掲げる者は、選挙権及ぴ被選挙権を有しない。 禁治産者 禁こ以上の刑に処せられその執行を終るまでの者 禁こ以上の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者 (選挙に関する犯罪以外の犯罪に よる刑の執行猶予中の者を除く。) この立法に定める選挙に関する犯罪により、選挙権及ぴ被選挙権を有しない者については、第二百十条 (選挙犯罪による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止)の定めるところによる。 民政府によって公布された選挙法(一九五一年民政府布令第五七号)は一九五六年一月三十一日を期して廃止され 2 た 。 高等弁務官は一九五七年十一月二十三日、前述の民政府布令第六八号に対して改正第八号、軍政府布令第一七号に 対して改正七号を公布した。前者は民政府布令第六八号の第二二条の末文を削除し、本件の紛議を醸した文言を配しT
こ 被 、 「 つ 選、何、ま 挙、人、り 権、色、、 を、童、 有、罪、 し、に、 な、処、 ~,、せ、 。ら、 」 れ 、 叉は破廉恥に係る罪に処せられた者で、 そ の 特 赦 を 受 け な い 者 は 、 立法院議員の ( 傍 点 は 強 調 ) 友利移送裁判判決全訳一
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友利移送裁判判決全訳 一 三 四 同時になされた軍政府布令第一七号の改正は同布令の第三条に六号を付加え、次の知き同趣旨の文書を含んでいる。 何人も重罪に処せられ、叉は破廉恥に係る罪に処せられた者で、その特赦を受けていない者尚、市町村長叉 は市町村議員の被選挙権を有しない。(改正七) 上訴人は琉球政府裁判所及ぴ当法廷において次の如く主張した。
ω
被上訴人は民政府布告第六八号、一九五七年十一月二三日付同改正第二十二条により、立法院議員の被選挙人 の資格がない。何故なら、彼は一九六三年に宮古巡回裁判所によって、民政府の刑法典(前掲、 府布令第一四四号)によって定められた定義に該当する﹁重罪﹂の宣告を受けた。 一九五五年の民政 た め 、 宮古巡回裁判所は、民政府布令第六八号、同改正第二二条により、被上訴人から被選挙権の欠格事由を取除く 一九五六年の立法院議員選挙法第二一O
条三項によって同裁判所に付与された権限を行使することは妨げら れ て い る 。 民政府布令第六八号第二二条の一九五七年度改正は一九五七年六月五日付大統領行政命令第一O
七 一 三 号 館 一 一節によって委任されており、同命令の第一二節に抵触するものではない。ω
民政府立法は現地住民の政府の立法に優先し、法の抵触がある場合優先しなければならない。 同琉球政府裁判所は民政府布告並ぴに布令の有効、無効を審査する権限をもたない。 被上訴人の主張は次の如く要約される。 (3) ) --A ( 被上訴人は﹁重罪﹂を宣告されたものではない。何故なら、それの適切な標準は、課され得る最大限の刑罰で はなく、実際に課された刑罰であるからである。 (2) 一九五六年の立法院議員選挙法と民政府布令第六八号の一九五七年度改正との聞の関係については、前者が優先すべきである。何故なら、 一九五六年度の琉球政府の選挙法の制定及び民政府によって公布された一九五一年度選挙法の腐止(民政府 布令第五七号)は暗黙のうちに民政府布令第六八号第一一一一条を廃止し、改正すべき何ものも残さないからである。 一九五六年の選挙法と民政府布令第六人号の一九五七年度改正の聞に介在する行政命令第一
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七一三号は琉 その第七節は特に立法院に対してその議員の選任及び資格につい (a) (b) 球における政府の管理にとって基本法であり、 て審査する手続を定めることを信託している。 (3) 一九五七年になされた民政府布令第六八号の改正は、立法院議員選挙の被選挙人資格について課されている制 限は民主主義原理に惇るものであり、不法な基本的自由の剥奪であるという点において、上述の大統領行政命令 第 一O
