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Fig.. Geological map. Fig.. Routes of columnar sections, localities of molluscan fossils and microfossils around Kamakurazawa River in Min

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Academic year: 2021

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(1)

鮮新世中期の暖流の日本海への流入の影響は富山市八尾町 までは,間欠的でなく定常的に認められることが明らかにな ってきた(天野ほか, 2008).一方,秋田県の鮮新統天徳寺層 や新潟県新発田市の鮮新統鍬江層の他生的産状を示す産地よ り暖流系軟体動物化石が認められ,暖流の影響が見かけ上は 間欠的であることが示されている(天野ほか, 2000a, b).新 発田市を除く北部フォッサマグナ地域では,新潟県上越市西 部の名立層と長野県北部の荻久保層から当時の暖流系軟体動 物化石が報告されている(天野ほか, 1988; 天野・菅野, 1991; 天野・唐沢, 1993)が,その産出層準は限定されている.し かし,珪藻化石では名立層下部堆積時の 3.2−2.7 Ma に連続 は じ め に 的に暖流系種が認められ,暖流系軟体動物化石が間欠的に産 出する理由は流入した暖流が薄く,堆積深度が深かったため と解釈されている(柳沢・天野, 2003).このように,鮮新世 における日本海への暖流の流入とその影響が定常的であった ことが上越市西部までは推定できるもののこれ以北では暖流 の流入時期や影響の詳細は不明なままである. 新潟県南魚沼市周辺地域は上越市の東方,新発田市の南西 に位置し(Fig. 1),北部フォッサマグナ地域での暖流の影響 について検討できる重要な地域である.これまで南魚沼市鎌 倉沢川支流の一之沢川の鮮新統四十日 し と か 層からは暖流系の甲殻 類ノコギリガザミ属 Scylla sp.が報告されている(栗田, 1997)が,暖流系軟体動物化石の報告はない.一方,本地域 周辺の川口および竹沢油田地域の鮮新統からは Hipponicus The molluscan faunas from the Shitoka Formation and the lowest part of the Uonuma Group were examined along the Kamakurazawa River, central Niigata Prefecture, to assess the influence of a warm-water current on the northern Fossa Magna Region during the Pliocene. The Shitoka Formation consists of pebbly mudstone and silt-stone, and unconformably overlies the Nishitajiri Formation, which is assigned an upper Miocene age based on diatom fossils, representing the lower to middle part of the NN16 nannofossil zone. The lowest part of the Uonuma Group is composed mainly of conglomerate and sand-stone, and conformably overlies the Shitoka Formation. The Kamaku-razawa fauna within both formations includes seven characteristic species of the Plio-Pleistocene Omma-Manganji fauna as well as one Miocene relict species. In addition to 14 cold-water species, 14 warm-water species were found in almost all sample horizons. During the late Pliocene in the northern Fossa Magna Region, the proportion of warm-water species decreased from the northernmost Shibata area (18.3 %)to the southernmost Nagano area(2.0 %). The studied area has a proportion of warm-water species intermediate between these values, and lies halfway between the Shibata and Nagano areas. During the Pliocene, a large northeast-facing bay developed at the north Fossa Magna, and a shallow warm current flowed northeastward from around the Tsushima Strait. The Shibata area, facing the open sea, was direct-ly influenced by the warm-water current, whereas the Nagano area, located in the innermost part of the bay, was not.

Abstract

Keywords: warm-water current, northern Fossa Magna, Pliocene, Shitoka Formation, Uonuma Group.

鮮新世における北部フォッサマグナ地域への暖流の影響−新潟県南魚沼市鎌

倉沢川の四十日層および魚沼層群最下部産軟体動物群の検討を通じて−

天野和孝

*1

永田 覚

*2

佐藤時幸

*3

柳沢幸夫

*4

栗田義隆

*5

Kazutaka Amano*1, Kaku Nagata*2,

Tokiyuki Sato*3, Yukio Yanagisawa*4

and Yoshitaka Kurita*5

2009年 3 月 24 日受付. 2009年 8 月 7 日受理.

*1 上越教育大学地学教室 

Department of Geoscience, Joetsu Univeristy of Education, 1 Yamayashiki, Joetsu, Niigata 943-8512, Japan.

*2 新潟県新発田市立川東中学校

Kawahigashi Junior high School, 1566-1 Shi-mohanezu, Shibata, Niigata 957-0341, Japan.

