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送配電網サービス

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送配電網サービス

料金とコストの長期トレンド

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エグゼクティブサマリー

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背景

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送配電料金とサービスのトレンド

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基本的な送配電コストのトレンド

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EYは、ニュー・サウス・ウェールズ(New South Wales、以下「NSW」)州財務省の依頼で送配電サ

ービスを提供するための料金とコストの長期トレンドを分析しました。

このレポートは、NSW州、クイーンズランド (Queensland、以下「QLD」)州、ビクトリア (Victoria、以下「VIC」)州とサウスオーストラリ ア(South  Australia、以下「SA」)州で送配電 網、すなわち『電柱と電線』に関する事業の料 金とコストの長期的なパフォーマンスをまとめ たものです。 VIC州とSA州の家庭用電気の標準的な顧客 向け送配電料金は、民営化以来、実質ベー スで下落しました。対照的に、NSW州とQLD 州の送配電料金は、実質ベースで同期間に 100%以上上昇しました。送配電料金のトレン ドにおけるこの違いには、いくつかの要因が 関係していると思われます。 このレポートでは、事業者が負担する運営コ ストと設備投資コストにおける対応の違いもク ローズアップしています。VIC州とSA州の民 間送配電事業は、この期間を通じて実際に運 営コストを削減し、規制が許す範囲内に支出 を抑えることができました。データによれば、 公営送配電事業では、同様の結果を達成で きていません。 ここの結果では、VIC州とSA州で送配電のサ ービスの水準が落ちたという形跡はみあたり ません。実際には、主要なサービス測定指標 は改善を示しています。従って、送配電網の 民営化以来、VIC州とSA州で家庭用電力を 使用する顧客は、送配電料金とサービス水 準の両方の改善による恩恵を享受していま す。 さらに最近では、NSW州とQLD州で送配電会 社が大きな改革を実施し、結果として基本的 なコストを大幅に削減しました。これによっ て、送配電料金の上昇圧力は現在緩和され つつあります。例えば、NSW州では、電力小 売業者が一つの会社に合併され、経営陣は 経費削減に取り組みました。2013年11月 に 、 当 時 の 財 務 相 が 、2011/12年 度 と 2012/13年度の削減額は14億豪ドルに上っ たことを明らかにしています。1 こうした経費削減にもかかわらず、民間で実 現できたインセンティブを、公営企業で実現す るのは困難であることが広く認知されました。 公営企業には、一般的にさまざまな制約があ ります。電力小売業者によって異なるインセ ンティブは運用が難しく、運営コストと設備投 資コストの上昇を招く可能性があります。 1: NSW州財務省ニュースリリース『現在の送配電コストの節減、 目標の10倍以上に』、2013年11月22日

エグゼクティブサマリー

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4 送配電網サービス価格とコストの長期トレンド その結果、NSW州財務省は、EYに対して送 配電サービスに関する以下の2点の調査を 依頼しました。 オーストラリアの一般的な家庭用送配電 網の料金とサービス水準に関する、これ までのトレンドを分析する。 これらのトレンドを裏付ける情報を、開示 されている情報から掘り下げる。 このレポートでは、一般に公開されているデ ータをもとに、オーストラリアの送配電会社 のこれまでの送配電料金、サービス水準と その裏づけとなるコストの実績を示していき ます。こうした情報は、送配電業界の改革を 議論する上で、重要な根拠となります。この 情報は送配電料金が電気料金に与える長 期的影響について、EYが過去に実施した分 析結果に基づいています。2 2: 当法人が使用した仮説と方法論の詳細を掲載した“Ernst & Young, Victoria domestic electricity prices 1996-2010: The contribution of network costs — A report for the Victorian electricity network businesses”(2011年9月9日)は、以下から 入手可能です。http://www.aemc.gov.au/Media/docs/SP%20 AusNet-9ec43dc9-c71c-451c-aef7-e71a25cc9aa8-0.pdf。

