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河川維持管理計画 那賀川水系那賀川 桑野川 平成 2 5 年 8 月 四国地方整備局那賀川河川事務所

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河川維持管理計画

那賀川水系那賀川・桑野川

平成2 5 年 8 月

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河川維持管理計画

(那賀川水系那賀川・桑野川)

~ 目 次 ~

1.河川の概要 ・・・ p1 1-①.河川の流域面積、幹線流路延長、管理延長、河床勾配等の緒元 ・・・ p1 1-②.流域の自然的、社会的特徴 ・・・ p2 1-③.河道特性、被災履歴、地形、地質、樹木等の状況 ・・・ p3 1-④.土砂の生産域から河口部までの土砂移動の状況 ・・・ p7 1-⑤.生物や水量・水質・景観、河川空間の利用等管理上留意すべき 河川環境の状況 ・・・ p7 2.河川維持管理上の特性 ・・・ p9 2-①.河川管理施設(堤防・護岸・樋門等)の維持管理 ・・・ p9 2-②.堤防漏水 ・・・ p9 2-③.河道内の局所洗掘 ・・・ p10 2-④.河道内樹木 ・・・ p11 2-⑤.洪水時に漂着する障害物 ・・・ p13 2-⑥.河川内での不法行為と河川美化 ・・・ p14 2-⑦.河川水の利用と渇水 ・・・ p15 2-⑧.水質の保全 ・・・ p16 2-⑨.動植物の生息・生育状況 ・・・ p16 2-⑩.河川空間の利用 ・・・ p17 3.河川の区間区分 ・・・ p18 3-①.那賀川 ・・・ p18 3-②.桑野川・派川那賀川 ・・・ p18

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4.河川維持管理目標 ・・・ p18 4-1.河道流下断面の確保 ・・・ p18 4-1-(1).河道流下断面の確保 ・・・ p18 4-1-(1)-①.堤防の高さ・形状の確保 ・・・ p18 4-1-(1)-②.河道内流下阻害対策 ・・・ p18 4-1-(1)-③.洪水時に漂着する障害物の除去 ・・・ p19 4-2.施設の機能維持 ・・・ p19 4-2-(1).河道(局所洗掘・堆積の対策) ・・・ p19 4-2-(1)-①.河床の変動対策 ・・・ p19 4-2-(2).堤防 ・・・ p19 4-2-(2)-①.堤防の補修 ・・・ p19 4-2-(3).護岸、根固工、水制工 ・・・ p19 4-2-(3)-①.護岸・根固・水制の補修 ・・・ p19 4-2-(4).堰、水門、樋門、排水機場 ・・・ p20 4-2-(4)-①.土木構造施設の補修 ・・・ p20 4-2-(5).水文観測施設 ・・・ p20 4-2-(5)-①.水文観測施設の補修 ・・・ p20 4-2-(6).水防資材の確保 ・・・ p21 4-2-(6)-①.水防資材の確保 ・・・ p21 4-3.河川区域の適正な利用 ・・・ p21 4-3-(1).河川敷地の不法占用や不法行為への対応に関する目標 ・・・ p21 4-3-(1)-①.不法行為等の是正・防止 ・・・ p21 4-4.河川環境の整備と目標 ・・・ p21 4-4-(1).河川整備計画に基づいて河川環境の整備と保全に関する目標 ・・・ p21 4-4-(1)-①.河川利用施設の補修 ・・・ p21 4-4-(1)-②.維持管理工事における配慮・・・ p22 4-4-(1)-③.河道内生物の生息・生育環境の保全 ・・・ p22 4-4-(1)-④.水質の保全 ・・・ p22 4-4-(1)-⑤.河川美化の推進 ・・・ p22

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5.河川の状態把握 ・・・ p23 5-1.基礎データの収集 ・・・ p23 5-1-(1).水文・水理等観測 ・・・ p23 5-1-(1)-①.雨量観測 ・・・ p23 5-1-(1)-②.水位観測 ・・・ p23 5-1-(1)-③.洪水時の水位・流向・流速・水あたりの把握 ・・・ p23 5-1-(1)-④.高水流量観測 ・・・ p24 5-1-(1)-⑤.低水流量観測 ・・・ p24 5-1-(1)-⑥.水質観測 ・・・ p24 5-1-(1)-⑦.震度観測 ・・・ p25 5-1-(1)-⑧.風向・風速観測 ・・・ p25 5-1-(1)-⑨.地下水位観測 ・・・ p25 5-1-(2).測量 ・・・ p26 5-1-(2)-①.縦横断測量 ・・・ p26 5-1-(2)-②.平面測量 ・・・ p26 5-1-(2)-③.航空写真・斜め写真撮影 ・・・ p26 5-1-(2)-④.洪水痕跡調査 ・・・ p26 5-1-(3).河道の基礎データ ・・・ p27 5-1-(3)-①.河道特性調査 ・・・ p27 5-1-(3)-②.異常洗掘・堆積調査 ・・・ p27 5-1-(3)-③.河道内樹木調査 ・・・ p27 5-1-(3)-④.中州・砂州の発生箇所、移動状況の継続調査 ・・・ p28 5-1-(3)-⑤.河口閉塞の状況監視 ・・・ p28 5-1-(3)-⑥.堤防断面調査 ・・・ p28 5-1-(4).河川環境の基礎データ ・・・ p29 5-1-(4)-①.河川水辺の国勢調査 ・・・ p29 5-1-(4)-②.河川環境情報図の作成 ・・・ p29 5-1-(4)-③.河川管理基図の作成 ・・・ p29 5-1-(5).観測施設、機器の点検 ・・・ p30 5-1-(5)-①.水文観測施設の点検 ・・・ p30 5-2.堤防点検等のための環境整備 ・・・ p30 5-2-①.堤防点検、あるいは河川の状態把握のための環境整備 ・・・ p30 5-3.河川巡視 ・・・ p30 5-4.点検 ・・・ p38 5-4-(1).出水期前、台風期、出水中、出水後等の点検 ・・・ p38

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5-4-(1)-①.堤防の点検 ・・・ p38 5-4-(1)-②.漏水調査 ・・・ p38 5-4-(1)-③.堤防調査 ・・・ p39 5-4-(1)-④.護岸・根固等(高水護岸・低水護岸・根固め・護床工等) の点検 ・・・ p39 5-4-(1)-⑥.洪水時に漂着する障害物の除去 ・・・ p39 5-4-(2).地震後の点検 ・・・ p39 5-4-(2)-①.堤防の地震時点検 ・・・ p39 5-4-(2)-②.地震時の河川管理施設(水門・樋門・樋管・排水機場等) の点検 ・・・ p40 5-4-(3).親水施設等の点検 ・・・ p41 5-4-(3)-①.河川利用者の安全確保点検(護岸・坂路・散策路・手す り・天端道路等) ・・・ p41 5-4-(4).機械設備を伴う河川管理施設の点検 ・・・ p41 5-4-(4)-①.河川管理施設(水門・樋門・樋管・排水機場等)の点検 ・・・ p41 5-4-(5).許可工作物の点検 ・・・ p42 5-4-(5)-①.許可工作物の点検 ・・・ p42 5-5.河川カルテ ・・・ p43 5-5-①.河川カルテの作成 ・・・ p43 5-6.河川の状態把握の分析、把握 ・・・ p43 5-5-①.河川の状態把握の分析、把握 ・・・ p43 6.具体的な維持管理対策 ・・・ p44 6-1.河道の維持管理対策 ・・・ p44 6-1-(1).河道流下断面の確保・河床低下対策及び河岸の対策 ・・・ p44 6-1-(1)-①.河道の堆積土砂対策について ・・・ p44 6-1-(1)-②.河床低下、洗掘対策について ・・・ p44 6-1-(2).樹木の対策 ・・・ p44 6-2.施設の維持管理対策 ・・・ p44 6-2-(1).堤防 ・・・ p44 6-2-(1)-①.土堤 ・・・ p44 6-2-(1)-①.特殊堤 ・・・ p46

