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支持の地域的拡大 と 多様化

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(1)

国際関係論叢第四巻第二号(二〇一五年)三一

   第一節   二〇一四年地方選挙の位置づけ    第二節   支持の特徴     

( 1

) 二〇〇〇年代     

( 2

) 二

〇一〇年代    第三節   投票者のプロフィール     

(1)

急 進 右 派 政 党 と の 比 較     

( 2

) 支持の変化     

( 3

) 支持の地域性    第四節   二〇一四年地方議会選挙     

( 1

) 得票の特徴     

( 2

) 支持の地域性

と パ ターン    第五節   支持の多様化

支持の地域的拡大 と 多様化

     ―地方議会における連合王国独立党(UKIP)の伸長―

若松   邦弘   

(2)

支持の地域的拡大と多様化(若松邦弘)    第一節   二〇一四年地方選挙の位置づけ

 

昨 年 の 欧 州 議 会 選 挙 で の 躍 進 に よ っ て イ ギ リ ス 国 外 か ら も 注 目 を 浴 び る よ う に な っ た 連 合 王 国 独 立 党

United

Kingdom Independence Party

、 以下UKIP

) は

、 そ の名の と おり

、 E Uからのイギ

リ ス の

「 独立

」 を 党是に掲げる政 党 で ある

。 一 般的には

、 サッチャー期以降に明瞭

となった保守党内の欧州懐疑派の延長線上にある勢力

と 考 えて よ かろう

。 イギ リ ス の一般有権者に

と っ て は

、 EU離脱

や 移民流入数の制限

と の主張に特徴が見られ

る単一争点政党 との イ メ ージ が強 い

 

同党は一九九三年の発足からしばらくの間

、 保守党の欧州懐疑派や

他のEU批判政党の陰に隠

、 イギ リ ス政治 のなか で 差別化 を 計 る こ とが できて い なかった

。 しかし

、 保守党が野党に回った一九九〇代終

わ り から知名度

を 次 第に上げ

て い く

。 二〇〇〇年代に入る頃には

、 と くに欧州議会選挙

で 存在感 を 示 す よ うになり

、 一九九九年に初め て 同議会 で の 議席 を 獲 得 す る と

、 以降着実に議席数

を 伸 ばし

、 二

〇一四年にはイギ

リ スの政党のなか

で 最大勢力へ と 躍 進 し た

( 表 1

)。

 

こ の 間

、 二大政党の一角

を 崩 し

、 保守党に次い

で イ ギ リ スの第二勢力

となった二〇〇九年欧州議会選の後は

、 イ ギ リ スの国内メディアにおい

て も

、 他 の小政党

と 異 なる位置づけが与えられ

る ようになった

。 翌年の総選挙に至る 過程 で

、 泡沫の急進政党から

、 イギ リ ス政界の台風の目

と し て

、 保守

、 労 働

、 自民の三党に次ぐ存在へ

と 扱いが変 わ ったの で あ る

。 実際に二〇一四年の欧州議会選

で は

、 全 国 で 二七パーセントの票

を 獲 得

、 イギ リ ス に割り当

て ら れ た七三議席のう

ち 二四議席

を 得 て

、 イギ リ ス の第一党

となっ て いる

三二

(3)

国際関係論叢第四巻第二号(二〇一五年)三三

⾲㸯 ୺せ㑅ᣲ࡟࠾ࡅࡿUKIPࡢᐇ⦼

ᚓ⚊⋡ ᚓ⚊ᩘ ⋓ᚓ㆟ᖍ

1999ᖺḢᕞ㆟఍ 7.0% 696,057 3㆟ᖍ 2001ᖺୗ㝔 1.5% 390,563 ࡞ࡋ 2004ᖺḢᕞ㆟఍ 16.1% 2,650,768 12㆟ᖍ 2005ᖺୗ㝔 2.2% 605,973 ࡞ࡋ 2009ᖺḢᕞ㆟఍ 16.5% 2,498,226 13㆟ᖍ 2010ᖺୗ㝔 3.1% 919,471 ࡞ࡋ 2014ᖺḢᕞ㆟఍ 26.6% 4,376,635 24㆟ᖍ 2015ᖺୗ㝔 12.6% 3,881,129 1㆟ᖍ

㻌 㸨Ḣᕞ㆟఍㑅ࡢᚓ⚊⋡ࡣ໭࢔࢖ࣝࣛࣥࢻᆅᇦࢆྵࡲ࡞࠸ᩘᏐ

㻌 㻌 㻌

ฟ඾㸸The Electoral Commission

⾲㸰 ᆅ᪉㆟఍㑅ᣲ࡟࠾ࡅࡿUKIPࡢ⋓ᚓ㆟ᖍ

2012ᖺᆅ᪉㆟఍㑅㸦ࢹ࢕ࢫࢺࣜࢡࢺࠊ୍ᒙไ⮬἞య㸧

04ᖺ ĺᖺ ĺᖺ 9㆟ᖍ㸦ᨵ㑅⥲ᩘ4857㆟ᖍ୰㸧 2013ᖺᆅ᪉㆟఍㑅㸦࢝࢘ࣥࢸ࢕㸧

05ᖺ ĺᖺ ĺᖺ 147㆟ᖍ㸦ᨵ㑅⥲ᩘ2362㆟ᖍ୰㸧 2014ᖺᆅ᪉㆟఍㑅㸦ࢹ࢕ࢫࢺࣜࢡࢺࠊ୍ᒙไ⮬἞య㸧

06ᖺ ĺᖺ ĺᖺ 163㆟ᖍ㸦ᨵ㑅⥲ᩘ4262㆟ᖍ୰㸧 2015ᖺᆅ᪉㆟఍㑅㸦ࢹ࢕ࢫࢺࣜࢡࢺࠊ୍ᒙไ⮬἞య㸧

07ᖺ ĺᖺ 7 ĺᖺ 202㆟ᖍ㸦ᨵ㑅⥲ᩘ9326㆟ᖍ୰㸧 㸨௵ᮇࡣཎ๎4ᖺ

(4)

支持の地域的拡大と多様化(若松邦弘)

 

しかしながら

、 政党間競争におけるUKIPの特徴は

、 こ の 間

、 他の選挙

で ほ と ん ど 議 席 を 獲得 できなかった

と ころにある

。 比例代表制の欧州議会選

で は 主要政党に並ぶ強さ

を 示 す 一方 で

、 一人区単純多数決制の選挙

で は

、 下 院 は も と よ り 地 方 議 会 で さ え 議 席 を ほ と ん ど 獲 得 で き て い な い

。 得 票 率 の 面 で も 両 者 に は 大 き な ギ ャ ッ プ が あ っ   た。

そのUKIPが二〇一三年の統一地方選挙

で 突如の躍進

を 見せる

。 全国 で 合 わ せ て 一四七の議席

を 獲得し

、 改 選 議 席 の 七 を 大 き く 更 新 し た の で あ る

( 表 2

)。 続 く 二

〇 一 四 年

、 二

〇 一 五 年 の 地 方 議 会 選 挙 で も 躍 進 は 続 き

、 獲 得 議席数 を 順 次増 や し て い る

。 これ によっ て

、 UKIPは小政党に不利な

「 単純小選挙区制の壁

」 を 破 った と の 見方 が現 れて いる

。同年の総選挙

で も

、議席 こ そ前年の補欠選挙

で 得 て いた現有の一

を 維持 す るのみ で 終 わ っ たものの

、 全国 で の得票率は一三パーセントと

、 前回二〇一〇年の三パーセントを

大幅に更新し

、 自民党 や ス コットランド国 民党

( SNP

) を 上回っ て

、 保守党

、 労 働党に次ぐ全国第三位の地位

を 確 保した

。 と くにイング

ランド北部・中部 で 拡大した支持は

、 こ の 地域 を 地 盤 と し て き た 労働党の得票に影響

を 与 える結果

となり

、 同党が保守党

と の 接戦区 で 立 て 続 けに競り負け

、 ひ い て は全国 で 大敗 す る要因になった

と 考えられ

 

