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地下水の地球化学的研究(第2報)

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159

地下水の地球化学的研究(第2報)

一利根川流域の竜ケ崎・取手市付近に分布する

地下水の化学的性格について一

理学科研究室 高 瀬 一  男

(昭和46年10月30日受理)

1 緒言       西に広がる平野で・この平野の北および南側には20m以

後の丘陵がある。この丘陵は上部更新世のものと思われ

瀞年茨城県下の嫌 鯨の化学分析を実施した る.

際,利根川下流域の沖積平野に存在する鉱泉水には,著      本地域の地質については,現在のところ組織的研究は 量の塩分が含有されていることが明らかとなった。また       見当らないので,第2図に示すボーリング資料から考察 それとあいまって,鉱泉以外の民家の井戸でも塩分量の       してみる。本地域のほぼ中央部に当る資料Bについてみ

多いものがあることを知った。地下水中の塩素等の起源  れば,40m以浅では概ね砂,粘土の互層であり,42〜43

に関しては,種々の原因が考えられるが,一般には海水       m,50〜53m,56m,58〜60m付近に礫または砂礫層が

が内陸に侵入したり・風送塩の影響を受けやすい海岸地  ある。また資料Cでは,27〜30m付近に貝化石を含む砂

域とか,海水が河川を遡上する地域などが考えられる。       層があり,他は多少の漸移はあるが,資料Bの各層にほ また一方では,現在の海から遠くはなれた内陸部におい       ぼ対比される。取手付近の資料Dでは,13m層準に礫層 ても,過去の海水が残存したいわゆる化石海水といわれ       があることおよび砂層が主体をなしている点において・

る勉灘然準高い地下水の擁すること脚られ 資料B,cと相異する.

ている   ・      ここで塩分量の多い帯水層は40m,50〜60m層準の礫      (6) 本地域に関連する従来の研究としては,1951年島田ら  層または砂礫層に関係がある。この地層はほぼ沖積層と

による新利根川流域の天然ガス調査報告があり・それに  洪積層の不整合面の層準に相当するものと推定してい よれば,地下40〜50mからメタンガスがでるが,含ガス層  る。また,採水点の深度データから90〜110m,150〜160 中の地下水の塩素含量は一般に高く,最高は7,000昭〃  m付近にも帯水層の存在が認められた。これらの詳細に

に達するものがあると報告している。また,1968年木内  ついては第3報で検討する予定である。(7)らは,利根川下流域(小見川・佐原・鹿島地域)の塩素

含有量について報告し,そのなかで・1,70吻〃塩素を  皿 分析方法 含むところもあると報じている。以上の研究はいつれも

      分析方法はつぎの通りである。地下水の性格を詳しく報告しているものではない。した

      1.pH:SZKの比色計を用いて現地で測定した。がって,本研究においては,地質と地下水との関係およ

@       2.電気伝導度:東亜電波工業株式会社製電気伝導度び化学成分の起源等について報告する。

計Model CM−1DBを用いて測定した。

      3.ナトリウム,カリウムイオン:炎光分析法によっ

g 地形・地質の概観       た。

調査地域は,第1図に示すように利根川に沿った竜ケ   4.カルシウム,マグネシウムイオン:EDTAによ 崎の南東部から取手の東部にかけての地域である。     る滴定法を用いた。

本地域の地形は,東流する小貝川が竜ケ崎西方で流路   5・塩素イオン:モール法によった。

を南に変えて,小文間付近で利根川に合流する。この合   6・重炭酸イオン:プロム・クレゾール・グリンを指 流点より新利根川が東西に開馨されており,東流して霞    示薬として硫酸で滴定し,計算によって求めた。

ケ浦に注ぐ。また利根川は千葉県木下付近で流路をやや   7.硫酸イオン:塩化バリウムを用いる比濁法によっ 東西に変えて東流する。本調査地域は利根川に沿った東    た。

(2)

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(3)

高瀬:地下水の地球化学的研究 (第2報)      161

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2図  地 質 柱 状 図

(4)

