埋学 療 法 学 第39巻 第1号 30
一
35頁 (2012年 )短 報
歩行時
の
エ
ネ
ル
ギ
ー
消費
よ
り
分析
した脳
卒
中
片麻痺
患
者
に
対 す
る
運
動
指
導
の
検討
*植
木
琢 也
1)#松 葉 好 子
1)堤
美 恵
1)朝倉
か お り
D
浅
山 美 穂
1)今 富 真 紀
1)守
下
美 和
1
)矢
野
実 穂
1
)日比 野
奈美
子
1
)大澤美代子
1
)笹澤 ま
つみ
1
)石 田
由 佳
1
)横 島 由 紀
1
)今
吉
晃
1
)前
野
豊
1
) 要旨
【
II
的
】
脳 卒
中片 麻 痺者 (
以一
ド片 麻 痺者
)
に 対 す る 運 動指 導
に おいて,
歩行
量の設定
に 関 し て は 具体
性 を 欠 く 場 合 が多
い。
本 研 究 で は,
健 常 者ではlH
約300
kcal
の運 動 に よ るエネルギー
消 費(
約10
,
000
歩の歩行
に相 当)
が 健康 維 持
に有効
で あ る と さ れているこ と を参 考
と し,
歩
行 中
の エ ネル ギー
消 費
の分 析 結 果
をも
と に片 麻 痺
者
の運動 指 導
の検
討 を行 う
こと をi
怕 勺と し た。
【
方 法
】
対 象
は片麻 痺 者
71
例
と した、
、
12
分 間 歩 行 中
の歩 数
・
歩
行 距 離・
エネル ギー
消 費 量 を 測 定 し,1
亅標
エ ネルギー
(
300kcal
/60
kg
)
に相 当 す
る歩 数
・
歩 彳
f
距離
・
歩行
時 間
を算
出 し た。
【
結果
】
歩
行 速 度別
に層別 化
し た結 果 歩行 速 度 が低
い ほ ど目標
エネ
ルギ
ー
に相 当 す
る歩 数
・
歩
行距 離
は 少 ない こ と が示
さ れ た。
【
結 論
】
片 麻 痺 者
では運 動 麻 痺 等
の影響
に より歩 数
や距 離 あ
たり
のエネ
ルギー
消 費 が 増 大 しているた め,
運動 指 導
におけ
る歩 数
や歩 行 距 離
は歩行 速 度等
の運動 機 能
に したがっ て設定す
るべ きであ
る と考 え
ら れ た。 キー
ワー
ド脳 卒 中 片麻 痺 患者
,
エネ
ルギ
ー
消 費
歩 行 量
は じめ
に脳
卒
中 片
麻痺
患者
(
以 ド,
片麻 痺 者 )
に対
し,
退 院 時
等 に 自 主 的に歩 行 練習
を継 続 す
る よう指 導 す
る機 会
は多
い。
その際
,
屋外 歩 行 時
の注 意 点
や歩行 補 助 具
の使
用等
につ い ては指 導
が実 施
さ れ てい ても
,
「
どの く らい歩
け ば よい のか」
という
量的側 面
につ いて は,
具体
的 な指 導
は ほ と ん ど実 施
さ れて いな
いのが現 状
と 思 わ れ る。木村
D
は 屋 外歩 行
が自
立 してい る レベル の患 者
に対
して は1
日S,
eOO
歩 以.
L,
1
時 間 程 度の歩 行
を続 け
る よう
に指 導
し てい る と し,
近 藤
ら2)はド肢 筋 力 を維 持 す
るた
め の歩
行
量 と して,
軽 度 麻 痺 群
で1
日8
,
000
歩
以E
,
重 度麻 痺
群で4
,
000
歩
以L
が必要
であ
る と指摘
し てい る。
この よう
に片 麻 痺 者
の歩 行 量
につ い て 具体 的
に言
及 し てい る先
Examinatio
”
Qf Exercise Guidance Iol’
Hemipiegic Putients Bascdon all Analysis of Energy Consumption LN
.
hile、Valking1)横 浜 市 立 脳血 管 医 療セ ンタ
ー
リハ ビ リ テー
ショ ン部 (〒235−
0012
横 浜 市 磯 了 区 滝鎮1−
2−
1〕Takuya Ueki
.
