A CASE OF TRANSITIONAL CELL CARCINOMA OF RENAL PELVIS WITH EXTREMELY HIGH SERUM LEVELS OF CA19-9 AND CEA Yasuhiro SUGAYA, Masanori OCHI, Shin-ichi HAS

Title

CA19-9,CEAが異常高値を示した腎盂移行上皮癌の1例

Author(s)

菅谷, 泰宏; 越智, 雅典; 橋本, 紳一; 村木, 淳郎; 森田, 辰男;

_{小林, 裕; 中村, 昌平; 徳江, 章彦; 久力, 権}

Citation

泌尿器科紀要 (1997), 43(7): 495-499

Issue Date

1997-07

URL

http://hdl.handle.net/2433/115993

Right

Type

Departmental Bulletin Paper

Textversion

publisher

CAI9-9,CEAが

異 常 高 値 を示 した 腎盂 移 行 上 皮 癌 の1例

自治医科大学泌尿器科学教 室(主 任:徳 江章彦教授) 菅 谷 泰 宏,越 智 雅 典,橋 本 紳 一,村 木 淳 郎 森 田 辰 男,小 林 裕,中 村 昌 平,徳 江 章 彦 自治医科大学病理学教室(主 任:斎 藤 建教授) 久 力 権

A CASE OF TRANSITIONAL CELL CARCINOMA OF RENAL PELVIS WITH EXTREMELY HIGH SERUM LEVELS OF CA19-9 AND CEA

Yasuhiro SUGAYA, Masanori OCHI, Shin-ichi HASHIMOTO, Junro MURAKI,

Tatsuo MORITA, Yutaka KOBAYASHI, Shohei NAKAMURA and Akihiro TOKUE

From the Department of Urology, Jichi Medical School

Ken KURIKI

From the Department of Pathology, Jichi Medical School

We report a case of transitional cell carcinoma of the renal pelvis with extremely high serum levels

of carbohydrate antigen 19-9 (CA19-9) and carcinoembryonic antigen (CEA).

A 69-year-old woman

was admitted with gross hematuria.

Imaging diagnosis revealed a tumor in the left renal pelvis and

multiple liver and bone metastases.

Serum levels of CA19-9 and CEA were 2,557 U/ml (normal< 36)

and 523 ng/ml (normal< 3.8), respectively.

She died of cancer progression 3 weeks after admission.

An autopsy diagnosis was transitional cell carcinoma of the left renal pelvis. No abnormal findings

were recognized in the gastrointestinal organs.

Cancer cells showed a positive immunohistochemical

staining for both CA19-9 and CEA.

(Acta Urol. Jpn. 43: 495-499, 1997)

