AN8032
アクティブフィルタ制御用IC
■ 概 要
商用電源から各種電子機器に電力を供給する際 に , 電力線に発生する高調波歪によって , 電力設備 や他の電子機器に障害を与える可能性があります。 高調波歪対策の一手段として , アクティブフィル タを用いた方法があります。 AN8032は, アクティブフィルタを簡単に構成でき るように制御機能および保護機能を 1 パッケージに まとめたモノシリック IC で, 照明機器等の高調波対 策に最適です。■ 特 長
• 自励式ピーク電流モードを採用 • 軽負荷時に発生する過電圧を防止する, 過電圧保 護回路を内蔵 • 乗算器, 誤差増幅器のダイナミックレンジを拡大 したため, 定数設定が容易 • 安全規格のショート試験に対応するため, 過電圧 保護端子を独立に設定 • パワーMOSFETが直接駆動可能な, トーテムポー ル出力回路を採用 • パワーMOSFET動作時のオン抵抗を保証する, 低 電圧保護回路を内蔵 • 自動スタートを可能にする, タイマ回路内蔵■ 用 途
• 照明機器, スイッチング電源■ ブロック図
SIP009-P-0000C 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0.3+0.1 –0.05 23.3±0.3 6.0±0.3 2.4±0.25 3.3±0.25 1.5±0.25 0.5±0.1 2.54 1.5±0.25 1.4±0.3 3.0±0.3 30 ° Unit : mm VCC Under voltage clamper 9 VB VBTH VREF 10 V/8 V 2.5 V 2.5 V 2.6 V Current comp. Error amp. OVP comp. U.V.L.O. comp. 6 CS 1 EI 4 MPI 2 EO 3 GND 7 Over voltage clamper One shot Timer Drive Multiplier 2.5 V OVP 5 VOUT 8保
守
廃
止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
■ 端子説明
Pin No. 記号 説明 1 CS コンパレータ入力端子 2 MPI 乗算器入力端子 3 EO 誤差増幅器出力端子 / 乗算器入力端子 4 EI 誤差増幅器反転入力端子 5 OVP 過電圧検出端子 6 VB トランスリセット検出端子 7 GND 接地端子 8 VOUT 出力端子 9 VCC 電源電圧端子 注 ) * : 動作周囲温度および保存温度の項目以外はすべてTa= 25°Cとする。■ 絶対最大定格
項目 記号 定格 単位 電源電圧 VCC 35 V CS許容印加電圧 VCS − 0.5 ∼ +7 V MPI許容印加電圧 VMPI − 0.5 ∼ +7 V EI許容印加電圧 VEI − 0.5 ∼ +7 V 出力許容電流 IO ±150 mA ピーク出力電流 IOP ±1 A VB許容流入電流 IBI +5 mA VB許容流出電流 IBO −5 mA 許容損失 PD 874 mW 動作周囲温度 * T opr −30 ∼ +85 °C 保存温度 * T stg −55 ∼ +150 °C■ 推奨動作範囲
項目 記号 範囲 単位 電源電圧 VCC 0 ∼ 34 V■ 電気的特性 T
a= 25°C
項目 記号 条件 最小 標準 最大 単位 誤差検出帰還しきい値電圧 1 VEITH1 2.35 2.50 2.65 V 誤差検出出力 L 電圧 VEOL IEO= 0 mA, VEI= 5 V 1.0 1.6 V 誤差検出出力 H 電圧 VEOH IEO= 0 mA, VEI= 0 V 5.0 5.7 V 誤差検出入力バイアス電流 IEI VEI= 0 V − 0.3 −1.0 µA 誤差検出出力供給電流 IEO VEI= 0 V, VEO= 1 V 0.25 0.50 0.75 mA保
守
廃
止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
■ 電気的特性(つづき) T
a= 25°C
項目 記号 条件 最小 標準 最大 単位
乗算器入力 D レンジ(上限) VMPIH VEO= 5 V 4.0 4.5 V
乗算器出力 D レンジ(上限) VMPOH VEO= 5 V 4.8 5.4 V
