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銀行等による保険募集に係る弊害防止措置の見直し

上原 純

(明治安田生命保険相互会社) Ⅰ.はじめに 銀行等は、その預金業務や融資業務等を通じて、顧客の資金状況を 正確に把握できる立場にあるとともに、特に融資先の顧客に対しては 強い影響力を与え得る立場に立つことが少なくない。このため、銀行 等がこれらの情報や影響力を不適切に利用して保険募集を行なえば、 消費者(保険契約者)の保護に欠けることとなる。こうした事態を回 避するため、銀行等1)による保険募集を認めるに当たり、一連の「弊 害防止措置2)」が設けられている3) 1)保険業法275条1項1号、保険業法施行令39条に規定される「銀行等」。以 下、本稿において同じ。 2)この「弊害防止措置」に含まれる規制の範囲(外延)について、法令上明 確な定義はないが、銀行等による保険募集において適用される保険業法、同 施行令、同施行規則に基づく一連の規制と解するのが一般的と思われる。な お、かかる意味では、銀行法施行規則13条の5を根拠規定とする「預金誤認 防止措置(後述)」については、「弊害防止措置」には該当しないという見方 も可能である(後述する金融庁の平成23年7月6日付公表資料も預金誤認防 止措置を含む一連の規制を「弊害防止措置等」と記している)が、本稿では、 預金誤認防止措置も広義の「弊害防止措置」に含めて取り扱う。 3)弊害防止措置の制度趣旨については、安居孝啓編著『最新 保険業法の解説』

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この弊害防止措置については、銀行等による保険募集が全面解禁さ れた平成19年12月において、「概ね3年後に、所要の見直しを行う」こ とが予定されていた4)。そのため、金融庁において、「概ね3年後」の 見直しに向けた検討が進められてきた。そして、平成23年7月6日に 金融庁から「銀行等による保険募集に係る弊害防止措置等の見直しに ついて」が公表され、続く同年7月8日のパブリックコメント「「保険 業法施行規則の一部を改正する内閣府令(案)」等の公表について」と あわせて、当該見直しの全容が判明した(関係内閣府令等の公布は同 年9月7日、実施時期は平成24年4月1日)。 そこで、本稿は、平成23年7月に公表され、平成24年4月から実施 された弊害防止措置の見直しの内容について、そこに至る経緯も踏ま えつつ、概説を試みることを目的とする。また、その際、上記パブリ ックコメントに対する金融庁回答(同年9月6日・以下「パブリック コメント回答」)の内容等も加味することで、法令解釈や改正趣旨につ いての細かい問題にも言及することとしたい。 Ⅱ.経緯 1.全面解禁まで 銀行等による保険募集に係る規制の変遷については、既にいくつか の文献が存することから5)、本稿では深入りせず、要点のみ言及する にとどめたい。 〔改訂版〕大成出版社、平成22年、1038頁参照。 4)金融審議会金融分科会第二部会及び保険の基本問題に関するワーキング・ グループ合同会合(平成19年10月24日)資料「銀行等による保険販売の全面 解禁について」5頁。 5)安居孝啓、前掲書(注3)、1029‐1031頁、石丸正芳「銀行等の保険募集解 禁とルール構築」『生命保険経営』第77巻第1号、平成21年、10頁以下等。

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従来、銀行法上の他業禁止の観点等から、銀行等が保険募集人とな って保険募集を行なうことは認められていなかった。しかし、平成4 年の金融制度改革関連法や、平成7年保険業法により、業態別子会社 方式による金融各業態間の相互参入が進められたことから、これとあ わせて、銀行等による保険募集の解禁に関する議論が始められた。 そして、平成9年6月、保険審議会から「保険業の在り方の見直し について」が答申された。そこでは、「2001年を目処に、銀行等がその 子会社又は兄弟会社である保険会社の商品を販売する場合に限定した 上で、利用者利便の向上等のメリットと弊害を比較考量しメリットが 大きいと考えられる住宅ローン関連の長期火災保険及び信用生命保険 を認めることが適当である」と提言された。 この答申を踏まえ、平成12年改正法(保険業法275条の改正)により、 銀行等が登録を受けて保険募集を行なうことができることとなり、こ の法改正を受けた保険業法施行規則の改正(平成13年4月施行)にお いて、住宅ローン関連の信用生命保険契約・長期火災保険契約・債務 返済支援保険契約等の銀行業務と親近性が高いと認められる保険契約 に限り、非公開情報保護措置(後述)等を講ずることを条件として、 銀行等が保険募集を行なうことが認められた。これがいわゆる「第一 次解禁」である。 その後、平成14年10月には、貯蓄性が高いことから銀行業務と親近 性がある個人年金保険契約や年金払積立傷害保険契約等についても、 新たに銀行等による取扱いが認められた。これがいわゆる「第二次解 禁」である。 さらに、平成14年3月閣議決定の「規制改革推進3か年計画(改定)」 において、「銀行等が原則としてすべての保険商品を取り扱えること、 その銀行の子会社又は兄弟会社である保険会社の商品に限定しないこ とについて引き続き検討を行い、平成15年度中に結論を得、所要の措

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置を講ずる」とされた6)。そして、これを踏まえ、金融審議会金融分 科会第二部会報告(平成16年3月)において「銀行等による保険販売 規制の見直しについては、本報告後例えば1年後から段階的に行うこ ととし、新たな弊害防止措置の実効性をモニタリングしながら、遅く とも本報告後3年後には、銀行等において原則としてすべての保険商 品を取り扱えるようにすることが適当である」とされた。 これを受け、平成17年7月の保険業法施行規則改正により、融資先 募集規制(後述)等の新たな弊害防止措置が設けられるとともに、同 年12月より、一時払終身保険契約、一時払養老保険契約、短満期(保 険期間10年以下)平準払養老保険契約、積立傷害保険契約等の取扱い が認められた。これがいわゆる「第三次解禁」である。また、その際 には、新たな弊害防止措置の実効性を確認し、見直しの必要性を検討 した上で、平成19年12月から銀行等が取り扱える保険契約の制限の撤 廃を行なうことが予定された。 その後、弊害防止措置について、より一層の保険契約者等の保護を 図る観点から所要の手当てを行なったうえで、予定通り、平成19年12 月から、銀行等による保険募集が全面解禁されている。 以上の解禁の経緯と、それぞれのタイミングで設けられた主な弊害 防止措置は、次表のとおりである。 図表1 全面解禁までの経緯 主な解禁商品 設けられた主な弊害防止措置 平成 13 年4月 (第一次解禁) 住宅ローン関連の信用生命 保険・長期火災保険・債務 返済支援保険、海外旅行傷 害保険 等 ・非公開情報保護措置(※) ・預金誤認防止措置(※) 等 6)翌平成15年3月閣議決定「規制改革推進3か年計画(再改定)」でも同じ文 言が維持された。