Key words : Transitional cell carcinoma, Renal pelvis, Tumor marker, CA19-9, CEA

緒 言 泌 尿 器 科 領 域 で は,前 立 腺 癌 と精 巣 腫 瘍 に お い て 比 較 的 特 異 的 な マ ー カ ー は あ る が,そ の 他 の 腫 瘍 に 特 異 的 な マ ー カ ー は な く,非 特 異 的 な マ ー カ ー を 組 み 合 わ せ て 診 断 に 供 して い る の が 現 状 で あ る.今 回 わ れ わ れ は,糖 鎖 抗 原19-9(carbohydrateantigenl9-9:以 下 CA19-9と 略 す)と 癌 胎 児 性 抗 原(carcinoembryonic antigen:以 下CEAと 略 す)が と も に 異 常 高 値 を 示 し た 腎 孟 膀 胱 癌 の 一 例 を 経 験 し た の で,若 干 の 文 献 的 考 察 を 加 え て 報 告 す る. 症 例 患 者:69歳,女 性 主 訴:肉 眼 的 血 尿 既 往 歴:1988年,血 膿 尿 の 精 査 の た め 他 院 に1カ 月 入 院 し た が 明 ら か な 異 常 は 指 摘 さ れ な か っ た.1993 年,パ ー キ ン ソ ニ ズ ム 現 病 歴:1994年 夏,肉 眼 的 血 尿 排 尿 時 痛 が 出 現 し た が,市 販 の 漢 方 薬 を 内 服 し約1カ 月 で 症 状 は 改 善 し .た.1995年1月 ふ た た び 肉 眼 的 血 尿 が 出 現 し,歩 行 障 害 も ひ ど く な り 同 年2月2日 当 院 神 経 内 科 を 受 診 し た.腹 部 超 音 波 検 査 で 左 腎 部 に 正 常 腎 実 質 よ り も や や 高 エ コ ー の 充 実 性 腫 瘤 と 肝 に 多 発 性 の 充 実 性 腫 瘤 を認 め た た め,同 年2月3日 当 科 外 来 紹 介,3月3日 入 院 と な っ た. 入 院 時 現 症:身 長144cm,体 重31kg,体 温37.3℃, 血 圧104/58mmHg,脈 拍78/分 ・整,栄 養 状 態 は 不 良,腹 部 は 膨 満 し右 肋 骨 弓 下 縁 よ り肝 を2横 指 触 知 し た.体 表 リ ンパ 節 は 触 知 し な か っ た.左 肩 か ら左 上 肢 に か け て 疹 痛 を 訴 え,両 下 肢 に は 硬 縮 を 認 め た. 入 院 時 検 査 所 見:末 梢 血 検 査 で は,白 血 球 増 多 (14,400/mm3)と 軽 度 の 貧 血(RBC346×104/mm3, Hb9.6g/dl)を 認 め た,血 液 生 化 学 検 査 で は,γ 一 GTP403mU/ml,ALP2,714mU/ml,LDH1,520 mU/ml,CRP26.08mg/dlと 異 常 値 を 認 め た,腫 瘍 マ ー カ ー で は,CAI9-92,557U/ml(基 準 値36以 下), CEA523ng/ml(基 準 値3.8以 下),AFP26ng/ml (基 準 値10以 下),TPA5,300U/1(基 準 値lIO以 下) と 異 常 値 を 認 め た.尿 沈 渣 はRBC≧100/hpf,尿 細 胞 診 はclassVで あ っ た. 膀 胱 鏡 検 査:十 分 な 体 位 が と れ ず,膀 胱 刺 激 症 状 も

496 _{泌 尿 紀 要43巻7号1997年} 強 く,膀 胱 内 の 観 察 は不 可 能 で あ った. X線 検 査所 見:胸 部 単純 写真 で は肺 野 に 明 らか な異 常 陰 影 を認 め な か っ た.IVPで は左 上 腎 杯 の 描 出 が 不 良 で あ っ た(Fig.1).腹 部CTで は肝 臓 内 に 大 小 さ ま ざ ま な 内部 不 均 一 な腫 瘤 像 を認 め た(Fig.2A), ま た 左 腎 孟 付 近 に 淡 く造 影 さ れ る腫 瘤 像 を認 め た (Fig.2B).全 身骨 シ ンチ で は脊 椎 骨,骨 盤 骨,肋 骨, 肩 甲骨,大 腿 骨,頭 蓋 骨 に異 常 集 積 像 を認 め た. 以 上 の 所 見 よ り,多 発 性 肺 転 移 全 身 骨 転 移 を きた した左 腎 孟 腫 瘍 と診 断 した. 、入 院 後 経 過:入 院 時 よ り37か ら38℃ 台 の発 熱,左 肩 の 疹 痛,る い 痩 を認 め た.補 液 お よび硫 酸 モ ル ヒネ (20mg/日)に よ る 除痛 を はか りつ つ,全 身 的 な治 療 と してM-VAC療 法 を予 定 して い た が,治 療 開 始 前 にDICを 併 発 し,入 院 後3週 間 で 死 亡 した.家 族 の 承 諾 が得 られ,病 理 解 剖 を施 行 した. 病理 解剖 肉 眼 所 見:(1)左 腎孟 上 部 か ら髄 質 腎 上 極 に か け て3×3×2cmの 白色 髄 様 腫 瘤 病 変 を 認 め, 副 腎 と腎 上 極 が 腫 瘍 の た め に癒 着 して い た.左 副 腎 に は 白色 の転 移 病 変 を認 め た.な お,尿 管 に は 明 らか な腫 瘍 を認 め なか った.(2)膀 胱 は,頸 部 左 側 に直 径 7mm右 側 壁 に直 径5mmの ポ リー プ様 病 変 を 認 め,壁 は全 体 に肥厚 し粘 膜 は発 赤 が 目立 っ た.(3)肝 臓 に は,直 径1mmか ら5cmに 及 ぶ 球 形 転 移 性 腫 瘤 が 多発 して い た.(4)脊 椎 は大 部 分 が 黄 白色 で 非 常 に 固 く,健 常 な 骨 髄 は ほ と ん ど残 存 して い なか っ た. (5)膵 臓 胆 嚢 ・消 化 管 な ど に は明 らか な 異常 病 変 を 認 め な か っ た. ㌦'

