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雑誌名 山梨学院大学法学論集

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(1)

議会改革による住民自治のバージョンアップ : 地 域民主主義の弁証法 (小野寺規夫教授追悼号)

著者名(日) 江藤  俊昭

雑誌名 山梨学院大学法学論集

巻 66

ページ 17‑57

発行年 2011‑02‑15

URL http://id.nii.ac.jp/1188/00000385/

(2)

会 改 革 に よ る 住 民 自 治 の バ ー ジ ョ ン ア ッ プ

│ │ 地 域 民 主 主 義 の 弁 証 法

│ │

江 藤 俊 昭

目 次 はじ めに

││ 地域 民主 主義 の進 展が 新た な課 題を 提起

││ 一 日本 の地 方地 方政 府形 態の 制度

・実 際・ 理念 二 地方 自治 の現 状と 新し い動 向 三 日本 の地 方政 府形 態の

﹁問 題﹂ と﹁ 解決

﹂の 方向 四 地方 政府 形態 選択 制の 政治 的文 脈

││ 住民 自治 制度 の住 民投 票と 議会 はど う向 き合 うか

││ むす びに かえ て│

│地 方政 府改 革の もう 一つ の課 題│

(3)

はじ めに

││ 地域 民主 主義 の進 展が 新た な課 題を 提起

││ 地方

分権 が進 行し

︑議 会の 役割 が急 激に 高ま って いる

︒よ うや く議 会が 名実 とも に住 民自 治の 根幹 とし て作 動す る方 向が 見え 始め てき た︒ 今日

︑緊 急の 課題 とし てそ の研 究が 求め られ るよ うに なっ てい る︒ その 意味 の一 つは

︑地 方政 府形 態自 体が 議論 の焦 点に なっ てき たこ とで ある

︒地 方政 府形 態と いう 用語 は︑ 世界 的に は一 般的 にも かか わら ず︑ 日本 の場 合画 一的 であ るた めに

︑研 究者 の間 では とも かく

︑一 般的 には 認知 され て いな い︒ 本報 告で 確認 する 日本 の﹁ 二元 代表 制﹂ も︑ 一つ の地 方政 府形 態で ある

︒二 元代 表制 は︑ 問題 があ るか ら 別の 形態 へと いう 議論 が学 会で とい うよ り︑ 中央 政府 の地 方分 権改 革の 議論 の中 で︑ した がっ て﹁ 政治 主導

﹂で 議 論さ れは じめ てい る︒ 民主 党政 権は

︑第 一回 地域 主権 戦略 会議 を開 催し た︵ 二〇

〇九 年一 二月 一四 日︑ 設置 の閣 議決 定一 一月 一

( )

七日

︶︒

そこ で︑ 規制 が厳 しい 地方 自治 法を 抜本 的に 改正 し地 方政 府基 本法

︵仮 称︶ を制 定す る提 案が 議論 され てい る︒ 地 方政 府の 多様 性の

﹁名 目﹂ で︑ 現在 とは 別の 地方 政府 形態 を選 択性 にす るに せよ 導入 する ため の議 論が 開始 され て いる 憲 ︒ 法上

︑議 会の 議員 も住 民が 直接 選挙 をし

︑首 長も 直接 選挙 をす る︒ この 憲法 の変 更は 想定 され てお らず

︑現 行 憲法 を前 提に して 法律 レベ ルで 変更 する とい うも ので ある

︒地 域主 権戦 略を 具体 的に 検討 する 地方 行財 政検 討会 議

︵総 務省 所管

︶の 第一 回会 合︵ 二〇 一〇 年一 月二

〇日

︶に おい て︑ 選択 制に せよ

︑首 長が 議会 議員 の中 から 議員 の

(4)

身分 のま ま︑ 副知 事や 副市 町村 長︑ 部局 長や 課長 に任 命す る制 度︑ つま り議 員が 執行 機関 の中 に入 り責 任を 持っ て 活動 する とい う制 度の 導入 を検 討対 象と した

︒ これ は︑ 公選 の首 長内 閣制

︵日 本の 文脈 では 議会 内閣 制︶ とい われ てい るも ので ある

︒今 よう やく 議会 が住 民と 歩む 議会 とし て登 場し つつ ある とき に︑ もう 一つ 別の 地方 政府 形態 を選 択す る意 味を 考え る必 要が ある

︒ 地方 行財 政検 討会 議の 議論 の出 発点 は︑ 次の よう なも ので ある

︑地 方自 治法 は厳 格な 二元 代表 制を 採用 して いる が︑

﹁長 と議 会が 対立 的な 関係 にな って

︑住 民の 意見 が適 切に 反映 され ず︑ また

︑効 率的 な事 務の 処理 を阻 害し て いる こと もあ るの では ない か︒

﹂と いう 現状 認識 に基 づい たも ので ある

︒断 定し てい るわ けで はな く︑

﹁な いか

﹂と いう 曖昧 な言 葉を 用い てい る︒ 議会 内閣 制と いう 新た な地 方政 府形 態は

︑こ の認 識の 延長 線上 で提 案さ れて いる

︒ もち ろん

︑怨 念と か選 挙の しこ りを 首長 にぶ つけ てき た議 会が なか った わけ では ない

︒し かし

︑今 日の 自治 型社 会の 時

( )

代に

︑住 民の 目線 から 住民 の声 に根 ざし て執 行機 関と 競争 し合 って 地域 経営 を行 なう 議会 が各 地で 登場 して

いる

︒ま さに この 時に

︑﹁ 議会 と首 長の 対立 が生 じて 住民 の意 見が 反映 され ない

﹂と いう 議会 に対 する 評価 が公 式 の文 書で 出さ れて いる

︒結 論か ら言 うと

︑住 民自 治の 根幹 であ る議 会の 強化 から では なく

︑首 長を 強化 する 方向 で の制 度設 計が 行わ れる

︒よ うや く議 会が 自治 型社 会の 担い 手と して 登場 する 中で 地方 政府 形態 が問 われ てい る︒ 緊急 の課 題の もう 一つ の意 味は

︑新 しい 議会 の運 営が さま ざま な課 題を 提起 して いる こと であ る︒ 住民 参加 を促 進し

︑そ れを 踏ま えて 議員 同士 が討 議し

︑そ して 執行 機関 と切 磋琢 磨す ると いう 新し い議 会の 登場 によ る新 たな 課 題の 提起 であ る︒ 住民 参加 を促 進し 住民 と歩 む議 会運 営で は︑ その 議会 報告 会の 運営 の仕 方や

︑そ れ以 外の さま ざ まな 住民 参加 の組 織と 議会 との 調整 の手 法︑ とい った 新た な課 題に つい て体 系的 な答 えが 編み 出さ れて いな い︒

(5)

また

︑執 行機 関と の関 係で は︑ 議決 権限 の範 囲を どこ まで とす るの か統 一的 な議 論が ある わけ では ない

︒さ らに

︑ 議員 同士 の討 議の 必要 が強 調さ れて いる が︑ 会派 と議 員同 士の 討議 との 関係 につ いて の解 明は 遅れ てい る︒ 自治 型社 会の 時代 に︑ 議会 が住 民と 歩み なが らし っか りと 住民 に根 ざし て議 会活 動を 行な って いく 中で

︑従 来は 想定 され てい ない 議会 運営 のさ まざ まな 論点 が浮 上し てい る︒ この よう に︑ 一方 では 新し い住 民自 治︑ 議会 改革 の動 向が 新た な課 題を 提起 し︑ 地方 政府 形態 論ま で議 論さ れる よう にな って きて いる

︒他 方で は現 行の 二元 代表 制が 内包 して いる さま ざま な論 点が 顕在 化し てい る︒ 地域 民主 主 義の 進展 が新 たな 課題 を提 起す ると いう

︑ま さに 地域 民主 主義 の弁 証法 とも いわ れる 事態 が生 じて いる

︒本 稿で は︑ 前者 の新 たに 提起 され た地 方政 府形 態の 論理 とそ の政 治的 文脈 を主 題的 に概 括す るこ とに した い︒ 一

日本 の地 方地 方政 府形 態の 制度

・実 際・ 理念

︵一

︶ 二元 代表 制の 制度 と実 際 日本 では

︑全 国画 一に 地方 政府 形態 が規 定さ れて

( )