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平成 14 年 10 月 (第二次解禁) 個人年金保険(法人契約を 除く)、年金払積立傷害保険 (法人契約を除く)、財形保 険 等 ・保険募集に係る取引が他の銀 行業務に影響を与えない旨 の書面交付説明義務 等 平成 17 年 12 月 (第三次解禁) 一時払終身保険、一時払養 老保険、短満期平準払養老 保険(法人契約を除く)、積 立傷害保険 等 ・融資先募集規制(※) ・タイミング規制(※) ・担当者分離規制(※) ・特例地域金融機関に関する規 制(※) 等 平成 19 年 12 月 (全面解禁) 上記以外 ・「保険会社向けの総合的な監 督指針」の規定整備 ※各措置の具体的内容については後述 2.弊害防止措置見直しに至る経緯 上記のとおり、弊害防止措置は、平成13年4月の第一次解禁以降の 順次の見直しを経て、平成19年12月の全面解禁時にその制度内容が一 旦固められた。ただし、前述のとおり、全面解禁に際しては、「保険契 約者等の保護の観点から、弊害が発生しないよう、全面解禁後におい ても、引き続き銀行等の保険募集についてモニタリングを行うことと する。(中略)モニタリング結果等を踏まえ、保険契約者等の保護や利 便性の観点から、弊害防止措置等について、概ね3年後に、所要の見 直しを行う」ことが予定されていた7) このような見直し時期が設けられていたこともあり、全面解禁後に おいても、関係各方面から規制の見直しを要望する意見表明が活発に 行なわれてきた。例えば、「「国民の声」おかしなルールの見直し(国 の規制・制度の改革)についての集中受付(平成22年9月10日~10月 7)前掲注4参照。

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14日)」では、銀行、信託、リース業等の複数の関係団体等から規制の 撤廃・緩和を要望する意見が提出されている8)。また、これとは別に、 弊害防止措置の撤廃・緩和を提言する意見書9)や論文10)等も公表され ている。 他方、規制緩和に反対する意見も見られる。例えば、全国生命保険 労働組合連合会(生保労連)からは、「銀行等による保険販売に関わる 「窓販モニタリング」(問題事例収集活動)最終報告(平成22年9月)」 および「銀行等による保険販売に関する要望(平成22年9月)」が公表 され、「全ての弊害防止措置について、その存置を図るとともに、実効 性を確保するための措置を講じること」等が提言されている11)。また、 生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会(JAIFA)12)や日本損害保 険代理業協会13)からも、弊害防止措置の継続と一層の強化、実効性確 保等が提言・要望されている。 以上のようなさまざまな意見等が寄せられる中、金融庁の事務方に 8)具体的には、都銀懇話会、全国地方銀行協会、第二地方銀行協会、全国信 用金庫協会・信金中央金庫、信託協会、リース事業協会から規制撤廃・緩和 の要望が提出されている(内閣府「国民の声」ホームページ「「国民の声」お かしなルールの見直し(国の規制・制度の改革)についての集中受付で受け 付けた提案等に対する各省庁からの回答について(平成23年2月1日)」掲載 の金融庁回答ファイル参照)。 9)在日米国商工会議所意見書「銀行窓販チャネルの自由化3年後の見直しを 契機に保険消費者の選択と利便性のさらなる向上を」(平成22年)。 10)中原健夫「保険窓販に係る規制への見直し提言」『金融法務事情』第1908号、 平成22年、62頁。 11)いずれも生保労連ホームページ参照。このほか、生保労連「海外調査報告 韓国における銀行窓販の現状と課題(平成21年11月)」では、消費者保護上の 問題から、予定されていた銀行窓販の全面解禁が中止された韓国の事情等が 紹介されている。 12)JAIFA「「銀行が保険を販売することについてのアンケート」結果発表」」『イ ンシュアランス 生保版』第4401号、平成22年、18‐20頁参照。 13)日本代協ニュース第238号(平成23年1月17日)参照。

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おいても、関係者のヒアリング、意見交換が行なわれたが14)、全面解 禁から概ね3年後に当たる平成22年末の時点では、見直しの検討結果 は明らかにされなかった。ただし、同年12月17日の金融担当大臣記者 会見では、「必要に応じて年明け以降、有識者や関係者を交えた論議の 場を設けて検討を進めていきたい」とされ15)、平成23年以降、継続検 討される方針が明らかにされた。 そして、この「有識者や関係者を交えた論議の場」として、平成23 年5月27日および30日に「銀行等による保険募集に関する関係者等か らのヒアリング(以下「関係者ヒアリング」)が開催された16)。この関 係者ヒアリングは、「政務が直接関係者から意見を聞いて判断していく ことが必要17)」との趣旨から、金融担当副大臣の主催で実施されたも のである。そこでは、生命保険協会、日本損害保険協会、全国銀行協 会等の関係団体の出席のもと18)、それぞれの立場から規制維持・強化 14)横山玄「(講演録)銀行等による保険募集に係る弊害防止措置等の見直しに ついて」『New Finance』第41巻第9号、平成23年、8‐9頁。 15)金融庁ホームページ「自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(平 成22年12月17日)」の記載は次のとおり。「保険の銀行窓販については、窓販 に至るまで色々な経過はございましたけれども、平成19年12月の全面解禁時 においては、モニタリング結果等を踏まえて、この契約者等の法や利便性の 観点から、弊害防止措置について、おおむね3年後に所要の見直しを行うと いうことになっております。もう22年でございますから、一体3年後どうな るのかと、そういうご質問だと思います。このため、現在、事務方にモニタ リングの結果の収集や関係者からのヒアリングを実施しておりまして、これ らの結果を踏まえて、今年もあと2週間弱でございますけれども、必要に応 じて年明け以降、有識者や関係者を交えた論議の場を設けて検討を進めてい きたいというふうに思っています」。 16)当初、関係者ヒアリングは同年3月中旬に開催される予定であったところ、 3月11日に発生した東日本大震災の影響により中止された。その後も震災対 応等のため関係者ヒアリング再開の見通しの立たない状況が続いたが、結局、 5月末に開催されることとなった。 17)横山玄、前掲(注14)、9頁。 18)参加団体は次のとおり。生命保険協会、日本損害保険協会、外国損害保険