七一三号第一一節並びに一二節に違背しているので無効である。 基本的権利と自由を侵害したとして攻撃されている立法の有効性を決定することは司法機関の固有の権限であ (4) る 中央巡回裁判所の判決は、 民政府布令第六八号の一九五七年度改正中の﹁重罪﹂の文言の解釈は、 民政府刑法典 こ九五五年、民政府布令第一四四号) に述べられている文言とは別のものであるべきであるという被上訴人の主張 を斥け、次の如く言う。 ﹁現行法規としての刑法典にその用語の定義がない以上布令第六八号に用いられた重罪につき同布令に別段 の定義が規定されているか、別段の解釈をすべき明自伝理由が存しないかぎり、布令第一四四号におけると 同意義に解しなければならない。﹂ 同巡回裁判所の意見は、民政府布令の有効性を決定する権限に関する論点を検討していないが、 しかし、同裁判所 友 利 移 送 裁 判 判 決 全 訳 = ニ 五友利移送裁判判決全訳 一 三 占 ハ がそうする固有の権限を有するという見解を明らかに受け入れて、 それに反する上訴人の主張を斥けた。 中央巡回裁判所は、民政府布令第六八号第二二条の一九五七年度改正は大統領行政命令第一
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七二二号に違背して 無 効 で あ る 、 と述べた。その理由は、ω
﹁同改正規定は、大統領行政命令第二節、六節、 一 一 節ω
および一二節に詳 細に述べられている自治における住民の原理および規定の趣旨を犯す﹂ものであり、ω
﹁対内的に適用される立法事 項に関する立法権は、同命令の第七節に記されている如く、琉球政府立法府に付与されている。﹂ 同巡回裁判所は、更に、言う。 ﹁一九五六年一月三十一日公布施行された立法院議員選挙法における被選挙権の欠格事由を規定した同法第 一九条はなんら行政命令に反するところがないのみか、対内的事項についての立法である。しかるに右立法 の一部を行政命令第十一節の手続にもとづき廃止叉は改正することなく、右立法と相反する布令第六八号 (琉球政府章典)第二十二条の規定を改正したものであるから、前説示のとおり民立法である前記立法院議 員選挙法を優先適用すべきであると解する。:::﹂ 一九五六年の立法院議員選挙法第二O
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条 ( 訳 註 、 宮古巡回裁判所の処置は、被上訴人に被選挙権を与えるもので有効であり、投票の最大多数を得た者は、当選人であ 従って、中央巡回裁判所は、 二 一O
条の誤り) に則してとった る旨宣告さるべきであると判決した。 前述の議論から、本件における争点の決定は成文法の解釈原理いかんにかかっているということは充分明らかであ ろう。このような原理の適用については、琉球の統治の性格や機構および立法権行使の基礎を考慮する必要がある。 去った戦争の前と戦争の問、琉球は日本の一県であった。日本軍が敗れて、日本政府の権限は停止され、軍政によつてなされたその後の改正に従ったとはいえ、既存の法律は引続き効力があった。 (米国海軍軍政府布告第-号、 一 九 四 五 ・ 七 ・ 一 ) 中央政府の全権限は軍政府によって掌握され、軍政府によって選任された現地の職員のみが、当時の副長官が民政 府布告第三号によって﹁臨時中央政府﹂を樹立した一九五一年四月一日迄の問、職務を行なったのである。この臨時 政 府 は 、 一九五二年二月二十九日(その施行日は一九五二年四月一日)民政府布告第二二号によって解散された。そ の関連する部分は以下のように読める。 琉 球 住 民 に 告 げ る 。 琉球住民の経済的、政治的及び社会的福祉を増進するため、琉球政府を設立することが望ましいので、本官 琉球列島民政副長官陸軍少将ロパ
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は、ここに次の通り布告する。 第一条 立法機関、行政機関及ぴ司法機闘を備える琉球政府をここに設立する。 第 条 琉球政府は、琉球における政治の全権を行うことができる。但し、琉球列島米国民政府の布告、布 令 及 び 指 令 に 従 う 。 交戦中の占領者としての役割は、日本との平和条約(戸 H ・ ﹀ ・ ω -N S O ) の 発 効 目 、 一九五二年四月二十八日に終了し た。今日、琉球列島における米国の駐留とその権威に対する法上の基礎は、同条約の第一二条であり、 それに基いて行 政 立法及び司法上の全部及び一部を行使する権利が米国に無期限に付与されている。 し か し 、 同列島は米国の領 土と見倣されるわけではなく、また、住民は米国民ではない。( ロ ロ
