理学 療 法 学 第27巻 第1り ]
7
〜
23
頁 〔2000
年1
報 告
下 り勾 配
ト
レ
ッ
ド
ミ ル
歩
行
の
運
動
負
荷
に
つ
い
て
*佐
々木
誠
1)2}山
上
弘 義
P白 鳥
常
}
YJ
t)要 旨
本
研究
の 冂的は,
下 り勾 配 トレ ッ ドミル 歩 行の呼 吸 循環 器 障害 患 者
へ の臨 床応
川の rrJ.
能 性の有
無 を考 察
す
る ことであ
る、
若 年
健 常女
性27
名
を対 象
に,
ド
り勾 配
トレッド
ミ ル歩 行
の運 動 負 荷
につ いて,L
り勾
配
トレッド
ミ ル歩 行
の そ れと
の対
比 を含
めて酸素
搬 送系
の各指 標
お よ び自覚
的 運 動 強 度 (RPE
) か ら検討
する た め に,
L
り勾
配とF
り勾 配での トレ ッ ドミル運動
負荷 試 験
を実 施
し たtt
運動 負
荷 試 験プ ロ トコー
ル は勾 配
O
% から±15
%ま
で7
段
階 に2
分毎
に そ れ ぞ れ 正負
に漸 増 す
るも
の であ
る 。 ヒり勾
配 で は全
指 標 が勾
配漸 増
に伴
っ て増 加
し たの に対
して,
ド り勾 配で は 酸素摂 取
量 (†0
〆kg
} は一
7% まで漸 減 し た 後一
1
% を 境に増 加 傾 向
を 示し たが,
全 値
と も’
ド地 歩 行 よ り低 値であ っ た/
t 酸素 脈
(0
.
,pulse
) も†
0
、
ノ
kg
と同 様
の推 移
であ
っ たが
,
心 拍 数 (
HR
) は’
ド地 よ り も 僅 か に低 値
の ま ま不 変
で あ F),
.
二重 積 (
RPP
) は平
地歩 行
と同値
で推 移 し
た。また
,
分 時 換 気 量
(Vlg
は一
10
% を最
小 と するVO
,
!kg
と近 似
した推 移 を 示 し た が,
これ は一
.
・
lrrlit
気
量 (VT
)
の漸 減
が 理 山と考 え ら れ,
呼 吸 数 (RR
) は1
:り勾
配 と同様
に漸増
し続
け た。
更
に,
RPE
は一
Ll
り勾 配
ほ ど急 峻
で は ないも
の の漸 増 し た、
、
以 上 よ り,
ド り勾 配 歩 行
は酸 素 需 要
量 が 少 ない に も か か わ らず
,
心 筋 酸 素 雷 要
は減 少
せず 浅 く速
い呼
吸 が も た ら さ れ,
設定
運動 強 度
以一
L
に”
きつ い運 重ガ と感 じ ら れる特 性
があ り
,
呼 吸 循
環 器障
害 患 者へ の臨 床 応 用に否 定 的 な 要素
が多
かっ た。
し か し な が ら,
トレ ナ ビ リ テ t− ,
慣
れの効
果.
筋 収
縮 や 歩 行 形 態の柑
違 に よ る末 梢 効 果
や応 川 歩 行
へ の適
応 効 果 が 期 待 さ れ る呵能 性
が残
さ れており
,
更な
る検 討
が 必要
と考
え ら れ たtt
キ
ー
ワー
ドド り
勾
配,
トレッ ドミル歩行
,
運動 負 荷
は じ め に運動
生理 学
やスポー
ツに 関連
した 生 体力
学・
運動 学
の分 野
におい てはドり勾 配 歩 行
・
走 行
に 関 して,
筋
の微
細損 傷
や こ れ に伴 う疼 痛
に厂 ナえ
る影 響
の検 討
t’
1),
エ ネル ギー
消 費
や代 謝 反 応
の検 討
’
tI)/’
,
筋 疲 労
に 関 わ る 牛 化 学 的解 析
1e )11〕,
下 肢 筋
の筋 電 図 学 的 分 析
12〕な ど
が な さ れ ている、
、
・
方
リハ ビリ テー
シ ョ ン分
野で は,
坂 道
歩 行は 肢体 不 自 山者
の応用歩 行 訓練
やスポー
ツ障 害 後
の ア ス レ チック・
リハ ビ リテー
ショ ンな
どに取 り入 れ
ら れている が,
内 部 障 害 者に対 して は トレッ ド ミルに よ るL
り勾
配 歩 行・
走 行 が漸 増
運動 負荷 試験
や運動 療 法
に適用
され て*
The WI〕rk LQad during DuwnhiLL Walking (m Treadmm
1)仙 台 医 療技 術 専 門 学 校
1〒982
−
0011 宮 城 県 仙f
「rlf太rl
区 長 助4ゴFI 3番55}1’
〕MakI船 Sasaki
「
RPT.