このレポートで使われる用語

このレポートで使用される用語の意味は、 特に明記しない限り、以下の通りです。 『送配電料金』とは、家庭用電気を利用す る標準的な顧客が小売電気料金の一部 として支払う、年間の送配電コストです。 『小売電気料金』とは、小売電気料金とし て家庭用電気を利用する標準的な顧客 が支払う電気料金の年間合計費用のこと です。 『顧客』とは、各々の州で、毎年平均的に 家庭用電気を消費する標準的な顧客の ことです。

オーストラリアの電力事情

家庭用電気を利用する顧客が払う電気料 金は、図1で示されるように、発電してから 家庭に供給するまでに必要な各種構成要 素のコストとなります。

背景

上昇する電気料金はオーストラリアの政治、ビジネス、コミュニティの重要な問題であり、今後も

重要な問題であり続けるでしょう。電力産業改革の可能性について、NSW州とQLD州でも、大い

に議論されました。

図1:電気料金の構成要素 標準的な電気料金の構成要素 卸売 送電 配電 小売 • 再生可能エネルギー の固定価格買取制度 • 再生可能エネルギー 目標 • 最新型メーターインフラ 料金 000948756 その他料金 送配電網または『電柱と電線』

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このレポートでは、送配電料金、つまり電気 料金の構成要素である『電柱と電線』に関 する事業のコストを中心に取り扱います。こ れは、発電所から家庭まで電気を供給する 2種類のネットワークである送電と配電から 成り立っています。 送配電料金が、家庭用電気を利用する顧 客が支払う最終的な電気料金の一部(一般 的に35~55%程度)にすぎないということも 重要なポイントです(図2および図3参照)。 オーストラリアの一部の州では、送配電網 に対して重要な改革を実施しました。たとえ ば、VIC州では1995/1996年度、SA州では 1999/2000年度に送配電網事業を民営化 しました。オーストラリア国内の他の州で は、送配電会社は州政府が引き続き保有し ています。このレポートでは、NSW州、QLD 州、VIC州とSA州の送配電事業の価格と基 本的なコストの長期的トレンドを中心に分析 を行っています。 送配電網は巨大なインフラで構成されてい ます。構築と運用には多額の費用がかかる ため、規模の経済が働きます。これは一つ の事業者によって送配電される場合に最も 効率的に提供されることを意味します。これ は自然独占と呼ばれ、広く知られています。 オーストラリアでは公営会社か民営会社か にかかわらず、すべての送配電会社が顧客 に請求する料金は、法律により規制されて います。これは、効果的な投資とインフラの 活用を促進し、独占的価格設定のリスクを 規制するためです。NSW州、QLD州、VIC 州、SA州では、送配電網は、オーストラリ ア・エネルギー規制局(Australian Energy Regulator、以下「AER」:オーストラリア公正 取引委員会3の一部である独立した連邦国 家機関)が規制しています。送配電料金は 通常5年の期間で設定されており、規定の サービス水準に見合った妥当なコストかどう かを、規制局が評価・判断します。 3:  AERは送配電事業に対して2008年7月1日に規制を開始しまし た。それ以前は、オーストラリア公正取引委員会が送電網を規 制し、州ごとの規制当局が配電網を規制していました。

分析に当たっての条件

このレポートは、NSW州、QLD州、VIC 州、SA州で電気料金が長期的にどのよ うなトレンドとなってきたかを分析してい ます(VIC州の民営化から2013年まで、 またSA州の民営化から2011年までの 期間)。コストは2012年の実質ベースで 表しています。SA州のみ、2010年の実 質ベースとなっています。 このレポートの調査結果はすべて、各州 で顧客が支払う電気料金の推定に基づ きます。これはメガワット時間当たりベー ス(消費した電力量でコストを調節)か、 顧客当たりベースのいずれかで示されま す。 調査結果に記載されている期間は規制 当局の文書から入手できるデータによっ て州ごとに異なることがあります。通常、 データは5年ごとの規制当局の管理期間 に従って作成されます。 このレポートでは、産業用・事業用電気 のコスト分析は行っていません。データ が限られる上、多種多様な料金体系や 個別に交渉した非標準契約が一般的で あるなどの理由により、家庭用と同様の 分析は困難です。また、家庭用電気の顧 客は、電力顧客数の約88%、電力消費 量の28%を占めています。

