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最大荷重到達前の繰り返し載荷を受ける矩形鋼製橋脚の耐震性能に関する実験

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Academic year: 2021

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1 -249 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

最大荷重到達前の繰り返し載荷を受ける矩形鋼製橋脚の耐震性能に関する実験

愛 知 工 業 大 学 正 会 員

O

嶋口儀之 愛 知 工 業 大 学 正 会 員 鈴 木 森 晶 愛 知 工 業 大 学 学 生 会 員 鈴 木 洋 平 愛 知 工 業 大 学 正 会 員 宗 本 理

1.はじめに

兵庫県南部地震の発生以降,鋼製橋脚を含む構造物の耐震設計基準の見直しが行われ,主要路線に使用されてい る鋼製橋脚の耐震補強がなされてきた. しかし,現在の耐震設計基準においても,地震後に橋脚が無損傷であるこ とを保証するものではない.また,このような耐震補強された銅製橋脚について, 一度の地震で、最大水平荷重に達 しない場合においても,本震後の比較的大規模な余震などで連続的に地震動を受けることにより,損傷が進行し, 耐力が低下することが考えられる. そこで本研究では,根巻コンクリートを含め,実橋脚を可能な限り再現した供試体を用いて,最大水平荷重に達 する前の変位での静的繰り返し載荷実験を行い,耐震性能および損傷の進行状況について明らかにする.

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実験概要

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1

実 験 供 試 体 本研究では,昭和 49年に竣工し,兵庫県南部地 震後の平成8年の道路橋示方書の改訂を受けて,耐 震補強された既設矩形鋼製橋脚を基に,約 113スケ ールの供試体を製作した 1) 補強では中詰めコンク リートの追加充填および縦リブのT型リブの追加が 施されている.リブのT型補強部分については,供 試体製作上困難であったため,実橋脚と同等の剛比 となるように,補強部のリブ寸法を調整した.橋軸 方 向 載 荷 お よ び 橋 軸 直 角 方 向 載 荷 に つ い て 根 巻 コ ンクリートの有無で各2体の計4体使用した.図-1 に供試体の概要図,表-1fこ供試体の諸元を示す.

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実 験 載 荷 方 法 実験では, 一定鉛直荷重下での水平繰り返し載荷 を行った.載荷パターンは,図-2に示すように,最 大水平荷重に到達する前の土40yまで変位を漸増し, それ以降は土40yでの繰り返し載荷を行った. 部 補強部 (a)側面図 根巻 コ ン クリート (b)断面図 図

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実験供試体概要図 表

-

1

実験供試体諸元2)

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-﹂ 垣 則 附 川 昨 ゾ 有 載荷方向 橋軸 橋軸直角 無補強 │補強部 無補強 │補強部 幅厚比パラメータ

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0.398 0.530 幅厚比パラメータ

R

F

細長比パラメータ λ 0.358 0.311 軸力比 P/Py 0.078 降伏水平荷重 Hy (kN) 413 380 降伏水平変位 8y (m m) 20.7 16.5 図

2

載荷パターン キーワード鋼製橋脚,耐震性能,損傷形態,根巻コンクリート 連絡先 〒470-0392 愛知県豊田市八草町八千草 1247 TEL: 0565-48-8121 497

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I -249 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月) 2.5

I

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1.5 〉、 主工1 0.5

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E E E E E E E E 令 E E 令 E E E E E E E E E E令 E l 令 E E E E E E E E E E + E l ゆがゆゆ今~^~^~^~^~令。~^~^~句ぷ令ぷ令 ~V ø;v,~v/øv^~v ~v ~v ~v.~令 がヤヘ.J>"";.J>"'" .J>""; .J>""/ .J>"";が

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載荷サイクル (a)橋軸方向 2.5 1.5 噌 i

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載荷サイクル (b)橋軸直角方向 図-3 4久 繰り返し載荷時の水平荷重

3

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実験結果 土40y繰り返し載荷実験から得られた,各サイクルにお ける水平荷重の包絡線を図-3,供試体損傷状況の例を図-4 に示す.なお,図-3の縦軸は降伏水平荷重Hyで無次元化 した水平荷重,横軸は載荷サイクルで、ある. 図-3(a)より,橋軸方向では,根巻コンクリートが無い場 合, :l::4oyを3回繰り返した時点では ,1回目と比べ荷重の 低下は約 1%であり,定規をあてて確認できる程度のわず かな座屈が生じた.根巻コンクリートが有る場合 3回目 の繰り返しの時点で約 7%,5回目で約20%の荷重低下が 見られた.繰り返し回数が増えるごとに,図-4(a)のように 根巻コンクリートのフランジ ウェブ面および天端のひ び割れが進行したが,座屈など橋脚自体の損傷は確認で きなかった.その後,6回目の繰り返し載荷において基部 付近にクラックが発生し,急激な荷重低下が見られた. 図-3(b)より,橋軸直角方向では,根巻コンクリートが無い場合,3回目の土40yの時点で l回目と比べ約2%の荷重 低下が見られ,図-4(b)に示すように目視で確認できる程度の局部座屈が生じた.根巻コンクリートを設置した場合, 橋軸方向と同様に座屈の発生は確認できないが, 3回目の土40yにおいて約3%,6回目で約 10%荷重が低下し,最終 (a)根巻コンクリートの 亀裂の状況 図

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供試体損傷状況 (b)局部座屈の 進行状況 的に 11回目の繰り返し載荷において,クラックの発生により急激に荷重が低下した.

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まとめ

l. 最大荷重に達する前の変位での繰り返し載荷により損傷が進行し,水平荷重が低下することを確認した. 2 根巻コンクリートが有る場合,橋脚の座屈は確認できないが,比較的早い段階で荷重の低下が見られた. 謝辞 本研究は一般社団法人日本鉄鋼連盟の研究助成(鋼構造研究・教育助成事業),一般社団法人名古屋高速道路協会 の助成および愛知工業大学耐震実験センター研究経費を使用し,愛知工業大学耐震実験センターにおいて実施した. ここに感謝の意を表す. 参考文献 1) (社)日本道路協会:道路橋示方書・同解説 V耐震設計編,1996.3 2) 嶋口{義之,鈴木森品,津田敏幸, 田端宜昌:j耐震補強された矩形断面鋼製橋脚の地震後の被災度判定に係る基礎デー タ収集のための実験的研究,土木学会論文集A2(応用力学),Vo1.71, No.2(応用力学論文集Vo1.l8),I 675-I682, 2015. 498

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参照

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