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・ 出 向 w d ﹃ ・ 冨 忠 ) ・ 琉球における現在の統治規定は一九五七年六月五日付大統領行政命令第一O
七 二 二 号 、 一九六二年三月十九日付同 友利移送裁判判決金訳 = ニ 七友利移送裁判判決全訳 改 正 一 一
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号及び一九六五年十二月二十日付同改正一一二六三号等によって確立された。その第一節は、合衆国 一 三 八 議会が別段の定めをしない限り、平和条約第三条によって合衆国に与えられた全権限は﹁この命令に従って行使され なければならない﹂旨指図している。第二節は前述の権限の行使は国防長官によってなされることそ命じ、その第二 段の規定により、彼は﹁民主主義の原理を基礎とし能率的な責任ある琉球政府の発展を助長しなければならない﹂、と 命じている。第四節ω
は民政府の設立をうたい、 その長を﹁この命令の規定によって与えられた権力を有し、か っ
、
この命令の規定によって与えられた職務を行う﹂高等弁務官であるとする。 この事件の判決に関連する規定で追加すべきもの及びより詳細な引用に値する規定は次の如くである。 第五節現に存在する琉球中央政府(以下﹁琉球政府﹂という。)は、この命令の規定に従って存続する。 第六節この命令に別段の定めがある場合を除いて、琉球政府の立法権は、:::一院をもって構成される立 法 府 に 属 す る 。 第七節立法府は、対内的に適用されるすべての立法事項についてのみ立法権を行使することができる。立 法府は、その議員の選任及び資格について審査する手続を定め、議員の中からその役員を選出し、立法府 自体の規則及び手続を定める。 ( 傍 点 は 強 調 ) : : : : 以 下 略 第 一O
節a
琉球列島における司法権は、次のとおり行使されなければならない。 琉球政府は、民事及び刑事の第一審及び上訴審を含ひ裁判所制度を運営しなければならない。これら の裁判所は、次のとおり裁判権を行使する。ω
次 のb
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及 びω
に規定する場合を留保するすべての民事事件に対する裁判権 民政府は、民事及び刑事の第一審及び上訴審を含む卦件昨朴小骨骨いむ凡いかめかトかいい。これらの裁 b判所は次のとおり裁判権を行使する。一
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品 位 和 弗 都 島 u m A F 熱 田 聞 か あ 会 、 跡 島 一 ル ル 称 事 心 動 静 ト あ 品 ホ ハ ﹄ 割 配 山 か か 肱 r b z 酌 一 九 あ れ ι ごいか事件わゆ掛 争心対するロ即事掛判梧。このような事件が琉球政府か掛件一炉心提起された場合にゆ、最終的決定、命令 叉は判決がな合れる以前においては、最終的上訴審理を含む訴訟手続中、いつでも、高等弁務官の命令 により、これを適当な民政府の裁判所に移送することができる。 ﹂のようにして移送された事件は、民 政府の裁判所の裁量により、 あらためて審理することができる。 -中 略 d 民政府の最高の上訴審裁判所は、 次の事件を再審理する裁判権を有する。 中 略 琉球政府の最高の裁判所が裁判権を有し、 次に該当する事件 宵 H 且 当該裁判所において判裁がなされた民事及び刑事事件で 琉球政府の最高の裁判所の裁判と民政府の最高の上訴審裁判所の裁判が相反する場合 条約、合衆国議会の法律、合衆国大統領の行政命令又は高等弁務官の発する布告、 布令若しくは 命令の解釈を含む合衆国法、 外国法又は国際法の問題について当事者から上訴のあったとき、 叉は上 訴がない場合においても、民政府の首席法務官が、特に理由告示して裁判所に申請したとき。民政府 の最高の上訴審裁判所は、その再審理した判決、命令叉は決定巻確認し、変更し、無効にし、若しく は取消し、叉はあらたに裁判させ、若しくは判決登録を是正させるため、事件を差し戻す権限を有する。 中 略 友 利 移 送 裁 判 判 決 全 訳 一 三 九友利移送裁判判決全訳 一 回
