3
公共交通の利便性向上及び自動車運送事業の
現状と課題
(1)地域の公共交通の利便性向上の取り組み
① 地域公共交通セミナー等の開催 地域公共交通は、高齢者をはじめとする地域住民が安全に移動する手段としてのみ ならず、まちづくり施策を実現する手段としても重要なことから、地域公共交通をと りまく状況や施策を推進していく方向性等について、福井県内で活躍している地域公 共交通コーディネーターを交え、自治体の公共交通担当者や交通事業者を対象に、課 題等を考える勉強会を以下のとおり開催した。 当支局においては、今後とも中部運輸局と連携して、交通関係に携わる自治体担当 者や交通事業者等を対象とした地域公共交通に関する研修を開催し、持続可能な地域 公共交通の確保等に向けた情報提供等について取り組んでいく。 ◇開催日 平成25年5月30日 ◇タイトル 『地域公共交通勉強会(初級編)』 ◇テーマ 地域公共交通について 道路運送法等関係法令基礎知識について 地域公共交通確保維持改善事業について ◇出席者 自治体 県 1名 〃 14市町 21名 国 運輸局 4名 ◇開催日 平成26年1月29日 ◇タイトル 『地域公共交通勉強会(第2弾)』 ◇テーマ 公共交通とまちづくりを考えよう ◇出席者 自治体 県 6名 〃 12市町 19名 関係団体 2名 交通事業者 13者 20名 コーディネーター 1名 国 運輸局 5名 ② 地域公共交通確保維持改善事業 平成23年4月から、生活交通が危機に瀕している地域等において、地域の特性・ 実情に最適な移動手段が提供され、また、バリアフリー化などより制約の少ないシス テムの導入等、移動に際してのさまざまな障害(バリア)の解消がされるよう、これ までの支援策を抜本的に見直しを行い、地域公共交通の確保・維持・改善を支援するための「地域公共交通確保維持改善事業」の新たな支援策が創設され、各地域におい ては、それぞれの制度を活用した取り組みが展開されており、当支局としても、各地 域の特性を活かした取り組みに積極的に支援していくこととしている。 (平成25年度 地域公共交通確保維持改善事業実施市町等) ◇地域間幹線系統 福井県 ◇地域内フィーダー系統 福井市、大野市、鯖江市、越前町 ◇バリア解消促進等事業 福祉タクシー4者6両
(2)地域の乗合バス事業の現状と課題
① 乗合バス 福井県の広域バス路線網は、福井市などの都市部を中心に放射状に形成されており、 また、市町においては、市町が主体となって運行するコミュニティバスが地域住民等 の足の確保を図っている。 なお、広域路線バス事業者3社における平成24年度の旅客輸送人員は5,553 千人で前年度に比べ139千人減少しており、依然輸送人員の減少傾向から脱しきれ ず厳しい状況にある。 また、現在、コミュニティバスは県内17市町において関係者の合意形成の下、区 域運行や、乗合タクシー、デマンド運行、自家用バス、ワンコインバス等様々な形態 で運行されており、平成24年度の輸送人員は約2,040千人となっている。 今後ますます進む高齢化、移動制約者等への対応、さらには活力ある地域づくりの ために地域住民等関係者が協議する地域公共交通会議等を活用し、広域路線バス、鉄 道、他のコミニュティバス等とのネットワ-クを構築し、公共交通のさらなる利便性 向上等のために積極的に取り組んでいきたい。 広域路線バス事業者の概況 (実績は)県内本社のもの) 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 事 業 者 数 3 3 3 3 3 車 両 数 234 239 234 236 239 路 線 キ ロ 3,800 3,729 3,601 3,644 3,675 延 走 行 キ ロ ( 千 キ ロ ) 11,793 11,616 11,558 11,670 11,615 輸 送 人 員 ( 千 人 ) 6,515 6,061 5,762 5,692 5,553 運 送 収 入 ( 千 円 ) 2,156,409 2,099,038 1,934,718 1,957,182 1,874,773 ※ 運送収入について雑収入等を削除した金額に修正。 4000 5000 6000 7000 (千人) 0 1000000 2000000 3000000 (千円) 20 21 22 23 24 (年度) 輸送人員(千人) 運送収入(千円)②高速バス 本県における高速バス路線は、昭和63年7月16日より名古屋線(1日8往復)、 平成元年5月2日より東京線(夜行便1往復)が開始された。 大阪方面についても、平成15年9月13日より若狭路博の開催にあわせ小浜~大阪線 の運行(1日3往復)が開始され、平成19年12月22日からは、福井~大阪線の運 行(1日3往復)が開始されている。 また、平成18年11月1日からは、東京線において昼行便1往復が増便され、快適 性や、低廉な運賃を求めるビジネスマン、学生、観光客等のニーズに的確に対応し好評 を得ている。 