国際戦略情報部
調査本部
タイ投資環境
【目次】
Ⅰ.基礎情報
【Ⅰ−1 】アジア主要国経済指標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.3 【Ⅰ−2 】基礎データ・ 概況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.4 【Ⅰ−3 】経済構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.5 【Ⅰ−4 】経済・産業の特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.8 【Ⅰ−5 】経済情勢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.9 【Ⅰ−6 】政治情勢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.16 【Ⅰ−7 】経済発展上の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.17 【Ⅰ−8 】経済発展上の強み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.18 【Ⅰ−9 】成長政策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.19 【Ⅰ−10】リスク ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.20 【Ⅰ−11】直接投資動向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.21 【Ⅰ−12】投資先としてのポテンシャル総括 ・・・・・・・・・P.24Ⅱ.投資関連情報
【Ⅱ−1 】労働関連情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.26 【Ⅱ−2 】主要工業団地・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.28 【Ⅱ−3 】会計・税務関連情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.29Ⅲ.拠点設立
【Ⅲ−1 】進出形態・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.31 【Ⅲ−2 】拠点設立フロー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.32 【Ⅲ−3 】現地費用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.33 【Ⅲ−4 】口座開設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.34Ⅳ.各種規制・恩典・参考情報
【Ⅳ−1 】外資規制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.36 【Ⅳ−2 】投資奨励制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.40 【Ⅳ−3 】会社法関連・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.41 【Ⅳ−4 】為替管理制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.42 【Ⅳ−5 】貿易制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.44 【Ⅳ−6 】通貨規制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.45 【Ⅳ−7 】不動産関連規制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.46 【Ⅳ−8】近時トピックス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.47Ⅴ.その他
【Ⅴ−1 】みずほ銀行 タイ拠点のご案内・・・・・・・・・・・・・・P.51 【Ⅴ−2 】タイ現地関連会社のご案内 ・・・・・・・・・・・・・・・・P.53 【Ⅴ−3 】業務協定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.55Ⅰ. 基礎情報
Ⅱ. 投資関連情報
Ⅲ. 拠点設立
Ⅳ.各種規制・恩典・参考情報
Ⅴ.その他
【Ⅰ−1】アジア主要国経済指標
(注)1. 数値は2017年ベース、2018年GDP成長率見込および斜体箇所はIMF推定値 2. S&P格付定義 A :当該金融債務を履行する債務者の能力は高いが、上位2つの格付けに比べ、事業環境や経済状況の悪化の影響をやや受けやすい BBB:当該金融債務履行のための財務内容は適切であるが、事業環境や経済状況の悪化によって当該債務を履行する能力が低下する可能性 がより高い BB :他の「投機的」格付けに比べて当該債務が不履行になる蓋然性は低いが、債務者は高い不確実性や、事業環境、金融情勢、または経済 状況の悪化に対する脆弱性を有しており、状況によっては当該金融債務を履行する能力が不十分となる可能性がある 3. S&P信用格付については2018年7月30日時点【Ⅰ−2】基礎データ・概況
タイ基礎データ
【人口】 6,910万人(日本の約半分、2017年IMF) 【面積】 約51.4万K㎡(日本の約1.4倍) 【首都】 バンコク 人口:約864万人(2015年) 【言語】 タイ語 【民族】 タイ族 (その他、華僑、マレー族 等) 【宗教】 仏教94%、イスラム教5%、その他1% 【通貨】 バーツ 【政治】 立憲君主制 国家元首:ワチラロンコン国王(ラーマ10世) 議会:二院制 【GDP】 名目:4,554億ドル、1人あたり:6,591米ドル(2017年IMF) 【実質GDP成長率】 3.9% (2017年IMF) 【主要産業】 農業(米、タピオカ、ゴム)、製造業(自動車・IC・電気製品・ 食品・繊維・衣料等)タイ概況