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'囎 ∼ _-r嘲L軸 騨L■r-■ ■■■一一' Fig,2.Enhancedabdom量nalcomputedtomo- graphy.A:Multipleheterogenous-den-sitymasseswereseenintheliver.B: Soft-tissue-densitymasswasseeninthe leftrenalpelvis, 病 理 組 織 所 見:左 腎 孟 の腫 瘍 は,腫 瘍 細 胞 が不 規 則 に,か つ小 塊 状 に 腎 実 質 に浸 潤 して お り,組 織 学 的 に 移 行 上 皮 癌 ・異 型 度3の 像 を呈 して い た(Fig.3).ま た,一 部 に は 明瞭 な腺 管 を形 成 す る腺 癌 の 部 分 が 混 在 し て 認 め ら れ た.一 次 抗 体 にCISバ イ オ 社 の 抗 CAI9-9抗 体 とDAKO社 の抗CEA抗 _{体 を使 用 し,} ABC法 に よ るCA19-9お よ びCEAの 免 疫 染 色 を 行 った.腫 瘍 細 胞 がCA19-9お よ びCEA陽 性 に染 色 され た(Fig.4).膀 胱 の ポ リ ー プ様 腫 瘤 病 変 は,組 織 '

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沸 亀' 凱愛 攣 ・ Fig.5.Immunohistochemicalstalnlngfor CEAshowedcytoplasmicstaining (×100) 学 的 に移 行 上 皮 癌 一異 型 度3の 像 を呈 して い た.

考

察

CA19-9は,KoprowskiらDが 大 腸 癌 培 養 細 胞 SW1116を マ ウ ス に 免 疫 し て 作 成 し た モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗体NSl9-9に よ っ て認 識 され る抗 原 で,正 常 胎 児 お よ び成 人 の 唾 液腺,胆 管系 お よび膵 管系 上 皮 の組 織 中 に抗 原 が微 量 に検 出 され,癌 で は膵 胆 管 系 消 化 管 系 な どの癌 に多 く存 在 す る2)ま た,大 塩 ら3)は正 常 腎 の近 位 お よび 遠位 尿 細 管 腎 孟 粘 膜 に もCA19-9が 存 在 す る こ と を報 告 して い る. 一 方_{,CEAは,ヒ ト大 腸 癌 組 織 お よ び胎 児 腸 管 に} 存 在 す る こ とか らGoldら4)に よ り命 名 され 癌 特 異 性 抗 原 と して 報 告 され た.そ の後 消化 器癌 の み な らず, それ 以 外 の癌 お よ び一 部 の 良性 疾 患 で も血 中 に増 量 す る こ と,さ ら に成 人 正常 組 織 に も存 在 す る こ とが 知 ら れ る に至 った5) 泌 尿 器 科 領 域 で は,飯 泉 ら6)が悪 性 腫 瘍 患 者64人, 良性 疾 患 患 者16人 に お い て 血 清CAI9-9お よ びCEA の 検 討 を 行 っ て い る.悪 性 群 に お け る 陽 性 率 は, CAI9-9CEAい ず れ も12.5%で あ り,特 に尿 路 上皮 腫 瘍34例 の陽 性 率 は,CAI9-9・CEAい ず れ も6例 17.6%で あ っ た.た だ し,CAI9-9値 が3桁 以 上 CEA値 が2桁 以上 を示 した もの を異 常 高 値例 とす る と,そ れ ぞ れ1例 お よ び2例 と少 な か った.今 回 わ れ わ れ はCAI9-9あ る い はCEAが 異 常 高 値 を示 した尿 路 移 行 上 皮 癌 の報 告 例 を検 討 し7'17),調 べ 得 た か ぎ り で は 自験 例 を含 め て12例 で あ っ た(Table).全 例 が CA19-9異 常 高 値 を示 して お り,自 験 例 を含 め た3例 がCEA異 常 高 値 も示 した が,CEAの み 異 常 高 値 を 示 した報 告 例 はみ られ なか った 。傾 向 と して は,細 胞 異 型 が 強 く進 行 した症 例 が 多 く,治 療前 後 の 血清 値 の 推 移 が 腫 瘍 の消 退 進 展 に 一 致 した とす る報 告 もあ る8・10'12・15)また 黒 川 ら18)は尿 路 移 行 上 皮 癌 に お け るCAI9-9の 検 討 で,高 値 例 の 経 過 観 察 で は,術 後 正 常 化 しな い症 例 は 早 期 に 再 発 癌 死 し た と して い る. 血 清CAI9-9,CEAは 尿 路 移 行 上 皮 癌 に特 異 的 で は な いが,症 例 に よ って は治 療 お よ び経 過 観 察 に有 用 Table. ReviewofurothelialtumorwithhighserumlevelsofCA19-9and/orCEAinJapan