U K I P を E U 批 判 の 単 一 争 点 政 党 と 見 る 視 点 は イ ギ リ ス の 世 論 に い ま も 強 い

。 キ ャ メ ロ ン 首 相 が 公 約 と し て

、 イギ リ スのEU残留

を 問 う国民投票

を 二

〇一七年末ま

で に実施 す る と 述べ てき たのも

、 EUに批判的なUKIPの 台頭が直接影響し

て い る と 考えられ

。 しかしUKIPの近年の躍進

、 同 党が言説

と し て 提 供 す るEUへの攻撃 や 移民制限に対

す る有権者の呼応によっ

て 説 明 す る こ とは難しい

。 二〇一三年地方議会選挙以降の局面変化は

、 よ りマ ク ロ な政党間競争の変容のもとで

生じ て い る

 

本研究 で は

、 二〇一三年以降の選挙のう

、 と くに二〇一四年の地方選挙の結果

を 用 い

、 UKIPへの有権者の

三四

(5)

国際関係論叢第四巻第二号(二〇一五年)三五

支持パターンの変化

と その特徴

を 明 らかに す る

。 こ の 選挙は

、 二〇一三年の地方選挙よりも多くの地方

で 実施さ れ た こ と に 加え

、 主 にイング

ランド南部

で 保守党 を 脅 かし て いる農村型の政党

と 見 られて いたUKIPが

、 都市部に 強い労働党の支持に影響

を 与 え始め て いる ことを 確 認 す る選挙となった点

で 注目さ れ る

)1

。 UKIPは

こ の選挙 で 支 持 を 地理的に大

き く広げた

。 そ のなか で 支持者の性格も多様化し

て い る

 

以下 で は まず第二節

、 現行の局面におけるUKIP支持の特徴

、 二〇一〇年以前ま

で の 時期 と 対 比 す る形 で 概観 す る

。 続 い て 第三節 で

、 既存研究が明らかにし

て いるUKIPへの投票者のプロフィール

を 整 理 す る

。 これら を 踏 まえ

、 第 四節 で 二

〇一四年地方議会選挙の結果

を 分析し

、 そ こ に 見られ る支持の特徴

を 検 討 す る

。 これらの作 業から

、 UKIPの直近における台頭は

、 イギ リ スの有権者に存在

す る幅広い不満

を 一手に引

き 受けて い る と の性 格があり

、 支持にはそ

れ ゆ えの多様性が見られ

、 こ のため

、 その支持

を 同 党が強く主張し

て い るEU批判

と の 政 策的言説に帰

すことは難しい

、 と の 点が示さ

れ よ う

 

第二節   支持の特徴

 

( 1

) 二〇〇〇年代

 

二〇〇〇年前後からの欧州議会選におけるUKIPの議席獲得に弾み

を つ けたのは

、 当 時のブレア労働党政権に 対 す る批判票

で あ る

。 なか で も 二〇〇四年に始められ

たイ ラク派兵は

、 これ に反対 を 示 した野党第二党の自民党へ の 大 き な 支 持 の 傾 き を

、 二

〇 年 代 半 ば 以 降 作 り 出 し て い た

。 野 党 第 一 党 の 保 守 党 は 派 兵 を 支 持 す る と と も に

(6)

支持の地域的拡大と多様化(若松邦弘) そもそも一九九〇年代から続く党内の路線対立

を 克 服 で きないまま

で あった

。 UKIPには保守党に飽

き 足らない 有権者 を 引 き 付 けた と 考 えられ る

 

これ に対し て UKIPは

、 一人区単純多数決制による選挙の場合

、 地 方議会 で も議席 を ほ と ん ど 獲得 できて い な い

。 選 挙 区 で の 活 動 を 見 る と

、 結 党 直 後 は デ ヴ ォ ン

Devon

) 地 方 な ど 保 守 党 と 自 民 党 が 競 う イ ン グ ラ ン ド 南 西 地 域 の 沿 岸 部 が 中 心 で あ っ た

。 二

〇 四 年 の 欧 州 議 会 選 の 前 か ら イ ン グ ラ ン ド 各 地 で 立 候 補 が 見 ら れ る よ う に な り

、 保 守 党 の 地 盤 で あ る イ ン グ ラ ン ド 東 部 へ と 拡 大

、 ハ ン テ ィ ン ド ン シ ャ ー

Huntingdonshire

) な ど 内 陸 の 農 村 部 で の 動 き が注目さ

れ る ようになる

。 こ の 時期は

、 ロンドン

から離 れ

、 一次産品に依存した経済構造の地域

、 と り わけ農 村地域が活動の中心

で あった

 

二〇〇〇年代半ばを

過 ぎる と

、 地方議会

で の 議席獲得が東部のケンブ

リ ッジシャー

Cambridgeshire

) 地 方 や 中 西 部のスタッフォードシャー

Staffordshire

) 地 方などで

、 農畜産物集積集落

や 旧炭鉱集落におい

て 散 発的に見られ

る よ う に な る

。 し か し こ れ ら の リ ー ク

Leek

) や ニ ュ ー カ ッ ス ル

・ ア ン ダ ー

・ ラ イ ム

Newcastle-under-Lyme

) と い っ た議席は他党からの移籍候補による獲得が多く

、 候補者個人の人脈に頼った概し

て 属 人的な活動

と の性格が強かっ

)2

。 また議席数は全国

を 合 わ せ て も一桁に

とど まり

、 グ リーンのように選挙区組織

を 確立し て 地 方議会に一定の議 席 を もつ全国的な小政党

とは

、 活動の形態が大

き く 異なっ て いた

。 二

〇一〇年以前のUKIPは

、 有効な選挙区組 織 を 欠く典型的な風頼みの政党

で あった と 言 える

 

欧 州 議 会 選 で の 全 国 的 な メ デ ィ ア キ ャ ン ペ ー ン な ど

、 支 持 の 調 達 を 空 中 戦 に 依 存 す る 構 造 ゆ え に

、 二

〇 九 年 に 将 来 の 政 権 交 代 へ の 期 待 か ら 野 党 保 守 党 に 追 い 風 が 吹 く と

、 U K I P の 地 方 議 会 進 出 は 頭 打 ち と な る

。 さ ら に 二〇一〇年の政権交代後も

、 野党に回った労働党への支持が急激に回復したために

、 UKIPの議席は伸び

いな 三六

(7)

国際関係論叢第四巻第二号(二〇一五年)三七

。 主要政党の壁に押し返さ

れ る なか で

、 欧州議会選挙と

のパフォーマンスの差は大

き いまま で あった

 

( 2

) 二〇一〇年代

 

