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障害児者 の地域生活支援

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秋 田大学教育文化学部研究紀要 教育科学部門

5 6 pp . 3 3 ‑4 1 2 0 0 1

障害児者 の地域生活支援

‑ 「障害児者の地域生活支援を考える秋田ネ ットワーク」の取 り組み一

今 野 和 夫

ANe t wor kofSoc i a lSuppor t

f orCommuni t yLi f eofPe r s onswi t hDi s a bi l i t i e s

Kaz uoKoNNO

Wee s t a bl i s he dane t wor ko fs oc i a ls uppor tf orpe r s onswi t hdi s a bi l i t i e si nma r c h1 997.Thene t

wor kha sa boutonehundr e dandt we nt yme mbe r snow.I ti sc ons t i t ut e dbyt heme mbe r swhohavea var i e t yofpos i t i on, s uc ha st e a c he r so fas c ho olf orc hi l dswi t hme nt a lr e t a r da t i on, s t a f f so fi ns t i t ut i ons f orpe r s onswi t hdi s a bi l i t i e s , pe r s onswi t hdi s a i l i t i e s , t he i rf a mi l i e s .Thema i na c t i vi t i e soft hene t wor k ar ewor ks hop, l e c t ur eme e t i ng, a ndt r i p.

I nt hi spape r , Ir e vi e we dt hehi s t or yo ft hene t wo r k.Theme anl ngSO ft hene t wor kwe r ec ons i de r e d.

Asame a nl ngOft hene t wor k,t hepos s i bi l i t yt oe nl a r get wowa ys uppor ta mongme mbe r si nc ommu‑

ni t ywa ss t r e s s e d.Fur t he r mor e , f ut ur edi r e c t i onsoft hene t wor kwe r es ugge s t e d.

Ⅰ は じめに

今 日, ノーマ ライゼーシ ョンの理念が普及 しつつあり, 障害者福祉 において も , 「 個人が人 と しての尊厳 を もっ て,家庭や地域 の中でその人 らしい自立 した生活が送れ るように支え ること」 ( 社会福祉基礎構造改革について : 中間 まとめ 。1 9 9 8 年),すなわち地域生活支援 の充実 ・ 発展が大 きな課題 となっている。

現在それ は, フォーマルな レベル ( 公的ない し専門組 織 による支援) とイ ンフォーマルな レベル ( 民間ない し 非専門的組織や個人 による支援。 ボランティア活動やセ ル フヘルプグループを含む。) の双方 において様 々な形 で展開 されつつあるが,障害者 の生活や人間関係 に関す る実態調査 の結果や,障害者 の人権を無視 した事件が相 も変わ らず起 きていることか らは,障害者が地域のかけ がえのない一員 としてその一 日,一週間,一年,ひいて は一生涯の各時期をふつ うに生活で きる状況( 1 )には未 だ はど遠 いことが示唆 され る。

一方,最近,地域生活支援の充実 ・発展 にとり有効か つ必要 な方策の一つ として , 「ネ ッ トワー ク」 が注 目さ れている ( 2 )( 3 ) 。 そ して現 に,同種や異種 の組織 間, あ る いは同 じ立場や異 なる立場 の個人間で様々な形態や内容

のネッ トワークが設立 され,運営がなされつつある。 タ クシーによる通院や買い物,散策などの外出をサポー ト す る 「 秋 田おでかけ支援 ネ ッ ト」( 4 )のよ うに NPO と し て立 ち上 げているネ ッ トワーク ( 2 0 0 0 年 1 月に県 より認 証)や,生活支援セ ンターなど種々の機関で地域生活支 援 に従事す る人たちの呼びかけにより 1 9 9 9 年 6 月に発足 した 「 全国地域生活支援 ネ ッ トワーク」 のように,一つ の県や市 などの特定地域内に限定 されない広範囲のネ ッ トワークも作 られつつある。ちなみに後者の広範囲のネッ トワークには, イ ンターネ ッ トやテ レビ電話 などの情報 通信 システムを利用 した もの もある ( 5 )。

筆者 は賛同者 とともに,入会資格が緩 やかな 「障害児 者の地域生活支援を考え る秋 田ネ ッ トワーク」を 1 9 9 7 年 3 月に発足 させた。平成 1 2 年 1 2 月現在 で 1 3 0 名 はどの会 員を有す るこのネ ッ トワークの大 きな特徴 は,障害者本 人 も含めて,専門家 ・非専門家を問わず多様 な立場の人 たちで構成 されているとい うことである。

本研究では, このネッ トワークについて,発足経緯 を 含む これまでの歩みを明 らかに し, さらに今後の課題を 考察 したい。 また文中では, このネ ッ トワークに関わ る 人たちの思 い (ネ ッ トワークへの期待等)や このネ ッ ト

ワークの意義 にも言及 したい。

ネ ットワークの重要性や有効性が指摘 され,外出支援

(2)

秋田大学教育文化学部研究紀要 教育科学部門 第

5 6

な ど実 際的 ・直接 的 な活動 の他 に,情報 の収集 と提供,

人権 に関す る ものな ど特定 問題 の解決,行政へ の提言, 社会啓発 とい った種 々の実践 が積 み重 ね られつつ あ る も

のの, ネ ッ トワー クの意義 や可能性, またそのあ りか た につ いての研究 (実証 的研究 を含 む) はきわめて遅 れて い る。 「障害児者 の地域生活支援 を考える秋田ネ ットワー ク」 を事例 とす る本研究 は, 障害者 の地域生活支援 を主 目的 とす るネ ッ トワー クにつ いての今後 の研究 の端緒 を なす もの と言 え よ う。

「障害児者 の地域生活支援 を考 え る秋 田 ネ ッ トワー ク」 の発足 まで

1.

「地域支援 を考 え る集 い」 の開催

( 1 9 9 6

8

3 0日)

筆者 は,別 の論文

( 6 )

で秋 田県 の支援活動 の遅 れを指 摘 し, ボ ランテ ィア団体 や親 の会 な ど地域 レベルの各種組 織 間 によ る 「障害者 の生活支援連絡協議 会 (仮 称

)

」 の 設立 を提起 した。 その後 , その設立 へ の一歩 を踏 み出す べ く, すで に様 々な立場 で支援活動 を行 ってい る知人 た ちに参加 を呼 びか けて, それぞれ の 日頃の実践 と思 いを 交流 し合 う機会 を設 けた。