乗算器利得 GMP 1.0 1.2 1.4 1/V
乗算器入力バイアス電流 IMPI VMPI= 0 V −1.5 −3.0 µA
巻線検出入力しきい値電圧 VBTH 1.2 1.5 1.8 V 巻線検出ヒステリシス幅 dVB 50 100 200 mV 巻線検出 H クランプ電圧 VBH IB= 5 mA 7.0 7.5 8.0 V 巻線検出 L クランプ電圧 VBL IB= −5 mA − 0.3 − 0.2 0 V 電流検出入力オフセット電圧 VCSOFF 3.5 15 mV 電流検出入力バイアス電流 ICS VCS= 0 V − 0.5 −2.0 µA 過電圧検出入力しきい値電圧 VOVP 2.45 2.60 2.75 V VOVP− VEITH1 70 100 130 mV 出力 L 電圧 VOUTL IOUT= 100 mA 0.9 1.5 V 出力 H 電圧 VOUTH IOUT= −100 mA 9.2 10.2 V スタンバイ時出力電圧 VOUTSTB IOUT= 10 mA 0.8 1.5 V U.V.L.O.起動電圧 VCCST 9.2 10.0 10.8 V U.V.L.O.停止電圧 VCCSP 7.0 8.0 9.0 V U.V.L.O.起動 − 停止電圧差 dVCC dVCC= VCCST− VCCSP 1.75 2.00 2.50 V スタンバイ電流 ICCSTB VCC= 7 V 40 80 120 µA 無負荷時動作電流 ICC VCC= 12 V 6.0 10.0 mA • 設計参考資料 注 ) 下記特性は設計上の参考値であり , 保証値ではありません。 項目 記号 条件 最小 標準 最大 単位 誤差検出帰還しきい値電圧 2 VEITH2 Ta= −25°C ∼ +85°C 2.3 2.7 V 誤差検出開ループ利得 GAV 85 dB 誤差検出ゲインバンド幅 fBW 1.0 MHz 乗算器入力 D レンジ(下限) VMPIL VEO= 5 V 0 V 乗算器出力 D レンジ(下限) VMPOL VEO= 5 V 0 V 電流検出 − 出力遅延 tdCS 200 ns 過電圧検出 − 出力遅延 tdOVP 500 ns 出力立ち上がり時間 tr VCC= 12 V, VOUT= 10% → 90% 50 ns 出力立ち下がり時間 tf VCC= 12 V, VOUT= 90% → 10% 50 ns タイマ遅延時間 tdTIM 400 µs
保
守
廃
止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
■ 端子等価回路
Pin No. 等価回路 説明 I/O
1 CS : I パワー MOSFET に流れる電流値を検出する コンパレータの入力端子。 乗算器の出力レベルと , CS 端子から入力さ れるパワー MOSFET の電流値とを比較し , 後者が前者よりも大きくなると VOUTを "L" にしてパワー MOSFET を遮断する。 2 MPI : I 乗算器の入力端子。 AC入力電圧が全波整流された後の電圧をモ ニタする。 3 EO : O 誤差増幅器の出力端子 / 乗算器の入力端子。 誤差増幅器は, アクティブフィルタの出力電 圧を監視してその誤差分を増幅し, 乗算器に 出力する。したがって , 本端子は乗算器のも う一方の入力端子でもある。 4 EI : I 誤差増幅器の反転入力端子。 非反転入力端子は, IC内部の基準電圧(2.5 V typ.)が入力されている。 5 OVP : I 過電圧検出端子。 出力電圧を検出して , パワー MOSFET を遮 断する機能を持つ, 過電圧保護機能の入力端 子。 1 ∼ 7.1 V 高速コンパ レータへ 2 ∼ 7.1 V ∼ 7.1 V ∼ 7.1 V 3 誤差増幅器 出力 乗算器 入力 ∼ 7.1 V 4 ∼ 7.1 V 誤差増幅器 入力 5 ∼ 7.1 V ∼ 7.1 V 過電圧保護 入力
保
守
廃
止
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■ 端子等価回路(つづき)
Pin No. 等価回路 説明 I/O
