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Studies on Fuel Cells using Novel Ion Conductive IVIaterials

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 )    高 橋 弘 樹 学 位 論 文 題 名

Studies on Fuel Cells using Novel Ion Conductive   IVIaterials

(新規イオン伝導性材料を用いた燃料電池に関する研究)

学位論 文内容の要旨

  近 年, 化石燃 料の大 量消費 に伴う地球環境問題の深刻化により、工ネルギーの有効利用および低炭 素 社会の 実現が 求め られて いる.その方法のーっとして,燃料電池システムの開発が挙げられる,本 シ ステム では, 水素 をどの 燃料と酸素の化学反応により,直接電気エネルギーを取り出すことが可能 で あるた め,従 来の 発電シ ステム よりも 高効 率であ り,C02の排出が少ないため,低炭素社会の実現 に貢献できる.

  本 研究 は,燃料電池の構成材料であるイオン伝導体に纃『jし,新規材料の開拓を進めている,固体 酸 化物形 燃料電 池(SOFC)におい ては, 炭化水 素を 直接燃 料に用 いる内 部改質方式を採用した際,ア ノ ード触 媒上で 炭素 析出が 起こり ,活性 が低 下する という 問題が ある. そのため,アノード触媒の 相 体材料 を検討 する ことで ,炭素 析出の 抑制 を試み た,ア ルカリ 形燃料 電池(AFC)に おいて は,従 来 電 解 質 にKOH水 溶液 やI藷分子 膜が用 いら れてい るが, 耐熱性 や安定 性が 不十分 である ,その た め,OH一伝導性の金属酸化物材料の探索を行った.

  第1章 「GeneralIntroduction」では,研究の背景および燃料電池の一般的特徴と既往の研究を概説 し,本研究の目的と本論文の構成を説明した,

  第2章 「Ni cermet solid oxide fuel cell anodes prepared from nanoparticle Y203―Ce02−2r02 solid solutions」 で は ,SOFCに お けるNiサ ー メッ ト ア ノ ー ドの 担体と してY203−Ce02−k02固 溶 体を用 い,そ の発 電性能 およびメタンの水蒸気改質反応における炭素析出について検討した.水素 を 燃 料 に 用 いたSOFC発電 におい て,電 気化 学活性 が担体 中のCe02含有量 の増加 に伴 い向上 した,

さ ら に , 担 体中 にCe02を 含むNiサ ーメ ットを メタン の水蒸 気改 質反応 に用い た際、 炭素析 出が 抑 制 された ,本ア ノー ド触媒 におい て,Ce02はより 表面に 偏在 してお り,この表面近傍のCe02の存在 によって電気化学活性が向上し,また炭素析出が抑制されたと考察した.

  第3章「Effect of interaction between Ni and YSZ on coke deposition during steam reforming of methane on Ni/YSZ anodeca凵ystsfbranintem甜reforming―SOFC」では ,異なる結晶子径を有する イ ットリ ア安定 化ジ ルコニ ア(YSZ)ナ ノ粒子 を出 発物質 として 用いて ,SOFCに おけるNiサ― メッ ト アノー ドを調 製し た.い ずれのNiサー メット アノー ドを用 いた 場合で もS011→C発電 性能 は同程 度 で あ っ た が, 小 さ い 結 晶子 径 を 有 す るYSZナノ 粒子 から調 製したNiサー メット アノー ドでは . メ タンの 水蒸気 改質 反応に おいて 炭素析 出が 抑制さ れた. 小さい 結晶子 径を 有するYSZナ ノ粒子か ら 調 製 し たNiサ ー メ ット ア ノ ー ド は ,NiとYSZの 相 互 作 用が 強 く, この 強い柑H作 用は表 面水酸 基 により もたら され ている ことが わかっ た.NiとYSZの相互 作用が 強い ことに より,Ni上に 析出し た 炭 素 が ,YSZ中 の02ー と 反 応 する こ と で 除去さ れるた め,炭 素析出 が抑 制され たと考 察した .