参加者 は

3 0

名 で あ り, その内訳 は,養護学校 や障害 児 学級 の教 員 が

4

名,知 的障害者更生施設職員 が

4

名,大 学 や短期大学 の教員 が

5

名,県 (中央児童相談所,職 業 訓練 セ ンター) や市 (社会福祉課) の職員が

4

名, 障害 児 を もっ母親 が

9

名,知 的障害者適所施設 (福祉作業所) 所長,難聴幼児通園施設職員,通 園施設 の ボ ラ ンテ ィア で あ った。母親 の多 くは, それぞれが属 す る親 の会 にお いて,積極 的 な役割 を担 って い る人 であ る。教員 や各種 職員 の多 くも,親 や ボ ラ ンテ ィアが主宰 す る地域 的活動 の一翼 を担 って い る。 ちなみ に筆者 も,様 々な障害 の子 ど もたち, その家族,学生 ボ ラ ンテ ィア,養護学校教諭 な どか ら成 る 「秋 田すず めの会」(7)(8)に

, 1 9 8 5

年 の発 足 時 よ り関 わ って い る。

一 人一人 の参加者 の話 を聞 くうちに 「考 え る集 い」 の 開催予定時間

(3

時間) はまたた くまに経過 した。最 後 に, とにか く横 のつ なが りを大切 に した何 らか の組織 を 作 る ことと,今 回出された意見を参考 に して組織 のイメー ジ (名称 も含 めて) を は っきりさせて い くための世話 人 会 を作 ることが全員一致 で了承 され,著者 を含 む世話人

(

11名) が 自選 他薦 で選 出 された。以 下 に は, この集 い で出 された意見 が い くつか記 されて い る。

*

地域支援 を考え る集

」 ( 1 9 9 6

8月 3 0

日) で出 され た意見

・ 「施設福祉」か ら 「地域福祉」へと変動 しつつあり,知的障 害者についても,全国的には在宅者の比率が施設入所者のそ

れを上回っている。 しか し,秋田県では,施設入所者が相対 的に多 く,地域支援や在宅者支援が遅れている。 「レスバイ ト」などのサービスを出費 して利用する時代に入ってきてい るが,保護者にはかなりの抵抗があるようである。 (更生施 設職員。月に 1度,同僚や地域のボランティアに呼びかけて,

レスバイ トを県社会福祉会館で主宰)

・生まれ育ってきた地域の中で教育を受ける機会や,多 くの友 達やボランティアと楽 しく過 ごせる機会を, これか らもでき るだけ長い期間にわたって,我が子に与えていきたい。行政 による福祉的サービスを利用する際の不便さ ・不自由さを, 例えば療育手帳を利用 しやすい大きさに変えて もらうといっ た小さいことからでもいいから,少 しずつ解消できたらよい。

(中学生をもつ母親O親の会の リーダー)

・地域の中で障害のある子どもやその家族がどのような生活を 送 っているのか,教師はあまりわかっていないような気がす

る。(肢体不自由児学級の担任)

・家族の不和や崩壊,家族による子 どもの虐待など,深刻な問 題を抱えた家族がいる。孤独な親が多い。子 どもが学校を卒 業すると,親がさらに孤独になる。地域支援では,親同士の 仲間作りも大きな課題では。(養護学校教諭。訪問教育担当)

・床屋, レス トランなど,地域の中のどこを利用するにしても 大変。 これからはもっともっとたくさんの壁にぶっかるだろ う。子どもの障害にもよるが,少 しでも明るい見通 しをもっ て,また安心 して我が子を地域に出せるにはどうしたらいい か。(自閉症児をもつ母親)

・2 0

歳の自閉症児をもつが,小さいときからいろいろな人に, 施設に行 くのが当然のように言われてきた。他の親たちと協 力 して,また学校の先生などからの協力も得て,作業所を作っ た。今は, これか ら先を考えている。親の近い所に,障害の 重い人が暮 らすグループホームを,みんなと協力 して作 りた い。(自閉症者の母親)

・様々な会や組織の相互乗 り入れ的な会を作 り,地域支援上何 が大切かを一緒に明確化 していく必要があるのでほ。 (保健 婦の免許を持っ短大教員。姉の子 どもに重度の障害。)

・障害児である前に一人の人間として,その個性が大切にされ つつ地域の中で育 っていくには,親 ももっと自分の子どもの ことを周 りの人たちに知 ってもらう努力をすることが必要な のでは。(ダウン症の幼児を持っ母親)

・おもちゃ図書館 も開設 しているが,子 どもたちの学校卒業後 が心配。卒業後も禁 しく集える場所がほしい。 (難聴幼児通 園施設職員)

・自閉症児者の地域生活が質的に向上することに役立てばと,

1

回,学生ボランティアの応援を得て, レジャーや社会的 スキルの学習の機会を地域で設けているが (スペースクラブ), 彼 らと他の障害者や一般の人たちとの桟のつながりが課題で ある。(児童相談所職員)

・親御さんをはじめ,多 くの立場の人の声を聞いていきたい。

それらを市の福祉行政に活か していきたい。 (市役所社会福 祉課職員)

2.

組織 の明確化 (イメー ジ作 り)

地域支援 を考 え る集 い」 の後 に同様 の会 を再 開 し, さ らに有志 による準備会 を重 ねて い き,以下 の よ うな形 で組織 を立 ち上 げ ることに した。

(1) 名称

障害 児者 の地域生活支援 を考 え る秋 田 ネ ッ トワー ク (2) 目的

障害児者 が,地域 の中で,家族 を含 む多 くの人 た ち と

(3)

今野 :障害児者の地域生活支援 豊 かな人間関係 を結 びなが ら充実 した社会生活及 び人生

を築 いて い けるために はどの よ うな支援 が必要 なのか, また可能 なのか を, 障害児者 ・家族 ・支援者 ・専 門家 な ど様 々な立場 の人 が互 いの実践 や経験 を交流 しつつ,一 緒 に学 ぶ。 さ らに,地域福祉 の充実 に寄与 し, かつ障害 児者 に対 す る一般 の人 たちの理解 が深 め られ るよ うな活 動 を実施 す る。

(3) 目指 す活動

a.

会員間 の実践交流。

b.

障害児者 の地域福祉及 びその関連領域 (医療 ・保健 ・ 教育等) の現 状 と課題 に関す る学習。

C.

障害児者 の地域福祉へ の支援。

d.

障害児者 とそ の家族 の生活, 障害児者 へ のバ リアー 等 に関 す る実態調査。

e

. 障害児者 とその家族 か らの相談 へ の対応。

f. 障害児者 とその家族,支援者,専門家,一般 の人 た ちな ど,様 々 な人 たちの出会 い と連携作 りに寄与 し うるイベ ン トを開催す る (年一 回程度)0

g.