6 VB: I トランスリセット検出端子。 トランスの副巻線と抵抗を介して接続され, ト ラ ン ス の リ セ ッ ト を 検 出 し て パ ワ ー MOSFETをオンさせるトリガ信号を送る。 トランスの巻線信号が電流として入力され るため, 誤動作防止に上下限電圧をクランプ する回路が内蔵されている。 7 GND : 接地端子。 制御系とパワー系の接地が本端子で共用さ れている。 8 VOUT: O 出力端子。 パワーMOSFETのゲートを直接駆動できる。 9 VCC : 電源電圧端子。 パワー系の電源電圧端子と信号系の電源電 圧とを内部ワイヤで 1 つの端子としてまと めており, 共通インピーダンスを極力低減さ せている。 電源電圧を監視して , 起動 / 停止の動作しき い値を持つ。 ∼ 7.1 V 6 上限電圧 クランプ 下限電圧 クランプ VB コンパレータ 入力 ∼ 7.1 V PVCC 7 パワー系GND 信号系GND 9 8 VB 上限電圧 クランプ パワー MOSFET 駆動部 9 内部バイアス ( ∼ 7.1 V) U.V.L.O.
保
守
廃
止
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■ アプリケーションノート
[1] SIP009-P-0000C パッケージの許容損失 PD Ta 許容損失 P D (mW) 0 0 25 150 周囲温度 Ta (°C) 50 7585 100 125 100 200 300 400 500 600 700 800 874 900 1 000 パッケージ単体 Rth( j−a)= 143 °C/W PD = 874 mW (25 °C) [2] 動作説明 1. 通常制御 1) アプリケーション概要 AN8032の標準アプリケーションは , 図 1 に示すように 100 V 系もしくは 200 V 系の商用電源を 整流した電圧(図中 A)を入力し , 400 V の DC 電圧(図中 B)を出力する昇圧チョッパ回路である。 この時入力電圧に比例した入力電流が流れるように制御する(図中 C, D 参照)。 出力電圧に 400 V を選んだのは , ワールドワイド入力電圧時に , 部品の耐圧と , 昇圧チョッパの 動作限界(入力電圧 > 出力電圧)を考慮したためである。 図 1. アプリケーション概要説明 入力電圧に比例した 入力電流が流れる 昇圧チョッパ回路 アクティブフィルタ 0 A D.入力電流(IIN) 0 V C.入力電圧(VIN) 商用電源(AC) 0 V A.整流後の電圧(EIN) EIN(max) 0 V B.出力電圧(EOUT) 400 VDC EOUT EIN SBD IIN VIN ダイオード ブリッジ AN8032 出力 昇圧回路なので, EIN(max) < EOUTに設定 負荷 入力保
守
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止
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■ アプリケーションノート(つづき)
[2] 動作説明(つづき) 1. 通常制御(つづき)
2) 制御概要説明(図 2, 図 3 参照) (1) 入力電圧(EIN)検出
チョッパ回路の入力電圧(EIN)を外部抵抗で分割した電圧が, AN8032 の乗算器入力端子(MPI
端子)へ入力される。 (2) 出力電圧(EOUT)検出
チョッパ回路の出力電圧(EOUT)を外部抵抗で分割した電圧が , AN8032 の誤差増幅器(非反転
入力端子(EI 端子)に入力)で増幅され , もう一方の乗算器入力(EO 端子。誤差増幅器の出力と共 通になっている)に入力される。 (3) 入力電圧と出力電圧との乗算 乗算器に入力された信号は掛け合わされ , 乗算器から出力される。この出力がチョッパ回路 の入力電圧および出力電圧両方を監視する信号である。 図 2. 通常制御動作説明 MPI 入力電圧 EI 入力電圧 乗算器出力 (MPO)電圧 トランスリセット 電圧検出(VB) 0 V 0 V ∼ 2.5 V typ. 0 V 時間 0 V 時間 拡大 時間 時間 0 V 時間 パワーMOSターンオフ VB下限電圧(IC内部で規制) パワーMOSターンオン = バイアス巻線電圧発生 トランスのリセット動作 = バイアス巻線電圧反転 VB下限電圧(IC内部で規制) 乗算器出力(MPO)電圧 パワーMOSFET電流検出(CS)電圧 パワーMOSターンオフ (4) スイッチング素子電流 スイッチング素子(パワー MOSFET)に接続された電流検出抵抗(パワー損失を考えて , 低抵 抗が選ばれる)に発生する電圧を CS 端子で検出する。 (5) スイッチング素子のターンオフ CS端子電圧と乗算器出力電圧とを電流検出コンパレータで比較。CS端子電圧が乗算器電圧よ りも高くなると , 電流検出コンパレータは RS ラッチ回路にリセット信号を送り , スイッチン グ素子をターンオフさせる。 (6) 出力電流の供給 スイッチング素子がターンオフするとトランスに流れていた電流がカットオフされるため , インダクタの慣性電流でダイオードを導通させ, チョッパ回路の出力(EOUT)に電流を供給する。
保
守
廃
止
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■ アプリケーションノート(つづき)
[2] 動作説明(つづき) 1. 通常制御(つづき) 2) 制御概要説明(図 2, 図 3 参照) (つづき) VCC 下限電圧 クランプ 9 VB VBTH VREF 10 V/8 V 2.5 V 2.5 V 2.6 V 6 1 4 MPI 2 3 GND 7 入力電圧 モニタ 上限電圧 クランプ ワン ショット 低電圧保護 ラッチ回路 過電圧検出 電流検出 コンパレータ 誤差増幅 タイマ 駆動 乗算器 パワーMOSFET 図 3. ブロック図と通常動作説明 電流検出抵抗 パワーMOS → Off パワーMOS → On 2.5 V EIN EO 5 EOUT SBD VOUT OVP CS EI 8 ターンオン信号 ターンオフ信号 (7) トランスのリセット信号(VB)検出 トランスや励磁エネルギを放出してインダクタの慣性電流がなくなると , トランスは部品や 基板の寄生C値とインダクタのL値で決まる周波数で共振を始める。この動作を, トランスに巻 いた副巻線を通じて VB端子で検出する。 (8) スイッチング素子のターンオン 共振によって副巻線の電圧がHからLに振れるタイミングでスイッチング素子にターンオン 信号を送る。 (9) 動作の継続 スイッチング素子がターンオンするとインダクタに電流が流れ , 以下同様の動作が繰り返さ れる。 <まとめ> • インダクタの励磁エネルギがなくなって, 自由共振を開始する時にスイッチング素子がターンオ ンする。• チョッパ回路の入力電圧(EIN)と出力電圧(EOUT)とを乗算した結果とスイッチング素子電流とが
交差する時ターンオフする。 • 入力電圧および負荷電流の変動には, スイッチング素子電流のピーク値の高さを変えて制御する。 • 乗算器を使用して2つの信号を混合する目的は, 制御系の安定を図る。 部品点数の削減。
保
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止
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図 4. VB端子説明 0 V パワーMOSFET VB端子入力電圧 VBTH (1.5 V typ.) OFF ON OFF
■ アプリケーションノート(つづき)
[2] 動作説明(つづき) 1. 通常制御(つづき) 3) 各機能の説明 (1) VB • 働き インダクタの励磁エネルギの放出(リセット動作)を検出して , 次周期にパワー MOSFET をオ ンさせる。 • 方法 インダクタのリセット時は , インダクタに巻いた副巻線(バイアス巻線)が自由共振を始める が , この電圧を IC に直接入力することは , 耐圧の関係上難しい。そこで , 本IC では抵抗を介して VB端子に入力する。 • 上限電圧クランパの役目 VB端子電圧の耐圧オーバによる破壊を防止する。 • 下限クランパの役目 VB端子が負電圧に振れることによる誤動作から守るため。(一般にモノシリック IC では , 端子 電圧が−VBE以下になると寄生素子が働いて , 誤動作(ラッチアップ等)が起きる。) • IC内部 VB端子電圧は IC 内部でヒステリシス付きのコンパレータに入力される。したがって , VB端子 電圧がしきい値以下であればパワー MOSFET はオンとなる。 ただし, 過電圧保護機能によってパワーMOSFETにオフ信号が出ていれば, こちらが優先され る。 ID SDB VB下限電圧 クランプ電流 VB上限電圧 クランプ電流 クランプ 上限電圧 時間 時間 下限電圧 クランプ 上限電圧 クランプ VB VB関値 VB VCC AN8032 GND 図 5. VB動作説明 VB ID IDS IDS クランプ上限電圧 インダクタの リセット動作保