162      茨城大学教育学部紀要 第21号

第1表  竜ケ崎 ・取手付近の地下水の分析結果

一一一一一

LOC. No. 採水年月日 気温(℃) 水温(°C)井戸の深さ

@    (m) pH 電気伝導度@ μびcm  K+img〃) Na・ lCa・.im・〃)}(mg〃)

1 1969−8−9}28.0 16.0 43.2

7.5 1940     i

14.8 1651 9.34

2    トW−91 28・0 16.0 59.4 8.5 1505 17.6 259 1 3.71

3 8−9}   28.0 16.0 90.0 7.9 515 13.3 96.4 「 3.75     1

4 29.0 16.8

8.1 2070 17.1 372  i 12.6

5 1   8−9 28.0 17.5 50.0 7.3 405 4.0 16.5 21.2

6 8−9 28.0 17.0   40.0 7.3 655 7.5 18.4 38.3

7 8_9 30.0 15.0     _

@    1

6.1 620 18.4 47.0 28.6

8 8−9 28.5 16.7 1 32、4 7.1 1800 22.0 303

9 8−9 29.0 18.0 7.2 1005 17.3 178    13.8      レ

10 8−9 28.5 15.6 7.8 1660 26・・ m25223…

11 8−9…  28.5   し

19.0 3.6 6.7 360 3.49 !   29.8  …   12.3    1     1

12 8−9  28.0 15.0 1  10.0 6.5 505 30.1 [   52.6  1   9.34        1 13    1     8−9    28.0     …

19・51 45・0 7.6       iP6°5 p15・5 290  1 25.0      1

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0.90 P6.3

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18 1969−9−4 24.5 17.5 6.0 6.3 1 710 29.8 75.6…27.4

19 9_4 24.5 21.5 160.0 8.3 378.5 12.8 75.2 1   4.89

20 9−4  24.5   L

16.0 43.2 7.4 601.5 15.0 98.8 27.8

21    1X−4  24.5 19.0 150 8.3 469.5 12.7

103 [3.83      旨

22 9_4・ 25.0 22.5 150 8.41601.5     1

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@  17・0145・03 25 9−4    26.0      18.5

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12・71201 1162・89

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@  19−41 26.0 17.5 1  72.0

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7.51・27・6・61899・5      1

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(5)

高瀬:地下水の地球化学的研究 (第2報) 163

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4.45 0 0,025 319 359 0 0,493 0 0,212

4.27 0.23 0,006 227 54.2 0 0,057 0.0918 2.68

11.7 0.32 0,118 277 593 0 0,044 0 0,313

21.4 0 0,015 82.6 51.8 0 0,083 0.0114 0,060

0.94 89.9 13.5 0 0,057 0.0157 0,035

i 20.5 0.06 0,028 166 72.5 60.0 0,057 0 0 21.7 4.94 0・1881464 373 44.0 0,095 0 1.28 i10・7        暑S.46  1  G.120     378    1  151       1

0 0,237 0 2.76

i…4 1・371°・12・133・i・14 0 0,095 0 0,525

・ 10.015269.6 39・1ト14・611  0 0.0118 0,040 8.82 1.26 0.022181.9 39.1  1   58,0  1    0       ト

0 0

6.10 5.・51・,15・ 304 i398 … 0 ト0・095 0 0,630

11.0      1P.97   0.062 61・1146・8i 13・51 0 [ 0 0,010

18.8 0.24   0.015 345 11100 1 0 1].9 [ 0 0,025

13.0 4.98   0.184 3、81975 6.251。1。 0,705

1.29 0.10   0.047 233 129.4i o i O l O      i       l

0,128

16.3 1.45 0,791 176 98.2 i  5.0 o i o 0,175

2.82 0 0,047 171 46.4 O    i      1O 0 0,175

8.67 16.9 0,240 288 72・51°i・・191 0 0,573

1.78 0 0,033 221 53.2  i    O    !    0    1    0     1      1

0,010

2.20 0 0,047 211 107 0  1  0 0 0,208

6.47 008 0 0,025 238 479 33.0    0 0 0

18.3 0.32 0,033      … 198 45.9 0  [  0 0 0

22.4 0.70 0.086i332      !