*3 秋田大学工学資源学部

Faculty of Engineering and Resource Science, Akita University, Tegata-Gakuencho 1-1, Akita 010-8502, Japan.

*4 産業技術総合研究所地質情報研究部門

Institute of Geology and Geoinformation, Geo-logical Survey of Japan, AIST, Central 7, Higashi1-1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-8567, Japan.

*5 新潟県南魚沼市六日町宮 298

298 Miya, Muikamachi, Minami-Uonuma, Niigata 949-6775, Japan.

Corresponding author; K. Amano, amano@juen.ac.jp

Influence of a warm-water current on the northern Fossa Magna Region during the Pliocene, based on

analyses of molluscan fauna from the Shitoka Formation and the lowest part of the Uonuma Group

along the Kamakurazawa River in Minami-Uonuma City, Niigata Prefecture

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foliaceus(sic), Terebra awajiensis, Limatula japonica, Striaca symmetricaなどの暖流系現生種や Trigonostoma kurodai, Clavatula dainichiensisなど西南日本太平洋側 の暖流系掛川動物群の構成種が報告されている(Kanehara, 1940a, b; Itoigawa, 1958).したがって,鎌倉沢川の四十日 層を検討すれば,暖流系軟体動物化石が産出する可能性が高 い. 南魚沼市の鎌倉沢川の上流地域(Fig. 1)には上部新生界 が発達し,軟体動物化石が多産することが知られている(栗 田, 1995).栗田は鎌倉沢川流域の新第三系を下位より一村尾 層(凝灰角礫岩, 泥岩),四十日層(砂質シルト岩),魚沼層 群(砂岩, 礫岩)に区分し,互いに整合関係であるとした. 栗田(1995)は“一村尾層”(本研究の四十日層)の 4 産地, 四十日層の 3 産地より,軟体動物 33 種,甲殻類 1 種,海胆 類 1 種,腕足類 3 種などの各種海生動物化石の産出を報告 した.このうち,“一村尾層”の軟体動物化石群は寒流系種 や岩礫底種および 20 m 以浅の浅海に生息する種が卓越する こと,四十日層の軟体動物化石群も寒流系種を含み岩礫底種, 砂底,砂泥底種が含まれることを指摘した.また,暖流系種 について記載はないものの“一村尾層”の 1 産地から典型的 な熱帯・亜熱帯系要素である Cypraea と思われる化石が図 示されている. そこで,本研究ではまず鎌倉沢川流域における岩相層序を 検討するとともに,珪藻化石と石灰質ナンノ化石層序を検討 して地層の年代を明らかにした.その上で,軟体動物化石群 の特徴および暖流系種の産出層準について検討し,北部フォ ッサマグナ地域への暖流の流入の影響について検討した. 本研究の調査地域の上部新生界は下位より西田尻層(久保 田, 1981),四十日層(魚沼丘陵団体研究グループ, 1983), 魚沼層群(魚沼丘陵団体研究グループ, 1983)からなる (Figs. 2, 3). 西田尻層は暗灰色ないし黒色安山岩質凝灰角礫岩を主体と し,シルト岩層を挟む.凝灰角礫岩は径 10−20 cm の紫蘇輝 石普通輝石安山岩からなる.本層は柳沢ほか(1985)が命名 した「一村尾層」にほぼ相当する.しかし,柳沢ほか(1985) は鎌倉沢付近では「一村尾層」の上位に直接魚沼層群が重な っているとしているが,実際にはここでの一村尾層は本研究 の四十日層を含んでいて層序区分が混乱していること,また 地層名としては「西田尻層」の方が早く提唱されていること から,本研究では魚沼丘陵団体研究グループ(1983)に従 い,地層名は西田尻層を使用する(Fig. 4). 四十日層下部には含礫泥岩が発達し,主として一之沢川下 流域で発達する(Fig. 1 の A ルート).中部∼上部では塊状 の青灰色シルト岩を主体とするが,砂岩・シルト岩互層や砂 質シルト岩も見られる(Fig. 1 の A, B, D ルート).層厚は一 之沢川で最大で 224 m であるが,本地域西部では急激に薄く なり鎌倉沢川本流では 106 m となる.本地域東部の一之沢 川(Fig. 1 の A ルート)では地層の走向と傾斜はそれぞれ, N45−65 °W,24−28 °E,一之沢川より西方の鎌倉沢川本流 沿では N64 °E−EW,18−36 °W を示す.これまで四十日層 は下位の西田尻層を整合に覆うとされてきた(魚沼丘陵団体 研究グループ, 1983).しかし,一之沢川と鎌倉沢川本流の合 流地点から 100 m 上流の一之沢川右岸の砂防提では,西田 尻層の 15−40 cm の安山岩の角礫を含む凝灰角礫岩を,四十 日層のシルト岩が凹凸を示す面で覆っているのが観察された (Fig. 5).また,後述するように微化石年代層序分析によっ て西田尻層と四十日層の間には明らかな時間的間隙があるこ 地 質 概 説 Fig. 1. Routes of columnar sections, localities of molluscan fossils

