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グループ構成が話し合いに及ぼす効果

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Academic year: 2021

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(1)

埼玉大学紀要 教育学部(教育科学,51 2( ):1-8 2002( )

グループ構成が話し合いに及ぼす効果

**

清水 誠 ・小峰 香織 キーワード:理科授業、中学校、グループ構成、話し合い

研究の背景と目的

近 年 、 学 び を 新 た な 視 点 か ら 捉 え る 研 究 が 盛 ん に な さ れ る よ う に な っ て き た 。 ヴ ィ ゴ ツ キ ー は 、 子 ど も が 自 分 一 人 で で き る レ ベ ル と 教 師 や 仲 間 の 援 助 に よ っ て で き る レ ベ ル と の 間 を 発 達 の 最 近 接 領 域 と 名 付 け 、 子 ど も の 精 神 発 達 を 他 者 と の 関 わ り の 中 で 言 語 が 内 化 し て い く 過 程 と し て 捉 え て い る1 )。 佐 藤 公 治 は 、 社 会 的 構 成 主 義 の 学 習 論 で は 人 は 他 者 と は た ら き か け 合 う 中 で 自 ら の 考 え ・ 知 識 を 構 成 し て い く と し 、 人 と の 相 互 作 用 の 中 に 知 識 構 成 の 契 機 を 求 め て い る と す る2 )。 認 識 の 成 立 を 個 人 の 頭 の 中 と い う 閉 じ た 系 の 中 で の で き ご と と 考 え る の で は な く 、 他 者 と 相 互 作 用 し 合 い 、 協 同 活 動 す る 経 験 と 過 程 の 中 で 可 能 に な る と 考 え て い る 。 こ う し た 新 た な 学 び の 捉 え 直 し は 、 こ れ ま で の 我 が 国 の 教 育 の 中 で 最 も 大 き な 割 合 を 占 め て き た 一 斉 指 導 に よ る 指 導 方 法 か ら 、 小 集 団 に よ る 話 し 合 い 活 動 を 取 り 入 れ た 指 導 方 法 を 従 来 以 上 に 取 り 入 れ る必要性があることを示唆している。

先 行 研 究 を 話 し 合 い 活 動 を 行 う グ ル ー プ の 構 成 に つ い て 絞 っ て 調 べ て み て も 、 グ ル ー プ 活 動 を 取 り 入 れ た 学 習 指 導 の 実 態 を 探 っ た 梶 田 ら3 )

や 清 水 ら4 )、 ソ シ オ メ ト リ ッ ク な グ ル ー ピ ン グ の 効 果 を 調 べ る 遠 西 ら5 )、 多 変 量 解 析 で 分 類 し た グ ル ー プ 分 け 指 導 が グ ル ー プ 分 け 指 導 に 有 効 か を 調 べ た 古 谷 田 ら6 )、 能 力 差 に 応 じ た グ ル ー プ 編 成 に よ る 効 果 を 検 討 し た 相 沢7 )、 学 習 集 団

* 埼玉大学教育学部理科教育講座

**伊藤忠商事株式会社(派遣)

づ く り と 学 習 の 仕 方 の 習 得 を 検 討 し た 高 籏8 )、 対 話 の 発 生 と そ の 要 因 に つ い て 探 っ た 藤 田9 )、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 指 導 を 行 っ た 時 に 生 起 す る 生 徒 の 変 容 を 探 っ た 杉 山 ら 10)、 グ ル ー プ 内 で 自 発 的 に 発 生 し た 役 割 を 分 析 し た 相 原 ら 11)、 見 解 不 一 致 群 と 見 解 一 致 群 を 比 べ 科 学 的 見 解 に お け る確信度が高まるかを探った脇元ら 12)等多くの 研 究 を 見 る こ と が で き る 。 ま た 、 五 十 嵐 は グ ル ー プ 編 成 の た め の 観 点 と し て 、 ① 無 作 為 に 編 成 す る グ ル ー プ 、 ② 学 習 能 力 を も と に 編 成 す る グ

