『現代女性とキャリア』第 7 号によせて
現代女性キャリア研究所所長 大沢 真知子
女性の領域とされてきた家族のケアに男性も参加し、夫婦ともにケアを担う時代になり ました。このような時代の転換点にあたって、現代女性キャリア研究所では 2014 年 12 月 に女性労働をささえるもうひとつの観点として「男性がケアをかかえるとき」と題するシ ンポジウムをおこないました。女性のキャリア形成というと労働市場での活動が注目され ますが、実はそれが可能になるためには、男性の家庭でも役割も大きく変化する必要があ ります。
家族のあり方が大きく変わっているいま、男性が育児などのケア労働に参加するときに どのような課題に直面するのか。社会関係をうまく維持するためにはどうしたらいいの か。シンポジウムではそれぞれの実体験もふくめた興味深いお話をうかがいました。さら に、シンポジストによるディスカッションからみえてきたのは、多様な生き方や価値観を 受け入れる社会を形成することの重要性でした。
結婚や子供を生むことが選択のひとつとして考えられる社会が出現しているにもかかわ らず、日本の社会制度や労働市場はあいかわらず男性(夫)を稼ぎ主として女性(妻)は ケアの担い手という前提で作られており、それが変化を妨げているようにもおもいます。
また、企業社会において女性の活躍を推進するためにはどのような障壁を取り外す必要 があるのか。2 編の論文では、日本の企業がかかえる問題とその対応策をとりあげていま す。
男性も女性も有償労働と無償労働の両立が求められる新しい時代が来ているなかで、そ こに向けてわたしたちの意識をどう変化させていけばいいのか。本号からそのヒントをみ つけていただけましたらさいわいです。
現代女性キャリア研究所では大手スーパーチェーンの合同会社西友のご協力のもと、リ カレント教育課程の受講生を対象としたセルフリーダーシップ・プログラムを実施してい ます。この号では、それにさきがけて実施した講演会の記録も掲載しています。ご協力に こころから感謝申し上げます。