PT,
Yoshiko Malsuba,
PT,
Mie Tsutsumi、
PT,
Kaori Asakura
,
PT、
Miho Asayama,
PT,
Mak正Imat〔}mi,
PT,
MiwaMorishita
.
PT,
Miho Yano.
PT,
Namiko Hiblno,
PT,
Miyoko Osawa,
PT
,
Maτsumi Sasazawa,
PT,
Yuka Ishida,
PT.
Yuki Yokoshima,
PT
.
Akira Imayoshi,
PT,
Yutaka Maeno.
PhDr Department ofPhysical Therapy
、
Yokohama Strokc and Brai【l Center#E
・
mail:LaOl.
uekiC4 /・
city、
yokohama.
jp
〔受 付H 2010年n 月tg日 /受理 日 2011年9月28日 )
行
研究
も散
見 さ れ る が,
全体
的 に研
究 数 は 少 なく
,
運動
指 導
に お け る 目標
が広
く 認 識 さ れ る に は 至っ ていないの が 現 状であ る。
そこ で 本 研 究 で は
,Paffenbarger
ら3
−
5)の疫 学 的 研
究
に よ り1
日約300kcal
(
週2,
000
kcal
)
以 上の運 動
に よ るエ ネル ギー
消 費 が 健康
維 持(
総 死 亡率
の低
下・
冠 動
脈 イベ ン ト発 生率
の低
下・
高
血 圧の コ ン トロー
ル改 善 )
に有効
で あ る と示 さ れている こ と,
ま た そ れに相 当 す
る 運 動 と して厚 生 労 働 省 が 「211U
:紀 に お ける国 民 健康
づく
り運 動(
以 下,
健 康 日本21
)
」
の中
で「
1
〔〕ρ
00
歩 」
の歩 行 を推
奨 してい るこ と6 >を参 考
に,
歩 行 中
のエ ネル ギー
消費
の分 析 結 果 か ら 目標 と な る 歩 行 量 を 推 定 し,
片 麻痺 者
へ の 運動 指 導
につ い ての検 討
を行 う
こ と を 目的
と し た。
対
象
2006
年
11
月
か ら2008
年
10
月
に当
セン ター
に 入院
し た 片 麻痺
者で,
全身
状 態 が安
定 しており
,
12
分 間
以 上 の連続 歩 行
が可 能 な
71
例 (
男 性
49
例 女性
22
例 ) を
対 象
と し た。診 断 名
は脳 出
血36
例
,
脳 梗 塞
29
例
,
くも
膜
ド出 血6
例
であ り
,
障 害 名
は右 片 麻 痺
29
例,
左 片 麻
痺
42
例
であ
っ た。年 齢
は平均
56.
3
±11.
1
歳
,
発 症
か ら歩行 時のエ ネルギ
ー
消 費 よ り分 析 し た 片 麻痺患 者へ の運 動 指導31
表
1
「
i
標
エネ
ルギー
に相 当す
る歩 行 量
の算 出方 法
1
)体 格 補 止 に よ り 目標 と す るエ ネルギー
消 薮 量 を 算 出目標エ ネルギ
ー;
300kcal
× 体重÷60
kg
2
) 単位 あた りのエ ネルギー
消 費量 を 実測 値 よ り算 出1
歩 あたりCkca
レ歩)
=
実 測エ ネル ギー
消 費 量 ÷ 実 測歩 数lm あ た り
(
kcal/m)
=
実測エ ネルギー
消 費 量 ÷ 実測 歩 行 距 離1分 あたり (kcal〆分 )
■
実 測エ ネルギー
消 費 量 ÷ 歩行 時 間 〔12
分 ) 3) 目標エ ネルギー
に相 当する歩 行量の算出 歩 数=
目標エ ネルギー
÷ 1歩 あたりエ ネルギー
消 費量 歩 行 距 離=
目標エ ネルギー
÷ 1m あた りエ ネルギー
消 費量歩行時
問=
目標エ ネルギー
T1 分 あたりエ ネルギー
消 費量計 測 ま
での期 間
は平 均
120
,
6
±49
.
5
病 日 (
17
病 口
〜
256
病 日)
で あっ た。
麻 痺
側 下肢
運動 機 能
回復 段 階
はBrunn
−
strom recovery stage 皿 が
16
例
,
IV
が
20
例
,
V
が
19
例
,
W
が16
例であ
っ た。ま
た健 常 成 人
9
例 (
男 性
2
例 女
性7
例,
平 均 年 齢342
±6,
7
歳 )
を健 常 群
と した。 なお,
対 象 者
に対
し て 本 研 究の趣旨
につ い て説
明 し書 面
にて同
意
を得
た。
方
法
1
.