and microfossils around Kamakurazawa River in Minami-Uonuma City, Niigata Prefecture.

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とが判明したため,両層の関係は不整合と考えられる. 魚沼層群の最下部は平行葉理が見られる青灰色細粒砂岩 (25 m)と,その上位の礫岩(106 m+)がからなる(Fig. 3 の A ルート).このうち,青灰色細粒砂岩は柳沢ほか(1985) の「和南津層」に相当する.礫岩は中粒∼粗粒砂を基質とし た亜角礫または亜円礫で,互いに接して重なり,淘汰度は悪 く,円磨された中礫∼大礫からなる.四十日層の青灰色シル ト岩より魚沼層群の最下部の青灰色細粒砂岩に漸移し,走 向・傾斜も調和的なことから両者は整合関係と考えられる. 本研究では,西田尻層と四十日層の年代を決定するために, 微化石層序と年代 珪藻と石灰質ナンノ化石年代層序分析を実施した.珪藻,石 灰質ナンノ化石ともに西田尻層については 3 試料,四十日層 については軟体動物化石産地の試料を含む 11 試料について 分析を行った. 珪藻化石については,西田尻層最上部に挟在するシルト岩 の試料(Fig. 3 の D ルートの Loc. 10)のみから珪藻化石が 産出した(Table 1).珪藻の保存状態は悪く,浅海に多い Paralia sulcataが群集の 34 %を占めていて,指標となる 外洋生種の産出は少ないが,Neodenticula kamtschatica, Thalassiosira antiqua, T. tempereiが検出された. Yanagisawa and Akiba(1998)によれば,N. kamtschati-Fig. 3. Columanar sections(Routes A to D are illustrated in Fig. 1).

Fig. 4. Stratigraphic correlation chart.

Fig. 5. Unconformity between the Shitoka and Nishitajiri Forma-tions.

(4)