(6)

6 送配電網サービス価格とコストの長期トレンド

送配電料金への主な影響

表1は、家庭用電気を利用する標準的な顧 客が支払う年間電気料金の長期にわたる 変化を実質ベースで示しています。 この表では、公営企業の送配電料金が民 間企業より速いスピードで上昇したことが分 かります。民間企業については料金が下落 しています。 公営企業と民間企業との差には、さまざま な要因が考えられますが、実際に、初期の 価格水準やインフラ資産の耐用年数とそれ に伴う投資の必要性、サービス水準などに 影響を与えた要因の中には、NSW州とQLD 州で送配電網に対して重点的に行われた 巨額投資のように、企業ではコントロールで きない要因もあります。 対照的に、VIC州の送配電企業は、さらに大 型投資が必要となる段階に近づきつつあり ます。SA州もVIC州と同様の投資段階に差 し掛かっていると考えられます。

送配電料金とサービスにおけるトレンド

電気料金への影響

オーストラリアでは顧客が支払った家庭用 電気の料金と請求額が大幅に上昇し、特に 近年顕著になっていることが広く認識されて います。 家庭用電気の標準的なエネルギー請求額 は、小売完全自由化とそれに伴う情報制約 など、いくつかの要因によって見積りが難し くなっています。 その一つには、多くの顧客は小売業者と市 場ベースで契約を結んでおり、小売業者が 通常義務付けられている固定レートより低 い料金を支払っていることが挙げられます。4 4:  電力の小売価格を決定する方法は州によって異なります。VIC 州とSA州では、年間160メガワット時未満の電気を消費してい る小口顧客(大部分の個人顧客が対象となる)の小売価格は、 規制されていません。NSW州とQLD州では、電気の小口顧客 向け小売価格は、現在規制されています。しかし、NSW州で は、2014年7月1日に規制が完全に解除される予定です 当法人は、公開されている固定料金データ を使い、市場ベースでの契約を行う顧客の 平均割引分を調整し、市場ベースの契約へ 移行した顧客の割合を推定して算出し、分 析を行いました。この二つの変数について は、限られた情報しか存在しません。 請求額を見積るこのアプローチでは、概算 が含まれるため、請求額の絶対水準は大ま かな推定にすぎません。さらに、さまざまな 理由によって、請求額の合計が地域により 異なります。従って、注目されるのは絶対的 な金額レベルでなく、むしろ請求額合計とそ の構成要素の長期的なトレンドになります。 表1:年間平均送配電料金の長期変化(% ) 公営 民間 NSW州 1996/97~2012/13年度 Q1996/97~2012/13年度LD州 VIC州1996~2013年 SA州 1998/99~2010/11年度 送配電 料金 +122% +140% -18% -17% 出典:EY

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表2は、それぞれの州の標準的な年間の小売電気料金の変化と同じ期間の電気料金を構 成する送配電料金と他のコストの変化を示しています5 表2:年間平均電気料金の長期的変化(%)  公営 民間 NSW州 1996/97~2012/13年度 QLD州 1996/97~2012/13年度 VIC州1996~2013年 SA州 1998/99~2010/11年度 小売電気料金 +83% +57% +28% +23% 送配電料金 +122% +140% -18% -17% 送配電コスト以外のコ ストとその他のコスト5 +51% +11% +72% +86% この表から以下のことが分かります。 すべての州において小売電気料金は長期的 に上昇した 送配電料金の上昇が、NSW州とQLD州におけ る電気料金上昇の主因であった 送配電料金は、VIC州やSA州の電気料金上昇 の原因ではなかった 図2は、構成要素の変化による各州での小売電 気料金の長期的変化を表しています。この図は 実質豪ドルベースでの小売電気料金の変化も示 しており、この期間に変化を引き起こした要因をク ローズアップしています。 5:  送配電コスト以外のコストの変化にはさまざまな原因があります(卸売 エネルギー価格、環境スキーム、小売業者のコストなど)。これらすべて の要因は州によって異なります。『その他のコスト』にはAMI料金が含ま れますが、これはVIC州政府による特定政策の結果によるものです。 出典:EY