一般 の人 たちへ の情報発信。例 えば,秋 田市 ない し 秋 田県 の と りわ け民間 レベルの活動 を紹介 で き, ま たそれ に携 わ る人 たちの思 いを理解 して もらえ るよ

うな本 かパ ンフ レッ トを作 る。

なお,以上 の うち当面 は実践交流 や学習会 を重視 す る ことと し, それ らを どの よ うに進 めて いけばよいか ( 容面 も含 めて) とか,それ ら以外 の活動 もで きるか といっ た点 につ いて は,本 ネ ッ トワー クを立 ち上 げ活動 を実 際 に重 ね る中で入会者 の意見 や要望 を聞 いた り世話人 にか か る負担 の大 きさを秤 にか けた り しなが ら,検討 して い

くことに した。

( 4 )

世話入会

世話入会 (12名 ) の中 か ら, 本 ネ ッ トワー クの代 表 (筆者) と副代表 が選 出 され,他 の人 た ち も世 話 人 代 表 (1名),会計 (

2

名),記録 (

2

名),広 報 (

3

名), ア ドバ イザ ー (

2

名) を担 当す ることと した

。1 2

名中

5

は障害児者 の母親 で あ り, ダウ ン症児 を もつ家族 の会 で あ る 「コロボ ックルの会」,種 々の障害 の子 ど もと家族, ボ ラ ンテ ィアか ら成 る 「秋 田すず めの会 」, 重 症心 身 障 害児者 の親 の会 で あ る 「重症心身障害児者 を守 る会」 と い った親 の会 の設 立 ・運営 に,積極 的 に関 わ って い る。

他 は大学 や短期大 学 や養護学校 の教員,難聴幼児通園施 設職 員,知 的障害者入所更生施設職員 な どの職 にあ る。

各 自が,勤務外 の時間 を利用 して,親 の会 や適所施設 な どで ボ ラ ンテ ィア活動 を行 って い る。

( 5 )

入会資格

参加 資格 は特 に設 けず, 障害者本人 や ボ ランテ ィア志 願者 を含 めて どのよ うな立場であろ うと,また秋田市内 ・

市外 を問わず ど こに住 んで いよ うと,障害児者 の地域生 活支援 に関心 のあ る人 や実 際 に関 わ って い る人 な らば入 会可能 と した。入会 の希望 は学習会開催時を中心 に募 り, 会費 は年 間

1, 0 0 0

円 と した。

なお,世話人 の任期や選出法などを も含む本 ネ ッ トワー クの規約 は前 もって定 めず, 2, 3年 間 の活動状況 を踏 まえて検討 す ることと した。

「障害児者 の地域生活支援 を考 え る秋 田 ネ ッ トワー ク」 の活動 につ いて

1. これ までの活動 の概要

( 2 0 0 0

1 1

月現在 まで) 現在 までの本 ネ ッ トワー クの主 な活動 は,拡大学習会 (非会員 に も広 く参加 を呼 びか ける),会員学習会 (会員

*JL、),小旅行,会報発行 に大 き く分 け られ る。 以 下 に はその詳細 が記 されて い る。

*

「障害児者 の地域生活支援 を考え る秋 田ネ ッ トワー ク」

の活動

( 1 9 9 7

3

‑2 0 0 0

1 1

月)

〈 1 9 9 7

年 (平成

9

年)

・3月23日 (日)

ネットワーク発足記念拡大学習会 (秋田大学) 「輝いて生 き る〜障害のある人たちの豊かな地域生活を求めて

」①講演 中野文子 (自閉症療育施設商材ホーム所長 ・宮城県自閉症児老 親の会仙台支部長)②座談会 「秋田における地域支援に向けて」

小林錦 (やす らぎの家ボランティア)/摂津良二 (バ クの家, 竹生寮)③活動紹介 (バザー,パ ンフレット)

・6月 7日 (土)

ネットワーク第

1

回会員学習会 (秋田大学)「様 々な取 り組 みの紹介と提言」・小規模作業所から (いなほ会 ・斉藤好行)・

障害者団体か ら (車いす連合会 ・阿部秀一)・精神障害の方の 作業所か ら (秋田あすなろ会 ・宇佐美泰雄)

11

8

日 (土)

ネットワーク第

2

回会員学習会 (秋田大学) 「幼児期の育ち を支えるために」・就学前療育施設の立場か ら (グ リー ンロー ズ ・片桐貞子)・保護者の立場か ら (三浦純子/乳井恒雄)

・1 2

4

日 (木)平成

9

年度忘年会

≪ 1 9 9 8

年 (平成10年)

・3月22日 (日)

ネットワーク第

2

回拡大学習会 (秋田県生涯学習センター)

輝いて生きる

' 9 8‑

ともに楽 しく元気よ く

」①講演 山下 佳子 (埼玉県川口市めだかふ ぁみりい代表)/長尾麻子 (めだ かふ ぁみりい ・地域生活 コーディネーター)②活動紹介 (

ンドベル演奏,バザー,パ ンフレット)

・6月27日 (土)

ネットワーク第

3

回会員学習会 (秋田大学)「地域生活支援 のために〜制度を中心に

」斉藤雅和 (竹生寮地域支援事業コー ディネーター)/松本研二 (東山学園 ・前地域支援事業コーディ ネーター)

10月

2 4

日 (土)

ミニ旅行 (は‑とふるツアー)「(リゾー トしらかみで行 く) 秋田一深浦は‑とふるツアー」

・1 1

1 3

日 (金)

ネットワーク第

4

回会員学習会 (兼 ・忘年会) 「重症心身障

(4)

秋田大学教育文化学部研究紀要 教育科学部門 第

5 6

害児者を守 る会の取 り組みについて」加藤紀彦 (秋田県重症心

身障害児者を守 る会会長)

( 1 9 9 9

年 (平成11年)〉

・3

月1

3

日 (土)

ネッ トワーク第

3

回拡大学習会 (秋田市民文化会館) 「輝 い て生 きる

' 9 9‑これか らの地域生活支援を考える 〜

」①講演 松友了 (全 日本手をつな ぐ育成会 ・常務理事他)②活動紹介 (作品展示,パ ンフレット,音楽演奏)

・6

2 6

日 (土)

ネッ トワーク第

5

回会員学習会 (秋田大学) 「地域 の中で夢 をかたちに」

/庄司恵子

・9

2 5

ミニ旅行 行 く)秋田

・1 1

1 2

宮崎洋 (小規模作業所 ・くだかけ寮)の取 り組み 飲食店 「このゆびとまれをワンステップとして」

(土)

(

2

回は‑とふるツアー)「(リゾー トしらかみで

・深浦は‑とふ るツアー」

(金)懇親会

《 2 0 0 0

年 (平成1

2

年)

・3

月1

9

日 (日)

ネッ トワーク第

4

回講演&交流会 (拡大学習会改 め) (秋 田 県生涯学習センター)「輝いて生 きる2

0 0 0‑こんな生活,でき

た らいいな

」①講演 内藤由美 (台東区身障児者を守 る父母 の会会長)②活動紹介 ・意見交流

・6

2 4

日 (土)

ネッ トワーク第

5

回会員学習会 (秋田大学)工藤正悦 (ふ っ とワーク)/鎌田礼子 (槙手市通園療育事業 「モモの家」)

・9

月1

7

日 (日)

ミニ旅行 (

3

回は‑とふるツアー)「(バスで行 く)秋田 ・ 尾去沢マインランドは‑とふるツアー」

・1 1

月1

7

日 (金)情報交換&懇親会 (その他)会報の発行

( No. 1‑1 3 ) 2.

