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消費税法改正内容と業務手続の対応ポイント

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(1)

消費税法改正内容と業務手続の対応ポイント

2013年 10月 17日

株式会社ビジネスブレイン太田昭和

コンサルティング統括本部 コンサルティング事業開発部 部長

(2)

もくじ

1.消費税法の改正点

2.税率変更に伴う経過措置等の個別論点

3.税率変更に伴う業務へのインパクト

(3)

 主要コンサルティング分野 経営コンサルティング(経営戦略・計画策定、企業再編・M&A、株式公開支援、病院経営、企業診断等)、 業務コンサルティング(財務・管理会計、予算・原価管理、生産管理、リスクマネジメント等) 人事コンサルティング(戦略的人事構想、人事制度構築等)、 内部統制コンサルティング IFRS(国際財務報告基準)対応、 グループ経営  System Integration(ビジネスシステム再構築) 業務及びシステムの基本構想策定からシステム導入・開発、定着化/運用保守までの一括支援、 開発管理者・開発者の支援サービス  業務パッケージ/業務テンプレート ACT-NetPro(弊社会計パッケージ)、仕訳HUB(弊社システム間I/Fパッケージ)、 販売会計統合ソリューション(Fit-ONE)、 各種業務テンプレート及びシステムテンプレート、 統合開発支援ツールMBB、 ERP(SAP, Oracle等)、MCFrame、 ProPlus 等

 定着化(アウトソーシングサービス) 給与・労務・人事フルアウトソーシング、 経理財務・税務業務支援ソリューション、ITサービスアウトソーシング 【 社 名 】 【 所 在 地 】 【 設 立 】 【 代 表 者 】 【 資 本 金 】 【 子 会 社 】 株式会社ビジネスブレイン太田昭和 (BBS) 〒105-0003 東京都港区西新橋1-2-9 日比谷セントラルビル 事業拠点 東京/大阪/名古屋/浜松 1967年8月 代表取締役社長 石川 俊彦 22億3,349万円 (2013年3月) JASDAQ上場 FBS GSX EPCS 他 計6社 グループ従業員約1,000名

弊社のご紹介 (会社概要)

(4)

BBSグループは、創立以来「顧客の利益に貢献する」を行動指針とし、経営改革コンサルティングからシステム 導入・定着化までの一貫したサービスを特徴として1,000社以上に展開して参りました。 近年、IFRSおよび内部統制を契機とした真の企業価値向上が求められる中、グルーバル競争に打ち勝つための コスト削減や経営の更なるスピードアップを実現する「経営とITのプロフェッショナルサービス」を展開しております。 ネットワークセキュリティのコンサルティングサービス 金融業務に関するコンサルティング・システム開発 エンジニアリングイノベイター 医療・福祉機関への総合コンサルティング 人事・総務・経理・ITのアウトソーシングサービス 技術者・専門職の人材総合サービス 協業パートナー 従業員数約5000人、国内外50都市以上に 事務所を有する日本有数の監査法人 世界の4大監査法人の1つ お客様の成長を支える経営とITの総合コンサルティングパートナー

弊社のご紹介 (弊社グループ紹介)

(5)

弊社のコンサルティングおよびソリューションサービスの業務領域は、ほぼ全て業務領域をカバーする実績・実例を 多数有しています。 ソリューション サービス コンサルティング サービス 得意先 EDI 出荷管理 販売管理 (販価管理) 生産管理 在庫管理 原価計算 調達管理 (量産材) 仕入先EDI 調達管理 (間接材) 調達管理 (設備・型) 購買管理 (購入単価管理) 債権管理 債務管理 固定資産管理 財務管理 連結決算 利益管理/ 予算・見通管理 原価管理 投資採算管理 (ライフサイクル管理) 業績評価管理 収益構造管理 (セグメント管理) オペレーション管理業務 マネジメント 管理業務 WEB発注

弊社のご紹介 (弊社のサービス業務領域)

(6)

弊社の方法論である M-SI (Management-Systems Integration)サービスに基づき、改革の目的(業務処理手続の 効率化、決算の早期化、等)を実現するためのコンサルティングサービス、及び、導入支援サービスをご提案