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8 図2:長期的に見た州ごとの電気料金の内訳(メガワット時当たり、単位:豪ドル) 0 50 100 150 200 250 300 350 1996-97 1997-98 1998-99 1999-00 2000-01 2001-02 2002-03 2003-04 2004-05 2005-06 2006-07 2007-08 2008-09 2009-10 2010-11 2011-12 2012-13 NSW州 QLD州 VIC州 0 50 100 150 200 250 300 350 1996-97 1997-98 1998-99 1999-00 2000-01 2001-02 2002-03 2003-04 2004-05 2005-06 2006-07 2007-08 2008-09 2009-10 2010-11 2011-12 2012-13 0 50 100 150 200 250 300 350 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 AMI料金 SA州 0 50 100 150 200 250 300 350 19 98 -9 9 19 99 -0 0 20 00 -0 1 20 01 -0 2 20 02 -0 3 20 03 -0 4 20 04 -0 5 20 05 -0 6 20 06 -0 7 20 07 -0 8 20 08 -0 9 20 09 -1 0 20 10 -1 1 送配電 送配電コスト以外のコスト 小売 送配電 送配電 送配電コスト以外のコスト 送配電コスト以外のコスト 小売 送配電 送配電コスト以外のコスト 小売 小売 1996/97年度から2012/13年度の価格変化 小売価格はメガワット時当たり136豪ドル上昇しました。その内訳は以下の通りです。 • 67%が送配電料金 • 33%が送配電以外のコスト 1996/97年度から2012/13年度の価格変化 小売価格はメガワット時当たり86豪ドル上昇しました。その内訳は以下の通りです。 • 87%が送配電料金 • 13%が送配電以外のコスト 1996年度から2013年度の価格変化 小売価格はメガワット時当たり86豪ドル上昇しました。その内訳は以下の通りです。 •  70%が送配電以外のコスト •  30%がAMI料金 • 送配電料金は、メガワット時当たり20豪ドル下落 1998/99年度から2010/11年度の価格変化 小売価格はメガワット時当たり36豪ドル上昇しました。その内訳は以下の通りです。 • 100%送配電以外のコスト • 送配電料金は、メガワット時当たり23豪ドル下落 出典:EY。図2中の割合(%)は、小売価格の変化要因が、送配電料金と送配電以外のコストで ある割合を示しています。この割合は表1と表2の割合とは異なります。表1と表2は、送配電料 金と非送配電コストの経時変化の割合を示しています。 送配電網サービス価格とコストの長期トレンド

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小売顧客電気料金に対する影響

表3は標準的な小売顧客が現在負担してい る小売電気料金と1996年(SA州は1998 年)の小売電気料金とを名目豪ドルで比較 し、小売電気料金の変化とその電気料金に 占める送配電コストの部分を示しています。 ここで注目すべきは、VIC州とSA州より も、NSW州とQLD州で大幅に送配電料金が 上昇した点です。 その結果、NSW州とQLD州の顧客は、VIC 州とSA州の顧客と比較して、送配電料金と 電気料金を多く支払っています。 図3は、家庭用電気の標準的な顧客の総電 気料金に占める送配電料金の割合の推移 を示しています。NSW州とQLD州では、送配 電料金が総電気料金の上昇と同じ割合で 上 昇 し た こ と を 示 し て い ま す 。 対 照 的 に、VIC州とSA州では総電気料金に占める 送配電料金の割合は低下しました。 表3:標準的な年間小売電気料金(豪ドル/年、名目豪ドル) 公営 民間 NSW州 1996/97~2012/13年度 QLD州1996/97~2012/13年度 VIC州1996~2013年 SA州1998/99 ~2010/11年度 現在の電気 料金 1,925豪ドル 1,547豪ドル 1,495豪ドル 1,481豪ドル 1996/1998年 の電気料金 745豪ドル 615豪ドル 752豪ドル 821豪ドル 電気料金の 上昇 1,180豪ドル 932豪ドル 743豪ドル 660豪ドル 現在の送配電 料金 1,069豪ドル 836豪ドル 595豪ドル 636豪ドル 1996/1998年 343豪ドル 217豪ドル 368豪ドル 501豪ドル 送配電料金の 上昇 726豪ドル 619豪ドル 227豪ドル 135豪ドル 出典:EY 図3:標準的な年間小売電気料金に占める送配電料金の割合(%) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 NSW州 QLD州 VIC州 SA州