高速バスの平成24年度の利用客は、名古屋線が124,754人、東京線が昼行便が 11,390人、夜行便が41,503人の合計52,893人、小浜~大阪線が43, 045人、福井~大阪線が40,503人となっており、バス輸送人員の減少が続く中、 高速バスの輸送人員は比較的安定している。 更に平成25年8月以降は、従来の高速ツアーバスを新高速乗合バスへと移行してお り、管理の委託を受けた貸切事業者等による運行も開始されている。 ③ 空港アクセス 昭和51年4月、福井空港定期便の休航に伴い、福井駅前から小松空港間の航空旅 客の送迎輸送の必要性から運行を開始した。平成25年3月30日まで2者での共同 運行だったが、現在は1者での運行となっている。当該運行は航空旅客の「より短時 間で、より快適な移動を」というニーズに対応するため、福井県等と連携し利用者の 利便性向上に努めている。 平成17年2月の中部国際空港開港に伴い、1社が福井・鯖江・越前・敦賀~中部 国際空港の運行(1日2往復)を開始したが、利用者が思うように伸びず平成20年3 月末をもって運行を取りやめた。平成23年12月から1社が嶺北(奥越除く)及び 敦賀市を営業区域としたドアtoドア型による関西国際空港・中部国際空港行きのデマ ンド運行を開始した。 ④ 地方バス対策 主として地方部を中心とする生活交通の確保のために必要な措置を協議する地域協 議会として、福井県をはじめ関係機関の参画による「福井県生活バス路線確保対策協 議会(会長福井県総合政策部長)」が平成13年5月24日設置され、乗合バス等の 生活交通の確保を図るための協議を行っている。当支局としても、協議会に積極的に 参画し今後も生活の足を守ためにどうあるべきかの観点から関係者との協議に努めて いる。 なお、広域的、幹線的なバス路線については、国と地方の適切な役割分担の基、地 方バス路線維持対策の対象として、平成24年度は29系統が生活交通路線として運 行されている。
(平成24年度) 系統数 補助内容 事業者数 申請額(千円) 備 考 (車両数) 路線維持費 5 29 110,369 京福バス、福井鉄道、大和交通、 京都交通、西日本JRバス 車両購入費 2 (7) 7,506 京福バス、福井鉄道 29 合 計 5 (7) 117,875
(3)貸切バス事業の現状と課題
貸切バス事業は、平成12年の需給調整廃止後、事業者数、車両数が大きく増加、近 年は利用者の旅行、観光スタイルの変化、原油価格高騰、高速道路の割引等の影響によ り、経営環境は厳しい状況が続いている。そのような中にあって、旅行会社との連携、 小グループによる旅行、従業員輸送、冠婚葬祭、老人会、クラブ活動、通学等さまざま な移動ニーズに対応した新しいサービスに取り組む必要が求められている。 一方、極めて残念ながら、安全対策の不徹底に起因すると思われる貸切バスの重大事 故が全国に散見される。とりわけ平成24年4月に発生した関越道高速ツアーバス事故 を受け、高速バス及び貸切バスへの信頼の回復を図るため策定された「高速・貸切バス 安全・安心回復プラン」としての平成25年度・26年度にわたる措置を迅速かつ着実 に実施することとしている。 このような状況を受けて、当支局としても、関係機関に対し、安全・安心な輸送サー ビスの提供に向けて、協力依頼を行っている。 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 事 業 者 数 54 53 53 54 55 車 大 型 車 246 253 265 264 260 両 中 型 車 135 157 162 165 164 数 小 型 車 214 219 227 229 221 合 計 592 629 654 658 645 延 走 行 キ ロ 16,719,220 17,031,856 17,543,731 16,244,828 15,999,811 輸 送 人 員 3,524,411 3,871,888 4,289,302 4,688,855 4,188,168 3000000 3500000 4000000 4500000 5000000 (人) 4000000 4500000 5000000 5500000 6000000 (千円) 20 21 22 23 24 (年度) 輸送人員 運送収入(千円)(4)タクシー事業の現状と課題