caは,NPD 7A 帯の下限付近(7.6 Ma)から産出し始め, NPD 7Ba帯の下限(6.4 Ma)で急増し,NPD8 帯の上限 (2.6−2.7 Ma)で消滅する.T. antiqua は NPD7A 帯下限 (7.6 Ma)から NPD10 帯下部(1.6 Ma)まで産出が認められ る種であり T. temperei は NPD5C 帯の最上部(10.1 Ma) から NPD7Bb 亜帯の最下部(5.4 Ma)まで産出が認められ る.以上から年代範囲は NPD6A 帯下限付近∼ NPD7Bb 帯 の最下部(7.6−5.4 Ma)に限られるが,この試料では NPD7A帯の上限(6.4 Ma)で消滅する Rouxia californica が認められないこと,また NPD7Bb 亜帯の下限(5.5 Ma) から産出し始める Thalassiosira oestrupii がこの試料から 産出しないことを考慮すると,この試料は NPD7Ba 亜帯 (6.4−5.5 Ma)に属する可能性が高い.したがってその地質 時代は後期中新世の末期と判断される. 石灰質ナンノ化石については,四十日層中部の軟体動物化 石産地 Loc.1 から 4 種,四十日層最上部の軟体動物化石産地 Loc.4から 5 種の石灰質ナンノ化石が産出した(Table 2). Loc.1から抽出された化石は小型の Reticulofenestra spp.と Dictyococcites spp.が合わせて 90 %以上を占めるのに対し, Coccolithus pelagicusが少ない.また,Loc.4 から産出し た化石は小型の Reticulofenestra spp.が卓越するのに対し, Coccolithus pelagicusが少ない.このような群集は Sato and Kameo(1996)の DatumA より下位で Martini(1971) の NN16 帯下部∼中部(3.66−2.75 Ma)に典型的に見られる 群集である.以上から四十日層中部∼最上部の年代は後期鮮 新世と判断される. 前述のように,従来四十日層は下位の西田尻層を整合に覆 うとされてきた(魚沼丘陵団体研究グループ, 1983).しか し,西田尻層と四十日層の間には微化石分析により,確実に 時間間隙があることが判明した.既に述べたように,両層の 間には侵食面と思われる凹凸面が観察されることからも,両 層の関係は不整合と考えられる. ところで,黒川・三浦(1993)は,本研究で検討した鎌倉 沢の北東約 4 km に位置する南魚沼市欠之上で,庄之又層 (本論文の西田尻層)の最上部から一之沢パミス質(Itp)テ フラ層を記載した.しかし,記載によれば,このテフラ層は 凝灰質砂質シルト岩ないし砂層に挟まれているとされてお り,むしろ四十日層最下部に挟在する可能性が高い.このテ フラ層は,その特徴から東頸城地域の西山層中に挟在する西 山ミガキ砂(Nym)テフラ層に対比されている(黒川, 1999). Nymテフラ層は広域テフラ層であり,東海層群の佐布里テ フラ層や北陸の氷見層群中の YT3 テフラ層に対比され,古 地磁気層序および珪藻化石年代層序から,その年代は 3.35 Maと推定されている(黒川, 1999).この年代は四十日層中 部∼最上部の石灰質ナンノ化石年代と整合的である.また, このテフラ年代は,本研究で明らかになった西田尻層の最上 部の年代とかけ離れており,一之沢パミス質(Itp)テフラ 層はやはり西田尻層ではなく四十日層最下部に挟在すると考 えた方が妥当であることを示す. 一方,鎌倉沢の北方 2 km で魚沼層群下部の礫岩中に挟在 する大池 I(OkI)テフラ層(柳沢ほか, 1985)は,新潟県内 で広範囲に見つかっている武石パミス質(Tsp)テフラ層 (八石油田の菅沼層中に挟在)に対比されており(黒川・三 浦, 1993),その年代は約 2.25 Ma と推定される(黒川, 1999). したがって,四十日層の上限の年代がこれよりも古いことは 確実である. さらに,黒川・三浦(1993)は鎌倉沢の北東約 5 km の南 魚沼市四十日(四十日層模式地)の四十日層上部ないし最上 部から,西ガラス質(N i g)テフラ層,四十日ガラス質 (Skc)テフラ層および柴倉パミス質(Sbp9)テフラ層を記 載し,単層単位での確実な対比はできないものの,その岩石 記載学的特徴から,これらのテフラ層は,西山油帯の久田淡 紫灰色凝灰質砂層(Kvs)から久田白色ガラス質(Ktw)テ フラ層の層準に対比できるとした.久田白色ガラス質(Ktw) テフラ層の年代は,約 2.5 Ma とされているので(黒川, 1999,テフラ年代からは,四十日層上限の年代はこの程度 に限定される.このテフラ年代は,四十日層中部∼最上部の 石灰質ナンノ化石年代とずれているが,魚沼層群とその下位 の地層との境界は地理的にわずか数 km 離れても同一時間面 と大きく斜交していることが判明しており(黒川・三浦, Table 1. Diatom fossils from the Nishitajiri Formation. + indicates

occurrence of very few specimens.

Table 2. Calcareous nannoplankton fossils from the Shitoka For-mation. Number shows percentage of specimens among 200 indi-viduals. + indicates occurrence of very few specimens.

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Table 3. Molluscan fossils from the Shitoka Formation and the lowest part of the Uonuma Group. Number indicates individuals. U: lowest part of the Uonuma Group.

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1993,これがテフラ年代と石灰質ナンノ化石年代のずれの 原因かもしれない. 1.産地と産状 調査地域の 9 産地(Loc. 1−9)より,120 種の軟体動物化 石(二枚貝 66 種, 巻貝 54 種)が採集,識別され,62 種 (二枚貝 38 種, 巻貝 14 種)が種まで同定された(Fig. 1, Table 3).このうち,Loc. 6 のみが魚沼層群最下部に相当し, 他の産地は四十日層に相当する.

