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積載率による大型車両の車重分布の検討

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Academic year: 2022

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(1)

積載率による大型車両の車重分布の検討

阪神高速道路(株) 正会員 閑上 直浩 正会員 杉山 裕樹

㈱フジエンジニアリング 正会員 ○薄井 王尚 松井 俊吾

1.はじめに

高速道路における橋梁などの構造物は,活荷重の載荷による変状・損傷が発生することがあり,維持管理に あたっては,大型車交通量とともに,活荷重の情報も重要な検討要因となる.

活荷重実態の把握・利用にあたっては,活荷重モデルを作成し,整理することが有効である.活荷重モデル の一つとして,昭和57年の活荷重実態調査(HDL調査)では,大型車類,トレーラー類等の重量分布を,「空 車,積載,過積載」の3種類の積載状態に分類し,それらを組み合わせて一つの重量分布を表現する手法で整 理を行ってきた.しかし,当時の調査では,実際の積載状態を調査してモデルを決定したのではなく,頻度分 布形状から推定されたものであり,実際の車両の積載状態については把握できていない状況であった.

阪神高速道路では,平成21~22年に活荷重実態調査を行ったが,集約料金所での活荷重実態調査では,軸 重データとETC車両データ(車種,車体重量,最大積載量等)を収集して活荷重分析を行うことにした.こ のことにより,車体の重量特性データが取得できることから,車両の「積載率」を算出することで,実際の車 重分布がどのような積載状態に基づいて現れてきているかを把握することが可能になると考えられた.

本稿は,活荷重実態調査の分析結果のうちで,この「積載率」に着目して整理を行った結果について報告す る.

2.大型車類の車重分布モデル

阪神高速道路で実施した昭和57年の活荷重実態調査の報告では,大型車類の車重頻度分布形状は図-1に 示すような双峰分布形状となることが確認されている.この頻度分布図では,重量分布の軽い方のピークが空 車状態,重い方のピークが積載状態,残りを過積載状態の重量分布であると判断して,頻度分布を3つの分布 形状に分離して,車両の重量モデルの検討を実施していた.

3.積載率による大型車類の車重分布の検討

図-1 大型車類の車重分布モデルの概念図

空車分布

今回実施した活荷重実態調査の分析にあたっては,軸重計 で計測された車両重量(車重),ETC車両データにおける車 体重量,最大積載量を利用して積載率を求めることで,実際 の積載状況を把握して整理を行った.積載率の算出には幾つ かの方法が考えられるが,本稿では,積載率の計算を式-1 に示す計算で算出した.

積載車分布

過積載車分布 頻度

式-1より算出した積載率は,車両の積載物の積載状態を 示す指標であることから,前述した車両の重量分布に対応し て評価することが可能であるが,積載状況を分類するにあた っては,区分する基準を設ける必要がある.空車:L =0%,

過積載:L >100%は,基準が明確に設定できるが,それらの 中間域については,明確な基準は設定できない.そこで,積

載率を10%ごとに区切って,グループ毎に頻度分布をとりま

とめて整理したところ,L =50%で分類すれば分布形状を整理 することができることが確認できた.

重量

( )

[ ]

( )

[ ]

( )ton

W

ton W

ton W

登録データ 最大積載重量

登録データ 車体重量

計測車重

ETC ETC

3 2 1

=

=

=

(式-1)

(W1 W2) W3( )% L =

積載率:

キーワード 活荷重,調査,積載状態,積載率,車重,重量分布モデル

連絡先 〒532-0002 大阪市淀川区東三国 5 丁目 5 番 28 号 (株)フジエンジニアリング TEL 06-6350-6132 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑229‑

Ⅰ‑115

(2)

図-2 車重の積載率別頻度分布(AM料金所)

積載状態を,軽積載:0<L≦50%,重積載:

50<L≦100%として,重量分布を整理した結果を 図-2に示す.図-2に示した重量分布は,双峰 分布の形状を示しているが,軽い方のピークは,

積載率のL <50%(空車,軽積載),重い方のピー

クは50<L≦100%(重積載)の分布範囲に位置す

ることが確認できた.また,過積載については,

S57調査時以降に最大車重が25tに変更されたこ とから,25t 付近を頂点として20~50t付近に分 布する分布形状となっているが,概ね最大車重よ り大きな重量の分布範囲に位置していることか ら,図-1に示した重量分布概念図は,ほぼ妥当 な考え方であったことが確認できた.

また,大型車類については,過積載状態の車両 は20tより大きな車重範囲に存在すること,大型

車類の 9%程度が過積載状態で走行しているこ

となど,積載率によって頻度分布を整理すること で,道路を走行する車両の重量特性が精度よく把 握することができると考えられた.

