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TCSE9~10

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Academic year: 2021

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(1)

9.粗視化、繰り込み、マルチスケール

9.1 モデル化、粗視化、繰り込み

現実世界の現象 普遍的現象論的法則 現象論的パラメータ 基本法則 大スケール 小スケール 粗視化 繰り込み (例) ナビエ・ストークス方程式 流体の粘性 ニュートンの運動方程式 分子の運動 モデルの世界 観測される現象 モデル モデル モデル 現象論 繰り込みの目的:   対象を記述するための「ユニバーサルな数学的構造」と「現象論的パラメータ」  を求めること。   観測不可能なディテールを変化させた時の(観測可能な)不変量を追求すること。 繰り込みの対象:ユニバーサリティクラスを形成する複数のシステム ユニバーサルな数学的構造:複数のシステムに共通する数学的構造 現象論的パラメータ:個々のシステムに特有なパラメータ ! 大野克嗣、非線形な世界(東京大学出版会、東京、2009):本章の内容は多くの点でこの文献に基づいている。

(2)

初期値鋭敏性

構造安定性

バタフライ効果:ブラジルで1匹の蝶がはばたくと テキサスで大竜巻が起こるか? (1972.12.29, Edward N. Lorenz) われわれに見えないミクロな世界とわれわれの世界が 干渉を起こしているにもかかわらず、われわれの世界は 合理的に動き理解可能であるようだ。

9.2 次元解析

モデリング

 現象 ⇨ 変数群 ⇨⇨⇨⇨ 変数の間の関係(法則、方程式)        第一原理(基本的方程式)       次元解析        ・・・・

次元解析の指導原理

 物理法則は、変数の単位に依存しないで成立する。 (例1)長さ 、質量  の小振幅振り子の角周波数 を求める( :重力の加速度) ! m g 長さ、質量、時間の単位を、それぞれ、   倍する。 L, M, T ⇨ 角周波数、加速度の単位は、それぞれ、    倍になる。 T!1, LT!2 ! したがって、長さ 、質量  、角周波数 、重力の加速度 を使って「無次 元」になる量 を作れば、    という関係は単位によらない関係式になる。 ! m ! g ! ! = const ! = " g ! # " = const $ g ! !次元解析では定数まで決める事はできない。

!Murray S. Daw, Dimensional Analysis

(3)

(例2)ケプラーの第3法則:

T

2

! a

3 関係する変数 :軌道半径 :周期 :万有引力定数 :太陽質量 :惑星質量 a T G mS mp [L] [T] [G]= [M]!1[L]3 [T]!2 [M] [M] ① 無次元量 ② 運動方程式 ⇨ 次元の関係式 GmST2 a3 , ms mp ! GmST2 a3 = "A ! T 2= Aa3 mpd 2r dt2 = GmpmS 1 r2 ! [M][L][T] #2= [G][M]2[L]#2 ! [T]2= [M]#1[G]#1[L]3 ! T2= Aa3

次元の定義

物理量 の次元: (例) 基本的物理量 ! [!] [v] = LT!1, [F]= [m][a] = MLT!2 :長さ,質量、時間 :長さ、質量、時間、温度、電流 :長さ、質量、時間、温度、電流、物質量(mol)

MKS

MKS

!I

MKS

!IN

速度 加速度 力 質量密度 圧力 角度 エネルギー 電荷 電場 磁場 [v] [a] [F] [!] [p] ["] [#] [Q] [E] [B] LT!1 LT!2 MLT!2 ML!3 ML!1T!2 1 ML2 T!2 IT MLT!3I!1 MT!2I!1

(4)

独立次元集合

ある集合     が「独立次元」であるとは、その集合に属するどの量の 次元もその集合のそれ以外の量の次元の積で表せない性質のことを言う。

(a

1

,...a

k

)

(例)密度(     )、速度(     )、力(     ) [!] = ML"3 [v] = LT!1 [F] = MLT!2 ある集合     が「独立次元」でないとは、その集合に属する量の内に その集合に属するそれ以外の量の次元の積で表せるものがあることを言う。