いる

︒二 元代 表制

︵機 関対 立︵ 競争

︶主 義︶ であ る︒

﹁地 方公

共団 体の 長︑ その 議会 の議 員及 び法 律の 定め るそ の他 の吏 員は

︑そ の地 方公 共団 体の 住民 が︑ 直接 これ を選 挙す る︒

﹂︵ 憲法 九三

①︶ とい う規 定が ある ため に︑ 憲法 改正 をし なけ れば

︑こ の地 方政 府形 態を 変更 する こと はで きな い︒ 換言 すれ ば︑ 地方 政府 形態 につ いて 憲法 では

︑こ の規 定と とも に︑

﹁議 事機 関﹂ とし て議 会を 設置 する

︵憲 法 九三

①︶ こと だけ が規 定さ れて いる

︒地 方自 治体 の﹁ 組織 及び 運営

﹂は

﹁地 方自 治の 本旨

﹂に 即し て法 律で 定め ら

(6)

れる

︵憲 法九 二︶ とい う構 成に なっ てい る︒ 地方 自治 法な どの 法律 であ る︒ 実際 の地 方政 府を 分析 する にあ たっ て︑ 今ま での 政治 学︑ 行政 学は

︑議 会よ り首 長の ほう が優 位だ とい う首 長優 位論 に立 脚し てい た︒ 議会 が持 って いる 権限 は限 定的 だと いう もの であ る︒ それ に対 して

︑首 長の 権限 は強 力で 非 常に 広範 囲と いう のが 根拠 にな って いる

︒議 会の 権限 は自 治法 第九 六条 一項 に列 挙さ れ︑ 首長 は同 法第 一四 九条 に 規定 され てい る︵ 後掲 資料 参 照︶

︒首 長は

﹁概 ね次 の事 項を

﹂と 書か れて いる ため に︑ 首長 は﹁ 概括 例示

﹂︑ 議会 は﹁ 制限 列挙

﹂と いう 解釈

︵こ こに 列挙 され てい る権 限だ けと いう 解釈

︶が まか り通 って いた

︒﹁ 制限 列挙

﹂と い って も地 方自 治の 根幹 にか かわ る事 項で ある にも かか わら ずそ のよ うな 解釈 だっ た︒ 議会 の議 決権 限は

︑条 例制 定︑ 予算 議決

︑決 算認 定か ら︑ 財産 の取 得・ 処分

︑契 約に まで 及ん でい る︒ 自治 法第 九六 条一 項一 五号 には

︑そ の他

︑法 律で 規定 され てい るも のも 議会 の議 決で ある こと を再 確認 して いる

︒例 えば

︑ 市町 村の 基本 構想

︵自 治法 二④

︶と いう 地域 経営 の基 本も

︑議 会の 議決 とな って いる

︒﹁ 制限 列挙

﹂と いっ ても 重 要な 権限 をも とも と持 って いる

︒こ れら を活 用す れば 議会 が弱 いと いう 評価 はそ もそ も出 てこ ない

︒多 くの 職員 が 首長 の下 にい るこ とも 首長 優位 論の 根拠 にな って いた

︒ 今日

︑﹁ 住民 自治 の根 幹﹂ であ る議 会の 役割 が高 まり

︑そ の権 限も 拡大 して いる

︒制 限列 挙主 義は

︑総 務省 見解 でさ え採 用し なく なっ てい る︒ 列挙 され てい る事 項は

︑﹁ 必要 的議 決事 件﹂ とし て︑ また 自治 法第 九六 条二 項を 活 用し て議 会の 議決 事件 を追 加す るこ と︵ 任意 的議 決事 件︶ が当 然可 能で ある とい う解 釈に 転換 して いる

︒従 来も 住 民自 治の 根幹 にか かわ る事 項は 議会 の議 決で あっ た︒ さら に地 域経 営に かか わる こと を議 会の 議決 にす るこ とを こ とは 当然 のも ので ある とい う解 釈と なっ てい る︒ 議会 は住 民代 表機 関だ から であ る︒ もち ろん

︑議 会事 務局 の人 数

(7)

の少 なさ や職 員採 用制 度の 不備

︵議 長に 人事 権は ある もの の執 行機 関の 職員 から の出 向︶ など 資源 上問 題も ある

︒ それ にも かか わら ず︑ 議会 は住 民自 治の 根幹 とし て地 域経 営に 立ち 向か うこ とに なる

︒そ こで

︑忘 れ去 られ てい た 機関 対立

︵競 争︶ 主義 の理 念が 現実 的に 作動 する よう にな って きた

︵二

︶ 忘れ 去ら れて いた 機関 競争 主義 の理 念│

│日 本の 地方 政府 形態 の三 つの 原理

││ 首長 優位 論が 妥当 せず

︑後 述す るよ うに

︑新 しい 自治 の動 向が 顕著 にな る中 で︑ 今後 の地 方政 府形 態を どの よう にイ メー ジす るか の題 が提 起さ れる

︒二 元代 表制 は︑ 議員 や首 長は 選挙 で選 ばれ るこ とで ある

︵形 式と して の二 元 代表 制︶

︒今 後は

︑そ れだ けで はな くて

︑そ の関 係を 考え る必 要が ある

︵内 容と して の二 元代 表制

︶︒ 両者 をあ わせ 持つ のが 機関 対立

︵競 争︶ 主義 であ る︒ 三〇 数年 前︑ 東京 都都 民生 活局

﹃都 民参 加の 都政 シス テム

﹄︵ 一九 七七 年︑ 執筆 西尾 勝︶ とい う報 告書 が発 行さ れて いる

︒こ れは

︑二 元代 表制

︑機 関対 立︵ 競争

︶主 義を 考え る際 に必 ず参 照 され るべ きも ので ある

︒ 当時

︑美 濃部 亮吉 知事 が市 民参 加を 積極 的に 採用 しよ うと する 際に

︑﹁ 議会 を迂 回し てい る﹂

﹁議 会を 軽視 して い る﹂ とい う政 治学 者に よる 批判

・懐 疑論 があ った

︒そ れに 対し て︑ 日本 の地 方自 治は

︑住 民が

︑議 会も 首長 も統 制 する もの で︑ 住民 参加 が当 然で ある こと を強 調す るた めに

︑日 本の 二元 代表 制を

﹁機 関対 立主 義﹂ とし て規 定し た︒ つま り︑ 議事 機関

︵議 会︶ と執 行機 関と いっ た機 関と 機関 の対 立緊 張関 係を 強調 し︑ その 関係 を機 関対 立主 義と し て規 定し たの であ る︒ それ は三 つの 原理 から 構成 され てい る︒ その 第一 原理 は︑ 議会 と首 長に はそ れぞ れ特 性が ある こと であ る︒ 議事 機関 とし ての 議会 は合 議制

︑首 長は 独任

(8)

制で ある

︒議 会は 合議 制と いう 特性 から

︑問 題を 多様 な視 角か ら検 討し

︑メ リッ ト・ デメ リッ トを あぶ り出 す︑ そ して 調整 統合 を行 う︑ それ とと もに 多様 な住 民の 代表 であ るが ゆえ に︑ 少数 派の 意見 も視 野に 入れ た議 論が でき る︒ それ に対 して

︑独 任制 の首 長は リー ダー シッ プに 長け てい るが

︑多 様な 意見 を吸 収す るの は得 意と しな い︒ 議会 と 首長 は︑ 正統 性か らす れば 対等 であ り︑ それ ぞれ の特 性を 活か して

︑地 域経 営を する こと が第 一原 理で ある

︒ そし て第 二原 理は

︑政 策形 成全 体に おい て︑ 提案 は首 長︑ 決定 は議 会︑ 執行 は執 行機 関と いう 単純 な分 け方 では なく

︑政 策過 程全 体に わた って それ ぞれ の機 関に 権限 が分 有さ れて いる こと であ る︒ した がっ て︑ 両者 が政 策過 程 全体 にわ たっ て責 任を 持た なけ れば なら ず︑ 切磋 琢磨 して いか なけ れば いけ ない

︒政 策形 成で は︑ 予算 の編 成権 や 提案 権は 首長 だけ が有 して いる が︑ それ 以外 の主 要な もの の提 案権 は両 者が 持っ てい る︒ 決定 段階 で︑ 討議 や決 定 は議 会の 役割 では ある が︑ 規則 制定 権は 首長 が持 って いる

