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産褥早期の女性の自律神経活動とリラックス感

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Academic year: 2021

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慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科後期博士課程(Keio University, Graduate School of Health Management)

2011年 3 月25日受付 2011年11月16日採用

原  著

産褥早期の女性の自律神経活動とリラックス感

—経日的変化と変化に影響を及ぼす要因の検討—

Autonomic nervous system activity by RR-interval variability

and the feeling of relaxation in postpartum mothers

—Variation per day and related factors—

中 北 充 子(Michiko NAKAKITA)

* 抄  録 目 的  本研究の目的は,産褥早期の女性の自律神経活動の変化とリラックス感について,産褥日数による変 化を非観血的に捉え,それらの変化に影響を及ぼす因子を明らかにすることである。 対象と方法  産褥1∼3日目の正常な産後経過の女性のべ127名を対象とし,自律神経活動の変化とRE尺度による 主観的リラックス感について調査をおこない,潜在曲線モデルを用いて検証した。自律神経活動は,心 拍変動を周波数解析して得られた交感神経を示すLow-frequency (LF) / High-frequency (HF),副交感神 経を示すHFを用いた。 結 果  HFとLF/HFは,産褥1日目が高く,2,3日目は低かった。しかしHF,LF/HFと主観的リラックス感 において,産褥1∼3日間に有意な差は認められなかった。主観的なリラックス感は,産褥1日目の状態 が3日目まで影響することが明らかになった。HFと主観的リラックス感に影響を及ぼす因子として,分 娩回数と年齢の関連が強いことが分かった。主観的リラックス感は,分娩回数が増えると得点が高くな り,HFの変化には年齢が影響を及ぼしている。産褥1日目のリラックス感が高ければHFも高くなるが, 日数が経つにつれ,HFは減少していくことが示された。 結 論  産褥1日目のHF,LF/HFは,産褥2,3日目と比較して,ともに高く,産褥1日目の自律神経活動は不 安定な状態になる可能性が考えられた。さらに,産褥1日目の主観的リラックス感が3日目まで反映す ること,HFに影響を及ぼすことから産褥1日目の褥婦の精神・心理的状態を把握することは,その後の 産後の経過を予測し,ケアを推し進めていく上で,非常に重要であることが示唆された。 キーワード:産褥早期の女性,自律神経活動,主観的リラックス感,潜在曲線モデル

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Abstract Purpose

This study aimed to examine the changes in the autonomic nerve activity by RR-interval variability and the feel-ing of a relaxation by usfeel-ing a relaxation scale durfeel-ing early postpartum days, and investigated the related factors. Method

Scores of autonomic nervous system activity and subjective relaxation of 127 postpartum women were col-lected 1-3days after delivery. Autonomic nervous system activity was assessed using the heart rate, RR-interval variability, low frequency/high frequency (LF/HF) ratio, and HF, all of which were measured using LRR-03 (GMS). The HF and LF/HF ratio was used as an index of parasympathetic and sympathetic nervous activity respectively. The data collected were analyzed using a growth curve model.

Result

The HF value and the LF/HF ratio was the highest on the first postpartum day and decreased on the second and third postpartum day. The differences in HF, LF/HF ratio and relaxation scores between the first and third postpartum days were insignificant. The relaxation scores on the second and third postpartum days were found to be influenced by the relaxation score on the first postpartum day. The HF and relaxation scores were related to the experience of childbirth and the age of the mother. The relaxation score increased with increase in the frequency of delivery, and the HF value was influenced by the age of the mother. Moreover, the HF was high when the relaxation score on the first postpartum day was high, and the HF value progressively decreased on daily basis.

Conclusion

The HF and LF/HF ratio were higher on the first postpartum day than on the second and third postpartum days. The autonomic nerve activity was thought to be unstable on the first postpartum day. This study suggests the importance of realizing the psychological state of the first postpartum day to provide timely postpartum care de-pending on the condition of the mother.

Keywords: early postpartum mother, autonomic nervous system activity , relaxed feeling, growth curve model

Ⅰ.は じ め に

 産褥早期の女性は,さまざまな心身の変化を体験し ている。臨床においては,疲れているにも関わらず, 興奮し多弁な軽躁状態の女性を見かけることが多くあ る。Hasegawa(2000)は,多くの女性が産褥1日目に 喜びとともに軽躁症状を経験していると報告しており, Glover, Liddle & Taylor(1994)は,産褥早期の時期に