タイ王国はインドシナ半島中央部に位置する東南アジア屈指の工業国 1980年以降に日本をはじめとする外資を導入して、工業化に成功 1997年の同国を発端としたアジア通貨危機は周辺国を含む社会に深刻な影響を与 えたが、国際社会の支援を受けてタイ経済は回復 2013年11月の反政府デモ、2014年5月の軍事クーデタ−の影響を受け、2014年こそ 低成長に留まったものの、2015 年以降GDP成長率は緩やかながらも回復 政治は、現在軍事政権下にあるが、2019年には民政復帰に向けた総選挙が予定さ れている (出所)IMF資料等より みずほ総合研究所作成 カンボジア ミャンマー ラオス ベトナム バンコク チェンマイ【Ⅰ−3】経済構造(産業・貿易)①∼産業構造
産業別GDP構成比(2000年と直近の比較)
1980年代に日系企業の進出ラッシュにより輸出指向型工業化が飛躍的に進展。足元では、進出地マーケット
指向型やクロスボーダーサプライチェーン型へ変化している
2017年の製造業のシェアは27%を占める中、経済が成熟化しつつあることからサービス業(56%)は過半を占
める
(出所)ADB Key Indicatorsより みずほ総合研究所作成
2000年
2017年
農業 9% 鉱業 2% 製造業 28% 電気・ガス等 2% 上下水道 1% 建設 3% 卸・小売 17% 運輸・倉庫 7% 情報・通信 2% 宿泊・飲食 4% 金融・保険 4% 不動産 4% その他サービス 等 17%サービス業:55%
工業:37%
農業:9%
農業 9% 鉱業 3% 製造業 27% 電気・ガス・上下 水道 3% 建設 2% 卸・小売 16% 運輸・倉庫・情 報・通信 7% 宿泊・飲食 5% 金融・保険 8% 不動産 6% その他サービス 等 14%農業:9%
工業:35%
サービス業:56%
【Ⅰ−3】経済構造(産業・貿易)②∼輸出構造
財別輸出内訳(2017年)
2017年の輸出総額は、2,353億米ドル。ASEAN最大の自動車生産国として、自動車の構成比は2017年には
15%に達し、最大の輸出品目となっている。それに次いで、機械類や食品の輸出に強みを持っている
近年ではASEAN向けが9カ国の合計で輸出全体の約25%、中国、米国、EU、日本向けがそれぞれ約1割を占
める構成
(出所)タイ商務省、タイ中央銀行より みずほ総合研究所作成国別輸出内訳(2017年)
中国 13% 米国 11% 日本 9% 香港 5% ベトナム 5% オーストラリア 4% マレーシア 4% インドネシア 4% シンガポール 4% その他 41% 自動車 15% 機械 9% 食品 7% コンピュータ 6% ガソリン製品 5% 金属 4% IC・同部品 4% 石油製品 3% 化学 3% その他 44%【Ⅰ−3】経済構造(産業・貿易)③∼輸入構造
日系企業を中心とした外資企業の活動を反映して、機械設備等の資本財や原材料の輸入が多い
最大の輸入相手国は中国で、年々シェアが伸長し、2017年の輸入構成比は20%。次いで日本の構成比率は
14%に達している。また、ASEAN向けは9カ国合計で18.6%と中国に匹敵するシェア
(出所)タイ商務省、タイ中央銀行より みずほ総合研究所作成財別輸入内訳(2017年)
国別輸入内訳(2017年)
機械類 20% 燃料 13% 電子部品 13% 卑金属 8% 化学 6% 農産物 4% プラスチック 4% 車両 3% 飲食料品、日用品 2% その他 27% 中国 20% 日本 14% 米国 7% マレーシア 5% 台湾 4% 韓国 4% シンガポール 4% UAE 3% インドネシア 3% その他 36%【Ⅰ−4】経済・産業の特徴
主要産業の特徴と動向
製造業では自動車産業、電気・電子産業が高いプレゼンス
近時は高度産業の育成に向けタイランド4.0(※)を掲げ、積極的に投資誘致を行っている
農林水産業、サービス業も重要な外貨獲得手段
(※)これまで経済構造の重点が農業(第1段階)、軽工業(第2段階)、重工業(第3段階)へと移り変わってきたが、今後はイノベーションや生 産性向上などにより、持続的に高付加価値な財・サービスを創造する第4の発展段階を目指すもの (出所)各種資料より みずほ総合研究所作成 アジアにおける自動車生産の中 核拠点として機能(「アジアのデト ロイト」)。日系メーカーの独壇場 (自動車生産の9割) 家電・HDD・集積回路・半導体が 主な輸出品目。ASEANの中でも 家電分野で部品産業が発達して おり優位性がある製造業
特徴
近時動向
自動車生産台数が復調傾向にあ り、2018年は208万台の生産予想。 ASEANの重要生産拠点としての 地位は揺るがず HDDの生産及び輸出が伸び悩ん でいるが、代わって足許では集積 回路やエアコン・部品の輸出が大 きく増加している農林水産業
サービス業
サービス業は、一部を除き外資規 制対象のため、外資マジョリティで の参入は禁止されているが、小売 業の場合、最低資本金1億バーツ 以上、且つ1店舗当たりの最低資 本金額2千万バーツ以上で外資 100%で参入が可能(小売・卸両 方の場合は2億バーツ必要) 2014年は、コメの輸出量世界第1 位になったものの、2015年以降は ともにインドに次ぐ2位 ICTを用いた農業の高度化をタイ 政府は後押ししており、「スマート 農業」を推進 2017年の総観光収入は前年比 12%増の1兆8,240億バーツ。国 別でみると中国が15.8%を占める 2017年のホテル・レストラン業 (GDPベース)の伸び率は8.5%に 達し、サービス産業の成長を牽引 近年でも名目GDPの1割弱、就業 人口の約3割を占めており、依然 として重要な産業の一つ 主要輸出の農作物は、コメ、 キャッサバ、サトウキビ、天然ゴム-10% -5% 0% 5% 10% 15% 0 100 200 300 400 500 600 700 1989 1994 1999 2004 2009 2014 2019 タイ名目GDP (10億USD)(左目盛) (予測値)(左目盛) タイ実質GDP成長率 (%)(右目盛)
【Ⅰ−5】経済情勢①∼中長期の成長推移
名目GDP及び実質GDP成長率推移
積極的に外資を導入し、製造業を中心とした輸出指向型の工業化を進め1980年代に急速に発展
1997年のアジア通貨危機で一時混乱するも、それ以降、2000年代半ばまでは年平均約5%の成長率に回復
その後、リーマンショック(2009年) 、大洪水(2011年)、軍事クーデター(2014年)の影響で、成長率は乱高下
を繰り返すも、ここ数年は緩やかな上昇トレンド
(出所)IMFより みずほ総合研究所作成 アジア 通貨危機 リーマン ショック ITバブル崩壊、 米テロ【Ⅰ−5】経済情勢②∼足元の成長率
実質GDP成長率(年)
