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看護系大学2年次生における学生支援方法の検討

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Academic year: 2021

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1

 看護系大学2 年次生は1 年間の大学生活を経て大

学にも慣れ,2 年目に入り学習面では医学や看護 に関する専門性が増す大切な時期である.しかし,

平成2 8 年2 月3 日

純真学園大学 保健医療学部 看護学科 准教授

看護系大学2年次生における学生支援方法の検討

〜 社会人基礎力育成に向けて 〜

中西 順子・内山 久美・石橋 通江・吉田 貴美代・福田 和美 大橋知子・光本いづみ・播磨弘子・伊藤尚加

M e t h o d s f o r s u p p o r t i n g Se c o n d - y e a r N u r s i n g Co l l e g e St u d e n t s w i t h R e g a r d t o t h e D e v e l o p m e n t o f t h e i r Ba s i c Pr o f e s s i o n a l Sk i l l s

要旨

:

 看護系大学2 年次生は1年間の大学生活を経て,専門性が増す大切な時期である.本研究は看護系大 学2 年次生の1 年次の振り返りから,現状の課題を明らかにし2 年次生への支援方法を検討することである.研 究方法は対象者が記述した1 年次の振り返りをもとに,内容の一文脈をコード化した.意味内容の類似性や特 徴性を踏まえてサブカテゴリ化を行い,さらに抽象化を行いカテゴリを生成した.その結果,

8

カテゴリが集 約された.看護系大学2 年次生には,①予習・復習を含めた毎日の学習方法への支援,②専門性が増す看護技 術修得に向けた支援,③様々な生活体験をする中での不安に対する支援や成長を助長するための支援,④初年 次教育と2 年次教育のギャップについてゆけない学生を失くし,1 年次に得た達成感の承認や自己目標の達成に 向けた支援が必要となる.このことを踏まえ,1 ・2 年次の基礎学力・専門知識の基礎をもとに,より実習等で 専門性が増す3 年生,社会へ踏み出す直前の4 年生へと継続して社会人基礎力を育成していくことが必要となる.

キーワード

:

 看護系大学2 年次生,1 年次の振り返り,学習,大学生活,支援方法,社会人基礎力

A b s t r a c t :

 Se c o n d y e a r n u r s i n g c o l l e g e s t u d e n t s a r m e d w i t h a n i n c r e a s e d e x p e r t i s e a r e a t a n i m p o r t a n t s t a g e a f t e r o n e

y e a r o f c o l l e g e l i f e . Th i s s t u d y a i m e d t o e x a m i n e m e t h o d s f o r s u p p o r t i n g s e c o n d y e a r n u r s i n g c o l l e g e s t u d e n t s w i t h re ards to current issues indentified durin studentsʼ re ections in their first ear. The content of these first ear re ections w a s c o d e d b a s e d o n t h i s c o n t e x t .

 Th i s c o n t e x t w a s f u r t h e r d i v i d e d i n t o c a t e g o r i e s a n d a t o t a l o f e i g h t c a t e g o r i e s w e r e u l t i m a t e l y f o r m e d . Se c o n d y e a r

n u r s i n g c o l l e g e s t u d e n t s r e q u i r e d t h e f o l l o w i n g s u p p o r t :

( 1 ) Su p p o r t f o r d a i l y l e a r n i n g m e t h o d s i n c l u d i n g p r e p a r a t i o n a n d r e v i e w . ( 2 ) Su p p o r t f o r a c q u i r i n g n u r s i n g s k i l l s w i t h i n c r e a s e d e x p e r t i s e . ( 3 ) Su p p o r t f o r c o n c e r n s a r i s i n g f r o m v a r i o u s l i f e e x p e r i e n c e s a n d f o r e n c o u r a g i n g g r o w t h ( 4 ) Su p p o r t for ac nowled in a sense of acco plish ent durin the first ear and acco plishin personal oals and a in sure students do not feel lost because the could not brid e the ap between first and second ear education.

 Co n s i d e r i n g t h e s e i s s u e s , b a s i c p r o f e s s i o n a l s k i l l s n e e d t o b e c o n t i n u o u s l y d e v e l o p e d o n t h e b a s i s o f f u n d a m e n t a l

acade ic s ills and expertise acquired durin the first and second ear. So that students can successfull pro ress to the t h i r d y e a r a n d i n c r e a s e t h e i r e x p e r t i s e t h r o u g h t r a i n i n g a n d t h e n p r o g r e s s t o b e i n g f o u r t h y e a r s t u d e n t s w h o a r e c l o s e t o j o i n i n g t h e p u b l i c s e c t o r .