︒そ して

︑執 行段 階で は︑ 議会 はか かわ りに くい が︑ す でに 指摘 した 財産 の取 得・ 処分

︑契 約の 議決 は議 会の 役割 であ る︒ 評価 段階 では

︑執 行機 関で は内 部・ 外部 評価 が 行わ れて いる が︑ もっ とも 重要 な決 算認 定は 議会 の権 限で ある

︒こ のよ うに 考え ると

︑単 純に

﹁決 定は 議会

︑執 行 は執 行機 関﹂ とい う役 割分 担で はな く︑ 全体 にわ たっ てそ れぞ れが 権限 を分 有し てい る︒ それ ぞれ が競 争し 合い な がら

︑よ りよ い地 域経 営を 行っ てい くの が第 二原 理で ある

︒ 第三 原理 は︑ 市民 参加 であ る︒ その 報告 書に は︑ 第三 原理 とし ては 提案 され てい ない

︒し かし

︑そ のト ーン は市 民参 加の 強調 であ り︑ 当然 のも のと して 位置 づけ るこ とが でき る︒ 住民 がい たる とこ ろで 議会 や執 行機 関に 参加 す るイ メー ジで ある

︒そ れぞ れの 機関 が市 民参 加を 経な がら

︑競 争し 合う

︒ 第一 原理 から 第三 原理 まで を踏 まえ たこ うし た地 方政 府形 態の 運営 は︑ 実現 して はい なか った

︒三

〇年 ほど 前に

(9)

一部 の研 究者 はと もか く︑ これ が発 行さ れて いた こと は忘 れ去 られ

︑そ れが 実現 する 方向 には 動か なか った

︒し か し︑ 自治 型社 会の 時代 に地 方政 府の 役割 が高 まり

︑議 会改 革が 動き 出し

︑議 会と 執行 機関 との 関係

︑そ して それ ぞ れと 住民 との 関係 とい った 従来 とは 異な る三 者関 係を 創出 する 際に

︑開 花す るは ずの 三つ の原 理で ある

︒ なお

︑本 稿で は機 関対 立主 義と いう 用語 では なく

︑機 関競 争主 義と いう 用語 を用 いて いる

︒そ れは

︑機 関対 立主 義の

﹁対 立﹂ が首 長の 不信 任議 決な どの 対立 をす ぐイ メー ジし やす いこ と︑ 今後 は議 会と 執行 機関 が競 争し なが ら より よい 地域 経営 を行 うこ とを 強調 した いか らで ある

︒北 川正 恭前 三重 県知 事︵ 現早 稲田 大学 教授

︶が 強調 する 善 政競 争と も通 じる 用語 であ る︒ なお

︑こ の機 関競 争主 義は アメ リカ 連邦 政府 のよ うな 議会

=立 法機 能︑ 大統 領府

=行 政機 能と いっ た純 然た る分 立に 基づ いて いる わけ では ない

︒議 会は

︑す でに 指摘 した よう に︑ 重要 な議 決権 限や

︑議 案の 提出 権︵ 予算 の編 成 権・ 提出 権は 無い

︶と とも に︑ 執行 権に かか わる 契約 や財 産の 取得

・処 分の 権限 を有 して いる

︒逆 に︑ 首長 は条 例 とほ ぼ同 等な 権限 を持 つ規 則制 定権 や︑ 予算 を含 めた 議案 提出 権を 持っ てい る︒ また

︑議 院内 閣制 的な 要素 を含 みこ んで いる 二元 代表 制で ある

︒つ まり

︑議 会が 首長 に対 して 不信 任を 議決 する こと がで きる

︒こ れが 議決 され れば

︑首 長は 辞任 する か︑ ある いは 議会 を解 散さ せる かの 選択 に迫 られ る︒ ちな み に︑ 議会 を解 散し た場 合︑ 次の 議員 選挙 で当 選し た議 員に よっ て構 成さ れる 議会 で再 び不 信任 議決 が採 決さ れる と︑ 首長 は辞 任し なけ れば なら ない

︒ 議員 内閣 制を 含み こん だ二 元代 表制 は︑ 緊張 関係 があ るの は当 然で ある

︒そ の緊 張関 係が 激化 し対 立に 至る 場合 の解 決策 が制 度と して 挿入 され てい る︒ その 解決 は住 民に 依拠 して いる

︒ま ず︑ その 対立 の解 決は 選挙 とい う住 民

(10)

の意 思に 委ね られ てい る︒ また

︑議 会の 解散

︑議 員・ 首長 の解 職の 直接 請求 権︵ リコ ール 権︶ を住 民は 持っ てい る︒ その 請求 が成 立す れば

︑住 民投 票を 行い

︑そ の解 散︑ 解職 が可 能と なる

︒﹁ 対立

﹂の 解消 は︑ 最終 的に は住 民に 依 拠す る制 度設 計に なっ てい る︒ この よう に︑ すで に﹁ 対立

﹂の 解消 の制 度が 住民 主体 で組 み込 まれ てい るこ とに 留 意さ れた い︒ 日本 の機 関競 争主 義は

︑議 院内 閣制 を含 みこ んだ 二元 代表 制で あり

︑議 会= 立法 機能

︑首 長= 行政 機能

︑と いっ た厳 格な 分立 論を 採用 して はい ない

︒こ こに

︑今 日の 日本 の地 方政 府の 相互 に絡 み合 った 大き な二 つの 課題 が浮 上 して いる

︒一 つは

︑従 来の 議会 とは 異な った 機関 競争 主義 の台 頭に 際し て︑ 住民 自治 の根 幹と して 新た な役 割を 担 う議 会の 課題 であ る︒ もう 一つ は︑ 地域 経営 に大 きな 役割 を果 たす 議会 と従 来は 強力 な権 限を 有し 実践 して いた 執 行機 関と の調 整シ ステ ムの 設計 の課 題で あり

︑そ の延 長線 上に 提起 され る︑ 地方 政府 形態 の変 更を 含む 新た な制 度 改革 の課 題で ある

︵本 稿の 主題

︶︒ これ らの 課題 の検 討に 入る 前に

︑今 日進 展し てい る住 民自 治や 議会 の動 向に つ いて 概観 して おこ う︒ 二

地方 自治 の現 状と 新し い動 向

︵一

︶ 地方 議会 をめ ぐる 新し い状 況 自治 型社 会が 到来 しつ つあ る時 期に

︑議 会の 役割 が重 要と なっ てい る︒ しか も︑ 従来 とは 異な る議 会運 営が 作動 しは じめ た︒

(11)

第一 は︑ 閉鎖 的な 議会 から

︑住 民に 開か れ住 民参 加を 取り 入れ る住 民と 歩む 議会 に変 わる こと であ る︒ 第二 は︑ 執行 機関 の追 認機 関か らそ れと 切磋 琢磨 して いく 議会 に変 わる こと であ る︒ たと えば

︑議 決権 を行 使し たり

︑質 問 の仕 方︵ 一問 一答 方式 の採 用︑ 執行 機関 に逆 質問 権の 付与

︶を 変え てい くこ とな どで ある

︒第 三は

︑議 会は 議員

・ 会派 によ る執 行機 関へ の質 問だ けの 場か ら議 員同 士の 討議 を中 心と した 議会 運営 に変 わる こと であ る︒ こう した 三 つの 要素 を実 践し 地域 経営 を担 って いく 議会 がこ こ数 年で 登場 し︑ それ が広 がっ て

( )

きた

①住 民と 歩む 議会 住民 と歩 む議 会の 実践 には

︑議 会報 告会

︑意 見交 換会

︑井 戸端 会議 など

︑さ まざ まな 形態 があ る︒ 北海 道栗 山町 議会 では 議会 基本 条例 の中 に︑

﹁少 なく とも 年一 回﹂ 議会 報告 会を 開催 する と規 定し 実践 して いる

︒会 津若 松市 議 会は 住民 との 意見 交換 会を 開催 して いる

︒山 梨県 昭和 町議 会で は︑

﹁も う少 し気 楽に

﹂開 催す るこ とを 強調 する た めに

﹁井 戸端 会議

﹂と いう 名称 を用 いて いる

︒ こう した 住民 との 意見 交換 会は

﹁少 なく とも 年一 回﹂ とい う条 例上 の規 定が 必要 であ る︒ 今年 はや らな くて よい とい う議 員の 言動 を封 じる 意味 でも

︑し たが って 議会 力を 後退 させ ない ため にも 必要 であ る︒ 広報 広聴 機能 とと も に議 会改 革の 水準 を引 き下 げな い大 きな 意味 があ る︒

