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学生における5Sの必要性とその認識に関する実践活動の検討(PDF)

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Academic year: 2021

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(1)技能科学研究,36 巻,4 号. 2019. ショートノート. 学生における 5S の必要性とその認識に関する実践活動の検討 Consideration of the practical activities about the necessity and the understanding of 5S for the college student 久保 幸夫 Yukio Kubo. In this study, we adopt thorough 5S activity in the education training of the applied course.Students understood knowledge necessary for practice of "Sorting, Setting-in-order, Shining, Standardizing, Sustaining the Discipline", a technique, a skill enough and examined the training method that a student took the lead and could perform 5S activity. Keywords: 5S activity, Sorting, Setting-in-order, 5S education, Sustaining the Discipline. はじめに. 1.. 本校における 5S は生産機械システム技術科のカリキ ュラムに位置づけされている技術,技能の習得と同様に,. 生産現場において,安全衛生活動は「安全第一」とい. 講義だけでなく実習を含めた実践的な訓練を実施する.. う言葉があるように,最も優先されなくてはならない.. これにより,学生が 5S の必要性を自分自身で考え,作業. その中で 5S(整理・整頓・清潔・清掃・躾)は, 「安全衛. 環境を改善し,作業者が安全で気持ちよく作業ができる. 生」の基本中の基本とされている.5S の徹底していない. 環境を整えるという 5S の意義を理解することで自ら実. 職場は,安全衛生の面でも徹底していないといっても過. 践できることを目標においた.. 言ではない.. 訓練の方法は,5S の中で「整理・整頓」を中心に検討. 大学校の応用課程は将来の生産現場で活躍するリーダ. する.その手順は(1)~(4)になる.. ーを養成している.その中で,安全衛生活動の一環とし. (1). て 5S の徹底を重要な位置づけとしている.また,私たち. アンケート調査で,学生の 5S 活動に関する必要性 と意義についての現状の理解度を確認し,実習を. の日常生活の中にも必要とされ,日々行っている行為で. 観察する.. (2) 講義による 5S 教育を行いその内容を学生に意識さ. もある.そこで,5S を実効性の在るものにするには,学 生が必要性と意義を十分に理解し,実践できる能力を付. せ実習を行わせ観察する. (1)と同様のアンケー. 与することが必要不可欠である.しかし,5S を学生に躾. ト調査を行い,学生の理解度,意識の変化を確認 し結果を分析する.. (ルール)として徹底させることは,個人の性格など様々 な要因があり困難を極める.学生が 5S について「知って. (3). (2)の結果から,不十分な点は,再度,学生に 5S 活動の教育を行い,意識して実習を行わせる.. いる」「分かる」「できる」「説明できる」「自ら率先して できる」等が要求される.. (4). 学生の理解度を分析して訓練方法の検討する.. 3.. 5S 活動に関する意識調査と実習観察. 現状の近畿職業能力開発大学校(以降,“近能大”)で 5S 活動は,大学校に準備されている環境の中で,「注意 しろ」の注意喚起活動のみに止まっている.そのため, 3.1. 意識調査アンケートの目的と概要. 学生が教育訓練の中で,5S の必要性と意義を理解する場. 本校の応用課程では学生が手仕上げ,機械加工,組み. が少なく,それを実践し習得できる訓練内容になってい. 立て,測定などの実習を行っている.しかし,実習時に. ない現状がある.. 5S を意識し作業する指導を受けているにもかかわらず,. 本研究は,応用課程における教育訓練の中に,徹底し た 5S を取り入れ,学生が実践に必要な知識,技術,技能. 作業台の整理・整頓状況が芳しくない状態の学生が多く. を十分に理解し,自ら率先して 5S が行える訓練方法を検. 見受けられる.そこで,学生の 5S に関する認識度,作業. 討する.. 中における意識の度合いについてのアンケート調査を実 施する.これを「5S の意識調査アンケート」とする.こ. 2.. 研究の方法. のアンケートは, 「5S 活動の認識度」 「5S 活動について」 , ,. - 19 -.