計 測 方 法
自 山 歩 行
速 度で の12
分 間歩
行 に て 計 測 し た。
歩
き方
に対 す
る指 示
は「
いつも
の通り
,
楽
な 速 さ で歩
い て一
ドさ い」
と し,
通 常
の歩 行
で杖
・
装具
等
の歩 行 補 助
具を使
川 して い る場 合
に はその ま ま使 用
し た。
歩 行 路 に は1
周50m
の周 回 路 を用
い,
周 回 方 向
は各
対 象
の任 意
の方 向
とした。
計 測
は3
名
以 上の理学 療 法
士の監 視
の下 で実 施
し,
計 測
「ト
の中
止 基準
と して,
強い 疲 労 や 気 分 不快 等
の自覚 症 状
が認
められ
た場 合
,
代 謝 当
量 が極 度
に増 加
し た 場 合,
あ き らか な歩 容
の変 化
が認
め られ た場
合,
本 人 か ら中
1Lの申
し出
があ
っ た場 合 等
は計 測
を 巾 止 す るこ と と した。
計 測 項 目 は歩 行 中
の歩 数
・
歩 行 距 離
・
エ ネルギー
消 費 量 と した。
歩
数の計 測
に は数取 器 (
PLUS
株
式会
社,
KTIOI
)
を,
歩 行 距 離
の計 測
に は距 離
測 定 器(
Roto−
Plastics
社
,
Roto−Sure
lOOORange
)
を使
用 し た。
エ ネルギ
ー
消費
量の計 測
に は間接 的 熱
量計 測 法
を 用い,
対 象
に 装着
した呼 気
ガ ス分 析 装 置 (
ア ニ マ株 式 会 社,
ATllOO
)
の カロリー
計 算 機 能
に より自動 算 出
を行
っ たv2.
目標
エ ネルギー
に相 当す
る歩 行
量の算
出方 法 (
表1
)
各
計
測値
より
,
以 下の方 法
に より 冂標
エ ネルギー
に相
当 す る歩
行 量 を算
出 した。
1
)
体 格 補 正
により
目標
とす
るエ ネルギー
消 費
量(
以 下,
目標エ ネルギー
)を
,
表
に示 す 計 算 式
に基
づき算 出
し た、
2
)単
位 あ た りの エ ネルギー
消 費
量を各 計 測 値
より算 出
し た。単 位
あ たり
と は,
1
歩
あたり
,
hm
あ
たり
,
1
分
あ
たり
のエ ネルギー
消 費
量 を示
し,
そ れ ぞ れ,
実 測エ ネ ルギー
消
費 量 を 実 測歩 数
実 測歩 行
距離
,
歩 行 時
間12
分
で除
して求
め た。
3
)
目標
エ ネルギー
に相 当 す
る歩
行 量 を算
出 し た。
歩 行
量は歩
数
.
歩
行 距 離
,
歩
行 時 問で示 し.
そ れ ぞ れ1
)
より算 出 し
た目標
エネ
ル ギー
を2
)
で求
め た各
単位
あ たり
のエネ
ルギー
消 費
量で除
して求
め た。
3.
分 析 方法
片 麻 痺 者
の各 計 測 値
お よ び算
出値
は,
運 動機 能
別 に層
別 化 す
るため,
10m
〆分
刻み で歩 行 速 度
別 に分 類
し た。
ま
た,
歩 行 中
のエネ
ルギー
消 費
量,
お よ び単 位
あ たり
の エネ
ルギ
ー
消 費 量
の各 数 値
は体 格 補
正のた め体
重 比 に修
正 した。
今
回,
対 象
の中
に歩
行
速 度 が10mf
分未 満
お よ び90m
〆分
以 上の片 麻 痺 者
は な かっ た ため,
もっ とも歩 行 速 度
が遅
い群
を10m
/分 以 上20m
〆分(
以 ド単
位 省 略 ) 未 満
と し.
以 下,
20
以 ヒ30
未 満
,30
以 上
40
未 満
,
40
以
ヒ50
未満
,
50
以F.
