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大会報告・分科会報告等

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 本年,9 月 26 日(土)から 27 日(日)まで,日本 体育大学世田谷キャンパスにおいて,経済教育学会第 31 回大会が開催されました。  初日は,例年通り,基調講演とシンポジウム,二日 目に分科会となりました。  全体テーマは,「だれのために,なんのために─ 経済と倫理の接点を探る」でした。  基調講演の講演者は,北海道大学・橋本努氏の「一 貫した立場の形成を介助する経済倫理教育」と題して, 「現代経済をめぐるイデオロギー状況」を巡っての ワークショップ形式の講演を頂きました。経済倫理を めぐる四つの問題(利益/道徳,原理/秩序としての 善,自由な関係性/人為的リベラル性,包摂/非包摂 主義)の具体的課題にイエスかノーで答えさせ,それ らから,近代卓越主義,共和主義,耽美的破壊主義/ 支配者嫌悪主義,国家型ディープ・エコロジー,開発 (独裁)主義,市民的コミュニタリアニズム,地域コ ミュニタリアン,アナキズムなどに,自ら類型するも のでした。会場の会員の回答傾向の結果は,学会誌や 橋本氏の HP に譲るべきことと思いますが,意外な結 果(本人が意図する立場との懸隔)に一同,感嘆して いたことが記憶に残ります。  シンポジウムでは,「経済教育の倫理的基礎付けは 可能か?─目標・内容にわたる検討」というタイトル で,古河幹夫(長崎県立大学),松尾 匡(立命館大 学),山根栄次(三重大学)氏に登壇頂きました。司 会は,淺野忠克(東京都市大学・非常勤)氏。経済教 育の目標・内容に(経済)倫理をどのように位置づけ るか,功利主義やパレート最適・効率性をどのように 位置づけ教えるべきか,学校教育で話題となっている 「効率と公正」を,経済教育としてどのようにあつか うべきかなどを投げかけましたが,古河氏は,功利主 義の可能性と限界を網羅的に解説され,むしろ卓越主 義に重心をおかれる意図を伺いました。松尾氏は, ジェイコブズからの商人・武士の倫理,経済学的発 想・非経済学的発想から持論を展開されました。山根 氏は,現状の学校における経済教育での倫理の扱いに 懸念を示し,更なる倫理の正当な位置づけを論じまし た。時間が限られていたこと,それぞれが十分に論じ るに至りませんでしたが,端緒を開くことが出来たと 思っております。  分科会は,6 分科会,2 特別分科会でした。例年通 り,大学での導入教育・専門教育,金融教育,キャリ ア教育,初等中等段階教育の発表が,19 本,倫理に 関する発表が 4 本,合計で 23 本の発表がありました。  特別分科会Ⅰの「中高を含めた経済教育に多様性を 真に生かすために─参照基準と経済教育」では,新井 氏・塩沢氏,吉原氏・吉田氏が午前午後に登壇され, これまでの中高の経済教育におけるミクロ経済学を土 台とした様々な教育実践の流れをふまえつつ,大学を 含めた日本の経済学界における経済学の多様性を生徒 自らが考えることを支援するうえで,どのような可能 性をもつか議論されました。Ⅱ「海外の経済教育現状 から日本の経済教育をとらえ直す」では,小川氏が元 CEE ディレクター・元インディアナ大学ココモ校准 教授の立場から現状を報告,淺野氏が欧米経済教育誌 への投稿・採択の現状報告,服部氏がドイツ経済教育 の近状,猪瀬が英国の批判的経済教育論を報告しまし た。  参加者は 100 名程度でした。報告参加された皆様方, ありがとうございました。なお,開催にあたって資 金・人材・機材・設備に関して日本体育大学から,全 面的で多大な支援をいただきましたことを付記致しま す。

経済教育学会

第 31 回大会について

The Journal of Economic Education No.35, September, 2016 猪瀬 武則(第 31 回大会開催実行委員長)

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プログラム

全体テーマ:「だれのために,なんのために─経済と倫理の接点を探る」 〈日時〉9 月 26 日(土)午後1時〜 9 月 27 日(日)午後3時 50 分 〈会場〉日本体育大学 世田谷キャンパス 第 1 日目(9 月 26 日・土曜日) 11:00-12:30 理事会 13:00-16:45 基調講演・シンポジウム 17:00-17:15 学会賞授与式 17:15-17:50 総会 18:00-19:30 懇親会(会費 3500 円) 第 2 日目(9 月 27 日・日曜日) 9:30-12:10 分科会報告 9:30-12:10 理事会 13:10-15:50 分科会報告 1.基調講演「一貫した立場の形成を介助する経済倫理教育」 橋本 努 (北海道大学) 2.シンポジウム「経済教育の倫理的基礎付けは可能か?─目標・内容にわたる検討」 パネラー   古河幹夫(長崎県立大学)   松尾 匡(立命館大学)   山根栄次(三重大学) 司会:淺野忠克・猪瀬武則 3.分科会プログラム ○午前 (1)9:30 〜 10:10,(2)10:10 〜 10:50,(3)10:50 〜 11:30 ,(4)11:30 〜 12:10,     それぞれ報告 30 分討論 10 分 ○キャリア教育   司会:橋本勝,中里弘穂 インターンシップの事前・事後指導の実務 田中淳 東京都立産業技術高等専門学校 新規学卒Uターン就職者の就職先探索行動に関する研究 中里弘穂 福井県立大学 香川大学夜間主コースでのキャリア教育の試み 中村賢治 基礎経済科学研究所 ○税   司会:金子浩一,太田正行 高校生は在学中に租税をどのように学ぶのか?〜社会科系科目 の教科書分析〜 金子幹夫 神奈川県立平塚農業高等学校初声分校 男女必修時代の高等学校家庭科における消費者教育〜公民科と の関連〜 太田正行 慶應義塾大学 中学校における経済と地理融合教材の開発 河原和之 立命館大学 在外教育施設に関する聞き取り調査─社会科・経済分野の教育 実践も踏まえて─ 金子浩一 宮城大学 ○大学教育,金融リテラシー   司会:齋藤哲哉,阿部信太郎 成長戦略としての経済教育の展開の可能性 何峰 早稲田大学アジア太平洋研究科 高校生・大学生の経済リテラシーの分析と課題 阿部信太郎山岡道男 淺野忠克 城西国際大学 早稲田大学 東京都市大学 金融リテラシー教育の担い手としての図書館司書とその役割 尾鷲瑞穂 国立研究開発法人国立環境研究 大学生のための金融リテラシー調査票の作成について 小山内幸治 滋賀短期大学

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○午後  (1)13:10 〜 13:50,(2)13:50 〜 14:30,(3)14:30 〜 15:10,(4)15:10 〜 15:50,     それぞれ報告 30 分討論 10 分 ○金融   司会:箕輪京四郎,山根栄次 高等学校公民科における金融消費者教育の学習プログラム開発 ─確率に関するフレーミング効果を手がかりとしてー 田村徳至 信州大学学術研究院総合人間科学系 日本金融システム史に基づく高校「公民科」経済学習の教育内 容開発(4)─現代経済史(占領統治期〜)の教材化 松井克行 西九州大学子ども学部 中等教育における正しい「金融教育」の必要性・緊急性の提案 炭谷英一 神戸市消費生活マスター 外国為替を高校生に教える 箕輪京四郎 元横浜商業高等学校 ○倫理   司会:八木尚志,中谷武雄 企業の社会的責任を学ぶビジネスゲームの開発と実践 福田正弘 長崎大学教育学部 A・センのケイパビリティーアプローチを用いた小学校社会科 学習 秋田真 弘前大学教育学部附属小学校 2つの経済倫理とその存在可能性をめぐって 越田年彦 東京都立立川高等学校定時制 いいお金儲けの授業をしませんか 力丸剛 横浜市立潮田中学校 ○大学   司会:新里泰孝,塩田尚樹 データの瞬時可視化の実践 ─ PIO-NET 消費生活相談データの分 析事例─ 斎藤清 元兵庫県立大学 変分問題のオイラー方程式と経済学における「オイラー方程式」 塩田尚樹 獨協大学経済学部 経済学特殊講義「東日本大震災を学ぶ」の授業実践報告 新里泰孝橋本勝 富山大学経済学部富山大学教育・学生支援機構 経済学英語の語彙特性 久井田直之 日本大学経済学部 4.特別分科会(分科会と並行して行われました) 特別分科会Ⅰ:「中高を含めた経済教育に多様性を真に生かすために─参照基準と経済教育」 1.「参照基準と高校経済教育」(10:10 〜 10:50) 新井明(上智大学非常勤) 2.「いま経済学と経済学教育に必要されているものはなにか」(10:50 〜 11:30) 塩沢由典(大阪市立大学名誉教授) 3.全体討論 I(11:30 〜 12:10)