、 、

ループ ③課題意識をもとに編成するグループ

④ 人 間 関 係 を も と に 編 成 す る グ ル ー プ を 挙 げ 、 実 施 に 当 た っ て は 、 目 的 に 合 わ せ て 柔 軟 に 構 成 すべきであるとする13)

し か し な が ら 、 こ れ ら の グ ル ー プ 構 成 に つ い て の 研 究 か ら は 、 グ ル ー プ を 構 成 す る 生 徒 達 の 学 習 前 か ら 保 持 し て い る 考 え 方 の 違 い が 理 科 学 習 の 話 し 合 い に ど の よ う な 影 響 を 及 ぼ す か を 明 ら か に し て い な い 。 そ こ で 、 本 研 究 で は 、 話 し 合 い の 効 果 を 高 め る こ と を 目 的 と し て 、 グ ル ー プ構成のあり方を検証することにした。

研究の方法

本 研 究 で は 、 中 学 校 段 階 の 生 徒 で は 、 学 習 課 題 に 対 す る 予 想 や 仮 説 が 異 な る 生 徒 同 士 で 小 集 団 を 構 成 し た グ ル ー プ ( 以 下 、 異 質 グ ル ー プ と 記 述 す る ) に し て 話 し 合 い を さ せ る と 、 話 し 合 い が 活 性 化 さ れ 、 そ の 効 果 と し て よ り 多 面 的 な 見 方 や 考 え 方 が 生 ま れ る と 考 え た 。 そ こ で 、 異 質 グ ル ー プ で グ ル ー プ 構 成 し た ク ラ ス と 、 学 習 課 題 に 対 す る 予 想 や 仮 説 が 同 じ 生 徒 同 士 で 小 集

(2)

団 を 構 成 し た グ ル ー プ ( 以 下 、 等 質 グ ル ー プ と 記 述 す る ) の ク ラ ス を 意 図 的 に 作 成 し 、 話 し 合 い の 様 子 を 記 録 し た プ ロ ト コ ル の 量 的 ・ 質 的 な 比較分析を試みる。

実験授業の実施

実 験 授 業 は 、 中 学 校 3 年 生 の 学 習 内 容 「 生 物 の 世 界 の つ な が り ( 平 成 元 年 に 告 示 さ れ た 学」 習 指 導 要 領 の 第 2 分 野 の 内 容 ( )ウ (イ)) で 実 践5 し 、 学 習 課 題 を 解 決 す る た め の 実 験 方 法 を グ ル ープで考えるところまでの過程を調査した。

実験授業の概要

(1)調査対象

埼 玉 県 内 の M 中 学 校 3 年 生 を 対 象 に 、 意 図 的 に 異 質 グ ル ー プ を 構 成 し た ク ラ ス ( A 群 ) と 等 質 グ ル ー プ を 構 成 し た ク ラ ス ( B 群 ) の 2 ク ラ ス で 実 施 し た 。 調 査 者 数 は 、 次 の 通 り で あ る 。

・A群:男17人、女13人、計 30

・B群:男18人、女12人、計 30

(2)調査時期

実 験 授 業 は 、200111 月 9 日 の 3 校 時 と 5 校 時 に 教 職 経 験 23 年 の S 教 諭 の 指 導 で 実 施 し

2001 11

た 。 な お 、 実 験 授 業 を 実 施 す る 前 の 年

、 ( )

月7日に 学習課題に対する生徒の予想 考え

を事前調査し、グループ構成を行った。

(3)単元の指導計画

授 業 は 、 下 記 の よ う に 9 時 間 扱 い で 実 施 し た 中 の 5 時 間 目 、 落 ち 葉 や 土 の 中 の 動 物 と 微 生 物 の始めの時間である。

「小項目名 生物の世界のつながり」

1 . 食 物 に よ る つ な が り ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 時 間 2.落ち葉や土の中の動物と微生物

( )

・・・4時間 本時1/4 3 . 自 然 界 の ま と ま り ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 時 間