(2) JOURNAL OF POLYTECHNIC SCIENCE VOL. 36, NO. 4 2019 「実習中の整理・整頓」,「実習中の清掃・清潔・躾」の. 整理・整頓ができていないことが分かった.5S の意義や. 4 項目について 5 段階の尺度法で作成した.. 必要性は理解しているが,実行されていない状況である ことが分かる.. 4.. 5S 活動に関する意識調査と実習観察 5S活動は大切だと 思いますか?. 1. 13. 15. 5S活動が安全作業に 関係すると思います か?. 1. 13. 15. 実習中は5S活動をいつ も 意識していると思いま すか?. 1. 4.1. 意識調査アンケートの目的と概要 本校の応用課程では学生が手仕上げ,機械加工,組み 立て,測定などの実習を行っている.しかし,実習時に 5S を意識し作業する指導を受けているにもかかわらず, 作業台の整理・整頓状況が芳しくない状態の学生が多く 見受けられる.そこで,学生の 5S に関する認識度,作業. 実習中は5S活動が 出来ていると思います か?. 中における意識の度合いについてのアンケート調査を実 施する.これを「5S の意識調査アンケート」とする.こ のアンケートは, 「5S 活動の認識度」 「5S 活動について」 , ,. 思わない. 5. 2. 15 5. あまり思わない. 5. 15 まあまあ思う. 3 6. 思う. 1. すごく思う. 「実習中の整理・整頓」,「実習中の清掃・清潔・躾」の 4 項目について 5 段階の尺度法で作成した. 図 2 「5S 活動について」のアンケート結果 4.2. アンケートの結果と考察 4.3. 実習観察. 「5S の意識調査アンケート」を当校の応用課程生産機. 図 3 に実習中の整理・整頓できていない作業台を示す.. 械システム技術科 1 年生 29 名を対象として行った.アン ケートの「5S 活動の認識度」についての結果を図 1 に示. 加工作業に必要なものと必要でないものが分けられず,. す.この結果によると 5S 活動の意義及び必要性につい. 作業台の工具等は乱雑に置かれ,整理・整頓できていな. て,知っている以上と回答した学生が 7 割以上で,ほぼ. い状態である.図 2 の「5S 活動について」のアンケート. 全員の学生が整理・整頓について知っている以上と回答. 結果からも分かるように,整理・整頓ができていない状. した.. 態を示していたが,実習を観察するとアンケート結果と 同じ状況であった. 4. 5S活動の 意義とは?. 5S活動の 必要性と は?. 1 3. 知らない. 1. 14 14. 9. 整理とは?. 整頓とは?. 5. 4 5. 10 10. 少し知っている. 6 10. 9 知っている. 2. 9 少し説明できる. 説明できる. 図 1 「5S 活動の認識度」のアンケート結果. 図 3 実習中の整理・整頓できていない作業台. 図 2 に「5S 活動について」のアンケート結果を示す.. 5.. 講義による 5S 教育の実施. このアンケートは,5S 活動が作業にどんな関係があるか, 実習中にどの程度意識しているかについての調査である.. 5.1. 5S に関する講義の目的と実施. ほぼ全員の学生が大切及び安全作業に関係すると思うと. 現状の実習では「5S の徹底」のために躾として学生に. 回答したが,実習中の 5S 活動については意識している及. 活動させている.そのため,学生が教育訓練の中で,5S. びできていると思うと回答した学生は 3 割程度である.. 活動の必要性や活動の意義を理解する機会がなく,進行. 「5S の意識調査アンケート」の結果から学生は,5S を. している現状であった.そこで,学生が 5S の必要性や意. 知っていること,5S の各項目(整理,整頓,清掃,清潔,. 義を理解して,自主的に活動ができるのに必要な知識・. 躾)を知っていること,5S 活動が大事であり重要である. 技術を付与することを目的として講義を行った.講義は,. こと,5S 活動が安全作業や作業効率に関係すると思って. 自作教材を用いて 5S の 5 つの作業とその効果,必要度. いることで分かった.しかし,実習中では 5S 活動,特に. 合いや活動の価値,重要性を理解できる内容とした.実. - 20 -.