守
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■ アプリケーションノート(つづき)
[2] 動作説明(つづき) 1. 通常制御(つづき) 3) 各機能の説明 (1) VB (つづき) <VB端子定数の設定> • クランパ流入・流出電流値による規制 上限電圧クランパの許容出力電流は−5 mA, 下限電圧クランプの許容入力電流は +5 mAである。この許容値を超えると, VB 端子の電圧クランプ動作は保証されない ので, この許容値を超えないようにRBを設 定する。 • 消費電流と遅延 RBの値が大きすぎるとVBのしきい値を 切れない場合がある。また , 小さすぎると 消費電流が多くなってしまう。 RBの値を決定するには, 入力電圧範囲や 部品のばらつきを考慮したうえで, 起動時/ 過負荷時や軽負荷時などでも安定した動 作が行われるかどうか, 確認をとる必要が ある。 • ゼロクロススイッチング パワー MOSFET のターンオン時の損失 を抑えるために, ターンオン時に部分共振 を使って, ゼロクロススイッチングを実現 させることができる。 パワー MOSFETのドレイン ソース間 に共振容量 CPを接続し , 1 次側のトランス インダクタンスLPとで, トランスの蓄積エ ネルギ放出後に共振させる。共振が起きて , パワー MOSFET のドレイン電圧が 0 V 近 くにまで下がったタイミングで次のター ンオンが起きるように, VB端子に遅延用の コンデンサを接続する。 ただし , この遅延量は入力電圧等の条件 で変動するためゼロクロス条件がずれる ので , 注意が必要である。 AN8032 ±5 mA以下 VB RB RB大の場合 : 消費電流は少ないが, スピードが 遅いため, TOFFが遅延分だけ伸びる。 RB小の場合 : スピードは速いが, 消費電流が 多く, アンダシュートが出やすい。 AN8032 共振コンデンサ 遅延容量 L P RB A B VOUT VB CB CP 遅延 パワーMOSFET パワーMOSFET On Off LP−CPによる共振 ゼロクロス スイッチング VBTH 0 V B点電圧 0 V A点電圧保
守
廃
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■ アプリケーションノート(つづき)
[2] 動作説明(つづき) 1. 通常制御(つづき) 3) 各機能の説明 (2) CS パワー MOSFET オン時の電流を検出する端子。 パワー MOSFET オン時に流れる電流は, インダクタに流れる電流と等価なので , この電流の ピーク値をコントロールすることによって , 必要電力値を制御する。 この端子の入力 D レンジは 0 V ∼ 5 Vである。ただし , パワーMOSFET電流を検出する抵抗を 大きくすると損失が大きくなるので , S/N との兼ね合いを考えて 0.22 Ω ∼ 0.47 Ω程度が目安と なる。 また , パワー MOSFET 検出抵抗には , ターンオンやターンオフ時に , パワーMOSFET やトラ ンス , プリント配線などが持つ寄生容量への充放電電流が流れ , これがノイズとなって誤動作 の原因となるため , フィルタを組んでこのヒゲ成分を取り除く必要がある。 (3) MPI AC入力電圧をモニタする端子。全波整流後の入力電圧を抵抗分割した電圧を入力する。 乗算器の入力 D レンジは 0 V ∼ 4.5 V typ., 出力Dレンジは0 V ∼ 5.4 V typ.である。 (4) EI/EO アクティブフィルタの出力電圧抵抗分割後 EI に入力する。 EIは誤差増幅器の反転入力で , 非反転入力は温度補償された基準電圧(2.5 V typ.)が入力され ている。 誤差増幅器では , 出力電圧と基準電圧との誤差分を増幅後 , 乗算器に出力する。 EI EO間に接続する抵抗は, 誤差増幅器の利得を決めるものである。 