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第十一節a
高等弁務官は、この命令に基く使命を達成するため、必要と認めるときは、法令を公布するこ とができる。高等弁務官は、琉球列島の安全、琉球列島についての外国及び国際機構との関係、合衆国の 対外関係叉は合衆国若しくはその国民の安全、財産若しくは利害に関して、直接間接に重大な影響がある と認めるときは、琉球の立法案、立法叉は公務員に関し、それぞれ次のことをすることができる。的すべ ての立法案、その一部又はその中の一部分を拒否し、伸すべての立法、その一部叉はその中の一部分を制 四十五日以内に無効にし、及び、付いかなる公務員でもその職から罷免すること。高等弁務官は、 定 後 、 刑の執行を停止し、刑を変更し、及び恩赦をなす権限を有する。高等弁務官は、安全保障のために欠くべ からざる必要があるときは、琉球列島におけるすべての権限の全部叉は一部を自ら行なうことができる。 高等弁務官は、本節によって与えられた権限を行使した場合には、すみやかに国防長官に報告し、国防長 官は、これを国務長官に通告しなければならない。 b 本節制項の規定により、付与された権限を行使するに当って、高等弁務官は、琉球人の権利を充分に尊 重 し 、 とりわけ、この命令の第二節の第二段の規定に充分留意しなければならない ご九六二年、大統領 行政命令第一一O
一O
に よ り 改 正 ) 。 第十二節 高等弁務官は、第十一節を含むこの命令を実施するにあたっては、琉球列島にある人々に対し、 民主主義国家の人民が享受している言論、集会、請願、宗教並びに報道の自由、法に定める手続によらな い不当な捜索並びに押収及び生命、自由叉は財産の剥奪からの保障を含む基本的自由を保障しなければな ら な い 。 第十三節 現に存在する民政府及ぴその前身である軍政府諸機関によってこれまでに発せられた布告、布令及び指令は、この命令に抵触するものを除き、この命令の権限に基いて、修正され、無効にされ、叉は代 替されない限り、 その効力を有する。 われわれはまず、民政府公布の諸法令を適用並びに解釈するための琉球政府裁判所、 つ Y いて当法廷の管轄権の問 題を考慮しなければならない d 大統領行政命令はその改正をも含めて、 その公布以来琉球列島における統治の憲章と なっている。それは同列島における統治の権限を分配し、その行使の権限を授与する文書である。要するにそれは一 種の憲法であり、最高法規である。マ
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対マディソン事件(
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ω ) においてジョン・ マーシャル長官が宣言した原理に照らせば、米国の平和的統治に服している領土においては﹁裁判所は憲法には目を っぷり、単に法律のみを見ればよい﹂と議論することは不可能であると考えるべきではなかろうか。マーシャルが言 うように﹁この原理はすべての成文憲法の基礎を破壊するものである。﹂(マl
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対マディソン事件、前掲一七 八 頁 、N F
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-記)・しかし、われわれの立場は、結論において、大統領行政命令の第一O
節ω ω ω
項の文言により 強化される。もしも、そこに述べられている如く、米国民政府の最高の上訴審裁判所は、﹁合衆国大統領の行政命令 又は高等弁務官の発する布告、布令若しくは命令の解釈を含む合衆国法、外国法叉は国際法の問題﹂に係るもので、 琉球政府の最上級の裁判所が裁判したいかなる事件をも審査できるとするならば、明らかに琉球政府の最上の裁判所 ばかりでなく、当該問題が最初に生じた下級裁判所もまた行政命令に照して、高等弁務官の立法を審査するための管 轄権が付与されていると考えられる。したがって、中央巡回裁判所は、本件において、判決を言渡す権限がなかった わ け で は な い 。 けれども、この結論は琉球政府裁判所の判決に最終性ぞ帰属せしめるものではない。なぜならば、琉球政府の最上 の裁判所による判決は、大統領行政命令第一O
節ω
