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リカアドオ国際経済理論における貿易の利益

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(1)

富山短 期 大 学 紀 要 第37巻

リ カ

オ 国 際 経

に お

貿 易

Interest

 

of

 

Trade

 

in

 

David

 

Ricardo

s

 

International

      

Economic

 

Theory

    

 

 忠  行

NAKAYAMA

 

Tadayuki

 

1

はし がき

 

リ カ ア ドオ の経

学は, 極めて 抽 象 的 な 外 観を まとっ てい た に もか か わ らず

反 対に 極めて 具 体 的 な 時 代の 題 と

り組ん でい る。 すな わち

実 践 的 な 問 題 意 識 を 備 えてい た。 リ カア ド オの 生 涯 は イ ギ リス産 業 筆命 とい う 嵐の

50年

間 に あ っ た。 こ の こ とは

イ ギリスが 大

1

制 度 を 中 心 とする近 代 産 業 国へ

転 化お よび 産 業 資 本主義の 勝 利

立する こ によっ て

旧 体 制を決

的に克 服 し てい っ たことを 意 味 して い る

そ し て

フ ラ ン ス 大 革 命とナポ レオ ン

争,

大 陸 封 鎖 等

が連 続 的に 起っ た

期であ っ た

リ カア ド オの経 済 学はこ の ような

世 界

的な問 題の進 行を背 景 と し な が ら形 成さ れ てい っ たのであ る。

 

リカ ア ドオ は多 くの原理 が商 品 を 生 産 する費 用 を 取 り扱 うとい こ と を知っ てい た に もかかわ らず

彼は

働 費用 もしくは

よ り正 確に は

労 働 時 間に

し て国 際 貿 易の 理論 を 結 合 させ た

明ら か に, 価 値の 労 働 費 用の漸進 的な放

で もっ て

国 際 貿 易の理 論は手 術 を 経 験 しなけ れ ば な ら な かっ た。 しか し リ カア ド オの 接 近は直 接に退 けられ な か っ た。 そ れよ りも

その接 近は彼の後 継 者に よっ て拡 大さ れ かつ

正さ れ たの で ある。 申 」リ カア ド オ は何 を もっ て貿 易の利 益と み なすので あ ろ うか。 リカア ドオは

国 際 貿 易の利 益に関する問 題 を

商 品の数 量 し た が っ て

享楽

晶の 総 量増 加の 問 題

消 費

の享 楽 する効 用

増加

と して取 扱っ て い る

そ して

,貿

易の 利 益 を ば 輸 入の面に求め よ うとする、

すな わ ち,

人に よ る利 益 を 展 開 する。 「完 全 な

自由貿 易制度

の も とで は

国は 当然その 資 本 と労 働 を 自 国に とっ て もっ とも

利と な る ような用 途に向 ける。 こ な か や ま  た だ ゆ き 〔経 営 情 報 学 科 )

(2)

個別的

利 益の

追求

, 全

体の 普 遍 的 利 益 とみ ごとに結 びつ い てい る

。勤勉

刺激

工 夫 丿

J

ま た

然に よっ て賦 与 さ れた特 殊の 諸 能 力 を もっ と も 有 効に

使

用する こ とに よっ て

そ れ は労 働を もっ とも 有 効に かつ もっ とも

済 的に配 分 する

一一

諸 生 産 物の

般 的 数 量 を増 加 させ るこ とによっ て, そ れ は全 般の 利 益を

及 させ

そ して 利 益と交 通 とい う

つ の 共 通の紐 帯 によっ て

文 明 世

をつ うじて 諸 国 民の普 遍 的 社 会 を 結 成 する。 ltt

 

典 派 経 済 学 者は基 本 的に成 長

経 済学

方向

見定

めて い た し

主 な 関 心 はい して 「諸 国 民の富 」が増 加 する か を説 明したのである。 産 出

を増 加さ せ るこ とを説 明 するの に

特 化 と分 業 が 特 別 な 注 意 を 与 えら れ てい た。

働が

工業 的 方 法に対立する もの と して細かい 職 分 によっ て特 化 さ れ た と きに

い か に

多 く

の ピン が 生産 する こ とが で きる か につ い て の ア ダム

ス ミス の 描 写は広 く引用 さ れ

,法

則 化さ れ たの で ある。 特

と分

程度

場の大 きさに依 存 して い た。 すな わ ち, 多 くの 市 場は か な りの 程 度 の 特 化 と分 業 を促 進 した だ ろう,, Ii

」 そ して 「「諸 国民 の 富

貿

頁 献つ い て の

問が起っ た。 そ れ は外 国 貿 易 が 市場 を拡 張 し特 化 と分 業か ら か な りの 利益 を与 えた とい

こ と が はっ き りと現れて きた。 しか し な が ら

どの よ う な 商 品が

人 さ れ

出 され るだろ うかを 示 すこ と と

貿

易か ら どんな利 益を得る か を示 すこと が は っ き り と議 論の せい にするこ と が ま だ 必要であっ た。 発 展 的 な理 論は比 較 的 優 越の 法 則と

ば れ る

1

 