こ の局面に変化が生じたのは二〇一三年

で あ る

。 こ の年五月の統一地方選挙

( 主にカ ウ ン ティ議会

) で 突如の大 躍 進 を 見 せ

、 全 国 で 一 四 七 議 席 を 獲 得 す る

。 以 後

、 翌 年 の 統 一 地 方 選

( 主 に デ ィ ス ト リ ク ト 議 会

) で 一 六 三 議 席

、 さらに続く二〇一五年の統一選

( 主 にディストリクト議会

) で も二〇二議席

、 地方議会

で ま と まった議席

を 獲 得 し始めるの

で あ る

。 候補の個人的人脈に依存し

て いた支持が

、 組織的なもの

となっ て いく

 

変化の兆候は二〇一二年頃に現

れ て い る

。 こ の前年

、二

〇一一年三月にイング

ランド北部ヨーク

シャー

( Yorkshire) 地 方 の バ ー ン ズ リ ー

Barnsley

) で 行 わ れ た 下 院 の 補 選 で

、 U K I P の 候 補 が 得 票 数 で 二 位 に 入 り

、 二 大 政 党 の 一 翼 を 初 め て 崩 し た

。 そ の 後 二

〇 一 二 年 の 後 半 に な る と

、 同 様 の 事 態 が 連 続 的 に 生 じ る

。 ロ ザ ラ ム

Rotherham

)、

ミ ド ル ズ ブ ラ

Middlesbrough

) と い っ た 北 部 の 産 業 都 市 で 行 わ れ た 下 院 の 補 欠 選 挙 で は

、 U K I P 候 補 が 二 位 に 滑 り 込 む 例が相次ぎ

、 その支持の拡大に注目が集まるようになる

。 こ の変化の背景には

、 国政与党の保守党・自民党の みならず

、 野 党 と なっ て か ら回復し

て い た労働党への有権者の支持が

、 二〇一二年の地方選

を ピ ーク に再び下降局 面に転じ

て いた ことがあろう

3

。 国政の主要政党以外に票が集まる兆候は

、 ヨーク シ ャー地方の産業都市

、 労働党 の 圧 倒 的 地 盤 で あ る ブ ラ ッ ド フ ォ ー ド

Bradford

) に お い て 二

〇 一 二 年 三 月 に 行 わ れ た 下 院 補 選 で

、 元 労 働 党 の 小 政 党 候 補 ギ ャ ロ ウ ェ ー

George Galloway

) 氏 が 歴 史 的 な 大 勝 利 を お さ め た 事 件 に 顕 著 な 形 で 現 れ て い た

。 そ の な か UKIPについ

て も

、 主要政党

を 上 回る得票

を 記 録 す る事例が定着

す る ようになった

4

 

二〇一三年以降の地方議会選におけるUKIPの急伸は

、 イ ギ リ ス政治における有権者の支持構造がそ

れ ま でと

(8)

支持の地域的拡大と多様化(若松邦弘) 異 な る 局 面 に 入 っ た こ と を 示 唆 す る

。 二

〇 一 二 年 を 境 に

、 主 要 政 党 へ の 支 持 は 一 斉 に 下 落 す る 状 況 と な っ て い る

。 こ の変化のもと

、 UKIPは地方議会選挙

で の獲得議席

、 改選時の一桁からそ

れ ぞれ 三桁に載せる形

を 以後の年 で 繰り返し

て い る

( 前出表2

)。

 

UKIPに

と っ て は

、 こ の変化のなか

で 最 初の地方議会選

となった二〇一三年の選挙が

、 カ ウ ン ティ議会の選挙 で あった ことも大

き い

。 カ ウ ン ティ議会は

、 地域の中核都市

を 除 き

、 郊外 や 農 村部 を 中心に構成さ

れ て い る こ とが 少なくないため

、 一 般的には保守党に有利な傾向があり

、 同 様に農村部

で の支持が強いUKIPにも有利

と 見られ て い た

。 その予想通り

、 二

〇一三年の選挙

で UKIPは

、 ロンドンの西方

と イング ラ ンド東部にそ

れぞれ 広 がる保 守党の伝統的地盤

、 と くに後者

を 大 き く 侵食した

5

。 そ し て 二〇一四年の選挙

で は こ の余勢 を 駆 る形 で

、 イング ラ ン ド北部 と 中部の都市圏

で も 多くの議席

を 獲 得 す る こ ととなる

。 北部・中部

で の勢力拡大には

、 UKIP支持が従来 と 異 なる性格

を 持 ち 始めた ことをうかがえるの

で ある

。   

第三節   投票者のプロフィール

 

( 1

) 急進右派政党

と の 比較

 

UKIPについ

て は

、 欧州議会

を 除 く選挙 で の議席が僅少

で あった こともあり

、 支持層の体系的な研究が遅

れて いた

。 党の政策方針

と し て 国外からの移民数の規制

を 主張し て い る こ と よ り

、 最近ま で は

、 人種主義的な傾向も強 いイギ リ ス国民党

( BNP

) や 他の右派政党

と 比 較 す る

、 断片的なものがほ

と ん どで あった

。 そ こ か らは

支持者 三八

(9)

国際関係論叢第四巻第二号(二〇一五年)三九

の経済社会的属性がBNP

と 大 差なく

、 価値傾向におい

「 人種主義のないBNP

」 と いう性格のもの

で は ないか と の 見方が示さ

れ る一方 で

、 そ れとはやや

異 なる見方

と し て

、 BNPよりはやや

所得水準の高い

、 ホワイトカ

ラー と の傾向がある

と の指摘もなさ

れてき た

)6

 

従 来 B N P の 研 究 を 進 め て き た フ ォ ー ド

Robert Ford

) と グ ッ ド ウ ィ ン

Matthew Goodwin

) は 最 近 の 調 査 で

、 二〇一〇年代に入っ

て からのUKIPの支持者の典型的なプロフィールが

、 中年以上

、 白 人

、 男性 で

、 学 歴

、 所 得 水準は中間からやや

低 め で ある ことを 明 らかにし

て い る

。 意識につい

て も

、道徳的

・文 化的に や や 保 守的 と さ れ た

。 また職業階層につい

て は

、 労 働者階級

や 自 営業 で の 支持が大

き い

)7

 

ここ から支持者の経済社会的属性にBNP

と 大 きな違いはない

と の見方が強まっ

て い る

。 これはまた

、 支持者の 性格の点

、 UKIPは近隣諸国のい

わ ゆ る急進右派勢力の標準的な姿

と あまり変

わ らない こ とを 示唆 す る

。 U K IPは人種主義への姿勢におい

て BNP と 一 線 を 画し

、 フ ランスの国民戦線など

、 急 進右派と

さ れ てき た海外の勢 力 と も協調しない

ことで

、 幅広い有権者からの支持調達

を 狙っ てき たが

、 支持者の社会的属性

を 見る限り

、 各国の 急進右 派 勢力 と 一 致 す る と ころが大

き い と 見 られ る

 

( 2

) 支持の変化

 

フォードらの研究は

、 直近のUKIP支持者の特徴

を 経済・社会的属性に注目し

て 示 すもの で あるが

、 その視点 にはいくつか留保が必要

で ある

 