項に基いて、上訴叉は訴願により審査され得るばかりでなく、ま た、本件の如く、事件が米国にとって特に重要であると高等弁務官が第一O
節b ω
項に従って決定した場合、その事 友 利 移 送 裁 判 判 決 全 訳 四友利移送裁判判決全訳 四 件が上訴裁を含むいかなる段階にあるを問わず、適当な民政府裁判所に移送されるからである。本件はこのようにし て移送されたものであるが、当法廷は、下級裁判所の到達した結論が正しいものであったか、正しくないものであっ たかを判定し、関係立法の有効、無効に関して、当法廷自体の結論を求めなければならない。 その作業の手がかりとして、われわれは、 ﹁憲法﹂や政府の基本的な憲章ばかりでなく、歴史的事実や確立した成 文法解釈の原理を承認してかからなければならない。 有罪の宣告を、公職の保持、投票、陪審員としての奉職若しくは専門職に対する失格の自動的基準又は任意的基準 とする制定法は稀ではない。多くの連邦制定法は、一般に公務上の違法行為を含む一定の犯罪の有罪の言渡しを受け たことを理由として、米国の名の下に名誉、信頼及ぴ報酬を受ける公職を保持することから失格させており、また、 有罪の言渡を受けた重罪人を公共の利益にとって重要である一定の職業に就くことから失格させている州法も長い歴 史 を 有 し て い る 。 己 申 d e ' a 4 ・ 岡 崎 包 囲 宮 島 ・ ω ∞ω
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5 0 N ( ] 5 @ ∞ ) 句 k r E M O E 広 O ロ タ U M w h r F 同 ( N ) ] 戸 ω ] F A F ( H @ 切叶) ~, したがって、公職に対する欠格若しくは適格基準を規定することは、単にそれのみをもって非民主的であると非難 することはできない。にもかかわらず、公職への資格を定義した法令は、それが階級差別立法であって、不平等な特 権や免除を与えたり又は除去せんとしている害悪に関して人々の聞に若しくは階級の聞に不当な差別をした場合、無 効であるといわれてきた。 H @ k r n ﹄ ∞ -n 5 Eロ ロ
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謀殺罪、故殺罪、放火罪、夜盗罪、強盗罪、強姦罪、身体傷害罪および窃盗罪であ った。ところが、重罪概念は初期の頃から発展して、ついには人及ぴ物に対する殆んどすべての極悪な犯罪がその部 類に包含されたばかりでなく、死刑叉は拘禁刑の判決が課された場合その犯罪は重罪となると言われるに至るまで、 コ モ ン ロ ー 上 、 重 罪 は 、 新たな重罪が時折制定法によって創定されてきた。 ﹁ 破 廉 恥 罪 ﹂ は 、 コモンロー上、証人としての無能力、政治的権利の抑圧を要求するとされている如く、犯罪人民 道徳的汚名争帰せる有罪の宣告をこれらの破廉恥的犯罪に結びつけるものである、と言われた。破廉恥罪は反逆罪、 重罪及ぴ偽造罪(例えば文書偽造、偽証、通貨の偽造・模造及び詐欺の如き罪)であった。者富岡件。ロ. m
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・ 現代における米国の大部分の州は、制定法により死刑叉は刑務所における拘禁刑による処罰に服するすべての犯罪 は重罪であるといわれ、これら大抵の州ではそのような刑罰が実際に課されたかどうかを顧慮せずに、課されるかも 知れないということだけで十分である。( ヨ コ
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回目前掲書)。しかし、後者の考え方は動かすべからぎる法則では なく、叉軽い刑罰が選訳的に課される場合であって、実際に課されるのが軽い刑罰であるときは、刑の宣告は重罪に 関してなされるのではないとする州もある。国v o
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・ 友利移送裁判判決金訳 一 四 三友利移送裁判判決全訳 伝統的に刑法は被告人の利益になるように厳格に解釈されてきた。 一 四 四 ﹁刑法は厳格に解釈さるべしという原則は、 お そらく、解釈ということが行なわれ初めた時にまで遡ることができよう。﹂ 四