拡 大 学 習会

学 習 会 に は 「拡 大学 習会 (平 成

12

年 よ り,講 演 &交流 会 に改称

)

」 と 「会 員学 習会」 とが あ る。 親 が安 心 して 学 習会 に参 加 で きるため に は託 児 の場 が欠 かせ な いが, それ は学 習 会 の場 所 内 に設 け られ, 会員外 の ボ ラ ンテ ィ ア (大学 生 , 幼稚 園教諭 ,地 域 の ボ ランテ ィア団体 など) の協 力 を得 て行 われて い る。

拡 大学 習 会 で は, 県外 にお いて先 進 的 な地 域生 活支援 活動 を実 践 して い る人 を講 師 に招 いて地域生 活支 援 の理 念 や動 向 を学 ぶ ことを主 た る目的 と し, 教育 や福祉 関連 諸 機 関 へ の チ ラシや ポ ス ターの配 布,新 聞等 へ の記事 掲 載 を通 して,一 般市 民 も含 めて会 員外 の人 の参加 も広 く 呼 びか けて い る。 また, 拡 大学 習会 を, 多 くの人 に県 内 の障害児 者 や そ の関係者 の様 々な取 り組 み を知 って もら

う好 機 と して も位 置 づ け, 障害者 の作 品や製 品 とか,戟 の会 や適 所 作業 所, 入 所施 設 な どの紹 介 パ ネルを, 会場 の内外 に展 示 して い る。 さ らに,講 演 に入 る前 のセ レモ ニ ー に, 障 害者 の音 楽 演奏 を含 めて い る。なお参加費 は, 講 師へ の謝 礼, 旅 費等 に当 て るため, 会員 ・非会 員 を問 わず有 料。

まず1

997

3

月 に,本 ネ ッ トワー クを立 ち上 げ るべ く 発足記念拡 大学 習会 を開催 したが, そ の際, 参 加 者 に は 以 下 の よ うな紹介 文 が配 られ た。

*

「障害児者 の地域 生活 支援 を考 え る秋 田ネ ッ トワー ク」

の紹 介文

本ネットワークは,障害のある人たちが豊かな地域生活を送 れることを願い行動 している人たちにより

,

「横 のつなが りが あればいいな」 という共通の思いを実現 させるべ く結成 されま した。施設職員,教員,障害のある方,家族,ボランティアな ど,様々な立場の方が会員になっています。

・それぞれの実践や経験,思い,情報を立場を超えてわかち 合 っていきましょう。

・協力 してやれそうなことに挑戦 していきましょう。

・ネットワークでの出会いをきっかけとして,それぞれの日 常生活や実践上 も,協力 し合 っていきま しょう。

・障害のある人たちの地域生活支援のあり方を考え,行動に 移 しつつ,会員 自身の地域生活 もより豊かなものに してい きましょう。

*本ネッ トワークの会費は,年間1,

0 0 0

円です。 入会希望 の方は,学習会等,本ネッ トワーク主催の行事の際に申 し出て ください。あるいは電話にて,代表 までご一報 く ださい。

*本ネットワークの活動等についてご意見や提案があ りま したら,お気軽にお寄せ下 さい。また,秋田市内外を問 わず,各地での取 り組み (親の会,本人活動,ボランティ ア活動

e t c )を紹介 して下 さるようお願いします。本ネッ

トワークの活動へボランティア参加 して下 さる方 も,代 表までご連絡下 さい。

( 1 9 9 7

3

2 3

日 「ネットワーク発足記念拡大学習会」参加者 配付資料より)

この発 足記 念 拡大学 習会 には150名 を超 え る予 想 以 上 の参加者 が あ り, 障害児者 の地域 生 活支 援, 及 び支 援 の ための ネ ッ トワー ク作 りに関 して, 多 くの人 が関心 を寄 せ て い る ことが痛感 せ られ た。

参加 者 に は, 会 に参加 した感想 , 会 で今後 取 り上 げて ほ しい テーマや会 へ の要 望,本 ネ ッ トワ‑ クの今後 に向 けて の提言 や要望 につ いて ア ンケ ー トしたが, まず感 想 と して以下 の よ うな ものが寄 せ られ て い る (学 習会 の中 で行 われ た講 演 その ものへ の感想 は除 く)。 す な わ ち, そ の内容 はお おむね好 意 的 で あ り, ネ ッ トワー クに対 し て大 きな期 待 や希 望 を抱 いた, 障害 児者 へ関 わ る様 々 な 立 場 の人 の存在 を知 った,立場 を超 え た桟 のつ なが りの 大切 さを知 った, 等 の感想 が寄 せ られ て い る。

*発足記念拡 大学習会

( 1 997

3

月23日) へ の感 想

・色々な立場の方の話が開けて,大変有意義であった。

・ネットワークに対 して大 きな期待をもった.非常に広い範囲 にわたるネットワークでまだよく見えないところもあるが, 何で もやっていこうということにとって も感 じ入 りました

・他の親の会がどんな活動を しているのか知 ることができて, 参考になった。記録に残す ことの大切 さをあらためて感 じた

・他の参加者 との問に距離を感 じないで参加ができた。また,

(5)

今野 :障害児者の地域生活支援 障害児に対 して支援者がたくさんいることを知 った。

・今後必要 とされているものは, このような会だと思 う。専門 職や保護者以外の一般の方にも参加 して もらえるようになっ て くれればよいと思 う。

・福祉の一分野での関わ りだけだったので,様々な視点か らの 意見や集 まりに参加できたことは,今後に向けてのステップ になった。

・た くさんの人が集まり感激。 このようなネットワークをより 確かなものに育てていきたいと思 う。

・秋田にも色々な人がいるんだなと見えてきた。

・ネッ トワークのようなものができないものだろうかといっ も 思 っていたので,希望を感 じた。何事 も踏み出さないと進ま ないのだと,痛感 させ られた

・ 「槙のつなが り」を各方面か らの意見や感想を聞き, とても よい機会だったと思 う。時間があればと思 う反面,一歩ずつ 試行錯誤 しなが らで も協力 していければと思 う。

次 に, 拡大 学 習会 や それ以 外 の学 習会 で今 後取 り上 げ て ほ しい テーマや会 へ の要 望 と して は, 以下 の よ うな内 容 とな って い る。 適 所作業 所 や グル ー プホー ムな ど, 障 害者 の と りわ け学 校卒 業後 の地 域生 活 ・ノーマ ライゼー シ ョンに欠 かせ な い就 労 や生活 の場 につ いて の情報 を期 待 す る声 が比較 的多 いが, 他 に も, 行政 側 か らの情報 を 期 待 す る声 , 個 々 の障害 (自閉症 な ど) につ いて の情報 を求 め る声 な ど も認 め られ る。