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6-2-(2).護岸・根固め・水制工 ・・・ p46 6-2-(3).樋門・水門 ・・・ p46 6-2-(4).排水機場 ・・・ p47 6-2-(5).陸閘 ・・・ p47 6-2-(6).河川管理施設の操作 ・・・ p47 6-2-(7).情報・通信施設 ・・・ p48 6-2-(8).許可工作物 ・・・ p48 6-2-(8)-①.基本 ・・・ p48 6-2-(8)-②.取水施設 ・・・ p48 6-2-(8)-③.橋梁 ・・・ p48 6-2-(8)-④.河川横断工作物(堰) ・・・ p49 6-2-(9).水文観測施設の維持管理 ・・・ p49 6-3.河川区域等の維持管理対策 ・・・ p49 6-3-(1).一般 ・・・ p49 6-3-(2).河川内での不法行為の是正・防止 ・・・ p50 6-3-(2)-①.不法行為等の是正・防止 ・・・ p50 6-3-(3).河川の適正な利用 ・・・ p51 6-3-(3)-①.状態把握 ・・・ p51 6-3-(3)-②.河川の安全な利用 ・・・ p51 6-4.河川環境の維持管理対策 ・・・ p52 6-4-(1).洪水時に漂着する障害物の除去 ・・・ p52 6-4-(2).河川環境の保全 ・・・ p52 6-4-(2)-①.特定外来種対策 ・・・ p52 6-4-(2)-②.河道内生物の生息・生育環境の保全 ・・・ p52 6-4-(2)-③.水質の保全 ・・・ p52 6-4-(3).渇水時の流況管理 ・・・ p52 6-4-(3)-①.水位・流量・水質観測(低水) ・・・ p52 6-5.水防等のための対策 ・・・ p53 6-5-(1).水防のための対策 ・・・ p53 6-5-(1)-①.水防活動等への対応 ・・・ p53 6-5-(1)-②.水位情報等の提供 ・・・ p53 6-5-(1)-③.洪水予測技術の精度向上 ・・・ p53

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6-5-(2).水質事故対策 ・・・ p53 7.地域連携等 ・・・ p54 7-(1).河川管理者と市町が連携して行うべき事項(排水ポンプ車運転、避 難情報提供等) ・・・ p54 7-(2).河川管理者及び市町村と NPO、市民団体が連携・協働して行って いる又は行う予定がある事項 ・・・ p54 8.効率化・改善に向けての取り組み ・・・ p54 8-(1).より良好な河川環境の整備・保全 ・・・ p54 8-(2).より効率的な河川維持管理等に向けた更なる地域協働の取り組み ・・・ p54 8-(3).長寿命化対策の方向等 ・・・ p54 8-(4).効率化あるいは改善を進める取り組み・・・ p54 ◇参考資料(写真・表・グラフ等)

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河川維持管理計画は、那賀川水系河川整備計画に沿って、河川維持管理の具体の内容を 定めたものであり、河道及び河川管理施設等の状況変化、河川維持管理の実績、社会経済 情勢の変化等に応じて適宜見直しを行うものとする。 なお、大幅な状況変化がない場合においても、概ね 5 年以内に計画の見直しを行うもの とする。 1.河川の概要 ①河川の流域面積、幹線流路延長、管理延長、河床勾配等の緒元 那賀川は、徳島県南部の太平洋側に位置し、その源を徳島県那賀郡の剣山山系ジロウギ ュウ(標高 1,929m)に発し、坂州木頭川、赤松川等の支川を合わせ、那賀川平野に出て、 派川那賀川を分派し紀伊水道に注ぐ、幹川流路延長 125km、流域面積 874k㎡の一級河川 である。また、支川桑野川は、派川那賀川に合流する幹川流路延長 27kmの一級河川であ る。直轄管理区間は、本川区間 31.57km(河川区間 18.04km、ダム区間 13.53km)と派川那 賀川 3.63km及び派川那賀川に流入する桑野川 7.0km であり、総計 42.2km の区間を管理 している。河床勾配は、十八女付近より上流部は 1/300~1/500、下流部は約 1/900 であり、 全国の主要な河川の中でも勾配が急な河川である。その流域は、阿南市をはじめとする 2 市 3 町からなり、流域の土地利用は、山地が約 92%、水田や畑地等の農地が約 5%、宅地 等の市街地が約 3%となっている。那賀川では、古くからその気象的、地理的特性を活か した木材の生産、製材、木工、製紙といった木材産業と肥沃な土地と豊富な水を活かした 農業を基幹産業として栄えてきたが、近年では、那賀川河口域の辰巳工業団地を中心に化 学製品や電子機器の企業進出もあり、今後の発展が期待される地域である。 那賀川 派川 那賀川 桑野川 【那賀川流域図】

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②流域の自然的、社会的特徴 那賀川流域は、四国山地の南東斜面に位置しているため、太平洋上の台風による強い吹 き出しの影響を受けて集中的に大雨が降る傾向があり、これまでにも記録的な大雨となる こともあるなど、日本有数の多雨地帯である。このため、那賀川流域の年間降雨量は、上 流部が 3,000mm を越えており、下流部でも 2,500mm に達する。 那賀川流域は太平洋型気候に属しており、高地の一部を除いて平均気温は 14℃~17℃と 温暖である。 【四国の年降雨量】 那賀川下流の平野部は、典型的な三角州扇状地が形成されており、想定はん濫区域は域 外まで拡がっていることから、想定はん濫区域内人口(約 71,000 人)は流域内人口(約 58,000 人)より多い。また、洪水時の河川水位が平野部の地盤高よりも高く、下流平野部 には人口及び資産が集中しているため、破堤時の被害ポテンシャルが大きい。 【居住地よりも高い洪水時の河川水位】 小松島市 A-A'断面図 桑 野 川 宝 田 小 学 校 国 道 55 号 岡 川 JR 牟 岐 線 製 紙 工 場 阿南市 那 賀 川 T.P (m) 15 10 5 0 那賀川 派川 那賀川 桑野川