四十日層の Loc. 5 と Loc. 8,魚沼層群最下部の Loc. 6 で は,二枚貝化石は離弁個体が多いものの,現生種の生息する 底質と母岩が一致する.一方,四十日層の Loc. 9 では礫を 含む砂質シルト岩中より岩礁性種を多く含む二枚貝化石が離 弁状態で産出し,四十日層の Loc. 1,2,3,4,7 では,含 軟体動物化石 礫泥岩から岩礁性種を含む二枚貝化石が離弁状で層状密集し て産出し,磨耗を受け破片状となった個体も含まれる. 2.絶滅種と寒流系種 鎌倉沢川産貝化石群中には鮮新世∼前期更新世に日本海側 で生息した大桑・万願寺動物群(Otuka, 1939b)の特徴種が 7種認められた.すなわち Anadara amicula, Chlamys cosibensis, C. tanassevitschi, Yabepecten tokunagai, Turritella saishuensis motidukii, Neptunea eos, Ophio-dermella oguranaである(Fig. 6).大桑・万願寺動物群の 特徴種は四十日層∼魚沼層群最下部までほぼ全層準で産出が 認められる.一方,中期∼後期中新世に東北日本に広く分布 していた塩原型動物群(鎮西, 1963)の残存種である “Dinocardium”angustum の産出が魚沼層群最下部の

Loc. 6から認められた.

寒流系種としては,Acila insignis, Portlandia thraci-Table 3.(continued)

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Fig. 6. Cold-water species, characteristic species of Omma-Manganji fauna and Miocene relict species from Kamakurazawa River. 1. Acila (Truncacila)insignis(Gould), Loc. 7, Length(L)=13.7 mm. 2. Astarte hakodatensis Yokoyama, Loc. 9, L= 9.9 mm. 3.“Dinocardium”

angustum(Yokoyama), Loc. 6, L=9.4 mm. 4, 7. Anadara(Anadara)amicula(Yokoyama), Loc. 2, L=26.1 mm(4), 15.8(7). 5. Acmaea pal-lida(Gould), Loc. 2, Diameter(D)=19.5 mm. 6. Ophiodermella ogurana(Yokoyama), Loc. 2, Height(H)=12.5 mm. 8. Chlamys (Chlamys)cosibensis(Yokoyama), Loc. 7, L=19.4 mm. 9. Yabepecten tokunagai(Yokoyama), Loc. 9, L=19.3 mm. 10. Neptunea eos (Makiyama), Loc. 7, H=26.8 mm. 11. Swiftopecten swiftii(Bernardi), Loc. 7, L=58.8 mm. 12. Chlamys(Leochlamys)tanassevitschi (Khomenko), Loc.6, L=45.7 mm. 13. Turritella(Neohaustator)saishuensis motidukii Otuka, Loc. 7, H= 24.0 mm.

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Fig. 7. Warm-water species from Kamakurazawa River. 1. Acar plicata(Dillwyn), Loc. 6, Length(L)=10.4 mm. 2. Striarca symmetrica (Reeve), Loc. 1, L=10.4 mm. 3. Megacardita ferruginosa(Adams and Reeve), Loc. 1, L=13.1 mm. 4a, b. Glycymeris(Glycymeris)fulgrata (Dunker), Loc. 4, L=38.6 mm. 5. Megacardita sp., Loc. 1, L=8.8 mm. 6. Pusia n. sp.?, Loc. 4, Height(H)=13.0 mm. 7. Punctacteon kajiya-mai(Habe), Loc. 4, H =10.4 mm. 8. Cycladicama cumingii(Hanley), Loc. 1, L=19.2 mm. 9. Siphonaria acmaeoides Pilsbry, Loc. 3, Diameter(D)=13.6 mm. 10a, b. Siphonalia modificata(Reeve), Loc. 4, H=22.6 mm. 11a, b. Mitra cf. chinensis Gliffith and Pidgeon, Loc. 7, H=40.2 mm. 12a, b. Cypraea sp., Loc. 1, H=29.7 mm.