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を求める意見、規制緩和・撤廃を求める意見等が表明された19) なお、関係者ヒアリングでは、これら関係団体に加え、いわば第三 者的な立場から数名の有識者20)も参加しており、その意見については 特筆しておく必要がある。例えば、早稲田大学商学部の江澤雅彦教授 は「保険販売にあたっての「圧力」の有無は、個々の事情でその程度 も千差万別である。客観的な線引きは極めて困難である。わずかでも 圧力販売の危険性がある以上、こうした面で「規制緩和」を進める積 極的根拠は見当たらず、現状においてその必要はない21)」との意見を 述べられている。また、日本格付研究所格付企画部長の水口啓子氏は、 「事業資金の融資先企業及び代表者に対する保険募集制限は維持する ことが妥当と考える。融資先中小企業の従業員に対する規制の緩和は、 消費者にとって利便性の向上につながるという考え方もあろうが、バ ランスを考察するため、弊害防止の観点からも、銀行による営業体制 の実態等を十分に掌握し、判断材料とすることが必要である。非公開 情報保護措置は基本的に維持することが妥当と考えるが、その実効性 を確保する前提で、保険募集毎に同意取得する等、重複した事務負荷 を軽減することが考えられるのではないか22)」との意見を述べられて いる。さらに、全国消費生活相談員協会理事長の丹野美絵子氏は、「保 険は商品が複雑であり、消費者は必ずしも商品を理解して購入してい ない。ただし、銀行窓販においては、消費者の銀行、銀行員に対する 協会、全国銀行協会、全国地方銀行協会、第二地方銀行協会、全国信用金庫 協会、全国信用組合中央協会、信託協会、生保労連、損保労連、生命保険フ ァイナンシャルアドバイザー協会、在日米国商工会議所、欧州ビジネス協会、 日本損害保険代理業協会、日本保険仲立人協会、リース事業協会。 19)関係者ヒアリングの配付資料および議事要旨は、金融庁ホームページ上に 公表されている。 20)本稿に記載した有識者の所属等は、関係者ヒアリング開催当時のもの。 21)関係者ヒアリング「配付資料9」。 22)関係者ヒアリング「議事要旨」。

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信頼度が非常に高いため、たとえ理解不足であっても、銀行に対する 信頼感=「リスクのない商品を売るところ」という誤認を抱えたまま、 契約に至っているケースがある23)」として、消費者が安心して銀行で 保険契約ができる環境を整えるべきことを強調されている。 ただ、いずれにしても、関係者ヒアリングでは、規制の維持・強化 あるいは緩和・撤廃の両方面から意見が寄せられ、両者の議論は平行 線に終わった24)。そのような状況下、金融庁がどのような方針を打ち 出すかに注目が集まっていたところ、平成23年7月6日に「銀行等に よる保険募集に係る弊害防止措置等の見直しについて」が公表された。 そして、同年7月8日には、「保険業法施行規則の一部を改正する内閣 府令(案)」等がパブリックコメント手続きに付され、同年9月6日の 結果公表を経て、公布されるに至った。 以上の経緯を踏まえ、次章では、金融庁から公表された弊害防止措 置見直しの内容について概説する。 Ⅲ.弊害防止措置見直しの内容 1.総論 平成23年7月6日に金融庁が公表した「銀行等による保険募集に係 る弊害防止措置等の見直しについて」によると、モニタリング結果の 収集25)及び関係者からのヒアリング等の結果を踏まえ、「弊害防止措置 23)関係者ヒアリング「配付資料19」。 24)五郎丸豪紀「銀行等による保険募集に係る弊害防止措置等の見直しについ て」『金融』第775号、平成23年、5頁。 25)なお、モニタリングの結果については、同日(平成23年7月6日)付で「銀 行等による保険募集に関するモニタリング結果」として、金融庁ホームペー ジ上に公表されている。また、検討に際し、調査会社に委託したインターネ ット調査も実施されており、その結果は「銀行等の保険販売に関する利用者 の意識調査」報告書として、同年9月6日付で金融庁ホームページ上に公表

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等について、その枠組みは維持しつつ」見直しを行なう、とされてい る。すなわち、規制の全面撤廃といった極論すら見られる中で、金融 庁が、弊害防止措置の「枠組みは維持」する必要があるとの現状認識 を明示的に確認したという点は、まず、特筆する必要がある。 かかる金融庁のスタンスは、同年9月6日に公表されたパブリック コメント回答においても確認されている。すなわち、「融資先募集規制 等は全面撤廃すべき」旨のコメントに対する金融庁の回答として、「銀 行等による事業性資金の融資先や融資申込中の顧客に対する保険募集 が制限されるのは、これらの者が当該銀行等の影響力を受けやすいと 考えられるためです。今回の見直しにおけるモニタリング結果では、 銀行等による優越的地位の濫用防止に向けた態勢整備が不十分である といった検査指摘が引き続き見られたことから、これらの規制の枠組 みは維持することとしています(パブリックコメント回答・保険業法 施行規則の一部を改正する内閣府令(以下「内閣府令」)・番号3)」と の考え方が示されている。 このように、総論としては、弊害防止措置の「枠組みは維持」する との基本方針が示されたわけであるが、一方、各論においては、当該 枠組みに抵触しない範囲で、諸々の見直しが行なわれている。その内 容は、規制を一部緩和する方向の見直し(以下に述べる「融資先募集 規制」、「タイミング規制」、「特例地域金融機関の小口制限」の見直し) と、規制の実効性を確保する方向の見直し(以下に述べる「預金誤認 防止措置」、「非公開情報保護措置」、「住宅ローン関連保険の募集時の 説明義務」の見直し)の二類型に大別される。以下、その具体的内容 について、順次、言及していくこととしたい。 されている。

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図表2 弊害防止措置の見直し項目 規制を一部緩和する方向の 見直し 規制の実効性を確保(一部厳格化)する 方向の見直し ・融資先募集規制 ・タイミング規制 ・特例地域金融機関の小口制限 ・預金誤認防止措置 ・非公開情報保護措置 ・住宅ローン関連保険の募集時の説明義務 2.融資先募集規制①(一時払終身保険等) 融資先募集規制とは、銀行等が、事業性資金の融資先(従業員数50 人以下の小規模事業者はその役員・従業員を含む)に対し、手数料を 得て保険募集を行なうことを禁止する規制であり(保険業法施行規則 212条3項1号、同212条の2第3項1号)、一連の弊害防止措置の中核 となる規制である。当該規制については、弊害防止措置の「枠組みは 維持」するとの基本方針に照らし、引き続き存置するものとされた。 ただし、今般の見直しにより、一時払終身保険(法人契約を除く)、 一時払養老保険(法人契約を除く)、積立傷害保険、積立火災保険等26) の募集については、融資先募集規制の対象から除外することとされた。 今般の見直しの対象となった上記商品は、概ね第三次解禁商品に分 類されるものである。すなわち、融資先募集規制の対象であった第三 次解禁商品については、「今般の見直し後、融資先募集規制が適用され 26)この「積立火災保険等」の意義は、「法第3条第5項第1号に掲げる保険(事 業活動に伴い、事業者が被る損害を填補するものを除く。)に係る保険契約(第 1号から第3号までに掲げるものを除く。)のうち、保険期間の満了後満期返 戻金を支払うことを約するもの(新設された保険業法施行規則212条の2第1 項5号の3)」とされており、端的には「満期返戻金を支払うことを約する損 害保険」ということになる。なお、当該新設規定の文理解釈上、第三次解禁 商品からは除外されていた「満期返戻金を支払うことを約する自動車保険」 もここに含まれることになるように思われる。