K e y w o r d :

 Se c o n d - y e a r n u r s i n g c o l l e g e s t u d e n t , f i r s t - y e a r r e f l e c t i o n , l e a r n i n g , c o l l e g e l i f e , s u p p o r t m e t h o d , b a s i c

p r o f e s s i o n a l s k i l l s

J u n k o N A K A N I SH I , K u m i U CH I Y A M A , Y u k i e I SH I BA SH I , K i m i y o Y O SH I D A , K a z u m i FU K U D A To m o k o O H A SH I , I z u m i M I TSU M O TO , H i r o k o H A R I M A , N a o k a I TO

純真学園大学 保健医療学部 看護学科

D e p a r t m e n t o f N u r s i n g , Fa c u l t y o f H e a l t h Sc i e n c e s , J U N SH I N G A K U EN U n i v e r s i t y

(2)

2 年次生は大学に慣れるにしたがって,大学生活 へのモチベーションの低下や,自分の専攻領域と 将来を結びつけることへの不安が出てくるため,

それを解消するための方策が必要となる

1

.また,

大学生活1 年を経験した学生では学生間の相互交 流・関係性の構築が不十分

2

であり,対人関係に 悩むことがある.そのため,2 年次生には初年次 教育を踏まえた学生生活全般への教員の関わりが 必要となる.平成1 9 年に文部科学省は,「次世代 を担う自立した青少年の育成に向けて」(答申)

3

の中で,意欲を持てない青少年の増加への懸念や,

意欲を持てる青少年と持てない青少年の二分化へ の懸念が明らかにされている.また,このような 状態の青少年の状態を,自立への成長する過程で の何らかの困難に直面しているととらえ,手を差 し伸べる責務があるとしている.青少年の成長す る過程への支援の方法として考えられるのが「社 会人基礎力」の育成である.経済産業省が2 0 0 6 年 に打ち出した「社会人基礎力」は,基礎学力や専 門知識に加え,職場や地域社会で多様な人々と仕 事をしていくために必要な基礎的な能力である.

この能力を大学生活の中で育成する取り組みがな されている

4

 一方現在の看護分野では,新人看護師の態度面 の課題として,「人間関係構築が不得手/コミュ ニケーションが表面的/気持ちに寄り添えない」

「自分の思いが出せずストレスを抱える」『自己評 価が高い/「患者や家族の視点」が不足』『「自分 に問題がある」と考えない』『専門職意識の低さ からくる「態度面の低下」』が指摘されている

5

. 態度面はすぐに修正できるものではなく,これか ら臨床へ送り出す看護系大学としても看護学生へ の態度面の育成が課題となっている.看護分野に おいてもこの態度面の課題の克服のために「社会 人基力」を育成する取り組みがなされている

6

. 大学4 年間で育成するためには初年次教育から卒 業までを見越した段階が重要である.初年次教育 に関しては様々な取り組みがなされているが,2 年次生に関する取り組みについては,看護分野で はほとんど見当たらない.

 本研究の目的は看護系大学2 年次生の1 年次の振 り返りから,現状の課題を明らかにし2 年次生へ の支援方法を考えることである.このことは「社

会人基礎力」育成に向けた取り組みへの示唆を得 ることに繋がると考える.

2 用 の

2 . 1  社会人基礎力

7

 社会人基礎力とは,経済産業省が2 0 0 6 年に打ち 出した能力のことである.今,社会(企業)で求 められている力として,「人間性,基本的な生活 習慣(思いやり,公共心,倫理観,基礎的なマ ナー,身の回りのことを自分でしっかりやる等)」

を基盤として「基礎学力(読み,書き,算数,基 本的 I T スキル等)」「専門知識(仕事に必要な知 識や資格等)」に加え,それらをうまく活用し

「多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要 な基礎的な能力=社会人基礎力」が求められてい る.社会人基礎力は,3 つの能力【前に踏み出す 力(アクション),考え抜く力(シンキング),

チームで働く力(チームワーク)】がある.その 能力は1 2 の能力要素(主体性,働きかけ力,実行 力,課題発見力,計画力,想像力,発信力,傾聴 力,柔軟性,状況把握力,規律性,ストレスコン トロール力)から構成されている.

2 . 2  学習

 学習とは,学び習い,経験することで新しい知 識・技術・態度・行動傾向・認知様式などを習得 すること,およびそのための活動であり,勉強は この中に含まれる.

