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リチウムイオン電池用電解質の高安全化に関する研究

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

リチウムイオン電池用電解質の高安全化に関する研 究

岩安, 紀雄

http://hdl.handle.net/2324/1441231

出版情報:Kyushu University, 2013, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (3)

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(様式 2) 名 : 岩 安 紀 雄

論文題名 :リチウムイオン電池用電解質の高安全化に関する研究 区 分 : 甲

論 文 内 容 の 要 旨

近年、新興国の急激な人口増加と経済発展の結果、世界のエネルギー消費量が増加している。そ の結果環境問題の拡大が懸念されている。この問題の解決のため、実質上無尽蔵にある再生可能エ ネルギーの利用が重要となっている。再生可能エネルギーとしては太陽光発電や風力発電などが有 望なエネノレギー源で、ある。しかし、再生可能エネノレギーは季節や天候により出力の変動が大きく、

そのまま電力を系統に流すと、周波数の乱れなどが起きるため問題である。そのため、出力変動の 平準化を目的とした大容量蓄電システムの開発が進められている。

水素の製造・貯蔵技術の進展により、電気分解により電気を水素の形で貯蔵することで、燃料電 池システムを大容量蓄電システムとして使用することが可能になってきている。一方、二次電池シ ステムは比較的短時間の負荷変動に対する追従性が高い。特に、エネルギー密度が高いリチワムイ オン電池(LIB)は、大容量蓄電システムの小型化軽量化が可能となるため、数十 MWh級のシス テムの開発が計画されており、現在 100kWh級のシステムの実証試験が進められている。その反 LIBは電解質に可燃性の有機溶媒を用いており、大型化に際し、安全上の懸念が大きい。そこ で本研究では電解質の安全性向上をめざし、ゲ、ル電解質と過充電抑制剤の研究に取り組んだ。その 結果、ゲ、ノレ電解質マトリクスポリマーの分子設計指針およびLIB中でのゲル電解質作製手法、過充 電抑制剤の作用メカニズムおよび電流遮断機能を有する新規な過充電抑制剤の分子設計指針を明ら かにした。これらの結果により安全性の高い LIBの設計が可能となった。

本論文は以下の6章で構成される。

1章では、環境問題を解決するため大容量蓄電システムが重要であることを述べた。大容量蓄 電システムとして LIBが有望で、あることが示唆された。一方、 LIBは安全性の向上が重要であり、

本 研 究 で はLIBの安全性向上のため、ゲノレ電解質の適用と過充電抑制剤の高機能化が必要で、あるこ とを述べた。

2章ではゲノレ電解質の構造と電解液の膨潤度の関係に着目し、ゲノレ電解質の分子設計指針につ いて検討した。ゲノレ電解質は、電解液とマトリクスポリマーから構成される。ゲル電解質は高い電 解液膨潤度が必要で、ある。マトリクスポリマーの電解液膨潤度の向上を目的とし、数種類のマトリ

クスポリマーを合成してその電解液膨潤度を評価した。その結果、マトリクスポリマーの極性が高 いことまた、その架橋点間分子量が高いことが高い電解液膨潤度を実現するために必要で、あること が分かつた。

3章では、ゲノレ電解質を適用した LIBを実現するために電解液中でのモノマーの反応性に着目 した。 LIBは正極、負極およびセパレータを捲固または積層した電極構造体に電解液を注液して作 製する。そのため、マトリクスポリマーの前駆体であるモノマーと電解液を混合し、電解液中で重 合することで簡便にゲ、ノレ電池が作製で、きれば、生産性の観点からも好ましい。しかし、特殊な溶媒

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である電解液中でのモノマーの重合反応性に関してこれまで定量的な知見が得られていない。そこ で電解液中でのモノマーの重合挙動に反応性を調べ電解液中においてもモノマーを定量的に反応さ せる条件を検討した。電解液中でのモノマーの重合は、電解液中に存在する溶存酸素の除去と重合 開始剤の適正化により可能になることを見出した。この結果に基づいてゲ、ル電池を試作して評価し た結果、サイクノレ特性が顕著に改善した。

第 4章では、過充電抑制技術として注目されている過充電抑制剤に関して検討を進めた。過充電 抑制剤の作用機構は明らかにされていない。また、大型のLIBに過充電抑制剤を添加しても十分な 効果が得られないことが知られている。現状の過充電抑制剤の反応メカニズムや作用機構について 明らかにした上で大型LIBに適用可能な新規な過充電抑制を開発する必要がある。そこで本研究で は、過充電抑制剤として知られているシクロヘキシルベンゼン(CHB)の作用機構と反応メカニズム を検討した。その結果、 CHB LIB過充電の電位領域において、正極の分解反応より優先して CHBの電解酸化重合が起こり過充電時の現象を抑制することがわかった。一方、電解酸化重合によ り正極上で生成した CHB重合体は、正極の抵抗を増加させる機能はなく、 CHBの反応が終了する と過充電抑制効果が消失することが判明した。そのため、過充電の根本的抑制のためには、過充電 時に電流を遮断する機能を持つ高抵抗被膜を形成する過充電抑制剤が必要であることを示した。

5章では、過充電現象を電流遮断により抑制する新規な過充電抑制剤を開発した結果を述べた。

過充電抑制剤は、芳香族官能基と高極性官能基からなるポリマーである。そのポリマーを用いて過 充電試験を実施した。その結果、本研究で見出した過充電抑制剤は過充電領域でLIBを高抵抗化さ せ電流を遮断する効果を確認できた。

6章では本論文を総括した。

参照

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