10%の褥婦に軽躁状態が出現したと述べている。また, 原田・松下・大浦(2007)は,21.4%の褥婦にマタニテ ィブルーズが出現し,なかでも産褥1日目と3日目に 多く発症したと報告している。これらの心理的な変化 には,様々な要因が関連していると考えるが,短期間 のうちに変化する精神・心理状態に対して,産褥早期 の入院期間における十分な観察と適切な看護ケアが重 要であると言える。  さらに,産褥早期は胎児・胎盤の娩出に伴い内分泌 系や自律神経活動も大きく変化しており,三上・鍵谷 (2007)は,産褥女性はプロゲステロンの激減により 自律神経活動が不安定な状態となり,交感神経の混乱 を引き起こすことを示唆している。産褥早期の女性は, 分娩による喜びの反面,分娩や育児による疲労,緊張, 睡眠不足等も加わり,交感神経活動が優位な状態が 引き続いている可能性がある。また,入院中の褥婦は, 新生児の世話や指導,診察など非常に忙しく,心身の 癒しケアを受ける機会は少ないことから,入院中であ っても心身ともにリラックスすることができていない 現状があるのではないかと考える。  初産婦と経産婦の産後早期における精神・心理状態 の違いについて,Hasegawa(2001)は,初産婦では産 後3∼5日で軽躁状態を呈するものが経産婦と比較し て有意に多かったと報告している。Bonnin(1992)は, 産後早期にストレス指標である唾液コルチゾールの値 が,初産婦で経産婦に比べて有意に高い値を示したと 報告しており,分娩経験の違いが精神・心理面や生化 学的側面へ与える影響が大きいことが明らかになって いる。分娩所要時間も長く,初めての分娩・育児を経 験する初産婦においては,経産婦に比べストレスを感 じやすい状況であり,心身の緊張状態は強いと言える。  近年,妊娠各期における自律神経活動の変化に関し て研究が進められ,妊娠週数の経過により自律神経 活動の変動があることが明らかにされている(Lucini, Strappazzon & Vecchia, et al., 1999;大西・三宅・山本 他,2000;Speranza, Verlato & Albiero, 1998)。しかし,

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2.研究対象者  対象者は,産婦人科に入院中で,産褥1∼3日目の 正常分娩後の褥婦である。対象の条件は,児の経過が 正常で授乳を行っている褥婦であり,質問紙の読解, 回答に十分な日本語能力を有する日本人で,結果に影 響を及ぼすと考えられる循環器疾患や精神疾患,その 他合併症などを有していない人とした。  研究実施施設は,神奈川県内にあるA産婦人科医院 1施設であった。 3.研究期間  データ収集期間は,2010年4月末∼8月末の4ヵ月間 である。 4.測定用具 1 ) 生理的指標   自 律 神 経 活 動 と し て,HF (High-frequency), LF (Low-frequency) / HFを測定した。HFは心臓副交感 神経機能を表しており,交感神経機能の指標として はLF/HF比を用いた(早野,1996a;早野,1996b;林, 1999;大塚,1998)。HF・LF/HFのデータは心拍計 (LRR-03,GMS,東京)により心拍変動を記録した心 電図のデータをパソコンに直接取りこみ,周波数解析 プログラムMemCalcを用いて解析した。心拍変動の 周波数解析の際,周波数は0.04Hzまでの領域を対象と し,0.04∼0.15Hzのパワー成分を低周波成分(LF)と 0.15∼0.40Hzのパワー成分を高周波成分(HF)とした (谷・山崎・堀,1999;Task Force, 1996)。これまで に,心拍変動の周波数解析による各周波数成分の個々 の増減が自律神経活動の指標となる(早野,1996a; 早野,1996b;林,1999;大塚,1998;谷・山崎・堀, 1999)ことが明らかになっており,ガイドライン(Task Force, 1996)も示されている。中北・竹ノ上(2009)の 褥婦を対象とした背部マッサージの効果を検証する研 究においても褥婦の自律神経活動を侵襲なく正確に捉 える方法として用いられており,心拍変動の周波数 解析を用いることは妥当であると考える。HFとLFは, 周波数領域の分布の個人差,ばらつきが大きいことか ら対数変換(log10)し分析をおこなった。 2 ) 主観的指標  主観的なリラクセーション度を測定する尺度として, The rating scale of emotion as defined in terms of

relax-ation(以下RE尺度)を用いた。RE尺度は,根建・上 産褥早期の自律神経活動の変化に関する研究は前述の 三上・鍵谷(2007)の報告などごくわずかである。また, 産褥早期の数日間の変化に限定した研究は見当たらず, 自律神経活動がどのように変化していくのか,自律神 経活動や心理的変化に対して,どのような要因が影響 を及ぼしているのかについては,十分明らかにされて いない。  以上のことから本研究で,自律神経活動,リラック ス感などの心身両面から,産褥早期の変化を検討し, それらの変化への影響要因を明らかにすることにより, 産褥早期における看護ケアの構築と今後研究をおこな う上での示唆を得ることができるのではないかと考え る。さらに産褥早期の心身の状態を把握することで, 早期に適切なケアを提供でき,マタニティブルー,産 後うつなど産後に起こりうる問題が大きく取りざたさ れる現代において,それらの予防につながるのではな いかと考える。