(a

1

,...a

k

)

(例)密度(     )、速度(     )、圧力(      ) [!] = ML"3 [v] = LT!1 [p] = [!][v]2 [p] = ML!1T!2

被制御パラメータと制御パラメータ

a

:ある実験で決定されるパラメータ(被制御パラメータ) :ある実験を制御するパラメータ(制御パラメータ) a = f (a1,...ak, ak+1,...an) a1,...an ここで,     は独立次元であるとする。 (a1,...ak)

Buckingham’s -Theorem

!

上に示したような       に対して、次式が成り立つ。 a, a1,...an a= a1 p!!! a k r " ak+1 a1 pk+1 !!! a k rk+1 ,..., an a1 pn!!! a k rn # $% & '( ここで、 は無次元量だけの関数である。! !1  は 変数の関数であるが、 は   変数の関数である。 !2 無次元関数  についての情報は得られない。 !3   に含まれる無次元量のうち、極端に大きなもの、小さな    ものは無視してよい。 f ! !

n

n ! k !

(5)

! = W 3n ! n = log3 W ! " #$ % &' L= 4 3 " #$ % &' n W ! logL = nlog 4 3 " #$ % &'+ logW ( L = W log 4 log 3!1) log 4 log 3 ! L * W log 4 log 3 L W

l

:ユニバーサル数学的構造

(1)von Koch 曲線

!

9.3 繰り込み計算

   (例による説明)

(!/!) " 0 曲線の全長Lは極限操作     で発散するが、 を固定すると、LとWの 間には関数関係がある。この関係を求める一般的方法を考える。  ! :観測のスケール。LもWも、もともと、長さの次元を持つ量であるから、上の「ユニバーサル数学的 構造」は、Lの次元が     だけ増えてしまった事を表している。 ! log 4 log3! 1

R=KS=SK

S

S

K

K

K:

S:

R:

Kadanoff変換(粗視化) Scale変換<1/3> Renormalization(繰り込み)

l

W

W:

L :

l :

図形サイズ 全長 単位長 W ! K(W) = W ! ! K(!) = 3! L ! K(L) =3 4L W ! S(W) =1 3W ! ! S(!) =1 3! L ! S(L) =1 3L R(W) =1 3W ! R n(W )= W(n) = 1 3nW R(L) = 1 4L ! R n(L) = L(n) = 1 4nL R = SK = KS K :Kadanoff 変換(粗視化) S :Scale 変換 :繰り込み 変換

"

粗視化+スケール変換による繰り込み:Willson-Kadanoff

(6)

Rn (W )= W(n) = 1 3nW ! 3 n= W W(n) "nlog3 = log W W(n) " L = 4nL(n)= 4 log W W (n) log 3 L(n) x= 4 log W W (n) log 3 ! log x = log W W(n) log 3 log 4= log 4 log 3log W W(n)= log W W(n) " #$ %&' log 4 log 3 ( x = W W(n) " #$ % &' log 4 log 3 ( L = W W(n) " #$ %&' log 4 log 3 L(n) ! = 1 4L(n)= 1 3W(n) L = W log 4 log 3(3!)! log 4 log 3(4!) = W log 4 log 3!1! log 4 log 3 4" 3! log 4 log 3 たとえば、        とすると、

"

ミクロの詳細を変化させた時の不変量の追求:Stückelberg-Petermann

von Koch 曲線の場合、      は に依存しない量であるから、 を変えても 不変である。このような量を繰り込み変換で探すことを考える。  von Koch 曲線の観測者が知っている量は次の通りである。

L/!

1!log 4/log 3

!

!

 :図形サイズ  :観測のスケール(解像度)  :上記スケールで実際に測定した曲線の全長 真の全長 は測定できないが、実測値との間には    の関係があるとしてよい。 極限      でのLの発散は、解像度  で見ている限り見えない。したがっ て、ZにはLの発散を打ち消す因子が含まれているはずである。このように発散を吸 収する定数を繰り込み定数(renormalization constant)という。

W

!

