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サービス業としての教育に関する考察 一中国私教育における日本語教育と教師の在り方一
人間教育専攻
現代教育課題総合コース
村 山 恭 子1.問題の所在
現在の中国都市部では,観光に行くためなど のために,最速最短で日本語を習得したいとい うニーズ、が急増している。結局は,場面会話と 挨拶用語それに付随するマナーや習慣とし、った ことを取り敢えず身につけるといったニーズ 、 が 多 し
Lそれに対し,留学やビジネスのための日 本語は,高度な知識や日本文化に対する深い理 解が必要となる。 このように中国における日本 語教育のニーズは多様化している。
しかしながら,それに対応するために求めら れる知見や資質・能力, 日本語母語話者教師と 中国人教師それぞれの役割と連携の在り方等,
中国私教育におけるサービス業としての日本語 教育の在り方と教師の在り方に関する 学 討補究
は不十分である。
2.
研究の目的と方法 (1)研究の目的
本研究は,中国人が私教育としての日本語教 育に求めるニーズ、にはどのようなものがあるの
かを明らかにするとともに,それに対応するた めに求められる知見や資質 ・能力, 日本語母語 話者教師と中国人教師それぞれの役割と連携の
指導教員
藤 村 裕 一
① 日 ; 将吾教育及び中国と日本の文化間差異等 に関する先行研究調査
②学習者別ニーズ・ 実態調査と考察
③学習者別ニーズ、に対応するためにも日本語 教師に求められる知見と資質・能力の検討
④学習者ニーズ別カリキュラムの開発と実践
⑤学習者ニーズに応じた日本語教育における 日 ; 将吾母語話者教師と中国人教師の儲リと 連携の在り方の検討
3.
中国における日本語教育に関する先行研究 海外における日本語母語話者教師に必要な資 質について,平畑奈 美
(2009)は 意 欲J[ " 人 間性
J["教育能力
J["コーディネート能力
J" [ 国際 感覚J [ " 日本人性」 という
6因子を挙げている。
また, 日 ; 将吾は「以,e, v f
云心Jを 美徳とするよ うな 「 ハイ・コンテクスト文化
Jを背景 とし主語 等の省略が多く見られる。それに対し,中国は 米国同様多民族国家であり,伝えたいことを明 確に伝える必要がある 「 ローコンテクスト文化」
を背景としている。 したがって,このような文 化的何故の差異を背景にして, 日本語の鞘敷を 教授する必要がある。
在り方を明 ら かにすることを研究の目的とした。
4.中国における日本語学習者のニーズ (2) 研究の方法 中国における日本語学習者のニーズを,中国
上記のことを明らかとするため,次に掲げる 最大の私立外国語学校の日本語コースにおいて
研究方法をとることとした。 調査した 。 その結果,以下のようなニーズ、が存
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(1)学習目的別ニーズ
学習目的別ニーズ、としては,下記の5種類に 大別できることが明らかとなった。
‑留学試験
・検定試験
‑検定以外の試験
・業務使用向上(ビジネス日本語) .趣味・旅行
(2)学習方法に関するニーズ
学習方法に関しては,学習形態と所要時間に 関するニーズ、が宿主した。
<学習形態>
・個別学習(登校型,家庭教師型)
・集団学習(クラス学習)
<所要時間>
・通常コース
‑短期コース(コンビニコース)
5.中国における新たな日本語教育ニーズに対 応した指導内容と方法
(1)即効性があって使用価値の高い「硬めJ の日本語教育
近年,友人間で使用するような「柔らかめj
の日本語ではなく,即効性があって使用価値の 高い「硬めjの日本語を,短期間に習得したい とのニーズ、が急速に高まっている。したがって,
私教育ではカリキュラムの制約がない点を生か し,このようなニーズに即応するコースを設立 し,カリキュラムを開発することが必要である。
(2) 日本の企業文化を踏まえたビジネス日本 語教育
近年, 日系企業が現地人職員を採用するケー スが増加している。日本語ができると言うこと で採用したところ, I部長サインして!Jなどの
ように日本人管理職に対して敬語が使えず,問 題になるケースも多発している。敬語のネ鯨佐さ は, 日本語の鞘敷の一つでもある。そこで, 日 系企業の負担による中国人社員に対する日本語 教育のニーズが高まっている。
この場合,単に日本語を指導するだけでなく,
敬語や日本の企業文化も併せて指導し,背景理 解も含めて日本語を理解できるようにする必要 がある。
(3)留学,趣味,旅行等に対応した訪日予定 者に対する文化指導を含む日本語教育 訪日中国人が過去数イ年に比べ飛騨句に増加 している。このような訪日予定者に対しては, , 日本に対する興味・関心を高めると共に,日本 の文化や日本人の感覚など、微妙なニュアンスの 違いも指導し,実践的な場面指導を行う,アク ティブ・ラーニングによる日本語教育を行うこ
とが必要である。
6.中国私教育における日本語教師の在り方 中国史教育における実践を通して,以下のこ とが明らかとなった。
3に掲げる新たなニーズ、に応える日本語教育 を行うには,導入時に同じ中国人の目線から日 本語に対する興味・関心を高め,中国語との違 いを理解させることが必要であり,この場合は 中国人日本語教師が適している。また I硬め」
の日本語教育も,中国人日本語教師で対応可能 である。
それに対して日本の企業文化を踏まえたビ ジネス日本語教育」には, 日本の企業での労働 経験のある日本語母語和話者教師でないと,細 かなニュアンスや商習慣の説明がで、きなしL ま た, 日本語の文化的な背景や生活習慣の指導に も日本語母語話者教師が適してしも。