6e
未 満
,60
以 上70
未満
,
70
以
ヒ80
未 満
,
80
以L90
未 満
の合 計
8
群 に 分 類 し,
健 常群
と合
わ せ群
ご とに平 均 値
を 求 め た。
各 群
の基 本 属
性 を表
2
に示 す
。目標
エネ
ルギー
に相 当す
る歩
行 量の歩
行 速 度 別
の比較
にはANOVA
を使
用 し,
有 意 差
があ
った
場 合
にPost
Hoc
Test
と してBonferroni
Dunn
法 を用
い た。
分 析
にはMicrosoft
Exce12000
を使
用 し,
危 険 率
5
%.
未 満 を有 意
と し た。結
果
計
測 に おいて中止 基 準
に抵 触 し計 測
を中
止 し た 例 は な かっ た。
各
群
の歩 行 時
の計測
デー
タ,
お よ び目標
エ ネルギー
に相 当 す
る歩 行 量 を 表
3
に示 す
。1 歩
あ たり
のエ ネル ギー
消費
量 は,
片麻 痺 者
の歩 行 速 度
10mf
分 以.
E20
m ノ分未 満
の群
でも
っと も大 き く
,
歩 行 速 度 が 速 くな
る と減 少
す
る傾向
を示 し,60m
/分 以
L
の群
で は健 常 群
と同 等
で あっ た。
1m
あ た りの エ ネル ギー
消 費
量も
,
1
歩 あ
たり
32
理 学 療 法 学 第39
巻 第1
号表
2
各 群
の基 本 属 性
歩 行 速 度 (m /分 ) 年 齢 (歳 ) 身 長 (m )5L9
±6
.
6
1
.
65
±0
.
08
49
.
7
±17
.
9
1
.
65
± 〔}.
ll
54
.
9
±6
.
l
L59
士0
.
04
53
、
8
±19
、
71
.
64
±0
.
08
56.
3
± 192 1.
68 ± OD8 52.
6 ± 15,
4 L.
65
±0
.
LO
56
,
8
士 14ユ1
.
65
±0
、
12
51
.
9
±18
.
4
1
.
65
±0
.
LO
34
.
2
±6
.
7 L63 ± 0ρ8 体 重 (kg) 10一
一
20 (n=
10) 20〜
30
(n=
7
)30
〜
40
{n=
12
}40
〜
50
〔11=
8
) 50〜
60
〔n=
4
) 60〜
70 〔n=
12) 70一
80
(n=
13)80
〜
90
(n=
5
) 健 常 群(n
=
9
) 平 均 イ直±標 準 偏差 (n=
71
) BMI 皿 ド肢Brs.
stage (名) N V w62
.
3
±6
.
6
56
.
8
±12
.
,
1
55
、
9
±7
.
7
65
.
3
± 19,
5 62.
8 ± 6.
559
.
8
±59
59
.
1
±12
.
9
63
.
2
±9
.
2
53.
7 土 9.
622
.
9
±2
,
〔〕20
.
7
±2
,
5
22
.
1
±1
.
6
242 ± 6.
] 222 ± 1.
622
.
2
±2
.
4
2L5
±2
.
3
23
.
3
±2
.
3
20.
0 土 2.
4933
且 且 RV7觸
431112
つ
∂ 1831394
表
3
各 群
の歩 行 時 計
測デー
タ お よ び 凵標
エ ネルギー
に相 当す
る歩 行
量 歩 行 速 度 歩数 〔歩 ) 〔m ノ分) J.
ネルギー
歩翁 距 離 〔m > 消 費量※ 〔kcaレkg) 学位 あ た リエ ネルギー
消 費 量※ 日 標エ ネ ル ギー
に 相 当する歩 行量 1 歩 あ た り 1m あ た り (caV 歩 〆kg〕 (caL,
’
【n〆k9〕 ユ分 あた り 歩 数 (歩 冫 距 離 〔m ) 時 間 (分 ) 〔cal/分/kg) 10−
20 623.
9 ± 53、
6 185、
3 ± 25.
6 0.
55 ±0.
13 20〜
3〔〕 899.
3 土 183.
4 291.
1 ±44.
7 0.
67 土0.
11 30−.
・
40 1035.
3 士 107.
3 429、
1土37.
8 066 ±0.
〔,7 40〜
5〔l LO49.
8土 9ア.
3 518.
(j士30.