354 o  I 0 0 0,015

22.1 0.43 0.052   308 294 0 0 0 0,090

19.3 6.60 0.510   307 122 48.0 1  0 0 0,123

5.85 0.20 0.0381250 114     …O  i  O

0.0803 0 4.61 0.12 ・.・・5i17・

87.0 0 0 0 0

4.41 0.48 0.033i219 50.3 0 0,227      ト

0.0478 0,200 6.91 0.43

      1

O,094 1 533 225 6.95

0.15710.0018      1

0.59

6.38 0.15 1 0.043     …

256 473 5.70 ・1 0 1,321

8.03 o,0610,022 218 60.0 ゜  °1 0 0

6.13 0 tα・25 211 59.0 o i o 1 0 0,483

8.84 o lo・043 156 28.5 6・41 0 t o 0

(6)

8.鉄イオン:オルソフェナンスロリンによる比色法   7.塩素イオン

を用いた。       塩素イオンの含量は,13.5〜1,010π9/4の範囲である 9.マンガンイオン:ホルムアルドキシム法による比  が,ピン度分布からは100説9〃以下が18ヵ所,100〜500

色法によった。      π9/4が14カ所,500π9〃以上が3ヵ所である。塩素は       ■

10・アンモニア性窒素:ネスラー試薬による比色法に  陰イオンにおける主要成分である。

よった。      8.重炭酸イオン

11・亜硝酸性窒素:Griess−Romijn試薬による比色法   重炭酸イオンの含量は,61.1〜533舵9〃の範囲である によった。      が,ピン度分布からは,200〜300π9/4が13ヵ所,30伽9 12・ リン酸イオン:モリブデン青法による比色法によ  〃以上が11ヵ所もあり,重炭酸イオンの含量の多い地

った。       下水とみることがでさる。

13・銅・鉛・亜鉛・カドミウム:日立207型原子吸光   9.硫酸イオン

光度計を用いて測定した・      硫酸イオンの含量は,0.0〜60.0認引6の範囲である        が,0〜痕跡程度のものが相当数を占めている点におい

hV 分析結界とその考察       て,本地域の地下水の特徴がみられる。

分析結果を第1表に示す。採水は昭和44年5刀22日〜   10・ アンモニア性窒素

9月4日にわたって行なった。      アンモニア性窒素は一般には含有されていない(20ヵ

〔1〕地下水の化学成分の含量の概観         所)が・最高はL助9/6の値を示す・

1.水温       11・亜硝酸性窒素

水温は15〜22.5°Cの範囲にあり,ばらつきがあるが,  亜硝酸性窒素の含量は,アンモニア性窒素の含量より 普通の地下水と同様16℃前後のものが多い・しかし・  も少なく・かつ検出井戸数も少ない。

一般に浅層水と深層水は水温が高く,中間層のものは低  12. リン酸イォン

い傾向がある。       リン酸イオンの含量は,0〜2・76π9/4の範囲にある 2.pH      が,ピン度分布からは0〜0・5加9/4のものが最も多く,

pHは5.8〜8.6の範囲にあるが,ピン度分布からは・  この中には0のものも少なくない。

7.0〜7.5が15ヵ所,8.0以上が14ヵ所もあり,本地域の   13. マンガンイオン

地下水はpHの高いことに特徴がある。         マンガンイオンの含量は一般に少なく,最高は0.791 3. カリウムイオン       π9/4である。概して深井戸の方が含量の少ない傾向が カリウムイオンは,0.90〜30.1π9/4の範囲にあるが,  ある。

ピン度分布からは・10・1〜20励9/4のものが23ヵ所もあ  14.鉄イォン

り,この範囲のものが最も多い。カリウムイオンは,他   鉄イオンの含量は,0〜16.9加5〃の範囲であるが,

の主要イオンの含量に比べて,一般に少いが,この含量  0.5耀2紹以下のものが多い。鉄の含量は硫酸イオン,ア 関係は井戸の深度とほぼ逆関係にある。        ンモニァ性窒素などとは逆相関の傾向を示している。

4・ ナトリウムイオン       15.銅・鉛・亜鉛・カドミウム

ナトリウムイオンの含量は・14・0〜660剛4の範囲に   この4元素については,特に7点を選らび分析したも あるが,ピン度分布からは,50〜100配9/4が11ヵ所で比  のである。銅の含量は1.01x10−2〜3.70x10−3加9/6,

