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債務控除できるもの できないもの 1. 概要相続税の申告で 債務控除できるものや葬式費用には 被相続人名義の銀行借入金や未納の所得税等の公租公課 未払医療費等のいわゆる債務の金額 葬式費用が挙げられます ( 相法 13) 斎場へのタクシー代や式後の飲食代なども含みますが 通常必要とされる範囲内とされ

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債務控除できるもの、できないもの 相続税の 3 年以内取得費加算の特例

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債務控除できるもの、できないもの

1.概要 相続税の申告で、債務控除できるものや葬式費用には、被相続人名義の銀行借入金や未納の所得税等の公租 公課、未払医療費等のいわゆる債務の金額、葬式費用が挙げられます(相法 13)。斎場へのタクシー代や式後の飲 食代なども含みますが、通常必要とされる範囲内とされ支出の証明として領収書が必要です。保証債務は相続の時 点で確定していないため、たとえ会社が債務超過の状態でも債務控除出来ません。また、遺産分割訴訟の際の弁護 士費用や遺言執行費用・相続税申告のための税理士費用・不動産の測量費用等は債務控除の対象とされていませ ん。遺産分割を争う弁護士費用は、譲渡所得の取得費にもなりません(東京地裁 平成 22 年 4 月 16 日判決)。 2.債務控除できるもの ①被相続人名義の借入金、未払金 ④未払医療費 ②葬式費用 ⑤連帯債務 ③準・確定申告の所得税、消費税、固定資産税 3.債務控除できないもの ①保証債務、連帯保証債務(相基通 14-3) ②遺言執行費用、遺産分割の紛争解決に必要な訴訟費用、弁護士費用 →相続人が負担すべきもので被相続人の債務ではないからです(国税不服審判所 平成 1 年 12 月 27 日裁決事例) ③墓地、墓石、香典返し費用、法要代(事前に墓地墓石を購入しておくと、相続税の計算が有利になります) ④団信生保でカバーされるマイホームローンやアパマンローン(国税不服審判所 昭和 63 年 4 月 6 日裁決事例) ⑤訴訟中の債務→故人が株主代表訴訟の被告として訴えられている場合等 裁判で負けて相続人の負担となれば相続税の更正の請求が出来ます 被相続人を被告とする訴訟について、相続税申告後に敗訴が確定した場合には判決が確定した日から 2 ヶ月以 内に更正の請求をすれば救済されます(通則法 23②)。株主代表訴訟等の場合も、貸し金請求などの通常の訴訟の 場合と同様に訴訟開始時点において存在した債務であることが判決によって確認されます。 4.保証債務特例と相続税の債務控除の関係 個人の経営していた会社の借入金は、返済見込みが無い場合は相続人が債務控除できます。そして個人財産の 不動産を処分して、保証債務特例を適用することも出来ます。理論的には矛盾していますが、相続税と所得税の計 算でダブル適用できます(所基通 64 の 5-3)。

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相続税の 3 年以内取得費加算の特例

1.概要 経営者の場合は相続税の資金負担が多額となるため、延納や物納の制度が用意されています。実務では手元資金 の不足から、相続人が相続したマンション等の不動産を納税資金のために売却することが多々あります。たとえば、 相続人が相続によって取得した土地を売却したとします。ただし、相続した土地を売却すると、通常はその売却益に 対して所得税(譲渡所得+住民税)が課税されます。 土地の売却益=売却代金-(取得費※1+譲渡費用) 長期譲渡所得税=土地の売却益×20%…(所得税 15%+住民税 5%) つまり、相続税の納税資金のために売却した土地の売却益 2 割に相当する譲渡所得税を払うことになります。これ では不動産の売却額で相続税を納付しようとしても、所得税負担により相続税の納税資金が不足します。更にまずい 事に税務上の取扱は、相続や贈与で取得した財産の取得時期や取得価額は前の人のものを引き継ぐ事になってい ます。つまり、売却予定の不動産や有価証券の簿価ははるか大昔の取得、購入金額になります。これではあまりに相 続人に酷なので、「相続税の取得費加算」の特例制度を設けて所得税を減らせるようになっています。相続した不動 産の相続税は、原則的には売却する際の取得費や譲渡費用には算入出来ません。この特例は、文字通り自分が支 払った相続税を取得費に加えて譲渡所得を計算して売却益=所得税を減らせるというものです。 土地の売却益=売却代金-(取得費※1+相続税の取得費加算額+譲渡費用) ※1 取得費は相続不動産の場合は被相続人の取得価額を引き継ぎますが、不明の場合は譲渡対価の 5%にできます(措置法 31 条の 4、措置通 31 の 4-1)。 多額の相続税がある人は、売却益がなくなり所得税が 0 となることもあります。売却する資産は相続した土地建物の 他に上場株式、ゴルフ会員権でも適用可能です。また、相続税額が納付済でも 3 年以内の売却ならば譲渡所得税を 安くすることができます。更に物納した場合でもこの特例を利用出来ます。 2.主要な適用要件 相続又は遺贈により取得した財産を売却すること (贈与や元から自分名義で所有していたものは不可) 相続時精算課税制度で贈与されたものは特例適用可能、相続開始前 3 年以内に被相続人から贈与されたものも可 相続税額を負担していること (相続税額のないケースでは不可) 相続発生日から 3 年 10 ヶ月内に財産を売却すること (5 年後 10 年後では不可、相続税の申告期限前でも利用できます) 相続財産全体ではなく、相続人ひとり毎に計算します