いたします。

弊社のご紹介 (M-SI (Management-Systems Integration)

システム導入 移 行 ・ 稼 働 業務改善 定 着 化 改革方針 教育 要 件 定 義

M-SI (Management-Systems Integration)

 基本構想 : 現状調査・分析をおこない評価するとともに、問題点を抽出・整理します。 整備された問題点に対して、改革方針を策定します。 改革方針の策定とは「実現可能なあるべき姿」を 業務・システム面から定義し、これを実現するための実行計画を立案します。  要件定義 : 基本構想の改善方針・システム化方針を踏まえ、業務改善後の業務の姿を明確にすると共に、 新システムに求められる機能・データ・性能等の要件を定義し、これに合致する最適なシステムを選定します。  業務改善/教育: 基本構想で明らかになった、改善施策を実施します。業務改善はシステム導入と連動して行われます。 規程の整備、管理体系の変更などを実施します。また、新業務の手続きをマニュアル化したり、 改善施策の社内啓蒙活動を行います。  システム導入 : 要件定義にて定められた機能・データ・性能に基づきシステム導入・構築の支援を行います。  移行・稼動 : 業務、システムの両面での移行、特にユーザー/得意先を含め現場に混乱が起きないような移行を実現します。 パッケージ導入 プロジェクト管理 / リスク管理 設計 開発 テスト 基 本 構 想

(7)
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1.消費税法の改正点

平成24年8月22日「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費 税法の一部を改正する等の法律」 (以下、「改正消費税法」という) が公布 【 主な変更点 】

1.消費税収入の使途の明確化

2.消費税率を引き上げ

3.特定新規設立法人に係る事業者免税点制度の不適用制度の創設

4.任意の中間申告制度の創設

5.税率引上げに伴う経過措置の設置

2013年10月1日 安倍内閣総理大臣記者会見 ・ 社会保障を安定させ、厳しい財政を再建するための財源の確保として消費税率を法律で定められたとおり、 現行の5%から8%に3%引き上げると決断 ・ 消費税の円滑・適正な転嫁も大変重要な課題 ・ 消費税収は、社会保障にしか使わないと明言 首相官邸ホームページより抜粋

(9)

1.消費税収入の使途の明確化

国税分の消費税収入は、毎年度、制度として確立された「社会保障4経費」に充てる ① 年金の社会保障給付 ② 医療の社会保障給付 ③ 介護の社会保障給付 ④ 少子化に対処するための施策に要する経費

2.消費税率を引き上げ

現行 2014年4月1日 2015年10月1日 消費税率 4.0% 6.3% 7.8% 地方消費税率 1.0% ( 消費税額の25/100 =0.25 ) 1.7% ( 消費税額の17/63 ≒0.2698 ) 2.2% ( 消費税額の22/78 ≒0.2820 ) 合計 5.0% 8.0% 10.0% 消費税率及び地方消費税率について、次のとおり2段階で引き上げる

1.消費税法の改正点

(10)

3.特定新規設立法人に係る事業者免税点制度の不適用制度の創設

<条件> ① 基準期間(※1)がない法人 ② その事業年度開始の日における資本金の額又は出資の金額が1,000万円未満の法人 ③ 特定新規設立法人(※2)である法人 ※1 課税期間(事業年度)の前々年度の事業年度 = 設立1年目、2年目が該当 ※2 他の会社の子会社(株式等の50%超を直接又は間接に保有される場合)等であり、 他の会社(親会社)の基準期間における課税売上高が5億円を超えている法人 <施策> 基準期間のない事業年度に含まれる各課税期間において、納税義務が免除されない 設立1年目 基準期間 設立2年目 設立3年目 課税期間 資本金等1000万円未満 特定新規設立法人 資本金等1000万円未満 通常の法人 免税期間 免税期間なし=初年度から課税 原則基準期間で判定 原則基準期間で判定

1.消費税法の改正点

(11)