(3) 技能科学研究,36 巻,4 号 施時期は,標準課題実習の朝礼を活用し,理解度を深め. 2019. 5.3. 講義終了後の実習観察. るために複数回に分け講義を行った.. 図 6 に講義終了後の実習中の作業台を示す.整理・整. 5.2. 講義後の意識調査アンケートの結果と考察. 頓されていなかった作業台が,作業に必要な工具や測定. 5S に関する講義,実習観察後に前回同様のアンケート. 器が準備され,工具等が一見整頓されているように見え. 調査を行った.図 4(a)に講義後の 5S 活動の意義と必. る.このことから,作業台の整理・整頓の状態が改善し. 要性の認識度,図 4(b)に講義後の実習中の 5S 活動に. たのは講義の効果があったものと考える.5S 活動教育を. ついてのアンケート結果を示す.図 5 に整理・整頓の実. することで 5S 活動の動機付けができたと考える.しかし. 施比較を示す.. ながら,対象者の学生全員が整理・整頓できているわけ ではない.. 5S活動の 意義とは?. 1. 5S活動の 必要性と は?. 1. 9. 16. 5. 12. 11. 知らない. 少し知っている. 少し説明できる. 説明できる. 図 4(a). 3. 知っている. 講義後の 5S 活動の意義と必要性の認識度 図 6 講義終了後の実習中の作業台. 実習中は5S活動をいつも 意識していると思いますか?. 実習中は5S活動が 出来ていると思いますか?. 11. 1. 14. 3. 6. 3. 13. 11. 整理・整頓の実技指導の実施について. 6.1. 整理・整頓の実技指導の実施. 2. 図 7 にねじ締め作業の作業台を示す.図 7(a)は整理・ 整頓されている作業台で,作業に必要な工具が一目で認. 思わない. あまり思わない. まあまあ思う. 思う. すごく思う. 識でき,用途ごとに整列された状態で置かれている.図 7(b)は整理・整頓されていない作業台で,作業に必要. 図 4(b). 3. 1回目. 2回目. 1. 11. 13. 6. していない している. な工具が一目で認識できず,作業台の工具は乱雑に置か. 講義後の実習中の 5S 活動について. 18 あまりしていない 毎回かかさずしている. れている.図 7(c)にねじ締めワークを示す. (b). (a). 2. 4 気づけばしている. 図 5 整理・整頓の実施比較(1 回~2 回). (c). 5S の必要性と意義について,少し説明できると答えた 学生が約 6 割以上で,実習中の 5S については意識して いる及びできていると答えた学生は約 4 割程度ある.5S に関する講義により,必要度合いや活動する価値や重要 性の理解が深まり,僅かであるが実習中の整理・整頓の 実施状況が向上したと考えられる.結果より,講義は 5S 図 7 ねじ締め作業の作業台. の意識付けに効果があるが,それだけでは実際の 5S に繋. (a)整理・整頓されている作業台, (b)整理・整頓さ. がりづらいことが分かった.. れていない作業台, (c)ねじ締めワーク. - 21 -.