較的多いが,20伽9〃以上のものが12ヵ所もあり,陽イ  鉛は0または痕跡,亜鉛は0.061〜0,1008形9/4,カドミ オンの主要成分である。      ウムは痕跡程度から0.010加9/4である。これら元素の含

5. カルシウムイオン      量は極めて微量であるといえる。

カルシウムイオンの含量は・0・7〜62・9π9/4の範囲に   〔五〕地下水の化学成分の総括 あるが,ピン度分布からは2吻//4前後のものが最も多   1.竃気伝導度

い。      第3図に示すように電気伝導度μσcmと塩素含量と 6・マグネシウムイオン       は正の相関をもって変動している。すなわち地下水の電 マグネシウムイオンの含量は,1・29〜37・7π2/4の範  気伝導度は,その溶存イオンの総量に関係があるが,こ 囲であるが,ピン度分布からは5〜1伽9/ 4のものが最も  の図から読みとれることは,それが塩素によって代表さ 多い。      れることを意味する。換言すれば,電気伝導度を測定す

(7)

高瀬:地下水の地球化学的研究 (第2報)       165

4000 R000

2000

電気伝 1000

ア達

      も8       ●  8      ■

@      ●、

E       8 °

o⊥ 500 ● ●●の●  ●

畳  400  ●●●

●   ●

200

100

oL0   10       20   30  40 5060     100      200   300 400500      1000

第3図  電気伝導度と塩素との関係

ることによ・て塩羅や溶存総野推定することが可 15°〜16°mのものに分けることができる・浅層地下水は 能である。このことについては前 もふれたが,一つに  例外なく塩素の含量が100記9彬以下である。深層水Aの は水質の性格・例えば水質の変質などについても知るこ  含量は100加9〃以下の低量を示すものと,2CO〜500加9/4 とができる。この点からみると本地域の地下水はあまり  を示す高含量のものに2分される。ここで,この高含量 変質されイいないこと,すなわち初生的性格をもってい  を示すものは,一般に第1図の基線XYの線上周辺に分 るものと考えられる・       布する傾向があり,低含量を示すものは,このXY線の

2・pHと深度との関係       両側に分布する傾向があるが,利根川側には部分的に高 第3図に示すようにpHと井戸の深度との間には,正  含量を示すブロックもある。これらのことは資料が少な の相関がみられ,深度の増加とともにpHが高くなる。  いため正確にはいえないが,堆積環境の相異による結果 すなわち・深層水のPHの増加する原因はつぎのような  と推定される。また深度90〜110tUのB層の塩素含量は1 変化によるものと考えられる。すなわち・有機物の分解  つの例外を除いては5伽9,・4程度の含量を示す。なお深 に関係があり,タンパク質の加水分解によって生じたア  度150〜160mにあたるC層の塩素含量は,50〜100加2〃

ミノ酸は,       である。したがって,塩素含量と深度との関係からは,

RCHNH2COOH−→RCH,NH2十CO2     AとB, C層とは完全にその性格が異なり,またBとC に分解され・ここで生じたCO・は,         層との間にも相異がある。これらの関係は他成分の含量

CaCO3十CO2−→Ca+2+2HCO3一@      からもその相異が認められる。

の反応が進行し,HCO3一を生成してアルカリ性となる   4.主要化学成分からみた地下水の性格

ことに関係があり,本地域のpHについてもほぼこの反   本地域の地下水の化学的性格を明らかにするため,主 応で説明できる。       要陰陽両イオンの当量百分率を求め,三角座標(第5,6

3.塩素含量と深度との関係      図)とKey Diagram(第7図)によって表現した。

第2,3図に示すように本地域の帯水層は大約2つに分   まず陽イオンの含量関係から考察すれば,_般にNa十 類される。すなわち,10m以浅のいわゆる浅層地下水と  K>Mg>Caの性格を示すものが最も多く(19点),つ 40m以深の深層地下水である。この深層地下水はさら  ぎにNa十K>Ca>Mgが11点一喬一部にはMg>Ca>