3 方法

3 . 1  対象

 平成2 7 年度 A 大学看護学科2 年生在籍者で,4 月の振り返りのレポートが提出されている学生8 4 名とした.その中で研究の詳細を説明後同意が得 られた6 7 名(7 9 . 8 %)を研究対象とした.

3 . 2  研究期間

 平成2 7 年9 月〜平成2 7 年1 2 月

3 . 3  研究方法

3 . 3 . 1  データ収集方法

 研究対象者が4 月に記入していた「学校生活に

おける1 年時の振り返りと課題」のレポートが提

(3)

出され,なおかつ同意書を交わすことができた学 生6 7 名分をデータとした.

3 . 3 . 2  データ分析

 対象者が記述した内容の一文脈をコード化した.

意味内容の類似性や特徴性を踏まえてサブカテゴ リ化を行い,さらに抽象化を行いカテゴリを生成 した.信頼性,信憑性を得るために,研究者間で 検討を重ねた.

3 . 4  倫理的配慮

 研究対象者に対して,学生の記録物であるため 学生に不利益が発生しないように,授業とは関係 がないことと,研究の目的,研究方法,個人情報 の保護について文書および口頭で説明を行い,署 名にて同意を得た.また,協力の有無は評価に反 映しないこと,研究の途中であっても同意を撤回 できることもあわせて説明した.研究成果の公表 についてや記録物は同意書を交わした研究対象者 のもののみをデータとする事,データは個人が同 定できないように記号化し,研究者以外にわから ないようにすること,得られたデータは研究者の 施錠できる棚で保管し,研究終了後は速やかに シュレッダーにかけ処分する事,研究途中で同意 を撤回されたデータは速やかに処分することなど を説明し同意を得た上で行った.なお,本研究は A 大学倫理委員会の承認を得た.(承認番号2 7

0 8 )

結果

4 . 1  看護系大学2 年生生が考える1 年時の振り返

りと課題

 対象者6 7 名の記述は,4 6 7 コードであった.類 似性の高いものをサブカテゴリとし,さらにサブ カテゴリ間の類似性を踏まえ分類した結果,看護 系大学2 年次生が考える1 年時の振り返りと課題は 8 カテゴリに分類された(表1 ).

 以下,【 】内はカテゴリ,〔 〕はコード数と コード総数に占める割合,〈 〉はサブカテゴリ を表す.

1 .【自己の学習態度を考察し,今後の学習方法の 検討】〔1 0 8 コード(2 3 . 1 %)〕

 このカテゴリは,〈予習・復習に向けた課題の 設定〉,〈テスト・試験への向かい方の考察〉,〈毎 日,コツコツ計画的に行うことの重要性の認識〉,

〈試験を受けるための学習方法の検討〉,〈国家試 験に対する姿勢を考える〉, 〈看護技術を身につけ るための現状と意識付け〉 ,〈学習方法の具体的 な検討〉のサブカテゴリから集約された.

2 .【授業を受け学習するための態度・姿勢の考 察】〔9 2 コード(1 9 . 7 %)〕

 このカテゴリは,〈自分の現状を分析して今後 の学習方法の考察〉,〈授業を受ける際の自分の態 度と考察〉,〈授業を受けるための態度の変容〉,

〈学習に対する意識の変化〉,〈学習に向かう姿勢 の反省〉のサブカテゴリから集約された.

3 .【大学生活に対する自己の課題の分析と対策】

〔9 0 コード(1 9 . 3 %)〕

 このカテゴリは,〈慣れからくる気の緩み〉,

〈大学生活に対するアルバイトの影響と両立する ための計画〉,〈欠席・居眠り・寝坊・遅刻の多い 生活への後悔〉,〈大学生活に慣れることの大変 さ〉,〈今抱いている不安〉,〈大学生活に対する意 識の改革の必要性を認識〉,〈生活と勉強の両立の 困難さ〉のサブカテゴリから集約された.

4 .【学習を充実したものにできていない現状への 後悔】〔6 8 コード(1 4 . 6 %)〕

 このカテゴリは,〈試験前の学習だけだったこ とへの後悔〉,〈不十分な学習態度への後悔〉,〈予 習・復習ができていないという現状への後悔〉,

〈慣れ,甘えによる後期の成績不振への後悔〉の サブカテゴリから集約された.

5 .【自己目標の設定】〔4 7 コード(1 0 . 1 %)〕

 このカテゴリは,〈自分の目標を設定する〉,

〈看護師としての将来像を持つ〉,〈成績をおとさ ない〉のサブカテゴリから集約された.