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公職に就くための資格叉は欠格を定めている法令で琉球に存在するもの及びこれまで要約してきたものを参照すれ ば、明らかに、大統領行政命令公布の際の欠格の基準は、 一定の名ざされた犯罪(贈収賄、偽証、背徳等一般に。破 につき有罪を言渡されたか、或は拘禁の実刑を言渡されたかのいずれかであ 一般恥的。と称される範鳴に属するもの) った。これらは民政府及び琉球政府により採用された判断の基準であった。 一九五六年、琉球政府立法院が立法第 号の﹁立法院議員選挙法﹂を制定した際、同立法院はその見地からして欠格にすべきであるとするもう一つの罪、即 ち同選挙法自体の違反をつけ加えた。 しかし、違反の性質ヤ状況から見て、欠格という重大結果を是認することは無 さらに、犯人が罰金刑を超える刑罰を言渡されない場合には、 資格はく奪を帰せしめるかどうかは、有罪を言渡す裁判所の裁量によると規定した(第二一O
条)。同法は明らかに 意味であるということを明らかに認めて、立法院は、高等弁務官の承認を得ているし、彼は同法の全部叉は一部に対して拒否権を行使しなかったばかりでなく、新しい立 法の施行自に歩調を合せて、上述の如く旧民政府選挙法(一九五一年、民政府布令第五七号) を 廃 止 し た 。 米国大統領が一九五七年六月五日に行政命令第一
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七一三号を公布した時、琉球政府の立法院に選出される者の資 格、欠格に関する法律は以上の知き状態にあった。その第七節は重要で、次の如くである。 ﹁立法府はその議員の選任及び資格について審査する手続を定める::::。﹂ 当法廷の考えでは、上に引用した規定は、今述べた領域を琉球政府立法院に留保したものである。ただし、 そ れ は 高等弁務官が、行政命令第一一節同に基いて﹁安全保障のために欠くべからざる必要があるときは、琉球列島におけ るすべての権限の全部又は一部を自ら行なう﹂までの聞か、叉はその権限令行使しない場合に限る。高等弁務官が布 令第六八号の第二二条の一九五七年十一月二十三日付の改正第八号を公布した際にも行政命令第一一節の規定によっ て、列島におけるすべての権限の一部を行便しようとしたとの証拠はないし、叉なんらの示唆もなかった。さらに、 もし高等弁務官が、自らの処置が琉球政府の立法に取って替ることを意図していたとするならば、あたかも琉球漁業 株式会社対琉球政府事件 l l l この事件もまた本判決の官頭に述べた高等弁務官の命令によって当法廷に移送された ーーに係るもので物品税法(一九五二年、琉球政府立法第四三号) に関して、高等弁務官布令第一七号ご九五二・ 一0
・ 二 七 ) の改正第三号(一九六四・五・一二) によってなされたように、 一九五六年の選挙法の改正によっても その目的とするところが果されていたであろう。 今までのところ、われわれは、中央巡回裁判所の表明した見解と一致し、これまで棲緩のべてきたところから、布令 六八号の第二二条の改正第八号布令は大統領行政命令に違反しているとする中央巡回裁判所の結論に同意せぎを得な いるかのようにみえるかも知れない。 しかし、われわれはそのように結論するのではない。むしろ、われわれは、裁判 友利移送裁判判決全訳 一 四 五友利移送判裁判決全訳 一 四 六 所がもし法令ぞ支持するための合理的根拠を発見できるならば、 それを否定するよりはむしろ支持するように努める べきであるという原理を見逃した解釈に導いた理由づけにおいて、下級裁判所はあやまりをおかしていると考える。 われわれは、高等弁務宮が行政命令に逆うつもりであったと考えてはならない。立法者たる彼は調和のとれた一体 の法を完成せんと意図したと思われる。この原理に合致すれば、後法は、明示の意思表示がない場合、既容の法の廃 止をもたらすと推定してはならない。逆に、 かかる推定は法の暗黙の廃止に反情を示す。司