リカ ア ドオ は主 著 『経 済 学及 び 課税の原 理」 第

7 章

の冒 頭で次の ように述べ こ とで 彼の 立場 を 明 確に してい る。 「外 国 貿 易の 拡 張は

商 品の 数量し た が っ て享 楽 品の総 量 を増 大 させ る に はきわ めて有 力に貢 献 する であろうが, し か しけっ してた だちに

一一

価値 額

大 さ せ るもの で はない 。 すべ て の外国財

価値

は, そ れ ら と ひ きか えに与 え ら れ る

わ が国の

h

地と労 働の生 産 物の 分 量に よっ て 測

さ れ る か ら, わ れ わ れ は

仮に, 新

市場

の 発見に よっ て, わ が国の 財 貨の

定 量 かえに外 国 財 貨の

二倍 量 を

得 する と し て も

より大 な る価 値を得 ない であろ う。 も し も ある商 人が,

1000

ポ ン ド の イ ギリス

購買

る ことに よっ て

イ ギ リ ス市 場で

1200

ポ ン ドで

る こ とが で きる あ る分 量の

を取 得 しうる もの とす れば

彼は

彼の 資 本の この ような使 用 方 法に よっ て

20

セ ン トの利 潤を取 得 するであろ う。 しか し彼の利 得 も

輸 入 商 品 の価 値 も, 共に, 取 得さ れた

外 国

の分 量の

多少

に よっ て増 減 すること はない であろ う。 た とえば

彼 がブ ドウ酒

25

樽 を 輸 入 し よ う と

50樽

入 し ようと

あ る時に は

25

樽 が

ま た 他の 時には

50

樽 を 等 しく

1200

ポ ン ドで

れ る か ぎり

そ れ は彼の利 益に はすこ しも影 響 しえ ない の である。 い ずれの 場

に も

彼の 利 潤は

200

ポ ン ド

す なわち 彼の 資 本に たい す

20

セ ン トに

定さ れ る で あ ろ う。 そ して い

れ の場

に も, 同

の価 値が イ ギリス に輸 入 さ れる で あろ う。

  「

一・

人 の立派な

典 派 経 済 学 者が国 際 貿 易 理 論に 関 する貨 幣 賃 金 を 持 ち 込ん だ とい う ことが

リ カア ド オの 国際

貿

易の 著述 が 現 わ れ た後

長 くは なかっ た。

1830

年の 著 作で

82

(3)

富 山 短 期 大学紀 要第37巻 ナ ッ ソ ウ

ニ オアは

労働

生 産 性の 関 連 性 と貨 幣 賃 金にお ける相 違を説 明 する要

と して

の仕

の不 愉 快 さを 強 調 した。 ジ ョ ン

ス テ ユ ア

ル は ま た

貿 易

の 構 造に関 する貨 幣 賃金の 相 違

衝撃

の 認識 を 暴 露 し た。 シニ オア の論

では

ほ と ん ど

100

年 後に タ ウ シッ グ に よ る か な りの苦 心にある ように

輸 出 産 業の生産 性は

くの 注 意が は ら わ れ た

,す

な わ ちそ れ は

済におい て貨 幣 賃 金の構 造の決

し てきび しい と考 えら れ た

(私は

出 生 産 性の影 響 が 度 を越 した と思 う。)

 

リ カ ア ドオ が問 題 としてい るの は, 財 貨の数 量の増 加とい

こ と である。 そ し て

,外

国 貿 易で あ れ 国 内 商 業で あれ, い っ さい の商

が有 利 なの は

生産

量の

増加

であ っ て, 生 産 物の価

の増

で は ない の である。 比 較 生 産 費 説 は

貿 易の成立を 説 明 する 理 論である。

国が 比

労働

費 優 位 を もっ た 生 産に特 化 するのは

絶 対 的に安 価な商 品の 生産に特 化す るこ とである か ら, 貿 易 は 財 貨の数 量 を増 加 する こ と に な る とい

理 論で ある。 「占 典 派 経 済 学

者達

は主と して成 長 経 済 学の方 へ

方 向

を 見

め た

そ し彼 らの 主 な 関 心は どの ように し て 「諸 国 民の富 」が増 加 し た か を説 明して い た

。増

加 し た 産 出 高の 説明 に おい て, 特 化 と分 業は特 別 な 注 意を払わ れ た

。労

働が手工

的 方 法に対 立 す る もの とし て機 能 を詳 し く述べ るこ と に よっ て

特化

さ れ たと きに, い か に して多 く の ピ ンが生 産 さ れるか もし れない か につ い て の ア ダム

ス ミス の描 写は広 く引 用 され そ し て概 括さ れ た。 特 化 と分 業の

程度

市場

の大 きさ に依 存 して い た。 す なわち

より大 きな市 場は かな りの程 度の特 化と分 業を

進 する か もし れない 。

 

「諸 国 民の 富 」に対す る

貿

易の 貢 献につ い て の 質 問が 生 じ た。 外 国 貿 易が 市場を 拡 張 し

そ して

特 化

と 分 業か らか な りの利 益 を ワ えた というこ と が はっ き りと現れ た の で あ る

し か し な が ら

そ れは はっ き りと議 論のせ い に す ること が 必要であっ た。 す な わち

ど ん な商 品が

入 さ れ 輸 出 され る か とい

こと と

貿易

か らの 利 益 を 示 すこ とで あ る

発展 し た理 論は比 較 的 優 越の法 則 と呼ばれる。

        註

1

SEYMOUR

 

E .

 

HARRIS

International

 and  

Interregional

 

Economics

 

McGraw

−HILL

   BOOK

 COMPANY

INC

 

New

 

York

 

Toronto

 London  KOGAKUSHA

   

COMPANY

LTD .

 

Tokyo

 

p,

20

2

DAVID

 

RICARDO

The

 

Principles

 of 

Political

 

Economy

 and  

Taxation .

 

Everyman

  

sLibrary

 

London

 

New

 

York

  

デ ィ ヴ ィ ド

リカ

ド ウ全 集

 

P

スラ ッ フ ァ 編

 M ・

H ・

ドッ ブ協 力

 

1 巻経

済 学

  

お よ び課

の 原理

 堀経

夫 訳

 156

 

雄 松 堂 書 店

3

Richard

 

I.

Leight

〔)n;

Economics

 of 

International

 

Trade .

 

P .

2

 

McGraw

−Hili

 

Book

   Company

 

New

 

York

 

StLouis

 

San

 

Francisco

 

DUsseidorf

 

London

 

Mexico

   

Panama

 

Sydney

 

Toronto

 

K6gakusha

 

Ltd.

Tokyo

4

Richard

 

I

 

Leighton

Jbid

P .

2

 

Mcgraw −

Hill

 

Book

 

Company

 

New

 

York

 

Toronto

(4)

5

DAVID

 

RICARDO

Ibid

 

P

77

 

Everyman

s 

Library

 

London

 

New

 

York

  

デ ィヴ ィ ド

リカ

ドウ全 集

 P .