(4)実験授業

実 験 授 業 は 、 2 ク ラ ス と も 図 1 の よ う な 流 れ

。 、

で実施した 話し合いの様子を記録した部分は 自 分 の 考 え を グ ル ー プ 内 で 発 表 し 、 実 験 方 法 を 考える場面まで(*の部分)である。

(5)調査方法

A 群 と B 群 の 話 し 合 い 時 間 、 話 し 合 い の 内 容 や プ ロ ト コ ル 数 を 比 較 す る た め 、 ビ デ オ カ メ ラ とテープレコーダーによる記録を行った。

事前調査とグループ構成

(1)目的と方法

生 徒 の 予 想 ( 考 え ) の 違 い に よ り グ ル ー プ 分 け を す る た め 『 落 ち 葉 が 消 え て な く な る た め、 に 最 も 重 要 な 原 因 は 何 だ と 思 い ま す か 』 と い う 問 い に 対 す る 生 徒 の 考 え を 質 問 紙 法 を 用 い て 調 査 し た 。 な お 、 予 備 調 査 で 生 徒 の 予 想 ( 考 え ) が 判 断 し に く い 場 合 が あ っ た た め 、 そ の 理 由 も

班で話し合いながら2つの課題に取り組むことを知る

↓ 班替えをする

課題 落ち葉がなくなる原因とそれを確認する実験方法を考えよう

各自の考えをグループ内で発表する

*記録部分

班で話し合い、自分達なりの予想を決める

自分達の考えを証明するための実験方法を考える 図1 授業の流れ

(3)

併せて記述させた。

(2)結果

回 答 を 集 計 し た 結 果 、 ① 微 生 物 、 ② 微 生 物 や 虫、③虫、④ 雨や水分、⑤その他の5つの考え に 大 別 す る こ と が で き た 。 A 群 と B 群 の 回 答 の 内訳は、表1の通りである。

A 群 と B 群 を 比 較 す る と 、 B 群 に そ の 他 が や や 多 い が 両 群 と も に 質 的 に は 同 じ で あ る と 言 え る。

(3)グループ構成

事 前 調 査 を も と に 、 A 群 は 予 想 ( 考 え ) が 異

表1 事前調査結果の内訳

① ② ③ ④ ⑤ 欠席

10 3 6 4 6 1

A群

6 3 3 4 11 3

B群

表2 A群(異質グループ)の各生徒の考え 1班(4人) 暖かく湿っぽいところ、小さな

虫、微生物、風

2班(4人) 微生物、細菌や虫、虫、風 3班(4人) 微生物、小さな生物、虫(イモ

虫 、雨)

4班(4人) 水(雨 、虫、微生物、微生物) 5班(3人) 土、微生物、腐る(酸化)

6班(3人) 微生物、土(埋もれる 、虫) 7班(4人) 微 生 物 、 虫 、 太 陽 の 光 ( 事 前、

調査休み)

8班(4人) 微生物、雨、虫、葉の重み

表3 B群(等質グループ)の各生徒の考え 1班(4人) 土に帰る(腐る、粉々になる) 2班(4人) 雨や水分

3班(4人) 微生物が食べる 4班(3人) 虫

5班(3人) 微生物が分解する(事前調査1 人休み)

6班(4人) 土に帰る(木の下に積もって土 にとけ込む)

7班(4人) 風(事前調査1人休み)

8班(4人) 微生物と虫 事前調査1人休み)(

な る 生 徒 で グ ル ー プ を 構 成 し 、 B 群 は 予 想 ( 考 え ) が 同 じ 生 徒 で グ ル ー プ を 構 成 し た 。 A 群 と B 群 の 事 前 の 生 徒 の 考 え 方 は 、 表 2 と 表 3 の 通 りである。

な お 、 1 グ ル ー プ の 人 数 は 4 人 を 基 本 と し 、 3 人 の グ ル ー プ も あ る 。 ま た 、 各 グ ル ー プ に 司

、 会進行や話し合いのまとめ役の班長をおくため 質 問 紙 に よ る 調 査 と 同 時 に 班 長 に ふ さ わ し い 生 徒 を 男 女 2 人 ず つ 用 紙 に 記 述 さ せ 、 各 グ ル ー プ