第一に政党支持

と の関係 で あ る

。「 敵 対的政治

」と

「 階 級 ク リービッジ

」と いうイギ

リ ス政治の特徴はあいまっ

、 階級に基づく政党支持の固定性

、 相互に分断さ

れ た 二つの有権者

と の 見方 を 作 り出し て き た

8

。 イ ギ リ ス政治の伝

(10)

支持の地域的拡大と多様化(若松邦弘) 統的理解には

、 こ の ように政党一体感

を 経済社会的属性に帰し

て 説 明 す る傾向がある

 

こ の点からUKIPは

、 イング ラ ンドの東部

や 西 部 で の従来の活動のイメージ

や 人脈 をもと に

、 保守党の伝統的 な支持基盤

を 切 り崩し て いる政党

と 見 られてき

。 しかしながら

最 近は こ の 点が必ずしも明瞭

で な い

。 と り わけ支 持の急拡大もあり

、 候補者個人の支持に依存し

て いた時期

、 連立政権期に入っ

て 爆 発的な拡大

を 見せ て いる今日 とで は

、獲得し

て い る支持者の性格が異なる

ことも十分に考えられ

。 例えば

、労働党政権期の二〇〇〇年代後半

、 UKIPは二大政党の労働党

と 保守党から流

れ 出 て くる票 を

、自民党

や グ リーン

、BNP

、各 地の保守系諸派と

いっ た他の政党

と 競 う側にあった

)9

。 しかし二〇一〇年代に入っ

て からは

、 連立与党の保守党

と 自民党から出

て くる票 を 競う側にある

ことが推定さ

れ る

。 同 様の観点から

、 イ ギ リ ス世論報告

UK Polling Report

) によるYouGov世論 調 査 の 分 析 は

、 二

〇 一

〇 年 以 降

、 自 民 党 か ら 排 出 さ れ た 票 が 保 守 党

、 労 働 党

、 U K I P い ず れ に も 向 か っ て お り

、 さらに二〇一三年以降になる

と労働党からも票の流出が始まり

、 UKIPには

これも向かっ

て い る こ とを 示唆し て いる

10

 

ま た U K I P の 勢 い に は 恒 常 的 な 浮 動 票 や 棄 権 票 が 影 響 を 与 え て い る 可 能 性 も あ ろ う

。 エ ヴ ァ ン ス

Geoffrey

Evans

) と メ ロ ン

Jon Mellon

) は イ ギ リ ス 選 挙 調 査

British Election Study

) の デ ー タ を 基 に

、 二

〇 一 四 年 秋 時 点 の U KIP支持者につい

、 その四割が

、 二

〇一〇年の総選挙

で は 保守党に投票し

て いた ことを 指 摘 す る

11

。 同様に二割 が 自 民 党 に 投 票

、 労 働 党 へ の 投 票 は 一 割 台 と 少 な い

。 こ の 限 り で は U K I P へ は 保 守 党 支 持 か ら の 移 動 が 大 き い

。 しかし同じ有権者

を 二〇〇五年の総選挙ま

で さかのぼる

、 三割が保守党

、 二 割が労働党

、 一割が自民党に投票し て い た

。 ここ から

、 か つ て 労働党 や 自民党 を 支持した

こと のある層が

、 保守党など

他党 を 経 由し

、 UKIPに移動 し て きて いる ことがうかがえる

。 こ れは

、 二

〇〇〇年代後半の労働党からの票の流出

と UKIP支持の関係

、 浮

四〇

(11)

国際関係論叢第四巻第二号(二〇一五年)四一

動票の動

きを 視野に入

、 的確に指摘

す る もの で あ る

 

こ の ようにUKIPへの投票者には

、 主要政党の固定的な支持層からの移動のみならず

、 その時 々 の状況によっ て 支持政党

を 変 える層からの支持もある

こ とが伺える

。 UKIPは支持

を 急拡大させる過程

、 従来の棄権層

や 浮 動票 を 大量に吸収し

て い る可能性がある

。 こ の 動 き を 想 定 す る と

、 従 来は保守党への支持に影響

を 与 えて いる と さ れてき たUKIPが

、 状況によっ

て は 労働党への支持にも影響

を 与え て い る可能性が推定さ

れ る の で ある

12

 

(3)

支 持 の 地 域 性

 

二つ目の留保は支持層の地域性に関

わ る

。 フォードらに代表さ

れ る経済・社会的属性の把握は

、 支持層の最大公 約数的な姿

を 示 す 一方 で

、 異なる複数の支持層の属性

をひと ま と めにし て いる可能性も否定

で きない

 

と くに地域性

を 勘 案 す れば

、 政治社会の同質性が比較的高い

と さ れ るイギ リ ス

( よ り正確にはイング

ランド

) で も

、 政党への支持が経済社会的な属性に沿っ

て 全国一律に規定さ

れ る わけで は ない と の指摘は

、 戦後のイギ

リ ス 政 治研究に古くからある

13

。 そ こで は

、 同様の経済社会指標

を 示 し て いる有権者

で も

、 居住地が異なれば政党支持は異 なり うる との見方

が示さ れ てきた

14

。 例 えば

、 イ ング ランド南部の労働者層に見られ

る保守党支持の傾向

、 旧産業 地帯のミドル

クラ ス層の労働党支持の傾向がその典型

で ある

 

階級政治

と の 見方が強いイギ

リ ス政治 で も

、 こ の点 で

、 地域性 を 内包した支持傾向

を 示 す 層 への注目は

、 イング ラ ン ド 東 部 の

「 保 守 党 支 持 の 労 働 者 階 級

working class Conservatives

)」

( 一 九 八

〇 年 代

) や

「 中 間 層 の イ ン グ ラ ン ド 人

middle England

)」

( 一九九〇年代

) と いったメディア用語

とともに存在し

、 地域的な支持の固有性が説明さ

れて き た

(12)

支持の地域的拡大と多様化(若松邦弘)

 

フォードらが示

す 経済・社会的属性は

、 イ ギ リ スの場合

、 下層中間層

や労働者層に多く見いださ

れ る存在 で あ ろ う

。 しかしそ

れらの層の政党支持も地域によっ

て 異 なり

、 労 働党の優位なイング

ランドの北部

で は 概し て 労 働党支 持の傾向が強いが

、 保守党の優位な南部

で は保守党への支持も少なくない

。 ま た こ れとは逆に

、 一つの政党

を 地 域 ごと に異なる社会的属性の人

々 が支持し

て い る こ ともありうる

。 例 えば自民党は

、 スコットランドや

イング ラ ンド 北部

、 同南西部

で は 農村部に支持の中心があり

、 イング ラ ンドの他の地域

で は都市の中間層に支持が見られ

 

近 年 の 選 挙 地 理 学 の 知 見 は さ ら に

、 ジ ョ ン ス ト ン

Ron Johnston

) と パ テ ィ ー

Charles Pattie

) の よ う に

、 有 権 者 の政党支持における個別選挙区の特徴

を 重 視 す るようになっ

て い る

15

。 こ の点 で UKIPについ

て は

、 二

〇一〇年以 前の時期に

、 異なる性格

を 持つ二つの投票層

を 見い出せた

ことは重要

で ある

16

。 イ ング ランド東部の農村部の住民

と 中部の都市の市街地住民

で あ る

 

以下本論

で は

、 こ のような支持層の地域的な多様性

、 二〇一四年の地方議会選挙の結果分析からより詳細に検 討す る

。   

第四節   二〇一四年地方議会選挙

 