Hlr〔,ン{}shi Y}Lmakami,
RPT、
Tsuneo ShiraLori、
MD :Sendai Collegc
.
nf Mし・
dical Tedhnol⊂〕gy2〕廉 化 大 学 大 学 院医 学 系 娩究科障 胃科 学 専攻rk亅部障 害 学分野
The Scct[〔〕1ユ c〕f inLer【iとLl Medk
・
hle and DisabMtv Prever1Lk,n.
Disability Sc[ence
,
Div[sicm o[ /,ledici”e.
Tohoku し【livers 正t}Gradlla匸e Schoo1
〔
・
受i
’
]}I lg99で「4J∫221「.
」
受艮巨1「 1999イ1.
12月151ヨ} い るも
の の,
ド り勾 配 歩 行・
走 行 は 臨 床 応 用に至っ ていな
いのが現 状
であ
る、
凵常 生 活
E
の屋 外 歩行
に おいては下 り勾 配 も経 験 す
る にも
か か わ らず
,
リハ ビリテー
シ ョ ン分
・
野
に関 連
する下 り勾
配歩 行
の解析
は前
卜字 靭 帯 損 傷者
の膝 関 節
の生体 力 学 的
な解 析
1:S)な ど に 限 定 さ れてい る.
我
々の知
るとこ ろ で は,
内部 障 害 若
の運動 療
法へ の 応 用 を 意 鬨 し た 唯・
の研 究
とし てAkiyama
ら1’
1〕の 報 告 が あ る。
彼
ら は.
慢 性 呼 吸 不 全患 者
の歩 行
訓練
を 行 う 際 トレッ ド ミル上 での平
地 歩行
が困 難 な症 例
が おり
,
ま
た ド り勾
配 を 歩 行 し た り階段 降 段
の方
が楽
だ と訴
える思 者 がい るこ と か ら,
健 常 音
の胸 郭 拡 張 を実 験 的
に拘 束
し ド り勾
配 トレッ ド ミル歩 行 を平
地 歩行
と比較
してい る。そ
の結 果
,
非 拘 東 条件
・
拘 束 条 件 と もに一
7
% 下り勾
配の ノ∫が’
L
・
拍 数
(
HR
>,
酸素
摂11
文量(
VO2
)
,
代 謝
’
「i
量
(
METS
)
が有 意
に低
f
直
で あっ た と 報 告 してい る。
これ に関 連
し た他 分 野
か らの報 告
で は研究 者
に よっ て幅 は あ る もの の,
HR
は一
5
.
4
% か ら一
6
% ない し一9
%の 下 り 勾 配で最 小であ りfi}V!i,
エ ネルギー・
コ ス トや代 謝
は一
6
% か ら一15
% で 最 小 と な る5179 〕と さ れてい る。一
方
,
内
部 障 害 音 に 対 す る トレー
ニ ン グと して現 在
,
18 理 学 療 法 学 第27
.
巻 第lU.
ド肢筋
トレー
ニ ン グが注 目
さ れてい る。由 崎
151は心 筋
梗 塞 患 者の な かで も ド肢 筋 力
の低
ドに よっ て歩 行 能 力
が 制 限 さ れ る ケー
スが少
な か らず 存 在 す
る と し,
下肢 筋
ト レー
ニ ングの有 効 性 を示 唆
してい る。ま
た,
American
C
〔〕llege
ofChest
Physicians
とAmerican
Associati
(m ofCardiovascular
andPulmonary
Rehabilitation
によ る科
学 的 根 拠
に基づく呼
吸 リハ ビ リテー
ショ ンのガ イ ドラ イ ン で は,
ド肢 トレー
ニ ングは 効 果の科 学 的 証 拠 が 確 実であ
るも
の と してA
ランクと さ れてい る]{i/。
そこ で
今
回我
々は,
ドり
勾
配 ト レッ ド ミル歩行
が低
負 荷
で あ り,
かつ立 脚 初
期
の大 腿 四 頭筋
に よ るブ レー
キン グ7)P)17)作 用
に伴 う筋 力増 強 効 果
が 期待
で き るこ と を仮 定
し,
ドり勾
配 ト レッ ド ミル歩 行の呼
吸 循 環 器 障害
患 者へ の臨 床 応 用の 1丁∫能 性
の有 無 を探
ることを研 究
の 目的
と し た。
近年
,
内 部 障 害 者の運 動 障害
を酸 素
搬 送系
の機 能 障 害
と し て と らえ
る 流 れ18〕か らO
。kinetics
の概 念
が導
人 さ れ新
た な晨
開を迎 え
ており
,
仮 定
(P
に関連 し
て.