②議 決権 限の 広が りと 活用 栗山 町議 会︑ 会津 若松 市議 会︑ 三重 県議 会な どが その 権限 を活 かし

︑執 行機 関と わた り合 って 競争 して いる 議会 が増 大し てい る︒ 栗山 町議 会の 場合 では

︑地 域経 営の 軸と なる 総合 計画 の議 会案 を特 別委 員会 で作 成し

︑そ の議 会案 を住 民に 説明

(12)

した

︵一 般会 議︶

︒そ の説 明は 議場 で行 われ

︑議 員席 に議 員が 座り

︑執 行機 関の 席に 総合 計画 審議 会の メン バー が 二四 名座 って いた

︵二

〇〇 七年 一〇 月一 六日

︶︒ 議会 の側 から 総合 計画 の修 正案 を説 明し

︑意 見交 換を する 中で

︑ 自分 たち の総 合計 画へ の立 場を 確認 しな がら 議決 事件 に関 わっ てい る︒ 参加 した 審議 会委 員は

︑議 会案 に賛 同し

︿住 民│ 議会

﹀連 合が 形成 され てい る︒ 議案 が提 出さ れて はじ めて 審議 を開 始す るた めに

︑例 えば 設定 した 会期 の二 週間 だけ で賛 否を 問う とい った

︑多 くの 自治 体で 行わ れて いる 運営 を︑ 新た な議 会は 採用 して いな い︒ 議決 事件

︵事 項︶ は︑ 議員 が調 査・ 研究 をし て︑ その 結果 を住 民に 説明 し住 民と 意見 交換 をし て議 会審 議に 活か して いる

︒ また

︑事 務事 業評 価に も議 会は かか わっ てい る︒ 飯田 市議 会は 事務 事業 評価 を独 自に 行う とと もに

︑そ れを 決算 認定 に活 かし

︑さ らに 予算 の議 論へ とつ なげ てい る︒ 都道 府県 議会 レベ ルで は︑ 長野 県議 会が 決算 審査 を踏 まえ て︑ 知事 に予 算編 成の 方向 を提 案し てい る︒ 決算 と予 算と を連 動さ せて いる

︒事 務事 業評 価を 踏ま えた 決算 審査 など

︑ 従来 の形 式的 な決 算審 査か ら実 質的 な決 算審 査に まで 広が って いる

︒ さら に︑ 会津 若松 市議 会で は︑ 政策 の提 案か らは じま り議 論・ 決定 をし て︑ そし て執 行も 監視 する とい う議 会版 の政 策サ イク ルに よる 議会 運営 を行 って いる

︒政 策過 程全 体に わた って

︑議 会は 責任 を持 つ︑ 必要 な場 合に おい て は住 民と の意 見交 換を 行う とい うサ イク ルで ある

︒三 重県 議会 が︑ 議案 の首 長か らの 提案 の後 に議 論す るの では な くて

︑議 会が 指導 的に 政策 を形 成す ると いう

﹁新 しい 政策 サイ クル

﹂を 提案 し︵ 二〇

〇五 年︶

︑実 践し てい る︒ 会 津若 松市 議会 は︑ それ を進 化さ せ政 策の 形成

︑決 定︑ 執行

︑評 価・ 監視 の政 策過 程全 体に 関わ る政 策サ イク ルを 実 践し てい る︒

(13)

③議 員同 士の 自由 討議 討議 する 議会 は︑ 日本 の実 際の 議会 では イメ ージ しに くい かも しれ ない

︒本 会議 では もち ろん

︑委 員会 のほ とん どで も議 員に よる 執行 機関 への 質問 の場 に化 して いる から であ る︒ しか し︑ 議会 本来 の役 割が 討議 する こと にあ る こと の確 認を 行う とと もに

︑現 行の 地方 自治 法で も討 議を 前提 とす るこ とを 規定 して いる

︒首 長等 は﹁ 議会 の審 議 に必 要な 説明 のた め議 長か ら出 席を 求め られ たと きは

︑議 場に 出席 しな けれ ばな らな い︒

﹂︵ 自治 法一 二一

︶の であ って

︑毎 回議 場に 出席 する 必要 はな いは ずで ある

︒議 会が 一丸 とな って 執行 機関 に向 かい 合う こと を最 も恐 れて い るの は︑ 執行 機関 であ る︒ 質問 の場 と化 した 議会 は︑ 執行 機関 によ る有 利に 動く

︒そ れに 対抗 でき なか った のが

︑ 従来 の議 会で ある

︒ よう やく

︑討 議を 重視 する 議会 が登 場し てい る︒ 会津 若松 市議 会は

︑議 決責 任を 強調 する

︒こ れを 達成 する ため には

︑議 会に よる 調査

・研 究と とも に︑ 議員 同士 の議 論が 不可 欠だ と認 識し

︑実 践し てい る︒ 議会 の存 在意 義で あ る討 議を 議会 運営 の中 心に 据え てい る議 会は 増大 して いる

︵二

︶ 自治 のル ール を創 りだ す│

│自 治・ 議会 基本 条例 制定 の動 向│

│ 自治 のル ール を創 り出 し明 確に する 自治

・議 会基 本条 例制 定が 広が って いる

︒二

〇〇 六年 五月 に栗 山町 で初 めて 制定 され た議 会基 本条 例は

︑今 日一 一四 自治 体と なっ てい る︵ 二〇 一〇 年七 月末 現在

︶︒ この 広が りは

︑自 治型 社会 に即 した こと であ り︑ 住民 自治 にと って 非常 に重 要で ある

︒議 会基 本条 例の 制定 に二 年間 かけ てい ると ころ もあ る︒ しか し︑ 一般 的に は︑ 制定 のた めの 議論 の期 間が 短い

︒本 来は

︑住 民と の意 見交 換

(14)

を充 分に やる なか で︑ 自治 のル ール を考 える こと が必 要で ある

︒し かし

︑不 満が 蔓延 して いる 中で

︑従 来と は異 な る議 会を 創っ てい くと いう 住民 への アピ ール の意 味で 短期 の策 定も 議会 改革 の第 一段 階の 意義 はあ る︒ その 場合 に は︑ 議会 はそ れを 充分 に活 用し

︑住 民自 治の 進展 に役 立て なけ れば

︑住 民か らの 批判 はさ らに 激し くな る︒ 議会 基本 条例 制定 の意 義は

︑会 議規 則の よう な内 輪の 論理 では ない 自治 のル ール を創 り出 し明 確に する こと であ る︒ それ は﹁ 地方 政府

﹂を 住民 のも のに する こと であ る︒ 議会 は会 議規 則を 定め なけ れば なら ない

︵自 治法 一二

〇︶ がゆ えに

︑す べて の議 会で 会議 規則 を持 って いる

︒そ れは

︑動 議の 提出 の仕 方︑ 討論 の順 番を 規定 して いる 非 常に 重要 なも ので ある

︒議 会基 本条 例は

︑住 民と 議会 との 関係

︑執 行機 関と 議会 との 関係 など

︑議 会運 営の 根本 原 則と いっ た自 治の ルー ルを 条例 で定 める もの であ る︒ その ルー ルを 条例 とし て定 める やい なや

︑住 民の 直接 請求 の対 象に なる

︒し たが って

︑議 会は 議員 だけ のも ので はな い︒ 議会 基本 条例

︑あ るい は議 会に つい ての 条項 も含 んだ 自治 基本 条例 の制 定は

︑議 会は 住民 のも のだ とい う こと を再 確認 させ る︒ 条例 に規 定す るこ とに よっ て︑ 住民 の側 で﹁ もっ とこ うい う議 会に しろ

﹂と いう 新た な議 会 像が あれ ば︑ その 転換 は直 接請 求の 対象 にな った

︒な お︑ 自治

・議 会基 本条 例を 制定 する にあ たっ て︑ 少な くと も 二つ の留 意す べき 事項 があ る︒ 留意 点の 一つ は︑ 自治 基本 条例 と議 会基 本条 例と の関 係で ある