アクティブフィルタの出力電圧をEIの入力Dレンジにまで下げるための抵抗分割は, 出力電 圧が高いので損失を抑えて小型の抵抗を使おうとすると , 抵抗値が高くなってしまう。 このため, EIとEOの間に入れる位相補償用の容量が大きいと, 高抵抗の抵抗分割との間の遅 延要素が大きくなり , 負荷急変時の特性(オーバシュートやアンダシュート)が悪くなってしま うので注意が必要である。 したがって , 位相補償容量の値は , 発振が防止できる最小の値を選択すること。 図 6. CS端子説明 ICS VB フィルタ 寄生容量 ヒゲ 0 A ヒゲ EO 基準電圧 (2.5V typ.) 出力 利得を決める抵抗 誤差増幅器 乗算器へ 4 3 EI 図 7. EI/EO端子説明 SBD 位相補償容量保
守
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[2] 動作説明(つづき) 1. 通常制御(つづき) 3) 各機能の説明 (5) VOUT 駆動回路は , パワー MOSFET が直接駆動可能なトーテムポール型を採用している。ピーク出 力電流は±1 Aなので, TO-220クラスのパワーMOSFETなら駆動可能である。TOP-3クラスでは 能力が不足するので , 外部でバッファ回路を組む必要がある。 また , パワー MOSFET はドレイン ゲート間に持つ寄生容量のために, ターンオフ時に一 瞬マイナスに振れる。このために誤動作が起こることもあるので , 必要に応じてショットキー バリア・ダイオードを VOUT GND間に挿入すること。 (6) VCC 出力以外の電源電圧供給端子。U.V.L.O.は, この VCC電圧に従う(U.V.L.O. の特性を右図 に示す)。 <VCCの与え方の注意 > • 副巻線からバイアスを与える方法 起動電圧は 10 V typ., 停止電圧が 8 V typ.と , 起動と停止電圧の差が 2 V typ. しかないので , 右図中の C1 の値を大きく取らないと, 起動し にくくなるので注意が必要。 • 起動抵抗の抵抗値は, 起動時電流(650 µA)が供 給できるよう設定してください。 • 別電源からバイアスを与える方法 蛍光灯インバータ回路などの場合は, 別途電 源をもっているので , そちらから与える。 図 8. VOUT端子説明 GND PVCC 負電圧に振れる 0 V 寄生容量 VOUT トーテムポール 型 出力回路 パワー MOSFET 0 V 容量結合 VG VG VD Off On VD 蛍光灯インバ ータ回路部へ VCC GND C1 AN8032 VOUT 起動抵抗 R1 VCC GND C1 AN8032 U.V.L.O.特性 ICC VCCV 0 8 10 IC動作保
守
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■ アプリケーションノート(つづき)
[2] 動作説明(つづき) 1. 通常制御(つづき) 3) 各機能の説明 (6) VCC (つづき) <VCCの干渉について > AN8032では , パワー系の電源電圧供給ラインと , 信 号系の電源電圧供給ラインとをICのチップ上では別々 に取り , パッケージのピンにワイヤリングする際にひ とつにする , という手法を取っており, これにより 2 つ の電源ライン間の干渉を抑えている。 同様の手法は, GNDラインについても行われている。 ただし , 上記の手法を取ったからといってノイズに よる誤動作がまったくなくなるわけではないので , 従 来どおりパワー MOSFET の駆動電流が流れる経路は , パターン配線を極力短くとり , 駆動系のノイズの回り 込みを抑えること。 2. 保護回路 1) タイマ 本ICの制御では, スイッチング素子に最初のオンが入らないとチョッパ回路が起動しない。また , なにかの異常でスイッチング素子のターンオンタイミングを逃すと , チョッパ回路が再起動しな くなる。 そこで本 IC では , タイマ回路を内蔵し , チョッパ回路が停止すると起動パルスを約 400 µs (typ.) に一回の周期で発生させるため , 外部対策部品を不要にしている(図 9 参照)。 ただし , チョッパ回路の出力上昇を防止するため , 過電圧保護動作時に限りタイマ回路は動作し ない。 