ド り勾 配 トレッ ドミ ル歩行
の運動 負 荷
につ いて,
ヒり勾
配 トレッ ドミ ル歩 行
のそ れ との対 比 を含
め て酸 素 運搬 系
の各指 標
か ら検 討 し
た。
そ
の特 性
の・
部
を明
ら かに し得
た の で報 告 す
る と とも
に,
仮 定
に基づく
ド り勾
配 トレ ッ ドミ ル歩 行
の臨床 応 用
の可能 性
につ い て文献 的
に考察
を加 え
る。
対象
と方 法
対 象
は,
内科
的 お よ び 整 形外 科
的 疾 患 を 有 さ ない健 常 女 性27
名
であ り,
年 齢,
身 長,
体 亜,
BMI
の 平 均 は そ れ ぞ れ19
,
0
±0
.
9
歳,
158
.
4
±5
.
4cm
,
54
.
7
‡ 1.
lkg,
21
.
8
±1
.
9
で あっ た、
.
被 験 者 に は前
もっ て 研究
の 目 的 や 内 容 を 十 分に説 明 し,
同 意 書 に 署 名 し て も らっ た/
t同
.・
被
験者
に対
し,
上 り勾
配と下 り勾 配での トレッ ド ミル運 動負
荷 試 験 を,
順 序 を ランダム化
し て1
週 間の 問 隔 を 置 き 実 施 し た。
測定 機
器 に はBIODEX
杜 製
Rehabilitation
TreadmilL
Sensor
Medics
社 製 呼 気
ガ ス分析 器
Metabolic
Measurement
System
2900c
を用
い,
HR
は 日 本光
電社 製
ベ ッ ドサ イ ドモ ニ ター
Life
Scope8
表
1 運動 負 荷 試 験 プロ トコー
ル 速 度 傾斜 時 間 〔mph )〔% )
〔分1 wa 「[n upstage lstage 2stage 3stage 4stage 5stage
6stage
7cool
do
、Vll000000000
233333332002570250
± ± ± 十一
± ±3
ワ]
つ回
9凵
ワ凵
9凹
ワ】
り】
3
に送 信
さ れ た 心 電波
形 か ら算
出 し たHR
をコ ン ピュー
タ に取
り込んだ/
t 運 動負
荷 プロ トコー
ル (表1
) はBalke
の3MP
日プロ トコー
ルtf}]変 法
を 用い た.
.
.
す な わ ち,
ウ ォー
ム ア ッ プ 〔WU
) (3
分 ) ;2mph
×0
%,
stagcl (2
分) ;3mph
xO
%,
以 降,
同・
時
llU
(2
分
〕 同・
速
度 〔3mph
)でh
り また は下 り勾 配の み が,
stage2
;±2e
/o,
stage
3
;±
5
%,
stage
4
;」
:7
%,
stage
5
:±
10
%,
stage6
;± 12%,
stage7
;± 15%
とi
斬増 す
るものを 設
定
したtt各
stage毎
に は ∬IL圧 測定
を実 施
し.
また
Borg’
s scate に よ る自 覚 的 運 動 強 度
(RPE
〕を 胸
(chest
)
と脚
Clegs
)に分 け
て記 録
し た。
〔220
一
年
齢 )x85 % を 目標
心拍 数
(THR
) とし,
限界
症fr
突下の負 荷 試験
とし た、
, な お,
運 動 負荷 試験
に先
立っ て心 電 図
モニ ター
装 着
1・
.
で安 静
坐位
を と ら せ,
IIR
の安 定
し たこ と を確 認
し た/
.
t
ま た,
室内
温度
は空調 調 節
を21
−−
23
℃ に設 定
し同
・
条 件
が保
た れるよう配 慮
し た/
tt
デ
ー
タ分 析
は,
各
Stage最 後
の5breath
を/
4均
して,
酸 素摂 取
.
蛙〔
VO
.
y’
kg
),
HR
,
酸素
脈(
0
.