︒議 会費 の要 望書 を提 出し て首 長か らそ の回 答を 得て いる 流山 市議 会や

︑議 会・ 議員 白書 など 積極 的に 情報 提供 を行 って いる 北海 道福 島町 議会 は︑ 自治 基本 条例 と 議会 基本 条例 を同 時に 成立 させ いる

︒こ うし た自 治の ルー ルを 制定 する こと は重 要で ある

︒し かし

︑﹁ 住民 はど う 考え るか

﹂と いう 視点 も重 要で ある

︒自 治基 本条 例は 自治 体の 憲法 とい われ

︑議 会基 本条 例は 議会 運営 の最 高規 範

(15)

であ り自 治の ルー ルで ある

︒そ の関 係が 問わ れな けれ ばな らな い︒ 新た な議 会運 営を 明確 にし た議 会基 本条 例の 制定 は︑ 議会 側か ら自 治の ルー ルを 明確 にす ると いう 意味 では 非常 に重 要な もの であ る︒ しか し︑ 今後 は議 会運 営の 基本 であ れば ある ほど

︑そ の内 容は 自治 基本 条例 の中 に組 み込 む 必要 があ る︒ 例え ば︑ アメ リカ のシ ティ

・チ ャー ター

︵市 憲章

︶は

︑そ れこ そ﹁ 自治 体の 憲法

﹂で ある

︒最 初に 市の 名前

︑つ いで 政府 形態

︑そ の後 に議 会の 権限 や役 割︑ そし て行 政の 条文 に移 って いる

︒日 本の 憲法 ない し地 方自 治法 でも

︑ 議会 が中 心で ある

︒そ うし た自 治基 本条 例の 構成 も︑ すぐ とい うわ けに はい かな いが

︑最 高規 範性

・体 系性

・透 明 性を 有し た名 実共 に自 治体 の憲 法が 必要 であ る︒ 住民 から 見れ ば︑ 自治 のル ール を明 確に して いか なけ れば なら な い︒ 留意 点の 二つ 目は

︑専 権事 項の 再考 であ る︒ 河村 たか し名 古屋 市長 が議 会改 革を 提案 して いる

︒単 なる 定数 削減 や議 会報 酬の 削減 が議 会改 革と いう 思考 は︑ 議会 改革 が地 域民 主主 義を 基本 とす るこ とか ら考 えて 大き な問 題が あ る︒ とは いえ

︑議 会改 革に つい ての 提案 は一 体誰 がで きる かと いう 問題 の提 起と して は重 要で ある

︒逆 に︑ 首長 の 執行 機関 に関 する 提案 は一 体誰 がす るの かと いう こと も付 随し て提 出さ れる 問題 であ る︒ 従来 の自 治法 の解 釈や 慣 例で は︑ 原則 とし て議 会に 関す るこ とは 議員 提案

︑執 行機 関に 関す るこ とは 首長 提案 で︑ とい うそ れぞ れの 専権 事 項と いう もの であ った

︒ 議会 や執 行機 関の 運営 の基 本原 則︑ それ ぞれ と住 民と の関 係を 明記 した 議会 基本 条例 や自 治基 本条 例を 制定 すれ ば︑ 住民

︑議 会・ 議員

︑首 長︑ どこ から の提 案も 可能 であ る︒ 条例 の制 定改 廃の 直接 請求 は住 民も でき る︒ した が

(16)

って

︑自 分た ちの 地方 政府 形態 の組 織や 運営 を条 例で 規定 でき ると すれ ば︑ そこ に住 民も 関わ って くる

︒自 治体 の 構成 員す べて が提 案し 討議 すれ ばよ い︒ 住民 自治 の根 幹は 議会 であ るが ゆえ に︑ 条例 制定 の議 決権 は﹁ 討議 のヒ ロバ

﹂で ある 議会 にあ る︒ 議員 報酬 や定 数も 条例 で定 める

︒ま た︑ 執行 機関 の職 員定 数や 職員 給与

︑さ らに は首 長の 直下 の局

・部 ない し課 とい った 組織 編 成は 条例 で定 める

︒こ れら のこ とは

︑地 方政 府の 組織 や運 営を

︑住 民︑ 議会

・議 員︑ 首長

・職 員相 互で 討議 する 必 要を 宣言 して いる とい える

︵三

︶ 議会

・議 員の 評価 によ るさ らな る議 会改 革の 進展 議会 改革 が行 われ

︑議 会基 本条 例や 自治 基本 条例 が制 定さ れて いる 中で

︑そ の改 革を 住民 に知 らせ

︑そ して 住民 によ る評 価を 通し て︑ 議会 改革 をも う一 歩進 めて いこ うと いう 議会 が登 場し てい る︒ 議会 改革 の現 状に 自己 満足 せ ず︑ 住民 に根 ざし て新 しい 改革 をし てい こう とい うも ので ある

︒ 例え ば︑ 議会

・議 員白 書に よる 議会

・議 員の 積極 的な 情報 提供 であ る︒ 北海 道の 福島 町議 会は

︑イ ンタ ーネ ット も含 めて 広く 自分 たち の活 動を 詳細 に公 開し てい る︒ 議員 につ いて は︑ それ ぞれ が一 年間 の目 標を 掲げ て活 動し

︑ 一年 が経 過す ると 自己 評価 をし てい る︒ 議会

・議 員の 自己 評価 では 正確 な評 価は でき ない とい う議 論も ある が︑ そ の提 供に よっ て住 民は 監視 しや すく なる

︒ また

︑議 会改 革の 先駆 者で ある 三重 県議 会は

︑議 会改 革を もう 一度 冷静 に振 り返 り︑ さら に機 関競 争主 義を 充実 させ る手 法を 検討 する ため に︑ 附属 機関 であ る議 会改 革諮 問会 議を 設置 した

︒議 会の 附属 機関 につ いて

︑総 務省 は

(17)

相変 わら ず合 議制 の機 関に 合議 制の 機関 を設 置す るの は屋 上屋 であ ると 考え てい るよ うで ある が︑ 三重 県議 会は 議 会改 革の 充実 のた めに 設置 した

︒ その 諮問 会議 は︑ 議員 への アン ケー ト・ ヒヤ リン グ︑ 県の 行政 職員 への アン ケー ト︑ 市町 村議 会議 員へ のヒ ヤリ ング やア ンケ ート

︑N PO

・研 究機 関へ のヒ ヤリ ング 等を 行っ てい る︒ これ らを 通し て︑ 今後 の三 重県 議会 の改 革 のあ り方 を調 査提 言し てい る︵

﹁三 重県 議会 の議 会改 革に 対す る評 価と 課題

│地 域主 権時 代に おけ る広 域自 治体 議 会の 役割

│﹂

︵三 重県 議会 議会 改革 諮問 会議

第一 次答 申︶ 二〇 一〇 五月 一四 日︶

︒ この よう な議 会は

︑さ らな る機 関競 争主 義を 充実 させ るた めに

︑議 会改 革の 評価 を踏 まえ て自 己改 革を 進め てい る︒ もち ろん

︑議 会改 革は 自己 目的 では ない

︒そ れを 通じ て︑ 住民 福祉 の向 上に つな げて いか なけ れば なら ない

︒ 権力 のな いと ころ に住 民は 関心 を持 たな い︒ 議会 が本 来の 権限 を活 用す るこ とが 重要 であ る︒ 自治 法第 九六 条一 項

︵議 会の 議決 権限

︶を まず 行使 する こと であ る︒ 二項

︵一 項以 外に つい ての 議決 事件 の追 加︶ が重 視さ れて いる が︑ 一項 の事 項を 真面 目に 討議 し議 決し 監視 すれ ば︑ 権力 は議 会の 方に 大幅 に移 動す る︒ 三

日本 の地 方政 府形 態の

﹁問 題﹂ と﹁ 解決

﹂の 方向

︵一

︶ 地方 政府 形態 の選 択制 の衝 撃│

│二 つで はな く三 つの 新た な形 態を めぐ って

││ 地方 政府 形態 の多 様性 は︑ 地域 主権 戦略 の理 念に 即し て︑ 自治 体の 決定 を踏 まえ て提 起さ れる

︒﹁ 地域 主権 改革 の理 念に 照ら し︑ 法律 で定 める 基本 的な 枠組 みの 中で 選択 肢を 用意 し︑ 地域 住民 が自 らの 判断 と責 任に よっ て地 方

(18)