県内のタクシー事業者数は257者、車両数は1,188両となっており、事業者数は 前年度より1者減少、車両数は17両減少している。 なお、最近では高齢者、障害者等移動制約者の社会参加の支援を目的として、福祉車両 を導入する事業者が増加したのをはじめ、専業事業者も67社104両となっている。 タクシー需要は、マイカーの普及、個人消費の低迷等により厳しい環境が続いているが、 JRと連携した観光タクシー(駅から観タクン)や、平成20年1月からは全面的な禁煙 タクシー運行を開始する等、各事業者もさまざまなニーズに対応したサービスを展開して いる。しかし、平成24年度においては対前年度比で輸送人員は93.9%、運送収入で は92.2%と減少し依然として厳しい状況が続いている。 また、平成25年10月には、運転免許を返納した高齢者の足の確保の観点から、運転 免許証返納割引制度を導入し、高齢者の事故防止に寄与している。 そのような中、タクシーが、地域公共交通機関としての役割を果たすとともに、タクシ ー事業の適性化・活性化を推進し、地域における交通の健全な発達に寄与することを目的 とする「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別 措置法」が平成21年10月1日に施行され、福井県においては、福井交通圏(福井市、 鯖江市、あわら市、坂井市、吉田郡、丹生郡越前町(但し、平成17年2月1日に合併さ れた旧朝日町の区域に限る。)が「特定地域」に指定されている。 また、平成24年4月には、武生交通圏(越前市、丹生郡越前町(但し、平成17年2 月1日に合併された旧朝日町の区域を除く。)、南条郡南越前町、今立郡池田町)が「特 定地域」に指定された。 当支局としてはこの制度のもと、「交通圏タクシー特定地域協議会」を設置し、「地域 計画」を作成し基本的な方針や目標を定め、タクシーを巡る様々な諸問題を解決し、地域 における公共交通の健全な発達に寄与するために、地域計画に定められた目標の達成に向 け関係者と連携を図り積極的に取り組んでいるところである。 4500000 5000000 5500000 6000000 6500000 7000000 (人) 4500000 5000000 5500000 6000000 6500000 7000000 (千円) 20 21 22 23 24 (年度) 輸送人員 運送収入事 業 者 数 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 事 業 者 数 58 58 56 57 57 法 車 両 数 962 998 969 959 937 実 在 日 車 数 356,488 364,631 359,029 352,637 343,343 実 働 日 車 数 264,244 271,905 264,453 255,502 239,787 総 走 行 キ ロ 35,525,758 33,765,431 33,243,389 32,065,316 29,551,748 実 車 キ ロ 14,917,794 13,918,267 13,793,731 13,415,868 12,264,299 輸 送 回 数 3,734,353 3,513,522 3,512,868 3,437,615 3,223,703 人 輸 送 人 員 5,657,938 5,289,254 5,200,611 5,077,926 4,761,158 運 送 収 入 ( 千 円 ) 5,761,267 5,354,117 5,297,677 5,158,361 4,714,226 事 業 者 数 150 145 140 138 133 個 車 両 数 150 145 140 138 133 実 在 車 両 数 54,385 52,925 51,100 50,508 48,545 実 働 車 両 数 42,656 41,401 38,888 38,429 37,053 総 走 行 キ ロ 3,602,373 3,371,867 3,045,711 2,971,210 2,875,584 実 車 キ ロ 1,182,960 1,068,206 943,884 918,699 878,686 輸 送 回 数 372,052 342,460 310,589 304,960 292,342 人 輸 送 人 員 504,717 458,539 415,834 409,497 394,997 運 送 収 入 ( 千 円 ) 449,309 403,554 373,981 366,475 354,957 事 業 者 数 55 59 66 73 77 福 車 両 数 87 94 102 108 118 祉 総 走 行 キ ロ 1,005,053 1,283,857 1,071,578 1,030,777 1,177,886 限 輸 送 回 数 67,050 70,738 73,287 71,802 81,999 定 輸 送 人 員 82,739 88,171 158,642 108,964 99,744 運 送 収 入 ( 千 円 ) 115,654 131,091 138,350 136,369 150,716 注)福祉限定事業者に兼業事業者の実績を含む。 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 事業者数 5 6 4 4 3 寝 台 専 用 車 車 両 数 5 6 4 4 3 事業者数 48 50 57 58 61 車 椅 子 専 用 車 車 両 数 69 74 79 84 95 寝 台 ・ 車 椅 子 事業者数 9 11 13 13 12