*今 後 の拡 大 学習会 等 へ の要望 等

・養護学校の親たちにたくさん参加 してほしい。

・行政の方の話を聞 く機会があればよい。 ボランティアを して くださる方の話 も聞きたい。

・行政に対する意見交換の場を作 ってほしい。

・障害者が普通に町で暮 らしていけるように町の中に作業所, グループホームが作 られればいい。そのことに向けて知識の ある方。

・色々な障害をもっている人たちが集まって作業所を運営 して いる人の話を聞いてみたい。

・普通教育の中に障害児教育を取 り入れる提案や実践。

・小規模作業所を新 しく計画するときに, どのような困難があ るか,あるいは公的補助の内容など, これ らに関 して全 く素 人の若い世代の障害者の父兄に対 して,情報を教えてはしい

・作業所の状況や一般就労 した場合の問題点などを聞きたい。

・県外では同様の活動 としてどんなことを しているか,紹介す るような内容がよい。

・福祉に関心を持っ企業の経営者など。

・親の側か らは子 どもの病気の話を詳 しく聞きたいと思 ってい るはずなので, 自閉な らそのことにもっと焦点を絞 って もら えるとよい。

・高等部教育のあり方。

・学校生活で問題が生 じた とき, どのよ うに した らいいのか (行動面や学習など)0

・市内,県内の支えるための機関など,また各施設で抱える問 題等についての情報提供。

・色々な施設の方のお話。在宅で重度の障害者を抱え,上手に 地域の人 と関わっている親の話。

・レスバイ トのこと,学童期,生徒期の放課後の生活の充実の ためのアンケー トや障害児学童保育の開始。

・当事者か らの生の声, どういうことを望み, どのようにした

いのかを聞きたい

・精神障害者の問題。北欧の先進的な福祉 (精神病院をな くす 法を制定 した)やその歴史。

・重度障害児の卒業後の進路,障害児者が安心 してかかること のできる病院を是非設立 してほしい。親が毎日行える訓練法。

卒業後子 どもが地域に戻 った時, 自然に生活できるように, 普通学校 とのつなが りを持ち,地域の人たちに知 って もらう ようにしたい。

・企業就労の可能性。ネットワーク活動の先進地の報告

・学習障害児について取 り上げてほしい。

・現在秋口県内で適所作業所で尽力 されている方の苦労話等, 経験談 (生の声)を聞きたい。

・障害者の高齢化の問題や入所施設の問題等について,テーマ を設けてはしい。

・グループホームや通勤寮のことを もっと詳 しく聞きたい

・自閉症,多動児のお母 さんの話などを聞きたい。

・行政側の人を交えた学習会。

なお, 拡大学 習会 は これ まで

4

回 開催 され て い るが, 託児 ボ ラ ンテ ィア (大学生 や専 門学 校生 な ど約

3 0

名) の 協 力 によ り障害 児 を もっ親 の参加 へ の配 慮 や便 宜 が図 ら れて い る こと もあ り, どの回 に も

1 2 0

名 程 が参 加 して い る (実行委 員, 託児 ボ ラ ンテ ィアを除 く)。 本 人 や親 と い うに とどま らず参加 者 の立 場 は多様 で あ るが, ち なみ に第

4

回 (平 成

1 2

3

月) へ の参 加 者 が関係 して い る団 体 は以下 の通 りで あ る。

・知 的障害者適 所施 設

工 房 コスモ ス, ふ っとワー ク, つ どいの家,杉 の木園, やす らぎの家,保戸野授 産 所, くだか け寮, い な ほ会 福 祉 作業 所, つ くしん ぼ,仙北 東部 ふ れ あ い デ イセ ンター

・親 の会

全 国心臓病 を守 る会, そ よ風親 の会,秋 田すずめの会, 秋 田県重症心 身 障害 児 (者) を守 る会, コ ロポ ックルゆ

りね の会,秋 田県

LD

児者親 の会 (ア イ ンシュ タイ ン), コロボ ックルの会, ひ まわ りの会 , 台東 区身 障児者 を守 る父母 の会

・通 園施 設

モモの家, グ リー ンロー ズオ リブ園

・本人 の会

秋 田県車 イ ス連 合

・ボ ラ ンテ ィア団体

たん ばばの会 , 向 日葵 の会 , バ クの家

・そ の他

特殊教 育諸学 校 (養護学 校), 通 常学 校 , 大 学 , 短 期 大学,専 門学校, 幼稚 園, 保育 所 , 入所型 更生 施 設, 痩 護施設, 等

3.

会 員学習会

話 題提供者 の話 を踏 まえて,主 と して会員 間 で (会員 外 の参加 も可) 秋 田県 内 にお け る種 々の立場 で の実 践 や

(6)

秋 田大学教育文化学部研究紀要 教育科学部門 第

5 6

問題,課題等 を語 り合 うものである。 これまで 5 回開催 しているが,会員の立場やニーズの多様 さを考慮 してい るため,各回のテーマ も作業所関連,就学前の療育関連, 地域生活支援 に関わ る制度関連,親の会関連 などと,広 範 に及んでいる。

学習会 は,本県, あるいはより身近 な地域の中で, ど うい う人たちが, どうい う立場で, どうい う思 いで地域 生活支援 に関わ る実践 を行 っているのか, またどうい う 困難を抱えているのかについて知 り合える機会 として, さ らに同 じ立場同士で, また立場 の違 いを超えて, どう い う形で支援 し合え るのかについて考え合 う機会 として, 貴重 な もの と言えよ う。

また親, とりわけ幼い障害児をもっ親や,他県か ら引っ 越 して きて間 もない親にとっては,日頃の相談相手 となっ て くれ る親や専門家 と出会え る場 とな っている。

4. ミニ旅行 ( は‑とふ るツアー)

一緒 に楽 しく過 ごす機会を もち会員同士で懇親を深め ることも,地域 の中での 自然な相互支援を長 きに渡 って 深化 ・継続 させてい く上で欠かせないのではないか, と の世話人達 の総意 によ り,行われることにな った もので ある q

ネ ッ トワークの会員やその家族 ( 障害児者を含む) 杏 中心 に4 0 名 ほどの参加希望者を募 り,秋田駅 より観光用 の特別仕様 の列車 (リゾー トしらかみ)で隣の青森県 の 深浦町に日帰 り旅行を している ( 片道 2時間半)。 一般 客 も乗 り合わせ るが,少 な くて も一両 は貸 し切 り状態 と なる。深浦町か らの懇切丁寧 な支援 もあ り ( 深浦駅か ら 休息所 までの移動 や町内観光 のための福祉バス及 び運転 手 の提供,バ スガイ ド役の役場職員の派遣等), 列車 の 中だけでな く休息所やバ ス内において も,楽 しくくつ ろ いだひとときが得 られている。