,
pulse),
:重
積
(.
RPP
}.
分 時 換 気
量 (Vl
、
:),
II
乎
吸 数 (RRL
・
lnl
換気
量 (VT
) を求
め,
加 えてRPE
(chest ),
RPE
(legs
)で行っ た
、
.
結 果 は 全て平 均 値 ±標準
偏 差で表 現 し た、
統註学 的
処 理 は,
各
生体
反 応パ ラメー
タの stage 毎の変 化 に 関 して蔚stage お よ びs重agei
(す な わ ち,
平 地歩 行
)との 比 較 は paired 彦
一
test,
RPE
の stage 毎 の 変 化 はWilCoXon
の符 1∫』
付1
「「頁位検 定
,
全パ ラ メー
タの 」/一
り 勾 配と ド り
勾
配の stage up に よ る推 移
の比 較
は反 復 測 定 分
散 分 析 (repeated rneasure
ANOVA
}をJll
い,
有 意確
率
を5%とした.
.
.
結
果
まず
,−
L
り勾
配で は 全H
が st.
age7
終
.
∫
まで にTHR
に達
して運 動 を 中 断
し た。 卜.
り勾 配
は 全員
がStage7
を ク リ アー
し た、
,
対
.
象
の最
大酸 素 摂 取
量 〔peakVO
。
〕 は1454
.
0
±226
.
2
mL,
・
’min,
嫌 気
的代
謝閾
値 時の 酸 素 摂 取 量(
AT
−
VO
.
,
) は827
.
1
± ユ74
.
8
mlf’
min であ り,
そ れ ぞ れのIIR
は1712
±1
.
7
bpm
,
ユ20
.
7
±11
.
l
bpm
であっ た.
,
VO
、
ノkg
(図1
)は, 11
り 勾 配では 安 静 時 〔resl > か ら stage6
まで4
.
1
→
12
.
7
→
17
、
6
→
18
.
9
→
21
、
4
→
23
.
6
→
27
.
7
→27
,
8m
レkg
,min と stage5
−
6
問 を 除 き漸 次
増加
し 〔p 〈0
.
Ol
),
どの.
ヒ り 勾 配 に おい て も’
r一
地 歩 行 に 比 し 有 意 に 大 き な 値 を 示 し た (p <ODI
)。
卜.
り勾
配 で はいず
れの stage でも
’
ド地 歩 行
より有 意
に小
さな 値
を示
す (p
〈0
、
Ol
)も
の の,
勾 配
0
% の s〔agel
か ら14
.
8
→
132
→
1
ユ.
7
→
10
、
2
→
9
.
5
→
10
.
1
→
10
.
5m
レkg
.
・
” ]’
nin とstage4
まで は漸
次減
少 し た 〔p<0
.
Ol
) が,
stage5
を 最 ド限 と し以 降stage7
までは 僅 か ずつ 値 が 増 し た、
、
ま た,
ヒ り勾
配 と ト リ勾
配の stage up に よ る 推 移の相 違は統 計 学 的 に 有 意 で あっ た (pく0.
Ol
)。
.
ドり勾 配 トレッ ドミ ル歩 行の運 動 負 荷につ い て 19 4Q35 30 宕 ξ25塁
、。s
15105 # # 餠「
蕩
丁
广
・
卜
・
Q−
.
.
rest warm
up
stagel stage2 stage3 stage4 s ヒage5 stage6 stageT
(O%) (±2%) (±5%) (±7%) (±10% )〔士12%)(±15 %)
図
1
酸 素摂取 耳}
.
〔VO
.
,
,
,kg
)の推 移 平均 値±標 準 偏差 〔● ll.
.
り勾配,
〔■ ) ドり勾 配直 前stagc との
1
/匕較;*p<0
.
05
,
*
*
p〈0
.
Ol
.
勾 配 歩 行の Stag
.
el
〔平地 歩 行) との比較 :##p<0
.
Ol
,
(9
) 50 価 巳 40 嘲 30 麟 20 魚 10 0 (回fmin
) 40 (bpm ) 180・
−
160髻
140.
顰
12・’
1
118 60.
(ml/beat)串
*
岔 305 2010 (醜 ) 2000ダ
1500.
繭
取 1000 回 50010.
ホ * ## ## 蠏(
。
望 & N9 矗 鰈(
瓱 匡 匡V
鰹 細 囗 20864 132211 × * * * * * * **メ
#篇
跡
≧ 図2
(
訳 の尸
刊)
卜 Φ ◎D 邸 拐)
甥 ご 拐 拐 拐 拐 拐 循 環 機 能ハ ラメー
タの推 移 ヒ り勾配.