ス ラ ッ フ ァ 編

 M ・

H ・

ドッ ブ協 力

  『

150 頁。

  雄松

書店

6

SEYMOUR

 

E

HARRIS

Ibid

 

P

20

 

McGraw

HILL

 

Book

 

Company

 

New

 

York

   

Toronto

 

London

 

KOGAKUSHA

 

COMPANY

LTD

 

Tokyo

7

Richard

 

I.

Leighton

Ibid

 

P

2

 

McGraw

Hill

 

Book

 

Company

 

New

 

York .

 

St.

Louis,

 

San

   

Francisco .

 

DUsseldorf

 

London

 

Mexico

 

Panama

 

Sydney

 

Toronto

 

K

σ

gakusha

   

Ltd .

Tokyo

 

2 .

  リ カア ドオ のシェ

マ につ いて

 

か の有

な リカ ア ド オの シェ

マ は イ ギ リス

ポ ル トガ ル の 両 国 を 例に と り

何れ もラシャ と ブ ド ウ 酒 を生 産し て い る が,

働 費 用で は

ポ ル トガ ル は何 れの財 貨の 生産 に お い て もイ ギ リス に絶 対 的に優 越 してい るが

特にブ ドウ酒の生 産にお い て よ り大 な る

越 を もっ てい る。 この 時におい て

ポル トガル は ブ ドウ酒を

イ ギ リス はラ シ ャ を 生 産 す るこ と に よ り, お 互い に その生産 物を交 換 するよ うにな る

し た が っ て

こ の

貿

易 に よっ て, ポル トガ ルは 自国におい て これ を生産 する よ り も

層 多 量 ブ ド ウ 得 する こ と に なる。 「占 典 派 経 済 学 者 達に よ れ ば,

一一

国は相 対 的に

かの

働で生 産 す るこ と がで きる

商 品を

輸出

もしも 自

で生 産 した ならば

相 対 的に かな りの労 働 を 必要とする か も し れ ない 商 品 を 輸 入 する

。一

定の商 品はすべ て の 国々 で同 量の労 働で 生 産 するこ とが で き ない

好 都 合 な 資 源 は

国 を 有 利に位 置 してい

よ り も

な い 労 働

商 品 を生 産 するこ とに充て る。 例 えば

地 面の近 くに石 炭 資 源 を もっ た

非常

に深い ころ にある石 炭 資 源 を もっ た

国 以 ヒに

1

トン につ きよ り少 ない

け るこ とが必 要 だろ う。 II 」

 

勿 論

気 温

地 味

水 利

大 気

特 定の

然 的 な状況 の下 に ない と

実 ヒ生 産で きな い 財

が ある。 リ カ ア ド オ は国 際

貿

易の利 益 を

の 種 類

数 量 増 加 す。 す なわち

特 定 量の 労 働 と

本で よ り

多種

量の 満足 を

獲得

する こ と がで きる か

あるい は より少 量の労 働 なら び に

本を もっ て

定 種 類,

定 量の満 足 を 獲 得 する ことに ある。 結 果と し て は

の豊 富 と低 廉 とは消 費 者にとっ て有 利である。

 

典 型 的に

本 主

義貿

易は

価格

絶対

差に基い て行 わ れる ことになる。 生 産 可 能 な 財 貨 につ い ては

, 自

国の財

の 価 格 が 低 廉で ある か ら 輸 出 する ことに なる し

外 国の財

の 価 格 が 低 廉で あるから輸 人 するこ とにな る。 こ こか らの結 論と して

,貿

易をする こ と か ら財 貨の数 量 が増加 し, 価 格の 下落 を もた らすこと になる。

 

し か し乍ら, リ カ ア ドオの理 論 を検 討 した ときに は

こ れ と は異な る

事情

がい ま

つ 考 えら れ る。 そ れはその 国の生産 物と交 換に

入 さ れ る 財

働 賃 金のそ れ に対 して

費消

さ れ る とこ ろ の労 働

食物

その

の生

必 需 品の 場 合で ある

何 故に問 題に なる か と言 えば

こ の ような場 合に おい ては, 賃 金は下落し

資 本の利 潤は上昇 する こ とに

一 84 一

(5)

富 山 短 期 大 学 紀 要 第37巻 なる とい うこ と は; リ カア ドオの理 論か ら くる 必 然の結 果とい え る

 

利 潤 率は

金の

下以 外に は増 大 し ない し

賃金の永 続 的

下 は,

金が支 出 される 必需 品の ド落の 結 果 以 外 には生 じ ない と リ カア ド オ は

経済学

及 び課 税の原 理 』で証 明 しよ うと努めて い る

。 「

もしも外 国 貿 易の拡 張に よ り あ るい は機 械の 改 良によっ て

労 働 者の食 物と必 需 品が

低 減

さ れた 価 格で 市 場に もた らされ

る な ら ば, 利 潤は 上

する であろ う。 もしも

わ れ わ れ が

自 国の穀 物 を栽 培 し た り

あ るい は

の 衣

お よ び その他の必 需 品を

製造

し た りするのでは な くて

より安い価 格で こ れ らの

商品

を われ われ に供 給 する こ と がで きる新しい 市 場 を 発 見す るなら ば

.賃

金は

下 し利 潤は

E

昇 す る で あろ う。 しか し

もしも

貿 易

の 拡 張に よ りある い は

械の 改

に よっ て

より 安い 値 段で取 得さ れ る諸 商 品が

もっ ぱ ら金 持によっ て消 費さ れ る諸 商 品で あ る な ら ば, 利 潤 率に は な ん らの変 更 も起 こらない で あろう。 た とえブ ド ウ酒, ビロ

絹織

お よ び その

価 な 商 品 が

50

セ ン ト下 落 する と し て

も,賃

響 を受 け ない で あろ う

また その 結 果と して利 潤は ひ きつ づ き 不 変の ま まであ ろう

 

して み ると, 外 国 貿 易 は

収 入 が 支 出 され る諸

の 分 量と

類 を

加 し, また諸

品の 豊

と低 廉 とに よっ て

貯 蓄と資 本の蓄 積と に刺 激 を

え る か ら

 

国にとっ て

度に有 利である とはい え

輸 入 さ れ る諸商 品が

働の 賃 金が支 出さ れ る その種 類の も の でない か ぎ り

資 本の利 潤を ひ き ヒげ る傾 向 を すこ し も もたない で あろ う。

刊       註

1

Richard

 

I

Leighton

Econornics

 of 

Internationai

 

Trade .