報告者 性別 年齢 病理組織型 血 清CAI9-9値_{(U/ml)(ng/m1)} 血 清CEA値 転移部位 予 後

杉 山 ら7) 香 川 ら8) 中 田 ら9) 児 玉 らlo) 藤 井 ら11) 金 井 ら12) 長 尾 ら13} 山 本 ら14) Sakaiら 置5) 斎 藤 ら16) Mizutaniら17) 自 験 例 男 男 男 男 女 女 女 女 男 男 男 女 54 49 79 64 68 53 61 67 55 82 72 69 TCC,G3 TCC,G3 TCC,G2》SCC TCC,G2 TCC,G2=G3 TCC,G3 TCC,G? TCC,G3 TCC,G3 TCC,G3 TCC,G1>G2 TCC,G3 3,000 12,670 1,970 2,200 235 630 2,518 382 517 300 112 2,557 198 19.8 523 不 明 リンパ 節 無 し リンパ 節 リンパ 節 リンパ 節 無 し 肝 不 明 リンパ 節 無 し 肝 ・骨 ・リ ンパ 節 5カ 月 6カ 月 6カ 月 14カ 月 10カ 月 11カ 月 不 明 不 明 5カ 月 4カ 月 12カ 月 1カ 月 (死亡) (生存) (生存) (生存) (死亡) (生存) (死亡) (死亡) (生存) (死亡) TCC:transitionalcellcarcinomaSCC:squamouscellcarcinoma