!L

L !L = ZL (!/!) " 0 !

(7)

① 次元解析の手法で解を得る:普通の次元解析的考え方 L W= f W ! ! "# $%& W ! は   で発散するから、無視してよい。したがって、 L ! W これは、コッホ曲線については正しくない。 関係する諸量は、    である。 L, W , ! ! ! 0 ② 次元解析の手法で解を得る:繰り込み   観測者の知っている変数     によって無次元量    が作られる。 !L, W, ! !L !, W ! !L = f (W,!) " !L ! = # W ! $ %& ' () (Buckingham’s -Theorem)! ! !L = ZL " L = Z#1!L = Z#1$% W $ & '( ) *+ !L L :最小長さが解像度 の場合の全長 :最小長さが の場合の全長 ! ! ! 解像度 で測定した全長 は、最小長さ の曲線の真の全長 に比例する   はずである。また、   での発散は係数 (繰り込み定数)の中に繰り   込まれている。 ! !L

!

L W /! ! " Z

(8)

ところで、 は観測者が任意に導入した量であるから、 は に独立である。即ち、! L ! !L !" = 0 # !L !"= $ 1 Z2 !Z !""% W " & '( )*++ 1 Z% W " & '( )*++ , Z $ W "2 & '( )*+% -W " & '( )*+= 0 . % W " & '( )*+$/% W " & '( )*+$ W " % -W " & '( )*+= 0 ! "#logZ #log$ ここで、 繰り込み群方程式

(RG: Renormalization Group Equation)

!    で     ならば、上の方程式は普遍的関係を支配する方程式であ   ると言える(繰り込み群方程式)。 ! ! 0 !" const ・繰り込み群方程式を解く (1!")#(x) ! x $# (x) = 0 x%W & d#(x) #(x) = (1 !") dx x ' log#(x) = (1 !")logx ' #(x) ( x1!" ) L(x) (& Zx 1!" =& ZW 1!"&!1+" ・ここで、 を求めるために、繰り込み定数 の形を求める。! Z !L = ZL ! Z = !L L !L L :最小長さが解像度 の場合の全長 :最小長さが の場合の全長 ! ! ! != 1 3 " #$ % &' n , L"L= 4 3 " #$ % &' n ( n = log ! ! " #$ %&' log 1 3 " #$ %&' = log"#$L"L%&' log 4 3 " #$ %&' ) log"L"L #$ % &'= log 4 3 " #$ %&' log 1 3 " #$ % &' log ! ! " #$ % &'= 1 * log 4 log 3 " #$ % &'log ! ! " #$ % &' ( Z ="L L= ! ! " #$ % &' 1*log 4 log 3 最小長さ の曲線は、最小長さが解像度 と等しい曲線からn回の の粗視化とscale変換を行って得られるから、

!

!

!  の中に、発散する因子     が繰り込まれている。 Z ! /! " 0

(9)

! L(x) "# Zx 1$%= # ZW 1$%#$1+%"W1$%#% Z " W 1$% = W log 4 log 3 LとWの間のユニバーサルな関係が得られた。 Z= ! ! " #$ % &' 1(log 4 log 3 ) logZ = 1 ( log 4 log 3 " #$ %

&'(log! ( log!)