Ⅱ.研究の目的

 本研究では,産褥1∼3日目までの産褥早期の女性 の自律神経活動と主観的リラックス感について,産褥 日数による変化を明らかにし,さらに3日間の自律神 経活動の変化にどのような因子が影響を及ぼしている か検討することを目的とし,以下の仮説を検証する。 1 ) 産褥日数の経過により,交感神経活動指標が減少 し,副交感神経活動指標が増加する。 2 ) 主観的リラックス感は,産褥日数の経過とともに 高まる。 3 ) 自律神経活動の3日間の変化に対し主観的リラッ クス感が影響を及ぼし,さらに自律神経活動および 主観的リラックス感に対しては個人的背景,分娩に 関する要因などが影響を与えている。 【用語の操作的定義】 リラックス感:個々人の主観的な捉え方であり,心身 がくつろぎ,力が抜け,緊張がゆるんだ状態を捉えた 感覚のことである。

Ⅲ.方   法

1.研究デザイン  縦断的デザインおよび横断的デザインによる観察・ 調査研究。

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里(1984)により開発された自記式質問紙である。高 橋・田上・重光他(1999)により,10段階評定尺度に 修正されたものを使用した。4項目から構成され,リ ラクセーションの各状態を「気分が高ぶっていた̶の んびりしていた」,「身体に力が入っていた̶体の力が 抜けていた」,「不安であった̶安心していた」,「束縛 的な気分だった̶開放的な気分だった」の両極におい ており,得点が高いほどリラックス感が強い。高橋 ・田上・重光他の研究(1999)ではCronbachのα係数 はα=0.86であり,本研究でもα=0.83で高い内部一貫 性を示した。中北・竹ノ上(2009)の褥婦を対象とし た背部マッサージの効果を検証した研究でも用いられ, 褥婦を対象とした心理的リラックス効果の評価が可能 なことが明らかになっているため主観的指標としての 使用に妥当性があると考えた。 3 ) 基本的属性  母親の年齢,既往歴,嗜好品の有無,妊娠歴,分娩 時の状況,分娩所要時間,出血量,会陰切開/裂傷の 有無,児の出生時体重について収集した。 5.データの収集手順 1 ) 実験条件のコントロール  季節による室温変動を避けるため,室温を24℃∼ 28℃(5∼6月:25∼28℃,7∼8月:24∼27℃)に設定し, 空気調節機能の整った,清掃された部屋でデータ収集 を行った。  自律神経指標は午前中の方が安定しており再現性は 高いとされているが,褥婦のスケジュールと負担を考 慮し,午後1時から5時の間に行った。食事直後,シ ャワー後など自律神経活動に影響を及ぼすと考えられ る行動の後は避けた。 2 ) データ収集の流れ  同意が得られた褥婦に対し,基礎情報や妊娠・出産 ・新生児に関するフェイスシートとRE尺度に記入を してもらった。事前の行動がデータに影響しないよ う5∼10分程度安静を保った上で,心拍計を左右の前 腕部に装着し15分間ベッド上座位の姿勢で心拍変動 を測定した。測定時点は15分間の測定のうち,デー タが比較的安定していると考えられた5分後から5分 間のデータを採用した。HF成分振幅は心臓迷走神経 活動レベルとは独立に呼吸数の影響を受ける(早野, 1996b)とされていることから,データ収集前に呼吸 数を電子メトロノームで15回/分にコントロールす る練習を行い,呼吸の統制をおこなった。 6.分析方法  標本の属性については,記述統計を用いて分析し た。3日間の変化については反復測定による一元配 置分散分析をおこなった。有意水準は5%で,すべ て両側検定である。分析には統計解析用ソフトIBM SPSS Statistics19を用いた。3日間の変化と影響因子の 検討については,AMOS Graphics19を用いて潜在曲 線モデルにて検証した。モデルの適合度の判定には, Comparative Fit Index(以 下CFI),Root Mean Square Error of Approximation(以下RMSEA)を用い,CFIが