実質GDP成長率の年間の推移をみると、2013∼14年に減速した個人消費が持ち直していることが成長を牽引
四半期の推移をみると、直近の2018年4∼6月期においては、前期比年率+4.1%と1∼3月期(同+8.5%)か
ら減速したものの、依然として高い伸びを維持しており、足元の景気は堅調と評価できる。内訳をみると、投資
が伸び悩んだ一方で、個人消費と純輸出が回復
(出所)タイ国家経済社会開発委員会より みずほ総合研究所作成実質GDP成長率(四半期)
▲ 6 ▲ 4 ▲ 2 0 2 4 6 8 10 12 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 個人消費 政府消費 総固定資本形成 在庫投資 純輸出 GDP (年) (前年比、%) ▲ 15 ▲ 10 ▲ 5 0 5 10 15 20 2016 2017 2018 個人消費 政府消費 総固定資本形成 在庫投資 純輸出 GDP (年) (前期比年率、%)【Ⅰ−5】経済情勢③∼足元の消費
民間消費指数
個人消費は、ファーストカースキーム
(※)導入後に生じた買い控えが緩和し、
自動車支出を中心に持ち直し
(※)車を初めて買う人に10万バーツ(約32万円)を上限として税負担を軽減する購入奨励策(2011年9月半ばから2012年12月に かけて実施)。税還付の恩典を受けた人は5年間、購入車を売れない決まりとなっていた 所得(実質雇用者所得)が回復傾向にあることも、足元の個人消費の回復を下支えしている模様
(出所)タイ中央銀行より みずほ総合研究所作成実質雇用者所得
(注)実質雇用者所得=雇用者数×名目賃金÷CPI総合で計算 (出所)タイ国家統計局、タイ中央銀行より みずほ総合研究所作成 ▲ 5 ▲ 4 ▲ 3 ▲ 2 ▲ 1 0 1 2 3 4 5 2017 2018 物価要因 雇用者数要因 名目賃金要因 実質雇用者所得 (年) (前年比、%) 110 115 120 125 130 2015 2016 2017 2018 民間消費指数 3カ月後方移動平均 (2010年=100) (年)【Ⅰ−5】経済情勢④∼足元の投資
稼働率指数と民間投資指数
自動車販売の回復を受けて、自動車関連を中心に設備稼働率は持ち直しており、徐々に民間投資が上向きつ
つある状況
公共投資についても、軍政発足に伴い政情が安定したことからインフラ投資を中心に拡大
(出所)タイ工業経済局、タイ中央銀行より みずほ総合研究所作成公共投資の推移
(出所)タイ国家経済社会開発委員会より みずほ総合研究所作成 0 20 40 60 80 100 120 140 2000 2005 2010 2015 建設投資 機械投資 (10億バーツ) (年) 軍政発足 60 65 70 75 80 85 90 95 100 105 110 2010 2013 2016 設備稼働率指数 民間設備投資指数 (2011年=100、3カ月移動平均) (年)【Ⅰ−5】経済情勢⑤∼足元の輸出入
財輸出
足元の財貨輸出は、高めの成長が続いているものの、農産物やエレクトロニクスを中心に伸びは縮小傾向に
転じている。今後も世界経済の回復基調が鈍化することで、輸出は減速する見込
資源価格が高騰しているため、名目値ベースで見た輸入は10%前後の拡大を継続しているが、その要因を割
り引けば、輸入も緩やかな減速トレンドにあると評価
(出所)タイ中央銀行より みずほ総合研究所作成財輸入
▲ 10 ▲ 5 0 5 10 15 2014 2015 2016 2017 2018 農産物 食料品 電化製品 鉄鋼・金属 自動車及び部品 機械機器 化学製品 石油製品 金(非貨幣) エレクトロニクス その他 合計 (前年比、%) (年) ▲ 20 ▲ 15 ▲ 10 ▲ 5 0 5 10 15 20 2014 2017 原油 天然ガス 金属素材 電子部品 機械機器 金(非貨幣) 自動車及び部品 航空機 その他 合計 (前年比、%) (年)(単位:%) 2 0 1 4 年 2 0 1 5 年 2 0 1 6 年 2 0 1 7 年 2 0 1 8 年 2 0 1 9 年 6.4 6.2 6.2 6.1 6.2 6.0 中国 7.3 6.9 6.7 6.9 6.6 6.4 NIEs 3.5 2.1 2.3 3.2 2.8 2.5 韓 国 3.3 2.8 2.9 3.1 2.7 2.6 台 湾 4.0 0.8 1.4 2.9 2.5 2.4 香 港 2.8 2.4 2.2 3.8 3.5 2.4 シンガポール 3.9 2.2 2.4 3.6 3.2 2.7 ASEAN5 4.6 4.9 4.9 5.3 5.3 5.0 インドネシア 5.0 4.9 5.0 5.1 5.2 5.2 タ イ 1.0 3.0 3.3 3.9 4.2 3.0 マレーシア 6.0 5.1 4.2 5.9 5.2 4.8 フィリピン 6.1 6.1 6.9 6.7 6.3 6.2 ベトナム 6.0 6.7 6.2 6.8 6.9 6.6 インド 7.0 7.6 7.9 6.2 7.6 7.3 ( 参考) 中国・ インドを除く アジ ア 4.2 3.8 3.9 4.5 4.4 4.1 ( 参考) 中国を除くアジ ア 5.4 5.4 5.7 5.3 5.8 5.6 ア ジア
【Ⅰ−5】経済情勢⑥∼短期見通し
アジア経済見通し総括表(短期)
今後の景気は、2019年にかけて減速する見込。輸出については、これまで世界経済の牽引役となってきたIT
貿易や中国経済の増勢がピークアウトすることで、回復ペースは鈍化する事が想定される
輸出の減速に伴い製造業を中心に所得は伸び悩むとみられ、消費も徐々に精彩を欠く見込。一方、インフラ投
資の進捗は下支え要因となる見込だが、景気減速を食い止めるまでには至らないと考えられる