4. 「広範性と理論的一貫性を満たす経済学教育の可能性:Summer School of Analytical Political Economy の 経験からの教訓(13:10 〜 13:50) 吉原直毅(一橋大学経済研究所) 5.「視野・知識・思考─参照基準問題が問いかけているものたち」(13:50 〜 14:30) 吉田雅明(専修大学) 6.全体討論 II(14:30 〜 15:10) 特別分科会Ⅱ:「海外の経済教育現状から日本の経済教育をとらえ直す」 1.米国経済教育普及の現状─元 CEE ディレクター及び教員養成をふまえて(13:10 〜 13:50) 小川正人(環太平洋大学・元インディアナ大学ココモ校) 2.米国(経済)教育学会誌(JEE や JHE)への投稿からの含意(13:50 〜 14:30) 淺野忠克(東京都市大学非常勤) 3.ドイツ経済教育の近状─カリキュラムに着目して(14:30 〜 15:10) 服部一秀(山梨大学) 4.英独の批判的経済教育─対抗スタンダード化と価値への接近(15:10 〜 15:50) 猪瀬武則(日本体育大学)

分科会報告

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第 1 分科会  第 1 分科会は,テーマ「キャリア教育」の下に 3 件 の報告が行われた。座長は橋本勝(富山大学)並びに 中里弘穂(福井県立大学)が務めた。  第 1 報告では,田中淳会員(東京都立産業技術高等 専門学校)が「インターンシップの事前・事後指導の 実務」のテーマで報告を行った。会場では詳細な資料 も配布され同校ではインターンシップの事前・事後指 導を非常に丁寧に行っている様子が紹介された。特に 事後指導として生徒が書いた参加日誌を指導教員が手 分けして添削しインターンシップ先の企業に了解を得 た上で校内に掲示するほか,次年度の参加希望者に配 布するなど手をかけた指導が窺われた。参加者は,10 名弱と少なかったがインターンシップの参加がどれだ け実際の就職に結びついているのかなどの質問があっ た。  第 2 報告では,中里弘穂会員(福井県立大学)が 「新規学卒 U ターン就職者の就職先探索行動に関する 研究」をテーマに報告を行った。地方県の人口減少抑 制策として県外大学進学者の U ターン就職を促進す ることが有効であるとの認識のもと,大学生の U ターン就職に対する意識並びに進学先の大学の U ターン就職支援の概要や地方県の U ターン就職促進 策を調査したものである。比較対象として U ターン 就職に力を入れている栃木県・長野県・愛媛県と北陸 の石川県・福井県の 5 件を選定している。調査から, 大学生は U ターン就職に親と同居して就職する経済 的・生活的メリットだけでなく,地元でのやりがいの ある仕事も求めているとの結果が得られた。その一方 で,地方県は暮らしやすさといったメリットばかりを 強調しているとの問題点も指摘された。  第 3 報告では,中村賢治会員(基礎経済科学研究 所)が「香川大学夜間主コースでのキャリア教育の試 み」をテーマに報告を行った。企業で長年人事労務を 担当してきた経験をもとに香川大学夜間主コースで実 施したキャリア教育の内容と,授業内容に対する受講 者の評価結果が報告された。受講者からは「役立つ」 「面白い」という評価が多く,自由記述でも「実際に 働いている人の講義は机上の空論ではなく,実際的で わかりやすい」など役に立つと受け止められている様 子が認識できた。参加者からは「ただご自分が実施し たキャリア教育の調査だけでなく,他のキャリア教育 の内容に対する評価との比較などをすることで研究と しての意味が増すのではないか」などの意見があった。  キャリア教育の分科会はこの数年,実践報告的な内 容が多いように感じられる。それぞれの報告者が苦労 して実践している教育を,単に実践報告に留めず相互 啓発につながる議論を経て研究としての意義を高めて いくことも学会分科会の役割の一つではないかと考え ている。 (文責:中里弘穂) 第 2 分科会  太田正行会員(慶應義塾大学)による「男女必修時 代の高等学校家庭科における消費者教育─公民科との 関連─」では,高等学校の家庭科(現行の家庭基礎・ 家庭総合)の設置状況が学習指導要領の変遷とともに どのように変化してきたかが説明され,特に消費者教 育の内容がどのように教えられるか考察された。現行 の教科書を公民科と比較し,消費者教育の関連用語が 家庭科で多く記載されることを確認している。公民科 においても学習されるが,短時間で用語・人名が解説 されるため生徒は暗記学習になりやすく,消費者の自 立に結びついていない可能性がある。それに比べて, 家庭科では消費者教育の占める割合も多く,意思決定 プロセスなども含めて学習される。家庭科教員の消費 者教育への関心も高く,指導法として講義式(板書授 業)以外にも調査学習やグループ学習を用いた授業実 践例があることも紹介された。  金子幹夫会員(神奈川県立平塚農業高等学校初声分 校)による「高校生は在学中に租税をどのように学ぶ のか〜社会科系科目の教科書分析〜」では,高校の社 会科(日本史・世界史・地理・公民)において「税」 がどのように学習されるかについての分析報告があっ た。まず,入学してきたばかりの高校生は,租税に 「量入制出」のイメージを持っていることを指摘して いる。また,各教科書で「税」と記載される個所すべ てをピックアップし,どのような記載がなされている かを 4 種別「広い範囲に影響」「限定された地域に影 響」「人に多大な影響を与える」「仕組みの説明・人と の影響に関する記述なし」に分類して比較していた。 各科目を学習する順番は高校によって異なるが,世界 史の後に公民を学習する順番であると,生徒にとって