4.任意の中間申告制度の創設

<条件> ① 直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税額を含まない年税額)が48万円以下 (中間申告義務のない事業者) ② 任意に中間申告書(年1回)を提出する旨を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出 <施策> 1年分をまとめて納付することによる資金負担を、納付回数を分散することで軽減する狙いから、 6ケ月中間申告対象期から、自主的に中間申告・納付可能 直前の課税期間の 確定消費税額 <改正前> 中間申告回数 <改正後> 中間申告回数 4,800万円超 年11回 年11回 400万円超 年3回 年3回 48万円超 年1回 年1回 48万円以下 中間申告義務なし 任意の中間申告 (年1回)が可能 ※ 中間申告額は、直前の課税期間の確定消費税額の1/2の額となる。 仮決算を行って計算した消費税額により中間申告・納付することも可能。

1.消費税法の改正点

(12)

5.税率引上げに伴う経過措置の設置

1.消費税法の改正点

(1) 施行日にまたがる取引に適用される経過措置 ① 旅客運賃等 施行日前に料金を領収し、施行日以後に乗車されるものには旧税率を適用 ② 電気料金等 施行日前から継続して供給・提供し、施行日以後1ヶ月以内に検針等で権利確定する ものについては旧税率を適用 (2) 指定日の前日までに譲渡契約等を行った場合に適用される経過措置 ① 請負契約等 指定日(2013年10月1日)前日までに契約締結、施行日以後に引き渡したものについて は旧税率を適用 ② 資産の貸付け 指定日の前日までに契約締結、施行日前から施行日以後引き続き資産の貸付けが 行われるもので、一定の要件を満たすものについては旧税率を適用 ③ 役務提供 指定日の前日までに契約締結、施行日以後に役務提供が行われるもので、一定の要件を 満たすものについては旧税率を適用 ※ 代表的な内容を提示

(13)

2.税率変更に伴う経過措置等の個別論点

(15論点)

(14)

2.税率変更に伴う経過措置等の個別論点

(1) 2014年3月31日に売り上げた商品と2014年4月1日に売り上げた商品に係る消費税率は どうなるか  2014年4月1日(施行日)以降に行われた「資産の譲渡等」に対しては新税率(8%)を適用する。 2014年3月31日売上高 ・・・ 旧税率(5%) 2014年4月 1日売上高 ・・・ 新税率(8%) ! 資産の譲渡等とは 「事業として」「対価を得て」行われる「資産の譲渡」及び「貸付け」並びに「役務の提供」をいう。 消費税法第2条  「資産の譲渡等が行われた」 とは、会社が継続的に採用している収益認識基準による。 出荷基準 検収基準 請求日基準 等 ! 棚卸資産の譲渡を行った日は、その引渡しのあった日 ! 出荷した日、相手方が検収した日、相手方において使用収益ができることとなった日、検針等により販売 数量を確認した日等、当該棚卸資産の種類及び性質、その販売に係る契約の内容等に応じてその引渡 しの日として合理的であると認められる日のうち、事業者が継続して棚卸資産の譲渡を行ったこととして いる日 消費税法基本通達9-1-1、9-1-2

(15)

(2) 収益認識基準を検収基準で行っている会社で、2014年3月31日に出荷した商品が相手方 に4月2日に検収された場合の商品に係る消費税率はどうなるか  検収基準による売上は4月2日となるため新税率(8%)を適用する。 (3) 収益認識基準を検収基準で行っている会社で、毎月20日を請求締切日として請求書を発行 している会社で、2014年4月20日請求書における消費税の記載はどうなるか  旧税率と新税率が混在する請求書となる。 ! 実務的には、3月21日~3月31日分請求書を旧税率で一旦発行し、税率マスタ変更後、4月1日~4月 20日分請求書を新税率で発行し、2枚の請求書により請求する 方法が考えられる。 請求書 (例) 請求明細書 (例) ご請求内容 本体金額 税額 請求金額 ~3月31日分 10,000 500 10,500 4月 1日~分 30,000 2,400 32,400 合計 40,000 2,900 42,900 検収日 検収金額 3月21日 2,000 3月28日 8,000 合計 10,000 検収日 検収金額 4月5日 3,000 4月15日 20,000 4月18日 7,000 合計 30,000