0.95以上,RMSEAが0.05以下であればそのモデルが データに適合していると判断した(豊田,1998;狩野 ・三浦,2007)。  潜在曲線モデルは,縦断的データに含まれる変数の 変化の様相を分析することに特化したモデルである (豊田,1998)と言われている。また,経時的変化の個 体差を何らかの説明変数で記述し,その現象の理解を 深めるための方法論である(狩野・三浦,2007)とされ ており,集団全体における変化の傾向のみでなく,個 人の変化に関する知見も得られ,マクロな視点とミ クロな視点の双方からデータ理解を深められる(豊田, 1998)。潜在曲線モデルは,不完全データに関しても モデルを当てはめて分析することが可能であり(Little & Rubin, 2002),一種のベイズ型モデルとして不完全 データの分析を効果的に応用し分析に活用すること 0 5 10 15 【時間】 【体位】 【測定用具】 座位(通常活動時) 心拍計装着 (分) 図1 実験プロトコール

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が出来る(Arai, Tsubaki & Fujimoto, et al., 2001)とさ れており,本研究のように3日間連続したデータを得 られない横断的データを含むデータ解析においてもモ デルを当てはめて分析することが可能であることから, 潜在曲線モデルを分析方法として採用した。 7.倫理的配慮  対象者には,研究内容の説明,研究協力は任意であ り,研究参加を拒否してもその他のケア内容に不利益 を被ることはないこと,中途辞退が可能であること, 個人情報の保護に努めること,プライバシーを保証す る旨の説明を文書及び口頭でおこなった。データを得 る際は,個人が特定されないよう無記名とし匿名性を 保証するとともに個人情報の保護に努めること,得ら れたデータは,研究目的以外には使用せず,終了後は すべて破棄すること,匿名性を保証し専門学会等で発 表する場合もあることを伝え,研究協力の承諾意志を 確認し,書面にて同意を得た。  本研究は,慶應義塾大学大学院健康マネジメント研 究科研究倫理審査委員会の承認を得て実施した。

Ⅳ.結   果

1.対象の特性  条件に合う対象者として褥婦112名に本研究への調 査協力の依頼をおこない,同意が得られた99名(のべ 127名)を分析の対象とした。ただし同意が得られた対 象者の一部は,2日間ないしは3日間にわたり縦断的に データ収集をおこなった。産褥3日間継続してデータ が得られた対象者9名に関しては,3日間の変化につい て分析をおこなった。さらに9名を含めた99名分のデー タ(のべ127名)を用いて,要因の検討をおこなった。  対象者は,産褥1日目42名(初産婦18名,経産婦24 名),産褥2日目41名(初産婦14名,経産婦27名),産 褥3日目44名(初産婦22名,経産婦22名)であった。 99名の平均年齢は,31.5 4.7歳,児の平均出生時体重 は3079.5 259.4g,平均分娩所要時間は420.6 286.1分, 平均出血量は224.2 102.6gであった。9名の特性につ いて,表1に示す。 2.産褥日数による比較について 1 ) 自律神経活動の3日間の比較(仮説1)  産褥3日間のデータが得られた対象者9名の心拍数 は,産褥1日目が少なく産褥日数の経過とともに増加 がみられた。副交感神経活動を示すHFの平均は,産 褥1日 目log10HF2.36msec2, 産 褥2日 目log10HF2.32 msec2,産褥3日目log10HF2.25 msec2で,わずかでは あるが産褥日数の経過とともに減少がみられた。交感 神経活動を示すLF/HFの平均は,産褥1日目log10LF/ HF1.20 msec2,産褥2日目log10LF/HF1.15 msec2,産 褥3日目log10LF/HF1.14 msec2で,非常にわずかな がら産褥1日目が高く,2,3日目では減少がみられた。 産褥日数の経過により,交感神経活動指標(LF/HF) が減少し,副交感神経活動指標(HF)が増加するとい う仮説1は支持されなかった。また心拍数,HF,LF/ HFいずれの項目も産褥3日間に有意な差は認められな かった(表2)。 表1 対象者の特性 項   目 対象者9名 年齢(歳) 29.4 5.18 分娩所要時間(分) 527.6 227.6 児の出生時体重(g) 3031.7 227.6 出血量(g) 253.3 112.3 分娩経験 初産婦 5(55.6%) 経産婦 4(44.4%) 会陰切開 8(88.9%) 1(11.1%) mean SD 表2 自律神経活動の産褥日数による比較 産褥日数 F値 p値 1日目 2日目 3日目 心拍数(回/分) 73.4 8.8 75.7 10.8 80.6 19.3 2.22 0.169 HF(副交感神経指標) (msec2 2.36 0.48 2.32 0.26 2.25 0.37 0.25 0.780 LF/HF(交感神経指標) (msec2 1.20 0.27 1.15 0.13 1.14 0.18 0.32 0.733 RE合計得点(点) 25.6 4.04 26.1 4.49 28.4 6.06 2.13 0.152 mean SD