R2 PVCC VOUT GND R1 トーテムポール型出力回路 ターンオン時 駆動電流 ターンオフ時 駆動電流 図 9. タイマ動作説明 起動時 0 V 時間 0 A 時間 400 µs typ. 入力電圧 タイマ トリガ信号 (IC内部の信号) 入力電圧印加 動作スタート パワーMOSFET電流 異常停止時 入力電圧 タイマ トリガ信号 (IC内部の信号) 異常停止 パワーMOSFET電流 ワンショットパルス スタート 0 V 時間 0 A 時間 400 µs typ. ワンショットパルス タイマスタート 再スタート保
守
廃
止
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■ アプリケーションノート(つづき)
[2] 動作説明(つづき) 2. 保護回路(つづき) 2) 過電圧保護 (1) 過電圧の原因 昇圧チョッパ回路では , 負荷電流がゼロになると入力パワーもゼロになるように制御される が , 実際には入力パワーはゼロまで絞りきれず , 出力電圧は制御を外れて上昇してしまう。 この原因は, スイッチング素子のターンオンからターンオフまで遅延時間が存在するため, ス イッチング素子の動作を止める制御ができないためである(図 10 参照)。 この問題を防止するため , 本 IC では , 過電圧保護回路を内蔵し , 外部部品点数を大幅に抑え ている。 (2) 過電圧保護動作説明 本ICでは, 出力電圧を検出する誤差増幅器の入力と過電圧保護コンパレータの入力とは別々 に端子に出ており , この点が , AN8031 とは違う。 それぞれの設定は以下のとおり。 •差増幅器の制御基準電圧 = 2.50 V (typ.) •過電圧コンパレータの検出電圧 = 2.63 V (typ.) [ヒステリシスなし] (誤差増幅器の制御基準電圧より 5% 高い電圧) 起動時や異常時などに出力電圧が通常制御電圧よりも 5% 以上高くなった場合 , 過電圧コン パレータが動作してスイッチング素子をカットオフする。 過電圧検出時は, タイマ回路をカットオフしているため, 過電圧検出時にタイマ回路が再起動 をかけてパワーMOSFETが働き, 出力電圧がさらに上昇してしまう, ということを防いでいる。 よって無負荷状態では , チョッパ回路の出力電圧は通常制御電圧に対し 5% 高い電圧で安定 し , これ以上の電圧上昇はしない(図 11 参照)。 なお , 出力電圧が上下するのは , 過電圧コンパレータのオフセット分である。 図 10. 動作説明 AN8032 入力電圧 パワーMOSオフ時電流 SBD パワーMOSオン時電流 出力電圧 時間 パワーMOS オフ時電流 パワーMOS オン時電流 軽負荷時 乗算器出力 0 A 時間 パワーMOS オフ時電流 パワーMOS オン時電流 軽負荷時 乗算器出力 無負荷になるとこの電圧が 0 V付近にまで下がる。 この時パワーMOS電流の周波数は上昇するが, 回路遅延を有するため, 0 Aにはならない。 0 A保
守
廃
止
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■ アプリケーションノート(つづき)
[2] 動作説明(つづき) 2. 保護回路(つづき) 2) 過電圧保護(つづき) (2) 過電圧保護動作説明(つづき) (3) 起動時の出力電圧オーバシュートについて 起動時には , 出力に接続されている平滑容量に充電するため , 出力過負荷状態となる。この ためチョッパ回路はフルパワーで動作するが, 適正出力電圧が得られてもすぐにはこの状態を 脱しない(帰還系全体の制御遅延による)ため , 出力電圧がオーバシュートする。 本 IC の過電圧保護は起動時にも動作し, 使用部品の破壊等最悪の事態を回避できる(図 12 参 照) 。 図 11. 過電流保護動作説明 停止 時間 0 A 420 V 400 V 5%高い電圧で安定する 過電圧コンパレータ のオフセットによる アクティブフィルタ 出力電圧 アクティブフィルタ 動作状態 パワーMOSFET電流 動作 停止 動作 時間 時間 0 A 出力短絡状態でスタート → 電流ピーク値が高い 0 A 停止 動作 動作 設定出力電圧 過電圧保護動作 起動開始 アクティブフィルタ 出力電圧 アクティブフィルタ 動作状態 パワーMOSFET電流 図 12. 起動時の出力電圧オーバシュート保