公共 団体 の基 本構 造を 選択 する 仕組 みに つい て検 討を 進め る﹂ とい うも ので ある

︵地 域主 権戦 略大 綱︵ 二〇 一〇 年 六月 二二 日閣 議決 定︶

︶︒ この 大綱 では

︑具 体的 な中 身は 明確 には 理解 でき ない が︑ その 検討 機関 であ る地 方行 財政 検討 会議 の議 論や

﹁考 え方

﹂︵ 地方 自治 法抜 本改 正に 向け ての 基本 的な 考え 方︵ 二〇 一〇 年六 月二 二日

︶︶ から 理解 する こと はで きる

︒以 下︑ 簡単 に地 方政 府形 態の 多様 性の 議論

︵﹁ 考え 方﹂ では

﹁地 方公 共団 体の 基本 構造 の選 択の 仕組 み﹂

︶を 列挙 して おこ う︒ 現状 の二 元代 表制 を︑ アメ リカ 連邦 政府

︑州 政府

︑強 市長 形態 を採 用す る基 礎自 治体 と比 べれ ば︑

﹁我 が国 の制 度は 独自 性が 強い

﹂と いう 認識 にか ら出 発す る︒ その 上で

︑一 方で は︑ 六〇 年以 上を 経過 して おり

︑﹁ 長と 議会 の 間に 相互 に均 衡と 抑制 のと れた 関係 を保 つ仕 組み とし て機 能し

︑ま た定 着し てい る﹂ とい う評 価を して いる

︒他 方 で︑ この よう な首 長と 議会 の関 係は

︑首 長に よる 執行 権限 の行 使に 対す る監 視が 事前 の段 階を 含め て確 保さ れる メ リッ トと とも に︑ 緊張 関係 が確 保さ れな い問 題点

︑逆 に議 会と 首長 が対 立し た場 合の 問題 点が 指摘 され る︒

①緊 張関 係が 確保 され ない 問題 点︒

・首 長が 執行 権限 を行 使す るた めに は議 会の 理解 と協 力を 得る 必要 があ る︒ この ため

︑一 方で は議 会の 中に 与党 的な 勢力 を形 成せ ざる を得 なく なる

︒こ の結 果︑ 議会 の執 行機 関に 対す る監 視は 野党 的な 勢力 のみ が担 うこ と にな りが ちで ある

︒他 方で は議 会に 与党 的な 勢力 が十 分形 成さ れな い状 況で は︑ 議会 の執 行機 関に 対す る監 視 が機 能す るが

︑首 長の 責任 にお いて 執行 権限 を行 使す るこ とが 困難 にな る︒

・議 会の 活動 が執 行機 関の 監視 に重 点が 置か れ︑ 団体 意思 を決 定す る機 関と して の議 会の 前提 とな る条 例立 案な

(19)

どの 政策 形成 では 執行 機関 に大 きく 依存 しが ちに なる

・議 決権 の行 使は

︑本 来︑ 最も 重要 な議 会の 権限 であ るに もか かわ らず

︑現 実に は首 長の 提案 を追 認す る傾 向が 見ら れる

②議 会と 首長 が対 立し た場 合の 問題 点︒

・議 会の 不信 任議 決と 長に よる 議会 の解 散が ある

︒不 信任 され た首 長が 再び 選挙 で選 ばれ た場 合や

︑議 会が 解散 権行 使を おそ れて 首長 との 対立 が深 刻化 して も不 信任 議決 を行 わな い場 合な ど︑ 対立 構造 が解 消さ れな い︒

・議 会が 議決 すべ き事 件を 議決 しな いと き等 にお ける 首長 の専 決処 分︑ 条例 又は 予算 に関 する 議決 等に 対す る首 長の 再議 の制 度が ある が︑ 首長 が議 会と の対 立を 表面 化さ せる こと をお それ るた め︑ 解決 手段 とし て適 切に 行 使さ れて いな い︒ こう した 問題 を起 点に して

︑見 直し の考 え方 とし て具 体的 には 二つ の形 態が 提起 さ

( )

れる

一つ は︑ 議会 が執 行権 限の 行使 に事 前の 段階 から より 責任 を持 つ形 態で ある

︒い わば 融合 型で ある

︒議 会が 執行 権限 の行 使に 事前 の段 階か らよ り一 層の 責任 を持 ち︑ 執行 権限 の行 使の 責任 は︑ 首長 とと もに 議会 にあ ると 認識 さ れる こと によ って

︑議 会に よる 執行 機関 の監 視機 能︑ 団体 意思 の決 定機 関と して の機 能も 高ま ると いう 考え 方で あ る︒ 特区 申請 等︑ 自治 体側 から の要 請で ある こと を強 調し てい る︒ この 方向 では

︑議 員が 執行 機関 の構 成員 とし て参 画す ると いう 制度 の導 入が 構想 され る︒ 例え ば︑ 現行 の地 方自 治法 は議 会の 議員 が首 長︑ 副知 事・ 副市 町村 長︑ 地方 公共 団体 の常 勤の 職員 と兼 職す るこ とを 禁止 して いる

︒議 員 が住 民の 直接 選挙 で選 出す る長 の下 に構 成さ れる 執行 機関 の構 成員 を兼 職す ると いう イギ リス の制 度を 参照 して い

(20)

る︒ 本稿 で主 題的 に議 論す る議 会内 閣制 と呼 ばれ るも ので ある

︒ この 提案 につ いて

︑首 長と 議会 の役 割・ 権限 を考 えれ ば︑ 議員 が執 行機 関に 参画 し︑ 首長 の指 揮監 督下 に入 るこ とは 問題 があ り︑ 首長 のみ の権 限強 化や 相互 牽制 機能 の低 下に つな がる 恐れ があ ると いう 批判 も視 野に 入れ てい る︒ もう 一つ は︑ 議会 と執 行機 関そ れぞ れの 責任 を明 確化 する こと によ って

︑純 粋な 二元 代表 制の 形態 であ る︒ いわ ば分 離型 であ る︒ 議会 と首 長が 執行 機関

︑議 事機 関と して のそ れぞ れの 役割 を明 確に し︑ より 緊張 感を 持っ た関 係 に再 構築 する もの であ る︒ 議会 は︑ 条例

︑予 算等 の団 体の 基本 的事 項の 意思 決定 機関 とし ての 役割 が基 本で ある と の観 点か ら︑ 執行 権限 の行 使に 事前 に関 与す るの では なく

︑そ の行 使に つい て事 後に 関与 する こと とし

︑必 要に 応 じて

︑執 行機 関に 対す る検 査権

・調 査権 を行 使す ると いう もの であ る︒ この 場合

︑執 行機 関に 対す る事 後の 関与 とし ての 検査 権・ 調査 権の 拡充

︑事 後の 関与 の結 果を 踏ま えて 必要 な措 置を 講じ るた めの 条例 制定 範囲 の従 来以 上の 拡大

︑首 長の 権限 とし て規 則等 で定 めら れて いた 事項 の条 例化 も検 討 され る︒ この 形態 では

︑議 会の 招集 権︑ 議事 堂の 管理 権︑ 議会 の予 算執 行権 は︑ 議会 に付 与さ れる

︒ これ ら二 つの 地方 政府 形態 の導 入に あた って は︑

﹁地 域主 権改 革の 理念

﹂に 即す るた めに

︑画 一的 では なく 選択 制と なる のは 当然 であ る︒ 自治 法に おい てそ れぞ れを 選択 肢と して 提示 し︑ その 中で 選択 でき るこ とと する こと や︑ 基本 とな る類 型を 法定 した 上で

︑自 治体 の判 断に より

︑こ れと 異な る選 択を 可能 にす るこ とが 検討 の論 点と なっ て いる

︒ま た︑ 選択 肢の 活用 はす べて の自 治体 で可 能と する か︑ ある いは 類型 化す るか

︵都 道府 県か 市町 村か

︑ま た︑ 規模 の大 きな 自治 体か

︑小 さな 自治 体か

︶と いっ た論 点も ある

︒ こう した 地域 主権 戦略 会議 およ び地 方行 財政 検討 会議 によ る地 方政 府形 態の 内容 の評 価や その 政治 的意 図に つい

(21)