―550一

(2)

  第4章「Ion Conduction in Layered Cobalt Oxide Electrolytes」で は,層 状コバ ルト 酸化物 (LiC002,NaC0204,KC0204)の イ オ ン 伝 導性 に つ いて検 討し た.NaOHの濃淡 電池を 構築 した際 の 膜電 位およ びイオ ン伝 導時に 電解質 膜を通 過する 水の 量を測定することで,イオン伝導種を決定し た.LiC002は カ チ オ ン 伝導 性 ,NaC0204およ びKC0204がア ニオン 伝導性 を有す るこ とが明 らかに な っ た , ま た , NaC0204がAFCの 電 解 質 に 適 用 可 能 で あ る こ と を 見 い だ し た ,   第5章「Anion and Electron Conduction of Layered Perovskite Oxides」では,ペロプスカイト型 酸化物(LaSr3Fe3010,LaSr2CoMn07,NaLa:f104,RbIーaNbz07,La0.9Sr0.iF.e03)のイオン伝導性につ い て 検討 し た , い ずれ の 材 料 もNaC0204と 同 様 に アニ オ ン 伝 導 性 を有 す るこ とがわ かった ,こ れ ら の 材 料 をAFCの 電 解 質 に 用い た と こ ろ .い ず れ の 材 料 を用 い た 場 合 でも 発 電 が 可 能で あ り,LaSr3Fe3010が最も高い性能を示した.また,発電前に還元および加湿処理を行わないと,発電性 能が 得られ をかっ たこ とから ,還元 およひ 加湿処 理に よってアニオン伝導性が生じることが明らか にな った. 還元処理により酸素欠陥を形成し。加湿処理により構造内に水がインターカレートされ,

こ の水 が酸素 欠陥 サイ卜 に移動 するこ とでOH―を形 成し, このOH−がア ニオン 伝導を 担っ ている と考察した,

  第6章「Noble metal−free Fe‑Co‑Ni/C anode catalyst for alkaline fuel ceIIJでは,AFCに用いる卑 金属 アノー ド触媒 につ いて検 討した.Fe‑Co―Ni担持カ ーボン(Fe‑Co‑Ni/C)を調製し,水素を燃料に 用 いた 際の電 気化 学活性 を測定 したと ころ,Fe‑Co‑Ni/Cに 含ま れるFe‑Co‑Ni合金成 分の 結晶子 径 が小 さいほ ど,得 られ る電流 密度が 大きか った, さら に,調製したFe‑Co‑Ni/Cを,エタノールを燃 料に 用いた 燃料電 池の アノー ドに用 いたと ころ, 発電 が可能であったことから,Fe‑Co‑Ni/Cはエタ ノールの電気化学酸化にも活性を有することが明らかになった.

  第7章「General conclusions」では,本研究を総括した,

―551 ‑

(3)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

Studies on Fuel Cells using Novel Ion Conductive     Iaterials

     ( 新 規 イ オ ン 伝 導 性 材 料 を 用 い た 燃 料 電 池 に 関 す る 研 究 )

  近年, 化石燃 料の 大量消 費に伴 う地球 環境問 題や エネル ギーの 有効利 用の 面から 新しい対応技術 が求め られて いる. そのー つと して, 燃料電池システムが挙げられる.水素などの燃料と酸素の化学 反応に より, 直接電 気エネ ルギ ーを取 り出すことが可能であるため,従来の発電システムよりも高効 率であ り,か つC02の排出 が少 をく, 低炭素 社会の 実現に 貢献 できる.しかしながら,代表的な固体 酸化物 形燃料 電池(SOFC)では, 炭化 水素を 直接燃 料に用 いる 内部改 質方式 を採用 した際.アノード 触媒上 で炭素 析出が 起こり ,活 性が低 下する 問題が ある .また ,アルカリ形燃料電池(AFC)において は, 従 来 電解質 にKOH水溶液 や高 分子膜 が用い られる が, 耐熱性 や安定 性が不 十分で ある など問 題 が多くある,

  本論文 は,以 上の 背景の 下,燃 料電池 の基本構成材料であるイオン伝導体の新規材料UH拓を目的と してい る.加 えて, アノー ド触 媒の担 体材料の新規形態を検討し,その性能向上を図ることを目的と している.