事前の下調べや関係者 ( 町役場や JRの職員など) と の打 ち合わせなど,拡大学習会 と同様 に世話人 の負担 は 少 な くないが, この旅行 についてはとりたてて 「ボラン テ ィア」を用意せず,旅行のプロセスで参加者同士の間 で自然 に助 け合いが生 まれ ることを大切 に している (あ なた も私 もボランテ ィア) 。 こうして, 知的障害 のあ る 女性が車椅子 を押 して くれた り,普段 は我が子への他人 か らの支援を経験す ることの多 い父親が世話人 と一緒 に 障害 の重 い人の車椅子を階段で運ぶ, といった場面を多 く見 ることがで きる。 ともあれ この ミニ旅行 には,以下 のよ うな点 も含めて,多 くの意義があると推察 される。

・障害が重 い,車椅子 を使用せざるを得ない,親 自身が 健康 に不安がある,等の事情 により,普段外出その もの の機会が少なか った り, 自家用車以外の乗 り物での移動

( 旅行)経験が乏 しい障害者 にとり,社会参加, 社会体 敬,仲間作 りの機会 を もた らしている。

・ 「 楽 しく安全 な旅行を低価格で」 とい う具体的な目的 を実現すべ く福祉の制度 ( 例えば,交通費 の障害者割引 制度)や施設 ( 例えば駅 :ホームへの移動,列車 の乗降 等を含む) ,交通機関 ( 例えば列車 :列車 内 での車椅子 による移動, トイ レの使用等)を実際に使用す ることに より,制度の活用の仕方や活用上 の工夫,制度の課題, バ リアフリーの現状や課題 を学べ る。

なお,旅行の準備段階か ら終了す るまでのプロセスで 交通公社職員,駅員,町役場職員,一般 の旅客 など多 く の人 と関わ りを持っが, それ らは自然 な福祉教育 (いわ ゆる社会啓発) の機会となっているだろう。 もちろん個々 の参加会員 にとって も,人や場面 ・状況 に応 じた援助 の 仕方や工夫を実践を通 して学べ る好機 とな っている。

旅行時 には簡単なア ンケー トもとられているが,旅行 の今後の継続や拡大 ( 例えば, よ り多 くの人数で行 きた い, デ ィズニーラン ドなど遠 くへ行 きたい) を求める声 が多 い。 また , 2 回のいずれの旅行 について も,深浦町 のきめ細やかな対応 と親切 に対 して親を含む多 くの参加 者が謝意 を表 してお り , 「出会 う人 」 「 支援す る人」 のあ り方の大切 さが痛感 せ られ る。 なお第 3 回 の ミニ旅行 ( 写真参照。2 0 0 0 年 9月)では,バ スを利用 し,鉱 山跡 地 を活か した観光地の尾去沢 マイ ンランドに行 っている。

5. 会報 について

会員向け会報 は, これまで 1 3 号 まで発行 されている。

内容 は,拡大学習会や会員向け学習会 とい った本 ネ ッ ト

ワークの諸活動の報告 と案内,関連著書の紹介,本県 に

おける障害児者関連行事の紹介,本 ネ ッ トワーク会員 に

よる自己紹介や会員か らのメ ッセージ,会員が所属す る

団体 ( 例えば親の会)の紹介等である。会員同士 の相互

理解を深める上で, また,種々の理由によりネ ッ トワー

クの活動 になかなか参加 できずにいる会員への情報提供

とい う意味で,会報の果たす役割 は大 きい。

(7)

今野 :障害児者の地域生活支援

「障害児者 の地域生活支援 を考 え る秋 田 ネ ッ トワー ク」 の これか ら

1.本 ネ ッ トワー クへの期待

本 ネ ッ トワー クは, 障害児者 の親,親 であ りかつ親 の 会 の リー ダー,施設 や作業所 の職員,養護学校教諭,大 学教員, 日頃 ボ ラ ンテ ィアを行 って い る人 な ど様 々な立 場 の人 が, 障害者本人 の参加 も歓迎 しっっ,立場 の違 い を超 え た対等 な関係 で, それぞれの立場 の独 自性 や専 門 性, それぞれ の立場 で の経験 も活 か し合 いっつ,上記 の よ うな活動 を試 みて きた。 ちなみ に, それ らの活動 の中 で得 られ る様 々な情報,様 々な立場 の人 の実践 や考 え, 経験 は,普段 のそれぞれの立場 ・持 ち場 での実践 に とっ て もきわめて有益 な もので あろ う。 これ までの

4

回 の拡 大学 習会 の際 には必 ず ア ンケー トが と られて い るが,本 ネ ッ トワー クに望 む ことと して は,以下 の よ うに学習, 実 践 や意見 の交流,情報提供,支援者 (ボ ラ ンテ ィア) へ の支援, 問題解決, イベ ン ト,啓発, その他, と して 分 類 しうる回答 が寄 せ られて い る。

(む学習

・年 に2, 3回学習会をや って もらいたい。

・年に数回の学習会の開催。参加できなか った人への資料の 送付。

・海外 (欧米や途上国)の活動事例の学習。

②実践や意見の交流

・今回色々な職種,職場の人が集 まった。そこで実際はどの ようなことを しているのか,見学や ビデオ紹介することで 各人がそれを利用 し,発展 してい くことが必要ではないか

・県内の各 グループはどんな活動を しているのか紹介 しあい, ネッ トワークとしてどんな活動が必要なのかを,検討 して はどうか

・1

年間適所施設や同 じ病気の子の会などに参加 したが,そ の日のスケジュールやイベ ントなどで親同士の生の声がな かなか聞 こえて こない。育てている者の生の声を もっと意 見交換できる場や時間をどこの会で ももっと受け入れて く れれば, ともすれば孤立 してしまいがちな障害児の親にとっ てはあ りがたい。

・各会 との交流会

・もっと色々な人の現在抱えている問題や活動などを知 りた い。

・いろいろな方の情報交換。槙のつなが りの大切 さを痛感 し た。

③情報提供

・県内の関連す る団体の活動紹介 (秋田市以外での活動を知 りたい

)0

・ボランティアの活動で協力がどんな範囲まで して もらえる か,家庭への派遣 はして もらえるかなど知 りたい。

・秋田の各 グループ (会)の活動を会の方か ら紹介 して もら いたい。

・情報の提供。

④支援者 (ボランティア)への支援

・各 ボランティアグループのネットワーク (話 し合いの場)

・支援者やボランティアが増えるよう,また育つように。

⑤問題解決

・学童期の子 ども達の放課後の過 ごし方についての実態調査 と,その結果を基に放課後児童館などで親がついていな く て も楽 しく地域の子 ども達 と過 ごせるよ うに援助 してほし い。