分科会報告

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適切な租税観が養われやすいことが報告された。  河原和之会員(立命館大学)による「中学校におけ る経済と地理融合教材の開発」では,東大阪市の中学 校における社会科地理で「つまらない」授業から「楽 しい」授業へ,そして討論・ディベートなど思考・判 断ができる授業へと発展させた実践が紹介された。こ の実践を踏まえ開発された二種類の経済・地理融合教 材が配布された。日本経済教育センター教材検討委員 会編「グローバル社会を生き抜くために オーストラ リアを知ろう」と「マジで知りたい日本あっちこっち ① 琵琶湖から見えること」(ワークシート付き)で あった。このほか,静岡のお茶とみかん栽培,カナダ の人口分布などを事例とし(自然)地理的視点,歴史 的な視点,経済的視点で生徒に考えさせることの大切 さを強調された。討議では,4 観点を踏まえたテスト 問題の作成について,動態地誌の意味,多角的・多面 的視点には,地理,歴史,経済,政治などの視点があ ることなどが取りあげられた。  金子浩一会員(宮城大学)による「在外教育施設に 関する聞き取り調査─社会科・経済分野の教育実践も 踏まえて─」では,海外の日本人学校や補習校などの 在外教育施設が教育面や運営面で様々な課題を抱えて いることを踏まえ,社会科教育や経済教育の実態を調 査し発表された。主に帰国教員からの聞き取り調査の 結果から,学校経営,教材確保,教員充足,社会科・ 経済教育の内容,社会科副読本の作成などが取りあげ られた。校外学習・社会科見学先の選定,経済学習を 内容とする中3公民が12月で授業が終了すること,国 により経済システムが異なること,社会科副読本(地 域学習教材)作成が困難なことなど課題も多い。討議 では,日本人学校教員の採用方法について,現地の特 色を生かした学校づくりや授業実践,公民的分野の授 業実態についてなどが話し合われた。 (文責:太田正行,金子浩一) 第 3 分科会  第 3 分科会のテーマは「大学教育,金融リテラ シー」であり,齋藤哲也(日本大学),阿部信太郎 (城西国際大学),栗原久(東洋大学)が司会を務めた。  第 1 報告は,何峰(早稲田大学アジア太平洋研究科 院生)「成長戦略としての経済教育の展開の可能性」 であった。本報告では,経済教育における制度・内 容・成果の三者間の関係に焦点を当て,アベノミクス の進める成長戦略に経済教育がどのような意義を持っ ているかについて検討がなされた。アメリカでは市民 が経済知識を持つことは,個人的には生活上の意思決 定の改善に役立ち,また社会的には経済政策に関する 議論と公共選択に役立つと理解されている。しかし日 本においては,経済政策の立案・履行に果たす経済教 育の役割が十分に理解されておらず研究も不十分であ る。そのためにアベノミクスで進める成長戦略につい ての国民の理解は十分でなく,その経済政策の成果も 期待されるほどではない。ここに,今後の日本におけ る経済教育の展開可能性が秘められているのではない かというのが発表者の主張であった。  第 2 報告は,阿部信太郎(城西国際大学)・ 山岡道 男(早稲田大学)・淺野忠克(東京都市大学)「高校 生・大学生の経済リテラシーの分析と課題」であった。 本報告では,米国 CEE(Council for Economic Educa-tion)によって開発・実施された Test of Economic Literacy Fourth Edition(TEL4)を翻訳・翻案し,日 本で 2014 年から 2015 年に高校生・大学生を対象に実 施した結果が発表された。高校生と大学生の平均正答 率に有意差がないことや,正答率の低い経済概念のあ ることが判明した。参加者からは,高校生と大学生の 正答率に有意差がない理由についての質問などがあり, 活発な討議が行われた。大学生は経済学の理論を学ん でいるが,実は,TEL4 で問われるような基本的な経 済概念を,具体的な事例にあてはめて論理的に考える ことが不十分なのではないかという指摘があった。そ の意味では TEL4 は考えさせるための教材としても有 効なのであろう。  第 3 報告は,尾鷲瑞穂 (国立環境研究所)「金融リ テラシー教育の担い手としての図書館司書とその役 割」であった。本報告は,金融リテラシー教育の専門 家ではない図書館司書が,金融リテラシー教育にどう かかわり,どのようなスキルが必要とされるかという 斬新なテーマについての発表であった。まず,国際図 書館連盟(IFLA),米国図書館協会(ALA)のガイ ドラインや消費者金融保護局(CFPB)など諸外国の 先進的な教育支援プログラムが丁寧にサーベイされ分 析されていた。公共図書館における金融リテラシー教 育は,日本では健康情報や法律分野に比べて,まだ実 践例も少なく,体系的な教育体制もほとんどない。こ うした中で,地域の生涯教育・社会教育を担う図書館 における金融リテラシー教育は,新規かつ今後重要性 を増す分野であることを予感させる報告であった。  第 4 報告は,小山内幸治(滋賀短期大学),西尾圭 一郎(愛知教育大学),北野友士(金沢星稜大学)「大 学生を対象とした金融リテラシー調査票の作成につい

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て」であった。本研究の目的は,日本の大学生の金融 リテラシーを測定できるとともに,米国の調査結果と の比較を可能にする調査票を作成することである。ま た金融リテラシーに及ぼす環境要因についても検討す る こ と を 目 的 と し て い る。 具 体 的 に は, 米 国 の Jump$tart の調査票をもとに,日本の現状に合わせて 改定した大学生向けの調査票を作成したとのことで あった。その際,日本の金融経済教育推進会議が公表 した「金融リテラシー・マップ」とも対応がとれるよ うにしている。2015 年に 6 校の国公立大学の学生に調 査を実施した。その調査結果の概要として,妥当性, 信頼性,正答率などが発表され,その調査結果の解釈 を巡って参加者との間で活発な討議が展開された。 (文責:阿部信太郎) 第 4 分科会  「金融」分科会では,司会を箕輪京四郎会員と山根 栄次が務め,以下の 4 名が発表を行った。2 つの特別 分科会が並行して行われていたためか,参加者は司会 と発表者を除くと数名で,やや寂しい感がした。  田村徳至会員(信州大学)の発表タイトルは,「高 等学校公民科における金融消費者教育の学習プログラ ム開発─確率に関するフレーミング効果を手がかりと して─」であった。「フレーミング効果」とは,「全く 同じ状況でも,表現の仕方(フレーム)を変えること で,感じ方や選択・行動まで変えられる性質がある」 という行動経済学の知見の一つである。田村会員は, この効果の存在を都立高校 1 年生 153 名へのアンケー ト調査により明らかにし,その結果を基に,金融に関 する合理的な経済的意思決定ができるようにする高校 用の金融・消費者教育プログラムを開発し,それを発 表した。まだ,その実践はされていないが,実践とそ の効果が期待される。フロアーからは,確率で考える ことが難しい生徒も多いので,確率を使わなくてもで きる方法が無いかとか,確定拠出年金が普及する中で, 投資教育にも応用できないかという意見が出された。  松井克行会員(西九州大学)の発表タイトルは, 「日本金融システム史に基づく高校『公民科』経済学 習の教育内容開発(4)─現代経済史(占領統治期〜 1996 年)の教材化」であった。松井会員は,明治期 から今日までの日本の金融システムの変遷を 3 期に分 け,占領統治期から1996までを第2期に位置づけ,主 な家計金融資産は「預金」,主な企業の外部資金調達 方法は「間接金融」中心,主な特徴は,銀行優位と, その時期の特質を述べた。そして,高校公民科におけ る「日本金融システム史」の単元を 6 時間で構成し, 占領統治期から1996年までの時期について,第4時と 第 5 時の 2 時間扱いで考え,その授業の内容と使用す る資料を提示された。発表資料は,A4 用紙で 32 頁に 亘る詳細なものであった。金融システム史というとこ ろが本発表のポイントであった。高校公民科の授業で, これほど詳細な日本の金融システムの変遷を扱う授業 をどのように実現するかという質問が出されたが,課 題として残されたように思う。  箕輪京四郎会員(元横浜商業高等学校)の発表タイ トルは,「外国為替を高校生に教える」であった。発 表内容は,「外国為替の仕組み」,基礎知識としての 「為替相場」「外貨準備」,「固定相場制から変動相場制 へ」,「変動相場制下の円ドル相場の推移」,「いくつか の局面・挿話・ドラマ」,「いくつかの基本方針」とい う順になされた。特に,新聞縮刷版の経済記事を教材 として多用しているところがこの指導プランの特色で あった。フロアーからは,NIE の手法を用いていると ころについて,また,社会人への金融教育が必要だが, 金融関係企業の提供する教材には不安もあるという関 連発言がなされた。  炭谷英一会員(神戸市消費生活マスター)の発表タ イトルは,「中等教育における正しい『金融教育』の 必要性・緊急性の提案─独立科目『金融』の提案」で あった。発表は,特に,リーマンショックを踏まえた 「正しい」金融教育が必要ということであった。すな わち,「正しい」金融教育には,新古典派よりも行動 経済学の適用が重要であること,金融リテラシーから 金融ケイパビリティへの転換が必要であること,パー ソナルファイナンスだけでなく,コーポレートファイ ナンス,パブリックファイナンスも重要ということで あった。発表の中で,「合理的主体による完全に合理 的な選択がなぜ破滅的な結果を招くのか」ということ が強調されていた。フロアーからは,機関投資家と一 般消費者では金融教育の内容が異なるのではないかと いう意見があった。発表内容が多く(PP のスライド 45 枚),また斬新な発表内容であったこともあり,議 論はあまり活発に行われなかった感がした。 (文責:山根栄次) 第 5 分科会  第 5 分科会:倫理,では,以下の 4 本の報告がなさ れた。  ① 企業の社会的責任を学ぶビジネスゲームの開発 と実践:福田正弘(長崎大学教育学部)