。 、

に一人ずつ班長候補が入るよう考慮した A群 B 群 と も に で き る 限 り 男 女 混 合 に な る よ う に し た が 、 B 群 は 同 じ 考 え 方 の 生 徒 を 集 め た た め 、 男女比に偏りがある。

分析の方法

(1)話し合いの量的分析の方法

話 し 合 い が 活 性 化 し て い る か を 探 る 量 的 な 指 標 と し て 、 話 し 合 い の 時 間 と プ ル ト コ ル 数 を グ ル ー プ ご と に 算 出 し 、 A 群 と B 群 を 比 較 し た 。 な お 、 実 験 授 業 で は 話 し 合 い の 時 間 は 教 師 の 側 か ら は 設 定 せ ず 、 グ ル ー プ の 考 え が ま と ま る ま で話し合いをさせた。

(2)プロトコルの質的分析の方法

話 し 合 い の 内 容 を 質 的 に 分 析 す る た め 、 A 群 とB群のプロトコルを分析した。

話 し 合 い の 分 析 の カ テ ゴ リ ー を 末 吉 は 、 受 け 手 の な い 単 な る 発 言 、 相 手 の 発 言 を 受 け 止 め た 積 極 的 発 言 、 相 手 の 発 言 に た い す る 簡 単 な 応 答

( う ん ・ あ あ ・ い や 等 、 相 手 の 発 言 に 何 ら か) の 関 係 は あ る が そ れ を は っ き り と 受 け 止 め て い な い 発 言 、 指 名 ・ 注 意 ・ ま と め と い っ た 話 し 合 い の 進 行 を 調 節 す る 発 言 、 阻 害 す る 発 言 の 6 つ に カ テ ゴ リ ー 分 け し て い る 14)。 ま た 、 佐 藤 は 発 話 を 、 提 案 、 主 張 、 反 論 、 反 対 、 質 問 、 支 持 、

、 、 、 、

自説精緻化 他説精緻化 追加 自説繰り返し

他説繰り返し、否定的評価、説明、理由の 14の カ テ ゴ リ ー に 分 類 し て い る 15)。 本 研 究 で は 、 佐 藤 が 分 類 す る 発 話 カ テ ゴ リ ー は 末 吉 の 6 つ の カ テ ゴ リ ー の 中 に 含 め る こ と が で き る と 考 え 、 図 2 の よ う に 、 い ず れ に も 入 ら な い そ の 他 を 加 え た 7 つ の 発 話 カ テ ゴ リ ー に 分 け 分 析 す る こ と に した。

(4)

Ⅰ 受け手のない単なる発言

Ⅱ 相手の発言を受け止めた積極的発言

①自分の考え、②疑問・質問、③他人の発 言を受けた発言、④自分の考えや既有の知 識の説明

Ⅲ 相手の発言に対する簡単な応答

Ⅳ 相手の発言に何らかの関係はあるが、そ

れをはっきりと受け止めていない発言

Ⅴ 話し合いの進行を調節する発言

Ⅵ 阻害する発言

Ⅶ その他

図2 プロトコル分析のための発話カテゴリー

な お 、 佐 藤 が 分 類 し た 発 話 カ テ ゴ リ ー の 提 案

・ 主 張 は Ⅱ ① の 「 自 分 の 考 え 」 に 、 質 問 は Ⅱ ② の 「 疑 問 ・ 質 問 」 に 、 反 論 ・ 反 対 ・ 支 持 ・ 他 説

「 」 、

精緻化はⅡ③の 他人の発言を受けた発言 に

自 説 精 緻 化 ・ 追 加 ・ 説 明 ・ 理 由 は Ⅱ ④ の 「 自 分 の 考 え や 既 有 の 知 識 の 説 明 」 に 、 自 説 繰 り 返 し

・ 他 説 繰 り 返 し は Ⅲ に 、 否 定 的 評 価 は Ⅳ に 入 れ ることにした。

分析結果と考察

(1)話し合いの量的な分析 1)話し合い時間の比較

話 し 合 い に 要 し た 時 間 を グ ル ー プ ご と に ま と めたものが、表4-1 と 表4-2 である。なお、表 中 の 「 そ の 他 」 と は 話 し 合 う べ き 内 容 と は 逸 脱