6 .【学内外の活動を通しての他者と関わることで の自己の成長】〔4 0 コード(8 . 6 %)〕

 このカテゴリは,〈家族・友人の有難さの認識〉,

〈学内・学外活動を通して人と関わることでの成 長〉,〈友人・教員との学習に対する良い関係性〉

のサブカテゴリから集約された.

7 .【自己の頑張りへの承認と今後の目標】〔1 8 コード(3 . 9 %)〕

 このカテゴリは,〈1 年間の達成感とこれからの

(4)

目標設定〉,〈自分なりに頑張れた〉,〈自分の頑 張ってきたことを承認する〉のサブカテゴリから 集約された.

8 .【ルールを守る力】〔4 コード(0 . 9 %)〕

 このカテゴリは,〈ルールを守る力〉で形成さ れた.

5 考察

5 . 1  1 年次の学習態度の考察と2 年次に向けた学

習支援の必要性

 学習態度に関するカテゴリは【自己の学習態度 を考察し,今後の学習方法の検討】,【授業を受け 学習するための態度・姿勢の考察】,【学習を充実 したものにできていない現状への後悔】の3 つが 抽出された.この3 つのカテゴリで,学生は初年 次教育での自己の学習態度について,不十分で あったと述べ,入学後前期は頑張っていたものが,

講義を受けることへの慣れや自己に対する甘えか ら後期の成績不振へと陥り,後悔をしていた.定 期試験では,試験前の学習であったために追試験

表1 2年 の1年 の り り と め れる

サブカテゴリ(○はコード数) カテゴリ

( コード数と全体に対する割合) 予習・復習に向けた課題の設定㉞ 自己の学習態度を考察し,今後の

学習方法の検討

(1 0 8,2 3 . 1%)

テスト・試験への向かい方の考察㉑

毎日,コツコツ計画的に行うことの重要性の認識⑯ 試験を受けるための学習方法の検討⑫

国家試験に対する姿勢を考える⑩

看護技術を身につけるための現状把握と意識付け⑨ 学習方法の具体的な検討⑥

自分の現状を分析して今後の学習方法の考察㊲ 授業を受け学習するための態度・

姿勢の考察

(9 2,1 9 . 7%)

授業を受ける際の自分の態度と考察⑱ 授業を受けるための態度の変容⑯ 学習に対する意識の変化⑭ 学習に向かう姿勢の反省⑦

慣れからくる気の緩み⑳ 大学生活に対する自己の課題の分

析と対策

(9 0,1 9 . 3%)

大学生活に対するアルバイトの影響と両立するための計画⑯ 欠席・居眠り・寝坊・遅刻の多い生活への後悔⑭

大学生活に慣れることの大変さ⑬ 今抱いている不安⑪

大学生活に対する意識の改革の必要性を認識⑩ 生活と勉強の両立の困難さ⑥

試験前の学習だけだったことへの後悔㉒ 学習を充実したものにできていな い現状への後悔

(6 8,1 4 . 6%)

不十分な学習態度への後悔㉒

予習・復習ができていないという現状への後悔⑭ 慣れ,甘えによる後期の成績不振への後悔⑩

自分の目標を設定する㉚ 自己目標の設定

(4 7,1 0 . 1%)

看護師としての将来像を持つ⑨ 成績をおとさない⑦

家族・友人の有難さの認識⑲ 学内外の活動を通して他者と関わ

ることでの自己の成長

(4 0,8 . 6 %)

学内・学外活動を通して人と関わることでの成長⑮ 友人・教員との学習に対する良い関係性⑥

1 年間の達成感とこれからの目標設定⑦ 自己の頑張りへの承認と今後の目 標

 (1 8 ,3 . 9%)

自分なりに頑張れた⑧

自分の頑張ってきたことを承認する③

ルールを守る力④ ルールを守る力

(4,0 . 9 %)

(5)

を受ける結果になってしまったことを後悔してい た.この経験を通し,授業を受ける際の自分の態 度・学習に向かう姿勢を振り返り,自分の現状を 分析し学習するという意識の変化をもたらしてい た.毎日コツコツと計画的に積み上げる予習・復 習の重要性に気づき,自己の課題を設定していた.