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 ② A・センのケイパビリティーアプローチを用い た小学校社会科教育─第 6 学年公民分野「世界の中 の日本」の取組より─:秋田真(弘前大学教育学部 附属小学校)  ③ 2 つの経済倫理とその存在可能性をめぐって: 越田年彦(東京都立立川高等学校定時制,めぐろシ ティカレッジ理事)  ④ “いいお金儲け”とは,お互いの利益・協調を 重んじる:力丸剛(横浜市立潮田中学校)  (プログラム表題:いいお金儲けの授業をしません か)  今大会の統一テーマが「だれのために,なんのため に─経済と倫理の接点を探る」であり,また前日の 全体会での基調講演とシンポジウムも経済教育におけ る倫理の問題をめぐって展開され,倫理と題された第 5 分科会は,残念ながら参加者は多いとはいえないが, 興味深い,有益な報告と活発な議論で盛り上がった。 各報告の概要は以下である。  ① 企業の社会的責任を学ぶビジネスゲームの開発 と実践:福田正弘(長崎大学教育学部)  ビジネスゲームは企業経営のシミュレーションを通 して,学生の合理的意思決定能力の育成を目指す。企 業運営に,その存立前提である社会基盤や環境問題, すなわち外部経済にも目を配ることにより,企業の社 会的責任や経済システムのあるべき姿について考察さ せた実践報告である。ゲームは,環境を売り物にする 離島の旅館経営において,環境(維持)費の負担,そ の配分を軸に,自己利益の最大化と公共の環境の維持 の実現の正否を問う。環境費が利用者負担=宿泊費に 組み込まれないと,環境は悪化する。解決策は高校生 が組合申し合わせのような倫理的な次元で,社会人は 自治組織による自主規制や市場ルールの変更などの強 制的な措置を伴う解決策を推奨した。市場・経済シス テムや社会制度について高校生は習熟を深めることが 必要であることが分かった。  ② A・センのケイパビリティーアプローチを用い た小学校社会科教育─第 6 学年公民分野「世界の中 の日本」の取組より─:秋田真(弘前大学教育学部 附属小学校)  多くの人々の幸福(多数決)という功利の原理は理 解しやすいが,弱い立場にある人に手を差し伸べる正 義の原理は理解しにくい。かつその解決は財の配分に 偏向している。全部売り切らないと家に入れてもらえ ないクッキー売りの少女を例とし,たんなる金銭的な 援助では最終的な解決にはならないことを理解し,自 助努力,自分で環境改善が可能となるように,また幼 児の場合はその両親の生活の自立が必要で,そのため 知識や技術を習得できる援助が重要であるという理解 に達した。アマルティア・センのケイパビリティーア プローチにより,財の配分の改善から,潜在能力の開 発,自助自立に向けての援助,保護者への拡大と理解 が深まった。国際援助から日本国内の社会問題の解決 にまで応用できるようになることが課題である。  ③ 越田報告は,経済内倫理(市場内倫理)と経済 外倫理(市場外倫理)を区別する。現代の用語では, 前者が実証的経済学,後者は規範的経済学に概ね対応 するものと理解できるが,報告者はより広範な経済学 者を取り上げ,トマ・ピケティ,コスロフスキー,天 野為之等は経済内倫理に注目する立場,他方,ウェー バーや田口卯吉は経済外倫理の設定を否定する立場で あるとの整理を行っている。  ④ 力丸報告は,中学校における経済に関する指導 の取り組みを,「いいお金儲け」に着目して説明し, それは売り手と買い手の双方の利益を尊重するものだ という視点から指導する試みを論じた。 (文責:中谷武雄,八木尚志) 第 6 分科会  第 1 報告は,元兵庫県立大学の斎藤清氏による 「データの瞬時可視化の実践─PIO-NET 生活相談 データの分析事例─」であった。報告者はこれまで大 学において,XCAMPUS を運営してきたが,退職後 は個人で運用することになった。そこで,対象を学生 から社会人へ,目標を基礎的な知識や理解から業務で の知見や実践へと変えて,社会人向けの手軽なデータ 処理のためのサイトを開設した。消費者相談データの 瞬時可視化の分析事例として,マルチ取引,電話勧誘 販売,70 歳以上の地域別人口調整相談件数を紹介し た。質疑では,この報告は事例紹介に留まっている。 教育効果の分析が欲しいとのコメントがあった。  第 2 報告は,獨協大学経済学部の塩田尚樹氏による 「変分問題のオイラー方程式と経済学における『オイ ラー方程式』」であった。経済主体の動学的最適化問 題の解の必要条件を表す経済学の「オイラー方程式」 は,「ミクロ的基礎」を備えたマクロ経済学に不可欠 の概念であり,今日では学部中級レベルのマクロ経済 学のテキストにも登場するため,学生にとって大きな 負担にならない教育方法を検討する必要があるという 問題提起がなされた。そして,元々の最適化問題の解 の局所的最適性に素朴に注目することにより,等式制

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約二つで選択変数三つの最適化問題として定式化して, 通常のラグランジュ乗数法で導出できるため,厳密性 を欠くことなく平均的な学部学生に教育可能であるこ とが示された。どの程度の経済学的予備知識を持つ学 生を想定しているのかというフロアからの質問に対し て,2 財モデルの消費者行動を理解できていれば十分 であるというリプライがなされた。  第 3 報告は,富山大学の新里泰孝氏と橋本勝氏によ る「経済学特殊講義『東日本大震災に学ぶ』の授業実 践報告」であった。2014 年度に,富山大学経済学部 に,教員 6 名(新里(経済学部),大坂(同),小柳津 (同),龍(同),橋本(教育・学生支援機構),志賀 (人間発達科学部))による経済学特殊講義「東日本大 震災に学ぶ」を開設した。授業ではグループ作業・討 論を取り入れたこと,被災地から現地報告の講師を 3 回招き講義を行ったこと,6 人の教員がシャトルカー ドを共有することにより,学生の意識・学習状況を教 員も共有したこと,レポート試験を複数の教員で採点 したことなどが紹介された。質疑では,学生の東日本 大震災に対する関心は年々低下している。教員がどの ように学生の意識を高めるかの工夫が大事であるとの 意見があった。  第 4 報告は,日本大学経済学部の久井田直之氏によ る「経済学英語の語彙特性」であった。学生が大学入 学直後より専門科目である「ミクロ経済学」・「マクロ 経済学」を英文テキストで学習することを想定し,各 分野の代表的なテキストを一つずつ取り上げ,それら で使用されている英単語と高校の英語教科書に登場す る英単語のコーパス比較分析を行った結果として,ミ クロ・マクロの両分野において高校卒業までに学習す る単語との重複が多く見られること,および,マクロ の方が学習者の語彙負担がより少ない可能性が高いこ となどが報告された。今後の課題としては,経済学を 英語で学習する際に最適な英和辞典を探し出すことな どが挙げられた。また,高校の英語教科書は比較の ベースとして望ましくないのではないかというフロア からの質問に対して,同教科書は一般目的および学術 目的の英語の基礎として有用であるため比較のベース としてふさわしいというリプライがなされた。 (文責:新里泰孝,塩田尚樹) 特別分科会 I  「中高を含めた経済教育に多様性を真に生かすため に─参照基準と経済教育」  本特別分科会は主に経済学の多様性を中高の経済教 育に生かすための方向性を求めた議論がなされた。こ れは学会の「参照基準」への意見表明を引き継ぐもの である。現在の中高の教育実践においては,「参照基 準」の基本的立場といってよいミクロ経済学的方向性 が目立っている。そうした中高の教育実践の蓄積が本 学会の「参照基準」問題の意見表明に十分に反映でき なかったことは反省しなければならない。  そこで,本分科会はまず,「参照基準」の立場に近 い教育実践を続けてきた新井明会員の問題提起をふま え,『経済学と経済教育の未来』執筆者の塩沢由典氏, 吉田雅明氏,『季刊経済理論』,『経済セミナー』で 「参照基準」と大学の経済学教育への意見表明をされ ている吉原直毅氏の学会外三名にその問題提起に答え ていただいた。  新井会員は,まず大学の中高の経済教育への影響の 大きさを指摘し現状の問題点の根が大学にあること, と同時に,大学は中高の経済教育が発展に寄与しうる ことを指摘した。さらに,大学入試問題の高校の経済 教育への大きな影響にも関わらず,ずさんな出題が続 けられていること,社会科教員に教職課程で十分な経 済学の教育がなされていないこと,指導要領,教科書 の内容が広すぎて,生徒に十分に理解させるような授 業を行うことが困難になっていることなど具体的な問 題を提起した。  なお,新井氏は理論的にしっかりとした教科書が教 育現場で受け入れられない問題もあわせ指摘された。 これに関しては,高校の教科書執筆経験のある柴垣和 夫会員から自身の経験にもとづく補足がなされた。こ の指摘は大学と中高の経済教育の連携を考えるうえで 重要と思われる。  塩沢氏は中高までの経済教育で生徒の経済への興味 をもたせる重要性を指摘しつつ,現在の日本社会では ブレークスルーにつながる新しい概念体系を提出しう る人材の育成が大切であることを指摘した。高校レベ ルの教育において,授業を越えた内容に関心をもつ生 徒への対応の大切さを指摘した。  吉原氏は新古典派的アプローチでは無視されがちな 現実社会の問題への関心を新古典派一本槍の教育がう ばってしまう危惧を表明された。その上で御自身が企 画運営されている大学生・大学院生向けのサマース クールの実践を紹介し,そこでの異なる経済学的アプ ローチ間の論争が経済への多様な理解と興味を喚起す る上で大きな成果をあげていることを報告された。講 義型授業でのアクティブラーニングの模索が各大学で 様々な形で試みられている中,このサマースクール実