・行政への働 きかけ。重複障害の方が適所する施設であれば, 重度加算などの要望。職員に対 しての制度,保険加入など の充実。

・行政に働 きかける活動

・各団体の共通す る問題 (卒業後の こと, レスバイ トの こと など)が良い方向へ行 くように,大筋の ことができるよう になってほしい。

・学校が終わってか らや,学校の長期休みの時に, 自由に気 軽に遊びに行 ったり預か って もらった りす る場があればい いと思 う。

・親が死んで も安心 して生活 していけるような施設などを作 っ ていただきたい。

⑥イベ ント

・コンサー トの開催。

・ミニ旅行やお花見,キ ャンプなどを してほ しい。

・気軽に参加できる,ゲームや フォークダンスなどを楽 しむ 会など。

⑦啓発

・一般の方々に積極的に存在をア ピール し協力を得 る (マス コ ミへの働 きかけなど)

・地域の人に障害児のことや様々な会のことを理解 して もら えるような運動を していただきたい。

・町内会への会報の回覧。

・テ レビや ラジオでネットワークの存在や活動を伝えて もら

う。

・作品展示や販売 コーナーを大衆 に触れやすい場所に設 け, 徐々に 「ともに生 きる」 ことを理解 して もらう。

・各団体の活動を広 く地域の人々に知 っていただ く機会を作 る。

⑧その他 (ネットワークの方向性)

・盲,聾の人たち,精神障害者,他の色々な障害者 は,仲間 に入れないのか。何をす るにも全部の障害者を包み込む心 がなければ市民 (県民)の快い賛同は得 られないと思 う

・市内だけではな く,県内に広がってほしい。

・差別 ・偏見 は親近者に結構多いことを直視 し,焦 らない急 がない活動を根幹に して ください。

・秋田市でのネットワークをまず確立 し,いずれはそこか ら 周辺市町村,県南,県北へ と,広げていっていただきたい。

県内での地域生活支援の先進地 として活動 していっていた だきたい。

2.

本 ネ ッ トワー クの これか ら

(1) 学習,実践 や意見 の交流,情報提供, イベ ン トに つ いて

普段, それぞれ の持 ち場 で支援 に関 わ る活動 を して い る本 ネ ッ トワー クの世話人 たち は, いずれ も多忙 であ り, その立場 の違 いは世話人会 の開催 日の設定 の難 しさの一 因 とな って い る。 したが って,上記 の様 々な期待 のすべ て に即座 に対応 す ることは困難 で あ る。 発足後 の これ ま での問 に築 きあげ られつつ あ る本 ネ ッ トワー クの活動 の 柱, す なわ ち学習 (学習会),実 践 や意 見 の交 流 (学 習 会,会報),情報提供 (学習会, 全章B), イベ ン ト (ミニ

(8)

秋 田大学教育文化学部研究紀要 教育科学部門

5 6

旅行) を今後 も継続 ・充実 させてい くことがまず大切な ことであろ う。

ちなみに,世話人 のみ な らず会員全体 の多様 さは,

「 豊富 な, そ して生活 に密着 した情報源」 や 「相手 の立 場 にた っての,相談への対応機能」を本 ネ ッ トワークが 潜在的に有 していることを意味 してお り,本 ネットワー クのホームページの開設 などで情報提供の可能性をさら に広 げてい くことが必要であろ う。

(2)

支援者 (ボランテ ィア)への支援

本県 においては,障害者 の地域生活支援 に関わるボラ ンティアやその団体 はまだまだ少 な く, その横のつなが りにも欠 けている。障害児者やその団体と継続的に関わっ て くれ, またその積み重ねによりボランテ ィアの域 を超 えて障害児者 にとっての 「 友達」 になれ るようにボラン テ ィを支援す ることも,本 ネ ッ トワークで可能な一つの 機能であろ う。

(3)

啓発

ミニ旅行や拡大学習会 なども啓発的な意義を有 してい るが,関連 して感 じることは,拡大学習会 の案内などに

「 一般の方 も気軽 に参加 して ください。 ボ ランテ ィア も して ください。」 と記 してあ って も,「艇の人たちにとっ て実際に参加す ることには, まだまだかな りの勇気を有 す るとい うことである。筆者の方 に, 「本 当 に私 のよ う な何 も知 らない一般 の者が参加 していいですか」 と確認 の電話 をよこす人 もいるのである。一般 の人たちにとっ て,障害者やその関係者 との問のバ リアはまだまだ高 く 厚 いよ うであるO ちなみに, その高い厚 いバ リアは,一 般 の人の側だけで作 って きた ものではない。少 し厳 しい 言 い方か もしれないが,障害者やその関係者 の側の閉鎖 性 も,一因をな していると考え られる。一般の人たちが 気軽 に心 と体を向けて参加で きるよ うな配慮を しつつ, 本 ネ ッ トワークの会員の多様性を生か したユニークな啓 発活動 を これか ら模索す る必要があろ う。

(4)

問題解決

ネ ッ トワ‑ク会員の中には,本 ネ ットワークに対 して, 自分が抱え る問題や悩みの直接的 ・具体的な解決を求め る人 もいる.一方, その依頼を受 けて, 日常的に多忙な 世話人を中心 として個々の問題の解決に向けて長期に渡 っ て奔走す ることは,時間的にも体力的に もかな り困難で ある。会員の多様性 ( っまり本 ネ ッ トワークへの期待や ニーズの多様性)が本 ネッ トワークの特徴であ り,その 活動 を特定会員が当面す る問題の解決に集中することは, 本 ネ ッ トワークの解体 に も結 びっ きかねない。本 ネ ット

ワークとしてで きることは,問題を抱える本人が自律的 ・ 能動的にその解決 に取 り組 もうとす る際の関連情報の提 供,学習会の場への各種専門家 (とりわけ行政関係者) の参加依頼 などであろう。行政関係者 も含めて互 いに立

場の違 う人同士が 「 非難 し合 った り要求 し合 った りす る 場」ではな く 「 互 いに提言 し合 った り助言 し合 った りす る場」 として本 ネ ッ トワークが機能 した り理解 され るよ うに,今後図 ってい く必要があろう。一方,拡大学習会 とか会員学習会などの折 りに会員や参加者か ら出 された 意見,切実な要望,問題 ( 例えば人権 に関わる問題)杏,

また ミニ旅行の機会 に気づいた問題 ( 例 えば,福祉制度 や交通手段 とか施設内のバ リアフ リーに関すること)香, 行政側 に報告 ・提示す ることは可能であ り, その実現 は 急がなければな らないだろ う。

(5)