て確 認す る︒ その 前に

︑そ れら の﹁ 構え

﹂の 基本 的問 題点 を指 摘し てお こう

︒ 一つ は︑ 機関 競争 主義 の開 花と いう 第三 のモ デル を無 視し てい るこ とで ある

︒機 関競 争主 義に 通じ るさ まざ まな 改革 が多 くの 自治 体で 進ん でい る︒ 地方 行財 政検 討会 議で 議論 され てい る問 題点 は共 有し つつ も︑ すで に指 摘し た よう に︑ いく つか の議 会で は住 民福 祉の 向上 のた めに 動き 出し てい る︒ 従来 の中 央集 権時 代に 育ま れた 自治 体に 対 置す る新 たな 形態 は二 つで はな い︒ 機関 競争 主義 の作 動と いう もう 一つ の形 態を 含め た三 つで ある

︒む しろ

︑こ の 阻害 要因 を検 討し 解決 策を 提示 する こと が先 決で ある

︒ すで に指 摘し てい る地 方行 財政 検討 会議

︵第 一回

︶提 出資 料の

﹁検 討の 視点

︵イ メー ジ︶

﹂で は︑

﹁地 方自 治体 の 自由 度を 拡大 すべ きで はな いか

﹂と いう 問題 意識 を持 ちつ つも

︑他 方で は︑

﹁地 方自 治法 は︑ 厳格 な二 元代 表制 を 採用 して いる が︑ 長と 議会 が対 立的 な関 係に なっ て︑ 住民 の意 見が 適切 に反 映さ れず

︑ま た︑ 効率 的な 事務 の処 理 を阻 害し てい るこ とも ある ので はな いか

︒地 方自 治体 の基 本構 造の あり 方を どう 考え るか

︒﹂ とい った 問題 意識 の 下で

︑地 方政 府形 態の 多様 性が 議論 され 提案 され る︒

﹁対 立﹂ を悪 とし て捉 え︑ 例外 的な

﹁対 立﹂ を恒 常的 なも の とし て捉 える こと によ って

︑そ の克 服と して 地方 政府 の多 様性 が提 案さ れる

︒ 今日

︑議 会と 首長 との 緊張 関係 に基 づく 運営 が行 われ るよ うに なっ た︒ 住民 を起 点と した 解決 をよ り充 実さ せる 手法 を開 発せ ず︑ 例外 状況 の強 調か ら制 度改 革論 に進 む思 考は

︑後 述す るよ うに 強い 政治 的意 図を 感じ る︒ もう 一つ は︑ 政治 の領 域の 軽視 につ いて であ る︒ 地方 行財 政検 討会 議第 一回 で提 出さ れた

﹁検 討項 目の 例﹂ では

﹁二

︑住 民参 加の あり 方﹂ とい う大 項目 があ り︑ そこ に議 会の あり 方︑ 一般 的な 住民 投票 制度 のあ り方

︑長 の多 選 制限 その 他の 選挙 制度 の見 直し

︑規 模の 拡大 にと もな う自 治体 経営 への 住民 参画 の手 法が 対象 とし て入 って いる

(22)

議会 を住 民参 加に 含め る視 点は 重要 であ る︒ しか し︑ 議会 を含 めて さま ざま な住 民参 加が

﹁地 方行 財政

﹂と いう 文 脈で 扱わ れる

︒議 会を 含め て住 民参 加は 政治 の文 脈で ある

︒地 方行 政の 論理 と地 方議 会の 論理 は異 なる

︒地 方議 会 の論 理は 地域 民主 主義 の実 現で ある

︒そ れに もか かわ らず

︑議 会を 行財 政の 中に 入れ 込ん だ発 想で 自治 法が 改正 さ れ地 方政 府基 本法 が制 定さ れる とす れば

︑政 治を 軽視 した とい う意 味で 大き な問 題で ある

︒ この よう に︑ 地域 主権 戦略 会議 およ び地 方行 財政 検討 会議 の﹁ 構え

﹂に は︑ 住民 自治 から 考え て大 きな 問題 があ る︒ 以下

︑そ こで 提起 され る地 方政 府形 態の 議論

︑と りわ け独 特な 議会 内閣 制の 提起 に限 定し て検 討す るこ とに し たい

︒分 離型 の地 方政 府形 態は

︑住 民自 治か ら考 えて 選択 でき る制 度で ある が︑ 現行 制度 では 大幅 な改 革が 必要 と なり

︑そ こま での 議論 が進 むか どう か判 断で きな いた めで ある

︒そ れに 対し て︑ 議会 内閣 制︑ 融合 型は

︑後 述す る よう に︑ 住民 自治

︑地 域民 主主 義か ら考 えて 大き な問 題が ある とと もに

︑導 入が 容易

︵兼 職禁 止規 定を 削除

・緩 和 すれ ばよ い︶ であ るか らで ある

︒こ の議 会内 閣制 への 論評 が︑ 緊急 の課 題で ある とと もに

︑地 域民 主主 義を 再考 す るに 際し ての よい 素材 とな る︒

︵二

︶ 議会 内閣 制の 発想 地方 行財 政検 討会 議で は︑ 地方 政府 形態 の多 様性 が俎 上に 乗り

︑議 会内 閣制

︵変 則の 議院 内閣 制︶ が提 案さ れて いる

︒そ の地 方政 府形 態と して は世 界的 にも あま りみ かけ ない 形態 であ る︒ もち ろん

︑イ ギリ スの 特殊 な文 脈で 制 度化 され てい る︒ それ は︑ 議会 の多 数派 を取 り込 むと いう 一定 の成 果は あっ た︒ 日本 的独 創性 を出 すこ とは 必要 だ とし ても

︑そ れは あく まで 住民 自治 の促 進を 目的 とす るた めで ある

(23)

筆者 は︑ 住民 自治 を進 める 上で は地 方政 府形 態を 住民 が選 択で きる こと

︑い わば 地方 政府 形態 の多 様性 は理 解で きる とい うよ り進 める べき だと 考え てい る︒ しか し︑ 現行 の二 元代 表制 の課 題を 十分 探求 しな いま ま︑ 新た な地 方政 府形 態を 提案 する こと は︑ 二つ の意 味で 問題 があ る︒ 一つ は︑ 想定 され るの は仮 に地 方政 府形 態の 選択 性が 採用 され るに して も︑ 多く の自 治体 では 現行 の 二元 代表 制が 引き 続き 主流 とな り︑ その 課題 の探 求の 軽視 は住 民自 治を 求め る住 民に 応え てい ない とい う問 題が あ る︒ もう 一つ は︑ 新し い地 方政 府形 態は どの よう なも のを 採用 しよ うと も︑ 二元 代表 制を 含め て問 題が ある

︒地 方 政府 形態 はど ちら にせ よ一 長一 短が ある

︒新 しい 地方 政府 形態 を採 用す るに して もそ の問 題点 を探 ると いう 視点 は 希薄 にな って いる

︒ 地方 政府 形態 の多 様性 を提 起す るの であ れば

︑議 員と 首長 を直 接住 民が 選出 する とい う現 行法 体系 の下 では

︑議 会内 閣制

︵変 則の 議院 内閣 制︶ だけ では なく

︑別 の設 計も 可能 であ る︒ 分離 型は もと より

︑シ ティ

・マ ネー ジャ ー 制度 や︑ フラ ンス やド イツ の国 政の よう に︑ 首相 も大 統領 もい ると いう 設計 もで きる

︒こ うし た広 範な 議論 を無 視 した 制度 設計 は︑ 行政 優位

︑し たが って 住民 自治 機関 とし ての 議会 の位 置を 軽視 した 発想 での 提起 とな って いる

︒ 議会 には 問題 は多 々あ る︒ とは いえ

︑よ うや く自 治型 社会 が目 指さ れよ うと する 今日

︑第 三の 形態 とし て提 起し た 機関 競争 主義 の充 実の ため に︑ その 阻害 要因 を除 去す るこ とが 先決 であ る︒ 全国 都道 府県 議長 会︑ 全国 市議 会議 長 会︑ 全国 町村 議会 議長 会に よる 制度 改革 の提 案は

︑そ の宝 庫で ある

︒ そも そも

︑議 会内 閣制 を作 動さ せる には

︑し っか りと した 会派 制が 必要 であ る︒ 市町 村議 会で は︑ 強固 な会 派制 は浸 透し てい ない し︑ 会派 があ って も﹁ 仲良 しグ ルー プ﹂ とい うと ころ も多 い︒ こう した 会派 によ る議 会運 営を 是

(24)