* + = ,logZ ,log! = 1 ( log 4 log 3 ! 普通の次元解析で得られる結果(   )に比べると、 の次元が1から          にずれたように見える。 L ! W L log 4/log 3 ! 1

(2)長時間挙動と繰り込み

次の微分方程式を考える。この方程式には厳密解がある。 ! d2y dt2 + dy dt+ y = 0, ! << 1 y= e !t "!2+!+ 1 = 0 # !=! ±= $1 ± 1 $ 4" 2" として したがって、厳密解は、 y = ae!+t + be!"t 摂動法で求める y= y0+!y1+ """ !d2y0 dt2 + dy0 dt +! dy1 dt + y0+!y1+! = 0 # dy0 dt + y0 = 0 dy1 dt + y1 = $ d2y 0 dt2 y1= A1e!t! A0te!t " y = (A0+#A1)e!t!#A0te!t+ O(#2) この摂動解には、永年項があるので正しくない。 y0= A0e!t dy1 dt + y1= !A0e !t dy1 dt + y1 = !A1e!t! A 0e !t+ A 0te !t+ A 1e !t! A 0te !t = !A0e!t (収束が時間に関して一様でない)

(10)

t= (t !" ) + " y= (A0+#A1)e!t!#A0

(

(t!" ) + "

)

e!t + O(#2) = A

(

0+#(A1!" )

)

e!t !#(t ! " )A0e!t+ O(#2) A(! ) " A0+#(A1$! ) A0 = A(! ) $ #(A1$! )

y = A(! )e"t"#(t " ! )A(! )e"t+ O(#2)

(3)格子の粗視化

 2次元正方格子点にランダムに粒子が分 布している。粒子の存在確率を とす る。2x2の格子点を一つの格子(超格子)点 に粗視化する。超格子点上の粒子の存在確 率を とする。     は繰り込み変換 である。なお、粗視化する際に、元の格子 の1ブロック(右図の緑の枠)内に3個以 上の粒子がある(中の図)とき超格子点に は粒子が存在し、2個以下(上の図)のと きには粒子が存在しないとする。 p p' p' = f2(p) 元の格子の1ブロックに3個以上の粒子がある確率 =『1ブロックの4格子点に粒子がある確率(  )』 +4x『1ブロックの3格子点のそれぞれに確率 で粒子が 存在し、残りの1格子点に確率    で粒子が存在する 確率(       )』 p4 p3(1! p) (1 ! p) p

(11)

したがって、 p' = f2(p)= p 4+ 4p3 (1! p) 粗視化を進めると、次のように の不動点 が求まる。 p p*= p*4+ 4p*3(1! p*) p* p *= 0, 1,1± 13 6

(

! "0.434, 0.768

)

これを解くと,  は確率であるから負の数は除く。 p      として、   ならば    、   ならば    。 pc= 0.768 p < pc p ! 0 p > pc p ! 1

10.複雑系と情報

10.1 予測可能性

入力データ ⇨ 計算 ⇨ 出力データ        (予測) カオス:  初期値鋭敏性 ⇨ 予測不可能性 階層構造: 構造安定性  ⇨ 予測可能性 構造安定・・・繰り込み可能

(12)

For want of a nail: Mother Goose Nursery Rythmes

 For want of a nail the shoe was lost  For want of a shoe the horse was lost  For want of a horse the rider was lost  For want of a rider the battle was lost  For want of a battle the kingdom was lost  And all for the want of a horseshoe nail

風が吹けば桶屋(箱屋)が かる  浮世草子「世間学者気質」巻三(無跡散人、1768) 1. 大風で土ぼこりが立つ 2. 土ぼこりが目に入って、盲人(三味線を弾く)が増える 3. 盲人は三味線を買う 4. 三味線に使う猫皮が必要になり、ネコが殺される 5. ネコが減ればネズミが増える 6. ネズミは箱(桶、木製品)を囓る 7. 箱(桶)の需要が増え箱屋(桶屋)が かる Butterfly Effect