( 1

) 得票の特徴

 

研究 で は

、 二

〇一四年に議会選挙

( 主に二層制のディストリクトならびに一層制自治体が対象

) が実施さ

れ た イ ング ランドの一六一自治体のなか

、 UKIPの勢力伸長が顕著に少ないロンドンの自治体

を 除いた一二九の自治

四二

(13)

国際関係論叢第四巻第二号(二〇一五年)四三

体 を 対象 と し

、 そ れらについ

て UKIPの候補が存在した選挙区

を 取 り出し

、 党派別得票

を 分析した

17

。 な お こ の 選 挙 で は

、 前年二〇一三年の地方議会選挙

( 主にカ ウ ンティ議会

) におい て UKIPの伸長が顕著

で あった地域のう ち

、イング

ラ ンド南部のケント

Kent

)地 方 や バッキンガムシャー

Buckinghamshire

)地 方

、同東部の

リンカーンシャー

(Lincolnshire

) 地 方などで

は選挙が実施さ

れなかったため

、 そ れらは分析に含ま

れて いない

 

分析 でと くに注目したのは

、 UKIPが二〇一四年に高い得票率

を 得 た自治体

で あ る

。 これは

、 自治体内の各選 挙区 で のUKIP候補の得票率につい

、 その単純平均

( UKIP候補がいない選挙区

を 除く

) が 二五パーセント を 超 えた自治体

と し た

。 その数は五一

で ある

 

こ の五一自治体そ

れぞれ につい て

、 自治体内の選挙区

、 UKIP候補の得票率が当該自治体の平均より高い選 挙区

( UKIPの得票率が平均より高い選挙区グループ

) と

、 同 じく平均より低い選挙区

( UKIPの得票率が平 均より低い選挙区グループ

) の 二つに分け

、 両グループについ

て 他政党の得票

と の 関連 を 検 討した

 

また時系列的な変化

を 見るために

、 両グループについ

、 当該選挙区の二〇〇〇年代半ばの同種選挙における得 票の平均

を 党 派ごと に計算し

、 そ れ を 二

〇一四年の数字

と 比 較した

。 こ の平均には二〇〇三年から二〇〇八年の五 回

、 な い し

、 二

〇 四 年 に 選 挙 区 の 区 割 り が 変 更 さ れ た 自 治 体 で は

、 二

〇 四 年 か ら 二

〇 八 年 の 四 回 を 用 い た

( 二〇〇五年は地方議会選挙が実施さ

れ て い ない

)。

 

なお こ の期間の政党支持の特徴

と し て

、 労働党の得票の振幅がと

くに大 き い ことを 指 摘 で き よ う

。 二〇〇〇年代 半ばから後半にかけて

、 国政与党

で あった同党への批判が強く

、 また野党

で 自民党が伸び

て いたために

、 地 方議 会 で 労 働 党 の 得 票 は 低 迷 し て い た

。 そ の 後

、 二

〇 一

〇 年 の 総 選 挙 で 連 立 政 権 が 成 立 し て 下 野 す る と

、 今 度 は 政 権 批 判 の 票 を と り こ ん で 二

〇 一 一 年 と 二

〇 一 二 年 の 選 挙 で 大 幅 に 得 票 を 伸 ば し て い る

。 し か し な が ら

、 こ の 支 持 は

(14)

支持の地域的拡大と多様化(若松邦弘) 二〇一二年がピークで

あ り

、 その後は再び減少しつつある

。 二

〇一四年はその下降の途中にある

得票率の高い自治体

 

二〇一四年のUKIPの勢いはす

さ まじく

、 対象の自治体の多く

、 自治体内の選挙区全体の合計得票数が党派 別 で 二 位 ま で に 入 っ て い る

 

二〇一四年の自治体選挙

で UKIPの得票率がと

くに高かった自治体は

、 ロンドン東郊のベッドタ

ウ ン で あるエ セ ッ ク ス

Essex

) 地 方 と 北 海 沿 岸 の 漁 港 に 集 中 し て い る

。 上 記 の 計 算 方 法 で U K I P の 平 均 得 票 率 が 三 五 パ ー セ ン ト を 超 え た 自 治 体 は 七 つ で あ る

( 表 3

)。 こ の な か で ロ ザ ラ ム は

、 長 年 市 政 を 握 っ て き た 労 働 党 の 混 乱 か ら

、 市 政 へ の 批 判 票 が 多 く 生 じ た と の 事 情 に よ る 例 外 と み て よ か ろ う

( 北 部 の ヨ ー ク シ ャ ー 地 方

)。 他 は い ず れ も 労 働 党 が従来は優位

で な かった自治体

で あ る

。 主要政党の得票

を 見る と

、 保守党 と 自民党はすべ

て の自治体

で 二

〇〇〇年 代 半 ば の 水 準 を 下 回 り

、 ま た 労 働 党 は ロ ッ チ フ ォ ー ド

Rochford

) と バ ジ ル ド ン

Basildon

) の 二 自 治 体 以 外 で 同 じ く二〇〇〇年代半ばの水準

を 下回っ て い る

 

続く得票率三〇パーセントから三五パーセントの自治体には

、 上 記の自治体の近隣に加え

、 ロンドン北郊の通勤 圏からその北に続くイング

ランド東部

、 イング ラ ンド中部

、 同北部の自治体が入る

18

。 一 つ目の地域はロンドン北方 の 保 守 党 が 強 い と さ れ る と こ ろ で あ り

( ロ ン ド ン の ベ ッ ド タ ウ ン か ら そ の 外 の 平 原 部

)、 後 の 二 つ は そ れ ぞ れ バ ー ミンガム近郊の工業地帯

、 ヨ ーク シャー都市圏から北に続く工業地帯が中心

、 これらには労働党が強い

と 見 られ てき た自治体が多い

。 こ の 三〇パーセントから三五パーセ

ントのグループ

で は

、 保守党 と 自民党の得票は二〇〇〇 年代半ばの水準

を 下回る一方

、 労 働党につい

て は 二〇〇〇年代半ばの得票水準より高いままの自治体が多い

。 四四

(15)

国際関係論叢第四巻第二号(二〇一五年)四五

⾲㸱 UKIPࡢᚓ⚊⋡ࡢ㧗࠸⮬἞య

㸦2014ᖺᆅ᪉㆟఍㑅ᣲࠊᚓ⚊⋡㡰㸧

࣭35%㹼 ࣭25%㹼30%

Rotherham Kingston upon Hull Castle Point Adur

Great Yarmouth Burnley

Rochford Newcastle-under-Lyme Thurrock Oldham

Basildon Worthing North East Lincolnshire Havant

Halton Calderdale Solihull 䞉30%㹼35% Salford

Harlow Rochdale Cannock Chase Walsall

Broxbourne Wolverhampton Wakefield Tamworth

Dudley Runnymede

Rushmoor Sunderland Sandwell Maidstone Doncaster Bassetlaw

Redditch Peterborough

Huntingdonshire Wyre Forest South Tyneside Eastleigh

Plymouth Wigan Southend-on-Sea Bradford

Hyndburn Hartlepool Daventry Amber Valley Bolton Stevenage Craven

㸨UKIPೃ⿵ࡀ࠸ࡿ㑅ᣲ༊ࡢࡳࢆᑐ㇟࡜ࡋ࡚ィ⟬

(16)