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10 送配電網サービス価格とコストの長期トレンド

送配電サービス水準への影響

今まで政府が提供していたサービスを民営 化するとサービス水準が低下するのではと い う 懸 念 は よ く 出 る こ と で す 。 特 にAER は、”State of the Energy Market Reports” でこの懸念を認めました。そして、2007年 版(創刊号)と、2009年版で以下のように述 べています。

「懸念する意見は認めますが、系統の平均 供給不能持続時間指数(System Average Interruption Duration Index、以下「SAIDI」 :信頼性の主要な指標)データによれば、一 部のコミュニティが民営化はサービス品質 に悪影響を与える可能性があると懸念した にもかかわらず、2000/01年度以降、顧客 当たりの平均的な停電時間は送配電事業 が民営化されたVIC州とSA州において他の 州より短いという傾向を示しています」

6:オーストラリア・エネルギー規制局、State of the Energy Market 2007、159ページ 送配電の信頼性に対する基準は州によって 異なり、短期の時系列データでは最も正確 な実態が分からないことがあるため、送配 電網の信頼性測定においては注意が必要 です。一度きりの出来事が年間にわたって 送配電会社のサービス水準の結果に影響 を及ぼす例もあります(2008年のVIC州で の山火事など)。 送配電サービス水準の詳細な評価は、本レ ポ ー ト で は 行 い ま せ ん で し た が 、SAIDI は、VIC州とSA州での送配電会社のサービ ス水準が全般的に改善したことを示す重要 な信頼性基準の一つです。この点は、AER による2013年の”State of the Energy M a r ket Re p o r t 7 ” 、 A E R と E S C に よ る”Electricity Distribution Business Performance Report for the Victorian Businesses”とESCOSAによる”Annual Performance Report for the South Australian Energy Supply Industry”のよう な他のレポートでも裏付けられています。

7:オーストラリア・エネルギー規制局、State of the Energy Market 2013年、81ページ

長期的には、

VIC州とSA州の実質的な送配電料金は下落しています。この両州の送配電サービ

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この差はさまざまな要因(その一部は企業 がコントロールできない)によって発生した 可能性があり、それについて、すべてを明ら かにしようとは考えていません。ただし、要 因の一つは、基本的な運営コストと設備投 資コストに関する過去の業績の違いによる と考えられます。 本レポートでは、分析対象となっている期間 の送配電事業におけるコストに関して一般 に公開されている情報を分析します。この 章の分析では、配電のみに焦点を当て(情 報に制約があるため、送電は除く)、配電業 (家庭用電気を利用する顧客を含むすべて の顧客に配電)で発生する総コストを扱いま す。注意すべきもう一つの点は、分析結果 は過去のデータに基づいており、現在の公 営企業は求められるサービス水準を満たし ながらコスト削減に向けた改革をさらに進め ている点です。 この分析では、長期にわたる、企業の過去 の送配電網料金と基本的なコストパフォー マンスの間に強い関連性があったことを示 しています。 NSW州とQLD州の配電網では、分析期間に おいて以下のことが分かりました。 分配するエネルギーの単位当たりの基本 的な運営コストが実質ベースで上昇した 過去2回の規制期間(合計10年が対象) 全体において、事業コストと設備投資コス トの支出額が規制当局による許容額を上 回った VIC州とSA州の配電網では、分析期間にお いて以下のことが分かりました。 分配するエネルギーの単位当たりの基本 的な運営コストが実質ベースで低下した 過去2回の規制期間全体において、運営 コストと設備投資コストの支出額が規制 当局の許容額を下回った

基本的な送配電コストのトレンド

送配電料金とサービス水準について提示された根拠を見ると、以下のような疑問が起きます。

何が、送配電料金のパフォーマンスの差につながったのでしょう?