  第1章「General introductionJでは ,研究の背景および燃料電池の一般的特徴と既往の研究を概説 し,本研究の目的と本論文の構成を説明している,

  第2章「Ni cermet solid oxide fuel cell anodes prepared from nanoparticle Y203ーCe02‑2r02 solid solutionsjでは ,SOFCに お け るNiサ ー メ ッ トア 丿 ー ド の 担体 と し てY203‑Ce02‑2r02固溶 体を用 い,そ の発電 性能お よびメ タン の水蒸 気改質反応における炭素析出について検討している.水素を燃 料に 用 い たSOFC発 電 にお い て , 電 気化 学 活 性 は 担 体中 のCe02含 有 量 の 増加 に伴 い向上 し. くわ えて メ タ ン の 水蒸 気 改 質 反 応に おい て炭素 析出が 抑制さ れるこ とを 見出し ている .Ce02は 表面に 偏 在 し て 電 気 化 学 活 性 を 向 上 し , 同 時 に 炭 素 析 出 を 抑 制 す る と 考 察 し て い る ,   第3章 阻 胎CtofinteractionbeMeenNi孤dYSZOncokedepOSidondunngS蛾mrcfbmingof mem紬eonNi/YSZ孤0decat甜ystsfor孤intemalrcfbnning‐SOFCJでは ,異を る結晶 子径 を有す る イッ ト リ ア安定 化ジル コニ ア(YSZ)ナ ノ粒子 を用い て,SOFC用Niサ ーメッ トアノ ードを 調製 し,

結晶 子 径 効 果 を検 討 し て い る.SOFC発 電 性 能 は 同 程度 であっ たが ,小さ い結晶 子径を 有するYSZ ナノ 粒 子 か ら をるNiサ ー メッ ト アノー ドでは ,メタ ンの 水蒸気 改質反 応にお いて炭 素析 出が抑 制 され る こ と を 見出 し て い る .NiとYSZの 相 互 作 用は 表 面水 酸基に よりも たら され. 強いほ どNi上 に析 出 し た 炭 素がYSZ中の02・ と 反応 し て 容 易 に除 去 され るため ,炭素 析出 が抑制 される と考察

―552―

渉 夫

紳 樹

   

   

隆  

  浩

田 田

井 崎

授 授

授 授

   

   

(4)

している,

  第4章「Ion conduction in layered cobalt oxide electrolytes」では,層状コバルト酸化物がAFC用 の 新規固 体電解 質とし て機 能する ことを 見出し ,そ の基礎 研究と して,L1C002,NaC0204,KC0204 の イ オ ン 伝導 性 に つ い て新 規 教 方法 で検討 して いる.NaOHの濃 淡電池 を構 築した 際の膜 電位お よ び イ オ ン 伝導時 に電解 質膜を 通過 する水 の量を 測定す るこ とで,LiC002はカ チオン 伝導性 ,一 方 NaC0204お よ びKC0204はOHイ オ ン 伝 導 性 を 有 す る こ と を 明 ら か に し ,NaC0204がAFCの 電 解 質として有効であると結論している.

  第5章「Anion and electron conduction of layered perovskite oxides」で5ま,各種ベロブスカイト型 髄 化物(LaSr3Fe3010,LaSr2CoMn07,NaLaTi04,RbLaNb207,La0.9 Sro.lFe03)のOHイオン伝導性 を 調 べ る とと も に , 発 電性 能 を 検討 してい る. いずれ の材料 もNaC0204と同 様にOHイオン 伝導性 を 有する ことを 検証し ,実 際にこ れらの 材料を電解質に用いた発電が可能であり,LaSr3Fe3010が最 も 高い性 能を示 すこと を初 めて見 出して いる, 電解 質の還 元と加湿処理を行わをぃと発電性能が得 ら れない ことか ら.還 元に よって べロブ スカイ ト構 造に酸 素欠陥が生成しっ引き続く加湿処理によ り 構造内 に水が インタ ーカ レート され, この水 が酸 素欠陥 サイトに移動することでOHーを形成し,

OHイオン伝導が発現すると考察している,

  第6章「Noble metal‑free Fe―Co−Ni/C anode catalyst for alkaline fuel ceIIJでは,AFCに使用可能 な 卑金属 アノー ド触媒 につ いて検 討して いる.Fe―Co―Ni合金 成分 の結晶 子径が 異なるFe‑Co‑Ni担 持 カーボ ン(Fe―Co‑Ni/C)を調製 し,水 素を燃料に用いた電気化学活性を比較している.電流密度が Fe‑Co―Ni合金成 分の糸 占晶子 径が小 さい ほど高くなる依仔性を見出している.調製したFe‑Co‑Ni/C はエタノールの電気化学酸化にも活性を有することも見出している,

  第7章「General conclusions」では,本研究を総括した,

  こ れを要 する に,著 者は, 還元・ 加湿処 理層 状金属 酸化物 がOHイオン伝導体になることを初めて 見 出し、 これを 基に新 しいアルカリ形燃料電池の構築に成功したもので,固体物質の基礎化学のみな らず燃料電池分野の発展に貢献するところ大をるものがある,よって著者は,北海道大学博士(工学)

の学位を授与される資格あるものと認める.

―553 ‑

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