支持の地域的拡大と多様化(若松邦弘)

 

二 五 パ ー セ ン ト か ら 三

〇 パ ー セ ン ト の グ ル ー プ に は 地 理 的 に も 党 派 的 に も 特 段 の 傾 向 は 見 ら れ な い

。 エ イ ダ ー

(Adur

)、

ウ ォ ー ジ ン グ

Worthing

)、

ハ バ ン ト

Havant

)、

イ ー ス ト リ ー

Eastleigh

) と い っ た 保 守 党 や 自 民 党 の 地 盤 で ある南岸東部の小都市が入っ

て いる ことが目立つものの

、 全体的には

、 イング ラ ンドの中部

、 北 部

、 東部

、 南 岸 が 入 り 混 じ っ て い る

。 こ の グ ル ー プ で は

、 上 と 同 様

、 保 守 党 と 自 民 党 の 得 票 は 二

〇 年 代 半 ば の 水 準 を 下 回 り

、 労働党につい

て は 二〇〇〇年代半ばより得票水準が高いままの自治体が多い

。 UKIPの支持はイング

ランドの南 部 と 東部に限定さ

れない

。 各地に広がっ

て いるの で あ る

中期的な変化―二〇〇〇年代半ば以降

 

中期的な変化

を 見 るため

、 二

〇一四年の得票

を 二

〇〇〇年代半ばの得票

と 比 較 す る と

、 UKIPは

こ の間に

、 保 守党

、 自民党のみならず

、 労働党からも票

を 奪っ て い る こ とが伺える

 

対象の自治体

( 二

〇一四年にUKIPが高い得票率

を 得 た自治体

) で は

、 こ の間の得票の増加はUKIPが最も 大 き く

、 同じく減少は自民党が最も大

き い

。 主要政党

で は

「 UKIP∨労働党∨保守党∨自民党

」 の 順 と なる

 

自 民 党 と 保 守 党 の 得 票 は

、 自 治 体 内 で U K I P の 得 票 率 が 高 い 選 挙 区

( 二

〇 一 四 年 の U K I P の 得 票 率 が 平 均 よ り 高 い 選 挙 区 グ ル ー プ

) を 中 心 に

、 二

〇 年 代 半 ば の 水 準 よ り 大 幅 に 縮 小 し て い る

。 な か で も 自 民 党 は ほ と ん ど で そ の 四 割 以 下 ま で 得 票 数 を 減 ら し て お り

、 凋 落 が 著 し い

。 両 党 の 得 票 の 顕 著 な 減 少 は

、 国 政 与 党 と な っ た 二〇一〇年より後の時期

を 中心に生じ

て いる

 

こ のUKIPの得票率が自治体内

で も高い選挙区

で は

、 労 働党に も近年

、 急激な得票の減少が見られ

。 と く に 二〇一二年からの直近二年

で あ る

。 実際に全国的な政党支持率の推移

を 見 て も

、 労 働党支持が低下の局面に入った

四六

(17)

国際関係論叢第四巻第二号(二〇一五年)四七

二〇一二年後半以降

、 UKIPの支持

と労働党の支持は

、 逆の振幅

を 描くようになっ

て い る

 

ただし労働党の場合

、 自治体内

で UKIPの得票率が低い選挙区

( 二

〇一四年のUKIPの得票率が平均より低 い選挙区グループ

) を 中心に

、 二〇〇〇年代半ばより二〇一四年の得票が依然高い自治体は多く見られ

。 こ の 点 で 同党の得票の減少は

、 上記の と お り

、 UKIPの得票率が高い選挙区の方

で 顕 著 で ある

。 そ こで は

、 労働党票が 二〇一二年ま

で の上積み分

を 完全に失い

、 さ らに侵食さ

れ て い る事例が少なからず見られ

 

こ の ように

、 労働党につい

て は

、 二

〇一二年から得票が減少傾向にあるものの

、 全国的に見る

、 二〇〇〇年代 半ばに比べ

、 依然 と し て 高 い水準にある

。 その例外がUKIPの得票率が高い選挙区

で あ る

。 これらから推測

でき るのは

、 二〇一〇年以降にいったん労働党へ

と 向 かった票のなかに

、 二〇一二年以降

、 さ らに別の行

き 場 を 求め て いる票があり

、 そ れ がUKIP

を 中 心に流 れ て い る と の構図 で ある

。 UKIPに流

れ て いるのは保守党

と 自民党か ら出 てき た票が中心

で あるが

、 労働党に投じられて

いた票も相応にUKIPに流

れて いる と 推 定 で き る

。 こ れはエ ヴァンスらが示唆

す る浮動票の指摘に一致

す る もの で あ る

 

また こ の図式からは

、 保守党 と 自民党の得票が大幅に減少し

て い る こ と によっ て

、 と くにUKIPの得票率が高 い選挙区

で は

、 UKIP

と労働党に票の集中が生じ

て いる こともうかがえる

。 その結果

、 選 挙区ベースの政党間競 争は

、 労 働党の強い選挙区の場合

、 従来の

「 労 働党

保守党ないし自民党

」 の争いが

「 労働党

UKIP

」 へ と 変 化 す る 傾 向 が 生 じ

、 ま た 保 守 党 の 強 い 選 挙 区 で は

、 従 来 の

「 保 守 党

自 民 党 な い し 労 働 党

」 の 争 い が

、 労 働 党 の強さに応じ

、「 保守党

UKIP

労働党

」 の三つ巴の争い

、 な いし

「 保守党

UKIP

」 の 争いへ と 変 化 す る傾向が生じ

て いる

。 UKIPはいずれも

、 伝統的にその地域

で 優位にあった政党に対

す る

、 対抗馬 と し て の性 格を 示す よう にな っ て いる

(18)

支持の地域的拡大と多様化(若松邦弘)

自治体内

で の領域の地理的パターン

 

続い て UKIPの得票の領域的性格

を 考える と

、 自治体のなか

で UKIPの得票が伸び

て いる選挙区には

、 従 来 は相対的に労働党が強かった

、 あるいは

、 相対的に保守党が弱かった

と の傾向が見られ

 

対象の自治体

( 二

〇一四年にUKIPが高い得票率

を 得 た自治体

) で 見る と

、 UKIPの得票率が高い選挙区

で は

、 かつ て 労 働党の得票がその自治体内

で 相対的に多かった

と の傾向が見られ

=UKIPの得票率が平均より 高 い 選 挙 区 グ ル ー プ は 二

〇 年 代 半 ば 時 点 で の 労 働 党 の 得 票 が 大 き い

)。 ま た 同 じ く 自 治 体 内 で U K I P の 得 票 率が高い選挙区には

、 か つ て 保守党の得票が相対的に小さかった

と の傾向も見られ

=UKIPの得票率が平均 よ り 高 い 選 挙 区 グ ル ー プ は 二

〇 年 代 半 ば 時 点 で の 保 守 党 の 得 票 が 小 さ い

)。 こ の 両 者 は 実 体 と し て 重 な る 場 合 も多いが

、 自民党 や 無所属などが強い選挙区もあるため

、 同 義 で はない

。 前者の典型は中心市街地の選挙区

、 後者 は中心市街地に隣接

す る選挙区

で あ る

 