そこで,路線の重量特性を明らかにするために,

6 箇所で実施した集約料金所における活荷重調 査結果の積載率の分布図を図-3に示す.図-3 に示した分布図は,路線によって,積載率の分布 形状が大きく異なっており,路線特性として,軽 い積載の多い路線や,重い積載の多い路線,一様 に分布している路線が存在していることが確認 できる.また,1台当たりの積載率平均も,最小

で 43%,最大で 54%となっており,大きな差が

認められる.これらのことから,交通量が同程度 であっても,積載率に差があれば,活荷重載荷状 態にも大きな差異が生じることが明らかである.

これまでは大型車交通量を中心として,路線の特 性評価を行ってきたが,積載率を把握することで,

舗装・橋梁等の上下線の変状・損傷状態の異なる 要因が明らかになる可能性が考えられ,積載率が,

交通量と同様に重要な情報となると思われる.

4.まとめ

活荷重実態調査の分析にあたり,積載率による

車重の分析・整理を実施した.積載率を算出することで,走行車両の積載状況を考慮して,各路線における活 荷重実態を検討することが可能となり,これに交通量特性を合わせて考えることで,より詳細な路線状態の評 価資料,補修対策の優先度評価資料として活用していくことが可能となると考えられる.

(参考文献) 阪神高速道路公団:設計活荷重(HDL)委員会報告書,1984.3

図-3 各集約料金所における積載率分布図

時   刻: 時   刻:

車   種: 車   種:

総台 数N= 総台数 N=

最 大 値= 最 大 値=

最 小 値= 最 小 値=

平 均 値= 平 均 値=

標準 偏差= 標準偏 差=

変動 係数= 変動係 数=

割合 12.8% 割合 43.7%

時   刻: 時   刻:

車   種: 車   種:

総台 数N= 総台数 N=

最 大 値= 最 大 値=

最 小 値= 最 小 値=

平 均 値= 平 均 値=

標準 偏差= 標準偏 差=

変動 係数= 変動係 数=

割合 34.8% 割合 8.7%

(3)大型車類タンデム 積載率 50%<L≦100% 【重積載】

大型車類タンデム 積載率 0%<L≦50% 【軽積載】 (4)大型車類タンデム 積載率 100%<L 【過積載】

2.09 3.87

0.15 0.15

9.2ton 19.9ton

14.1ton 26.0ton

445台 111台

19.0ton 51.8ton

0時 ~24時 0時~ 24時

大 型車類 大型 車類

0.09 0.12

(1)大型車類タンデム 積載率 0% 【空車】

10.8ton 20.9ton

1.00 2.49

15.0ton 24.8ton

8.0ton 6.4ton

0時~ 24時

大 型車類 大型 車類

164台 559台

0時 ~24時

0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09

0 10 20 30 40 50 60 70

車重(ton)

頻度 相対

0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09

0 10 20 30 40 50 60 70

車重(ton)

相対頻度

時  刻:

車  種:

総台数N=

最 大 値=

最 小 値=

平 均 値=

標準偏差=

変動係数=

割合 12.8%

0.09 10.8ton

1.00 15.0ton

8.0ton 大型車類 164台

0時~24時 時  刻:

車  種:

総台数N=

最 大 値=

最 小 値=

平 均 値=

標準偏差=

変動係数=

割合 43.7%

0.12 20.9ton

2.49 24.8ton

6.4ton 0時~24時 大型車類 559台

(2)

0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09

0 10 20 30 40 50 60 70

車重(ton)

頻度 相対

0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09

0 10 20 30 40 50 60 70

車重(ton)

相対頻度

時  刻:

車  種:

総台数N=

最 大 値=

最 小 値=

平 均 値=

標準偏差=

変動係数=

割合 34.8%

2.09 0.15 9.2ton 14.1ton 445台 19.0ton 0時~24時 大型車類

時  刻:

車  種:

総台数N=

最 大 値=

最 小 値=

平 均 値=

標準偏差=

変動係数=

割合 8.7%

3.87 0.15 19.9ton 26.0ton 111台 51.8ton 0時~24時 大型車類

0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09 0.10

0% 50% 100% 150% 200% 250% 300% 350%

積載率(%)

相対頻度

0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09 0.10

0% 50% 100% 150% 200% 250% 300% 350%

積載率(%)

相対頻度

Y料金所 総台数:2,211台 1台平均:43%

T料金所 総台数:2,564台 1台平均:46%

0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09 0.10

0% 50% 100% 150% 200% 250% 300% 350%

積載率(%)

相対頻度

0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09 0.10

0% 50% 100% 150% 200% 250% 300% 350%

積載率(%)

相対頻度

AS料金所 総台数:3,413台 1台平均:48%

M料金所 総台数:3,762台 1台平均:54%

0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09 0.10

0% 50% 100% 150% 200% 250% 300% 350%

積載率(%)

相対頻度

0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09 0.10

0% 50% 100% 150% 200% 250% 300% 350%

積載率(%)

相対頻度

AM料金所 総台数:1,404台 1台平均:50%

N料金所 総台数:4,911台 1台平均:43%

土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑230‑

Ⅰ‑115

参照

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