(4) JOURNAL OF POLYTECHNIC SCIENCE VOL. 36, NO. 4 2019 実技指導をすることにより,講義による 5S 教育で学. 付けに効果があったと考える.. んだ 5S 活動の必要性や意義の理解を深め,さらには, 学生が自ら率先して 5S 活動を行えることを目標にし. 3. 1回目. た.実技指導の方法は,整理・整頓されている作業台と. 11. 13. 2. されていない作業台で学生にドライバによるねじ締め作 業を行わせる.. 2回目. 作業体験によりどの程度時間差があるか,なぜ時間差. 1. 6. 18. 4. が生じるのかを考えさせる.作業時間の区分けは,「探す」, 「締める」, 「戻す」の 3 つの作業とし,「探す」は合図から 3回目. ドライバを手に取るまでの時間,「締める」はドライバを. 5. 19. 5. 手に取り,締め付けを完了するまでの時間, 「戻す」は締 め付けが完了しドライバを元の位置に戻すまでの時間で,. していない. あまりしていない. している. 毎回かかさずしている. それぞれの作業時間を測定した.. 気づけばしている. 図 9 整理・整頓の実施比較(1 回~3 回). 6.2. 整理・整頓の実技指導の結果と考察 図 8 に「探す」,「締める」, 「戻す」の作業時間を示す.. まとめ. 7.. 本研究では,応用課程の教育訓練の中に,徹底した 5S 活動を取り入れ,学生が「整理・整頓・清潔・清掃・躾」 整理整頓されている 作業台. 2.1. 17.6. 1.5. の実践に必要な知識,技術,技能を十分に理解し,学生 が率先して 5S 活動が行える訓練方法の検討を行った. 具体的には,講義による 5S 教育と並行して実技指導を 行った.講義による 5S 教育と実技指導をすることで,. 整理整頓されていない 作業台. 7.1. 16.2. 「5S 活動の必要性や意義」についての理解もより深まり,. 1.6. 意識の変化が現れた. 「ドライバによるねじ締め」作業の 体験は,5S を理解させる上で非常に有効であった.当初. 0.0. 探す. 5.0. 締める. 10.0. 15.0. 戻す. 20.0. の目標である,自ら率先して 5S に取り組む姿勢は,この. 25.0. 全ての学生に対し理解され,動機付けができたものと評. 平均作業 時間(秒). 価している. この研究において,講義による 5S 教育と実技指導を教. 図 8 平均作業時間. 育訓練の中に取り入れることは有意であることを確認し た.また,学生が率先して 5S 活動に取り組める訓練手法 「締める」 , 「戻す」作業の平均作業時間は作業台の整理・. であると考える.. 整頓の状況の違いによる影響がないことが分かった. 「探 す」作業は作業台の違いで平均作業時間に差があること. 謝辞. が分かった.整理・整頓されている作業台の「探す」時. 本研究の遂行にあたり,職業能力開発総合大学校の. 間は平均 2.1 秒,整理・整頓されていない作業台の「探. 千葉正伸教授,中村瑞穂准教授,三橋郁先生には貴重な. す」時間は 7.1 秒で,作業台の整理・整頓状況の違いで 5. 助言と御指導を賜りました.深く感謝申し上げます.. 秒の差があった.整理・整頓されていない作業台での作 業は平均 5 秒の遅れを生じる結果であった.この 5 秒間. 参考文献. は全作業時間の約 2 割を占める.実際の生産現場で考え. [1]. ると,作業に遅れが発生すると遅れを取り戻そうと考え, 焦りが生じ,不安全行動を行い,その結果災害に繋がる. 考え方」,pp.34-38(2009). [2]. 可能性がある.この結果を学生に周知し,作業体験より,. 独立行政法人雇用・能力開発機構大学校部: 「応用課程の 吉﨑元二:「学生が主体的に取り組む 5S 活動の進め方の 検討」平成 28 年度高度養成課程研究論文,pp.3-13 (2018).. モノを「探す」行動が作業時間に大きく影響することが学 生には身をもって体験し,この体験により整理・整頓に. (原稿受付 2019/12/23,受理 2020/2/7). 対しての理解が深まったと考える. 実技指導後に前回同様のアンケート調査を行った.図. *久保 幸夫 近畿職業能力開発大学校, 〒596-0817 大阪府岸和田市岸の丘 町 3-1-1, Yukio Kubo, Kinki Polytechnic College, 3-1-11 Kishinookamachi, Kishiwada, Osaka 596-0817. Email: [email protected]. 9 に整理・整頓の実施比較を示す.結果より,実習中に整 理・整頓をしている以上と回答した学生が前回結果より 少し増加し,整理・整頓していないと回答した学生がい なくなった.実技指導をすることでさらに 5S 活動の意識. - 22 -.

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