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なくなるもの」と「引き続き、同規制が適用されるもの」とに分かれ ることとなった。なお、一時払終身保険の法人契約や一時払養老保険 の法人契約について、依然、融資先募集規制が維持されているのは、 もともと融資先募集規制の対象外とされている第二次解禁商品の個人 年金保険が、法人契約については融資先募集規制の対象となっている こととのバランスが考慮されたものと思われる27) 図表3 融資先募集規制の対象となる商品区分(第三次解禁商品)の見直し 融資先募集規制の対象外商品 融資先募集規制の対象商品 第一次解禁 商品 第二次解禁 商品 すべて - 生命保 険分野 一時払終身保険(法人契約を除く) 一時払養老保険(法人契約を除く) 貯蓄性生存保険(法人契約を除く) 法人契約の一時払終身保険 法人契約の一時払養老保険 短満期平準払養老保険 第 三 次 解 禁 商 品 損害保 険分野 積立傷害保険 積立火災保険等 個人向け賠償責任保険等 (※) 全面解禁 商品 - すべて 下線部は今般の見直しによる変更点 ※改正後の保険業法施行規則212条の2第1項6号に規定される保険 また、一時払終身保険が融資先募集規制の対象から除外されたこと 27)なお、もともと融資先募集規制の対象外とされている第二次解禁商品の「年 金払積立傷害保険」も、法人契約の場合は融資先募集規制の対象とされてい るが、「積立傷害保険」については、今般の見直しで、法人契約も含めて融資 先募集規制の対象から除外された。

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により、「年金支払に代えて、終身の死亡保障に移行する特則又は特約 が付加された個人年金保険(保険料を一時に払い込むことを内容とす るもの)」も、融資先募集規制の対象から除外されることとなった(パ ブリックコメント回答・内閣府令・番号5)。一方、一時払終身保険や 一時払養老保険に医療保障や介護保障等が附帯されている商品が融資 先募集規制の対象となるか、については、「付される特約が主契約の内 容と関連性が高く、かつ、保険料、保険金額が妥当なもの」かどうか、 「具体的な特約ごとに個別に判断」されることになる(パブリックコ メント回答・内閣府令・番号4)28) なお、融資先募集規制の対象商品の見直しの趣旨については、「一時 払終身保険等については、貯蓄性が高く、銀行業務との親和性がみら れ、圧力募集による弊害が比較的小さいこと、銀行窓販のニーズの高 さがうかがわれることを踏まえ、融資先募集規制の対象から除外する こととしたものです」と説明されている(パブリックコメント回答・ 内閣府令・番号8、14)。近時の販売実績等に照らせば、一時払終身保 険等の銀行窓販のニーズが高い、という点は、大方の賛同の得られる ところであろう。他方、一時払終身保険等の「圧力募集による弊害が 比較的小さい」という点については、適切な現状認識といえるか、評 価の分かれ得るところであり、慎重な議論が必要かと思われる。 3.融資先募集規制②(事業関連保険) 融資先募集規制については、前述の一時払終身保険等のほか、「事業 関連保険(銀行等のグループ会社を保険契約者とするものに限る)」に ついても、規制対象から除外されることとなった。この「事業関連保 28)一律的・数値的な判断基準がないため、実務上は判断に悩むケースもあろ うかと思われるが、原則、医療保障や介護保障等が附帯されている場合には、 融資先募集規制の対象となるものとして取り扱うのが、コンプライアンス上 の観点でリスクの少ない対応かと思われる。

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険」の定義は、新設された保険業法施行規則212条の2第1項5号の4 に「法第3条第5項第1号に掲げる保険に係る保険契約(第1号から 第3号まで及び前号に掲げるものを除く。)のうち、当該銀行等の特定 関係者である事業者の事業活動に伴って生ずる損害を塡補する保険契 約(当該事業者を保険契約者とするものに限る。)」と規定されている。 その具体例としては、「銀行子会社であるリース会社が保険契約者とな る動産総合保険」等が挙げられる(パブリックコメント回答・内閣府 令・番号35)29) また、保険契約者となる事業者以外の者に被保険利益が帰属する契 約であっても、例えば、「銀行等の特定関係者であるクレジットカード 会社が契約者となるクレジットカード盗難保険」、「銀行等の特定関係 者であるリース業者が保険契約者となるリース車に係る自動車保険で、 賠償被保険者がリースユーザーとなる保険契約(自動車保険の車両以 外の賠償部分)」、「特定関係者である事業者が契約者となり、その役員 を被保険者とする会社役員賠償責任保険」等は、「事業者の事業活動に 伴って生ずる損害を填補する保険契約」に該当するとされる(パブリ ックコメント回答・内閣府令・番号36)。他方、「銀行等の特定関係者 であるクレジットカード会社が保険契約者となり、クレジットカード 会員を被保険者とするクレジットカードに付帯されている個人賠償責 任保険やクレジットカードを利用して購入した商品の損害を一定期間 補償する動産総合保険」、「銀行等の特定関係者であるクレジットカー ド会社が保険契約者となり、クレジットカード会員を被保険者とする 旅行傷害保険、団体傷害保険のうち積立傷害保険に該当しない傷害保 険」等は、「事業者の事業活動に伴って生ずる損害を填補する保険契約」 には該当しないものとされている(パブリックコメント回答・内閣府 29)また、リース事業協会は、銀行持株会社の子会社のリース会社が保険契約 者となる動産総合保険の付保の場面において顧客利便性が阻害されていると して、規制緩和を要望していた(関係者ヒアリング「配布資料4」参照)。

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令・番号36、37)。 なお、かかる見直しの趣旨については、「銀行等のグループ会社が保 険契約者となる事業関連保険については、業務上必要な保険商品であ れば、グループ内の代理店から購入することによって弊害が生じる恐 れが少ないと考えられることから、融資先募集規制の対象外とするこ ととしたものです」との説明がなされている(パブリックコメント回 答・内閣府令・番号38)。 4.タイミング規制 タイミング規制とは、融資先募集規制の対象となる保険商品につい て、融資申込者に保険募集を行なってはならないとする規制である。 このような規制が設けられている理由は、事業資金の借入先でなくと も、銀行等に対して融資の申込みを行なっている者は一般的に、融資 の決定を期待して銀行等の影響力を受けやすい状態にあると考えられ るためである30)。また、この規制は、顧客が申込みを行なっている融 資の種類を問わず、例えば住宅ローンの申し込みも対象とされていた。 当該規制についても、引き続き存置することとされた。ただし、今 般の見直しで、非事業性資金の融資申込者に対する保険募集について は、規制対象から除外することとされた。 本件見直しに関し解釈上の問題となる論点は、「事業性資金」と「非 事業性資金」の区別である。パブリックコメント回答では、非事業性 資金の融資の例として、個人に対する資金使途が事業性資金でない「フ リーローン」や「目的型ローン」(「住宅ローン」や「自動車ローン」) 等が挙げられている(パブリックコメント回答・内閣府令・番号39、 45)。 一方、賃貸不動産取得のために行なわれる、いわゆる「アパートロ 30)安居孝啓、前掲書(注3)、1053頁。