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③河道特性、被災履歴、地形、地質、樹木等の状況 ・河道特性 那賀川下流の平野部は、山地部からの土砂流出によって形成された扇状地であり、洪 水によって流路が変化する網状河川が改修事業により固定化されて、現在の河道が形成 されている。しかし、流路が固定されたことにより、昭和 20 年代は複列化を呈していた 砂礫堆が昭和 40 年代には単列化の河道に変化し、近年では交互砂州の移動に伴い局所洗 掘が進行し、堤防安全性の低下が懸念されている。 また、扇状地上流部の山間平野部では、無堤地区が多く残されており、外水はん濫が 度々発生している。 上流山地部は、急峻な地形、脆弱な地質と多雨地帯があいまって、土砂災害の多い地 域となっており、明治 25 年 7 月の豪雨では、高磯山の崩壊によって河道が閉塞し、その 後の決壊により甚大な被害が発生した。なお、近年でも山腹崩壊等に伴い、長安口ダム 等の既設ダムの堆砂が進行するとともに、濁水の長期化が問題となっている。 ・被災履歴 那賀川流域は、台風が当流域を直撃若しくは西側を通過する場合に降水量が多くなる 傾向となっており、昭和 25 年ジェーン台風、昭和 46 年台風 23 号等、基準地点の古庄に おいて 7,000m3/s を越える洪水が発生しており、近年においても平成 16 年台風 23 号等 によって大洪水が発生している。 なお、那賀川流域における主要な洪水と被害状況は、以下のとおりである。 那賀川における過去の洪水と被害状況 被 害 状 況 洪水発生年月日 2日 雨量 (mm) 最大 流量 (m3/s) 発生 原因 全 壊 流 失 半 壊 床 上 浸 水 床 下 浸 水 水害区 域面積 慶応2年8月 - - 台風 堤防決壊等により甚大な浸水被害が発生した。 大正7年8月 29 日 - - 台風 堤防決壊等により甚大な浸水被害が発生した。 昭和 25 年9月3日 393 (約 9,000) ジェーン台風 [129] [537] [1,564] [3,825] 不明 昭和 36 年9月 16 日 561 約 6,200 第 2 室戸台風 2 6 24 134 164 昭和 40 年9月 14 日 533 約 3,600 台風 24 号 - - 17 76 338 昭和 43 年7月 29 日 397 約 5,700 台風4号 - 10 117 908 昭和 45 年8月 21 日 384 約 6,500 台風 10 号 - - - 2 22 昭和 46 年8月 30 日 483 約 7,300 台風 23 号 1 - 92 86 95 昭和 50 年8月 23 日 612 約 7,600 台風6号 - 1 91 41 266 昭和 51 年9月 12 日 723 約 4,400 台風 17 号 - - 6 2 54 昭和 54 年9月 30 日 311 約 6,000 台風 16 号 1 - 10 3 106 昭和 62 年 10 月 17 日 370 約 5,000 台風 19 号 - - 3 - 17 平成2年9月 19 日 568 約 7,100 台風 19 号 - - - 36 74 平成5年8月 10 日 398 約 5,900 台風7号 - - - 2 21 平成9年9月 17 日 448 約 6,000 台風 19 号 - - 6 33 299 平成 10 年9月 22 日 247 約 4,100 台風7号 - - 19 298 71

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平成 15 年8月9日 563 約 6,900 台風 10 号 - - 4 40 150 平成 16 年8月1日 946 約 5,300 台風 10 号 6 5 - 12 111 平成 16 年 10 月 20 日 448 約 8,100 台風 23 号 - - 107 93 165 平成 17 年9月7日 632 (約 5,800) 台風 14 号 - - 11 2 121 注1) 最大流量は那賀川基準地点「古庄」における流量年表による ただし、昭和25年9月洪水の流量は基準地点「古毛」である 2) 被害状況は水害統計による(昭和25年は「徳島縣災異誌」の集計値) 3) ( )書きは推定値、[ ]書きは桑野川分を含む 桑野川流域は、前線による集中豪雨による洪水が多く、特に昭和 40 年 9 月洪水及び戦 後最大洪水である平成 11 年 6 月洪水も前線による降雨である。 なお、桑野川流域における主要な洪水と被害状況は、以下のとおりである。 桑野川における過去の洪水と被害状況 被 害 状 況 洪水発生年月日 1日 雨量 (mm) 最大 流量 (m3/s) 発生原因 全 壊 流 失 (棟) 半 壊 (棟) 床 上 浸 水 (棟) 床 下 浸 水 (棟) 水害区 域面積 (ha) 慶応2年8月 - - 台風 堤防決壊等により甚大な浸水被害が発生した。 大正元年9月 23 日 - - 台風 堤防決壊等により甚大な浸水被害が発生した。 昭和 31 年9月 26 日 287 (約 500) 台風 15 号 不明 昭和 34 年9月 26 日 265 (約 430) 台風 15 号 (伊勢湾) 不明 昭和 40 年9月 14 日 419 約 740 前 線 - [642] [2,224] [1,449] 昭和 47 年7月6日 308 約 590 梅雨前線 - - 128 440 553 昭和 47 年9月 16 日 191 約 400 台風 20 号 - - 31 315 191 平成2年9月 19 日 326 約 490 台風 19 号 - - 3 34 209 平成7年5月 11 日 362 約 440 低気圧 - - 2 10 6 平成 10 年5月 16 日 287 約 670 前 線 - - 39 128 714 平成 10 年9月 22 日 242 約 610 台風7号 - - 47 145 29 平成 11 年6月 29 日 362 約 770 梅雨前線 - - 48 194 215 平成 16 年 10 月 20 日 236 約 650 台風 23 号 - - 5 76 69 注1) 最大流量は桑野川基準地点「大原」における水位流量換算値による 2) 被害状況は水害統計による 3) ( )書きは推定値、[ ]書きは前後の台風23~24号による被害を含む ・地形 那賀川流域は、山地が約 92%を占め、山地部は比較的急峻な山岳が並ぶなど、壮年期 の地形を呈している。また、剣山(1,955m)付近を最高として、各山嶺は地質構造に支 配されて複雑な様相を呈しており、これらの間に那賀川が深く下刻してV字型の渓谷を

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形成している。また、平野部は、那賀川によって形成された典型的な三角州扇状地とな っている。 一方、那賀川下流に広がる平野部は、計画規模の洪水時における水位より低いことか ら、潜在的に堤防の決壊(破堤はん濫)による被災の危険性が高い。 扇状地は、扇頂部の阿南市持井橋付近で標高 15m、扇端の羽ノ浦町中床、阿南市柳島 町付近で標高 5mあり、半径約 5km、傾斜約 1/500 で緩傾斜となっている。また、扇状地 の外側(下流側)を取り囲むように、標高 2~3m付近まで勾配約 1/1,000 の沖積面が広 がっている。那賀川の左岸側では約 2km、右岸側では 2.5~3km の幅で、南部ほど発達し ており、三角州性扇状地と分類している。 那賀川水系流域の地形 那賀川平野と洪水時における那賀川の水面との関係 小松島市 A-A'断面図 桑 野 川 宝 田 小 学 校 国 道 55 号 岡 川 JR 牟 岐 線 製 紙 工 場 阿南市 那 賀 川 T.P (m) 15 10 5 0 洪水時の水位 那賀川 桑野川 派川 那賀川 出典:国土交通省国土地理院編集「日本国勢地図」

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・地質 那賀川流域の地質は、剣山(標高 1,955m)をはじめとする急峻な壮年期の山地を基 盤として形成されている。流域内を仏像構造線が東西に走り、流域の地質はこれを境に 秩父帯と四万十帯に二分されている。秩父帯には主に古生代及び中生代の砂岩、粘板岩、 チャート等が分布、四万十帯には主に中生代白亜紀の砂岩及び泥岩が分布している。 特に流域上流の秩父帯は脆弱な地質であり、多雨地帯であることと相まって、多くの 地すべり危険箇所が存在する。 扇状地砂礫層の厚さは 10~30m以上あるが、沖積層の基盤岩の深度は場所によって異 なることから、那賀川平野の堆積盆は元々凹凸が多かったと考えられている。阿南市羽 ノ浦町岩脇の扇状地が北の羽ノ浦丘陵と接するところでは、扇状地堆積物が埋め残した ものと考えられる後背湿地が見られる。 三角州性扇状地の表層地質は、扇状地面のそれと比べるとより砂質であり、一部シル トが混じっている。 四国の地質分布図 ・樹木等の状況 河道内樹木は、河積阻害、河床上昇、局所洗掘の助長、護岸等構造物の機能低下等、 デメリットがある一方、河川景観や河川の生態系の構成に重要な役割を担っている。 河道内樹木が繁茂し、洪水時の流下を阻害する場合や、土砂堆積を促し砂州の固定化 を助長している場合、護岸周辺部の局所洗掘の助長及び護岸・根固等施設点検への障害 となるなど、河川管理上支障となっている場合は、環境面についても考慮しながら適切 な樹木伐採を実施する必要がある。