ネ ッ トワークの方向性

ネッ トワークには, ネッ トの結 び目の強 まり ( 相互理 解 と相互支援) とともに, ネ ッ トの拡大が求められよう。

本 ネッ トワークの会員には秋 田市以外 の人 もいるが, そ れ ら市外の会員を増やす ことも視野 に入れっつ,一方で は各地での新たなネ ッ トワーク作 りへの支援や,各地で で きているネ ッ トワークとの連携を図 ることも,重要で あろう。

Ⅴ おわ りに

本稿では,賛同者を得て筆者が1 9 9 7 年 3 月に発足 させ た 「障害児者の地域生活支援を考え る秋田ネットワーク」

について, その発足経緯, これまでの活動内容 とその意 義,及 び今後の課題を中心 に言及 して きた。

本 ネ ッ トワークの大 きな特徴 は, その会員 の多様性 に ある。すなわち会員 には,作業所や施設 の職員,養護学 校教諭, ボランティア,親 の会や本人 の会 ( 例えば,辛 いす利用者 の団体)の リーダーや会員,障害児者を もつ 家族 ( 親や きょうだい),大学教員な どがいる。発足後 3 年半を経た現在,本 ネ ッ トワークの活動 として会員学習 会,講演 &交流会 ( 拡大学習会改め) , ミニ旅行, 会報 発行が定着 してきている。会員以外 にも参加を呼びかけ, 秋田県内外 における障害児者の地域生活支援 に関わ る取

り組みの現状 と課題を学 び合 って きている。家族や本人 を も含む関係者の思 いや期待 も交流 させて きている。

一方, ネ ッ トワークの様々な活動での出会 いが きっか けとなり,仲間や相互支援の輪が広が りつつある。例え ば複数の親 の会 によるバザーの共催や,通園施設 とボラ

ンテ ィア団体 との新 たな連携が生 まれている。

また平成1 2 年 9 月の第 3 回 は‑とふ るツアーには,身

体障害者療護施設に居住する青年の単独参加が初めてあっ

た ( 同施設 に勤務す るネ ッ トワーク会員か らの勧 めによ

る) 。 このことは,施設入所者への地域生 活支援, 地域

に開いた施設づ くり,さらには施設のノーマライゼーショ

ンとい う大 きな課題 に対 して,本 ネ ッ トワークが寄与 し

うることを示唆す る もので あ る。 社会 福祉 の理念 面 で

(9)

今野 :障害児者の地域生活支援

施設型福祉」 か ら 「地域型 福祉」 へ と大 きな変動 が な されつつ あ るとは言 え,本県 を含 めて,現実的 には 「施 設型 福祉」 が優位 を占めて い る県 は数多 い。 ネ ッ トワー クの網 の 目に入所型 の施設 や その職員,居住者 を含 み込 んで い くことは, ネ ッ トワー クを重視 して地域生活支援 を展開 して い こうとす る際 に,重要 な ことと思 われ る。

本 ネ ッ トワー クの会員 は既 に1

00

名 を越 え て い る。 会 員 の立場 は多様 で あ り,本 ネ ッ トワー クに対 す る期待 の 程度 も内容 も多様 で あ る。 ネ ッ トワークへ の帰属意識 や ス タ ンス も異 な る。 このよ うな多様 さを,障害児者 の地 域生活支援 に向 けて どの よ うに活 か していけばよいのか,

また世話人 は 「サ ー ビス (活動) を準備 ・提供 す る側」, その他 の会員 は 「サ ー ビスを受 け る側」 とい った どの地 域 団体 に もあ りが ちな構図 を克服 して,多 くの会員 が主 体 的かつ明確 な帰属意識を持 って本 ネ ッ トワークに関わ っ て いけるよ うにす るためにはどの よ うな運営 が望 ま しい のか,等 々,本 ネ ッ トワー クの課題 は多 い。

謝辞

会員学習会, ミニ旅行,会報発行,非会員 を巻 き込 ん での講演 &交流会 とい った活動 が定着 しつつ あ る 「障害 児者 の地域生活支援 を考 え る秋 田 ネ ッ トワーク」 は,筆 者 のみの力 で運営 されて い る もので はない。 お忙 しい中 に もかかわ らず いっ も準備 の段階か ら活動 を支 えて くだ さ って い る多 くの方 々,特 に知的障害者更生施設 「竹生 寮」 の指導員 で あ る摂津良二 さん,秋 田大学 医療短期大 学部 の教員 で あ る佐 々木真紀子 さん, グ リー ンローズオ リブ園 の片桐貞子 さん,県立栗 田養護学 校教諭 の三浦英 明 さん,秋 田すず めの会 の渡辺禎子 さん と佐藤厚子 さん, そ よ風親 の会 の田中陽子 さん, コロボ ックルの会 の三浦 純子 さん,重症心身 障害 (児)者 を守 る会 の天童美智子

さん,身体障害者療護施設 「は くと」 の指導員 で あ る木 元政一 さん,知 的障害者更生施設 「杉 の木嵩」 の佐藤敏 明 さん の御尽力 に対 して, この場 を借 りて心 か ら感謝 を 申 し上 げます。

付記

本論文 は,本 ネ ッ トワークが2000

3

19

日に開催 し た第

4

回講演 &交流会 の報告書 「こん な生活, で きた ら いいな」 の中で筆者 が著 した ものを加筆 ・修正 した もの であ る。

文献

1.ベンク ト・ニイリエ

( 1 9 9 9 )障害者福祉を支える理念一社

会変革 としてのノーマライゼーション1.社会福祉研究,

7 4

,1 2 ‑ 1 8 .

2.伊藤則博( 1 9 9 9 )「

地域で生 きる」 ことを支援する.教育 と 医学

,4

7

( 1 2 ),2‑3.

3.熊谷公明( 1 9 9 8 )地域ネットワークの構築のために‑加齢

と高齢に伴 う諸問題を巡 って‑.発達障害研究,2

0,31 ‑ 3 7.

4.2 0 0 0

1

月1

9

日秋田さきがけ朝刊

5.吉武清実 ・菅井邦明 ・村井憲男他 ( 1 9 9 8)広域高速ネット

ワークを活用 した地域精神保健 ・障害福祉領域でのソーシャ ルサポー トシステムづ くり‑コミュニティ心理学的アプロー

‑.東北大学教育学部研究年報,第4

6

集,1

6 5 ‑ 1 9 0.

6.今野和夫 ( 1 9 9 6 )

地域における障害者への支援活動一秋田 県の場合‑.秋田大学教育学部研究紀要教育科学,第4

9

集,

9 9 ‑ 1 0 7.

7.今野和夫 ( 1 9 9 4 )

家族と支援者の連携一秋田すずめの会‑.

養護学校の教育と展望,No.

9 2, 1 4 ‑ 1 7.

8.今野和夫 ・秋田すずめの会 ( 1 9 9 3 )すずめの文集一障害児

とともに生きる母親の手記‑,学苑杜.

参照

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