こ の よ う に

、 近 年 U K I P に 票 が 流 れ て い る 選 挙 区 に は

、 従 来

、 労 働 党 が 自 治 体 内 の 他 の 地 区 よ り は 強 か っ た

、 あ る い は

、 同 じ く 保 守 党 が 弱 か っ た と の 特 徴 が あ る

。 こ れ を 言 い 換 え る と

、「 自 民 党 や 保 守 党 が も と も と 盤 石 で は なかった選挙区

」 と なろう

。 そのような選挙区

で UKIPの得票が拡大し

て い る

。 地理的なイメージ

で は

、 中心市 街地からその隣接の住宅街区へ

と 広 がる一帯

で あ る

。 こ の 点 で

、 一 般的に言

われ る

、 保守党への支持が強い場所

で UKIPが強い

と の見方には

、 留保が必要

で ある

 

但し これら選挙区

で UKIPの候補が当選し

て い る わ けで はない

。 議席の獲得につい

て は

、 労 働党が圧倒的に強 い 選 挙 区

、 保 守 党 が 圧 倒 的 に 強 い 選 挙 区 で

、 U K I P は そ れ ら の 政 党 に 力 負 け し て い る

。 U K I P の 議 席 獲 得 は

、 両党の力がそ

れ よ り や や 弱 い選挙区

で 生 じ て いる

。 こ の状況は

、 中心市街地

で 労 働党に勝

て ない場合が多い

こ と に

四八

(19)

国際関係論叢第四巻第二号(二〇一五年)四九

現 れ る

19

。 こ の た め

、 商 業 区 画 が 中 心 に 存 在 す る 一 定 規 模 以 上 の 地 方 都 市 の 場 合

、 自治体内

で の議席の地理的分布

と し て

、 中心部に労働党

、 その す ぐ 外側の住宅街 区にUKIP

、 郊外の緑地帯のなかの小集落に保守党

と の パターンを

各 地 で 見る こ と が で き る

(図 1)

 

( 2

) 支持の地域性

と パターン

 

以上の特徴

を 踏 まえ

、 イ ギ リ スの地図にUKIPの得票が多い自治体

を 重 ねる と

、 伝統的に保守党が優位なイング

ラ ンド東部・南部の郊外からその沿岸部が一 つの地域

、 伝統的に労働党が優位なイング

ランド北部・中部の産業地帯がもう一 つの地域

と し て 浮かび上がる

。 前 者 で は

、 UKIPの得票拡大が三主要政党

すべ て の 得票減

( 二〇〇〇年代半ば比

) と ともに生じ

て おり

、 後 者 で は

、 同じく労働 党の得票の横ばい

、 な らびに自民党

・保守党の大幅な得票減

とともに生じ

て い る

。 こ の状況にはいくつかのサブパターンを

見る ことが で き る

タイプ1

―イング

ランドの東部・南部

 

イング ラ ンドの東部・南部

や 沿 岸部の典型例は

、 農漁業地域

、 海岸沿いの保養 地的な性格

を もつ小都市

、 そ し て 大都市周辺のベッドタ

ウ ン で あ る

ಖᏲඪ UKIP ປാඪ

ᅗ㸯 ⮬἞యෆ࡛ࡢ㆟ᖍ⋓ᚓᆅ༊㸦ᶍᘧᅗ㸧

(20)

支持の地域的拡大と多様化(若松邦弘)

 

① ケ ン ブ リ ッ ジ シ ャ ー 地 方 や リ ン カ ー ン シ ャ ー 地 方 な ど イ ン グ ラ ン ド 東 部 に 広 が る 農 業 地 帯 の 小 都 市 や 集 落 は

、 U K I P が 二

〇 一

〇 年 以 前 か ら 散 発 的 に 議 席 を 獲 得 し て い た 地 域 で あ る

。 地 域 経 済 を 一 次 産 品 の 生 産 と そ の 取 引 に 依 存 し て き た と の 特 徴 が あ る

。 二

〇 一 三 年 以 降 は 同 様 に

、 グ リ ム ズ ビ ー

Grimsby

) や グ レ ー ト ヤ ー マ ス

Great

Yarmouth

) な ど 北 海 沿 岸 の 漁 港 都 市 で も U K I P の 勢 力 が 拡 大 し て い る

20

。 近 年 の 欧 州 議 会 選 に お け る U K I P の 得 票も これら 各地域が中心

となっ て いる

。 UKIP支持の原型

と 言 えよう

 

歴 史 的 に は 市 場 と し て 発 達 し た 集 落 や 都 市

( い わ ゆ る

「 マ ー ケ ッ ト タ ウ ン

」) で あ る こ と が 多 く

、 現 在 も 大 都 市 圏への食料供給基地

となっ て いる

。公共交通による中核都市へのア

クセ スはやや

不便 で あ り

、他の地域に比べる

、 街に活気が乏しい

と の傾向が見られ

。 こ う いった背景から

、 国政の主要政党による組織化から一線

を 画し

、 ロ ー カルな利害の擁護

を 掲 げる地元政党

や 無所属がもともと

多かった自治体

で も ある

。北 海沿岸 で は

、リンカーンシャー 地方のスケグニス

Skegness

) や

、UKIPが下院の議席

を 初 め て 選挙 で の勝利により獲得

( 二

〇一四年の下院補選

) した クラ ッ クトン

・オ ン・ シ ー(

Clacton-on-Sea

)も こ の類型に加えられ

よう

。東部以外

で は

、イ ング ランド中部のスタッ フ ォ ー ド シ ャ ー ム ー ア ラ ン ズ

Staffordshire Moorlands

) の ル イ ス

Lewis

) 集 落 な ど

、 二

〇 年 代 半 ば の 早 い 段 階 からUKIPの候補が散発的に当選し

て い た地域には

、 産業構造の点

で こ の パターンに似た例がある

 

これらの地域は大都市から離

れて いる こともあり

、 もともと

人種・民族的マイノリ

テ ィは少なく

、 近年になっ

て EU域内の東欧諸国からの移民の急増がローカルな政治争点

となっ て いる場合が多い

。 また一次産業の比率が高い ため

、 地 域経済のなかに国内産業保護の要求も強く

、 イ ギ リ ス で の欧州懐疑主義の主要な源泉

と なっ て い る

 

②イング

ランド南部

で の海岸沿いの小都市につい

て は

、 もともと

結党後早い時期にイング

ランド南西部

で の

活動 五〇

(21)

国際関係論叢第四巻第二号(二〇一五年)五一

、 属 人 的 理 由 も あ っ て

、 漁 港 で も あ る ト ー キ ー

Torquay

) を 中 心 に 活 発 で あ っ た が

、 近 年 は よ り 東 方 に 重 心 が 移 動 し て い る

。 現 在 は ケ ン ト や サ セ ッ ク ス

Sussex

)、

ハ ン プ シ ャ ー

Hampshire

) と い っ た ロ ン ド ン に 近 い 南 岸 の 小都市が勢力の中心

となっ て いる

( 二

〇一四年の地方選挙

で は

、 前 述のエイダー

、 ウ ォ ージング

、 ハ バントなど

)。 い ず れ も 海 洋 レ ジ ャ ー や 住 宅 地 中 心 の 地 域 で あ る

。 二

〇 一 五 年 の 総 選 挙 で U K I P の 党 首

、 フ ァ ラ ー ジ ュ

Nigel

Farage

) 氏 が 立 候 補 し た サ ネ ッ ト

Thanet

) も こ の 地 域 に あ る

( ケ ン ト 地 方

21

)。 引 退 に あ た り 大 都 市 圏 か ら 移 住 す る 人口があり

、 高齢者も多い一方

、 人 と 資金の流入が活発ゆえに不動産価格の上昇が激しい地区も含ま

、 住 宅価格 に応じ て 課さ れ る 地方税

( カ ウ ンシル税

) への反発が見られ

る地域 で ある

 