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④土砂の生産域から河口部までの土砂移動の状況 那賀川流域の地質は、東西に走る仏像構造線により秩父帯と四万十帯に二分されており、特 に流域上流の秩父帯については脆弱な地質であるため土砂生産が活発である。 土砂生産域においては、明治 25 年の高磯山の大規模な崩壊とそれに伴う河道閉塞による上 流部の浸水、昭和 51 年台風 17 号による平地区における地すべり性の大規模崩壊、平成 16 年 台風 10 号による大用知地区の大規模崩壊等、大規模土砂災害が度々発生している。 また、上流域における活発な土砂生産は、長安口ダム・小見野々ダム等において堆砂を進 行させ、長安口ダムでは昭和 31 年の竣工から 52 年が経過し計画堆砂量 529.4 万 m3の約 3 倍 にあたる約 1,500 万 m3、小見野々ダムでは昭和 43 年の竣工から 40 年が経過し計画堆砂量の 約 1.2 倍の土砂が堆砂している。 河道域では、昭和 30~40 年代の高度経済成長期において、主として河道域における年間 平均約 20 万 m3に及ぶ砂利採取により河床が平均約 80cm、最大約 3m 低下したが、昭和 50 年 代以降は砂利採取規制により砂利採取が減少し、河床は緩やかな上昇傾向に転じている。 ⑤生物や水量・水質、景観、河川空間の利用等管理上留意すべき河川環境の状況 ・生物 那賀川ではツルヨシ、オギ等の植物が分布 し、アユ、ウグイ、サツキマス、ヨシノボリ 等の魚類及びシギ・チドリ類、サギ類等の鳥 類が生息している。また、桑野川上流部には 県指定天然記念物のオヤニラミが生息して いる。 桑野川流域の大半はスギ・ヒノキの植林及 び竹林であり、上流の水域には県の天然 記念物であるオヤニラミが生息している。 しかし中下流の水域は、取水のための堰が 多く設置されているため、湛水域が多く存在し、 【オヤニラミ】 近年では、外来種オオクチバスが多く生息して いる。 ・水量 那賀川の河川水は、農業用水として総かんがい面積約 4,900ha に及ぶ耕地のかんがい に利用されているとともに、工業用水として、製紙、繊維、化学等の産業を主体とし、 辰巳工業団地をはじめとした各所で利用されている。また、5 ヶ所の水力発電所により、 総最大出力約 158,000kw の電力供給が行われている。 なお、近年は、毎年のように取水制限等の渇水調整が行われており、平成 17 年に続き、 平成 19 年春にも長安口ダムの利水容量が枯渇し、田植えの遅れや工業生産量の減少等の 深刻な被害が発生した。

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【枯渇した長安口ダム(那賀川上流)】 【田への取水困難箇所】 ・水質 環境基準地点における BOD75%値をみると、那賀川の那賀川橋(A類型)では昭和 50 年代より環境基準値を満足しており、長年において良好な水質を維持している。また、 桑野川の富岡新橋(B類型)においても、近年の 9 年間は環境基準値を満足している。 ・景観 那賀川上・中流域は、多くの景勝地や独特の景観が残されており、「四国のみずべ八 十八ヶ所」にも選定されている。しかし、扇状地より下流の有堤部では、コンクリート 護岸や根固ブロックが良好な河川景観を形成する上での問題となっている。 河口より 10km付近に位置する北岸堰付近は扇頂部にあたり、阿南市の水田、集落と 低山地が河川まで迫り、山里の趣を見せている。 河口域は那賀川及び桑野川により形成された低平地に阿南市の市街地が立地し、那賀 川と派川那賀川の間は辰巳工業団地が造成されている。また、桑野川の右岸側は、阿南 市役所や学校等が立地するなど、阿南市の中心市街地となっている。 ・河川空間の利用 上中流部では、アマゴ等を対象とする釣り人が多いほか、水遊びや林間キャンプ等、 自然指向のレクリエーション場となっている。下流部に形成されている高水敷は、公園 緑地、運動場として地域住民のスポーツ・レクリエーションの場として利用されている。 また、水面を利用したボート、カヌー、ウインドサーフィン等も行われ、アユ等を対象 とする釣り人も多い。これらに加え沿川では、那賀川流域の水辺を利用した行事、イベ ント等も盛んに行われている。 【高水敷利用状況(明見)】

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2.河川維持管理上の特性 ①河川管理施設(堤防・護岸、樋門等)の維持管理 那賀川の築堤は、河口より 12k の範囲については昭和 28 年までに概成し、12k~16k 付近までは昭和 28~50 年にかけて築堤が実施されており、その後の拡築を経て現在の堤 防となっている。また、護岸・根固め等の河川管理施設は、昭和 40~50 年代に完成した ものが多く、完成後 30~40 年が経過しており、老朽化が進行している。 那賀川の 0k~12k の区間では、水門及び樋門が 2 施設しかなく、那賀川と桑野川及び 派川那賀川の合流地点である富岡水門が直轄管理施設である。12k~16k の間は、近年施 工された排水機場等の河川管理施設がある。また、16k より上流は、平成 20 年度に着手 された深瀬地区の河川改修事業による築堤及び樋門の新設、今後着手予定となっている 加茂谷地区の河川改修事業により、河川管理施設が追加される予定である。 桑野川では、平成 11 年度から着手した桑野川災害復旧等関連緊急事業において、右岸 5k/4 から上流の引堤事業を実施し、平成 14 年度からは桑野川床上浸水対策特別緊急事 業において、左岸 5k/8 から上流の内水対策及び引堤事業を実施した。桑野川床上浸水対 策特別緊急事業の実施区間より下流の樋門は、昭和 20 年代~40 年代に竣工したもので あることから、施設の老朽化が進行している。 このように、那賀川及び桑野川は、0k~12k の下流施設等の老朽化と 12k より上流部 の河川管理施設の追加の両面から、適正に維持管理を実施する必要がある。 一方で、出水時に操作を実施する水門・樋門等の操作員の高齢化が進んでいるが、管 内においても過疎化が進んでおり、若年層への移行が困難となっていることから、水防 団や自治会等の各地区のニーズにあった操作委託方法を検討する必要がある。また、近 年設置した施設においては高度化が進んでいるが、高齢者の操作員から操作方法等につ いて問い合わせがあることから、設計段階からの意見聴取が必要である。 ※参考 p56(写真) 老朽化した河川管理施設(護岸・樋門等) 参考 p56(写真) 新たな河川管理施設(新堤防) 参考 p57(グラフ) 樋門等の施設運用年 参考 p57(グラフ) 操作員の高齢化 参考 p57(写真) 河川管理施設の高度化による操作状況 ②堤防漏水 那賀川の堤防は、旧河道跡への築堤や築堤材料の透水性が高いこと等により、堤防漏 水が頻発しており、平成 16 年 8 月、10 月、平成 19 年 7 月、平成 21 年 8 月等の洪水時 に多数の漏水被害が発生した。今後の出水においても堤防漏水が発生し、堤防が危険な 状態となることが懸念されるため、破堤等重大災害の発生による被害の防止に向け、整 備計画に基づく漏水対策を実施するとともに、河川巡視等による平常時や出水時の状態 把握を行うなど、適切な維持管理を実施する必要がある。 ※参考 p58(図面) H21 年 8 月漏水箇所 参考 p58(写真) 漏水箇所 水防活動状況 ③河道内の局所洗掘 那賀川下流部は、昭和 28 年頃に堤防が概成し、直線河道として流路が固定化された。 しかし、流路の固定化に伴い、複列化を呈していた砂礫堆が昭和 30 年代から徐々に単列 化し始め、昭和 40 年代には顕著な単列砂州が形成された。このため、水衝部は徐々に洗