2.税率変更に伴う経過措置等の個別論点

(16)

(4) 3月31日が決算日の法人で、毎年3月20日を決算締切日とし、法人税基本通達2-6-1 《決算締切日》の取扱いを適用している場合、消費税率はどうなるか。 ※ 法人税基本通達2-6-1 商慣習その他相当の理由により、各事業年度に係る収入及び支出の計算の基礎となる決算締切日を継続して その事業年度終了の日以前おおむね10日以内の一定の日としている場合には、これを認める。  原則 2014年4月1日(施行日)で判断 ! 法人税基本通達2-6-1《決算締切日》の取扱いを適用している場合であっても、施行日前に行われ た資産の譲渡等及び課税仕入れ等については旧消費税法が適用され、2014年3月21日から2014年 3月31日までの間に行われる資産の譲渡等及び課税仕入れ等については旧消費税法が適用される こととなる。 なお、継続的に、売上げ及び仕入れの締切日を一致させる処理をしている場合には、2014年3月21日 から2014年3月31日までの間の売上げ及び仕入れについては、2014年4月分の売上げ及び仕入れ として、消費税の申告ができる。 改正法附則2 ~2014年3月20日 2014年3月21日~3月31日 2014年4月1日~  例外 「継続的に」、「売上げ及び仕入れの締切日を一致」させる処理をしている場合に限り 旧税率 (5%) 旧税率 (5%) 新税率 (8%) 新税率 (8%)

2.税率変更に伴う経過措置等の個別論点

(17)

(5) 2014年3月25日に仕入れた商品を、2014年4月4日に販売した場合、この商品の仕入・ 売上に係る消費税率はどうなるか。  商品の仕入は、仕入れた時点での税率を適用する。 2014年3月仕入高 ・・・ 旧税率(5%) 2014年4月売上高 ・・・ 新税率(8%) ! 新消費税法は、経過措置が適用される場合を除き、施行日以後に行われる資産の譲渡等及び課税 仕入れ等について適用される。 施行日の前(2014年3月25日)に仕入れた商品を施行日以後に販売する場合には、販売については 新税率(8%)が適用されるが、商品の仕入については旧税率(5%)が適用されることとなる。 改正法附則2、経過措置通達3 決算書 (3月決算法人) 棚卸資産 100 仕入 100 仮払消費税 5 買掛金 105 2014年3月25日 売上 150 仮受消費税 12 売掛金 162 2014年4月4日 消費税申告書 仕入税額控除 5

2.税率変更に伴う経過措置等の個別論点

平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いについて(法令解釈通達)

(18)

(6) 2014年3月25日に売り上げた商品が、4月4日に返品された。この商品の返品時の 消費税率はどうなるか。 ! 売上げに係る対価の返還等(商品の返品等)については、商品の販売時の税率を適用する。 仕入についても同様 (仕入れた時点の税率を適用)。

2.税率変更に伴う経過措置等の個別論点

 売り上げた時点は、旧税率(5%)を適用しているため、返品時も旧税率(5%)を適用する。 ! 請求書等に返品分を記載する際、旧税率適用分、新税率適用分を分けて表記することが必要。 (7) 2014年3月25日に売り上げた商品105円(税込)と2014年4月5日に売り上げた商品 108円(税込)の売掛債権が、2014年6月になり回収できず、貸倒損失を計上することとなっ た。 この場合の貸倒損失に係る消費税率はどうなるか。 ! 各々売り上げた時点の税率を適用するため、213円の売掛債権を貸倒損失処理した場合、 旧税率(5%)相当額=5円と新税率(8%)相当額=8円の13円が仕入税額控除となる。  売掛債権の残高のうち、各々売り上げた時点の税率を適用する。 ! 売掛債権の残高の内訳として、旧税率適用分、新税率適用分を分けて把握しておくことが必要。

(19)