R.D. Bradbury, “A Sound of Thunder”(伊藤典夫訳、いかずちの 音、恐竜物語、新潮文庫):タイムマシンで恐竜の時 代に行った人が蝶を踏みつぶしたことによって現在 のアメリカ大統領選挙の結果が変わるという話。 E. Lorenzの発見:1961年にLorenzはコンピューターで気 象シミュレーションを行っていた時、中断した計算 を続ける際に、0.506127と入力すべきところを0.506 と 入力したら結果が全く異なっ手しまう事を見いだし た。これを、Lorenzは「カモメ(Seagull)のひと羽ばた きがその後の天気を完全に変えてしまう」として発 表した(New York Academy of Science)。1972年12月29日に ワシントンで開かれたAmerican Association for the Advancement of Science でLorenzは”Does the flap of a butterfly’s wings in Brazil set off a tornado in Texas?” という講演を行っている。これに よって、Butterfly Effectが世に広まった。ただし、seagull からbutterflyになったのはこの会議の主催者である Philip Merilees によるものであるとLorenzは述べている (E.N. Lorenz著、杉山勝、杉山智子訳、ローレンツ・ カオスのエッセンス。共立出版、1997:この本には 上記講演の原稿が採録されている)。 通信路 系のダイナミックス ! ロバート・ショウ:水滴系のカオス(岩波書店、2006):本章の内容は多くの点でこの文献に基づいている。 情報系における情報伝達 力学系の予測可能性 送信系 受信系 過去 未来 P(x) P(x) P(y|x) P( !x |x) P(y) P( !x ) P(x) P(y|x) P(y) P(x) P(x |x)! P(x )! :可能な送信メッセージxのしたがう確率分布 :送信メッセージがxの時受信メッセージがyである条件付き確率分布 :可能な受信メッセージyのしたがう確率分布 :可能な過去の変数xのしたがう確率分布 :過去と未来の因果関係:ダイナミックス :可能な未来の変数yのしたがう確率分布 x P(x) :写像 :条件付き分布 F(x) P(x |x)! ! x = F(x) P(x )! = P( !

"

x |x)P(x)dx

(13)

予測問題

ある時点における、ある力学系のの変数 の確率分布   がわかっている とする。この力学系の遷移確率   (力学系のダイナミックス)が与えら れているので、予測問題は、次のように、未来の確率分布   を求める問 題となる。 P(x) P( !x |x) P( !x ) x P(x )! = P( !

"

x |x)P(x)dx このプロセスを繰り返せば、更に未来の状態が予測される。 ! 系のダイナミックス     は、   での確率分布   から       での確率分布   への写像である。 P(x|x') t = t1 P(x) t = t2 P(x')

最小情報分布(不変測度)

P(x) P(x) :位置 についての確率=位置 についての推測 :系の状態についての最小の知識 x x 運動方程式(系のダイナミクス)    について 完全な知識があるが時間変化をする変数 について それ以上の知識がない時の最良推測 P(x'|x) x 一般には、         (一様分布)であるが、振る舞いが一部わかっている 系、例えば、エネルギーがわかっていて位相がわかっていない調和振動子の運動では     であるので        である。 P(x) = 1, 0 ! x ! 1 P(x)! 1/ !x, x = sin(t +"), #1P(x)dx 1

$

= 1, # 1 % x % 1 P(x)= 1 ! 1 " x2 P(x) x   は系のダイナミックスによって変化しない。系が 有限この状態を持つ時は極限状態ベクトル(不変分布)は ペロン・フロベニウスの定理で定まる。(冪乗則) P(x)

(14)

確率分布、エントロピー

:確率分布 :上の確率分布に含まれる知識の量 P(x) I= P(x)log P(x)dx

!

P(x)= 1 " I = 0 何も情報がない場合には系について最小の知識しか持っていない。 このときの確率分布は最小情報分布   である。変数 が確率分布   に従 う事を実験で知るためには、  が一様分布のとき、 更に だけの情報量が必 要である。即ち、 はこのために必要な追加の情報量(情報量の増分)である。

I

I

P(x) P(x) x (説明) 区間[0,1]を 分割して、 番目の分割に点が入る確率を  とする。この系 のエントロピー は次の通りである。 N i pi S S= ! pilog pi i=1 N

"

全ての について等確率で    の時は    で最大エントロピー。 一つの について   で、他は0の時    で最小エントロピー。 i i pi= 1/N S = log N S = 0         の時には、測定結果を特定するのにはさらに情報が必 要で、必要な情報の量は:        (  は情報の不足量) S= ! pilog pi i=1 N

"

pilog pi i=1 N

!