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ーン」については、「当該不動産賃貸事業が反復継続して行われている のであれば、融資の反復継続性にかかわらず、事業性融資に該当する (パブリックコメント回答・内閣府令・番号42)」との解釈が示されて いる。このように、「融資の反復継続性」を事業性の要件としない考え 方は、従来のパブリックコメント等では明示されていなかったもので あり、注意が必要である31)32)。また「(居住・事業併用住宅の融資に関 して)一部でも事業に必要な資金の貸付けが含まれていれば、本規制 (タイミング規制)の対象となります(パブリックコメント回答・内 閣府令・番号43)33)」との解釈も示されている34)。これらの回答を踏 まえると、基本的には、「非事業性」の範囲を拡大解釈することのない よう、慎重な実務対応をとる必要があると考えられる。 ただし、タイミング規制は、融資先募集規制の対象となる保険商品 を対象とした規制であることから、今般の見直しで融資先募集規制の 対象から除外された前記の保険商品(一時払終身保険等)については、 このタイミング規制の適用も受けなくなる(パブリックコメント回 31)足立格「銀行等による保険窓販規制改正のポイント」『金融法務事情』第1931 号、平成23年、29頁も、この点において、従来の金融庁パブリックコメント 回答(平成17年7月7日付)よりも厳しい回答となっていることを指摘する。 32)また、融資先募集規制に関する法令解釈事例であるが、「カードローン」に ついては、「貸し付けた金銭が明らかに貸付先の事業目的の資金である場合を 除き、原則として「事業に必要な資金の貸付け」に該当しない」とされてい る(金融庁ホームページ「銀行窓販に関する保険法令解釈事例集」(平成24年 3月28日))。 33)金融庁ホームページ「銀行窓販に関する保険法令解釈事例集」(平成24年3 月28日)にも同旨の見解が示されている。 34)このほか、自動車損害賠償保障法における締約強制規定(24条)を根拠に、 自賠責保険についてはタイミング規制に抵触する場合でも保険申込みを受け 付けざるを得ないのではないか、とのコメントに対し、金融庁は「自動車損 害賠償保障法は保険会社に義務を負わせたものであり、募集人である銀行等 について保険契約の締結の代理又は媒介を行う義務を定めたものではない」 と回答している(パブリックコメント回答・内閣府令・番号48)。

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答・内閣府令・番号16)。 なお、本件、タイミング規制の見直しの趣旨については、「住宅ロー ン等は事業性資金に比べて銀行の顧客に対する影響力は小さいと考え られるほか、住宅ローン等の申込時は、家計全体の見直しの機会であ り、保険商品の説明を合わせて受けることができれば、顧客利便の向 上に資すると考えられることから、非事業性資金の融資申込者を本規 制の対象から除外することとしたものです」と説明されている(パブ リックコメント回答・内閣府令・番号47)。ただし、本件見直し後も、 銀行等が非事業性資金の融資の申込みを行なっている者に対して信用 供与の条件とした保険募集や優越的な地位を不当に利用した保険募集 (保険業法施行規則234条1項7号)を行なうことは許されず、この点 については、引き続き、監督・検査等を通じた適切な運用が図られる こととされている(パブリックコメント回答・内閣府令・番号46)。 5.特例地域金融機関の小口制限 地域金融機関については、①融資先募集規制の対象となる保険商品 の募集に関し、担当者分離規制について代替措置をとること、および 従業員数20人超50人以下の融資先の従業員等に対する保険募集を行な うことを可能とする一方、②融資先の従業員等(従業員数50人超の融 資先の従業員等を含む)を保険契約者とする保険契約に係る保険金額 を一定額以下とする、との特例が設けられている(以下、②の金額制 限を「小口制限」といい、①と②をあわせて「地域金融機関の特例」 という)。なお、この「担当者分離規制」とは、事業に必要な資金の貸 付けに関して顧客と応接する業務を行なう者が、融資先募集規制の対 象となる保険商品の募集を行なってはならないとする規制をいう。 かかる地域金融機関の特例は、地域密着型の金融を指向する中小金 融機関については、大手銀行に比べ規模の小さな企業やその従業員等

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を主な顧客としていること等に鑑みて設けられているものである35) この特例も、引き続き存置することとされたが、ただし、地域金融 機関が担当者分離規制の適用を受ける場合については、小口制限の対 象となる保険募集を、従業員数50人以下の融資先の従業員等を保険契 約者とするものに限ることとされた。すなわち、地域金融機関の選択 し得る特例について、「担当者分離規制非適用・小口制限全部適用」と いう従来の特例に加え、「担当者分離規制適用・小口制限一部適用」と いう新たな特例が追加されたことになる36) 図表4 地域金融機関の特例 従来の特例(存置) 新設された特例 担当者分離規制 規制非適用(代替措置可) 規制適用(代替措置不可) 20人以下 従業員等への(手数料等を 得た)募集不可 同左 20人超 50人以下 小口制限を条件に従業員 等への募集可 同左 融 資 先 の 従業員数 50人超 同上 小口制限なしで従業員等 への募集可 下線部は従来の特例との相違点 この見直しにより、地域金融機関の特例の選択肢が増えることにな るが、ただし、担当者分離措置およびその代替措置の選択について、 顧客ごとや金融機関の支店ごとに使い分けること等は許されないもの 35)安居孝啓、前掲書(注3)、1047頁。 36)なお、担当者分離が可能となる比較的大規模な地域金融機関で、この新た な特例の選択をすることが想定されている(五郎丸豪紀、前掲論文(注24)、 8頁)。