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2 ) 主観的なリラックス感の3日間の比較(仮説2)  RE尺度の合計得点の平均は,産褥1日目25.6点,産 褥2日目26.1点,産褥3日目28.4点であった。日数が 経過するとともに得点の増加がみられたが,産褥3日 間のRE尺度の合計得点に有意な差は認められなかっ た(表2)。主観的リラックス感を表すRE尺度の得点は, 産褥日数の経過とともに高まるという仮説2は,一部 支持されたが,3日間を通して大きな変化は認められ なかった。 3.自律神経活動(HF)の変化に関連する要因の検討 (仮説3)  自律神経活動の中でも副交感神経活動を示すHFと リラックス感を示すRE合計得点の産褥3日間の変化 の予測とそれらの変化への関連要因を明らかにするた め,潜在曲線モデルを用いた。本データは,経時的に 数日間データ収集をおこなった対象者が一部含まれて いることから,潜在曲線モデルで回帰式を予測するこ とが可能であると判断し検証をおこなった。  産褥3日間のHFとRE合計得点について,それぞれ 1次の成長曲線を仮定し,潜在曲線モデルによって切 片と傾きを推定した。推定された「切片(intercept)」 からHFおよびRE合計得点へのパスは1に固定し,測 定時期が産褥1,2,3日目であるため,「傾き(slope)」 は,産褥1日目を0とし,産褥2日目へのパスを1,産 褥3日目へのパスは2と制約を課した。さらに,各観 測変数の誤差の平均を0,分散はそれぞれ等しいとい う制約を課した。  HFに関するモデルの検討では,χ2値は0.176,p値 0.981,CFIが1.000,RMSEAが0.000で あ り モ デ ル の 適合度は非常に良いといえる。HFの推定された切片 の平均値は2.59,傾きは­0.06であり,この結果から HFをy,産褥日数をxとした場合,y=­0.06x+2.59の 回帰式でHFが予測される。また,切片と傾きの共分 散は­0.05,相関係数が­0.71で有意であったことから, 産褥1日目のHFとその後の変化の間には関連がある という結果が得られた(図2)。  RE合計得点に関する潜在曲線モデルの検討では, 傾きの分散が負で有意ではなく,不適解となり採用し たモデルが適切ではない可能性が考えられた。傾きの 分散が負であることから,産褥3日間のRE合計得点 の変化には傾きがなく,線形で変化していないと判断 し傾きを削除した。傾きを削除したRE合計得点の最 終的なモデルのχ2値は3.881,p値は0.693,CFIが1.000, RMSEAが0.000であり,モデルの適合度は非常によい といえる。RE合計得点における推定された切片の平 均値は27.57であった(図3)。このモデルから,RE合 ICEPT: SLOPE: (-0.71) 図2 HFの潜在曲線モデル(非標準化推定値) 図3 RE合計得点のモデル(非標準化推定値)

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計得点の変化については,産褥1日目に高得点の人で あれば3日間高く,低得点であれば3日間低いままで あるという結果が得られた。  RE合計得点のHFへの影響を検証した結果を図4に 示す。身体面から心理面への影響,さらに双方向の 影響も考えられることから,それらのモデルについ ても検討をおこなったところ,RE合計得点からHF への影響を検討したモデルが最適モデルであるとい う結果が得られた。χ2値は7.885,p値は0.952,CFIは 1.000,RMSEAは0.000でモデルの適合度は良好であ った。HFの切片に対するREの合計得点の切片の影響 力は,0.05であり,傾きに対する影響力は­0.03であ った(ともにp<0.05)。RE合計得点の平均よりも得 点が1高い褥婦の1日目におけるHFは,HFの平均値 よりも0.05高くなり,日数経過が経つにつれ0.03減少 することを示している。  さらに,「年齢」「分娩回数」「分娩所要時間」「児体重」 「出血量」「会陰裂傷/切開の有無」の6つを説明変数 (影響因子)として加え,RE合計得点の切片とHFの 切片と傾きへの影響についてモデルを作成した。説明 変数内の共線性を避けるため,6つの説明変数を因子 分析したところ,「分娩回数」と「分娩所要時間」,「会 陰裂傷/切開の有無」が1つのまとまりとなった。こ れらの3つの変数は相関が非常に強く,臨床において も「分娩回数」と「分娩所要時間」「会陰裂傷/切開の有 無」の関係性は強いことは明らかであることから,「分 娩回数」を3つの変数の代表としモデルの分析をおこ なった。その上で,パス係数が有意ではなかった変数 およびパスは削除した結果,「年齢」と「分娩回数」を 説明変数とした図5に示す潜在曲線モデルを選択した。 χ2値 は18.232,p値 は0.896,CFI=1.000,RMSEAは 0.000でモデルの適合度は非常によく,説明力も高い と判断できる。また,パス係数は,すべて統計的に有 意であった(p<0.01∼p<0.05)。分娩回数からHFの 切片や傾きに対するパス係数は,有意ではなくRE合 ICEPT①:HF 切片 SLOPE①:HF 傾き ICEPT②:RE 切片 図4 HFとRE合計得点のモデル(非標準化推定値) 図5 HFとRE合計得点の影響因子のモデル(非標準化推定値)