〔■) 下 り勾配 串 * P〈0.
Ol.
平 均値±標 準 偏差 〔●) 直 前stage との比較;*
p<0.
05,
勾 配 歩 行の stage ユ(平 地 歩 行 )との 比 較 ;#p<O、
05,
##p<0.
Ol,
.
両勾 配
にお け
る循 環 機 能
パ ラ メー
タの両勾
配の推 移 を
図
2
に示
した、
,
ヒ り勾 配
で は,
HR
が rest か ら stage6
ま で96
.
9bpm
か ら166
.
7
bpm
へ と,
RPP
が同 様
に11
.
8
×10ii
か ら25
.
0
×IO3
へ と漸 増
し(
そ れ ぞ れ p<0
.
Ol
,
p<0
.
05
),
い ず れの.
L
り勾
配で も平
地歩 行
に比 し有
’
意
に大 き かっ た (p<0
.
Ol
)。
これに対
してド り勾 配
で は.
HR
がstagel
の119
.
3
bpm
か らstage2
の117
,
0
bpm
へと減 少
し た 〔p〈0
.
Ol
)後
平 地歩 行
よ り も低
値 を 維 持 し 続 けた 〔p
<0,
05
) に も か か わ ら ず,
RPP
はstage2
のL6.
7
×103
か ら stage7
の17.
2
×10
/iま で stagel
の16
、
8xIO3
と同値
のま ま不 変
であ
っ た。
更
に02
pulse
は,
上 り
勾
配 で stagel
の7
.
5
mlfbeat か ら stage6
の9
.
.
2
inl〆beat
まで緩
や か な増 加 傾 向
を示
し,
stage3
か ら蠏 塀
(
試 の尸
爿)
卜 Φ oo 響 の(
訳 Nr 刊)
り Φ留
拐(
訳 O荊
)
頃 ω留
窃(
訳卜
刑)
寸 ω留
拐(
訳 頃 ε oっ o留
葛(
訳 N ご N Φ留
拐 寂O)
冖
留
拐 α コE
」
“ ヨ 拐 Φ 」 図3 呼 吸 機 能パラメー
タの推 移」
ド均 値±標準偏
差 (●〕L
り勾配.
〔■}下 り勾 配 直 前stage との比較;*p<0.
05,
* * pく O.
Ol.
勾 配 歩 行の stage l(’
F
地 歩 行 〕 との比 較;#p〈O.
05,
## p<o.
Ol.
5
ま
で は平 地 歩 行
より も高 値
であっ た (p
くO
.
OS
)、
.
対 照的
に1
・
’
り勾
配 で は,
slage1
の7
.
0
mlfbeat か ら stage4
の
4
.
9mtf
’
bcat
ま
で漸 減
し た (p
〈O.
Ol
) 後
不変
であ り
,
どの 下 り勾
配で も平
地歩 行
より低
い値 を
示 した(
p
<0
.
OD
。
これ らHR
,
RPP
,
02
pulse
のいず
れも
.
F.
り勾 配
と下り勾配
の一
一
連
の推 移
は異 な
っ て いた(
全
てp
〈O
.
Ol
)
。呼
吸機 能
パ ラ メー
タ の推 移
を図
3
に示
し た。VE
は,
ヒ り勾
配で stage2
の27
.
ll
か らstage6
の40
.
7
t
まで,
stage ユ の24
、
61
よ り高 値
(p<0
.
05
)
の まま 漸 増
し た (p <0
,
05
)。
これに対 して下 り勾
配で はstage1
の2
ユ.
61
か ら減 少 傾向
を 示 し,
stage5
の ユ98
Z
を 最 下 限 と して以 降 stage6,
7
は20.
31
,2
】.
3
t
と や や増 加
し た た め,
stage5
の み 平 地歩
行 よ り有
意に低 値 (p <0
,
05
)で あっ た。
両勾
配でのVE
の相 違 (p
<0
.
0
ユ) は 原 因 をRR
に 帰す
こと はできず (
勾
配条件
間差
;p=0,
4748
),VT
の勾配 条 件
に よる相 違
(p
〈0
.
Ol
〕の ため であ
っ た。RR
は両 勾 配
とも
stagel
の24
.
0
回/min から最終
stage の29.
4
1n
[hnin
(一
ヒり勾 配
).