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と解されている(パブリックコメント回答・内閣府令・番号20)37) すなわち、地域金融機関の特例を選択している銀行等において「事業 性融資先を担当しない担当者については、従業員数50名超の融資先従 業員を契約者とする保険契約において、小口規制の適用を受けない一 方、事業性融資先を担当する担当者については、小口規制の適用を受 けるという理解」は、誤りである(パブリックコメント回答・内閣府 令・番号26)。 なお、小口制限や担当者分離規制は、融資先募集規制の対象となる 保険商品を対象とした規制であることから、今般の見直しで融資先募 集規制の対象から除外された前記の保険商品(一時払終身保険等)に ついては、これらの規制の適用も受けなくなる。したがって、一時払 終身保険等の保険金額については、今般の見直し後については、小口 制限の合算対象として管理する必要はない(パブリックコメント回 答・内閣府令・番号7、23、24)。また、(特例地域金融機関であると 否とにかかわらず)一時払終身保険等の保険募集においては、今後、 担当者分離規制は適用されないことになる(パブリックコメント回 答・内閣府令・番号16。前述「タイミング規制」と同様)。 以上が、特例地域金融機関の小口制限に関する主要な見直しである が、これとは別に、保険業法施行規則212条4項、同212条の2第4項 の規定の整備にも言及しておく必要がある。従来、小口制限について の規定は、「(所定の小口制限の)金額までを限り、保険募集を行う」 こととされていたが、小口制限を超える保険募集自体が禁止されてい ることから、銀行等が一度、小口制限の上限額まで保険募集を行なっ た既契約者に対して、同種の新商品への乗り換えを案内すること(い わゆる「乗換募集」)ができなくなる、という問題が、一部の論者から 37)また、小口制限の対象範囲については保険募集指針に記載する必要があり (パブリックコメント回答・内閣府令・番号21)、このことからも間接的に、 特例の「使い分け」はできないようになっていると考えられる。

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指摘されていた38)。そこで、小口制限について、保険募集自体を禁ず る規制ではなく、銀行等が募集した「保険契約によって支払われるべ き保険金その他の給付金の額」によって小口制限を超えるか否かを判 断する旨の規定に改められた。すなわち、「成立済の保険契約と募集中 の保険契約の保険金額等の合計額」ではなく、「有効に成立している保 険契約の保険金等の金額の合計額」によって、小口制限が判定される 旨が明確にされた(パブリックコメント回答・内閣府令・番号29)。 この改正については、いわゆる乗換募集時等において一時的な小口 制限超過が生じる場合の対応が、実務的に問題となり得る。この点に 関して、パブリックコメント回答では、「適切な転換や乗換え等が行わ れることを前提に、新契約成立後速やかに旧契約を解約し、適正な保 険金額とすることが必要」との考え方が示されている(パブリックコ メント回答・内閣府令・番号31)。また、「銀行等として、かかる保障 の重複をあえて生じさせようとしたものではなく、保険契約者等にと って保障が途切れないようにするために保障の重複期間が生じたケー スであれば、小口規制に違反しないと解すべき」とする見解も見られ る39)。一方、小口制限額の超過に際し、「保険会社の直扱いへの切り替 え」や「他代理店扱いへの切り替え」等の手段を用いることは認めら れず、また、「顧客から継続的な取り扱いを要望された場合、所定の金 額を超える部分の代理店手数料を得ずに」当該銀行等(特例地域金融 機関)において継続的に取り扱う、といった措置も認めらないと解さ れる(パブリックコメント回答・内閣府令・番号31)。なお、小口制限 に抵触して成立した保険契約であっても、私法上の効果として当然に 無効となる(民事上のルールとして保険契約者が当然に解約を強制さ れる)わけではないことから、解約をめぐるトラブルを惹起すること 38)中原健夫、前掲論文(注10)、66頁。 39)中原健夫「保険窓販規制の改正案と金融実務」『金融法務事情』第1927号、 平成23年、24頁。

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のないよう、乗換募集時等における丁寧な事前説明が必要と考えられ る。 6.預金誤認防止措置 さて、以上に述べてきた項目(「融資先募集規制」、「タイミング規制」、 「特例地域金融機関の小口制限」)が、規制を一部緩和する方向の見直 しであったのに対し、以下に述べる項目(「預金誤認防止措置」、「非公 開情報保護措置」、「住宅ローン関連保険の募集時の説明義務」)は、規 制の実効性を確保(一部厳格化)する方向の見直しである。 まず、預金誤認防止措置の見直しについて言及する。この規制は、 銀行等が保険契約等の商品を取り扱う場合において、顧客に対し、書 面の交付その他の適切な方法により、預金等との誤認を防止するため の説明を行なう措置であり、銀行法施行規則13条の5を根拠規定とす る。この「預金等との誤認を防止するための説明」とは、すなわち、 銀行等が取り扱う保険商品が「預金等ではないこと」、「預金保険の対 象にならないこと」、「元本の返済が保証されていないこと」等につい て、顧客に対し説明をするという趣旨である。 今般の見直しは、この銀行法施行規則の規定を変更するものではな いが、当該規定を受けた「主要行等向けの総合的な監督指針(以下「主 要行監督指針」)」および「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指 針(以下「中小監督指針」)」の規定を変更するものである。 具体的には、これらの監督指針において、「誤認防止に係る説明を 理解した旨を顧客から書面(確認書等)により確認し、その記録を残 すことにより、事後に確認状況を検証できる態勢」を整備すべきこと が求められている。すなわち、銀行等は、顧客に対して、保険商品と 預金等が異なることを書面等で説明するだけではなく、顧客から説明 を理解した旨を書面(確認書等)により確認するという、新しい事務 が義務付けられることになる。

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この確認書等による確認は、保険募集の過程で契約申込みに至るま での適切な時点で対応することが必要である(パブリックコメント回 答・主要行監督指針・番号2)。また、確認書等は、必ずしも単独の文 書で取得する必要はなく、他の同意書面等(既存の実務で使用されて いる事前同意書等)に盛り込むことも可能であるが、いずれにしても、 「顧客に正しく理解されている」ということが前提となる(パブリッ クコメント回答・主要行監督指針・番号3、7、中小監督指針・番号 1、2)。 なお、規制の実効性確保の観点から、「確認書等」には、原則として 顧客の自署を取得すべきと考えられる。ただし、インターネットや電 話等の募集の場合には、書面に代えて、電磁的な記録方法や通話内容 の録音等による記録方法も許容される、というのが金融庁の考え方で ある(パブリックコメント回答・主要行監督指針・番号5、6、中小 監督指針・番号3)。 また、顧客から書面(確認書等)により確認した旨の記録について は、当該書面(確認書等)自体を記録として残す方法のほか、確認書 等とは別に事後に確認状況を検証できるような記録方法もあり得るが、 後者の方法の場合、例えば、確認書等の画像データを保存するなど事 務ミス等が介在する余地のない確実な方法にする必要がある(パブリ ックコメント回答・主要行監督指針・番号4)。 かかる見直しの趣旨については、パブリックコメント回答では特に 言及されていないが、金融庁が取りまとめたモニタリングの結果では、 「弊害防止措置等に係る苦情・相談の内容では、預金との誤認に係る ものが多くを占める40)」との分析が行なわれており、こういった事情 を踏まえ、預金誤認防止措置の規制が強化されたものと考えられ 40)平成23年7月6日付金融庁ホームページ「銀行等による保険募集に関する モニタリング結果」8頁。