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計得点の切片のみに影響を及ぼしていた。RE合計得 点の切片に対する「分娩回数」の影響力は1.74であり, 分娩回数の増加が産褥1日目のRE得点に正の影響を 与えていた。さらに,HFの傾きに対する「年齢」の影 響力は0.01であり,全褥婦の平均年齢よりも1歳上が るとHFが1日あたり0.01高くなるという結果が得ら れた。

Ⅴ.考   察

1.産褥早期の自律神経活動とリラックス感の変化に ついて  副交感神経活動を示すHFは,日数の経過とともに 減少し,交感神経活動を示すLF/HFは,産褥1日目が 一番高値で2,3日目に減少がみられたが,産褥日数に よる有意な差はHF,LF/HFともにみとめられなかっ た。仮説では,分娩による疲労や痛みなどの影響が 残る産褥1日目が最もリラックス出来ておらず,日数 の経過とともに,HFは増加しLF/HFは減少すると予 測していたが,反対の結果となった。その原因とし て,産褥1日目は分娩による疲労の残存や興奮により LF/HFが高値であったと予測され,産褥2日目以降に は授乳などの育児による緊張や疲労,不安などの出現 による身体的・精神的負担から,HFの減少がみられ たのではないかと考える。さらに注目すべきは,産褥 1∼3日の3日間を比較すると,HFは産褥1日目が高値 であり,LF/HFに関しても産褥1日目が高値であった ことから,産褥1日目の自律神経活動は不安定な状態 になりやすいと推測された。  皮膚表面温度と寒冷負荷試験を用いて自律神経活動 を測定した小西・友利・河野(1998)の研究では,産 褥5日目や産褥1ヵ月の褥婦の自律神経活動は,寒冷 負荷試験による反応から副交感神経緊張型の出現率が 高く,副交感神経が優位の状態にあったとしている。 しかし,本研究の結果では,日数の経過とともにHF の減少がみられたことから,三上・鍵谷(2007)の研 究同様,産褥1∼3日の女性の自律神経活動が,副交 感神経活動よりも交感神経活動が優位な状態に傾き易 い可能性が示唆された。

 Chen, Kuo & Yang(1999)は,産褥女性の自律神経 活動に関する研究で,妊娠後期からの迷走神経の減弱 と交感神経優位な自律神経活動の状態は,分娩から3 カ月後に元に戻ると報告している。さらに,正常妊娠 の女性と妊娠高血圧症候群の女性の交感神経活動につ いての研究で,産後6週間の女性において,出産後に 妊娠中に高まった交感神経活動の低下が認められ,正 常値に近づいたことが報告されており(Greenwood, Scott & Stoker, et al., 2001),自律神経活動が完全に元 の状態に戻るには数カ月単位の時間を要することが明 らかになっている。本研究は産褥3日目までの短期間 の結果であり,小西・友利・河野(1998)の研究結果 などと考え合わせると,産褥早期はわずか数日の間に 大きな自律神経活動の変動をきたしていること,もし くは自律神経活動が不安定な状態に陥っている可能性 が考えられる。  心理的なリラックス状態を測るRE尺度について, 仮説では,日数の経過とともにリラックス感が高まる としたが,実際は産褥1∼3日の3日間で有意な差は認 められなかった。さらにREの合計得点について潜在 曲線モデルを用いて分析した結果,RE得点の変化に は傾きがないことが示され,産褥1日目のREの合計 得点が高得点であれば産褥3日まで高得点で,低得点 であれば低いまま推移することが明らかになった。つ まり,産褥1日目のリラックス状態はその後のリラッ クス状態を反映しており,産褥1日目にリラックスし た状態におくことで,その後の産後の経過に大きく影 響する可能性が考えられる。  原田・松下・大浦(2007)は,マタニティブルーズ が産後1日目と3日目に好発し,出産をめぐる精神的 変動は概ね産後5日目には終結するとしている。松下 ・原田・大浦(2007)は,マタニティブルーズが21.4% の褥婦に発症すること,産褥早期にたとえマタニティ ブルーズが発生してもそのすべてが臨床的に顕在化す るわけではなく,症状を呈してもそのまま自然消滅し ていくことが少なくないことを示唆している。今回の 研究においても産褥3日間を通してリラックス感の低 かった対象者の中には,顕在化していないが何らかの 精神変動が起こっていた可能性もあるのではないかと 考えられた。