292
回・
’
min(
ド り勾
配)
ま で緩 徐
に増 加 す
る同 様
の推 移
を示
し た。し
か しVT
は,
E
り勾
配で stagel
の1083
.
7
ml に比べ て stage3
の1242
.
i
ml か らstage6
の1408
.
4
mlS
で高 値
を示 す (
p
くO
.
OD
.
.
一
方
,
下 り勾
配 で はstage2
以 降 減 少 す る 傾向
を認
め,
stagel
の947
.
7mZ
に 比 して stage5
の748
.
4
mZ か らstage7
の795
.
O
mlま
で有 意
に低 値
を 示 した (p
<0.
Ol
)。
最 後
にRPE
(
図
41
に関
して,
両 勾 配
ごと
にRPE
2〔}
f
里学 療 字去学 第27巻 第1.
号 2018.
16 4可
2(
拐も
苗 匡 匡 1086.
* * * # * 評11
緜 蠏T
* #*
# * *梦
#葺
# ## 艸 蠏 ##無
壽
#(
訳 Ω 判)
卜Φ
曽←
の(
訳 N尸
刑)
O留 拐
(
訳9
判)
の Φ 認←
の(
渓 卜 爿)
寸 Φ 留 拐(
訳 のご
゜り Φ 留←
り。(
訳 N 爿)
N Φ 恕 拐(
訳 O)
尸
ω 留 拐 a ⊃ ∈」
邸 ≧ 2018642(
の
oo Φ一
畄 匹 匡 086 * * * #,
* #T
艸 蠏T
* # * # ・・暮
慕
犇
# T蘓
毒
#叢
* # * # * # * #(
訳 £ 刊)
ト Φ留
拐(
訳 N尸
刊)
Φ留
窃雲
O尸
爿)
留
留
栃(
訳 卜 “)
葛
留
拐(
渓 頃 引)
。
っ恕
栃(
凝 N 刊)
N留
窃(
訳 O)
「
Φ留
←
uり q コ ∈」
吋 ≧ 図4 自覚 的 連動 強 度 (RPE 〕の推.
移」
ド均 値±標 準 偏差 廴●) ヒ り勾 配,
〔■) ドり勾 配 直前s【age との比較 ;*p<O.
Ott.
* *p<OD1.
勾配 歩 行の stage l 〔’
F
地 歩 行 } との比較;#p〈 (1.
05,
##p< 0,
01.
(
chest ),
RPE
(
iegs
〕 とも
ほ ぼ同 様
の推 移 を 示 し
た。E
り勾
配 で は,
RPE
(chesO は stagel
の102
か らstage
6
の14
.
5
まで,
RPE
(legs
)は stagel
の102
か ら stage6
の15
.
2
まで漸 増
し(
そ れ ぞ れp
<0
.
Ol
,
p
く0
.
01
),
ド り
勾
配 で は,
RPE
〔chest ) はstage1
の9
.
7
か らstagc7
の
ll
.
7
まで,
RPE
qegs
) はstagel
の9
.
6
か らstage7
の12
.
9
まで漸 増 し た (そ れ ぞ れp
〈0
.
05
,
p
<0
.
05
).
/
上 り勾
配 と 下 り勾 配 と で は 漸 増の程 度 に 差 が あ り,E
り勾 配 で有 意
に急 峻
な増 加 を
認 め た (p
〈O
.
1
)。
考
察
今
回我
々は,
.
.
ドり勾 配
トレッ ドミ ル歩 行
の呼 吸 循 環 器
障 害患 者
へ の臨床
応 用の 口∫能 性の有 無 に 関 して考 察 す る ため に,
下り勾 配
トレッ ドミル歩 行
で の運動 負荷 試験 を
実 施 す
る と とも
に,
同 速 度
で の上り勾 配
トレッ ドミ ル歩
行
で の運 動 負 荷 試 験 を行
っ た。
そ
の結 果 第
.
.
一
に,
VO
.
,
,’kg
は 上り勾 配 歩 行
で勾 配
の増
加
に伴
っ て漸 増 す
るの に対
して,
下
り勾 配歩 行
は少 な く
と も一
15
% (stage7
)の勾
配 まで は 平 地 歩行
よ り も低
負荷
であ る が,
その運動
負荷
は一
7
% (stage4
)の勾
配 以 降 減 少 を 認 め な く な り一
10
% (stage5
) を 境 に む し ろ 増 加 傾 向 を 示 し た。
ま ず ヒ り勾 配 に 関 してはPandolf
ら2〔)/ が,Givoni
ら21)の代
謝 量 を予
測 す る 言1.