= I P(x) pi= 1 S (最小情報分布に対する相対量)

相対情報量、予測可能性、予測不可能性

相対情報量(Information Gain) I(P, P)= P(x)logP(x) P(x)

!

dx 推測    から新しい情報    までの距離。 P(x) P(x) 予測可能性、予測不可能性 ① 確率分布   を等確率の 個の区間に分割する ② 確率分布   に対するエントロピーを計算 P(x) N P(x) 予測不可能性=Nー予測可能性 H(P(x)) I(P, P) :予測不可能性 :予測可能性 H(P(x))= ! pi i=1 N

"

log pi= ! #$(pi! pi)log pi+ pilog pi%& i=1 N

"

= ! pilog pi i=1 N

"

! pi i=1 N

"

logpi pi = ! log pi pi i=1 N

"

! pi i=1 N

"

logpi pi = log N ! pi i=1 N

"

logpi pi ' log N ! I(P,P)

(15)

写像のエントロピー

! " F P!" F:        から        への写像

{

x1, x2,...xN

}

{

x1, x2,...xN

}

Pji: 遷移     の確率 xi! x'j H(x'|xi)= ! Pjilog Pji j=1 N

"

:  に写像Fを施した時のエントロピー  (写像Fによる  の予測不可能性の程度) xi xi Pji= 1 N ( for all j) ! H(x'|xi)= "N 1 N(1" log N) = log N Pji= 1 ( for j= J) 0 (others) # $ % &% ! H(x'|xi)= 0 (例) :予測不可能 :予測可能 :写像Fのエントロピー  系の生成する平均情報量  (写像が情報を生成するので予測不可能性が増加する) H(x'|x)= ! PiPjilog Pji j=1 N

"

i=1 N

"

古い古典力学(純粋な決定論)  デルタ関数的分布   ⇨ デルタ関数的分布  (点:発散、無限大情報量) 新しい古典力学(純粋な決定論)  点とその近傍   ⇨ 領域 (例)ベルヌイ・シフト写像 H(x'|xa)= ! Pjalog Pja j=1 N

"

= ! 1 2log 1 2+ 1 2log 1 2 # $% &'( = ! log1 2= log 2 「点から点への写像」を考えると、この写像は純粋に決定論的であるが、観測 に伴う不確定性を考えて、全区間をN個の小区間にわけて考える。ベルヌイ・ シフト写像を行なうと各小区間は2つの小区間に写される。これより、ある小 区間aを写像する時の「写像のエントロピー」を計算するとつぎのようになる これは、ベルヌイ・シフト写像のエントロピーは       ビットであることを示している。言い換えれば、この系(写像) の生成する平均の情報量は1ビットであることを示している(a についての平均をとる)。更に言うならば、写像が1ビットの情 報源として作用するのでxをいかに正確に知っていても写像に よって得られる結果については1ビットの予測不可能性がある。

log 2 = 1

x x’ !x !x'

(16)

系に蓄えられる情報量

P(x'|x

0

)

x

0 x' (A) (B) 伝達される情報量は   に対する相対値 P(x')  から に、伝達される情報量 I(B|x0)= P(x'|x0)log P(x'|x0) P(x') dx'

!

:予測可能性の指標 入力アンサンブルで平均する(情報伝達率ーシャノン) I(B|A)= P(x)

!

P(x'|x0)log P(x'|x0) P(x') dx'dx

!

x0 B 情報伝達率はメッセージ   の統計的性質に依存。力学系の解析では 最小情報分布  を採用する。 P(x) P(x) I(B|A)= P(x)

!

P(x'|x0)logP(x'|x0) P(x') dx'dx

!

これは、 の状態がわかった時の の予測可能性の平均的増分を表している。 A B 離散系の場合には、 I(B|A)= PiPjilogPji Pj i, j

!

参照

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