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践は一定の示唆を与えるものとなっている。  吉田氏は,まずこの問題は視野をどうとるかによっ て見え方が変わってくることを指摘し,テスト結果な ど直近の結果だけではなく,経済に関する事柄の理解 や思考をサポートすること,さらに経済に関わる思考 の明日を託すというところまで考えれば,一見迂遠に 見える科学観が重要な意味を持っていることを述べた 上で,それが抽象的に見えても実は私たちの暮らしに 深く関わっていることを,失業や TPP といった身近 な経済問題を素材に再生産理論,部分均衡理論双方の 説明を示す高校レベルの授業で実践可能な授業実践案 を題材にして示した。  三名の応答は,大学が中高の経済教育に寄与する可 能性を強く期待させるものであった。いずれも,「参 照基準」の内容の押し付けで損なわれる生徒の関心や 経済認識とかかわる。吉田氏の実践案はそのために必 要な多様なアプローチにもとづく教育実践が高校の授 業でも可能であることを示唆した。教科内容の議論の みならず,多様性をいかした教育実践がなされ,それ に大学の経済学研究が有機的につながる必要がある。 本分科会での議論が今後の学会活動のなかで深められ ることを期待する。 (文責:炭谷英一,橋本勝,大坂洋) 特別分科会Ⅱ  特別分科会Ⅱは「海外の経済教育現状から日本の経 済教育をとらえ直す」というテーマで,猪瀬武則氏の 司会の下,4 名の研究者から下記の報告が行われた。 第 1 は,小川正人氏(環太平洋大学)による「米国経 済教育普及の実態─元 CEE アソシエート・ディレク ター及び教員養成の経験をふまえて」と題する報告で ある。小川氏は米国で社会科教育の博士号を取得後, 現地の公立高校で教鞭をとったり,インディアナ大学 ココモ校で初等・中等社会科教育方法論を中心とした 授業・教育実習を担当した経験をお持ちである。また 2008 〜 2013 年には,インディアナ大学に設置された Council for Economic Education(CEE)でアソシエー ト・ディレクターを務めた経験もあり,そうした立場 から米国における国・州・大学レベルでの経済教育普 及の実態や,初等・中等教育段階の経済教育,大学の 社会科教育方法論における経済教育に関して報告を 行った。  第 2 は,淺野忠克氏(東京都市大学)による「海外 の学会誌への投稿からの含意」と題する報告である。 共同研究者との共著論文を海外の英文ジャーナルに投 稿・発表してきた経験にもとづき,それが研究者個人, 大学教育,本学会誌の編集という各視点からどのよう な意義を持っているかについて報告がなされた。特に, こんにちのグローバル化した社会・学界において,研 究者として国際的なジャーナルに英語で論文を執筆し 発表することの意義と効果が論じられた。  第 3 は,服部一秀氏(山梨大学)による「ドイツ経 済教育の近状─カリキュラムに着目して」と題する 報告である。ドイツでは 1990 年代以降,教育行政の 権限を有する各州において,前期中等教育段階での経 済教育の拡充が各学校種で図られたが,そこでは職業 準備系の総合的な教科か公民系の政治 / 経済のような 教科を設けるかで,2 タイプに分かれることが指摘さ れた。また,2000 年代になると経済教育のスタン ダードを作成する動きが生じ,1 つはドイツ経済教育 学会により,もう 1 つは経済界により,設定されたコ ンピテンス領域ごとに生徒が身につけるべき経済的能 力が提案されたが,両者の間にはスタンダードが目ざ す方向性において差異があることが比較して示された。  第 4 は,猪瀬武則氏(日本体育大学)による「英独 の批判的経済教育─対抗スタンダード化とオールタナ ティブの提唱」と題する報告である。英独の「制度化 された経済教育」に対抗して近年展開されている「批 判的経済教育」「価値的経済教育」の動きについて, イギリスに関してはハワード・ギブソンとジャセク・ ブラントを取り上げて論じた。前者は現行の経済教育 カリキュラムに潜む新自由主義的価値を批判し,経 済・金融教育の目的の再考を促すもので,後者は新古 典派経済学にもとづく教育カリキュラムを批判し,そ の代案として社会構成主義的経済教育論を展開するも のである。ドイツに関しては,ドイツ経済教育学会に よる経済教育スタンダードの開発に対抗して,トマ ス・リッツマンらによる代替スタンダードの提起と代 替経済教育が展開された経緯と背景が論じられた。  最後に,以上の 4 報告をめぐるフロアとの質疑応答 と討論では,欧米における経済教育の現状からわが国 の経済教育および経済教育研究の現状を振り返り,そ れが今後どのように発展し,どのように在るべきかに ついて考察を深めた。 (文責:淺野忠克)