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る41)42) 7.非公開情報保護措置 非公開情報保護措置とは、銀行等が①顧客の預金情報等を保険募集 業務に利用する場合、または②顧客の非公開保険情報を銀行業務等に 利用する場合、書面その他の適切な方法による顧客の事前同意を必要 とする旨の保険業法施行規則に基づく規制である(212条2項1号、212 条の2第2項1号)。今般の見直しは、保険業法施行規則の規定を変更 するものではなく、当該規定を受けた「保険会社向けの総合的な監督 指針(以下「保険会社監督指針」)の規定を変更するものである。具体 的には、保険会社監督指針において、非公開情報利用の同意を取得す る際には、当該「同意の有効期間」および「同意撤回の方法」、「情報 を利用する業務(保険募集)の方式(対面、郵便等の別)」、「利用する 情報の範囲」を顧客に具体的に明示することが求められることとなっ た。 従来のパブリックコメントでは、「非公開情報保護措置については、 顧客から書面又は電磁的方法による同意を得た場合に、通常当該同意 が及ぶと考えられる範囲内での保険募集に非公開情報を利用する場合 であれば、何度も顧客の同意を得る必要はありません」との見解が示 されていたが43)、この「通常同意が及ぶと考えられる範囲」が必ずし 41)五郎丸豪紀、前掲論文(注24)、8-9頁参照。 42)足立格、前掲論文(注31)、30頁は、「預金と誤認していたことを理由とす る顧客と銀行等との紛争(金融ADR等)が頻発していることを踏まえた措 置と解される」と説く。また、生命保険相談所の裁定審査会が取り扱った審 理事案のうち、「銀行等代理店販売における契約無効確認請求」の件数は、平 成20年度の5件(占率6.1%)から、近年、平成21年度の31件(占率25.4%)、 平成22年度の40件(占率23.3%)と、顕著な増加傾向にある(生命保険協会 生 命保険相談所「相談所リポート №87〈平成22年度(年度版)〉」17頁)。 43)平成17年7月7日付金融庁パブリックコメント回答・12頁・番号53。

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も明確ではなかったことから、実際上は、利用の都度、毎回同意を取 得する実務が一般的であった。今般の見直しにより、「同意の有効期間」 を明示して同意を取得することになり、この点の不明確さは解消され ることになった。 また、同意の有効期間については、具体的な期日や期限を設けずに、 顧客が撤回の意思表示をするまでの間を有効と定めることも可能、と されている(パブリックコメント回答・保険会社監督指針・番号3) が、同意の取得にあたっては、顧客に正しく理解されていることが前 提である。 「同意撤回の方法」については、書面によるほか、口頭や電話等で も可能であり、いずれにしても、顧客が利用し易いものにする必要が ある(パブリックコメント回答・保険会社監督指針・番号4)。また、 郵便物により撤回の意思表示をする場合の郵送先の表示方法について は特段の制限はないが、顧客が必要な情報を容易に得られる態勢を整 備する必要がある(パブリックコメント回答・保険会社監督指針・番 号6)。 「情報を利用する業務(保険募集)の方式(対面、郵便等の別)」に ついては、顧客に対して現在行なっている全ての勧誘手段を一律に列 挙する形でもよいが、今後どのような勧誘を受けるのかについて、顧 客が具体的にイメージできる分かり易いものとする必要がある(パブ リックコメント回答・保険会社監督指針・番号8)。他方、顧客が同意 する際に想定し得ない保険募集方式をも含む前提で包括的な記載をす ることは適切でない(パブリックコメント回答・保険会社監督指針・ 番号9)。 「利用する情報の範囲」の明示については、顧客に分かり易く表示 をするため、ある程度包括的な記載をすることは可能であるが、顧客 の理解に資するため必要に応じて詳細な説明を行なう態勢を整備する 必要がある(パブリックコメント回答・保険会社監督指針・番号10)。

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具体的には、複数の典型例を書面に記載した上で、チェックボックス を設けて顧客が典型例ごとに同意の可否を能動的に選択できるように する方法等が考えられる(パブリックコメント回答・保険会社監督指 針・番号12)。また、その典型例としては、「定期預金が満期になった ときには保険を募集させていただくことがございます」とか、「退職金 が入ったときには保険についてご提案をさせていただくことがござい ます」といった、顧客に対して預金等の情報を利用する具体的シチュ エーションがわかるような記載が考えられる44)45) なお、今般の見直しの適用日以前に、従来の方法により取得した同 意は、募集中の契約に限り適用日以降も有効であり、同意の有効期間 を設定する等新たに追加された措置を当該同意に反映させる必要が生 じた場合には、その旨を説明の上、改めて同意を取得する必要がある (パブリックコメント回答・保険会社監督指針・番号13)。すなわち、 過去に同意を取得した顧客に対して、本改正の適用日以降に同意の有 効期間に係る取り扱いを変更する場合は、改めて同意を取得する必要 がある(パブリックコメント回答・保険会社監督指針・番号16)。 以上に述べた、非公開情報保護措置の実効性確保のための見直しの 趣旨については、パブリックコメント回答では特に明示されていない が、金融庁が調査会社に委託したインターネット調査によれば、非公 開情報保護措置関係について「銀行等から保険の勧誘等を受けた経験 のある者の大半が、同意を求められたという認識を持っていない」と の調査結果が示されている46)。すなわち、同意手続きの形骸化が懸念 44)横山玄、前掲(注14)、16頁。 45)また、非公開保険情報の範囲の明示例としては、「当行(当庫)でお申込い ただいた保険商品のご契約内容や、保険商品のご提案からお申込の間にご提 供いただいた家族構成等に関する情報」といったものが考えられる(パブリ ックコメント回答・保険会社監督指針・番号11)。 46)平成23年7月6日付金融庁ホームページ「銀行等による保険募集に関する モニタリング結果」10頁。

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されていたことから、この同意を取得する際の手続きを実質のあるも のにするため、顧客が同意による効果をよりイメージし易くするため に必要な事項を提示するとともに、同意の有効期間や撤回の方法を示 すこととされたのである47) 8.住宅ローン関連保険の募集時の説明義務 保険業法施行規則234条1項8号は、「特定保険募集人若しくは保険 仲立人である銀行等又はその役員若しくは使用人が、あらかじめ、顧 客に対し、当該保険契約の締結の代理又は媒介に係る取引が当該銀行 等の当該顧客に関する業務に影響を与えない旨の説明を書面の交付に より行わずに保険募集をする行為」を禁止行為としている。今般の見 直しでは、保険会社監督指針が改正され、住宅ローン関連保険の募集 に際しては、上記の説明義務に加え、当該保険への加入がローンの条 件ではない旨を、顧客に対し書面によって説明することが求められる こととなった。 この住宅ローン関連保険とは、住宅関連火災保険、住宅関連債務返 済支援保険、住宅関連信用生命保険であり、保険業法施行規則212条の 2第1項1号(ただし、満期の長短は問わない)、同2号、同212条1 項1号に規定される保険を意味する(パブリックコメント回答・保険 会社監督指針・番号29)。団体債務返済支援保険や団体信用生命保険は、 ここには含まれない(パブリックコメント回答・保険会社監督指針・ 番号36)。 また、住宅ローン関連保険に関する上記説明書面は、他の書面と同 一の書面(事前同意書等)でも許容されるが、顧客に正しく理解され 47)五郎丸豪紀、前掲論文(注24)9頁。また、中原健夫、前掲論文(注39)、 24頁は、「かかる改正は、モニタリング等を通じて、非公開情報保護措置の同 意取得の際の説明が明確ではないのではないかとの指摘を踏まえ、顧客の同 意対象をわかりやすくするために行われるものである」と説く。