(注) 実質GDP成長率(前年比)。網掛けは予測値(2018年9月時点)。平均値はIMFによる2016年GDPシェア(購買力平価ベース)により計算 (出所)各国統計より みずほ総合研究所作成2 0 1 7 年 2 0 1 8 年 2 0 1 9 年 2 0 2 0 年 2 0 2 1 年 2 0 2 2 年 2 0 2 3 年 2 0 2 4 年 2 0 2 5 ∼2 8 年 6.1 6.2 6.0 6.0 5.8 5.8 5.6 5.6 5.3 中国 6.9 6.6 6.4 6.3 5.8 5.5 5.2 5.0 4.4 NIEs 3.2 2.8 2.5 2.1 2.2 2.2 2.2 2.2 2.0 韓 国 3.1 2.7 2.6 2.3 2.4 2.4 2.4 2.4 2.2 台 湾 2.9 2.5 2.4 1.9 2.0 2.0 2.0 2.0 1.8 香 港 3.8 3.5 2.4 1.7 1.8 1.8 1.8 1.8 1.6 シンガポール 3.6 3.2 2.7 2.3 2.3 2.5 2.6 2.6 2.4 ASEAN5 5.3 5.3 5.0 4.9 5.0 5.3 5.3 5.3 5.3 インドネシア 5.1 5.2 5.2 5.3 5.4 5.5 5.5 5.5 5.5 タ イ 3.9 4.2 3.0 3.0 3.1 3.1 3.1 3.1 3.0 マレーシア 5.9 5.2 4.8 4.4 4.4 5.2 5.2 5.2 5.0 フィリピン 6.7 6.3 6.2 6.2 6.3 6.4 6.5 6.6 6.6 ベトナム 6.8 6.9 6.6 6.2 6.3 6.3 6.3 6.3 6.3 インド 6.2 7.6 7.3 7.4 7.7 8.0 8.0 8.0 8.0 ア ジ ア
【Ⅰ−5】経済情勢⑦∼中長期見通し
(注) 実質GDP成長率(前年比)。網掛けは予測値(2018年、2019年の予測値は2018年9月時点、2020年以降の予測値は2018年6月時点のもの)。 平均値はIMFによる2016年GDPシェア(購買力平価ベース)により計算 (出所)各国統計、CEIC Dataより みずほ総合研究所作成アジア経済見通し総括表(長期)
中長期的には、タイランド4.0やメガインフラへの投資などの経済政策の影響が徐々に顕在化する一方で、労働
力人口の伸び悩みや家計債務の積み上がりが内需型産業の成長の抑制要因となり、成長率は3%前後に回
帰すると予想される
【Ⅰ−6】政治情勢
タイ政治の対立構造
タイでは2014年より軍事政権。民政復帰に向けた下院総選挙が2019年2月24日∼5月5日に実施される予定
これまでタイではタクシン派と反タクシン派・軍部が対立してきたが、今回の総選挙ではプラユット首相続投を支
持する親軍派政党や、若手実業家率いる「新しい未来党」を含む新政党が参戦
政党支持率は、親軍派政党がタクシン派政党に迫る中、民主党・新しい未来党も一定数の支持層が存在してい
る。次期首相には、依然プラユット暫定首相の支持が優勢となっている
ただし、憲法では、軍部が上院議員(250議席)を選任できると定められており、下院選(500議席)でどの党が
勝利しても軍部の影響力は一定程度残存する見込
(出所)各種報道より みずほ総合研究所作成 反タクシン派 <民主党> ・都市部、 中間層が支持 軍政 タクシン派 <タイ貢献党> ・タクシン元首相の考えを支持 ・農村部、低所得層が支持 親軍派 <パランプラチャーラット党> ・軍事政権傘下の政党 ・プラユット首相の続投を支持 ・ウッタマ工業相とソンティラット 商業相が近く合流 新勢力 <新しい未来党> ・自動車部品製造大手タイ・サ ミット・グループ創始者一族の タナトーン氏が率いる対立
対立
支持
クーデター支持 政策には批判も 取り込み 側近を送り込む 地方有力政治閥 <クンプルーム家> <サソムサップ家> 取り込み【Ⅰ−7】経済発展上の課題
労働力人口成長率
国連の人口予測では、2019年には労働力人口の伸びがマイナス圏に突入すると予想されており、今後人口面
での成長率押し上げは期待し難い状況
また、過去に政府が最低賃金を大幅に引き上げるポピュリズム政策を行った影響から、既にワーカークラスの
賃金は周辺国対比で高めとなっており、外資系企業の進出の妨げに
労働者(ワーカークラス)の賃金
(出所)JETROより みずほ総合研究所作成 ▲1.0 ▲0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2000 2005 2010 2015 2020 2025 国連予測 (前年比、%) (年) 191 214 255 321 338 1703 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 0 100 200 300 400 500 600 ハノイ(ベトナム) ホーチミン(ベトナム) マニラ(フィリピン) クアラルンプール(マレーシア) バンコク(タイ) シンガポール(シンガポール) (ドル) (注)2015年以降は予測値 (出所)国連人口部より みずほ総合研究所作成【Ⅰ−8】経済発展上の強み
メコン地域の中心にあるという強みを生かし、周辺国との連携性強化を推進。進捗は緩やかなものの、AEC発
足に伴い関税撤廃や規制緩和により、ソフト面での連携強化に取り組む。ハード面でも、2000 年以降アジア開
発銀行の協力を受けて東西・南北・南部経済回廊を建設(工事は2015年には概ね完了)。国別に対外直接投
資額・輸出額をみると、他の主要国を上回る勢いで周辺国向けが成長
発展段階が徐々に成熟に向かいつつあることに伴い、近年は高所得層・上位中所得層が厚みを増しており、高
付加価値商品のマーケットが拡大している
周辺国への直接投資・輸出額
(注)周辺国は、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの合計 (出所)タイ中央銀行より みずほ総合研究所作成所得階層別人口割合の推移
(注)1.1人あたり消費額/日のデータを用いて、所得階層を貧困層、低所得層、 中所得層、上位中所得層、高所得層に分類2.所得階層の分類方法はPew Research Center “A Global Middle Class is More Promise than Reality”に基づく
3.ドルは2011年購買力平価(PPP)ベース
(出所)World Bank Povcalnetより みずほ総合研究所作成
▲ 600 ▲ 400 ▲ 200 0 200 400 600 800 1,000 1,200 2005 2010 2015 周辺国 シンガポール 米国 香港 (億バーツ) (年) 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 2005 2010 2015 周辺国 米国 中国 日本 (億バーツ) (年) < 直接投資 > < 輸出 > 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1981 1990 2000 2010 2013 貧困層(2ドル以下) 低所得層(2∼10ドル) 中所得層(10∼20ドル) 上位中所得層(20∼50ドル) 高所得層(50ドル) (年)
【Ⅰ−9】成長政策