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会計報告

2015 年度決算案 (自 2015 年 4 月 1 日 至 2016 年 3 月 31 日) 収 入 支 出 項目 予算額 決算額 執行状況 項目 予算額 決算額 執行状況 前年度繰越金 1,433,295 1,433,295 100.0% 学会誌印刷費 600,000 549,037 91.5% 特別会計からの繰入 0 0 学会誌送付費 40,000 39,319 98.3% 会費 1,230,000 1,193,500 97.0% 学会誌管理委託料 37,000 36,150 97.7% 学会誌売上 24,000 22,400 93.3% 学会誌編集経費 40,000 69,296 173.2% 学会誌投稿料 10,000 35,000 350.0% 全国大会補助金 250,000 250,000 100.0% 印税 0 0 ニューズレター印刷費 70,000 69,768 99.7% 預金利息 0 19 春季研究集会経費 40,000 0 0.0% 雑収入 0 0 理事選挙関係費 130,000 140,889 108.4% その他 編集委員会返金 0 0 学会賞関係費 100,000 110,000 110.0% 大会実行委員会返金 0 56,564 事務局費 50,000 62,261 124.5% 春季研究集会経費返金 0 0 学会事務外部委託費 300,000 217,420 72.5% 次年度繰越金 1,040,333 1,196,638 115.0% 合 計 2,697,295 2,740,778 101.6% 合 計 2,697,295 2,740,778 101.6% 注 1 2016 年度学会誌編集経費の一部(30,000 円)を今年度に前渡し済み。 注 2 春季研究集会経費は次年度予算に繰り越し。 注 3 事務局移転のため、事務局費が予算超過。 会計監査報告  2015 年度決算報告について、払込取扱票、郵便為替受取通知票、銀行預金通帳および領収書等を照合した結 果、この決算報告は適切に処理されていることを確認しました。  2016 年 6 月 25 日 会計監査 橋本 勝  ㊞ 会計監査 中谷 武雄 ㊞ 2016 年度予算案 (自 2016 年 4 月 1 日 至 2017 年 3 月 31 日) 収 入 支 出 項目 予算額2016 決算額2015 2015予算 予算比 決算比 項目 予算額2016 決算額2015 2015予算 予算比 決算比 前年度繰越金 1,196,638 1,433,295 1,433,295 -236,657 -236,657 学会誌印刷費 570,000 549,037 600,000 -30,000 20,963 会費 1,200,000 1,193,500 1,230,000 -30,000 6,500 学会誌送付費 40,000 39,319 40,000 0 681 学会誌売上 30,000 22,400 24,000 6,000 7,600 学会誌管理委託料 37,000 36,150 37,000 0 850 学会誌投稿料 25,000 35,000 10,000 15,000 -10,000 学会誌編集経費 10,000 69,296 40,000 -30,000 -59,296 印税 0 0 0 0 0 全国大会補助金 250,000 250,000 250,000 0 0 預金利息 19 19 0 19 0 ニューズレター印刷費 70,000 69,768 70,000 0 232 雑収入 0 0 0 0 0 春季研究集会経費 80,000 0 40,000 40,000 80,000 その他 大会実行委員会返金 0 56,564 0 0 -56,564 理事選挙関係費 0 140,889 130,000 -130,000 -140,889 春季研究集会経費返金 0 0 0 0 0 学会賞関係費 0 110,000 100,000 -100,000 -110,000 編集委員会返金 0 0 0 0 0 事務局費 40,000 62,261 50,000 -10,000 -22,261 学会事務外部委託費 230,000 217,420 300,000 -70,000 12,580 次年度繰越金 1,124,657 1,196,638 1,040,333 84,324 -71,981 合計 2,451,657 2,740,778 2,697,295 -245,638 -289,121 合計 2,451,657 2,740,778 2,697,295 -245,638 -289,121 注 1 2016 年度学会誌編集経費の一部(30,000 円)を前年度に前渡し済み。 注 2 春季研究集会経費は 2015 年度分も含めて計上。

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1.名称 本会は,経済教育学会(Japan Society for Economic Education)と称する。 2.目的 本会は,広く経済に関する教育(経済学・経営学・会計学,および商業・消費者教育などを含む)の 目的・内容・方法・評価・制度を調査研究し,会員の教育者・研究者としての力量を高め,社会全 体の経済的教養水準の向上に寄与し,もって経済教育をより良いものにしていくことを目的とする。 3.活動 本会は,次の活動を行う。 ①研究会等の開催 ②学術雑誌(『経済教育』),ニューズレター等出版物の編集・発行 ③他の学術・教育団体との連絡・交流 ④その他本会の目的にとって適当と認められる活動 4.会員 本会の目的に賛同し,所定の会費(年額 5,000 円)を納めるものは,理事会の承認を経て会員にな ることができる。ただし,院生・学生については年額 2,000 円,65 歳以上の者については 2,500 円 とする。 2年間にわたり会費を納めないものは,原則として会員の資格を失う。学会誌送付時で年会費未納 の会員については,その旨を伝えて,本会の出版物の配布を保留し,会費納入後に送付することと する。 5.役員 本会に理事を置く。理事の選出方法は,別に定める役員選出細則による。理事の任期は 3 年とする。 ただし再任を妨げない。 理事の互選により,会長 1 名を選出する。 本会の会務を処理するために事務局長 1 名と事務局理事若干名を置く。 本会の会計収支を監査するために会計監査 2 名を置く。会計監査の任期については,理事に準ずる。 6.理事会成立の要件 理事会は,全理事の過半数(委任状を含む)をもって成立とする。 (1985 年 11 月 3 日制定,1988 年 11 月 19 日,1990 年 11 月 17 日,1995 年 11 月 25 日,2003 年 11 月 8 日,2006 年 11 月 25 日,2009 年 9 月 26 日,2010 年 9 月 25 日,2011 年 10 月 1 日改正,2016 年 9 月 10 日改正) 郵便振替口座  口座番号:00920-3-252875  口座名義:経済教育学会

経済教育学会会則

第1条(目的) 経済教育学会の会員の研究成果を公表・共有することを目的として,学会誌を発行する。 ② 経済教育学会の学会誌の名称を『経済教育』(以下本誌と略する)とする。 ③ 本誌は,経済教育及び経済学教育に関する研究論文,書評,学会の活動報告等を掲載する。 ④ 本誌は,年に 1 回,秋季に発行する。発行月については,原則として 9 月とする。 第2条(編集委員会) 本誌の編集の企画及び事務を担当するための組織として,編集委員会を理事会に附置す る。 ② 編集委員会に編集委員長 1 名をおく。委員長は委員会の実務全般を掌理する。委員長は学会理事が 兼ねるものとし,理事会で承認を受けるものとする。 ③ 編集委員会に編集委員若干名をおく。委員は委員会の実務に従事する。委員は学会理事が兼ねるも のとし,理事会の承認を受けるものとする。 第3条(研究論文等の投稿) 本誌に研究論文等を投稿することができるのは,経済教育学会の会員に限定する。 ただし,編集委員会が認証した場合は,会員外も可とすることがある。 ② 投稿の細則については,投稿要領に定めるものとする。投稿要領は編集委員会が本規程に基づき作 成するものとする。 第4条(原稿依頼) 編集委員会は掲載原稿を依頼することができる。原稿依頼の要領・細則は本規程に基づき, 編集委員会が作成するものとする。 第5条(執筆要領) 本誌の執筆要領は,編集委員会が作成するものとする。執筆要領は,本規程第3条に基づ く投稿原稿,第4条に基づく依頼原稿に適用される。 第6条(著作権) 本誌に掲載された研究論文等の著作権については,別に定める。

経済教育学会学会誌編集規程

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経済教育学会学会誌著作権規定

第1条(目的) 本規定は,経済教育学会の学会誌である『経済教育』(英文名 The Journal of Economic Education,以下「本誌」という)に掲載される研究論文等の著作権について定めるものである。 第2条(著作権の帰属) 本誌に掲載された研究論文等の著作権について,複製権と公衆送信権は経済教育学会 に帰属するものとする。著作権法に定められたその他の権利は,著者に帰属する。 ② 著者の研究論文等が本誌に掲載・発行された日から 3 ヵ月経過すれば,著者は当該研究論文等の全部 ないし一部を複製し,電子媒体・印刷媒体等を通じて配布・公開したり,他の著作物等に転載することが できる。その場合,著者(共著者がいる時は代表の著者 1 名)は,事前に文書ないし電子メール等で編集 委員会に届け出て許可を得るとともに,複製物あるいは転載された著作物等に出典(本誌該当号)と著作 権者名(経済教育学会)を明記すること。 第3条(著作権の利用許諾) 第三者から,本誌掲載の研究論文等の複製・配布・公開等に係る著作権の利用許 諾要請があった場合は,編集委員会において審議し,適当と認めたものについてその利用を許諾すること ができる。ただし,その場合は著者(共著者がいる時は代表の著者 1 名)の承諾を得るものとする。 ② 前項の措置によって,第三者から経済教育学会に対価が支払われた場合は,同学会の会計に繰り入れ て学会活動に有効に使用することにする。 第4条(著作権の適用開始時期) 本規定に定める著作権の取扱いについては,2011 年発行の本誌第 30 号から 適用するものとする。 第5条(付則) 本規定は,2010 年 9 月 25 日の学会総会で承認され,同日付をもって発効した。 第7条(電子化) 本誌第 30 号以降の全号の掲載内容を電子化し,その PDF ファイルを学会のウェブサイト 上に掲載する。 第8条(附則) 本規程は,2004 年 12 月 4 日の幹事会で承認され,同日付をもって発効した。 ② 本規程の改正は,2010 年 9 月 25 日の学会総会で承認され,同日付をもって発効した。