( )

あるいは無関係な会話の時間と間 無言の状態 を集計したものである。

A 群 と B 群 の 各 グ ル ー プ が 話 し 合 い に 要 し た 平 均 の 時 間 数 を グ ラ フ に 示 す と 図 3 の よ う に な る 。 平 均 話 し 合 い 時 間 数 を 比 較 す る と 、 異 質 グ ル ー プ で 構 成 し た A 群 が 等 質 グ ル ー プ で 構 成 し たB群より時間数が長いことがわかる。

2)プロトコル数の比較

班 ご と に 発 生 し た プ ロ ト コ ル 数 を 記 録 し た 結 果は、表5-1と表5-2のようになった。

話 し 合 い 全 体 の プ ロ ト コ ル 数 は 、 A 群 で は

件、B群では 件となり大きな差がある

1205 606

こ と が わ か る 。 な か で も 、 発 話 カ テ ゴ リ ー の Ⅱ

表4-1 話し合い時間:A群(単位:分)

話し合い その他 計

1班 25 5 30

2班 8 16 24

3班 12 4 16

4班 12 9 21

5班 16 3 19

6班 28 2 30

7班 15 9 24

8班 8 7 15

平均 15.5 6.9 23.4

表4-2 話し合い時間:B群(単位:分)

話し合い その他 計

1班 11 5 16

2班 9 1 10

3班 17 12 28

4班 10 7 17

5班 5 0 5

6班 5 0 5

7班 8 1 10

8班 7 6 13

平均 9.0 4.0 13.0

図3 話し合いの時間数比較

においてA群では 608 件、B群では 216 件とプ

。 ロトコル数に大きな差が見られることがわかる

A 群 と B 群 の プ ロ ト コ ル 数 を 発 生 割 合 で 比 較 す る と 図 4 の よ う に な る 。 こ の グ ラ フ か ら も 異 質 グ ル ー プ で 構 成 し た A 群 の 方 が 、 発 話 カ テ ゴ リ ー Ⅱ ( 相 手 の 発 言 を 受 け 止 め た 積 極 的 発 言 ) の対話部分の割合が 50 %とB群の 36 %に対し て多いことがわかる。

時間数比較(平均)

15.5

7

22

9

4

13

0 5 10 15 20 25

話し合い その他

A群 B群

(5)

表5-1 グループごとのプロトコル数:A群

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ 計

16 72 19 3 8 0 3 121

1班

4 51 19 8 16 13 6 117

2班

3 40 7 3 26 0 4 83

3班

7 32 19 2 26 0 9 95

4班

19 93 32 11 33 0 6 194

5班

20 173 60 6 62 0 6 327

6班

10 115 32 10 29 0 3 199

7班

3 32 15 3 15 1 0 69

8班

82 608 203 46 215 14 37 1205

表5-2 グループごとのプロトコル数:B群

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ 計

17 39 24 5 19 0 3 107

1班

5 25 14 8 14 1 0 67

2班

7 51 23 8 46 9 0 144

3班

2 26 21 9 14 3 1 76

4班

0 13 4 6 21 0 0 44

5班

0 9 1 0 9 0 0 19

6班

5 23 20 9 13 0 2 72

7班

4 30 24 2 14 0 3 77

8班

40 216 131 47 150 13 9 606

図4 プロトコルの発生割合の比較

次 に 、 カ テ ゴ リ ー Ⅱ の 発 話 部 分 を さ ら に 詳 し く 調 べ る た め 、 Ⅱ の 発 話 部 分 を ① 自 分 の 考 え 、

② 疑 問 ・ 質 問 、 ③ 他 人 の 発 言 を 受 け た 発 言 、 ④

、 自分の考えや既有の知識の説明の4つに分類し グラフを作成してみたものが図5である。

結 果 は 、 い ず れ の 項 目 も 異 質 グ ル ー プ で 構 成 し た A 群 の 方 が プ ロ ト コ ル 数 が 多 い こ と が わ か