 

P2

 

McGraw

Hill

 

Bo

〔}

k

  

company

 

New

 

York

 

St.

Louis .

 

San

 

Francisco .

 

DUsseldorf

 

London

 

Mexico .

  

Panarna

 

Sydney

 

Toronto

 

Kogakusha

 

Ltd .

 

Tokye

2

DAVID

 

RICARDO

The

 

Principles

 of 

Political

 

Economy

 and  

Taxation .

 

P .

80

   

Everymam

ゴs 

Library.

 

London

 

New

 

York

 

3

賃 金 と利 潤につ い て

 

リ カア ド オ に よ る と

,貿易

は諸 商 品の 数 量の

したがっ て また

享 楽 品の総 量の増

に貢 献す る ところ

だ大 きい が

決して即 時に は

国 内の価 値 量を増 加 さ せ るもの で は ない

然ら ば, 何 故に貿 易は生 産 物の 数 量の 増 加となるの か。 この解

リ カア ドオ の

有名

な 比

生 産 費

で ある。 こ の理 論は

比較 的

用優

を もつ 生 産に

特化

する とい うこと は, 結 局の とこ ろ

絶 対 的に安 価 な 商 品の 生産に特 化 するこ とであ る

そ し て

,労 働費

用に よ る

貿

易の方 向 と 貨 幣 費 用に よる 貿 易の 方

と が

する こ と を明

に した もの である。 故に

こ の理 論の必然 的 な 帰 結は

,貿

易が 財

の 数量の

増加

すこ と に な る とい

こと である。 勿 論, こ の外に

気 温

味,水

気等

とい

う特定

の 自 然 的 状 況下で な け れば事 実上 生産 する こ との で き ない 財

が あ り, そ

い う財

貿

易の 対 象になる。 した が っ て

リ カア ドオ は国 際

貿

易の利 益は財

の種 類 と 数 量の

加 に ある とする。 そ こで

結 果 と し て財

の 豊

と低

は消 費 者に有 利で ある。 「貿 易 が

(6)

行わ れ る

合に は光 景は変 化 する

。各

国は あ る商 品の生産 を 増 加 し

他の商 品の生 産 を 減 少 する か ま たは全 然 生 産 し な

な る

この こ と は恐らくは 各 国 が な お 生 産 を 続 けてい る商 晶の 生 産 費

用するであろ

う。

新しい 生産 費比率が確立せ ら れ るで あろ う

この 新比率がなお外 国に

する比 率と異 なっ てい るな ら ば

貿 易 をさ ら に拡

する こ と に よ っ て利 益が確立 せ ら れうる。 そ して これ が 再び各 国の生 産 費 比 率に

用する。 その結 果 と して

利 益を 生 じ る貿 易が行われ 尽 し た 場 合に は

各 国の 生 産 費

は もはや

国の 生産

比率と は差 異 を もた な くなる とい うこ とに な る

。 一

国は その 生産 費比率が外 国の 生 産 費 比 率と同 じ く なるまで各 種 商 品の生 産 を拡 張 また は縮 少 し, か くて発 生 し た

剰 を 輸 出 し

不 足 を 輸 入 すべ 部 面い て は

生 産は全 然

放棄

せ ら れ る か も知れ ぬ

そ して 貿 易 開 始 前に は国 内にお ける生 産 費 が 高 失 費につ くか ま た は生 産が不 可

である た め に

消 費 さ れ なかっ た商 品 が 輸 人 さ れる か もし れ ない

1

 

リ カア ド オの

貿

易 論は

比較 的 優 越をもつ 産 業

特化

する こ とは 財

貨 1 単 位

を取 得 す る に 必要 な 費 用の低 減 を斉 らすこと に なるu これ は

定 量の費用 で よ り

量の 財

得 する こ と になる。

  「

利潤 率は

金の低 ドに よ る 以外に はけっ して増 大 し え ない 。 そ して 賃 金の 永 続 的 低 ドは

賃 金が支 出さ れ る 必 需品の 下 落の 結 果と して以外に は起こ りえない

とい こ と を本 音 をつ て 証明するの が, 私の

め て き た 点で あっ た

到 い わ ゆ る

外 国か ら 輸 人 さ れる財 貨が

労 働 賃 金がこ れ に対 し て費 消さ れ る食

その

の生活必 需品で あ る 時におい て は

賃 金は下 落 し

利 潤 は 騰 貴 する か ら

こ の ような国

際貿易

直接

的に そ の国の生産 者に とっ て有 利である。 リ カア ドオ は

賃 金と利 潤 とは相 補 性 を もっ てい て

他 方

ド落に みちび き

方の 下 落は他 方の騰 貴 をひ き 起 す 関 係にある と い こ と を 意 味 する

1870年

代に イ ギ リス の経 済 学 者ケ ア ン ズは単 純 な 労 働 価 値 説に

し て さ ら に進ん で異 論を高 く掲 げたu 彼はあ ちらこちら と仕 事 か ら仕 事へ と労 働の 移 動に おける制限 や制 度上 の 妨 げに よっ て保

さ れ た

1

グル

プ が他の グル

プ よ り よ り 高い 報 酬 を 受 け とる か もし れ ない とい うこ とを 指 摘 し たu

金は

ゆ え に

,労

働 時 間に

一・

致 しない であろ う

                      註

1

SIR

 

ROY

 

HARROD

INTERNATIONAL

 

ECONOMICS

 

P

16・

17

 

DIGSWELL

   

PLACE

 

JA

 

MES

 

NISBET

CO

LTD

 

CAMBRIDGE

 

AT

 

THE

 

UNIVERSITY

   

PRESS .

   

R

F .