にA・B・Cの3つに分けられる・A層は瀬40〜60m K+N・,まれに1まMg>N・+K>C・, C。>Mg>N、+K のもの・B層は深度90〜110m前後のもの, C層は深度  の性格を示すものがあるが,陽イオンの主成分として

(8)

Cl mg/i

0 100       200      300       400       500      600       700       800       900      1000

o       ●

150        ●●0  0

      、

潤@      ●

0       9

100

ぐ7こ

{木

m

o     o         ●   ■●      6

o      ●

O    o       ●    ●

o  o      ●   ● o      ● 50 o       ●         ○

o

o      ● 0   0       ●●

00       ●       ●   ●

o       ●

●       o

酌㌃

 ■

怐@ PH 凡例

O       ●      O  CI mg/1 o  o       ●      ●

co       ●

0 6       7       8      9

pH

第4図  深度とpH,塩素量の関係

(9)

高瀬:地下水の地球化学的研究 (第2報)      167

K十Na

16    23

。・櫨妬

13キ,

B33晃『o 34o薯o

o12 20o

25o

,90

ド35 ♀

o習4

0      1 11

2亭0

Ca M9

第5図  K十Na−Ca−Mg当量百分率

C1

15 16 324

o23

β lo 25 26

08

5    14

慰\・㌦・・

q  \

      0273  3ヰ      07

2置 瀞       ol2

20

罰    \

 336

17

BC(㌔       SO4

第6図  C1−HCOrSO4当量百分率

(10)

100%

o

ダ       なx

δ

呂。1ヰv0

11

0       0 24      7

・ 8・ 品。ダ   。

量8・@       Ol5

139 4。°・6

。    £ピも

o

0      32 v/      8

o2

写  易£訟

2q

㌔伯訓鍛劉o

Oo303  0

21

017

100%

第7図  Key Diagram

(11)

高瀬:地下水の地球化学的研究 (第2報)      169

は・Na十Kで特にNaによって特徴ずけられる。     試料    ……・      C・・㎞・閃

Wo 8   7   6   5   4   3   2   1   0    1   2   3   4    5   6   7   卜8

 また陰イオンの含量関係をみれば,第6図からわかる      1

謔、に,HCO3>Cl型に属するものが22点で最も多く。      2他はすべてCl>HCO3型である。ここで, CI 300加9〃

〈王;〉

以上のものはすべてCl型を示す特徴があり,それ以下   3 ではHCO3型を示すものもある。一般に深層地下水A層   4 フ塩素含量100π9/4に属するものはHCO3型に属する傾   ・

〈長ウ  」

V  ,

向がある。      ・ さらに地下水の性格を調らぺるため,Na十K, Ca十   7

巳        ト

Mg,Cl+SO4, HCO3の4成分系からなるKey Diag一   お  ,轣r

ramによって第7図に表現し,検討してみる。この水質組      9

成はつぎのように区分される。      10

@1  Carbollate hardness type      U

@皿  Carbonate alkali type      12

@皿 Noncarbollate hardness type

 1qiP> .電 ,優 L

       13 PV Noncarbonate alkali type

《レ ,

       14 u Intermediate Zone type

守 π

Key DiagramからはW型に属するものが最も多く,    1

一ぐ三王∋》   ,

ついで,V,LI型となる。IV型に属するものは,   16

〈{葺〉   .

NaClまたはNa2SO4で特徴づけられるが,本地域のも    のは第5図が示すようにSO4が少ないことより, NaCl   I8 型に属し,Ca十Mgの含量が少ないことを意味する。こ   ・・

のW型に現海水の値をプロットすれば,C印のところに   2。

該当するが,本地域のものは,それより大部分のものが   2、        レ

P

菱型の下側部分に位置することより・現海杢壽単に希釈   卸 隠畦       ,

されたものでないことがわかる。例えば前報の紀の川に      23 ィいて逆流する海水の値からもよく理解することができ      24 驕C∬型はCl, SO4が乏ぼしく, NaHCO3で特徴づけ      25