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掘が進行し、やがて砂礫堆の移動・消失、次の砂礫堆の形成の繰り返しによって形態が 変化し、河岸の局所洗掘が頻発した。 近年では、那賀川橋(7k 付近)上流において澪筋が固定化し、局所洗掘が進行すると ともに、那賀川橋(7k 付近)下流では単列砂礫堆の移動により水衝部が大きく変化し、 年最大流量相当の中規模洪水でも頻繁に局所洗掘が発生している状況である。 那賀川では全川において河川管理施設の被災が懸念されるため、日常的に河川巡視を 実施し、適正な管理を継続していく必要がある。 【洪水による局所洗掘状況と被災箇所の応急復旧】 【砂州の経年変化】 複列砂州が 単列砂州へ移行 水衝部が 下流へ移動 昭和 22 年 昭和 43 年 昭和 61 年 平成 16 年

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④河道内樹木 那賀川の樹木管理については、①流下能力の確保、②河川構造物への影響抑制、③砂 州の固定化の抑制、④環境面への配慮、⑤巡視への支障排除、⑥親水利用の安全性確保、 ⑦不法投棄・不法行為の誘発防止等の目的に鑑み、計画的な樹木伐採を実施する。この うち、①流下能力の確保については、河川整備計画に基づき実施される河川改修事業と の整合を図りながら河道管理を行う必要がある。那賀川では、直轄区間上流部の深瀬、 加茂、吉井地区について流下能力を向上させるため、河道掘削に併せて樹木伐採につい ても整備計画で位置付けていることから、直轄上流部の流下能力向上と併せて、下流区 間についても流下能力の低下とならないよう適切に樹木伐採を実施する必要がある。 桑野川の樹木管理については、床上浸水対策特別緊急事業等により直轄上流部におい て引堤を実施し、一連区間について流下能力を確保したところであるが、現状でもその 安全度は十分とは言えない状況であり、定期的な維持管理による流下能力の確保に努め る必要がある。 【那賀川樹木繁茂箇所】 D:楠根箇所(左岸 13k000~13k400) C:岩脇箇所(左岸 7k400~7k800) 【洪水時の流下阻害状況】 【根固等施設点検への障害状況】 A:古庄箇所

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(A 古庄箇所 6k000 付近) 【砂州の固定化に伴う局所洗掘の助長】 【6k0 横断形状経年変化】 【伐採前】 【伐採後】 A:古庄箇所(左岸 6k000~6k600) -4 -2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 -100 0 100 200 300 400 500 横断距離(m) ( T.P. m ) 1969(S44) 1983(S58) 1997(H09) 2004(H16) 2009(H21) 樹木繁茂 局所洗掘

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【伐採前】 【伐採後】 B:南島箇所(右岸 7k200~8k400) 【今後、整備計画にあわせ、伐採を実施予定】 D:楠根箇所(左岸 13k000~13k400) E:加茂谷箇所(14k400~15k200) ⑤洪水時に漂着する障害物 頻発する洪水の度に、河川内に大量の流木等の障害物が漂着し、これらは、河川管理 及び河川利用において支障となるほか、河川環境の悪化を招く要因となるため、洪水後 に優先順位を検討した上で、速やかに除去を行うとともに、除去した流木等の適正な処 理に努める。 【洪水時に漂着した大量の流木等】

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⑥河川内での不法行為と河川美化 那賀川・桑野川の河川区域内には、約 240 件の占用物件により河川利用がなされている一方 で、河川区域内におけるゴミ投棄等の不法行為が後を絶たない状況である。特に、近年におい ては、家電製品等の大型ゴミの不法投棄が多発しており、下流域では船舶の放置が問題となっ ている。また、河口部ではシラス漁が盛んであり、採捕期間である 12 月~4 月末以外の期間で も桟橋が存置されていたため、関係機関等と連携して桟橋の設置に関する対策を実施する必要 がある。 なお、これらの不法行為は、河川環境の悪化を招くとともに、洪水時には流水の妨げとなり、 流出して河川管理施設に損傷を与える恐れがあることから、適正な河川利用並びに環境の保全 のための対策を講じていく必要があり、平成 21 年、平成 22 年には、不法放置船舶の簡易代執 行を実施している。 【生活不要品等の投棄】 【放置船舶】 【野火(建築廃材の投棄・焼却)】 【放置車輌】 【シラス桟橋】 【簡易代執行】 【河川内での不法行為】 ※参考 P59 近年の不法投棄の推移

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⑦河川水の利用と渇水 那賀川下流の平野部は、水田地帯として開発が進み、那賀川の水は主に農業用水として利用 されている。また、製紙業や化学工業など工業用水にも利用され、各種の照明に利用されてい る発光ダイオードや、純水製造装置に使用される逆浸透膜支持体紙など、世界有数のシェア率 を有する製品を生産している。 しかし、那賀川における近年 10 ヶ年程度の渇水の状況を見ると、ほぼ毎年のように取水制限 を実施し、渇水調整によって対処する等、渇水が恒常化しており、現状の利水安全度が約 1/3 ~1/4 と著しく低い状況である。 【平成17年渇水におけるダムの補給状況】 なお、農業用水は、南岸堰(13k 付近)及び北岸堰(10k/4 付近)等から取水されているが、 「国営那賀川地区農地防災事業」により、新たな取水施設や用水路を整備する事業が進められ ている。

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⑧水質の保全 那賀川の水質は、近年は環境基準を満足している。平成16年の水質調査では、環境基準地点 である那賀川橋においてBOD0.5mg/L(75%値)となっている。 那賀川本川の水質基準は、川口ダムより上流が河川AA類型、川口ダムから大京原橋までが 河川A類型、大京原橋より下流が海域A類型となっており、環境基準値を満足している。 桑野川では、明谷橋より上流が河川A類型、明谷橋から岡川合流点までが河川B類型、岡川 合流点より下流が海域C類型となっている。岡川では全域がB類型となっている。岡川は、阿 南市街地を流れているため、環境基準(B類型)に対しBODがやや高めであることから、水質 向上を図るため、下水道工事が進められている。 【那賀川水系の環境基準類型指定状況】 ⑨動植物の生息・生育状況 那賀川では、環境省や徳島県のレッドデータブック等に記載されているウツセミカジカ等の 特定種が確認されており、河口域はシギ・チドリ類等の渡り鳥の渡来湿地として、動植物の生 息・生育状況は良好である。 しかし、近年、特定外来生物であるオオキンケイギク、ナルトサワギク等が堤防や河川敷に 繁茂し、生態系への影響が懸念されるため、抜き取り処分を行うなど適正に防除し、既存の生 息・生育環境の保全に努める。 桑野川でも、県の天然記念物であるオヤニラミが生息している等、良好な河川環境を有して いるが、中下流の水域では、外来種であるオオクチバスが多く生息しているため、継続的なモ ニタリングを実施しながら、良好な環境の保全に努める。 平成 20 年度には、桑野川において那賀川水系では初めてコイヘルペスが確認された。

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【ウツセミカジカ(環境省RDB絶滅危惧Ⅱ類】 ⑩河川空間の利用 河川の利用については、豊かな自然環境を利用して釣りやキャンプ等自然志向のレクリエー ションの場となっている。下流部に形成されている高水敷は、公園、運動場として地域住民か ら広く利用されている。さらに河口域では、水面を利用したウインドサーフィン等も行われて いる。一方で、利用者のモラルが低下しており、不法投棄、ペットの糞処理等の問題が発生し ている。 【那賀川水系の河川空間利用者推計の推移】 【那賀川水系の年間河川空間利用状況】 スポーツ 14.3% 釣り 11.7% 水遊び 4.1% 散策等 69.9% 水面 1.3% 水際 14.5% 高水敷 37.7% 堤防 46.5%