ハ ロ ッ ド著   藤 井 茂 訳  ハ ロ ッ ド国 際 経 済 学   改 訂 版  

56

57

頁。 実 業 之 日本 社 版

2

DAVID

 

RICARDO

The

 

Principles

 c}

f

 

Political

 

Economy

 and  

Taxation .

 p

80

  

Everyman

s 

Library

 

London

 

New

 

York

  

P

ス ラ ッ フ ァ編

 

MJH

ドッ ブ協

力 第 1

 

経 済 学お よ び課 税の原理

 

 

経 夫 訳

  154

頁。

松 堂 書

3

SEYMOUR

 

EHARRIS

Internati

〔〕nai  and  

lnterregional

 

Economics .

 p

20 

McGRAW

(7)

富 山 短 期 大学 紀 要 第37巻

HILL

 

BOOK

 

COMPANY

 

INC

 

New

 

York

 

Toronto

 

London

 

KOGAKUSHA

COMPANY

LTD

 

Tokyo

  4 .

穀 物の

自由

貿

につ い て

 

リ カア ドオ は

穀物

自由貿易

を 主

する

。穀物

の 自

由貿 易

は,

資本利潤

高騰

さ せ, 穀 物の 輸人制 限は

本 利 潤 を

下 さ せ るこ とに な る。 したが っ て, 穀 物の 自 由 貿 易 を 主 張 する こ と か ら

リ カア ドオ

ま た生 産

者 ・資 本家本

位の見 地に立 脚 してい る と

えよ う

 

そ うである とす れば

,穀物

限は

何故

資本利潤

下 さ せ るこ とに な るの か

リ カア ド オ に よ れ ば,

穀物

入制限 が行わ れ る時に は, 富の 増 進 と 人凵増 加に よっ て, その食 物の 供 給を ば品

れ る

tl

地 に

ら な け れ ば な ら な くな る

果 とし て, 食物の 供 給が 困 難 と なっ て しまい , その 供 給 さ れ る最 終 部 分の 生 産に

層 多 量 労 働 を 投 るこ と が 必要となっ て し まい , この ために食

価 格

貴して し まうこ とに な る。

 

し た が っ て, 限界土 地の

働 量が食 物の交 換 価 値 を 決 定 する。 食 物の騰 貴は

労 働 賃 金の騰

とい

果 を 斉らす ことになる。 リカ ア ドオにおい て は

財 貨の価 値の全 部 は

資 本利 潤 を構 成 し

労 働 金 を構 成 す と に 。 こ の価 値の

構 成 部 分である労 働の 賃 金は どの ように して定 まるの で あろ うか

「労 働は

売 買さ れ

そ して分量におい て

増減

さ れ る

。他

べ ての 物 と 同じく, その 自 然 価 格 とその 市場 価 格 とを もっ て い る。 1

 

労 働の 自 然 価 格は, 労 働 者を して, その 生

持し, 増 減な くその

族を永 続 さ せ る た め に 必要と さ れ る価 格である。

働の 市 場 価 格は, 需要に対 する供

の 自 然 的

用 に よ り,

働に対し て実 際に支 払わ れ る価 格で ある。 し た がっ て

働の 市 場 価 格は, 結 局の とこ ろ

労 働の 自然 価 格に

致し ようとする傾 向を もっ て い る

リカ ア ド オは 貨 幣 価 格に変 動が ない としたなら ば

賃金は

二つ の原 因か ら騰 落を 免 れ ない と し

次の二 つ を 挙 げ るの で ある。 「第

労 働の供 給 と需 要。 第二 に

労 働 賃 金 が 支 出 さ れる商 品の価 格。

刊 こ こか ら, 労 働

金 が費 消 され る諸 財 貨の最 大 部 分を占め てい る

食物

の騰

然的

働の

自然価格

騰 を

くに 至 る。 リ カア ド オで は

,労

金の騰

は利 潤の ド落と な る

こ こ で

落す

る利 潤は限 界

ヒ地に お け る

農業資本

利潤

だ けで はない

業資本

般 利

耕 作

の 限

土 地に お け る

資本

利 潤に よ り 規律さ れ る か ら して , 農

業資

本の 利 潤

ドす る

業 資

だ け く, 商工

もそ うである。 資 本の利

般は全 く土 地に使 用さ れ る

資本

最後

分の 利

に依 存 する。 故に

ド落 するのは利 潤

般 とい える。 耕 作の 改 善が行わ れず

穀 物の 輸 入 が 制 限 さ れ るこ とに至 れば

資 本の 利 潤 は 次 第に低 落の

途 を辿 ら ざるを え な くなっ て しま う。 最 劣 等地の 耕

使

用 を 放

し な け れ ば,

利潤

下をき た す こと になる。   穀 物の貿 易 をば 白 由に して

外 国か ら低 廉 な 穀 物 を 輸 入 する場 合には

労 働の 賃 金は 下 落 して

資 本の利 潤は

L

昇 する。 資 本の利 潤が

ヒ昇 すれ ば

生産 者

資 本 家 が 利 益 を

(8)

得る ことに な る

その 限 り穀 物の白 由 貿 易は生 産 者

資 本 家の利 益である。

 

し か し乍ら, リカ ア ドオ はそ れ だ けの 理 由か ら穀 物の 自 由 貿 易 を 唱 えるの であろうか,

に, リカ ア ド オ は利 潤が

高騰

する とい う理 由だ け か ら穀 物の 自 由

貿易

を 唱 える とし た なら, そ こ に は

混交

してい るこ と に な っ て し ま

。 ところ が, リ カア ド オの

穀物貿

深い

の が ある。 そ れ は

穀物

る こ と が

労働者

の利 益 と

矛盾

する ことにな り

彼らの 利 益 を

蹂躙

する もの で はあ り

ない

である

。穀

物 を

人することを

制 す れば

労 働の

賃金

が騰

する。

穀物

入するこ との制 限を

撤寵

すれ ば

労 働の

金 は下 落して しま う

こ れ はい か な る意

を もつ こ と に な るので あ ろ

。穀物

入 を 制 限 すれ ば

,賃

金は騰

貴す

る こ と になる。 と こ ろ が

この

場合騰貴す

るの は

貨幣 賃

金 とい うこ と で あ り

,穀物賃

金は

少 すること に な る

 