(8) 2014年3月1日に、同日から1年間のコピー機械等のメンテナンス契約を締結するとともに、 1年分のメンテナンス料を受領した場合、消費税率はどうなるか。  原則 「資産の譲渡等」の時期は、目的物がすべて引き渡した(サービスがすべて提供した)時点 2015年2月28日時点でメンテナンス売上を計上し、新税率(8%)  例外 契約又は慣行で、1年分の対価を収受し、継続して収受時に売上計上している場合 2014年3月1日時点でメンテナンス売上を計上し、旧税率(5%) ! 役務の提供に係る資産の譲渡等の時期は、物の引渡しを要するものにあってはその目的物の全部を 完成して引き渡した日、物の引渡しを要しないものにあってはその約した役務の全部を完了した日とさ れています(基通9-1-5)。 照会の役務の提供は、物の引渡しを要しないものですから、資産の譲渡等の時期は役務の全部を完了 する日である平成27年2月28日となります。 したがって、施行日以後に行う課税資産の譲渡等となりますから、原則として新消費税法(新税率)が 適用されます。 ただし、契約又は慣行により、1年分の対価を収受することとしており、事業者が継続して当該対価を 収受したときに収益に計上しているときは、施行日の前日(平成26年3月31日)までに収益に計上した ものについて旧消費税法(旧税率)を適用して差し支えありません。 平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A (国税庁消費税室)

2.税率変更に伴う経過措置等の個別論点

(20)

(9) 旅客運賃、映画・演劇を催す場所等への入場料金を施行日前に支払い(前売券等)、サービス の提供は施行日後に行われた場合、消費税率はどうなるか。 ! 事業者が、旅客運賃、映画・演劇を催す場所等への入場料金を施行日前に領収している場合において、 当該対価の領収に係る課税資産の譲渡等が施行日以後に行われるときは、当該課税資産の譲渡等に ついては、旧税率を適用。

2.税率変更に伴う経過措置等の個別論点

 経過措置として、旧税率(5%)を適用する。 改正法附則5① (9-1) 回数券を施行日前に購入した場合 (9-2) 施行日前にICカードにチャージした場合 (9-3) プロ野球の年間予約席を施行日前に購入した場合

(21)

(10) 3月分(3月11日~4月10日)の水道料金の検針日(請求日)が4月11日の場合、3月分の 水道料金の消費税率はどうなるか。

2.税率変更に伴う経過措置等の個別論点

 経過措置として、旧税率(5%)を適用する。 ! 事業者が施行日前から継続して供給・提供する電気、ガス、水道水及び電気通信役務で、施行日から 2014年4月30日までの間に料金の支払を受ける権利が確定するものについては、旧税率を適用。 改正法附則5② (10-1) 月々の携帯電話の料金について、基本料(定額)、および、通話料、通信料(通話量 等に応じたもの)を合計して計算、請求している場合 (10-2) インターネット通信料金などで、月々の使用量に関係なく定額料金となっている場合 (10-3) 2か月に1回検針で、2014年3月26日(前回検針日)後の使用量について2014年 5月26日に検針し、使用量及びそれに応じた水道料金が確定した場合  検針期間を月数按分する。 3/26-4/30 ⇒ 2ヶ月 5/1~5/26 ⇒ 1ヶ月 ∴ 5%:8% = 2:1 で按分

(22)

(11) 工事、機械製造、ソフトウェア開発等の請負で、契約締結が2013年9月20日で、引渡しが 2014年5月15日予定の取引の場合、消費税率はどうなるか。(売上計上基準は完成基準)

2.税率変更に伴う経過措置等の個別論点

 経過措置として、旧税率(5%)を適用する。 ! 事業者が、平成8年10月1日から指定日の前日(2013年9月30日)までの間に締結した工事の請負に 係る契約、製造の請負に係る契約及びこれらに類する一定の契約に基づき、施行日以後に当該契約に 係る課税資産の譲渡等を行う場合には、旧税率が適用。 改正法附則5③ (11-2) 上記例で、受注した工事について、2013年12月1日に下請に工事を発注し、 その工事部分の完成が2014年4月10日予定の場合 (11-1) 指定日以後に当該契約に係る対価の額が増額された場合

(23)