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3.河川の区間区分 ①那賀川 那賀川は、想定はん濫区域に多くの人口・資産を有し、堤防によって背後地を守るべ き区間となっているため、重要区間とする。 ②桑野川・派川那賀川 桑野川は那賀川と同様に、想定はん濫区域に多くの人口・資産を有し、堤防によって 背後地を守るべき区間となっているため重要区間とする。 また、派川那賀川は那賀川分派により、その下流の安全度を確保する区間であるため、 那賀川と同様の重要区間とする。 重要区間 那賀川、桑野川、派川那賀川(全直轄区間) 通常区間 なし 4.河川維持管理目標 那賀川・桑野川における河川特性を十分に踏まえ、概ね5年間を対象に河川管理上の 重点箇所や実施内容など、具体的な維持管理の計画を作成するとともに、年間巡視計画 を策定し、それに基づく調査・点検を実施し、その実施結果を評価し、次年度のスケジ ュールを見直すサイクル型維持管理を実現する。 4-1 河道流下断面の確保 (1)河道流下断面の確保 ①堤防の高さ・形状の確保 ・維持管理目標の設定の観点 堤防の高さ・形状の確保は、一連区間の河道流下断面を確保するための基本であ り、洪水や地震等に伴う堤防の沈下・損傷に対し、所定の治水機能の保全を図るも のとする。 ・維持管理目標の設定水準 現況堤防または整備計画により改善される堤防の高さ、形状を維持管理目標の設 定水準とする。このため、平常時、出水時及び出水後、地震後の巡視における目視 点検において損傷や変状が発見された場合には、補修又は応急復旧による対策を実 施する。 ②河道内流下阻害対策 ・維持管理目標の設定の観点 河道内流下阻害対策は、河道流下断面、河床勾配等流下能力を確保するための基 本であり、樹木による死水域や河床材料・植生による粗度の変化等、流下能力を把 握するものとする。 ・維持管理目標の設定水準 現況流下能力に加え、整備計画により改善される流下能力を維持管理目標の設定 水準とする。このため、河川巡視や縦横断測量、河道内樹木調査及び水理計算等に より流水の阻害又は流下断面の減少が確認された場合には、河道維持を実施する。

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③洪水時に漂着する障害物の除去 ・維持管理目標の設定の観点 河道流下断面の確保、樋門・排水機場等の機能維持、及び水質・景観・河川利用 等に支障を及ぼさないよう洪水時に漂着する流木等障害物に対して、河川管理施設 の保全及び環境保全を図るものとする。 ・維持管理目標の設定水準 低水路、及び堤防・樋門・排水機場等河川管理施設においては、河道流下断面の 確保、河川管理施設の機能維持の面を優先し障害物除去を行う。許可工作物・占用 地において、流水阻害等河川管理上支障のある障害物については、施設管理者及び 占用者に撤去を指示する。 水質・景観・河川利用面については、緊急性の高いものから必要に応じ障害物除 去を行う。 4-2 施設の機能維持 (1)河道(局所洗掘・堆積対策) ①河床の変動対策 ・維持管理目標の設定の観点 河床低下・局所洗掘に伴い、堤防・護岸、樋門・樋管等河川管理施設への支障及 び強度低下に対し、施設の機能確保を図るとともに、河床上昇・堆積に伴う支川・ 排水路等の排水不良や取水施設の機能に影響を及ぼさないようにする。 ・維持管理目標の設定水準 砂州の移動状況を注視し、必要根入れ深が確保出来ていない場合や損傷・変状の おそれがある場合に対策を実施する。また、異常堆積により排水不良・取水不良が 発生するおそれのある場合に対策を実施するものとする。このため、平常時、出水 時、及び出水後、地震後の巡視による目視点検のほか、縦横断測量及び異常洗掘調 査において、状態把握を行う。 (2)堤防 ①堤防の補修 ・維持管理目標の設定の観点 浸食、浸透及び地震に対して、堤防及び法面の所定の強度並びに、機能保持を図 るものとする。 ・維持管理目標の設定水準 平常時、出水時及び出水後、地震後の巡視における目視点検において損傷や変状 が発見された場合には補修又は応急復旧による対策を実施する。 また、補修等の実施においては、必要に応じて「河川堤防設計指針」並びに「河 川堤防構造検討の手引き」における堤防の安全性照査基準(耐浸透・耐浸食・耐震) を参考とする。 (3)護岸、根固工、水制工 ①護岸・根固・水制の補修 ・維持管理目標の設定の観点

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堤防保護機能及び洪水流による浸食・局所洗掘に対して、護岸・根固・水制の所 定の機能及び強度確保を図るものとする。 ・維持管理目標の設定水準 那賀川・桑野川の流体力、土圧・水圧に対し、機能確保のできる維持管理水準と する。このため、平常時、出水時及び出水後、地震後の巡視における目視点検にお いて、目地開き、吸い出し、空洞化、めくれ、活動等の損傷や変状が発見された場 合には、強度及び機能確保の観点から評価を行い、必要な調査及び補修・応急復旧 等による対策を実施する。 また、補修等の際には、「護岸の力学設計法」における護岸・根固工の照査を参 考とする。 (4)堰、水門、樋門、排水機場 ①土木構造物施設の補修 ・維持管理目標の設定の観点 洪水、高潮、地震、津波に対して、堰、水門、樋門、排水機場等の施設は、所定 の機能及び強度確保を図るものとする。 ・維持管理目標の設定水準 堰、水門、樋門、排水機場等の施設は、施設毎の操作規則等に基づき適切に操作 を行うものとする。このため、施設の機能及び操作に支障を及ぼさないよう平常時、 出水時、及び出水後、地震後の巡視並びに樋門操作員等による目視点検において、 損傷や変状及び異常が発見された場合には強度及び機能確保の観点から評価を行 い、必要な調査及び補修を実施する。 なお、樋門・排水機場等の施設と一体となる機械設備については、上記の「点検」 のほか、専門技術者による「河川用ゲート設備点検・整備・更新検討マニュアル(案) 平成20年3月」及び「河川ポンプ設備点検・整備・更新検討マニュアル(案) 平 成20年3月」の実施方針及び関連の技術基準等に基づいた定期的な「点検」にお いて、装置・機器・部品等に損傷や変形などの不具合、異常又は故障が発見された 場合には、「事後保全」のための対策を実施する。 また、当該設備の維持管理計画(案)に当たっては、設備の信頼性を確保しつつ 「年間計画」及び「河川構造物等の長寿命化計画(案)」を踏まえ、効率的・効果 的な「予防保全」を実施する。 (5)水文観測施設 ①水文観測施設の補修 ・維持管理目標の設定の観点 観測対象(雨量、水位、流量等)を適切に観測できるように、水文観測施設は、 所定の機能確保を図るものとする。 ・維持管理目標の設定水準 水文観測業務規定に基づく各種の観測が適切に行われるよう観測所、観測機械、 観測施設の維持管理を実施する。このため、平常時、出水時、及び出水後、地震後 の巡視並びに専門技術者による月1回以上の定期点検及び年1回以上の総合点検に おいて損傷や変状及び異常が発見された場合には補修による対策を実施する。 また、水位観測所、水位流量観測所、及び水質観測所の上下流において河床変動