7 7

36 50

22 17

8 4

25 18

2 1

1 3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

B群

A群

図5 Ⅱのプロトコル数の比較

る。

ま た 、 多 面 的 な 見 方 や 考 え 方 が 生 ま れ る た め

、 に重要な場面と考えられるグループで話し合い 自 分 達 な り の 落 ち 葉 が な く な る 原 因 を 考 え る 場 面 の プ ロ ト コ ル 数 を 調 べ て み る と 表 6 の よ う に なった。

グ ル ー プ に よ っ て プ ロ ト コ ル 数 に 差 が あ る も

プロトコル数比較(対話部分)

278

173

67 90

608

154

37 12 13

216

0 100 200 300 400 500 600 700

合計(Ⅱ)

A群 B群

(6)

の の 、 プ ロ ト コ ル の 平 均 数 で は 異 質 グ ル ー プ で 話し合いをさせたA群が 64.9 個 と等質グループ で話し合いをさせたB群の 34.5 個 に比べ多いこ とがわかる。

(2)プロトコルの質的分析 1)話し合いの活性化

た と え 話 し 合 い の 時 間 が 長 く て も 脈 絡 の な い 話 し 合 い や お 互 い に 自 分 の 考 え を 主 張 す る だ け の 話 し 合 い で は 、 他 者 と の 関 わ り の 中 で 自 ら の 見 方 や 考 え 方 等 を 変 え て い く と い っ た こ と は 期 待 で き な い 。 そ こ で 、 A 群 の プ ロ ト コ ル 数 の 多 い 6 班 の 話 し 合 い の 様 子 を 調 べ て み る と 表 7 の ようであった。

6 班 の 生 徒 B は 、 話 し 合 い 前 は 落 ち 葉 が な く

。 、

なる原因を虫のせいだと考えていた 生徒Bは

プロトコルの 55 で生徒Cの考えを聞きながら、

で質問をしたり、 で生徒Cの考えに同意し

56 58

た り し な が ら 、6062 で 自 分 の 考 え を 深 め て い る こ と が わ か る 。 さ ら に 、 生 徒 A が 提 案 し た

「 ミ ミ ズ が 食 や ー い い ん だ よ な 、 と い う 発 言」 と 生 徒 C の 「 ミ ミ ズ っ て 葉 っ ぱ 食 べ る の ? 」 と い う 疑 問 を 受 け て 、 ミ ミ ズ の 存 在 の 重 要 性 に 気 付 い て い る 。 こ う し た 話 し 合 い の 様 子 か ら は 、 予 想 ( 考 え ) が 異 な る 生 徒 を 1 つ の グ ル ー プ に し て 話 し 合 い を さ せ る と 、 他 者 の 考 え に 興 味 を 持 っ て 質 問 を し た り 、 他 者 の 考 え に 対 し て 自 分 の 考 え を 述 べ た り す る 中 で 新 た な 見 方 や 考 え 方 が生まれている様子を伺うことができる。

し か し 、 A 群 で も 5 班 ・ 8 班 の よ う に プ ロ ト コ ル 数 が 少 な い グ ル ー プ や B 群 で も 3 班 の よ う

表6 落ち葉がなくなる原因を考える場面のプロトコル数

1班 2班 3班 4班 5班 6班 7班 8班 平均

74 20 53 24 15 247 115 19 64 9

A群 .

47 8 129 29 24 7 15 17 34 5

B群 .