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相続税の取得費加算の計算式は、具体的には以下の通りです。 A : 相続または遺贈により取得した土地等の譲渡 →相続等した全ての土地等に対応する相続税額を取得費加算できます 取得費加算額=譲渡人の確定相続税額×{土地等の合計額/課税価格(債務控除前)} B : A 以外の場合 →譲渡した資産等に対応する相続税額だけを取得費加算できます 取得費加算額=譲渡人の確定相続税額×{その資産の価額/課税価格(債務控除前)} この計算式の分母はプラスの相続財産だけで計算し、借入金等のマイナスの債務は控除しないで計算します(債 務控除前)。 3.設例1 同額の相続税対象となる財産を取得した長男と次男の二人がいたとします。長男は、財産 6 億円と債務 1 億円を 相続しました。一方、次男は財産 5 億円だけを相続したとすると、それぞれの課税価格(債務控除後)は同額の 5 億 円となります。しかし、この特例の計算では分母について長男は債務控除前の 6 億円、次男は 5 億円で計算するため、 取得費加算額は次男の方が多くなります。このことより、次のことがわかります。 →取得費加算の特例適用(相続財産の売却)を検討している相続人は、債務はなるべく相続しない方が有利 4.設例2 次男が相続した財産 5 億円の内訳明細は、梅田土地 2 億円、難波土地 2 億円、上場株式 1 億円であったとします。 次男の相続税額が 1 億円だった場合に、梅田土地を売却した場合は A に該当するので、取得費加算金額=1 億円 ×4 億円/5 億円=8,000 万円です。しかし、上場株式を売却した場合は B に該当するので取得費加算金額=1 億 円×1 億円/5 億円=2,000 万円となります。この特例の計算の特徴は実際に売却した土地以外の土地の相続税も 加味されるからです。このことより、次のことがわかります。 →売却益(=所得税)が多額になりそうな場合は、土地の一部を売却した方が有利

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5.この特例を適用する確定申告に必要な添付書類 相続税確定申告書のコピー 相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書 譲渡所得の内訳書 (確定申告書付表兼計算明細書[土地・建物用]) 物納許可通知書(物納した土地等がある場合) 相続税物納申請書と相続税物納申請書別紙「物納財産目録」 (物納申請中の土地等がある場合) 相続財産を譲渡した場合の相続税額の取得費加算の特例チェックシート・措法 39 6.すぐに不動産等を売却できない場合の工夫 景気の悪い場合や土地の立地条件が良くないと、納得できる価格で売却できないリスクがあります。引き合いや買 い手がなかなか現れない場合は、親族や自社に土地を買い取らせるという工夫ができます。そうすれば、土地の簿価 をUP出来るので、将来の第2次売却時点での売却益を減少させることができます。申告期限から 3 年以内に売却が できなければ、この特例が使えません。この特例の制限である申告期限から 3 年を経過する日までがポイントです。こ の措置法 39 条の取得費加算の特例には、「親族間の売買には適用出来ない」という各種の譲渡所得の特例にある 制限・条件がありません。資金を銀行借入で調達しても、親族や自社に時価相場で第1次売却すればじっくりと第2 次売却交渉に取り組むことが出来ます。親族間第1次売買で相続税の取得費加算額を消費して、将来の第2次売却 時点での簿価を高めておくことが譲渡所得の軽減につながります。

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本レターに掲載している情報は、一般的なガイダンスに限定されています。この文書は、個別具体的ケースに対する会計・税務のア ドバイスをするものではありません。会計上の判断や税法の適用結果は、事実認定や個別事情によって大幅に異なることがありえます。 また、解説の前提となる会計規則や税制が変更されている可能性もあります。実際に企画・実行される場合は、当事務所の担当者にご 確認ください。

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