定期試験を受けるための学習方法の検討や3 年後 を見据え,国家試験に対する姿勢を考えることが できていた.平成2 0 年度中央教育審議会大学分科 会制度・教育部会の「学士課程教育の構築に向け て」(審議のまとめ)において,大学1 年次の初年 次教育では「学びの動機づけや習慣形成に向けて,

初年次教育の導入・充実を図り,学士課程全体の 中で適切に位置づける.」とし,学生に目的意識 を持たせ,学習意欲を喚起し,質の高い体験活動 の機会を積極的に設ける

8

ことが求められている.

高等学校時代と違い,自分で進んで学ぶ大学の学 習方法に戸惑いながらも2 年次に向けて何をなす べきかを考えている時期が1 年次であると考え,

予習・復習を含めた毎日の学習方法への支援を行 う必要がある.

 専門科目においては , 基礎看護学の演習,実習 を通し,看護技術を身につけるための現状把握と 意識付けができていた.梅川ら

9

は成人看護学実 習前後での看護学生の社会人基礎力の変化につい ての研究で,臨床実習の現場で患者の状態や状況 に合わせた看護技術の指導をうけることで「なる ほど,そんな方法があったか」と初めて知ったよ うに受けとめる場合があると報告している.成人 看護学実習は大学3 年次で実施されるが,3 年次生 が実習の場であらためて学習するように,看護系 大学2 年次生は1年次の経験を通して学習の重要 性をあらためて理解し,自己の学習に向かう姿勢 を後悔することから専門知識を修得する方法を学 んでいる段階と言える.そのため,専門性が増し ていく2 年次生には1 年次の専門分野に関係する経 験を踏まえた看護技術修得に向けた支援が必要と なる.

5 . 2  大学生活に関する支援の必要性

 大学生活に関するカテゴリは【大学生活に対す る自己の課題の分析と対策】と【ルールを守る 力】の2 つが抽出された.大学生活とアルバイト

の両立や初めての一人暮らしでの生活習慣など,

今までと違う生活習慣へのとまどいと確立へ向け ての考えが述べられている. 初めての一人暮ら しや高校までと違う授業方法など大学生活に慣れ ることの大変さを認識している一方,慣れからく る気の緩みがあり生活が乱れることでの欠席・居 眠り・寝坊・遅刻の多い生活を送ったことへの後 悔がみられた.1 年が経った今,大学生活に不安 を抱える2 年次生となり,大学生活に対する意識 改革の必要性を認識している.また,大学2 年生 は後輩ができることで先輩としての自覚や,成人 式という人生の中での大きな行事があることによ り大人としての自覚が生まれている.経済産業省 は授業のみならず,クラブ・サークル活動,アル バイト,社会に出てからの会社や地域での業務や 研修を通じても「社会人基礎力」を育成できると 説明している

1 0

.2 0 歳になる学生が,様々な生活 体験をする中で生じる不安に対する支援を行う一 方で,成長を助長するための支援が必要である.

5 . 3  自己の承認と目標の設定

 自己の承認と目標設定に関するカテゴリは【自 己目標の設定】,【学内外の活動を通して他者と関 わることでの自己の成長】,【自己の頑張りへの承 認と今後の目標】の3 つが抽出された.3 . 9 %と少 なくはあるが,自分が1 年間頑張ってきたことを 肯定でき,達成感を得ている学生もいた.肯定は できなかったとしても,将来看護師になるという 自分自身の長期的な目標に向けて,成績を落とさ ないなど短期的な目標を考えている学生もいた.

また,家族や友人に感謝し,学内外の活動で他者 との関わりの中での自己成長について記述してい る内容もあった.石毛

8

は,初年次教育は丁寧な 指導やサポートが行われるケースが多いが,大学 2 年次以降は自立の時期として主体的な思考や行 動を求められるため,このギャップについてゆけ ない学生も出るだろうと述べている.初年次教育 と2 年次教育のギャップについてゆけない学生を 失くし,1 年次に得た達成感を承認し,自己の長 期目標の達成に向け,スモールステップを意識し た支援が必要となる.

5 . 4  社会人基礎力育成に向けた取り組み

(6)

 看護系大学2 年次生は,1 年次の振り返りから① 予習・復習を含めた毎日の学習方法への支援,② 専門性が増す看護技術修得に向けた支援,③様々 な生活体験をする中での不安に対する支援や成長 を助長するための支援,④初年次教育と2 年次教 育のギャップについてゆけない学生を失くし,1 年次に得た達成感の承認や自己目標の達成に向け た支援が必要となる.このことは,2 年次生へ社 会人基礎力を育成するためには,まず1 年次の振 り返りをもとに基礎学力や専門知識を確実なもの にするために,自発的に行動できるための取り組 みが必要である.そのうえで,1 ・2 年次の基礎学 力・専門知識の基礎をもとに,実習等でより専門 性が増す3 年生,社会へ踏み出す直前の4 年生へと 継続して社会人基礎力を育成していくことが必要 となる.