表7 落ち葉がなくなる原因を考える部分の話し合いの一部(6班)

B はい、Cくーん。 Ⅴ

54

C え ー 僕 的 に 、 風 が 吹 く と 、 木 の 葉 が 落 ち て 、 で 、 そ の 風 で 、盛 り Ⅱ ① 55

上がった土に入って、

B 何が? Ⅱ ②

56

C ん?木の葉が。 Ⅲ

57

B あー。 Ⅲ

58

C うん で その中で 何 何か食べられたり肥料になったりする Ⅱ ①

59 。 、 、 、 。

… じゃな いかな。 で、あ と、水と か流さ れて、なる ・・・で、終。 わり。

B てゆーか 落ちるじゃん ・・・土に まあ 混ざると思うの で Ⅱ ④

60 、 。 、 、 。 、

雨が降るじゃん。腐るじゃん。それで、なんか、

A 腐葉土ってことでしょ。 Ⅱ ③

61

B そ う 。 空 気 と な ん か 、 ど ん ど ん な っ て 、 虫 と か が 湧 い て く る と 思 Ⅱ ④ 62

うの。

C なるほど。 Ⅱ ③

63

A ま、要は、ミミズが食やーいいんだよな、ほんとは。 Ⅱ ①

64

C ミミズって葉っぱ食べるの? Ⅱ ②

65

B ・・・あ、ミミズって土食べるんだよね。 Ⅱ ③

66

A そうだよ。 Ⅲ ③

67

B あ、じゃあ、ミミズじゃん。ミミズが必要なんじゃん。 Ⅱ ①

68

(7)

に プ ロ ト コ ル 数 が 多 い グ ル ー プ を 見 る こ と が で き る 。 そ の 原 因 と し て プ ロ ト コ ル を 分 析 し て み た と こ ろ 、 A 群 の 5 班 で は 生 徒 A が 「 全 員 の 意 見 ま と め る と … 微 生 物 が 関 係 し て い る と 思 わ れ る 、 と 」 と 発 言 す る と 、 生 徒 B が 「 う ん 。 微。 生 物 」 と 受 け 答 え 、 続 い て 生 徒 A が 再 び 「 微 生 物 じ ゃ ん 。 書 い て 書 い て 」 と 他 の 考 え を 押 さ。 え 断 定 し て し ま っ た め 、 実 験 方 法 を 考 え る 場 面 で の 会 話 が 多 く あ っ た の に も か か わ ら ず 、 落 ち 葉 が な く な る 理 由 を 考 え る 場 面 で の 会 話 が 発 展 し な か っ た こ と が 読 み と れ る 。 A 群 の 8 班 も 、 一 人 の 生 徒 B の 発 言 に よ り 、 5 班 と 同 様 に 考 え が 「 分 解 す る 」 に 簡 単 に 収 束 し て し ま っ て て い る こ と が わ か っ た 。 一 方 、 B 群 の 3 班 で は 班 員

、 4人の考えは微生物が食べるで同じであったが 生 徒 A の 「 微 生 物 が 落 ち 葉 を 食 べ る っ て こ と は み ん な 同 じ 意 見 だ よ ね 。 … そ の 理 由 。 理 由 。 み ん な バ ラ バ ラ だ け ど 。 理 由 。 理 由 を ど う や っ て ま と め よ う か 。 … ま ず 、 え ー 、 D 君 は 」 と い。 っ た 発 言 か ら 多 様 な 意 見 が 生 ま れ た た め に プ ロ ト コ ル 数 が 多 い こ と が わ か っ た 。 グ ル ー プ で の 学 習 の 効 果 を 高 め る に は 、 A 群 5 班 の 生 徒 A や 8 班 の 生 徒 B の 存 在 や B 群 3 班 で の 生 徒 A の 話 し 合 い へ の 参 加 の さ せ 方 を 検 討 し て お く こ と も 重要であると言える。

2)話し合いの広がり

話 し 合 い の 良 さ は 、 誰 か が 新 し い 見 方 を 提 供 す る こ と で 、 新 た な 見 方 を 広 げ る こ と が で き る こ と に あ る 。 そ こ で 、 話 し 合 い の 中 に 生 徒 同 士 で の 話 題 の 提 供 が い く つ あ る か を 調 べ て み た も のが表8である。

こ の 結 果 か ら は 、 A 群 が B 群 に 比 べ 話 題 の 提 供 が 多 い こ と が 読 み と れ る 。 異 質 グ ル ー プ の 方 が 、 話 し 合 い に 広 が り が 見 ら れ る と 考 え る こ と が で き よ う 。 な お 、 話 題 提 示 が 0 の グ ル ー プ の 話 し 合 い の 内 容 を 見 て み る と 、 リ ー ダ ー 格 の 生 徒 の 意 見 が そ の ま ま グ ル ー プ の 意 見 に な っ て い