算式
を 修 正 し次
の方 程 式
を提
示 し てい る。
す な わ ち,
M =
1
.
5W
+2
.
0
(
W
+L
)〔L
/W
)2 + η(
W
+L
〕 (1.
5V2
+035VG
) ; こ こ でM
は代 謝
量,
W
は体
重 (kg
),
L
は荷
物
重 量 (kg
),
ηは地 形要 因
,
V
は速 度 (
m,
,
’
s),
G
は傾
斜 角
度 (% )である。
本 研 究
の よう
に,.
一
個 体 内
で体
重 が 定 まっ てお り荷 物 重 量 が 衣 服 重 量のみ で途 中の変 化 が な く, ト レッ ド ミル (η≡
1
.
0
)
上で速 度 が.
.
・
定
の場 合
,
代 謝 量
は 傾斜 角 度
の急 峻 化
に 比 例 して直線
的 に 増 加 す る。
し か し,
この 方 程 式は下 り 勾 配 に は 当て は ま ら ず,
代 謝 量
が負
の値
とな り得
る。 下り勾 配
につ い て古 く
はMargaria
ら が,
エ ネルギー
必要
量 はドり勾 配
の増 加
と非 直 線 的
に関連
し ている こと を見 出
しP,
更
にエ ネル ギー ・
コ ス トが最 小 限
にな
る の は一
9
%の勾 配
であ
る こと を示
し た5)。
Robergs
ら{ili は0
% か ら一
5
.
4
% まで の勾 配
走 彳f
実 験 に よ りVO2
の概 算 値 計 算 式 と して,
VO2
=
6
.
8192
+0
.
1313
(速度
; m.
,
’
min )+1
.
2367
(傾 斜
;%)
を 提71≒した.
.
[二で,
Margaria
らが代
謝 量 と ド リ勾
配の非
直 線
的 関 係 は 特に一
10
% を 超 え る と 生 じる’
t1と し たこ とを 引 用 し, 支 持 している、
、
その他,
代 謝 が 最 適 と な る の は一10
%勾
配歩 行
で あ る71とす る もの, エ ネルギー
消 費 量
は0
% か ら一
15
%ま
で減 少
し,−
15
% か ら一
35
% まで増 加 し たs)と す る もの,
X
:ro
.は一
6
% か ら一
15
%ま
でが最
小 で あ る とす
る もの9〕が あ り,
これ ま での報 告
に多 少
の相 違
はあ
るも
の の,
今
回の我
々 の結 果
とほ ぼ一
致し てい る、
、
ド
り勾 配
が増
bll
す
る のに伴
い運動 負 荷
が減 少
し,
あ
る傾斜 角 度
か ら は増 力
lr
す
る理 由
とし
て,
まず
Margaria
ら51 は 重力
に対
して身 体
をE
方
ヘ リフ トす
る正の仕 事
と逆
の負
の仕 事
の観 点
か ら,
ド
り勾 配
が増
すに従
い 止の仕 廓
は 減 少 す る が,
ほ ぼ一
10
% を 超 え る と 負の仕 卞
が直 線 的
に 増 加 す るこ と を 示 唆 して い る。
更 にWanta
らP)は身
体
重 心位 置
の水 平
・E
方
・
下 方
へ の各 移動
エ ネル ギー
か ら 全 身エ ネルギー ・
コ ス トの シェー
マ を作
成 してい る。
こ こ で は ド ノ∫へ の 市 心 移 動エ ネルギー
は.
1
・
’
り 勾 配 が一
12
%を超
えた と こ ろ で急
峻に増 加 するもの と仮 定 さ れ,
重 力
に抗 す
る ため の ブ レー
キング作
川の増 加 を
原 因 とし て挙 げている。
次に循
環 機 能
パ ラ メー
タ につ いて.
本研 究
で は ヒり勾
配で勾 配
の増 加
にし た がっ てHR
,
O
,putse
,
RPP
が と もに漸 増 し たの に対.
して,
ド り勾
配で はHR
は一
2
% 〔stage2
) までに 減 少 し た 後 平 地 歩 行 よ り低 値 を 示 し 続ドリ勾 配トレッ ドミ ル歩行の運
動
負荷
につ いて 21 け た.・
ノi
で,
RPP
は全
sτage とも平 地 歩 行 と
同値
であ
っ た.
ま た 下 り勾
配の増 加
に伴
い0
.