5 . 5  本研究の限界

 本研究は看護系大学2 年次への学生支援方法に 関しての示唆を得た.しかし,今回の研究データ として用いたのは,2 年次初期に記載されたレ ポート内容であり,2 年次という期間で変化する 学生の様態を把握できていないことから,教育実 践による効果の妥当性までは言及できていない.

また,1 つの大学の2 年次生の1 年次の振り返りか ら考察しているため,すべての学生にあてはまる ものではないことが推察される.今後他の看護系 大学2 年次生との関連を考慮していく必要がある.

 看護系大学2 年生生が記述した1 年次の振り返り から以下の示唆を得た.

① 学習面では①予習・復習を含めた毎日の学習 方法への支援,②専門性が増す看護技術修得 に向けた支援が必要である.

② 大学生活に向けては様々な生活体験をする中 での不安に対する支援や成長を助長するため の支援が必要である.

③ 初年次教育と2 年次教育のギャップについて ゆけない学生を失くし,1 年次に得た達成感 の承認や自己目標の達成に向けた支援が必要 となる.

④ 1 ・2 年次の基礎学力・専門知識の基礎をもと

に,より実習等で専門性が増す3 年生,社会 へ踏み出す直前の4 年生へと継続して社会人 基礎力を育成していくことが必要となる.

用文献

1

)菊池重雄.初年次養育を基盤とした学士課程養育の 構築―玉川大学における初年次・二年次教育の展開

―.大学と学生,3 1 3 9 ,2 0 1 0 .

2

)米田照実,川端愛野,伊丹君和,他.大学生活

1

年 を経験した看護学生の共同作業認識の変化.人間看 護学研究,1 1 ,5 1 5 6 ,2 0 1 4 .

3

)文部科学省.「次代を担う自立した青少年の育成に向 けて」(答申).中央教育審議会,2 0 0 7 .

  h t t p : / / w w w . m e x t . g o . j p / b _ m e n u / s h i n g i / c h u k y o / c h u k y o 0 /

t o u s h i n / 0 7 0 2 0 1 1 5 . h t m

 〔2 0 1 5 . 1 2 . 1 4 〕

4

)寿山泰二.大学におけるキャリア教育の課題〜社会 人基礎力の導入の観点から〜.京都創成大学紀要.8

(1 ).2 7 4 5 .2 0 0 8 .

5

)箕浦とき子,高橋恵編著. 看護職としての社会人基 礎力の育て方 専門性の発揮を支える

3

つの能力・

1 2

の能力要素 .日本看護協会出版会,3 ,2 0 1 2 .

6

)北島洋子,細田泰子,星和美.看護系大学生の社会

人基礎力と看護実践力および日常生活経験の関係.

日本看護学教育学会誌.2 2 (1 ).1 1 2 .2 0 1 2 .

7

)経済産業省

H P 社会人基礎力,h t t p : / / w w w . m e t i . g o . j p /

p o l i c y / k i s o r y o k u /

 〔2 0 1 5 . 7 . 1 6 〕

8

)中央教育審議会大学分科会制度・教育部会.学士課 程教育の構築に向けて(審議のまとめ),2 0 0 8

  h t t p : / / w w w . m e x t . g o . j p / c o m p o n e n t / b _ m e n u / s h i n g i /

t o u s h i n / _ _ i c s Fi l e s / a f i e l d f i l e / 2 0 1 3 / 0 5

 / 1 3 / 1 2 1 2 9 5 8 _ 0 0 1 .

p d f

 〔2 0 1 5 . 1 2 . 1 4 〕

9

)梅川奈々,北尾良太,新井佑恵,他.成人看護学実習 の前後で変化した看護学生の社会人基礎力.第

4 5

回 日本看護学会論文集(看護教育),9 8 1 0 1 ,2 0 1 5 .

1 0

)経済産業省.「社会人基礎力」育成のススメについて

〜社会人基礎力育成プログラムの普及を目指して〜.

1 2 5

.2 0 0 7 .

1 1

)石毛弓.2 年次教育が果たすべき役割とは何か.大手

前大学

CEL L

教育論集

.

,第

2

号,2 3 3 0 ,2 0 1 0 .

参照

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4 )

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