9 0.
70土0.
07 50へ
・
60 1308.
8 ± 69.
6 67・
1.
0 土 24.
7 0.
9D ±0
、
04 60〜
70 1360.
3 土 85.
7 779.
2 ± 42、
7 0、
76 士 0.
10 70−
80 13529 土75
.
0
903
.
ア ± 27.
1 0、
73=
0.
10 8Dへ
・
90 1460.
0 士 72、
l lOOO.
4 ± 40.
0 0.
73 エ 0.
O・
1 健 常 群 1404.
3 土 82.
8 988.
4 土 56.
2 0.
75 ± 0.
09 0、
88 土 0.
上6 0.
75 ± 0.
10 0、
6・
i土 0.
06 0.
67=
0
.
(,6 0.
69 土 0.
06 0.
56=
0.
07 0.
54=
0.
07 0.
50 ± 0.
04 053 士 0.
04 3.
05 ± 0.
952.
32 土 0.
391.
55 ± 0.
201.
36 ± 0.
091.
33± 0.
060.
98 ± 0.
150.
81± 0.
100.
73 ± O.
06D.
76 ± 〔〕.
07 平 均 値±標 準 偏 差(
n=
71
)
※ ;体格 補 正のた め体
重比 に修
正 して示 す 45、
90土 10、
84 55.
66 ± 8.
79 55.
24 土 5.
75 58.
54± 5.
77 74.
76 土 3、
D7 63.
48 ±8
.
50 61.
13± 8.
00 60.
45土 3!19 62.
59土 ア.
6ア 5864 ± 1043 6741 ± S57 7844 ± 802 7501 土 681 7313 ± 673 9037 土 1014 9369± 1322 10092 ± 801 9422 ± 747 1778 ± 518 2208 土 377 3265± 416 3703 ± 2363760
土 172 5192 ± 68ア 6256 ± 833 6921 ± 603 6636 ± 632 ll4土 2592 ± 1591 土 1586 ± 867 ±380
士 1083 ± 1283 圭 581 ± 9 の エ ネル ギー
消 費
量 と同様
の傾 向
であ り
,70m
/分 以 上 の群
で は 健 常 群 と 同等
の値
を示
し た。・・
方
1
分 あ
たり
の エネ
ル ギー
消 費
量 は,
10m
/分
以 ヒ20
m /分 未 満
の群 で小 さ く,50
以 上60mf
分 未 満
の群
でや や丿
g
き
い値
を 示 し た もの の,
他
の群
で は健 常 群 を含
め大 き な差 を認
め な かっ た。
ま た
,
目標
エネ
ルギー
に相 当 す
る歩 数
は歩 行
速度
10m
/分
以 ヒ20
mf分 未 満
の群
でも
っと も少
な く,
全体
的には歩 行
速度
が速 く
なる と歩 数
は増 加 す る 傾 向 に あり
,60m
/分
以 上の群
で は10
.
000
歩
に近
い数 値
で あっ た。
統計 学 的
に は,
八NOVA
で有 意 差 を 認
め,
Post
Hoc
Test
で は表
4
に示 す 各 群
問で有 意 差
を 認 め た。
同 様
に目標
エネ
ルギー
に相 当
す る歩 行 距 離
につ いても
,
10mf
分
以上
20
m.
f分未
満の群で もっ とも 短 く
.
歩
行 速 度
が速 く
なる ほ ど 距 離 は 延 長 し た。
ANOVA
で有 意 差 を認
め,Post
Hoc
Test
で は表
4
に示 す 各 群 間
で有 意
差 を認
め た。一
方
,
目標
エ ネルギー
に相
当 する歩 行
時 間 は,
10m
/分
以 上20
m /分 未 満の 群のみ 他 群 よ り有
意 に長
かっ た が(
表
4
)
.