轤黷驍烽フで,水質区分からは停帯性の地下水といえ

 ,

q王〉  − 1

@暉早п@,

      26 驕B

ぐ夢〉 ,

さらに,これらの関係を考察するため,Hexa Diagr−   2

8

(9)

amによっーて解析してみる。第8図のHexa Diagramは   28 主成分のミリグラム当量をとり,タテ軸線を中心に,片   29 側に陽イオンの値を,Ca2+十Mg2ちK++Na+・Fe2+   3・

の順に,反対側に陰イオンの値をHCO3『, C1『, SO42−   31 フ順に横軸線上により,各線の未端を結び六角形の水質   ・

 ■禔r ■〈ユ三≡三・〉

図を示したものである。この特徴は,図形の大きさがそ   認 1 のまま溶存成分の量を表わす。HCO3一とCa2+十Mg2+,   銅

Cl一とK+十Na+いうように相対応するイオンをならぺ      35

驍フで,溶存成分がどのような塩類として存在するかが

   1

分り,地域的,水系的特長がつかみやすい。硬度はCa2+       凡例

HCO3       Ca2+十M呂2+

十Mg2+で表わされ,また汚染,海水の影響なども一見     Ibr       K←十Na+

して分る。深度別の比較,地質別による表流水,地下 SO竃         Fe    6

水,温泉水等の区別も判断しやすい。などの特徴があ        第8図 Hexa Diagram る。      (注)図中点線で表示したものは1G倍量の値を示す

(12)

第8図に示したHexa Diagramを分類すれば大約4 ら水質的議論ができにくい・したがってこの値は単なる つの型に分類されるが,〔B〕型はさらに〔Bユ〕,〔B2〕  資料として提出しておく。

型に分類できる・〔A〕型は採掠(6・24・27,35),   第2表微量齢属成分の分析表

〔B、〕型は採水点(3,17,19,21,30,33・34),〔B1〕

^は採水点(1,9,18,22,28,29,31),〔C〕型は採 単位魏9/6

水点(2,4,8,10,12,13,15,16,23,25,26・32),

kD〕型は採水点(5,7,11,14)にそれぞれ該当する。

\  成分 \

m。ン・

      1 1Znl   Cuドb 1、r冒_一一一

 Cd

オ 一一一幽一η{

一冒圓一

ここで・Hexa DiagramとKey Diagramを併用し 1 2.12×10−3 trace

0.10081t,ace    1

一一一

_7一一一一一一

て擦すると,第9図のようにほぼ〔A〕型は1型に・

P6 1.01xlO−2 0 0.0934 │一一一trace

〔B・〕型は皿型に,〔B・〕型はV型(菱形の下側)に・ 18

2.60×10−3 一}1−一 一一一一一一一一

@〇.0810 0,007

〔C〕型は1V型に,〔D〕型はV型(上側の菱形内のもの)  1 1

に相当する。これらの型を,主要化学成分の含量,深度 1・・a・e

一一一一一一

Z.0801   一一 Z,007 等からみると,〔A〕型に属するものはCa(HCO3)2を主 21 PZ67・1・→i・ 0.0667 trace 成分とする型で比較的流動的のある地下水と勘れる          1Q6     1.23×10−3   0 0.0610 0,OlO

また〔D〕型も流動性に富むものと判断できる。〔Bコ型

1  33

k−一 3・7・・1・−3

「・a・・iα・677{・       肝一一一一一 胃ゴ

A型

1

V 今後の課題

B1型 この化石海水を含む滞水層は沖積世と洪積世の不整合

1 面付近の層準に当るものと推定されるが,今後本地域の

(7)

B型      Boring資料を集めることによって確認したい。木内ら はこの地下水と対比できる利根川下流域の地下水の年代

B2型

@      1

を堆積層の関係から,1〜L5万年と推定しているが,こ れについても14C等の測定によって認めてみる予定であ

る。

さらに本地域の下流域については第3報でのぺるつも

C型       1 りである。

w 結 論

       l c型

利根川下流域の竜ケ崎・取手市付近の地下水の化学成 分を分析し考察した。以上の結果を要約するとつぎのよ

うになる。

第9図地下水の化学繊図    、.本地域の地下水の,Hは,深度と正の相麟係が

に属するものは深層水であること,SO、2一を含まないこ    ある。

となどからみて,還元注の状態にあると推定される。し  2。本地域の地下水の帯水層は・大きくみて10m以浅 たがって,停滞性の地下水であると解釈できる。〔C〕型    のもの,40〜60m・90〜110m,150〜160mの4層に に属するものは,NaClに富み,海水から変質したいわ    分類される。