リ カア ド オ は述べ る

。「

麦 1

クォ

タ につ き

4

ポ ン ドの と きに

,労働 者

金は

24

ポ ン ド, すわ ち 小

麦 6

クォ

価値

で あ る , と仮

し, ま た彼の

金の

分が 小

出さ れ,

の 半

, すな わち

12

ポ ン ドが,

の 諸

に支 出さ れ る, と仮

し よ う。

は,         4ポンド4シリング

8

ペンス       

24

ポンド

14

シ リング     

583

クォ

 

小麦が

 

4ポン ド10シ リング

  

のときは

 

25ポンド10シ リング

  

す なわち

 

5

e6クオ

 

の価値を        

4

ボン ド16シリング           26ポンド8シ リング          5

50クa

タ        

5

ポンド

2

シリング

10

ペンス         

27

ポンド8シリング6ベンス        5

33クt

タ 受 けと るであろ う。

 

彼 が 受 けるこれ らの 賃金 は

そ れ に よっ て彼が

と ち ょ うど同じ程 度の生

を す る こ と が 可能 と な る だ け であっ て, よ りよい 生 活 を するこ とは で きない であろ う

とい うわ け は, 穀 物が

1

ク ォ

4

と きに は

3

穀 物に た して  

1

クォ

タにつ

4

ン ドで

……… ……12

ポ ン   そ して他の 諸 物に たい して

…………・

……・

………・

…… ……12

ポ ン ド      

24

ポ ン ド   を 支 出 する であろ うし

  小 麦 が

4

ポ ン

4

シリン グ

8

ペ ン ス の ときに は,

 

彼と彼の家 族が消

する

3

クォ

タ は

……・

…一 ……・

……

12

ポ ン ド

14

シ リング

 

価 格の変 更 し ない

の諸

…・

………・

……・

……・

………・

12

ポン ド      

24

ポ ン ド

14

シリング

 

を 要 するで あろうし

  4

ポ ン ド

10

シ リン グ の と きには,

3

ク ォ

タ の小 麦

……13

10

ン グ

 

そ し て

の 諸 物は

…・

…・

………・

………・

………・

…12

ポ ン ド      

25

ポ ン ド

10

シ リン グ   を 要 するで あろうし

  4

ポ ン ド

16

シ リン グの と きに は,

3

クォ

小 麦

…・

14

8

一 88 一

(9)

富 山 短 期 大 学 紀 要第37巻

 

他の

諸物

…・

……・

… ……・

………・

………・

…12

ポ ン ド      

26

ポ ン ド

8

シ リング

 

5

ポン ド

2

シリング

10

ペ ン ス の ときに は

,3

クォ

タ の小

…………15

ポンド

8

シリング

6

ペ ン ス

 

他の諸 物は

………・

……… …・

………・

…12

ポ ン ド      

27

ポン ド

8

シ リング

6

ペ ン ス

 

を要 する で あ ろ うか ら である。

 

穀 物が

くな る に比 例 して, 彼 はよ り少 ない 穀

物賃

金 を

け とる であろう

しか し彼 の貨 幣 賃 金はつ ね に

加 するであろ う。 そ れにたい して

前 記の 仮 定に よれ ば

彼の 享 楽 品は ま さに 同

であろう。 し か し, 他の諸 商 品の価 格は原生産 物が そ の

成に

加 す る に比 例 して ひき ヒげ ら れ る であろうか ら

彼は これらの なかの若 干の もの に たい し て, よ り多 く を 支 払わ なけれ ば ならない であろ う。 判 した が っ て

,穀物

自由貿易

は, 生 産 者

資 本 家の 益 で あ る が, だ か ら とい っ て

,穀物

の 自 由

貿

易は労 働 者の 利 益 と矛 盾 して い る と は言え ない のである。 換 言 す れば

生 産 者

・資

本 家の 利 益 と

の 利 益と は

,低廉

物 を 外 国か ら輸 入 すること につ い て は両 立 することになる。 勿 論

消 費 者 につ い て は な ほの こ と と言 える。 そう する と

,穀

物の 自 由 貿 易に よっ て不 利 益 を 蒙るの は誰であろ うか。 地主で ある と リ カア ド オ は言 うのである。

 

リカ ア ド オは

地 代と は

大 地の 生 産 物う ち

土 壌の本 源 的で不 滅 な

使

用に た い して地 主に支 払わ れ る部 分で あ る。

a

」と述べ る。 土地の使 用に

して 地

が 支 払わ れ るの は

ヒ地は量に おい て

限 で は なく, 質に おい て均

な くて

位 置に おい て 便 不 便がある か ら とい え る。 したが っ て

「資 本は む しろ旧 地に

使

用さ れ, そ し て同 様 に地 代を

創造

する であろう

とい のは

地 代はつ ね に二つ の

相等

しい 分 量の資 本と労 働の 使 用に よっ て

得され る生 産物 間の差 額だ か らである。 t” 1 」 豊饒で便 利 な位 置を占 めてい る 土 地 が増

する人日 に対 する食 物生産の ため に 必要と さ れ る程 度 以上に 豊 富に

存在

し てい る場 合や資 本 と労 働が旧上地に

し てすこ し の減 収 も な しに無 際 限に投 下 す るこ とが できる とする場 合におい て

地代と 地

の 騰 貴はあ り得 ない 。

 

実 際

土 地は有 限で 品

に は差 等があるだ けで はな く

位 置が どの ようで ある かで非

に利 便 が 違 うこ とであ る

そ して

土 地 は収 穫 逓 減 法 則に左 右 され る こ と か ら

,社会

が 発 展 してい 上 に おい ては, 最 も肥 沃であっ て

最 も 有 利な

置 を

め る 土地が最 初 に耕 作 され ること に な る。 第二 の 豊 度 と 利 便 を もっ た:

ヒ地 を 食 物が不 足 する解 決 策と し て

,耕作

拡張

をは か るこ とに よっ て

と第二 の 土地に おける

収穫物

の差

もし

は収 穫

価値

の 差

が地 代 と なるの である。 そ して

第二 の土 地 を

耕 作

するこ と に よ っ て

第二 の土地に おい て も地代の発生 をみ る にお よん で

収穫 物

の差

, ある い は収 穫 物の価

の差 額が その地

と なるのである。 こ こか ら

土 地地 代 れ だけ 騰

貴す

る に至る。

 