中所得国の罠を脱するために「タイランド4.0」の実現に着手。首都バンコク近郊の3県(チョンブリ、ラヨーン、
チャチュンサオ)を「東部経済回廊(EEC)」に指定し、重点産業に外資系企業を誘致
EEC政策委員会は(2018年2月1日)、EECにおけるインフラ開発事業168件を承認。投資総額は9,889億
5,000万バーツ(約3兆4,620億円)。うち59%の事業はPPPの枠組みを採用。ほか、国家予算が30%、国営企
業が10%、軍が1%となる。同日には、EECに指定される3県に新工業団地19カ所を開発する計画も承認
(出所)各種報道より みずほ総合研究所作成タイランド4.0における10
※の重点産業
EEC開発における主要インフラプロジェクト
フェーズ 投資予定額 主要事業 ウタパオ空港のMRO第1期開発 3空港(ウタパオとバンコク2空港)を結ぶ高速鉄道 ウタパオ空港への駅設置 ウタパオ空の第3乗客ターミナル レムチャバン港の第3期開発 マプタプット港の第3期開発 モーターウエー(パタヤ−マプタプット)開発 サタヒープ(チュクサメット)港のフェリーターミナル開発 一般道路の強化 鉄道の複線化(レムチャバン−マプタプット−ラヨーン−チャンタプリ−トラート) ウタパオ空港の第2滑走路建設 ウタパオ空港の貨物輸送設備(第1期) ウタパオ空港の自由貿易地域開発 モーターウエー(レムチャバン−プランチンブリ) 一般道路の強化 バイパス網の強化 EECとダウェー(ミャンマー)、カンボジアを結ぶ鉄道開発 チャチュンサオのインランドデポ ウタパオ空港の貨物輸送設備(第2期) モーターウエー(チョンブリ−ラヨーン・クレーン郡) EEC近隣の都市をつなぐ道路の開発 計168事業 投資額9890億バーツ 優先 2017∼18年度 全99事業 投資額2,929億バーツ 中期 2019∼2021年度 全62事業 投資額4144億バーツ 長期 2022年度∼ 全7事業 投資額2529億バーツ <短・中期的に取り組む分野> 既存産業のレベルを上げ、 さらに進展させる。 次世代自動車 スマートエレクトロニクス メディカル&ウェルネス・ツーリズム 農業・バイオテクノロジー 先進的な食品 <長期的に取り組む分野> 新規産業を創出し、 タイ経済を飛躍的に発展させる。 ロボット工学 医療ハブ 航空・ロジスティクス バイオ燃料・バイオ化学 デジタル ※ 従来の10の重点産業に加え、「国防」「教育」が追加される事が発表され ており、現在、両産業の計画が策定されている70 80 90 100 110 120 130 t-6 t-5 t-4 t-3 t-2 t-1 t t+1 t+2 t+3 t+4 t+5 t+6 (イベント発生時=100) 80 85 90 95 100 105 110 115 t-6 t-5 t-4 t-3 t-2 t-1 t t+1 t+2 t+3 t+4 t+5 t+6 (イベント発生時=100) 反タクシン派による空港占拠(2008年11月) タクシン派バンコク占拠(2010年3月) 反タクシン派バンコク主要交差点占拠(2014年1月)
【Ⅰ−10】リスク∼家計債務の積み上がりや、政治混乱のリスク
家計債務(対GDP比)の推移
洪水に伴う住宅購入、ファーストカースキーム、クレジットカード普及などにより、対GDP比でみた家計債務は
先進国並みの水準まで上昇。既に家計の債務余力が小さいとみられることや、中央銀行の債務抑制策により、
家計債務は減少に転じていくとみられ、今後の個人消費の抑制要因に
2019年に実施される総選挙の結果次第では、デモやテロが起こる可能性がある。過去、これらが生じた際には、
企業の生産活動や外国人旅行客に影響があった
(出所)BIS、タイ中央銀行より みずほ総合研究所作成デモの影響
(注)各指標に関して、イベントが発生時(t)を基点とした前後6カ月間の推移を表示 (出所)タイ工業経済局、タイ観光局より みずほ総合研究所作成 0 7 14 21 30 50 70 90 2001 2006 2011 2016 不良債権比率(右目盛) 家計債務(先進国) 家計債務(タイ) (年) (対GDP比、%) (%) <生産指数> <訪泰旅行客数>【Ⅰ−11】直接投資動向①∼世界からの投資
世界からの直接投資フロー(国別推移)
業種別内訳(2017年)
2017年の世界からの投資額は、2,271億バーツ(約7,720億円)
国別投資額では、日本のシェアが最大(39.5%)。最近では中国からの投資が徐々に増加。政府が推し進める
EEC(東部経済回廊)には、ファーウェイ(通信設備・機器大手)やアリババ集団(電子商取引最大手)といった
中国の大企業が投資を表明
また、製造業の基盤が強固であるほか、ASEANの中心にあるという地理的な優位性もあって、最近では製造
や部品調達の統括機能をタイへ移管する企業が増加
(出所)タイ投資委員会より みずほ総合研究所作成 0 100 200 300 400 500 600 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 日本 シンガポール オランダ 中国 インドネシア マレーシア 英国 その他 (10億バーツ) サービス業 29% 鉄製品・機械類 28% エレクトロニクス 15% 化学・紙 14% 軽工業・繊維 8% 農業 4% 鉱業 2%電気機械器具 13% 食料品 1% 鉄・非鉄 ・金属 9% 輸送機械器具 21% 化学・医薬 6% ゴム・皮革 3% ガラス・土石 1% 一般機械器具 6% 精密機械器具 2% 木材・パルプ 2% 金融・保険業 27% 卸売・小売業 6% サービス業 1% 運輸業 1% 非製造業:35% 製造業:65%
【Ⅰ−11】直接投資動向②∼日本からの投資
日本からタイへの直接投資フローの推移
日本からタイへの対外投資残高(業種別内訳)
2013年に記録した過去最高金額は、保険金支払やその他再生に向けての資金調達等によるものと推察される
業種別では、自動車を中心とした輸送機器や電気機械等の製造業が投資額の大宗を占めている
タイ政府はTPP11(正式にはCPTPP)に参加する意向を示しており、参加が実現すれば日本を含めた域内諸
国との関係が更に強化される可能性もある
(注)国際収支関連統計の基準変更により 2013年以前と2014年以降の データに連続性はない (出所)日本銀行「国際収支統計」より みずほ総合研究所作成 (出所)日本銀行「国際収支統計」より みずほ総合研究所作成 3,063 2,093 1,5231,983 5,576 464 10,132 5,764 4,550 4,445 3,817 ▲4,000 ▲2,000 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 食料品 化学・医薬 鉄・非鉄・金属 電気機械器具 輸送機械器具 精密機械器具 その他製造業 非製造業 (億円) (年)【Ⅰ−11】直接投資動向③∼日系企業進出動向