『経済教育』投稿要領

1.本投稿要領は,経済教育学会学会誌編集規程に基づき,同学会編集委員会が作成したものである。 2.本誌に投稿しようとする会員は,本要領と『経済教育』執筆要領に従って執筆し,編集委員長に宛てて投 稿原稿を送付するものとする。 3.投稿原稿は,原則として未発表の日本語で書かれたものに限定する。  (1) 投稿原稿は完全原稿とし,執筆者による校正は行わないものとする。ただし,編集委員会が必要と 認めた場合は,この限りではない。  (2)図版等で特定の費用を必要とする場合には,執筆者が負担することとする。  (3) 投稿原稿は,原則としてワープロ原稿に限定する。その際,原稿2部とともに原稿の内容を記憶さ せた CD-R 等1枚を同封するものとする。 4.投稿原稿は,編集委員会の責任で選ばれる審査員によって審査される。採否の結論はできるだけ早く投稿 者に通知するものとする。 5.本誌における投稿原稿の字数は以下の通りとする。200 字詰め原稿用紙換算で計算する。  (1)研究論文の場合は,60 枚以上 100 枚以内とする。  (2) 論考,調査報告,実践記録,資料紹介・資料分析,書評,翻訳,研究ノート等の論稿の場合は,60 枚以内とする。ただし,編集委員会が認めた場合は,その限りではない。 なお,投稿原稿のジャンル区分は,査読審査結果を参考に編集委員会が最終的に決めるものとする。 6.投稿に当たっては,投稿料を1件につき現金 5,000 円を納めるものとする。振込先は,「経済教育学会 郵 便振替 00920-3-252875」とする(通信欄に「投稿料」と明記のこと)。なお,一度振り込まれた投稿料は 原則として返還しない。 7.投稿原稿の締切日は,毎年 2 月 20 日とする。なお,原稿は随時受け付けることとする。   原稿送付先:〒180-0022 東京都武蔵野市境 4-13-28 東京都立武蔵高等学校 高橋勝也 ☎090-9674-1349        

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Ⅰ.表記法 1.横書き,新かなづかい,新字体使用を原則とする。当用漢字を中心とし,あまりにもむずかしい漢字は 避ける。 2.句読点はカンマ「,」とマル「。」とを併用する。 3.引用文にはカギ「 」『 』を使用し,‘ ’ や “ ” は用いない。 Ⅱ.節・項・表・図の番号 1.本文中の節分け番号は,「はじめに」の部分も含めて,ローマ数字「Ⅰ.」「Ⅱ.」……を使う。項分け番 号はアラビア数字「1.」「2.」……を使う。 2.表の見出しは,表の上に「表1 ○○○」と示すこととする。図の見出しは,図の下に「図1 ○○○」 のようにつける。 Ⅲ.数字 1.原則としてアラビア数字。数の意味がまったくないものや,熟語・成句・固有名詞に限って和数字とす る。経済学の歴史上慣用となっている場合はローマ数字を用いる。   (例1) 1 つ 1 点 1 人当り 3g 第 2 に 第 2 次世界大戦 前 2 者 2 通り 5・15 事件 16-17 世紀  3・4 日 4 分の 1   (例2) 一定 均一 一致 一般 一応 一義的 一足跳び 一切 一様 一部分 同一視 青二才  三途の川 十分条件 八百屋 四捨五入   (例3)第1四半世紀 第 2 四半期   (例4)第Ⅰ部門 第Ⅱ部門 2.ただし,概数および化合物の名称には,和数字を用いる。   (例5)数十日間 数百キログラム 百数十頁 何千人   (例6)一酸化炭素 四酸化鉄 3.大きな数字を使うときは,兆・億・万の単位語を入れるものとする。この場合は,位取りカンマを入れ ない。   (例7)33 億 8823 万人 7万 6000 人 Ⅳ.註記 1.註は,論文末にまとめて列記し,また本文中の当該箇所の右肩に,「1)」「10)」のように,上付4分の 1倍で通し番号をつけることとする。註の番号には,本文中も論文末のいずれにも「1)」や「10)」の ように片側パーレンをつける。本文中の表記は,例えば「エルリッヒがするどく主張したように,10) 統的な法律学では……」のように行うものとする。 2.参考文献を列記する場合,註を列記したときには註の後に,註がないときには論文末にまとめて列記し, 通し番号を「[1]」「[10]」のようにブラケットをつけるものとする。 3.註・参考文献における文献の表記  (1) 表記の順序:表記については,以下の順でこれを行う。ただし,発行地,発行所名,巻数,号数, 発行年月のうち,不必要なものは省いてもよい。 ① 単行本は,著者(編者)名,書物名(副題とも),発行地,発行所名,発行年の順で示すものとする。 ② 論文は,著者名,論文名,雑誌(または収録書物)名,巻数,号数,発行年月,頁数の順で示すも のとする。  (2) 書物名・雑誌名の表記:日本語・中国語等の場合は『 』,ヨーロッパ語ではイタリックとする。 イタリック指定は文字の下にアンダーラインを引き,当該箇所を明示すること。イタリック活字 のない場合(例えばロシア語)には《 》で表示する。  (3) 論文名・記事名の表記:日本語・中国語の場合は「 」を用いる。ヨーロッパ語の場合は “ ” で 囲むこととする。 Ⅴ.抄録等の添付 1.すべての原稿(投稿原稿と依頼原稿)について,著者は日本語の抄録(300 字まで)とキーワード(5 個 まで)を添付するものとする。 2.投稿原稿のうち,研究論文のジャンルに該当するものについては,著者はネイティブスピーカーのチェ ックを受けた英語の抄録(150 語程度)とキーワード(5 個まで)を添付するものとする。

『経済教育』執筆要領

(14)

『経済教育』 投稿申込書

記入日     年   月   日 投稿料支払日     年   月   日

 私は『経済教育』へ論文等の掲載を申し込みます。尚,論文等の掲載の可否は査読により決

定されること,論文等が掲載される場合には電子化して学会ホームページにて公開されること

を承諾します。

氏名(自署) 所 属 種 類 論文 ・ 実践記録 ・ その他(       ) タイトル 連絡先住所 〒 電話番号 ファックス 電子メール ・投稿される際に原稿と一緒にお送りください。氏名は自署にてお願いします。 ・ 投稿される前に,ゆうちょ銀行(郵便局)にて下記の振替口座に投稿料 5,000 円をお支払いくだ さい。(通信欄に「投稿料」とご記入ください。)   口座番号:00920-3-252875   口座名義:経済教育学会 〈学会事務局記入欄〉 投稿受理日         年   月   日 査 読 者  1.        2. 査読結果受理日       年   月   日 査読結果通知日       年   月   日

(15)