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] E u o m v F 巾 色 ・ ] F H H O ( H m E N g ・ したがって、われわれは、高等弁務官が直接的にせよ、間接的にせよ、行政命令により琉球政府立法院の裁量に留 保せられた領域を侵犯せんとしたと仮定すべきではなく、 一九五七年、布令六八号の第二二条の改正布令の公布に際 して、彼の意図するところは、琉球政府立法院の議員の資格はく奪を定めている既存の法令と調和せしめることにあ ったと仮定すべきである。 次に問題は、第二二条の一九五七年度改正に用いられている文言に、前述の仮定の特権が与えられるかという点に 残る。われわれは、中央巡回裁判所の見解、 つまり、布令一四四号(刑法典)の二・一・六項に定められている﹁重罪﹂ の定義はアメリカの多数の州によってとられている見解の意味において解釈されるべきで、 また琉球の選挙法の下の 資格はく奪に関連して用いられた時は、 その文言の定義どうりに解釈すべきだとする見解に縛られなければならない だろうか。このような解釈は同布令と行政命令との抵触を・もたらすので、もしそのような結果を避けうる他の等しく 合理的な解釈が見出されるならば、 その解釈は優先すべきであり、 それに従うべきである。われわれがすでに注意し てきたことは、琉琉政府の選挙法はその前年度に高等弁務官の承認を得たのであり、布令六八号の改正八号布令が公布された時、琉球における公職の選挙法の欠格理由に関するすべての既寄の法の中で、有力な基準は、指定された犯 罪について有罪が言渡されたか、或は実際の拘禁刑が言渡されたか、ということであった。 われわれは、布令第六八号の一九五七年度瑛正に用いられている。重罪。という言葉を中央巡回裁判所が解釈レた ように、死刑又は一年を超える拘禁刑により処罰できる罰ーーたといそのような刑罰が実際上課されなくともーーを 意味すると解釈する必要はない。このような解釈に対する反対論が生ずるのは、前掲布令第一四四号の二・一・六項 の定義を参考にしたとしても、止むをえないものである。 岡
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同) が起訴を受け、有罪が言渡されて いる罪は、刑務所内の拘禁刑若しくは罰金刑をもって罰せられる。確かに、この文言を考慮に入れれば、こ の罪は罰金刑をもって罰せられる罪というのが不E
確であると同様、この罪は刑務所内の拘禁刑をもって罰 友利移送裁判判決全訳 一 四 七友利移送譲判判決金訳 一 四 八 せ ら れ る 罪 、 というのも不正確である。さらに、 いかなる解釈の原理によるも、罰金による刑罰をうたって いる文言よりも刑務所内の拘禁による刑罰をうたっている文言に重点をおねばならない、 と言うことはあた ら な い 。 ﹂ 事 件 は 、 琉球政府対池聞事件における米国民政府上訴審裁判所の判決(﹀やや
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もそれと反対のものではない。この ﹃十年以下の懲役叉は八O
弗以下の罰金若くは科料﹄をもって罰する旨定めた日本刑法第二O
四条の罪で起 訴を受けた被告人に対する治安裁判所の管轄権の問題のみに関するものであった。民政府布告一二号(前掲)第二条 七・一項の下、治安裁判所には管轄権がないとした民政府裁判所の判決は、州対レーダー事件(
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におけるオレゴン州最高裁判所の次の言葉の中に充分説明せられている。 。 同 何 事 ω P H∞ ∞ ︼
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尻 町 俳 ト か か 。 、 い が い 、 レ い 由 労 働 b 卦トかわ骨骨が 刑務所内での拘禁刑以外のものであるならば、その犯罪は刑罰を命じた判決が言渡された後、軽罪とみなされる。﹂ われわれが右に引用した見解の中に詳説せられた解釈を採用した上、布令六八号第二二条の改正の結果、それが立 法院議員の欠格基準として拘禁刑の宣告を明示的に定めている既容の法令と調和するものである、とさらに深く考察 するならば、高等弁務官のとった処置には意義と目的があったことがわかる。というのは、拘禁刑││一九五六年の 選挙法や前の民政府布告及ぴ布令に列挙されていた欠格理由に含まれていたーーは改正に先立って第二二条の欠格理 由から除かれたからである。 ﹁もしもある犯罪に対して選摂的刑罰が規定されていて、 以上のべた理由からみて、われわれは、中央巡回裁判所は布令第六八号の改正八号による一九五七年度改正は無効であると判示した点に誤りがあり、 かっ、被上訴人友利が一九六三年、宮古巡回裁判所で重罪の判決を受けたと判示 した点