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12 送配電網サービス価格とコストの長期トレンド

運営コスト

表4は、四つの州の配電事業で分配される エネルギー単位当たりの運営コストの変化 を実質ベースで示しています。 図4はVIC州とSA州において達成できた、単 位当たりの運営コストの低減による利益を表 しています。これは特に民営化直後の数年 で 発 生 し ま し た ( 民 営 化 は 、 V I C 州 で 1995/96年度、SA州で1999/00年度)。 ここ数年、VIC州とSA州で実質的な運営コス トが増加しましたが、これはNSW州とQLD州 でのトレンドと一致しています(提供されるサ ービス範囲やサービス水準の変更を反映し た可能性があります)。 表4:当該期間に配電されたメガワット時当たりの年間運営コストの変化(%) 公営 民間 NSW州 1999~2010年 QLD州 2002~2010年 VIC州 1996~2010年 SA州 2000~2010年 メガワット時当 たりの運営コス トの変化 +71% +96% -23% -3% 注:データが入手できた2010年までの結果を示しています。 出典:EY、規制当局の各種文書 図4:配電されたメガワット時当たりの運営コスト(2002年を100とした指数) 出典:EY、規制当局の各種文書 0 50 100 150 200 250 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 NSW QLD VIC SA

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規制許容金額の比較

信頼性の高いサービスを提供するために必 要な運営コストや設備投資コストは、規制当 局が決定します。その運営コストと設備投資 コストの許容額は、各送配電網に対して適 切であると考えられる最も効率的で経済的 なコストを表しています。つまり、当局は数 ある要因の中で、事業者が満たすべきサー ビス水準を考慮しているのです。 図5は、公営送配電網とVIC州とSA州の民 間送配電網が、すでに終了した過去2回の 法規制期間(10年)に規制当局が提示した 許容額と比較してどの程度であったか、言 い換えれば、実際のコストと許容額を比較し たものです。 図5:実際のコスト対許容額(%) 出典:EY、規制当局の各種文書 9% 24% -10% -20% -25% -20% -15% -10% -5% 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30%

Previous regulatory period Two regulatory periods ago

Opex Government-owned Privately-owned 39% 22% -2% -17% -30% -20% -10% 0% 10% 20% 30% 40% 50%

Previous regulatory period Two regulatory periods ago

Capex Government-owned Privately-owned 図5は、最近の2回の法規制期間における 公営の送配電網では、運営コストも設備投 資コストも許容額に対して上回ったことを示 しています。 一方で、送配電事業が民営化されたVIC州 とSA州では正反対の傾向を示しています。 民間企業と公営企業のコストパフォーマン スに関するこの裏付けが、各州で見られた 送配電網料金のトレンドの違いの、一つの 説明となりそうです。例えば、過去2回の法 規制期間で、公営送配電網企業に規制当 局が許容した資本支出額の増加は、約60 億豪ドルでしたが(総資産の約20%)、これ は全顧客が支払う送配電料金と小売電気 料金に転嫁されています。

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14 送配電網サービス価格とコストの長期トレンド

本レポートの使用に関する免責事項

このレポートは、2014年2月21日付の当法人の委任契

約書に記載の諸条件に従って、NSW州財務省にのみ依

拠しています。NSW財務省によるいかなる営利的な決定

も当法人の注意義務の範囲内ではありません。営利的

な決定をする場合は、当法人の業務範囲とその他の要

因に限定され、その他の要因は、営利・非営利に関わら

ず、当法人以外のものであることをご了承ください。

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EYについて EYは、アシュアランス、税務、トランザクションおよびアドバイザリーなどの分 野における世界的なリーダーです。私たちの深い洞察と高品質なサービス は、世界中の資本市場や経済活動に信頼をもたらします。私たちはさまざま なステークホルダーの期待に応えるチームを率いるリーダーを生み出してい きます。そうすることで、構成員、クライアント、そして地域社会のために、よ り良い社会の構築に貢献します。 EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネット ワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファ ームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リ ミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していま せん。詳しくは、ey.comをご覧ください。

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