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aeformis, Yoldia notabilis, Modiolus difficilis, Megacrenella columbiana, Swiftopecten swiftii, Monia macroschisma, Astarte hakodatensis, Tridonta borealis, Pandora wardiana, Acmaea pallida, Puncturella nobilis, Homalopoma amussitatum, Cryptonatica jan-thostomaの 14 種が認められた(Fig. 6).これらの種は四 十日層中部(Loc.1, 2, 3, 4, 8, 7)から魚沼層群最下部(Loc. 6)にかけてのほぼ全層準で認められている. 3.暖流系種 暖流系種としては他生的産状を示す四十日層の中部(Loc. 1, 2, 3, 7,最上部(Loc. 4)および準自生的産状を示す魚沼 層群最下部(Loc. 6)より,個体数は少ないものの 14 種が 産出した(Table 3, Fig. 7).産出した暖流系種は Acar pli-cata, Striarca symmetrica, Glycymeris fulgurata, Cycladicama cumingii, Megacardita ferruginosa, Megacardita sp., Cypraea sp., Siphonalia modificata, Cantharus cecillei, Mitra cf. chinensis, Mitra sp., Pusia n. sp.?, Punctacteon kajiyamai, Siphonaria acmaeoides である. 以上の暖流系種のうち,S. symmetrica(Fig. 7.2)が最も 個体数が多く,最下位の Loc. 1 より四十日層最上位の Loc. 4 まで産出する.本種や Loc. 1 で共産する M. ferruginosa (Fig. 7.3)や C. cumingii(Fig. 7.8)は日本海側で後期鮮新 世∼前期更新世に普遍的に見られる種である(天野, 2007). 一方,個体数は少ないものの,報告例の少ない種として, Cypraea sp., M. cf. chinensis, G. fulgurata, Megacardita sp.が挙げられる.Cypraea sp.(Fig. 7.12a, 7.12b)は典型的 なインド・西太平洋要素である.タカラガイ科 Cypraeidae

の日本海側からの鮮新世の化石記録としては唯一秋田県の鮮 新統天徳寺層から報告された Erronea sp.がある(Shi-mamoto and Koike, 1986; 天野ほか, 2000a).四十日層から 産出した個体は変形を受けているものの天徳寺層の標本に比 べ殻の保存が良く,殻高 29.6 mm,殻径が 17.6 mm とやや 大きい.現生種では,C. hungerfordi や C. hirasei に外形 的に類似している.これらの種は日本海側にはほとんど見ら れず,下部浅海域に生息するとされている(Higo et al., 1999). M. cf. chinensis(Fig. 7.11a, 7.11b)は相模湾以南の太平洋 や東シナ海に生息する現生種 M. chinensis に類似するもの の不完全な 1 個体のため,種まで同定できない.いずれにせ よ,日本海側の鮮新統から Mitra 属の産出は初めてである. G. fulgurata(Fig. 7.4a, 7.4b)は八丈島や台湾に分布すると されており,新潟県の鮮新統鍬江層からの報告がある(Ma-tsukuma, 1986; 天野ほか, 2000a).Megacardita sp.(Fig. 7.5)は殻長 8.8 mm と小型の標本 1 個体のみ得られた.14 本の太い放射肋をもち,西南日本太平洋側の掛川動物群 (Otuka, 1939a)の特徴種である M. panda(Yokoyama)の

幼貝に類似している.

1.四十日層および魚沼層群最下部堆積時の古環境

四十日層の Loc. 5 と Loc. 8,魚沼層群最下部の Loc. 6 は, 前述した産状から準自生的な産状を示す.一方,四十日層の Loc. 1,2,3,4,7,9 はその産状から他生的と判断される. このため,準自生的な産状を示す産地についてのみ古水深を 検討した.

四十日層中部の Loc. 8 では,Acila insignis, Yoldia 考     察

Fig. 8. Stratigraphic horizons of warm-water species show-ing in the generalized colum-nar section mainly based on the columnar section along Ichinosawa River.