(12) 長期大規模な工事、機械製造、ソフトウェア開発等の請負で、契約締結が2013年11月 20日で、引き渡しが2014年6月15日予定の取引の場合、消費税率はどうなるか。 (売上計上基準は工事進行基準)

2.税率変更に伴う経過措置等の個別論点

 2013年3月31日までの売上計上分は、旧税率(5%)を適用する。  2014年4月1日以降の売上計上分は、新税率(8%)を適用する。 ! 法人税法上、工事進行基準が強制適用される長期大規模工事は、 ① 工事の着手の日から目的物の引渡し期日までの期間が1年以上 ② 対価の額が10億円以上 ③ 対価の額の2分の1以上が目的物の引渡しの期日から1年を経過する日後に支払われることが 定められていないもの 法人税法64条 ! 上記条件に該当しない工事等においても、継続的に適用することを条件に、工事進行基準が認められて いる。

(24)

(13) 2013年10月~2018年9月のリース料契約を2013年9月15日に締結した場合、毎月の リース料の消費税率はどうなるか。

2.税率変更に伴う経過措置等の個別論点

 一定条件を満たす場合、経過措置として、契約期間満了まで旧税率(5%)を適用する。 ! 平成8年10月1日から指定日の前日(2013年9月30日)までの間に締結した資産の貸付けに係る契約 に基づき、施行日前から引き続き当該契約に係る資産の貸付けを行っている場合において、当該契約の 内容が次の「①及び②」又は「①及び③」に掲げる要件に該当するときは、施行日以後に行う当該資産の 貸付けについては、旧税率を適用。 ① 当該契約に係る資産の貸付期間及びその期間中の対価の額が定められている ② 事業者が事情の変更その他の理由により、対価の額の変更を求めることができる旨の定めがない ③ 契約期間中に当事者の一方又は双方が、いつでも解約の申入れをすることができる旨の定めがない 貸付資産の取得に要した費用、付随費用の合計額に対し、契約期間中に支払われる額の合計額が 100分の90以上となる契約である 改正法附則5⑧ 平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A (国税庁消費税室)

(25)

(14) 2013年10月~2018年9月のリース料契約を2013年9月15日に締結し、契約書上 「消費税率の改正があったときは改正後の税率による」旨を定めている場合、消費税率は どうなるか。

2.税率変更に伴う経過措置等の個別論点

 契約の文言にかかわらず、経過措置が適用され、旧税率(5%)を適用する 但し、指定日以後に賃貸料を変更した場合には、変更後の資産の貸付けについては経過措置 が適用されず、新税率(8%)を適用する。 ! 「対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと」が条件であるが、「消費税率の改正があった ときは改正後の税率による」旨の定めは、「事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の 変更を求めることができる旨の定め」に該当しないものとして取り扱われる。 ! 経過措置の対象となる資産の貸付けについて、当該資産の貸付けに係る契約における「消費税率の 改正があったときは改正後の税率による」旨の定めに基づき、指定日以後に賃貸料を変更した場合には、 変更後の資産の貸付けについては経過措置の対象とならない。 経過措置通達17、改正法附則5④ただし書 (15) 建物賃貸契約で最初の契約期間を2011年8月~2013年7月(2年)とし、以降2年毎に 自動更新される旨を定めている場合、消費税率はどうなるか。  自動更新により新たな契約が結ばれると考え、自動更新日が指定日以降であれば、 新税率(8%)を適用する。 平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A (国税庁消費税室)

(26)
(27)

3.税率変更に伴う業務へのインパクト

消費税率の変更に伴う業務への最大のインパクトは、「複数税率対応」である。 経過措置により、当面の間、5%税率・8%税率が混在し、また、2015年10月には更に10%税率 が発生する予定である。 さらに、一部生活必需品を中心に複数税率の議論が行われており、複数 税率への対応が必須である。 税率改正が影響するプロセス ②見積通知 【 販売・ 債権管理領域】 ③契約( 受注) ④出荷 ⑤売上( ⑥検収照合 債権) 計上 ⑦請求 ⑧回収 ⑨消込 ⑩残高管理 ①引き 合い ②見積依頼 ③発注承認 ④発注 ⑤検収 ⑥仕入( ⑦検収通知 債務) 計上 ⑧支払承認 ⑨支払 ⑩消込 ⑪残高管理 ①購買依頼 【 購買・ 債務管理領域】 ⑪消費税額の 集計 ⑫消費税額の 集計 :影響が想定されるプロセス  一般的に販売・購買は取引量が多いと考えられるため、具体的には、販売・債権管理領域 および購買・債務管理の業務領域において、税率変更のインパクトが大きい。