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ている必要がある(パブリックコメント回答・保険会社監督指針・番 号32、33)。 もっとも、本件見直しは、銀行等が住宅ローン関連保険の募集を行 なう場合に、銀行等を通じての当該保険契約の締結を住宅ローンの貸 付けの条件としてはならないことを意味するものであり、例えば、住 宅ローンの保全のために住宅関連火災保険の加入を条件とすることそ れ自体を禁止するものではない48)。すなわち、「ローンの条件として何 らかの保険に入ってください」というのは禁止されないが、「ローンを 貸そうとしている銀行そのものが勧める保険に入らないとローンは出 せません」というのは禁止されるということであり、「保険には、どこ かには入っていただきたいが、自分が勧める保険に入らないといけな いわけではない」ということを説明することが求められる49) なお、かかる見直しの趣旨については、「現行制度においても、銀行 等による保険募集が他の銀行取引等に影響がない旨の説明義務が存在 しますが、モニタリング結果によれば、「保険加入が融資の条件だと言 われた」といった苦情が相当程度見られています。本規制の実効性を 確保するため、住宅ローン関連保険の募集について、当該保険に加入 することがローンの条件ではない旨の説明を義務付けることにしたも のです」と説明されている(パブリックコメント回答・保険会社監督 指針・番号27)。 Ⅳ.おわりに 以上、今般の弊害防止措置の見直しについて、概説を試みたもので あるが、最後に、前章で言及できなかった二つの論点について補足す 48)中原健夫、前掲論文(注39)、25頁。また、パブリックコメント回答・保険 会社監督指針・番号34参照。 49)横山玄、前掲(注14)、17頁。

(28)

る。 第一の論点は、将来の見直しの時期、についてである。既述のとお り、平成19年の全面解禁時には、弊害防止措置について「概ね3年後 に、所要の見直しを行う」ことが予定されていたが、今般の見直しに おいては、将来の見直しの時期は定められなかった。パブリックコメ ントでは、「次回の見直し時期を明示してほしい」等の意見もある中、 金融庁は「銀行等による保険募集の状況については、引き続き実態把 握に努めていくこととします。将来の見直しについては、実態把握に 基づいて、必要が生じた場合に行うこととしています」と回答してい る(パブリックコメント回答・内閣府令・番号1)。いずれにしても、 平成13年の第一次解禁から、平成17年の第三次解禁、平成19年の全面 解禁、そして今般の見直しを経て、弊害防止措置の制度論議に一つの 大きな区切りがついた、ということは確かであろう。 第二の論点は、従業員数50人以下の小規模事業者の従業員に対する 融資先募集規制のあり方、についてである。小規模事業者の従業員に 対する融資先募集規制については、今般の見直しに先立ち実施された 関係者ヒアリングにおいても、一部の関係団体から撤廃を求める意見 が出される等、今般の見直しの検討に際しての注目論点の一つになっ ていたが、結局、見直しは行なわれなかった。この点に関する金融庁 の考え方は、次のとおり説明されている。「モニタリング結果をみると、 融資先の従業員に対して圧力募集が行われたという具体的な事例は少 ない一方、優越的地位の濫用防止の体制等に関する検査指摘が引き続 き見られるなど、弊害の防止に向けた銀行等の態勢整備が万全である とは言い難い状況にあります。このようなモニタリング結果に加え、 融資先中小企業の従業員に対する募集規制を撤廃した場合の影響に対 する懸念の大きさを考慮し、当該規制については、維持することが妥 当と判断しました」(パブリックコメント回答・内閣府令・番号18)。 この金融庁回答において特に重要な点は、「融資先中小企業の従業員

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に対する募集規制を撤廃した場合の影響に対する懸念の大きさ」とい う考慮要素であろうと思われる。また、統計的に見ても、我が国にお ける小規模企業の企業数は、全企業数に占める構成比で約87%もある ことから50)、当該募集規制を撤廃した場合の影響は相当程度あると想 定される。なお、この点については、金融担当副大臣記者会見におい て、さらに踏み込んだ状況認識が示されていることから、以下にその 答弁を抜粋しておきたい。 「関係者の方々にも、すべて申し上げてきたのですけれども、皆さ んご案内のとおり、やはり日本と欧米諸国を比べた場合、基本的に金 融機関に依存する中小・零細企業、これは資金調達の分野において、 依存する度合いというのは極めて高い。そういう意味において、日本 の間接金融の割合というのは相当なものがまだまだあるのです。諸外 国を見れば、金融機関に融資先を求めるという場合も、もちろんあり ますけれども、基本的には、その他の資金調達が出来るための部分が たくさんある。そういう意味からいたしますと、その金融機関が持っ ている優越的立場というのは、圧倒的な存在である。そういう角度か らして、第1番目の融資先企業に対しての募集というのは、50人以下の 中小・零細企業でありますが、これに対しての基本的な枠組みという のは、やはり維持させていくことが肝要なのだろうと思っています。 (中略)先ほど申し上げさせていただいたとおり、私も江東区に住ん でいて、中小・零細企業は多いです。そういう流れの中で、もし中小 (企業)のトップの方に、「融資をしているのだから、それと引き換え に」、こういう直接的な言葉でなかったにしても、それを匂わすものを したときに、果たしてそれに応えられるのか、つまり、拒否すること 50)2011年版中小企業白書 付属統計資料2表(1)参照。なお、ここでの小 規模企業は「常用雇用者20人以下(卸売業、小売業、飲食店、サービス業は 5人以下)の企業」とされていることから、50人以下の企業の構成比は、こ れよりもさらに大きくなる。

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ができるのかといったときに、これは拒否できるという人も増えつつ あると思いますが、他方において、まだ拒否できないという方々もた くさんいるという実感を得ています51) 以上の二つの論点について補足し、本稿の結びとさせていただく。 なお、今般の見直し後の弊害防止措置が実務に定着していく過程に おいて、パブリックコメント回答等では明らかにされていない解釈上 の問題が判明する可能性もあろうかと思われる。この点に関しては、 実務家諸賢による検討を通じ、適切な解決が図られていくことを期待 する次第である。また、本稿の記述には正確を期したつもりであるが、 思わぬ見落とし等があることを懸念している。大方のご批判をいただ ければ幸いである。 51)金融庁ホームページ「東副大臣記者会見の概要(平成23年7月6日)」。

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