他 群
間 で は有 意 差
を 認 めず
,
い ず れの群で も80
分
か ら90
分相 当
となっ た。
考
察
近
年
,
運動 指 針
のパ ラ ダ イ ム は運動
習慣
によっ て 体 力(
特 に最 大 酸素 摂 取
量)
を維 持
・
向
上 し,
その 結果
と し て健 康
が達 成 さ れ
る という 「
運 動
一
体 力
モデル」
か ら,
弱
い 運動 強 度
であっ ても 身
体 活 動 量(
エ ネル ギー
消 費 量)
を維 持
・
増 加
させ る ことに より疾 病
の予 防 が 可 能で あ る とす
る「
身 体 活 動
一
健 康
モデル」
に その軸
足 を移
し て き た 6)。
本研 究 も 「
身 体 活 動
一
健 康
モ デル」
に 立 脚 し片 麻 痺 者
へ の運動 指 導
を健 康 維 持
の 視 点 か ら 捉 え,
P
誼 enbarger ら による研 究
や健 康
日本
21
の提
言 を参 考
に歩 行 量
の 目標
を検 討
した。
…
定
量の エ ネルギー
を消
費
す
る という
観 点
か ら歩
行 量
を検 討 す
る場 合
,
運 動 障害
を有 す
る片 麻 痺 者
においては歩 行
時の エ ネルギー
効 率 を 考 慮 する こ とが 必要
と なる。
先 行研 究
におい て 片 麻痺 者
は歩
行
ス ピー
ド
の低
一
ド
,
痙 性
歩 行時のエ ネルギ
ー
消 費 よ り分 析 し た 片 麻 痺患者へ の 運 動指 導33
表
4
目標
エネ
ルギ
ー
に相 当す
る歩 数
、
歩 行 距 離 お
よ び歩 行 時 問
におけ
る群 間
比較
目標エ ネルギー
に相 当する歩 数 歩 行速 度10
〜
20 20〜
3
〔〕 (m.
!分 )30
〜
40
40
一
50
50
〜
60
60
〜
70
70
一
80
80
〜
90
健
常
群 10〜
2020〜
3030−
4040〜
5050
〜
6060〜
7070〜
8080
〜
90
健 常群 n.
S一
※ n.
S ※ 11.
Sn.
s n.
sn.
Sn.
sn,
s ※ ※ ]1.
S ※ n.
S ※ ※ ※ ※ ※ n.
s一
※ ※ ※ ※ ※ n.
srl.
S ※ ※ ※ ※ ※ n.
Sn.
Sn.
S 目標エ ネルギー
に相 当する歩 行 距 離 歩 行 速 度10
〜
20
20
〜
30
30
〜
40 40〜
50(
mf 分)
10
〜
2020
〜
3030
〜
4040〜
5050
〜
6060
〜
707D
〜
8080
一
90
健
常群 50〜
60
60
〜
70
70
〜
80
80
〜
90
健 常 群 n.
s ※ ※ ※ ※ n,
S ※ ※ n.
Sn,
S ※ ※ ※ ※ n.
S ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ n.
S ※ ※ ※ ※ ※ ※ n,
sn.
s 目標エ ネルギー
に相 当する歩
行 時 間舗
瀦
1・一
・・ 2・一
・・3
・一
・…一
・・5
・一
・・ 6・一
・・ 7・一
・・8
・一
・・ 健 常・10
〜
2020
〜
3030
〜
4040
一
5050
〜
606D〜
7070〜
8080
〜
90
健 常 群 ※ ※ n.
S ※ n.
sn,
s ※ n,
Sn.
sn.
s ※ n,
sn.
Sn,
sn.
s ※ n.
sn.
Sn.
Sn.
Sn.
S ※ n.
sn,
sn.
Sn.
Sn.
Sn.
S ※ n.
Sn.
sn.
sn.
Sn,
sll.
Sn.
s ※ :p< 0、
05n
.
s:有 意 差 な し (n=
71
) の存 在
,
代 償 動 作
の存 在 等
の原 因8〕に より歩 行 時
のエ ネル ギー
効 率
が低
下 して い る と さ れており
9}10〕,
本 研
究
でも同 様
の結 果
が得
ら れ た。
また本 研 究
に お い て は,
歩 行 速 度
が遅
い片 麻 痺 者
ほ ど歩 数
や距 離 あ た り
のエネ
ル ギー
消 費
が増 大
して い る こと が 示 さ れ た。
したがっ て,
健 康 維 持 を 目的
とし
,
エネ
ルギー
消 費
か ら 目標 となる歩
行 量 を考 え
た場 合
,
歩 数
や距 離
に関
し て は 健 常者
の 目標
値
よ り少 なく
ても十 分
であり
,
歩 行
速 度 等の運 動 機 能 に 応 じ て検 討 す
る ことが重 要
であ る と考
え ら れた。
一・
方歩
行 時 間 につ い ては,
極 度
に歩 行 速 度
が 遅い群
を 除 き,
健 常 者 も含
め差
は認
め な かっ た。
片 麻 痺 者の歩 行
に お け る 時 間 あたり
の消 費
エ ネルギー
が 健常 者
と 同等
で あ る こ と は先 行
研究
でも指摘
され
てお り
lO )ll〕.