土 地 の 生 産 物の交 換 価 値は

他の

切の 貨 物の 交 換 価

と同 じ よ

こ れ を 生 産し て市 場に運 び 入 れるた めに は

種々 の形

で 必要 と さ れ る ところの 総

働 量 を も とに し

(10)

て決 定さ れ るこ と か ら し て

置が劣っ て い る 土地が耕 作 されてい くに したが っ て

あるい は 同

の 土 地 に

下 さ れ る とこ ろ の 追 加 労 働量 を多 くする こ とか ら

原生 産 物の交 換 価 値は次 第に騰 貴 してい か ざるを 得 な くなる。 こ の場 合に おい て は

原生 産

交換価他

を決

する ものは, 最 も不 利 な

情の 下におい て生 産 を継 続 する者が投 ドす る よ り 大 な る

働 量 で あ る

限 界土地の 生産 物に投 ドされる労 働 量

そ うで な けれ ば 同

ヒ地 て で あ れ ば

最 終 部 分収 穫 ドさ れ る ところの

働 量とい こ と になっ て くる。 だか ら して

原 生 産 物の比 較 的に価 値が

騰貴

し てい

は, その 取 得 され る限 界

ll

地の生産 物

あ るい は最 終 的 な 部 分の生 産 物に対し て

多 く

が 投 下 さ れる か らで ある とい る。 「そこで原 生 産 物の比 較 価 値が

騰 貴

する 理

取 得 さ れ る最

部 分の生産に よ り多 くの労 働 が 使 用 さ れる か らであっ て

地 代が 地主に支

わ れ る か らでは ない

T/

i

そ して

「穀 物の価 値は

なん らの 地代 も 支

わ ない

L

地 に おい て, またなん らの地 代 も 支 払わない 資 本 部 分 も 用い て

その生 産に投下 さ れ る

働量 に よっ て

右 され るの で ある。 穀 物は地 代 が 支 払わ れ る か ら高い ので は な くて

物が

い か ら 地

払わ れ るの である。

71 」

 

この ように して

自然は その

贈 与

に過 度に ものお しみする につ て, その

働に

し て 層 の

を要 求す るこ と に な る。 地 代の騰 貴は

その 国の 人口が 増 加 するこ と に対 し て食 物の供

困難

と な る こ と か ら 生 じ る。 生産 収 益が より小 な る ⊥ 地へ の 追 加 資 本の投 下 を 必 要 とする につ れ て

その 追 加

部 分ご と に は 地代が騰 貴 する

, 社 会の 事情によっ て は

か りにも 同 額の資 本 を ヒ地 に投下すること が不必要に なっ て くる が

その最 後に投 下 され る部 分 をば 層 生産 的 な ら しめる もの は

地 代 を ド落せ し め るこ とに な るであろ

う。

業 .

ヒの 改

とか穀 物の輸 入の 場 合が そ れである。   と も か く も, 穀 物が高 価で あ る か ら して地 代 が 支 払われるのである。 そ し て穀 物 価 格 を

決定

するの は あの 最 大

働で 生産 される穀 物で あっ て

地 代 は その価 格の構 成 要

の 中に入 らない し, ま た 入 れ て は な ら ない もの で ある か ら に は

地 代 を 負 担 す るのは

般 消 費 者 とい ことになる

こ こ か ら して

地 主と

般 消 費 者は利 害が対立する の は 明 ら かで疑 う

地が ない とい える。

 

地 代は生 産 物の価 格に よっ て規

さ れ る し, 必

とい っ て よい ほ ど消

者の

担 にな る もの で ある。 地 代のい かなる部 分 を も 農 業 生 産 者は攴 弁 する もの と は言 えない 。 農

生産 者は地 代の騰 落に無 関 心で ある こ とになる

こ の ように結 論 することは正 しい と は 言 え ない 。 そ れは農 業生産 者 も また地 代 を騰 責 させ ない し, む しろ生 産 物の 自 然 価 格 を 騰 貴 させ ない とい ことに明 確に利

関 係 を もっ て い る。 とい

の は,

農業

生 産

もま た原生巌 物 が その構 成 要 素と して入 り込 む 諾 貨 物の 個 の 生 産 者と し て, すべ ての 他の 消 費 者と ともに

価 格 が 騰 貴 しない こ とによっ て利 益 を得るこ とに なる。 農 業 生 産 者 が 穀 物の 高 価 格に対 して重 大 な利 害 関 係を もつ の はなぜ か と言 えばそれ が賃金に影 響を 与 え る か らであ る

。穀物

格が騰 貴す る こ と は

必ず 賃金の騰 貴を もた らすこ とにな り

金 に 比 例 して農 業生 産者の 利 潤は 逓滅 してゆ くの で ある

し た がっ て, リ カア ドオ は,

go

(11)

富山 短期 大学 紀 要 第37巻 地 主 と 農 業 生 産 者 と もはっ き りと利 害が対立する もの と結 論づ けるの で あっ た。 そして

般 商業 資 本利 潤農 業 資 本 利 潤

い るの で

地 主と

業 者

も 利

の 対 疏 を招 くこ とになる。

 

労 働 者につ い ては どうで あろ うか。 穀 物が高 価となる に し た がっ て ,

の取

す る

幣 賃 金は多 くなるけ れ ども

その 支 配 し得る 生 産 物の数 量は減 少 する ことに なる。 そ してその 実 質 賃 金は低 下 するこ と か ら

境 遇の悪 化をもた らすこ と に な る

し か し

地 主は ど

であろ うか。 地 主は, 穀 物 が 高 価 となる に し た が っ て

に 二

の利

るこ と に な る。 第

地 主は地 代 と して よ り多 くの穀 物 を納める。 第二 に は

その

穀物

は前 よ り も 多 量の他の貨 物 と 交 換 するこ とがで き る。 したがっ て

賃 金の 騰

と 地

の 騰 貴の 間に本 質 的 な 差 異 が あるこ とにな り

労 働 者と地主に おい て も

明 白にそ の

立するこ と に なる。 穀 物の騰 貴は資 本 家 階 級と労 働 者 階 級の犠 牲の も と に, 地主 を 利 する もの である。 穀 物の下 落は地主 に とっ て は不 利で ある が