 Hannah, Adams & Lee, et al.(1992)は,産後の母親 を対象とした産後うつ病に関する研究で,産後早期の 気分と産後うつ病に有意な相関があると報告してお り,マタニティブルーズを経験した女性は産後長期 間にわたって症状が持続し,産後うつ病に陥りやす い(岡野,1998)とされている。また産褥早期には,軽 躁症状を経験している女性が10%前後存在すること が明らかになっている(Glover, Liddle & Taylor, et al., 1994;Hasegawa, 2000;Smith, Heron & Haque, et al.,

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2009)。Hasegawa(2001)は,産褥1日目において軽躁 得点が高いことを示しており,今回の結果では,産褥 1日目のリラックス状態がその後の産褥経過を反映し ていることが明らかとなったことからも産褥早期,特 に産褥1日目の褥婦の精神・心理的状態を把握するこ とは,その後の産後の経過を予測し,ケアを推し進め ていく上で,非常に重要であることが示唆された。 2.変化に影響を及ぼす因子について  主観的なリラクセーション尺度であるRE尺度が副 交感神経活動を示すHFの変化に及ぼす影響について 潜在曲線モデルを用いて検証した。様々な情動が,自 律神経系・内分泌系等の活動変化をもたらす(佐藤 ・魚野・鈴木,2010)といわれており,本研究の結果 からも,主観的リラックス感がHFに対し影響を及ぼ していることが明らかになった。身体的および精神 的ストレスによる全身性の反応として,交感神経系 が賦活化され,副交感神経は抑制される(Robertson, 2004/2007)とされているが,リラックス感の合計得 点が平均より高くなるとHFも増加するということが 明らかになったことから,身体的・心理的にリラック ス感を得られることで,副交感神経が優位に働くこと が示唆された。  さらに,HFや主観的リラックス感の変化に対して どのような因子が影響を及ぼしているのかを検討した 結果,分娩回数が主観的リラックス感に,年齢がHF の傾きに影響を及ぼしていることが分かった。初産婦 や夜間の分娩,もしくは分娩経過時間が長い産婦では, 産褥3日目に至っても疲労が残存している可能性が報 告されており(長川・松本,2002),産後の気分や・感 情の変化についても,初産婦は分娩後に緊張・不安, 抑うつ・落ち込み,活気,疲労領域において得点の変 動が著しく,特に緊張・不安領域において高値を示 すことが報告されている(片岡・佐藤・佐々木,2000)。 またBonnin(1992)は,産褥女性で,経産婦よりも初 産婦でストレス指標である唾液コルチゾール値が高く, 唾液コルチゾール値に対して分娩経験による影響があ ることを示している。本研究においても,分娩回数が 主観的リラックス感に影響を及ぼしていたが,分娩所 要時間が長く,育児に不慣れで不安が強い初産婦と分 娩による疲労が比較的少なく育児にも慣れている経産 婦とでは,リラックス感に差があることは当然の結果 であるといえる。  國分・藤邉(2000)は,自覚的健康状態は,母体年 齢に関係なく一般女性と同じ健康状態を保っていた としているが,本研究では,年齢がHFの傾きに正の 影響を及ぼすことが明らかになった。加齢によりHF の減少がおこることが早野(1996a)により示されてい るが,本研究の対象者は,20∼40歳未満の女性であり, 心臓迷走神経活動が影響を受けるほどの年齢幅とは言 えず,さらに年齢が高い方が,HFの傾きに正の影響 があることから,年齢や様々な経験を積み重ねること により,心身ともに安定しやすいのではないかと考え る。  「児体重」や「出血量」が影響因子として選択されな かった理由として,本研究では,対象者を児体重が 2500g以上,出血量500ml以下の褥婦と制限したこと から,影響因子として選択されなかった可能性が考え られる。低出生体重児を出産した場合や児に治療を必 要とする場合,褥婦の精神的動揺や不安は激しく心身 共に緊張状態を呈する。また,出血量が500mlを超え ると,循環動態も変化し,自律神経活動への影響もみ られる。今回は正常褥婦を対象としたため,リラック ス感やHFへの影響は認められなかったが,対象者に 制限を加えなかった場合にこれらの因子がどの程度リ ラックス感やHFへ影響を及ぼし,どのような変化を たどっていくのかという研究が今後必要である。  今回の結果では,会陰切開/裂傷の有無と分娩回数 に強い相関があり,さらにパス係数も有意ではなかっ たため,会陰切開/裂傷を説明変数として採用しな かったが,松岡・加納(2010)は,マタニティブルー ズの数値が出産時の医療介入の程度や産後の身体の 不快感や痛みと関連していることを示し,國分・藤邉 (2000)は,健康状態の自覚には分娩時間や出血量等 の分娩状況にかかわらず,産後の睡眠・食欲や不快症 状・身体的な心配事などと関連があったことを報告し ている。Bonnin(1992)は,産褥女性の唾液コルチゾー ル値を母乳直接授乳の場合とボトル授乳の場合を比較 すると,産褥2∼7日の全てで母乳直接授乳の女性で 有意に唾液コルチゾール値が高かったとしており,産 褥早期では,様々な要因が心身の負担となることから, 分娩経験や年齢だけではないその他の因子も多く存在 すると考える。今後の課題として,産褥早期のリラッ クス感や自律神経活動に影響を及ぼす因子として,今 回の分析では検討されなかった分娩時のクリステレル 圧出法,吸引分娩などの介入,促進分娩の有無,裂傷 の程度,母乳直接授乳・ボトル授乳の影響,家族の支 援の有無などを考慮した検証も必要であると考える。