日系企業数は右肩上がりの成長を続けており、軍政下(2014年度⇒2017年度)においても877社増加
JBIC調査による2017年度進出有望国アンケートにおけるタイは、現地マーケットの現状規模や今後の成長
性、第三国輸出拠点として高い評価を受けており、引き続きアジアの進出有望国として期待を集めている
一方、進出日系企業を含む他社との競争激化を課題として挙げる企業が多い
製造業内訳 2,346 食料品 135 飲料、たばこ、飼料 16 繊維 87 木材・木製品 8 家具・装飾品 16 パルプ・紙・紙加工品 33 印刷・同関連業 36 化学工業 128 石油・石炭製品 9 プラスチック製品 203 ゴム製品 69 窯業・土石製品 38 金属製造・加工 515 一般機械 222 電気機器 215 情報通信機械器具 56 輸送用機械器具 430 その他 130 (出所)JETRO資料より みずほ銀行国際戦略情報部作成 (注)日系企業:日本企業または日本人の出資が 10%以上を占める企業 1,879 2,147 2,346 1,798 2,261 2,890 3,884 4,567 5,444 2008年度 2014年度 2017年度 製造業 サービス業 その他日系進出企業数の推移
13年度調査 14年度調査 15年度調査 16年度調査 17年度調査 1 インドネシア 1 インド 1 インド 1 インド 1 中国 2 インド 2 インドネシア 2 インドネシア 2 中国 2 インド 3 タイ 3 中国 3 中国 2 インドネシア 2 ベトナム 4 中国 4 タイ 4 タイ 4 ベトナム 4 タイ 5 ベトナム 5 ベトナム 5 ベトナム 5 タイ 5 インドネシア 6 ブラジル 6 メキシコ 6 メキシコ 6 メキシコ 6 米国 7 メキシコ 7 ブラジル 7 米国 7 米国 7 メキシコ 8 ミャンマー 8 米国 8 フィリピン 8 フィリピン 8 フィリピン 9 ロシア 9 ロシア 9 ブラジル 9 ミャンマー 9 ミャンマー 10 米国 10 ミャンマー 10 ミャンマー 10 ブラジル 10 韓国進出有望国アンケート
(出所)JBIC資料より みずほ銀行国際戦略情報部作成 前々回 順位 前回 順位 今回 順位 経営上の問題点 製造業 非製造業 全体 1 1 1 他社との競争激化 230(72) 192(76) 422(73) 2 2 2 総人件費の上昇 144(45) 85(33) 229(40) 5 3 3 エンジニアの人材不足 143(45) 31(12) 174(30) 7 8 4 品質管理 126(39) 28(11) 154(27) 10 5 5 原材料価格の上昇 122(38) 27(11) 149(26) 回答企業数 321 254 575(100)経営の課題
(出所)2018年4月、JETRO資料(元データ:バンコク日本人商工会議所)よ り みずほ銀行 国際戦略情報部作成 単位:件数、()内は回答企業数割合(%) 非製造業内訳 2,890 卸売業 1,278 専門サービス業 256 運輸業、郵便業 204 情報通信業 191 技術サービス業 153 飲食店 147 その他 661【Ⅰ−12】投資先としてのポテンシャル総括
充実したインフラ、メコン地域の中心に位置する地理的優位性、集積した裾野産業等が魅力
一方、労働コストの上昇や、高等教育進学率の低さに起因する高度人材の不足が課題
リスク要因としては、来年に予定される総選挙の前後にデモやテロが起こる可能性がある
(出所)各種資料より みずほ銀行国際戦略情報部、みずほ総合研究所作成裾野産業の集積
整備された投資関連法制
インフラの充実
地理的優位性
労働コストの上昇
政治動向
高度人材の不足
家計債務の積み上がり
テロ懸念
投資における魅力/成長産業
消費者の高い購買力
投資における留意点(課題)
Ⅰ. 基礎情報
Ⅱ. 投資関連情報
Ⅲ. 拠点設立
Ⅳ.各種規制・恩典・参考情報
Ⅴ.その他
【Ⅱ−1】労働関連情報①∼ビザ、雇用関連規制
ビザ等の取得・留意点
(出所)JETRO、労働者保護法及び各種資料より みずほ銀行国際戦略情報部作成 外国人がタイにて就労するためには、Bビザと労働許可証の両 者を取得する必要があり、Bビザはタイへの入国許可、労働許 可証はタイでの就労許可、という立て付けとなっている ①Bビザ 移民法(Immigrant Act)に基づき、移民局(入国管理局)より入 国目的に適合した滞在査証(ビザ)を取得することが必要となる ②労働許可証 外国人労働法に基づき、外国人は労働省(雇用局)より労働許 可証(Work Permit)を取得する 両者は管轄官庁が異なるものの制度的には対を成し、労働許 可証が更新できないとBビザも更新できないという仕組み現地における雇用・解雇規制
会社都合による解雇の場合、使用者は継 続勤務期間に応じて解雇手当を支払わな ければならない 10人以上の従業員を雇用している会社に ついてはタイ語による就業規則を作成する ことが法律により義務付けられており、労 働者保護法では就業規則の最低限の記載 事項が以下の通り定められている <労働者保護法第108条第1項> 10人以上の従業員を擁する雇用者(会社)は、タ イ語による就業規則を制定しなければならない。当 該就業規則は、少なくとも以下の詳細を含むこと (1) 労働日、通常の労働時間、休憩時間 (2) 休日及び休日の付与に関する原則 (3) 時間外労働及び休日労働に関する原則 (4) 賃金、時間外手当、休日手当、休日時間外手 当の支給日および支給場所 (5) 休暇及び休暇の付与に関する原則 (6) 規律及びその違反に対する制裁 (7) 請願 (8) 解雇、解雇手当および特別解雇手当就労ビザ
&
労働許可証
(Work
Permit)
取得フロー
在外 タ イ 大使 館 また は 領事 館 に て B ビザを 取 得 入国 審 査 で 90日間 の 滞 在許 可 を 取 得 ビ ザ と 労 働許 可 の 期 限 内 に 、 ま ず ビ ザ の 延長 申請 。 入 国 日 よ り 1年 間の 滞 在 許可 を取 得 ビザ の 延 長 許 可 後 に 、 労働 許 可 も 延長 申 請 をし 、 ビ ザ の 期限 と 連 動し て 延 長 滞在 許 可 期 間 内 に 労 働 許可 申請 を 行 う 通常 、 90日間の 滞 在 許 可期間 内 に 労 働許 可 が おり る タイ法人設立後、外国人(日本人を含む)がタイにて就労するにあたっては、滞在査証(Non Immigrant