守
廃
止
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一括して保守廃止と表記しています。
■ アプリケーションノート(つづき)
[3] AN8031とAN8032 との相違点 AN8031→EI端子で出力電圧モニタ機能と過電圧検出機能とを共用 AN8032→各々の機能の端子を専用化(PVCCと VCCを共用して VCC端子とする) EI端子 : 出力電圧モニタ機能専用 OVP端子 : 過電圧検出機能専用 1) 変更理由 アクティブフィルタ出力電圧モニタ抵抗のピン間のショート試験に対して発生する過大電圧を 抑制できないため。 2) 対策方法 出力電圧モニタ系と過電圧検出系とを分ける。 注 ) OVP 端子は基板パターン設計を考慮して , EI 端子横に配してある。 CS EO EI VOUT PV CC VCC VB MPI COM AN8031 EIN(+) EIN(−) EO(−) 出力電圧モニタ 過電圧検出 ショート試験時に 発生する過大電圧 を抑制できない。 外部部品 5 ∼ 10点 別途必要 SBD EO(+) CS EO OVP EI VOUT VCC VB MPI COM AN8032 EIN(+) EIN(−) EO(−) 出力電圧モニタ 過電圧検出 過大電圧が発生し ても, 別途設けた 過大電圧系の回路 により, 制御動作 が停止される。 SBD EO(+) 外部部品2点増加保
守
廃
止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
■ 応用回路例
• 応用回路 C1 L1 EI COM C2 1 µ F R2 13 k Ω R1 1 M Ω L2 R3 10 k Ω R4 12 Ω R6 0.33 Ω 1 W R7 330 Ω C3 47 µ F C7 0.1 µ F R8 1.5 M Ω R9 10 k Ω EO (DC 400 V) COM C4 10 µ F C5 0.01 µ F AN8032 C6 0.001 µ F R12 10 M Ω VCC 12 V SBD SBD 負 荷 + − A D R10 1.5 M Ω R11 10 k Ω B C E F G EI 4 CS 1 OV P 5 MPI 2 VCC 7 GND 3 EO 9 VB 6 VOUT 8保
守
廃
止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
■ 応用回路例(つづき)
• 通常動作波形 横軸 1 ms/div 10 ms/div 測定点 A (EIN) B (MPI) C (VB) D (VOUT) E (CS) F (EI) G (EO) 0 V 0 V 1 V/div 0 V 7 V 2 V/div 0 V 12 V 0.2 V/div 0 V 0.8 V 0.5 V/div 0 V 2.5 V 50 V/div 100 V 500 V 0.5 V/div 0 V 2.5 V 0.2 V/div 0 V 0.8 V 2 V/div 0 V 12 V 1 V/div 0 V 7 V 0 V 140 V 20 V/div 2 V 0.4 V/div 140 V 20 V/div保
守
廃
止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
■ 応用回路例(つづき)
• 起動時波形 横軸 20 ms/div 測定点 E (CS) G (EO) • 停止時波形 横軸 20 ms/div 測定点 E (CS) G (EO) 0.2 V/div 0 V 1.2 V 50 V/div 100 V 400 V 0.2 V/div 0 V 0.8 V 50 V/div 100 V 400 V (条件) • 入力電圧 : 100 V (AC) • 出力電圧 : 400 V (DC) •出力電流 : 200 mA (抵抗負荷2 kΩ)保
守
廃
止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
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