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や澪筋変化等により観測に影響を及ぼす場合は、観測が適切に行われるよう澪筋側 への移設又は維持掘削や河床整正等を実施する。 (6)水防資材の確保 ①水防資材の確保 ・維持管理目標の設定の観点 河川管理施設の被災等不測の事態に対応するため、必要な水防資材の確保を図る ものとする。 ・維持管理目標の設定水準 洪水や地震等による破堤等の災害や地盤沈下に対し、その規模等を考慮し、必要 十分な量の確保を維持管理目標とする。なお、資材の確保については、河川改修事 業等との連携を図るとともに、資材の腐朽・老朽等も考慮して適切に維持・更新を 行う。 4-3 河川区域等の適正な利用 (1)河川敷地の不法占用や不法行為等への対応に関する目標 ①不法行為等の是正・防止 ・維持管理目標の設定の観点 河川区域等が治水、利水、環境等の目的と合致して適正に利用されるよう河川区 域内等における不法占用及び不法行為の是正・防止を図るものとする。 ・維持管理目標の設定水準 河川敷地の不法占用や不法行為については、河川の治水、利水、環境の機能に支 障を及ぼすことのないよう、また河川利用者が安全に河川の利用が図れるよう維持 管理を実施する。このためには、平常時の河川巡視及び那賀川・桑野川に設置して いる監視カメラにより、河川内の不法行為の状況把握を行うとともに、不法行為を 発見した場合、原因者への指導・是正措置等に努めるものとする。なお、シラス採 取用桟橋は、平成 21 年度より設置に関する届出制度を試行している。 4-4 河川環境の整備と保全 (1)河川整備計画に基づく、河川環境の整備と保全に関する目標 河川環境の整備と保全に関しては、鳥類等生態系に配慮しつつ、開放的な広々と した空間での水辺・高水敷レクリエーション利用を図るとともに、流域の玄関口と して背後地と調和のとれた水辺景観となるよう管理する。また、支川については人 々が安全に水に親しめる空間となるよう管理する。 ①河川利用施設の補修 ・維持管理目標の設定の観点 水辺、高水敷レクリエーション利用において安全な利用を図るため、坂路又は階 段等の河川利用施設については、施設の強度並びに機能保持を図るものとする。 ・維持管理目標の設定水準 平常時、出水時及び出水後、地震後の巡視による目視点検において施設の損傷や 変状が発見された場合には補修による対策を実施する。 尚、補修の水準は、損傷等の更なる進行を防止するとともに河川利用施設の機能 回復を図るために必要となる対策とする。

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特に環境に配慮して施工された箇所(桑野川横見地区、浜の浦地区、井関地区)に ついては、所要の目的・機能が発揮されるよう維持管理を行う。 ②維持管理工事における配慮 ・維持管理目標の設定の観点 堤防除草をはじめとした維持管理工事の実施においては、河川の生物の生息・ 生育環境の保全に努めるものとする。 ・維持管理目標の設定水準 維持管理工事の実施にあたってはその工事内容を踏まえるとともに、必要に応じ て河川の生物の生息・生育環境への影響の保全に向けた対策を講じるよう努める ものとする。 ③河道内生物の生息・生育環境の保全 ・維持管理目標の設定の観点 那賀川及び桑野川における河道内の生物の生息・生育環境の保全に努めるものと する。 ・維持管理目標の設定水準 平常時及び出水後の巡視における目視点検及び別途実施する環境調査において、 河道内環境の状況の把握に努めるとともに、必要に応じて河道内生物の生息・生育 環境の保全に向けた対策を講じるよう努めるものとする。 ④水質の保全 ・維持管理目標の設定の観点 流水の正常な機能の維持を図るため、那賀川及び桑野川の水質の保全に努めるも のとする。 ・維持管理目標の設定水準 平常時及び出水後の巡視における目視点検及び定期的(月1回)に実施する水質 調査の実施により、水質の状況の把握に努めるとともに、必要に応じて河川利用者 等に対して適切な指導、助言を行うよう努めるものする。 渇水調整又は取水制限が行われる期間において、河川巡視又は委託による水質の 観測を実施するものとする。 ⑤河川美化の推進 ・維持管理目標の設定の観点 不法行為等の是正・防止とあわせ、河川美化の推進に努めるものとする。 ・維持管理目標の設定水準 河川環境の悪化防止と保全に向け、地域住民や関係機関との連携・協働を図るも のとする。

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5.河川の状態把握 5-1 基礎データの収集 (1)水文・水理等観測 ①雨量観測 ・実施の基本的な考え方 治水、利水計画、洪水時の水防活動に資する情報提供、河川管理施設の保全、渇 水調査の適正な実施のため雨量観測を実施するとともに、観測データは水文基礎デ ータとして活用し、統一河川情報システム、水文水質データベースを通じ一般に公 開する。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川・桑野川管内において、別表(雨量観測所一覧)の地点で通年観測を実施 する。 ・実施に当たっての留意点 雨量観測の精度を確保するため、定期的な観測機器の点検を実施するとともに、 観測に支障となる機器周辺の障害物を除去するなど、適切な維持管理を行うものと する。 なお、観測データは、防災関係機関並びに一般へ提供を行う重要なデータであり、 機器の故障及び施設の損傷に対して万全を期する必要があるため、点検は外部委託 のみではなく、年1回は水文観測業務規定に基づく総合点検として事務所職員が点 検を実施する。 ※参考 p60(表) 雨量観測所一覧 ②水位観測 ・実施の基本的な考え方 治水・利水計画検討、洪水時の水防活動、情報提供、河川管理施設の保全、渇水 調整の適切な実施のため、観測を実施するとともに観測データは水文基礎データと して活用し、統一河川情報システム、水文水質データベースを通じ一般に公開する。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川・桑野川管内において、別表(水位観測所一覧)の地点で通年観測を実施 する。渇水調整又は取水制限が行われる期間において、河川巡視又は委託による水 位観測を実施するものとする。 ※参考 p60(表) 水位観測所一覧 ・実施に当たっての留意点 水位観測の精度を確保するため、定期的な観測機器の点検を実施するとともに、 観測に支障となる機器周辺の障害物を除去するなど、適切な維持管理を行うものと する。 なお、観測データは、防災関係機関並びに一般へ提供を行う重要なデータであり、 機器の故障及び施設の損傷に対して万全を期する必要があるため、点検は外部委託 のみではなく、年1回は水文観測業務規定に基づく総合点検として事務所職員が点 検を実施するものとする。

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③洪水時の水位・流向・流速・水あたりの把握 ・実施の基本的な考え方 洪水時の流れの状況を視覚的に把握し、護岸の被災や洗掘の可能性を検討・予測 するため、航空写真撮影又は現地調査を実施する。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川・桑野川の直轄管理区間において実施する斜め写真撮影や航空写真撮影に 併せて調査を実施する(最低5年に1回)。また、はん濫注意水位を超過する出水 後に巡視による目視調査・写真撮影を実施する。 ④高水流量観測 ・実施の基本的な考え方 洪水による災害発生防止のための計画策定及び洪水時の流量の把握のため、観測 を実施する。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川桑野川管内において、別表(流量観測所(高水)一覧)の地点で出水毎に 観測を実施する。 尚、観測は水防団待機水位を超過し、はん濫注意水位に達すると予測される場合 に実施する。 ※参考 p61(表) 流量観測所(高水)一覧 ・実施に当たっての留意点 H-Q式作成段階で、バランスよく低水から高水までのデータを確保する必要が あるため、延滞なく適時に観測を実施する。また、高水におけるピーク、上昇及び 降下部では、水位流量の関係が相違することから、偏りのないよう観測を実施する 必要がある。 桑野川においては、4月期の急な出水が予想されることから、早期の現地踏査等 を実施する。 ⑤低水流量観測 ・実施の基本的な考え方 河川環境の整備と保全、生物の生息環境並びに流水の正常な機能の維持、 保全及び渇水調整の適正な実施のための流量把握及び観測を実施する。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川・桑野川の直轄管理区間において、別表(流量観測所(低水)一覧)の地 点で年間最低36回観測を実施する。渇水調整又は取水制限が行われる期間におい て、河川巡視又は委託による流量観測を実施するものとする。 ※参考 p61(表) 流量観測所(低水)一覧 ・実施に当たっての留意点 観測についてはデータをバランス良く収集するものとする。 ⑥水質観測 ・実施の基本的な考え方 河川水の適正な管理及び河川における生物の生息環境の維持、保全を図るため、 観測を実施する。