(28)

3.税率変更に伴う業務へのインパクト

【 販売・債権管理領域 】 ②見積通知 ・・・ 見積書に記載する消費税率の変更(記載する場合) ③契約(受注) ・・・ 契約書や注文請書に記載する消費税率の変更 ⑤売上(債権)計上 ・・・ 売上高および値引等に係る消費税率の変更 ⑦請求 ・・・ 請求書に記載する消費税率の変更および異なる複数の税率の表示 ⑩残高管理 ・・・ 貸倒れ時の対象債権に係る消費税率の変更および異なる複数の 税率の債権の管理 ⑪消費税額の集計 ・・・ 売上げに係る消費税率の変更および異なる複数の税率の取引高管理 【 購買・債務管理領域 】 ④発注 ・・・ 注文書に記載する消費税率の変更(記載する場合) ⑥仕入(債務)計上 ・・・ 仕入高および値引き等に係る消費税率の変更 1回の請求書に複数税率が含まれる場合の区分 ⑫消費税額の集計 ・・・ 仕入れに係る消費税率の変更および異なる複数の税率の取引高の管理

1.業務領域における課題

(29)

3.税率変更に伴う業務へのインパクト

1.価格設定の検討  税率改定を機に価格転嫁するか、税込価格を据え置いて実質値下げするか、等、価格設定の 戦略について検討  税抜価格を据え置くと増税分が従来の税込価格に上乗せされる。 小売業等で値ごろ感を 狙って1,980円などの価格設定をしている場合、税抜・税込の表示方法と絡めて重要な 検討事項 2.税率変更の設定  適用税率の改定は、資産の譲渡等が行われた日が基点となるが、取引形態によって基点は 異なるため、取引毎に基点を整理して、旧税率から新税率への切り替えタイミングが適正に 行われる仕組みを検討 3.価格表示の変更  請求書、納品書、支払通知書等の対外的資料について、記載されている消費税額(率)の切替  請求期間が施行日をまたぐ場合、一つの請求書上、複数税率を表示

2.課題に対する6つの対応ポイント

(30)

3.税率変更に伴う業務へのインパクト

4.仕訳情報の変更  施行日以降の会計情報を作成するには仕訳情報が新税率を反映したものでなければならない。 そのためには販売情報、購買情報などの上流情報や決算整理仕訳など手動による情報が 新税率に基づいて作成される仕組みの構築(または、マスタの変更)が必要 5. 値引等に係る消費税額の管理  値引き・返品・割戻し・貸倒れ等があった場合、商品の販売等があった日の消費税率で 消費税額を計算しなければならない。 よって、債権(債務)発生時の消費税額(率)を 管理できる仕組みの構築 6. 消費税集計機能の変更  納付消費税額は、取引ごとに生じた消費税額を集計して計算が必要であり、取引ごとの消費 税額(率)を集計できる仕組みの構築  原則、総額表示の義務付により、取引毎に税抜き処理し累計する「積上方式」が認められず、 税込売上を集計し税抜処理する「総額方式」への対応が必要 但し、「税込価格であると誤認されないための措置を講じているときに限り、税抜表示可能」とし、 2017年(H29年)3月31I日まで「積上方式」実質容認