,
pulse
は,−
10% 〔stage5
) を 最 小 と する減
少の後 増 加 傾 向
を認
め るVO
.
, /kg
と同様
の推 移
であ
っ た。IIR
に 関 して ドリ勾
配の各
傾斜 角 度
をラ ンダム化
して 歩 行・
走 行 し た 場 合,−
5
.
4
% まで ド り勾
配の増 加
に伴
い減 少 する こ と(;.
/
,
お よ び一
6
% ない し一
9
% を最 小
と し以降
増加
し てい くこ と9〕 が 示 さ れてい る。
し か し,.
一
・
定 運 動 強 度で45
分 問の下 り勾 配 走 行 を 続 ける とHR
は徐
々に増加
して くる3}、
,
本 研 究 で は勾
配の順序
がラ ン ダ ム化
さ れ て お らず
価 分 よ り短
い 連 続 歩 行 で あっ た た め,−
2
% 〔stage2
)か ら一
15% ま で 不 変であっ た と考
える/
.
t
IIR
が漸 減
しなか っ た こ と と相
俟っ て, 収 縮 期 Ifll圧
がほ ぼ.
.
一
定 値 を 保 ち
,
結
果 的 にRPP
は 平 地 歩 彳] t と同 等
で あっ た.
,
す なわち,
仮
に一
6
% ない し一
9
%でRPP
が低 値
で あっ たに し ても
,
連 続 歩 行 を 行 う
と平 地 歩行
との差 は認
めな くな
る可 能 性
があ
る。更
に,
Q .
,
putse がVO
,
,
,
,kg
とlirl
様
の推 移
を示
し た こ と か ら,
末
梢 糾 織での酸 素取
り 込み の需 要
が 少 なか っ た と推 察
さ れ る、
,
つ ま り,
連続
す るF
り勾 配 歩 行
は末梢 筋
で の酸 素 需
要 が 少 ない にも か か わ ら ず,
心筋 酸 素需 要
が減 少
し ない 運 動 形 態であ る と 考 え ら れる,
、
第
.
.
三に呼
吸機 能
パ ラ メー
タ に関
して,.
.
ヒり勾 配
では勾
配の 増 加に伴いVE
は 漸 増 し たが,
こ れ はRR
とVT
の両 者の増 加 に よっ て 説 明 し 得 た。
対 して下 り勾
配で は,
VE
は一
ユ0
% (st.
age5
) を 最 小 と し漸 減
の後僅
か な増 加
を示
し た.
, この原 因 はRR
が’
r
地歩 行
よ り 高 値 を 示 し,
ヒり勾
配と同様
に 漸 増 す る 推 移であっ たこ と か ら,
VT
の推 移
に依 存
し てい た と 考 え ら れ る,
、
こ の こと につ い て,
Dean
らL’1)
}は健 常 者
13名 を 対 象
に5
.
6
kph
の速 度
で トレ ッ ド ミ ル の傾 斜
を±3
.
5%,
± 7,
0
%,
± 10,
5
%,
‡14
.
0
%
と2
分 毎
に連 続 的
に変 化
さ せ る.
L
り勾
配・
ド り勾
配
の プロ トコー
ル で歩 行
させ,
ドり勾
配のVE
の漸 減
がVT
の減
少に基づき
RR
は.
L
り勾
配以 上 に高 値
を 示 した と し,
ドり勾 配 歩 行 時
の速 く浅
い呼 吸
の出
現を指
し示 し てい る。
そ して考 察
と して,
VT
はあ
る閾 値
以一
L
にな
る とフ ィー
ドバ ッ ク機 構
が働
き,
RR
の減 少
を伴
っ て増 加
す る が,
下 り勾 配 歩行
で の速 く浅
い 1呼吸
の出現
につ い て は 別の メカニ ズムが作
坩 してい るに違
いないと言 及す
る に と ど めてい る。
我 々も.
こ の 浅 く速い呼
吸 が も たら さ れ るこ とにつ いて,
卜分 な
説 明
を 見 出 し得
な かっ た。
第
四 にRPE
は,
RPE
(chest )
,
RPE
(
1egs
)と も
1
・
.
り勾
配においても
VO
.
〆kg
が減
少 傾向
を 示 し たにも か か わ らず
,.
L
り勾
配ほ ど に急 峻
で はない もの の 勾 配の 漸 増 に伴
っ て増 加 し
た。 下り勾
配で は ブ レー
キン グ 7〕9n η作
川 に よ りRPE
(
legs
)
がRPE
(
chest)
より も 高植 を 示 す
と