Business VISA:Bビザ)および労働許可証(Work Permit)を取得する必要あり
原則、外国人1人のビザ延長資格を得る際、最低4人のタイ人の雇用が必要
10の重点産業に就労・投資する外国人に対するスマートビザの発給が2018年2月より開始。滞在期限は最大4
年間。一定の条件を満たせば労働許可の取得は免除され、90日ごとに義務付けられている居住地報告も免除
【Ⅱ−1】労働関連情報②∼労働コスト
2013年1月からタイ中央賃金委員会は、最低賃金(日額)を全国一律300バーツに決定
その後、2017年1月より、全77都県中69都県で最低賃金(日額)が5∼10バーツ引き上げられ、さらに2018年4
月より1.6∼7.1%引き上げられた。現在は県別で308∼330バーツ(日額)となっている
(出所)JETRO資料(調査期間:2017年12月∼2018年2月)より みずほ銀行国際戦略情報部作成 (単位:USD) 国名 日本 中国 香港 韓国 台湾 タイ シンガポール マレーシア 都市名 横浜 上海 深セン 香港 ソウル 台北 バンコク シンガポール クアラルンプール 製造 業 作業員賃金(一般工職) 2,674 560 518 1,992 1,879 1,112 378 1,630 356 エンジニア賃金 3,433 996 928 2,633 2,294 1,409 699 2,971 784 マネージャー賃金 4,682 2,205 1,845 3,878 3,453 2.322 1,538 4,454 1,540 非製 造 業 スタッフ賃金(一般職) 2,616 1,142 982 2,274 2,426 1,405 737 2,422 888 マネージャー賃金 4,498 2,273 1,898 4,090 3,959 2,444 1,674 4,269 1,948 店舗スタッフ賃金(アパレル) 1,728 887 827 1,548 2,445 941 354 1,162 486 店舗スタッフ賃金(飲食) 907 574 534 1,691 1,779 698 354 977 447 法定最低賃金 8.47 / 時 355/月 329/月 4.41/時 1,479/月 748/月 9.33∼9.64/日 - 251/月(半島部) 賞与支給額 4.42ヵ月分 1.94ヵ月分 1.71ヵ月分 1.64ヵ月分 3.57ヵ月分 3.49ヵ月分 2.86ヵ月分 2.18ヵ月分 2.08ヵ月分 (固定賞与 + 変動賞与) 社会保障負担率 14.94∼ 15.14% 40% 20.09%∼34.84% 5% (月額基本給3万香HKD未満) 9.57∼ 37.57% 12.45% 5% 17% 13.95∼14.95% (雇用者負担) 1,500HKD (月額基本給3万HKD以上) 名目賃金上昇率 0.80% 9.5% 10.8% 4.0% 3.8% 2.39% 1.03% 3.1% 5.55%(管理職) (2017) (2016) (2016) (2017) (2016) (2017/1-10月) (2017) (2016) 5.54%(非管理職) (2017) 国名 フィリピン インド インドネシア ベトナム カンボジア ラオス ミャンマー 都市名 マニラ ニューデリー ムンバイ ジャカルタ ハノイ ホーチミン プノンペン ビエンチャン ヤンゴン 製造 業 作業員賃金(一般工職) 237 423 262 324 204 238 170 121 135 エンジニア賃金 387 706 633 494 420 440 351 374 279 マネージャー賃金 1,096 1,712 1,210 1,058 927 970 829 825 772 非製 造 業 スタッフ賃金(一般職) 489 637 691 465 542 524 387 365 392 マネージャー賃金 1,234 1,751 2,056 1,176 1,294 1,251 1,005 806 1,027 店舗スタッフ賃金(アパレル) 292∼315 437∼578 363∼631 261∼373 n.a. 198∼242 120∼180 159∼183 111 店舗スタッフ賃金(飲食) 292∼315 373∼477 331∼695 209∼361 n.a. 185∼191 120∼220 98∼122 66.5∼73.9 法定最低賃金 9.14∼9.89/日 211/月(非熟練工) 132/月(非熟練工) 272/月 178/月 175/月 170/月 109/月 2.66/日 232/月(準熟練工) 139/月(準熟練工) 255/月(熟練工) 147/月(熟練工) 賞与支給額 2.08ヵ月分 1.51ヵ月分 1.39ヵ月分 1.90ヵ月分 1.60ヵ月分 1.47ヵ月分 0.82ヵ月分 1.08ヵ月分 1.23ヵ月分 (固定賞与 + 変動賞与) 社会保障負担率 8.62%+100PHP 13.15% 13.15% 10.24∼11.74% 21.5% 22% 3.4% 6% (月額報酬450万LAK以下) 7%(60歳以下) (雇用者負担) 24.75万LAK (月額報酬450万LAK超) 7.5%(61歳以上) 名目賃金上昇率 4.28∼4.63%(2017) 10.0%(2016) 10.7%(2016) (2016)8.3% n.a. n.a. (2017)9.3% n.a. n.a.【Ⅱ−2】主要工業団地
(出所)JETRO、MHCB Consulting (Thailand)資料より みずほ銀行国際戦略情報部作成 拡大
1980年よりバンコク首都圏を中心に工業用地需要が急速に高まり、民間を中心に工業団地の造成、開発が盛
んに進められた。主要な工業団地は60団地近くあり、選択肢は多い
投資奨励制度等の利用により、外資企業でも購入が可能(一定期間後の返還等の規制は無い)。港も多く(河
川港、深海港等多くの港を有する)、製造業の首都圏近郊への集積が進んでいるため、タイ国内間の輸送、輸
出のための物流コストが抑制できる
【Ⅱ−3】会計・税務関連情報
タイで事業活動を行う法人は、法人所得税を納めなければならない。法人とは、タイ国民商法典下で登記され
た外国企業の支店を含む株式会社、パートナーシップ、合弁企業体(ジョイントベンチャー)、営利事業を営む社