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さらに,今回は,データ数の関係から層別をおこなわ なかったが,今後さらに縦断的なデータ数を増やし, 影響因子として挙げられた分娩回数や年齢などを層別 した上で検証することも必要であろうと考える。 3.看護への適用と提言  産褥早期の女性における主観的リラックス感と自 律神経活動との関連性やそれらの変化への影響要因 について,明らかにした研究はこれまで見られなか った。本研究の結果から,産褥1∼3日目の自律神経 活動は,変動をきたしやすい傾向があること,心理的 リラックス感の得点が産褥1日に高い対象者は高いま ま,低い対象者は低いまま推移することが明らかにな った。Bonnin(1992)は,産褥早期の女性の唾液コル チゾール値と心理面の変化についての研究で,唾液コ ルチゾール値が産褥2∼4日において5日目以降と比較 して高く,産褥4日目を境に低下を示したとしている ことからも,入院中の産褥早期には,心身へのストレ スが強く,交感神経活動が優位となり興奮している状 態に陥りやすいといえる。  岡山・飯田・玉里(2004)は,褥婦は各施設によっ て入院形態や授乳形態が異なり,活動時間や安静・睡 眠時間に違いはあっても,褥婦の疲労感に差はなく, 十分に軽減しないまま退院を迎えていると報告してい る。交感神経活動が優位となり,心身共に興奮した状 態となりやすい産褥早期の時期に心身共によりよい状 態を保持し,リラックスした状態で育児に臨むことが 出来るようなケアが必要であると考える。特に,産 褥1日目のリラックス感が低い褥婦や初産婦に対して は,軽躁状態の早期改善やマタニティブルーや産褥う つなどの予防策を講じることとリラクセーションケア を積極的に提供することが必要であると考える。リラ クセーションケアとしては,自律神経活動に直接働き かけるだけでなく,心理的にも安寧を得られることに よる自律神経活動への影響も考慮したケア方法を提供 する必要がある。  さらに,産褥早期の女性へのリラクセーションケア の効果を生理的・心理的両側面から明らかにし,産褥 早期の効果的なケア方法の確立を目指していく必要が あると考える。

Ⅵ.結   論

 本研究では,正常な産褥1∼3日目の女性を対象に3 日間の心拍変動の周波数解析からみた自律神経活動の 変化と主観的リラックス感の変化について検証をおこ ない,以下のことが明らかになった。 ①HFは,産褥日数の経過とともにわずかながら減少 がみられ,LF/HFは,産褥1日目が高く,2,3日目 に減少がみられたが,産褥1∼3日の間に有意な差 は認められなかった。 ②主観的リラックス感を示すRE合計得点は,産褥1 ∼3日の間に大きな変化は認められなかった。 ③主観的リラックス感は,分娩回数が1回増えると1.74 点RE合計得点が増加し,全褥婦の平均年齢よりも 1歳上がるとHFが1日あたり0.01高くなる。主観的 リラックス感は,HFへ影響を及ぼしており,産褥 1日目のリラックス感が平均よりも1点高ければHF が0.05増加するが,日数が経つにつれ,HFは減少 していく。  産褥1∼3日間では,自律神経活動および主観的リ ラックス感については,大きな変化は認められなかっ たが,主観的リラックス感がHFに対して影響を及ぼ しており,産褥1日目の心理的状態を把握することが 重要であることが示唆された。 謝 辞  本研究にご協力いただきましたお母様方,施設長は じめスタッフの皆様に深く感謝申し上げます。統計解 析について丁寧にご指導くださいました統計数理研究 所椿広計教授,慶應義塾大学大学院高橋武則教授,研 究をご指導くださった慶應義塾大学竹ノ上ケイ子教授 に心より感謝申し上げます。 文 献

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