とす るこ とは 理論 上理 解で きる

︒ま た︑ 都道 府県 議会 では 事実 上会 派制 の運 営が 行わ れて いる

︒し かし

︑実 際は 国 政と は異 なる 自治 の運 営を 模索 する 状況 にあ って

︑む しろ 国政 とは 異な る会 派運 営が 期待 され てい る︒ 会派 制の 強 調は

︑二 大政 党制 を促 進す る可 能性 は高 いと はい え︑ それ がよ いと は期 待さ れて いな い︒ しか も︑ 会派 制を 前提 とし た選 挙制 度に はな って いな い︒ 抜本 的な 選挙 制度 改革 が視 野に 入ら ない 今回 の議 会内 閣制 では

︑議 会が 主導 する

﹁議 会内 閣制

﹂的 要素 は作 動し 得な い︒ 実際 の効 果は

︑﹁ 相乗 り﹂ とし て批 判さ れた 運営 が表 面化 する こと にな りか ねな い︵

﹁総 与党 化﹂ の進 行︶

︒ま た︑ 首長 が議 会の 意向 にそ って 任命 する 場合 でも

︑議 会内 の多 数派 と少 数派 を固 定化 し分 断す る︒ これ では

︑議 会は

﹁人 格を 持っ た議 会﹂ とし て作 動で きな い︒ どち らに せよ

︑結 局︑ 首長 主導 の制 度化 に連 なる

︒ 住民 自治 を進 め︑ 地域 民主 主義 を深 化さ せよ うと いう 地方 政府 基本 法の 制定 の議 論に あた って の唐 突な 提案 は︑ 機関 競争 主義 を作 動さ せよ うと する 議会 の改 革の スピ ード を緩 めさ せる 政治 的意 図さ え感 じる

︵三

︶ 議会 内閣 制の 地域 民主 主義 上の 問題 点│

│地 域政 治の 文化 が問 われ てい る│

│ 地方 政府 形態 をめ ぐる 議論 は︑ 地域 民主 主義 の根 本的 テー マで ある

︒議 会内 閣制 は︑ 役割 を発 揮し てい ない 議会 批判 とと もに

︑住 民と 歩む 改革 を目 指し た新 しい 議会 への 対応 の意 味を 持つ

︒ 自治 型社 会の 時代 に地 域民 主主 義を 作動 させ る手 法が 模索 され る︒ 一つ は首 長主 導型 であ り︑ もう 一つ は機 関競 争主 義・ 討議 重視 型で ある

︒そ れら は従 来の 議会 は問 題だ とい う認 識で は一 致し つつ も︑ それ に取 って 代わ る地 域 民主 主義 のイ メー ジは 大き く異 なる

(25)

首長 主導 型は

︑議 会内 閣制 の発 想と 結び つく

︒二 元代 表制

︵議 員・ 首長 の直 接選 挙︶ は残 しつ つも

︑そ れに 内包 して いる 機関 競争

︵議 会と 首長 との 善政 競争

︶の 側面 を無 視・ 軽視 する

︒首 長と 議会 が一 体と なり 地域 経営 を行 う もの であ る︒ 聞こ えは いい が︑ 従来 批判 され てき た﹁ 総与 党化

﹂の 制度 化で ある

︒政 治任 用さ れる 議員 は︑ 議会 が 推薦 すれ ば︑ 議会 主導 の政 治が 行え ると いう 声も 聞こ える

︒し かし

︑実 際に は住 民か ら強 い支 持を 得た 首長 では 困 難で ある

︒議 会内 閣制 の制 度化 以前 でも

︑運 用で 首長 主導 型を 目指 す運 動も 見受 けら れる

︒﹁ 大阪 維新 の会

﹂︵ 大阪 府︶ や﹁ 減税 日本

﹂︵ 名古 屋市

︶と いっ た地 域政 党の 設立 であ る︒ 首長 主導 型は 効率 性︵ スリ ム化 と速 さ︶ を重 視す る︒ 首長 マニ フェ スト を掲 げて 当選 した 首長 は︑ それ を推 進す るこ とが 民主 主義 であ り責 務と 感じ る︒ その 成否 は︑ 次の 選挙 での 審判 であ る︒ 反対 する 者は 議会

・議 員で あれ 住 民で あれ

﹁敵

﹂と 映る

︒ 首長 主導 型は

︑従 来の 国主 導に 代え て首 長が 起点 であ る︒ 機関 競争 主義 が作 動し 始め

︑議 会の 巨大 な権 限が

﹁障 害﹂ とも 映っ てい ると 勘ぐ りた くも なる

︒住 民の 支持 を必 要と する こと は当 然で ある

︒と はい え︑ 首長 が提 起す る マニ フェ スト に対 する 支持 であ る︒ それ に対 して 機関 競争 主義

・討 議重 視型 は︑ 新し い議 会の 役割 を強 調す る︒ 二元 代表 制に 含ま れて いる 機関 競争 主義 の側 面を 重視 し︑ 議会 が本 来発 揮し てこ なか った 機能 を充 実さ せる

︒こ こ数 年︑ 従来 の議 会運 営と はま った く 異な る議 会が 現れ てい る︒ 住民 に開 かれ 住民 参加 を議 会に も導 入し

︑議 員同 士の 討議 を十 分や りな がら

︑執 行機 関 と切 磋琢 磨す る議 会の 登場 であ る︒ 議会 は︑ もと もと 条例

・予 算の 議決

︑決 算の 認定

︑契 約や 財産 の処 分な ど︑ 巨 大な 権限 を持 って いる

︒そ の議 会が 動き 出し た︒ この 議会 は︑ 常に 住民 の前 に出 て説 明責 任を 追及 して いる

︒首 長

(26)

と緊 張感 はあ って もお 互い より よい 地域 経営 のた めで あっ て︑

﹁住 民の 不利 益に なる

﹂こ とは ない

︒ 機関 競争 主義

・討 議重 視型 は︑ 議会 と首 長そ れぞ れの 役割 を重 視す る︒ 首長 は独 任制 でリ ーダ ーシ ップ に︑ 議会 は合 議制 で多 様な 民意 を統 合す るこ とに 長け てい る︒ 首長 が改 革志 向を 持ち

︑全 体を 見通 せる 力を 持た なけ れば

︑ 総花 的で しか も税 制危 機の 状況 では 一律 五% カッ トな どの 哲学 無き 施策 が提 案さ れ実 施さ れる

︒本 来︑ 議会 は多 様 な角 度か ら総 体的 相対 的な 政治 判断 がで きる 機関 であ る︒ 議会 での 討議 や住 民と の意 見交 換と いう

︑討 議の 空間 を 重視 する

︒も ちろ ん︑ 時間 がか かる とい う意 見も ある

︒し かし

︑実 効性 があ り議 会の 議決 を経 た団 体意 思と して の 総合 計画 を軸 に地 域経 営を 行え ば︑ 住民

︑議 会︑ 首長 もそ の役 割を 認識 する とと もに

︑修 正も 容易 であ る︒ 従来 の 議会

・議 員は 責任 を自 覚し 大き く変 わら なけ れば なら ない

︒北 海道 栗山 町議 会︑ 会津 若松 市議 会︑ 三重 県議 会な ど 新し い議 会運 営や その 議員 活動 も広 がっ てき た︒ この よう に考 える と地 域民 主主 義の 岐路 に立 って いる のが わか る︒ 閉塞 状況 をパ ッパ と解 決す る新 しい ヒー ロー が期 待さ れて いる ので あろ うか

︒否

︑水 戸黄 門の 印籠 を期 待す ると いう 伝統 の強 みな ので あろ うか

︒今 日︑ 地域 で は地 域文 化を 創造 する 多様 なア クタ ーが 育っ てい る︒ これ らの 活動 を調 整し 統合 する 手法 も開 発さ れて いる

︒自 治 型社 会の 自治 には

︑多 様な アク ター の緊 張と 協働 が適 して いる

︒今 まさ に︑ 地域 政治 の文 化が 問わ れて いる

︒﹁ 選 択性 だか ら目 くじ らを 立て る必 要も ない

﹂と は思 えな い︒ 第三 の形 態で ある 機関 競争 主義 を作 動さ せて いる 先駆 議 会が 提起 する 制度 改革 を進 める 方が

︑新 たな 自治 を創 りだ すと いう 意味 で抜 本的 改革 であ る︒

参照

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