団または財団が対象。外国政府やその代理機関による事業活動も法人として所得税の課税対象となる
タイ国内で事業活動を行わない法人は、サービス料、利息、配当、賃貸料、専門家指導料などのタイ国内源泉
所得のみ課税対象となる。なお、駐在員事務所は、タイ国で事業活動を行うものとみなされ、源泉徴収および
申告義務が課されるが、営業活動は許されていないので、所得がゼロの申告書を提出することとなる
主な税金の種類及び税率
(出所)JETRO、MHCB Consulting (Thailand)より みずほ銀行国際戦略情報部作成
租税条約の締結状況
税金 税率 備考 法人税 20% 2016年3月に法人税率が引き下げられ、2016年1月1日以降に開始する会計年度については、法人税率が原則恒久的に 20%となった 源泉税 取引種 類によ り異な る 法人が個人もしくは法人に対して支払う報酬で、物品の売買 を除くあらゆるサービス報酬に源泉税が発生する。コミッション やサービス手数料、法律・会計サービス、賃貸、保険、広告、 通信等多岐に渡るサービス全般が対象 付加価 値税 (VAT) 7% 日本の消費税のような税金。タイ国内での物品販売、サービ スの提供、もしくは物品・サービスの輸入取引等に対して課税 される 現在の税率は一般に7%。2017年10月1日より10%となる予 定であったが、税率の引き上げは見送られている(引き上げ 時期は未定) 個人所 得税 累進 課税 (最大 35%) a.居住者 歳入法により、タイでは居住者がタイで得た所得に課税される。 タイの居住者とは、暦年中のタイの滞在日数合計が180日以 上滞在する者すべてを指す b. 非居住者 非居住者はタイに源泉のある所得に対してのみ個人所得税 を支払えばよい 国名 配当 利息 ロイヤリティ 備考 日本 10% 10%, 15% 15% 【金利】 日本、シンガポール、マレーシア、インドネシ ア、ベトナム、ラオスの場合 • 金融機関(保険会社を含む)に支払われ た 金利に対し10%課税 • その他ケースで支払われた金利に対し 15%課税 フィリピンの場合 • タイで発生した金利の場合、フィリピンの 保険会社を含む金融機関に支払われた 金利に対し10%課税 • フィリピンで発生した金利の場合、公的機 関発行の債券、社債または同様な債務に 対し10%課税 【ロイヤリティー】 ミャンマーの場合 • 文学作品、芸術作品、科学著作物の著作 権の使用または権利使用に対し支払われ たロイヤリティーに対し5%課税 • 管理、コンサルタントサービス、工業・商 業・科学実験に関わる情報に支払われた ロイヤリティーに対し10%課税 • その他ケースに対し15%課税 シンガポール 10% 10%,15% 15% マレーシア 10% 10%, 15% 15% インドネシア 10% 10%, 15% 15% フィリピン 10% 10%, 15% 15% ベトナム 10% 10%, 15% 15% ラオス 10% 10%, 15% 15% ミャンマー 10% 10% 5%,10%, 15%Ⅰ. 基礎情報
Ⅱ. 投資関連情報
Ⅲ. 拠点設立
Ⅳ.各種規制・恩典・参考情報
Ⅴ.その他
【Ⅲ−1】進出形態
現地進出形態
(出所)MHCBコンサルティング資料、各種資料より みずほ銀行国際戦略情報部作成 1.現地法人 2.支店 3.駐在員事務所 4.地域事務所 概要 タイの法律に準拠して設立され、日 本本社と別の法人格を持ち、事業の 運営主体の独立性を有する 外資規制の対象業種は、出資比率 に制限がある タイ国内で日本本社の経営活動等 に従事するための出先機関で、法 人格は本社に従属 一般的に金融機関等の業種を除き、 支店での進出は認められていない タイ国内で日本本社の商品や サービスに関する情報収集や、 日本への輸出品の検品等を目的 に設置された外国法人の拠点 外国法人によって設置された事 務所で、タイおよびその周辺地 域に所在する支店または関連 会社を統括する拠点 営業活動 可能る) (事業の運営主体の独立性を有す て設置される外国法人の出先機関)可能(営業利益の伴う事業を目的とし 不可事業活動は認められていない)(営業利益の計上を目的とした 不可は認められていない)(その活動から収入を得ること 事業許可 (Foreign Business License:FBL) 要(外資規制対象業種の場合)(進 出業種、出資構成、投資奨励該当有無 等によっては、商務省事業開発局長の 許可が必要) 要(本人格が本社に従属するため外 資規制対象であり、商務省事業開発 局長の許可が必要。有効期間は最長 5年間) 不要(ただし、会計法上の会計書類 の作成と提出の要件を満たさなけれ ばならないため、商務省事業開発局 の告示に従い、登録番号を取得し、 タイ国内事業所を当局に通知しなけ ればならない) 不要(ただし、会計法上の会計書 類の作成と提出の要件を満たさな ければならないため、商務省事業 開発局の告示に従い、登録番号を 取得し、タイ国内事業所を当局に通 知しなければならない) 税務 通常、法人税20% 通常、法人税20% 法人税なしいため法人税の課税はないものの(法人所得が発生しな (課税所得なしでの)申告は必要) 法人税なし(その活動から収入を 得ることは認められていないため発 生せず) 初期必要送金額 外資企業は最低資本金200万バーツ以上 (労働許可証の発行条件として、外国人一人 当たり200万バーツの資本金振込が必要)。 ただし、外国人事業法の規制業種でFBLを取 得した企業は300万バーツ以上。BOIは事業 により規定。25%以上の払い込みが行われ れば会社登記が可能であるが、BOIの場合 は操業開始までに100%払い込むことが条 件 外貨の持込義務あり。その期間にわ たって、通常500万バーツ以上(初年 度は、200万バーツ以上)の外貨送金 が必要 200万バーツの資本金相当の送金 が必要(最初の3ヵ月以内に25%以 上、1年以内に50%以上、それ以降 の各年度に25%以上を実行し、3年 以内に完遂する必要あり) 200万バーツの資本金相当の送金 が必要(最初の3ヵ月以内に25%以 上、1年以内に50%以上、それ以降 の各年度に25%以上を実行し、3年 以内に完遂する必要あり) 設立期間 1ヵ月∼1ヵ月半(準備すべきデータ・書 類がスムーズに提出された場合。BOIの 申請手続がある場合は200日程度。詳 細はP36参照) 200日程度 1ヵ月程度 1ヵ月程度(出所)MHCB Consulting (Thailand)資料より みずほ銀行国際戦略情報部作成