,資

階 級 と労 働 者 階 級 は 何 れに おい て も恩 恵を

ける結 果と な る

し た がっ て,

国か ら

穀物

を 自 由に輸 入 するこ と になれ ば

地 毛は不 利 益に な り被

る こ とになる、 「リ カ ア ドオ が 最 初のそ して顕 著 なメンバ

人 で あっ た

イ ギ リス

学派

経済学者

達は い くつ かの 共 通の

色 を もっ てい た

彼らの 中の

人は労 働の 国 内 価 値 論であっ た。 古 典 学 派の経 済 学 者 達は

国 内の 商 品

が そ れ ら を

る た め に 必 要と した

相対

働 量 に 比例 して い た ところの 主 張に結 束 した。 しか しな が ら

彼 ら はこ の理 論 が 労 働 と資 本 が異 なれ る

で不

で あっ た が 故に国 際 価 格 関 係の場 合に応 用で き た と考 え たの で あ る

こ の

そ れ らが 国 内 的 範 囲か ら国 際 的 範 囲に応 用で きた ときに

価 格 決 定に

する費用の 接 近は不

1

分 なこ と を証 明し た

し か し な が ら

, 占

典 学

し ば し ば

らの分析 を現 実の条 件 と抽 象 的 な 価 格に言 葉で表わすこ と に よっ て, よ り直 接 的に経 済 的 安 寧の諸 問 題に よ り直 接 的に関 連 さ せ る こと が で きたので あ る

こ れ は同 時に彼らの 優 柔 不 断と強みで あっ たの である。

L

 

以 上の見 解か ら して

リ カア ド オ は

,穀物

入するこ と を制限 し てい る政

をお し の け ようと

攻撃

して

穀 物 貿 易の 自 由 を 主張 する

リカア ドオ は

単に生 産 者の 利 益で ある か ら とい う理 由で , 穀 物

貿

易の 制 限を

廃す るべ き だ と主

し てい るの で は ない 。 低 廉な穀

入 は,

労働者

益で あ り,

 

般 消 費 者の利 益に なる とい う。 穀 物 貿 易 の 利 益は全

益 とい

か ら の

握が なさ れ てい る。 穀 物

貿

易におい て は, 消 費 者

生 産

お よ び労 働 者の 問に利 害の 融 合 が ある とい うの がリカ ア ドオの 主 張で あっ た。 リカ ア ド オ は,

穀 物貿 易

の 制限 か もしくは穀 物

貿

易の 自 由か に 関する 問 題 をば, 地 主の 為か, もしくは消 費 者

生 産 者お よ び

働 者の為か とい う 問 題 とし て提 起 したのはこ の ような理 由か ら であっ た。 リ カア ドオが 穀 物 貿 易の撤 廃 を 主 張 したの は

消 費 者

生 産 者 およ び労 働 者の問に は完 全に利 害の融 合 が ある とい うこ とである。 利 害が相 反 するの は地主で あっ た。 し た が っ て

穀 物 貿 易を制 限 する か

由にする か につ い て の 問 題は

結 局の とこ ろ

地主の

か, もしくは消 費 者, 生 産 者お よ び

働 者の

かの 問題 に 関す

(12)

る議 論に最 終 的に落 ち 着 くこと に なる。 こ こ に おい て

後 者の利 益を図ら ん が た め に穀 物 貿 易の制 限 を撤 廃 するべ で ある とい

であっ た。

 

こ の立場の堅 持は

穀 物 輸 出 奨 励 金の是 非につ い て も 同じで ある。 リ カア ド オ は穀 物 輸 出 奨 励金制 度に対して 反対の立

を と る

そ れ は

,輸

励 金の交

穀物

貨幣価

の騰 貴 を も た らすか らである。 何 故 な らば

当 該 国の穀 物に対 する外 国の需 要 増 加 は

その市 場 価 格 を して 自 然 価 格 以 ヒに騰 貴 させる からで ある。       註

1

DAVID

 

RICARDO

The

 

Principles

 of 

Political

 

Economy

 and  

Taxat

三〇n

 p

52

   

Everyman

sLibrary

 

London

 

New

 

York

    デ ィヴ ィ ド

リカ

ドウ全 集  

P .

ス ラッ フ ァ 編  

M

H

ドッ ブ協 力   第

1

巻 経 済 学 お

    よ び課 税の 原 理   堀 経 夫 訳  

109

頁。 雄 松 堂 書 店

2

DAVID

 

RICARDO

Ibid

 

p.

55

 

Everyman

s 

Library

 

London

 

New

 

York

  

デ ィ ヴ ィ ド

リ カ

ドウ全

集 P

ス ラッ フ ァ 編

 MH .

ドッ ブ協 力

  『

 

堀 経

    夫 訳  

114

頁。 雄 松 堂 書 店

3

DAVID

 

RICARDO

Ibid.

 

p.

52−53

 

Everyman

sLibrary

 

London

 

New

 

York

  

デ ィヴ ィ ド

リ カ

ド ウ全

集 

P

ス ラッ フ ァ編

 

M

H

ドッ ブ

協力  『

同書

 

   夫訳 120−122頁

Q

雄松

堂 書

4

DAVID

 

RICARDO

Ibid

 p

33

 

Everyman

s 

Library.

 

London

 

New

 

York

    デ ィ ヴ ィ ド

リカ

ドウ全 集  

P

ス ラッ フ ァ 編  

M ,

H .

ドッ ブ協 力   『同 書 』  堀 経

    夫 訳  

79

頁。 雄 松 堂 書店

5

DAVID

 

RICARDO

Ibid.

 

p,

36

 

Everyman

sLibrary

 

London

 

New

 

York

  

デ ィ ヴ ィ

リ カ

ド ウ 全集

 P

ス ラッ フ ァ 編

 

MH

ドッ ブ協 力

  『

 

堀 経

  

夫 訳

 84

頁。 雄 松堂

書店

6

DAVID

 

RICARDO

Ibid

 

p.

38

 

Everyman

sLibrary

 

London

 

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York

  

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