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notabilis, Portlandia thraciaeformis, P. toyamaensis, Macoma calcareaが,四十日層上部の Loc. 5 では,Port-landia toyamaensis, Macoma calcareaが産出している. Acila insignisは 200 m 以浅に,Portlandia toyamaen-sisは 100 m 以深に生息しており(Higo et al., 1999),他の 種の生息深度も考慮すると四十日層は下部浅海帯に堆積した と考えられる.一方,魚沼層群最下部の Loc. 6 からは Homalopoma amussitatumが Cardita leana, Acar pli-cata, Puncturella nobilis, Megacrenella columbiana, Arca boucardi, Irus mitis, Anisocorbula venustaを伴っ て産出している.上部浅海帯の岩礁性種が多く,魚沼層群最 下部は上部浅海帯に堆積したと推定される. 以上から四十日層堆積時から魚沼層群最下部堆積時にかけ ての古水深は下部浅海帯から上部浅海帯へと浅海化したと推 定される.また,この浅海化は前期鮮新世以降の脊梁山脈の 隆起に伴うものと考えられている(魚沼丘陵団体研究グルー プ, 1983; 小林・立石, 1992). 本研究の結果,四十日層中部から魚沼層群最下部堆積時 (3.66−2.75 Ma)には,寒流系種がほぼ全層準を通して産出 することが判明した.また,暖流系種は 14 種が認められ, 四十日層で下部浅海帯に堆積した Loc. 5,Loc. 8 を除く他生 的な産状を示す全層準,魚沼層群最下部層の準自生的で上部 浅海帯に堆積した Loc. 6 から産出した(Fig. 8).この結果は 4−2.22 Ma の年代を示す富山県三田層において,貝化石が産 出した全層準で暖流系種が認められるとした結果(天野ほか, 2008)と調和的である.つまり,3.66−2.75 Ma のある時期 においては,上部浅海帯では,少なくとも新潟県南魚沼市ま で暖流が明らかに流入していた証拠が認められる. 2.北部フォッサマグナ地域への暖流の流入の影響 北部フォッサマグナ地域の他地域と比較すると,3.5 Ma 前 後に堆積した新潟県新発田市周辺の鍬江層産軟体動物化石群 中の暖流系種(天野ほか, 2000a)中には Striarca symmet-rica, Megacardita ferruginosa, Glycymeris fulgurata, Siphonalia modificata, Cantharus cecilleiなどの共通種 が認められる(Table 4).特に,Glycymeris fulgurata は 日本海側では鍬江層と四十日層から知られているのみであ る.しかし,新発田市の鍬江層からは全産地 17 産地のうち 7産地から暖流系種が認められ,暖流系種産出産地の全種数 191種中 35 種(18.3 %)が暖流系種である.一方,より南 方に位置する鎌倉沢川では,全 9 産地中 6 産地から暖流系 種が見られるにもかかわらず,暖流系種産出産地の全種数 103種中 14 種(13.4 %)が暖流系種と若干低い種数比を示 す. 長野県北部で 4−3 Ma に堆積した荻久保層産軟体動物化石 群中の暖流系種では,Cycladicama cumingii のみが四十 日層産軟体動物群と共通している(天野・唐沢, 1993).な お,天野・唐沢(1993)では下部浅海帯に生息するため暖流 系種として取り上げなかった Nemocardium samarangae について,天野ほか(2000a)と同様にここでは暖流系種と して扱う.そうすると,全 28 産地中 9 産地から暖流系種が 見られることになるが,それでも暖流系種産出産地の全種数 Table 4. Warm-water species from the lower upper Pliocene in the

Japan Sea borderland. Denominator is the number of localities while numerator is the number of specimens. Literature: Mita Formation (Amano et al., 2008); Ogikubo Formation(Amano and Karasawa, 1993); Shitoka Formation/Lowest part of the Uonuma Group(This study); Kuwae Formation(Amano et al., 2000a); Tentokuji For-mation(Amano et al., 2000b).