498 泌 尿 紀 要43巻7号1997年 な腫 瘍 マ ー カ ー に な り得 る よ うで あ り,特 に進 行 例 で は血 清CA19-9やCEAを1回 は測 定 して み る価 値 が あ る と思 わ れ た.血 清CA19-9やCEAが 高 値 を示 し た場 合,膵 胆 管 系 や 消 化 管 系 の腫 瘍 を第 一 に考 慮 す る の は もち ろ んで あ るが,日 頃 か ら尿 路 系 腫 瘍 も念 頭 に置 くこ と も大 切 で あ る. 石 井 ら19)は,膀 胱 癌 を 中心 とす る尿 路 移 行 上 皮 癌 に お け るCA19-9の 有 用 性 を評価 す るた め にABC法 に よ る免 疫 組 織 学 的検 討 を行 い,過 半 数 の 症例 で腫 瘍 組 織 中 に本 抗 原 が 局 在 す る こ と を見 出 した.そ の 中 の 特 徴 的 な所 見 と して,一 部 に腺 様 化 生 を伴 う移 行 上 皮 癌 で は,そ の 腺様 構 造 と貯 留 粘 液 に一 致 してCA19-9 が 発 現 して お り,本 抗 原 が 腺 上 皮 に関係 が 深 く,ま た 移 行 上 皮 癌 の 腺 様 化 生 は腺 癌 に近 い性 質 を有 して い る こ とが 示 唆 さ れ る と して い る.ま た鹿 子 木20)は,尿 路 移 行 上 皮 癌 を対 象 と して,PAP法 を用 い て 免 疫 組 織 化 学 的 にCEAの 検 索 を行 い,腫 瘍 内CEAの 有 無 は,組 織 学 的 異 型 度 ・深 達 度 お よび局 所 再 発 の有 無 と の 間 に相 関 が 見 られ,腫 瘍 の 悪性 度 を表 すparameter とな り得 る と考 え て い る. さ らに最 近 の知 見 で は,CA19-9抗 原 は 血 管 内 皮 細 胞 が 炎 症性 サ イ トカ イ ン刺 激 に よっ て細 胞 膜 上 に発 現 す るE一 セ ク レチ ン分 子 の特 異 的 な リ ガ ン ドと報 告 さ れ て い る.癌 細 胞 が 血 行 性 転 移 を起 こす 際,血 管 内皮 細 胞 と の 接 着 が 必 要 で あ る が,こ の 現 象 にCA19-9 抗 原 は 強 く関 与 して お り,大 腸 癌 に お い てCAI9-9 発 現 の高 度 な症 例 で は,脈 管 侵 襲 リンパ 節 転 移 が 多 く,予 後 も不 良 で あ る と報 告 され て い る2D一 わ れ わ れ の 症 例 は,診 断 時 の 血 清CAl9-9値 が 2,557U/ml,CEA値 が523ng/mlと 異 常 高 値 を 示 し,病 理 解 剖 に て膵 ・胆 管 系 お よ び消 化 管 系 に異 常 を 認 め ず,免 疫 組 織 学 的 染 色 で 腫 瘍 細 胞 がCAI9-9お よ びCEA陽 性 に 染 色 さ れ た こ と よ り,CA19-9・ CEA産 生腫 瘍 と考 え られ た.さ らに 本 症 例 は,移 行 上 皮 癌 の一 部 に腺 癌 が 混 在 して お り,移 行 上皮 癌 の 部 分 も腺 様 化 生 に近 い 性 質 を多 分 に 有 して い た可 能性 が 示 唆 さ れた 。 また 本 症例 の 多発 性 転 移 に関 して,異 常 高 値 を示 し たCAI9-9が 血 行 性 転 移 を起 こす 際 の 血 管 内 皮 細胞 との 接 着 因子 と して 大 き く関 わ って い た 可 能 性 も示 唆 され た.

結

語

CA19-9,CEAが 異 常 高 値 を示 した腎 孟 移 行 上 皮 癌 の 症例 を報 告 す る と と もに,尿 路 上 皮 癌 に お け る こ れ らの腫 瘍 マ ー カ ー の意 義 を検 討 した. 本 論文 の 要 旨 は,第18回 日本 泌 尿 器 科 学 会 栃 木 地 方 会 に お い て発 表 した,