③ これらと

顕著に異なっ

て おり

、 新 しく生じ

て いるパターンは

、 大都市近郊のベッドタ

ウ ン で あ る

。 大都市への 交通の便は鉄道

、 自動車道

とも良い近郊都市

、 上記のパターンに比べ人口規模も大

き い

。 UKIPの伸長は概ね 二〇一二年以降

で あ るものの

、二

〇一四年にUKIPへの最も高い得票率

を 示したのは

こ の類型 で ある

。典型例は

、 ブロ ク ス ボーン

Broxborne

)、 ロッチフォード

、 カッスルポイント

Castle Point

) な ど ロ ンドンの環状高速道路

( M 二 五

) の す ぐ 外 に あ る

、「 コ ミ ュ ー タ ー ベ ル ト

」 と 呼 ば れ る ロ ン ド ン へ の 通 勤 圏 で あ る

22

。 先 に あ げ た

「 保 守 党 支 持 の労働者階級

」 が 多い地帯

と し て

、 一九八〇年代以降のイギ

リ ス政治 で 注 目さ れてき た

。 バ ーミンガムの南に位置 す る レディチ

Redditch

) や ワ イ ヤ ー フ ォ レ ス ト

Wyre Forest

) も こ の パ タ ー ン で あ ろ う

 

な お 都 市 近 郊 に あ る こ れ ら の 自 治 体 に は

、 人 種 主 義 色 の あ る B N P が 以 前 強 か っ た 地 区 が 見 ら れ る こ と も あ る

。 その場合

、 近 隣に人種・民族的マイノリ

ティの多い地区が存在

す る ことが多い

。 ただしBNPの支持調達は多分に 属人的性格が強く

、 組 織的な面

で UKIP

と の関係は一様

で ない

。 と はいえ

、 BNPの候補がいた選挙区のほ

と ん

(22)

支持の地域的拡大と多様化(若松邦弘) どが今日

、 UKIPの得票が多い選挙区

となっ て いるのも事実

で ある

。 こ の点 で

、 かつ て BNP を 支持し て い た層 がUKIP支持に回っ

て いる可能性は否定

で きない

23

 

これら東部・南部の自治体の多く

で は

、 目立った市街地

をもたない農村集落

を 除く と

、 一般的にUKIPの得票 は中心市街地

と その周辺の住宅街に多い

。 住 民 と し て

、 前者の地区

で は 自営業など

、 後者 で は

、 地元企業の事務職 や 公共部門職員

、 工場従業員など

市街地への通勤者がイメージさ

れ る

。 これらはフォードらが指摘

す るUKIP支 持の経済社会属性に近い

と 考 えられ る

。 しかしながら

、 都市圏のベッドタ

ウ ン につい て は

、 エ セ ッ ク ス 地方南部な ど U K I P の 平 均 得 票 率 が 自 治 体 全 体 で 三 五 パ ー セ ン ト を 超 え て い る 場 合 も あ り

、 ま た 選 挙 区 単 位 で 見 る と 四

〇 パーセントを

超える地区もある

。 これらの選挙区

で は

、 UKIPへの投票がほかの職業階層からも生じ

て いる可能 性が 高い

 

こ の 点 で 注目さ れ る のは大都市への通勤者

で あ る

。 職業階層

と し て は 専門職 や 経営職が多く含ま

れ る と 考えられ る

。 こ の職業階層はUKIPへの支持が労働者階級

や 自 営業ほ ど には高くないものの

、 全体の人口規模が大

き い た め

、 今日UKIP支持者の大

き な部分 を 占め て い る と 見られ る

24

。 そのような支持層は人口の多い大都市圏に存在

す る と 推測さ れ る の で ある

タイプ2

―イング

ランド北部・中部

 

二〇一四年にはUKIPの得票の拡大がイング

ランドの北部

や 中 部にも広がった

こ とが注目さ

れ る

。 と くにイン グ ラ ン ド 北 部 の ペ ニ ン 山 脈 を 大 き く 囲 む 産 業 革 命 期 か ら の 工 場 地 帯

、 な ら び に 北 海 に 面 す る 沿 岸 部 で 躍 進 が 目 立

五二

(23)

国際関係論叢第四巻第二号(二〇一五年)五三

  つ。

こ の 地域 で UKIPは

、 中規模の都市が林立

す る ヨーク シ ャー地方

を 中 心に

、 二〇〇〇年代半ばから自治体議会 に散発的な形

で 候補者 を 擁 立し て い たが

、 実際の議席獲得は属人的要素の強い例に

とど まっ て い た

。 上述のように 二〇一二年の下院補選

で は

、 そのヨーク

シャー地方

や 沿岸部の諸都市が注目さ

、 続い て 二〇一四年の地方選挙

で 明瞭な躍進が生じた

 

④二〇一四年の結果

で は

、 UKIPへの支持が高い地区の特徴

と し て 旧産炭集落

を挙げる

ことが で き る

。 北 海沿 岸部 で は 造船業

、 北部の内陸

で は 繊維産業

、 中 部 で は鉄鋼業など

、 そ れぞれ 特色のある地場産業

と 結 び付 き

、 歴史 的に地域経済

を 支 え て き た 地区 で あ る

。 しかし これらかつ

て の 基幹産業の衰退による地域全体の地盤沈下はすで

に 数十年になる

。 そ のなか と くに産炭集落

で は

、 炭 鉱の閉山に伴うコミュニティの不和

や 失 業がもたらす

社会問題が 今 も 後 遺 症 と し て 残 る

。 二

〇 一 二 年 の 下 院 補 選 で 注 目 さ れ た バ ー ン ズ リ ー は そ の 象 徴 的 な 例 で あ る

。 か つ て サ ッ チ ャ ー 首 相 と 政 治 的 に 対 峙 し た 炭 鉱 労 組 の リ ー ダ ー

、 ス カ ー ギ ル

Arthur Scargill

) 氏 の 出 身 地 で あ り

、 一 九 八

〇 年 代の炭鉱ストで

有名なグ

ラ イ ムソープ

Grimethorpe

) 集 落

25

も存在 す る

 

こ の 点 で

、 イ ング ランド北部

・中 部 で UKIPの得票が多いのは

、 マ ンチェスター

、 バ ーミンガム

、リーズ

と いっ た

、 新興のサービス産業

を 呼び込み

、 経 済的に勢いのある地域中核都市

で は ない

。 近 郊の小都市

、 さらにその周 辺に位置

す る 産炭集落

、 地場産業の衰退した集落

26

で あ る

。 そのなかには地域の地盤沈下に伴い

、 鉄道が廃止さ

れ た ところも少なくない

。 当該の都市圏のなか

で 周辺部に位置

す る これらの地区

で は

、 保守党支持の牧草地帯の集落

と 労働党支持の商工業集落

とがしばしば一つの自治体に同居

す る

27

。 UKIPの得票が多い集落は

、 ほ と ん どがもとも

参照

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