ゆる化石海水と解釈され,SO42の減少,鉄,アンモニ   3.塩分濃度の高い地下水は40〜60mのB層に関係が ウムの増加等からみて,停滞性の地下水と考えられる。    あり,この地下水は化学成分から化石海水であると

5.微量金属元素について       解釈できる。       ㌧

7点の試水について,Cu, Pb, Zn, Cdの分析を行な   4. Key Diagram, Hexa Diagrarnから考察すれ い第2表に示した。       ば,Hexa Diagramの〔A〕型はKey Diagramの 従来の研究において,地下水,化石海水中の重金属元    1型に,〔B1〕型は∬型に・〔B2〕型はV型に・〔C〕

素の分析はあまり行なわれていないので,このデータか   型はW型に,〔D〕型はV型に相当する。

(13)

高瀬:地下水の地球化学的研究 (第2報)       171

5・地下水の化学的性格から〔A〕,〔D〕型は比較的  (3)高瀬一男:北関東の水理地質学的研究(第3報),茨 流動性iのある地下水であり,〔B〕,〔C〕型は停滞性      城大学教育学部紀要,第16号,(1966).

の地下水といえる。       (4)高瀬一男二新潟ガス田付随水の化学的研究,未発表 終りにのぞみ,現地採水と分析にご一協力いただいた川  (5)木野義人:埼玉県久喜付近の地下地質と深層地下水・

亦正和,寺内重雄,,野上泰男氏および採水にご案内を     地質調査所月報・第16巻・第5号(1965)・

      (6) 島田忠夫・牧野登喜男・牧真一:茨城県新利根川流域いただいた取手市立取手第一中学校谷田部敏夫教諭なら

      天然ガス調査報告,地質調査所月報,第3巻,第6号,びに重金属分析にご協力いただいた茨城県衛生研究所化       (1955).

学部仲田,菊地技官に感謝の意を表します。      (7) 木内四郎兵衛・岩下茂子:利根川下流域における地下

水,地理学評論,第41巻,第7号,(1968).

参 考 文 献       (8)高瀬一男:地下水の地球化学的研究(第1報),茨城大

(1)高瀬一男・木内豊・栗木幹生:茨城県における鉱泉の地       学教育学部紀要・第19号・(1969)・

球化学的研究,温泉科学,第20巻,第3/4号,(1970).   (9) 小西泰次郎:秋田県横手盆地の水理地質学的研究・地

(2)高瀬一男:北関東の水理地質学的研究(第2報),茨       質調査所報告・第216号・(1966)・

城大学教育学部紀要,第14号, (1964).

Geochemical Studies on Ground Water(2)

一Chemical Characteristics of Ground Water in the Environs of Ryugasaki and Toride,

the Area along the River Tone in Ibaraki Prefecture一 Kazuo Takase

(Faculty of Education, Ibaraki University)

Abstract

Thirty−f三ve samples of ground water were coUected from the area along the River Tone in Ibaraki Pref. in 1969. A chemical analysis was carried out on these samples and the results were as fo110ws:

(1) pH of the ground water in this area is correlated with the depth of the layer.

(2) The water−bearing stratum in this area may be divided broadly into four;曲allo。

wer than 10m,40m〜60m,90m〜110m,150m〜160m.

(3) The ground water containing much salinity is connected with 40m〜60m stratum,

and this water is interpreted as Connate Water according to its chernical composition.

(4) Judging from Key Diagram and Hexa Diagram〔A〕type of Hexa Diagram is equival一 ent to I type of Key Diagram,〔B1〕type to皿type,〔B2〕to V,〔C〕to W,〔D〕to V.

(5) The chemical properties of the ground water can be classified into two types, na一 mely, the fluidal ground water type(〔A〕and〔D〕types)and the stagnant ground water type(〔B〕and〔C〕types).

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