(設置) 第1条 本会に経済教育学会賞を設ける。 (目的) 第2条 経済教育の実践活動と理論研究の奨励と発展,および当学会活動の活性化を目的とする。 (種類) 第3条 学会賞は次の5種類とする。   経済教育学会賞(研究部門)   当該期間に刊行・発表された著書・論文で,特に優れた評価を得たもの に対して2件以内   経済教育学会賞(教育実践部門) 当該期間の優れた教育実践活動に対して2件以内   経済教育学会奨励賞        当該期間内において 35 歳未満の学会員で,当該期間内に刊行・発表さ れた著書・論文,教育実践活動で,特に優れた評価を得たものに対して 2件以内   経済教育学会特別賞        非会員で,当該期間において経済教育に関して特に優れた業績(研究部 門・教育実践部門)を上げたもの2件以内   経済教育学会功労賞        当学会の運営,活性化に著しく貢献した会員に対して表彰する。 (正賞と副賞) 第4条 正賞として賞状,副賞として盾を授与する。 (候補者の推薦) 第5条 推薦者は,会員とする。 第6条 推薦は,他薦・自薦共に所定の推薦書を使用する。 第7条 推薦の締め切り日は,選考年の3月末日とする。 (授賞時期) 第8条 授賞は原則として隔年とする。 (選考委員会) 第9条  選考委員会を設置する。選考委員は,理事会において選出する。 第 10 条  選考委員は,理事の役割分担としての理事,及び会員,また必要に応じて外部委員として非会員に 委嘱することができる。選考委員は7名以内(理事3名を含む)とする。 第 11 条 選考委員は,推薦された段階で選考委員を外れる。 第 12 条 選考委員会運営規則は,別に定める。 (授賞の決定)  第 13 条 選考委員会で選考し,理事会の承認を得る。 (授賞の公表) 第 14 条 授賞の結果は,学会ニューズレターに授賞理由,選考経過などを選考委員会名で公表する。 (附則) ・本規程は,2011 年 10 月1日の学会総会で承認され,2012 年度から実施する。 ・第1回授賞は 2013 年度全国大会総会で行う。第1回授賞対象は,本学会誌 30 号,31 号掲載の論考,投稿 原稿,及び 2011-2012 年度に刊行,実施された研究,教育実践とする。 ・本規程は,第1回実施後に,必要があれば見直す。 選考委員会運営規則 ⒈ 選考委員長     選考委員の互選により,委員長を選出する。  ⒉ 選考委員会の事務     選考委員の互選により選考委員が担当する。 ⒊ 選考委員会における最終決定は,会議を開催して行う。 学会賞関連の予算(概算)計上 ⒈ 学会賞(賞状,盾の購入費)  1件 0.5 万円×最大 10 名= 5 万円 ⒉ 選考に伴う会議費(選考委員の交通費実費含む) 2.5 万円 ⒊ 連絡通信費 0.5 万円

経済教育学会賞規程

(16)

経済教育学会 役員選出細則

1990 年 11 月 17 日制定 1995 年 11 月 25 日改正 2010 年 9 月 25 日改正 2011 年 10 月 1 日改正 1.理事会は,次期役員の選出を管理するため,会員の中から選挙管理委員5名を委嘱する。そのうち1名は 事務局長とする。 (2)選挙管理委員長は,委員が互選する。 2.会員は,所定の投票用紙を用いて,直接郵送秘密投票(10 名不完全連記)によって,会員の中から 20 名 の次期理事を選出する。最下位同数者の扱い,辞退者が出た場合の取り扱いは,選挙管理委員会が決定す る。 (2)選挙選出以外の理事は,合議の上で本会議の運営の円滑化などのために,総数が 20 名以内となるま で選出することができる。 3.上記の全理事の互選によって,会長1名を選出する。会長の任期は1年とする。 4.理事の任期は3年とする。理事の任期は,選出された年の大会終了時点から起算する。 5.本会の会員は,選挙権・被選挙権を持つ。ただし,現理事で選挙制度導入後から起算して3期連続して理 事に就いたもののうち3分の1について,多選順に次期被選挙権を失うものとする。条件が同じ場合には 年齢順に高い方からその対象とする。(申し合わせ事項として,3分の1の小数点は切り上げとする) 6.投票に関しては,次の各項にしたがう。 イ 投票は,4月1日を基準として実施される。その際,名簿一覧と投票用紙を同封して会員に郵送する。 選挙実施に関する事項(投票方法など)は選挙管理委員会で検討する。 ロ 投票方法は,10 名不完全連記とする。投票の一部に無効な部分があっても,他の部分は有効とみなす。 ただし,10 名を超える記入のある投票,返送時に切り離された投票は全て無効とする。 7.理事選出に関するその他の細目は,選挙管理委員会において協議・決定する。 8.この役員選出細則の改廃は,理事会の提案に基づき,会員総会において決定される。 9.この役員選出細則は,2011 年 10 月1日から施行される。

(17)

経済教育学会役員名簿(2016 年 8 月現在)

阿部信太郎(城西国際大学) あんびるえつこ(生活経済ジャーナリスト) 井草剛(松山大学) ●猪瀬武則(日本体育大学) 宇佐見義尚(亜細亜大学) 大坂洋(富山大学) 金子浩一(宮城大学) 河原和之(立命館大学) 久井田直之(日本大学) 齋藤哲哉(日本大学) 塩田尚樹(獨協大学) 篠原総一(京都学園大学) 杉浦真理(立命館宇治中高) ○炭谷英一(神戸市消費生活マスター) 高橋勝也(都立武蔵高校・附属中学校) 田中淳(東京都立産業技術高等専門学校) 十名直喜(名古屋学院大学) 中里弘穂(福井県立大学) 新里泰孝(富山大学) 裴光雄(大阪教育大学) 松尾匡(立命館大学) 松本朗(立命館大学) 八木紀一郎(摂南大学) 八木尚志(明治大学) 山岡道男(早稲田大学) 山根栄次(三重大学) 橋本勝(富山大学) 中谷武雄(元京都橘大学) 会計監査 理事 ▶『経済教育』バックナンバー購入,図書館等の機関の予約購読の申し込み 日本大学経済学部 齋藤哲哉研究室気付 経済教育学会事務局 〒 101-8360 東京都千代田区三崎町 1-3-2

TEL 03-3219-3803 FAX 03-3219-3803 電子メール office@ecoedu.jp ▶経済教育学会への入会,会費納入,住所・所属等の変更のご連絡 株式会社サラト「経済教育学会」担当 〒 670-0948 兵庫県姫路市北条宮の町 172 TEL 079-284-1380 FAX 079-284-0904 学会ホームページ http://www.ecoedu.jp 電子メール office@ecoedu.jp 郵便振替「経済教育学会 00920-3-252875」 お願い 電話では,入会申込,退会届,住所・所属・連絡先変更届は受け付けることができません。誤りを防ぐために郵便, ファックス,電子メール等の書面にてお届け頂けますようお願い致します。 ▶その他のお問い合わせ 事務局(2016 年 4 月〜) 〒 101-8360 東京都千代田区三崎町 1-3-2 日本大学経済学部 齋藤哲哉研究室気付 TEL 03-3219-3803 FAX 03-3219-3803 電子メール office@ecoedu.jp

● 2016 年度会長

○ 2016 年度大会実行委員長

事務局長

(18)

 事務局と学会誌編集の兼務を通して,学会運営の難しさ を改めて感じながらも,貴重な経験をさせていただいてお ります。先輩の先生方が守ってきた本学会をこれからも支 えていくことができたらと思っております。今後とも何卒 よろしくお願い申し上げます。 (久井田直之)  本年より編集委員会に加わりました。若者の学力低下が 問題視されて久しい今日,いかに工夫して経済現象および 経済関連諸科学を分かり易くそして面白く伝えるかについ て,小中高大さらには教員である・ないの立場を超えて議 論できる場を提供する本学会の存在意義は大きいと思いま す。微力ながら学会の発展に貢献できれば幸いです。どう ぞ,よろしくお願いいたします。 (塩田 尚樹)  編集委員に就任して,たいした仕事もせず鳴門教育大学 に2年間派遣され,委員の仕事をしませんでした。力にな らないことはわかっておりますが,東京に戻りましたので, できることでは,何でも貢献して参ります。よろしくお願 いいたします。 (高橋 勝也)  昨年,編集委員長の猪瀬武則先生が会長になられたこと で,今号は私が編集委員長になり,皆様にはご迷惑をおか けしております。編集委員の齋藤哲哉先生も事務局長にな り,替わりに久井田直之先生に入っていただき,英文を見 てもらいました。塩田尚樹先生をお呼びしたり,高橋勝也 先生に戻ってきていただいたりと,編集委員の所属や分野 のバランスを考えるようにしています。学会員の皆様には, 編集のご協力を今後ともよろしくお願いします。 (田中 淳)  皆様のご協力で今年の編集は終了しました。今年から英 語の目次や英語でのサマリーなど新しい編集が加わりまし た。 (八木 尚志) 編集後記

参照

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