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153種中 3 種(2.0 %)のみが暖流系種であり,鎌倉沢川の 軟体動物群と比較して種数比が低い. このように北部フォッサマグナ地域では南方にゆくほど, 暖流系種の全種数に対する種数比が低くなる傾向が見られ る.この要因として暖流の厚さと古地理的な設定が考えられ る.当時の暖流の影響する深度が浅く(的場, 1978; 天野ほ か, 2000a),北部フォッサマグナ地域には北東方向に開いた 湾が存在した(Ogasawara, 1994)ため,内湾の湾奥にあた る長野県北部では対馬海峡付近から流入した暖流の影響を強 く受けなかった可能性が指摘されている(天野, 2007). 本研究の結果を含め,日本海側の後期鮮新世の暖流系種を 総括すると第 4 表のように 70 種が認められる.しかし,複 数の地層から産出する種は 15 種と少なく,1 つの地層に限 られる種が 55 種(78.6 %)と多い.しかも,1 つの地層に 限られる種群中には 1 産地のみに見られ,3 個体以下の種が 55種中 35 種(63.6 %)と多い.一方,現在の新潟県上越 市の打ち上げ貝類(天野, 2001)を福井県沿岸の打ち上げ貝 類(福岡ほか, 2008)と比較すると,上越市で見られる暖流 系種 56 種のうち,46 種が共通している.このことは,Oga-sawara(1986)によりすでに指摘されているように当時日本 海に流入した暖流の影響は現在に比べて弱かったことを示唆 している.また,鎌倉沢川の下部浅海帯を示す準自生的産地 では暖流系種が見られないことは,暖流の影響する深度が浅 かったとした天野ほか(2000a)の見解を支持している.南 魚沼市鎌倉沢川は鍬江層の分布する新発田市周辺と荻久保層 の分布する長野県北部との中間域に相当し,暖流系種の種数 比も中間的な値を示す.こうした本研究の結果は北部フォッ サマグナ地域に存在した内湾の湾奥に相当する長野県北部か ら外洋域に相当する新発田市へより暖流の影響が強まってい ることを裏付ける証拠となる. 新潟県南魚沼市の四十日層および魚沼層群最下部より産出 する軟体動物群について詳細に検討し,以下の結論を得た. 1.四十日層より NN16 の下部から中部(3.66−2.75 Ma)を 示す石灰質ナンノ化石を得た.一方、下位の西田尻層最 上部から NPD7Ba 亜帯(6.4−5.5 Ma)を示す珪藻化石を 得た.西田尻層と四十日層の関係は不整合である. 2.四十日層の準自生的な産地より採集された軟体動物化石 から,四十日層は下部浅海域に,魚沼層群最下部は上部 浅海域に堆積したと推定される. 3.四十日層の他生的な産地と魚沼層群最下部の準自生的な 産地では,暖流系種が層準的に連続して認められた. 4.後期鮮新世において,暖流は日本海に流入していたが, その影響する水深は浅かった.また,より内湾的になるに つれ,暖流の影響が弱くなることが分かった. 天野和孝(Amano, K.), 2001, 古環境変動を実感させる教材の開発.− 現生および化石貝類群の比較を通じて.地学教育(Educ. Earth Sci, 54, 225-236. 文     献 お わ り に 天野和孝(Amano, K.), 2007, 大桑・万願寺動物群とその変遷過程.化 石(Fossils), no. 82, 6-12.

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(要 旨)

天野和孝・永田 覚・佐藤時幸・柳沢幸夫・栗田義隆,2009,鮮新世における北部フォッサマ グナ地域への暖流の影響−新潟県南魚沼市鎌倉沢川の四十日層および魚沼層群最下部産軟体動 物群の検討を通じて−.地質雑,115,597−609.(Amano, K., Nagata, K., Sato, T., Yanagi-sawa, Y. and Kurita, Y., 2009, Influence of a warm-water current on the northern Fossa Magna Region during the Pliocene, based on analyses of molluscan fauna from the Shitoka Formation and the lowest part of the Uonuma Group along the Kamakurazawa River in Minami-Uonuma City, Niigata Prefecture. Jour. Geol. Soc. Japan, 115, 597−609.)

鮮新世における北部フォッサマグナ地域への暖流の影響を明らかにすべく,新潟県中部 の鎌倉沢川沿いに露出している四十日層,魚沼層群最下部の軟体動物化石を検討した.四 十日層は含礫泥岩とシルト岩からなり,石灰質ナンノ化石の NN16 帯下部∼中部に対比さ れ,上部中新統の西田尻層に不整合に重なる.また,魚沼層群最下部は主として砂岩と礫岩 からなり,四十日層を整合に覆う.鎌倉沢川より産出した軟体動物群は鮮新-更新世の大桑 万願寺動物群の特徴種や寒流系種を含むほか,ほぼ全層準から 14 種の暖流系種が認められ た.後期鮮新世では,北部フォッサマグナ地域において,新発田地域から本研究地域を経 て長野地域へと暖流系種の種数比は減少する.この原因として鮮新世には北部フォッサマ グナ地域に北東に開いた大きな湾が発達し,浅い暖流は対馬海峡から北東へ流入していた ことが挙げられる.

Fig. 2. Geological map.
Fig. 4. Stratigraphic correlation chart.
Table 2. Calcareous nannoplankton fossils from the Shitoka For- For-mation. Number shows percentage of specimens among 200  indi-viduals
Table 3. Molluscan fossils from the Shitoka Formation and the lowest part of the Uonuma Group
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