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・実施の場所、回数、密度 那賀川・桑野川の直轄管理区間において、別表(水質観測所一覧)の地点で観測 を実施する。渇水調整又は取水制限が行われる期間において、河川巡視又は委託に よる水質調査を実施するものとする。 ※参考 p61(表) 水質観測所一覧 尚、水質事故発生時においては、上記に関わらず、必要に応じて調査を実施する ものとする。 ・実施に当たっての留意点 利水者等との連携を図る。 ⑦震度観測 ・実施の基本的な考え方 河川管理施設の適正な管理のため、観測を実施する。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川河川事務所内において、通年観測を実施する。 ・実施に当たっての留意点 震度観測の精度を確保するため、定期的な観測機器の点検を実施するとともに、 観測に支障となる機器周辺の障害物を除去するなど、適切な維持管理を行うものと する。 ⑧風向・風速観測 ・実施の基本的な考え方 台風や発達した低気圧などに伴う強風、雷雨や前線などに伴う突風による災害発 生を防止するための計画策定及び台風時等の風向・風速を把握するため、観測を実 施する。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川・桑野川管内において、那賀川河川事務所、富岡水門の地点で通年観測を 実施する。 ・実施に当たっての留意点 風向・風速観測の精度を確保するため、定期的な観測機器の点検を実施するとと もに、観測に支障となる機器周辺の障害物を除去するなど、適切な維持管理を行う ものとする。 ⑨地下水位観測 ・実施の基本的な考え方 出水時の地下水位上昇が堤体に与える影響を把握するため、観測を実施する。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川管内において、下記の地点で観測を実施する。 ※参考 p60(表) 地下水位観測所一覧 ・実施に当たっての留意点 地下水位計の精度を確保するため、定期的な観測機器の点検を実施するとともに、 観測に支障となる機器周辺の障害物を除去するなど、適切な維持管理を行うものと する。

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(2)測量 ①縦横断測量 ・実施の基本的な考え方 河道の流下能力確認、河床の変動状況把握を行うため、河川の縦横断測量を実施 する。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川・桑野川の直轄管理区間において、5年に1回程度実施する。また、はん 濫注意水位を超過する出水後など必要に応じて実施を行うものとする。なお、実施 にあたっては直轄管理区間内の 200m 間隔に設置した各距離標及び橋梁、堰等の河川 横断施設地点において実施する。 ・実施に当たっての留意点 樹木等で流下能力の低下が見受けられる箇所については、密に横断測量を実施す る。 ②平面測量 ・実施の基本的な考え方 河川の平面的な変動状況の把握、河川工作物等の施設管理、適正な許認可事務等 を行うため、平面測量(航空写真測量)を実施する。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川・桑野川の直轄管理区間において、5年に1回程度実施する。また、堤防 及び河道内の経年的な状況変化と沿川の土地利用による部分的な改変があった場合 は部分修正(直接地形測量等)を必要に応じて実施するものとする。 ・実施に当たっての留意点 洪水による災害発生防止、適切な許認可事務を実施するために必要な箇所は直接 地形測量を実施する。 ③航空写真・斜め写真撮影 ・実施の基本的な考え方 河川管理施設及び河道内の状況把握、河道沿川の土地利用状況、河川環境並びに 流水の正常な機能の維持、保全の状況把握を行うため、斜め写真撮影を実施する。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川・桑野川の直轄管理区間において、5年に1回又は、はん濫注意水位を超 過する出水時及び出水後、改修事業完了後など必要に応じて実施する。 ・実施に当たっての留意点 那賀川においては、深瀬地区の改修事業完了後には実施する。 ④洪水痕跡調査 ・実施の基本的な考え方 洪水時の河道内水位、粗度係数の検証及び堤内地の内水対策の検討ため、調査を 実施する。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川・桑野川の直轄管理区間において、はん濫注意水位を超過する出水後に必 要に応じて実施する。

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・実施に当たっての留意点 正確な痕跡をとるため、出水後早急に実施する。 (3)河道の基礎データ ①河道特性調査 ・実施の基本的な考え方 洪水による災害発生防止、河川環境の整備及び保全のための河道計画作成に必要 な基礎資料収集のため、河道特性調査を実施する。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川・桑野川の直轄管理区間において、河道内構造物新設時及び河川整備計画 見直し時に河床材料や瀬、淵の状況等についての調査を実施する。 ・実施に当たっての留意点 那賀川については、新直轄事業及び那賀川農地防災事業の完了時に実施する。 ②異常洗掘・堆積調査 ・実施の基本的な考え方 河川管理施設の安全性の確保、流下断面確保のため、洪水後において、河床の異 常な洗掘・堆積が発生・進行している箇所の変状を把握するため、異常洗掘・堆積 調査を実施する。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川・桑野川の直轄管理区間において、はん濫注意水位を超過する出水後に巡 視による目視を行い、異常洗掘・堆積が確認された箇所において簡易測量又は縦横 断測量を実施する。なお、河床の低下並びに局所洗掘が除々に進行している那賀川 6k/0~6k/6 付近及び 7k/4~7k/8 付近においては特に注意を払い、はん濫注意水位 を超過する出水後には必要に応じて縦横断測量を実施するものとする。 ・実施に当たっての留意点 那賀川については、新直轄事業及び那賀川農地防災事業の完了時に実施する。 ③河道内樹木調査 ・実施の基本的な考え方 那賀川の直轄管理区間において、樹木繁茂が著しく河川管理に支障が生じている 下記の箇所を対象に、平成 21 年度年度の検討結果を基に調査を実施する。 なお、その他の場所においても、急激な繁茂状況が見受けられれば、整備計画等 との整合を図りつつ、調査を実施する。 河川名 左右岸別 区 間 備 考 左岸 6k000~6k600 局所洗掘 右岸 7k200~8k400 局所洗掘 左岸 7k400~7k800 施設点検障害 左岸 13k000~13k400 流下阻害 那賀川 - 14k400~15k200 流下阻害

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・実施の場所、回数、密度 那賀川・桑野川の直轄管理区間において、1~2年に1回、概略調査を実施する。 また、概略調査の結果や定期縦横断測量及び河川巡視で把握した結果を踏まえ、5 年に一回程度、詳細調査を実施するものとする。 ・実施に当たっての留意点 巡視等で定点観測を行い、河道全体の樹木の把握に努める。 ④中州・砂州の発生箇所、移動状況の継続調査 ・実施の基本的な考え方 土砂の堆積による洪水流下の阻害、単列砂州の形成による堤防前面の河床洗掘等、 河道の土砂堆積による治水上の支障を調べるため、調査を実施する。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川・桑野川の直轄管理区間において実施する航空写真撮影及び定期縦横断測 量と併せて実施する。また、通常及び出水期前後の巡視による目視調査についても 実施するものとする。 ・実施に当たっての留意点 特になし ⑤河口閉塞の状況監視 ・実施の基本的な考え方 洪水による災害発生防止のための河道の状況把握及び洪水後における河道の変動 状況を把握するため、河口部の状況監視を行う。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川・桑野川の河口部において、通常及び出水期前後の巡視による目視調査を 実施するものとする。 ・実施に当たっての留意点 特になし ⑥堤防断面調査 ・実施の基本的な考え方 河川堤防における堤防断面の土層及び土質構成等、河川堤防の浸透に対する安全 性の評価及び法面の安定性を評価するため、堤防断面調査を実施する。 ・実施の場所、回数、密度 那賀川・桑野川の直轄管理区間において実施する堤防開削工事及びボーリング調 査を行う場合には併せて実施する。 ・実施に当たっての留意点 特になし (4)河川環境の基礎データ ①河川水辺の国勢調査 ・実施の基本的な考え方 那賀川・桑野川の環境把握のため調査を実施する。 ・実施の場所、回数、密度

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