(5)トラック事業の現状と課題
トラック事業は国内物流の大半を担っており、国民経済を支える上で非常に重要な役 割を果たしているが、トラック事業者の大部分は中小企業の脆弱な業界体質となってお り、また、景気回復の兆しはあるものの、燃料価格高騰などにより依然として厳しい経 営環境にある。こうした状況下にあっても、多様化する輸送需要の対応、安全確保対策 及び、環境問題など難しい課題への対応が求められている。 これらの現状に対応するためには、荷主、元請け事業者の理解と協力が不可欠であり、 また、荷主、元請事業者、下請事業者の間の適正取引について関係者間の理解と信頼を 通じて中小事業者の底上げを図る必要があり、安全運行パートナーシップガイドライン や、下請・荷主適正取引推進ガイドライン等の推進を図っていくことが重要であり、平 成21年3月に「福井県トラック輸送適正取引推進パートナーシップ会議」を設置、ト ラック事業者と荷主、元請け事業者等とのよりよい関係構築を目指すこととした。 また、将来に向けたトラック産業のあるべき姿の提示、公平・公正な競争環境の実現 のために克服すべき課題を整理すべく設置された「トラック産業の将来ビジョンに関す る検討会」において、平成22年7月に中間整理が取りまとめられ、更に、同検討会ワ ーキンググループ及び作業部会において課題への対応が検討された。とりわけ多重構造 の弊害の解消に向けた施策として「契約の書面化推進」に係る取組を行っているところ である。 450 500 550 600 650 (者) 7700 8200 8700 9200 9700 (両) 20 21 22 23 24 (年度) 事業者数 車両数20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 一 般 事業者数 16 16 16 16 16 (特積) 車 両 数 205 200 197 202 171 事業者数 565 564 557 555 557 一 般 車 両 数 8,871 8,566 8,602 8,575 8,610 事業者数 10 10 9 8 8 特 定 車 両 数 62 61 61 58 52 事業者数 23 22 22 21 22 霊 柩 車 両 数 90 89 93 100 100 事業者数 614 612 604 600 603 合 計 車 両 数 9,228 8,916 8,953 8,935 8,933 注:一般(特積)の車両数は運行車の車両数である。 土砂等運搬大型自動車関係使用者及び車両数 平成24年12月末現在 保有車両数 2台 5台 7台 10台 15台 21台 51台 1 台 ~ ~ ~ ~ ~ ~ 計 事業種別 4台 6台 9台 14台 20台 50台 以上 自 動 車 使用者数 52 65 23 17 4 2 163 運 送 事 業 車 両 数 52 191 129 132 47 38 589 使用者数 4 1 1 6 採石業 車 両 数 4 3 8 15 砂 利 使用者数 4 6 10 採取業 車 両 数 4 20 24 砂 利 使用者数 223 40 263 販売業 車 両 数 223 91 314 使用者数 129 30 159 建設業 車 両 数 129 69 198 使用者数 4 4 その他 車 両 数 4 4 使用者数 416 142 23 18 4 2 605 計 車 両 数 416 374 129 140 47 38 1,144
自動車による貨物輸送量(営業用・自家用) 平成23年度 品目別輸送量 (単位 千トン) 金 属 機 械 農 水 産 品 林 産 品 鉱 産 品 化学工業品 軽 工 業 品 雑 工 業 品 特 種 品 そ の 他 合 計 工 業 品 中部発量ベース 794 1,236 13,935 3,260 6,664 3,002 705 13,442 0 43,041 中部着量ベース 1,072 1,432 14,920 3,378 7,579 3,538 425 14,116 0 46,464 域 内 量 ベ ー ス 616 1,040 12,670 2,697 6,292 2,302 285 12,294 0 38,200 輸 送 量 の 推 移 (単位 千トン) 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 中 部 発 量 ベ ー ス 38,053 27,497 47,816 47,073 43,041 中 部 着 量 ベ ー ス 36,757 28,761 50,789 48,497 46,464 域 内 量 ベ ー ス 27,196 20,087 38,989 39,577 38,200