る こ と が 多 か っ た 。 話 し 合 い を 広 げ る 際 の 課 題 と言えよう。

研究のまとめと今後の課題

、 。

本研究で明らかになったのは 次の点である 1 . 学 習 課 題 に 対 す る 予 想 が 異 な る 生 徒 同 士 で 構 成 し た グ ル ー プ は 、 予 想 が 同 じ 生 徒 同 士 で 構 成 し た グ ル ー プ に 比 べ 話 し 合 い 時 間 が 長 く 、 話 し 合 い 時 の プ ロ ト コ ル 数 も 多 い 。 な か で も 、 相 手 の 発 言 を 受 け 止 め た 積 極 的 な 発 言 が 他 に 比 べ多く見られる。

2 . 学 習 課 題 に 対 す る 予 想 が 異 な る 生 徒 同 士 で 構 成 し た グ ル ー プ は 、 予 想 が 同 じ 生 徒 同 士 で 構 成 し た グ ル ー プ に 比 べ 、 他 者 の 考 え に 質 問 を し た り 、 自 分 の 考 え を 述 べ た り と 言 っ た こ と が 活 発 に 行 わ れ 、 個 人 の 中 に 新 た な 考 え 方 が 生 ま れ る 様 子 を 伺 う こ と が で き る 。 ま た 、 生 徒 同 士 の 話 題 の 提 供 数 が 多 く 、 話 し 合 い の 内 容 に 広 が りを見ることができる。

以上の結果からは 学習課題に対する予想 考、 ( え ) が 異 な る 生 徒 を 集 め た グ ル ー プ を 構 成 す る と話し合いの効果が高まると言える。

し か し な が ら 、 予 想 が 異 な る 生 徒 同 士 で 構 成 し た グ ル ー プ の 中 に も 貧 弱 な 話 し 合 い し か 行 わ れ て い な い グ ル ー プ も 見 る こ と が で き た 。 話 し 合 い の 効 果 を 高 め て い く た め に は 、 グ ル ー プ の 構 成 だ け で な く グ ル ー プ の 中 で の 役 割 や 話 し 合 い 時 の 約 束 ご と 等 に 教 師 が 子 ど も と ど の よ う に 関 わ る か が 課 題 と 言 え よ う 。 ま た 、 小 学 校 の 教 師 は グ ル ー プ 分 け を す る 際 に 同 じ 見 方 や 考 え 方 を す る 児 童 を 集 め た グ ル ー プ の 方 が 良 い と す る 教 師 も 多 い 。 発 達 段 階 と グ ル ー プ 構 成 の あ り 方 についても検討していく必要がある。

謝辞

本 研 究 を 遂 行 す る に 当 た り 、 実 験 授 業 の 実 施

表8 話し合いの中での話題提示数

1班 2班 3班 4班 5班 6班 7班 8班 平均

9 3 2 0 3 13 5 1 4 5

A群 .

0 0 3 0 2 0 0 2 0 9

B群 .

(8)

を ご 快 諾 下 さ っ た 埼 玉 県 志 木 市 立 宗 岡 中 学 校 の 木 下 二 三 男 校 長 先 生 、 杉 本 美 穂 子 先 生 に 心 よ り 感謝申し上げます。

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15 2 p.165

2002年3月28日提出)

2002年5月10日受理)

SUMMARY

The effect which Group Composition exerts on the Discussion

Makoto SHIMIZUKaori KOMINE

In this study, the effect on the discussion given by the difference in the group composition was verified.

The findings are as follows.

1. The time taken in discussion by students with differing ideas is greater than that by students who share the same idea. And, there are many protocols. And, many positive remarks are seen.

2. Lively questioning took place by students within the group of those with differing ideas. And there are many topics. And the discussion develops.

From the above results it can be seen that there was great effect from the discussions between students with differing ideas.

Key wordsscience classes, lower secondary school, group composition, discussion

参照

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