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4.過去の消費税法改正への対応

【 平成15年(2003年)改正 】 (1)事業者免税点制度 適用上限額を課税売上高3,000万円から1,000万円に引下げ。 (2)簡易課税制度 適用上限額を課税売上高2億円から5,000万円に引下げ。 (3)中間申告制度 基準年税額(直前の課税期間の年税額)が6,000万円(地方消費税を含む)を超える事業者の 中間申告納付回数を年3回から年11回に増加。 【 平成16年(2004年)改正 】 (1)総額表示の導入 【 平成24年(2012年)改正 】 (1)免税事業者の要件の見直し 免税事業者の課税売上高が上半期で1,000 万円を超える場合には、その翌期から課税事業者とする。 (2)いわゆる「95%ルール」の見直し 仕入税額控除におけるいわゆる「95%ルール」の適用を課税売上高5億円以下の中小事業者に限定。 (3)還付申告書に係る添付書類の提出義務化 不正還付防止のための内部審査を強化するため、消費税の還付申告書に添付する「仕入税額控除に 関する明細書」の記載内容を充実させた上で、その提出を法令で義務化。 過去の大規模な改正は以下のとおり。 (平成9年(1997年)の税率3%⇒5%変更以降)

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総額表示義務 (消費税法63条) 不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う場合、その価格を表示するときは消費税額(地方 消費税額含む)を合計した価格(総額)を表示しなければならない。 特例 (消費税転嫁対策特別措置法第10条第1項)  消費税率引上げに際し、「消費税の円滑かつ適正な転嫁のため」必要があるときは、現に表示する 価格が税込価格であると誤認されないための措置を講じているときに限り、税込価格を表示する ことを要しない。 (2017年(平成29年)3月31日まで)  但し、できるだけ速やかに、税込価格を表示するよう努めなければならない

4.過去の消費税法改正への対応

総額表示の導入 と 特例の継続 総額表示義務の特例措置に関する事例集 (国税庁)

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<必要な手続き> (1) 「個別対応方式」による控除対象仕入税額の集計を行う場合は 売上を課税売上、非課税売上に区分するとともに、 控除対象仕入税額を ① 課税売上のみに対応するもの(課税) ② 非課税売上のみに対応するもの(非課税) ③ 課税・非課税売上に共通するもの(共通) に取引毎に区分する必要がある。(組織の業務内容に着目し、部署毎に区分する等の方法も可) (2) 「一括比例配分方式」による控除対象仕入税額の集計を行う場合は 売上を課税売上、非課税売上に区分するのみで、控除対象仕入税額の区分は不要 但し、一般的には課税売上のみを事業としている場合が多いため、非課税売上(利息収入等)に 対応する控除仕入税額が少なく、個別対応方式に比べ納税額が増える可能性がある。

4.過去の消費税法改正への対応

いわゆる「95%ルール」(※)を見直し、仕入税額控除におけるいわゆる「95%ルール」の適用を課税 売上高5億円以下の中小事業者に限定 (※) 課税売上割合が95%以上の場合に、課税売上げに対応するものか否かの区分を要せず全額 仕入税額控除を認める制度。

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まとめ

1.改正消費税法の改正ポイント  段階的な消費税率の引き上げ  税率引上げに伴い、各種の経過措置の設置 2.税率変更に伴う経過措置等の個別論点  2014年4月1日(施行日)以降に行われた「資産の譲渡等」に対して新税率(8%)を適用  指定日の前日(2013年9月30日)までの間に締結した工事、機械製造、ソフトウェア開発等 の請負契約で、施行日以後に当該契約の引き渡しが行われる場合、旧税率を適用  契約又は慣行により、1年分の対価を収受することとしており、事業者が継続して当該対価を 収受したときに収益に計上しているときは、旧税率を適用可能 3.業務インパクトに対する6つの対応ポイント ① 価格設定の検討 ② 税率変更の設定 ③ 価格表示の変更 ④ 仕訳情報の変更 ⑤ 値引等に係る消費税額の管理 ⑥ 消費税集計機能の変更

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出典

 消費税法  消費税法施行令  消費税法施行規則  消費税法基本通達  平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の 取扱いについて(法令解釈通達) (平成25年3月25日) 国税庁  平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の 取扱いQ&A (平成25年4月) 国税庁  総額表示義務に関する特例の適用を受けるために必要となる誤認防止措置に関する考え方 (平成25年9月10日) 財務省  総額表示義務の特例措置に関する事例集 国税庁  課税の適正化について(平成23年12月14日) 財務省

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参照

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