文

献

1)KoprowskiH,SteplewskiZandMichellK: Colorectalcarcinomaantigendetectedby hybridomaantibodies.SomatCellMolGenest5: 957-972,1979 2)大 倉 久 直,坂 脇 多 津,原 和 子,ほ か=糖 鎖 抗 原 19-9(CA19-9)日 臨48:931-933,1990 3)OhshioG,OgawaK,KudoH,etaL:Immuno-histochemicaldistributionofCAI9-9innormaland tumortissueofthekidney.UrolInt45:1-3,1990 4)GoldPandFreedmanSO:Demonstrationoftumor specificantigeninhumancoloniccarcinomaby immunologictoleranceandabsorptiontechnique. JExpMed121:439-459,1965 5)藤 野 雅 之,遠 藤 康 失:癌 胎 児 性 抗 原(CEA)日 臨 48:907-911,1990 6)飯 泉 達 夫,雨 宮 裕,秦 亮 輔,ほ か:尿 路 性 器 癌 に お け る 血 清IAP,CEA,CAl9-9の 検 討.日 泌 尿 会 誌79:1448-1452,1988 7)杉 山 岳 彦,丸 山 健 行,安 井 俊 行,ほ か:血 清 CAI9-9が 著 明 な 高 値 を 呈 し た 腎 移 行 上 皮 癌 の 一 剖 検 例.神 奈 川 医 会 雑 誌13:278-280,1986 8)香 川 征,田 中 敏 博,住 吉 義 光,ほ か:泌 尿 器 科 腫 瘍 に お け るCA19-9測 定 の 意 義.西 日 泌 尿 49:1395-1398,1987 9)中 田 誠 司,黒 川 公 平,海 老 原 和 典,ほ か:CAI9-9が 異 常 高 値 を 示 し た 尿 管 腫 瘍.臨 泌43:147-150,1989 10)児 玉 一 恵,定 方 宏 人,見 供 修,ほ か:CAl9-9 産 生 腎 孟 尿 管 移 行 上 皮 癌.臨 泌45:1048-1050,1991 11)藤 井 靖 久,奥 野 哲 男,増 田 光 伸,ほ か:CEAが 異 常 高 値 を 示 し た 腎 孟 移 行 上 皮 癌 の1例.泌 尿 紀 要38:55-59,1992 12)金 井 茂,高 木 康 治:全 身 化 学 療 法 が 奏 効 し た CA19-9産 生 尿 管 移 行 上 皮 癌 の1例.泌 尿 紀 要 38:1253-1256,1992 13)長 尾 慶 治,本 田 真 一,福 島 岳 志,ほ か1血 清 お よ び 腎 孟 穿 刺 尿 中 のCAI9-9が 高 値 を 示 し た 腎 孟 癌 の1例(学 会 抄 録).日 泌 尿 会 誌84:589,1993 14)山 本 泰 久,根 本 良 介,山 根 明 文:血 中CAI9-9値 が 腫 瘍 マ ー カ ー と し て 有 用 で あ っ た 尿 管 腫 瘍 の1 例(学 会 抄 録).日 泌 尿 会 誌84:2072,ig93 15)SakaiH,ToyofukuK,YogiY,etal.:Carbohydrate antigen19-9andcarcinoembryonicantigen-producingtransitionalcellcarcinomaoftheureter andbladder:acasereport.Jurol150:182-184, 1993 16)斎 藤 久 夫,梶 原 哲,佐 々 木 淳,ほ か:CA19-9 とHCG一 β が 高 値 で 急 速 な 転 移 増 大 を き た し た 尿 管 腫 瘍 の1例.泌 尿 器 外 科7:607-609,1994 17)MizutaniY,TerachiT,YoshidaT _,etal.: Simultaneousleftrenalpelvicandureteraltumors producingcarbohydrateantigenl9-9.IntJUrol 3:231-233,1996

18)黒 川 公 平,栗 原 潤,中 田 誠 司,ほ か:尿 路 移 行 上 皮 癌 に お け るCAI9-9の 検 討 一 血 清 値,組 織 内 濃 度 お よ び 免 疫 組 織 化 学 的 検 討 一 日 泌 尿 会 誌 84:1074-1081,1993 19)石 井 龍,岩 崎 宏,菊 池 昌 弘,ほ か:尿 路 癌 に お け る 癌 関 連 糖 鎖 抗 原CAI9-9.病 理 と 臨6: 1193-1200,1988 20)鹿 子 木 基 二:尿 路 系 腫 瘍 に お け る 腫 瘍 組 織,血 清 お よ び 尿 中 のcarcinoembryonicantigen(CEA)に つ い て 一 免 疫 組 織 化 学 お よ びRadioimmunoassay に よ る 検 討 一 日 泌 尿 会 誌75:1558-1571, 1984 21)ShimonoR,MoriM,AdachiY,etal,:Immuno-histochemicalexprcssionofcarbohydrateantigen 19-9incolorectalcarcinoma.AmJGastroenterol 89:101-105,1994

(ReceivedonJanuary22,1997AcceptedonMayl,1997)