片 麻 痺
者
では 上 述の原 因 に よ る歩 数
/距 離 あ
たり
のエ ネルギー
消 費 増
大 と 時 間 あ た りの歩
数〔
=
歩 行 率 )
/歩 行 距 離 (
蘯
歩 行 速 度) 低
下 が相
殺 し,
結 果 と し て時 間 あ
たり
のエネ
ルギー
消 費
が ほ ぼ.
一
定
と なっ てい るも
の と推 察 さ
れる。 した がっ て歩 行 時 問 に 関 して は,
極度
に歩行
速度
が遅い34
理学療 法 学 第39
巻 第1
号表
5
歩 行
量の 目標
歩 行速 度 (mf 分)
歩 数 (歩)
距離(
m)
時 間 (分)
10
〜
2020
〜
3030
−
4040〜
6060
−−
7070
〜
8080
〜
90
4
,
500t
−
7
,
5001
,
000
〜
2
,
500
80
〜
140
5
,
500
〜
7
,
500L500
〜
2
,
5006
,
500
・
−
8
,
5002
.
500
〜
4
,
000
3
,
500
〜
4
,
000
8,
000
〜
10ρDO4,
000
〜
6
,
000
80
〜
90
5.
500〜
zoOO
9
.
OOO
〜
11
,
0006
.
000
〜
7
,
500
健 常者9
,
000
〜
10,
0006
,
000
〜
7
.
500
80
〜
90
片 麻痺 者 を除 き
,
歩 行 速 度
に か か わ ら ず健 常 者
と同 等
に設 定
して よいと考 え
る。
著 者
ら は,
臨床
場 面 に お け る 利 便 性 や 片 麻痺
者に とっ て の簡 明性
の観 点
か ら歩 行
量の 目 標 を表
5
の よう
に 整 理 し,
片 麻痺 者
に対 す
る運 動 指 導
の指
標 と してい る。
な お,
実 際
の運 動 指 導
にあたっ て は,
指 標 が 日常 生 活の中
で活
用 さ
れ ること を考 慮
し,
個々 の生活 習慣
や 運動 習慣
,
社
会 的 役 割 を勘 案
したう
えで,
片 麻痺 者
に とっ て導 入
・
活
用しやす
い指
標(
歩
数・
距 離・
時 間)
を 選択
・
提 示 す
る こと が重 要
であ
る と考
え る。
本研 究
の課 題 と
して,
今
回エ ネルギー
消 費
量の目標 値
と した「
1
日300kcal
」
の根 拠 が 米 国の 健 常者
におけ
る疫 学 的 調 査
に由 来 す
るも
ので あり
,
今 後
は疫 学 的 あ
るい は 生 理学 的 な調 査
・
研 究
に よ り本 邦の片
麻痺 者
に おけ
る健 康維 持
へ の直接
的 関 連 を 示 す 必 要 が ある点,
ま た高齢
片麻 痺 者
や,
循 環 器疾 患
・
骨 関 節 疾 患等
の合 併 症
を有 す
る片麻 痺 者
の歩 行 量
や運動 指 導
に 関 しては別
途検 討
が必
要である点,
等
が挙 げ
られる。
結
論歩 行 中
のエネ
ルギー
消 費 という 観 点 か ら,
片 麻 痺 者
に対 す
る運 動 指 導 を検
討 し た。
片 麻 痺 者
では運 動 麻 痺 等
の影 響
に より歩 数
や 距 離 あ た りのエ ネル ギー
消 費
が増
大 し てい るため,
運動 指 導
に お け る歩
数 や 歩行 距 離
は歩 行 速
度等
の運 動 機 能
に し た がっ て 設 定 す るべ きであ
る と考 え
ら れ た。一
方
で,
時 間 あ
た りのエ ネル ギー
消 費
は概
ね一
定
であ り
,
歩 行 時 問
に関 し
て は運 動 機 能
に か かわ
らず
,
健 常者
と同 等
に設 定
して よい と考
え ら れ た。
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