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ミューオンによる非破壊分析の可能性_toyoda

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Academic year: 2021

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(1)

研究会「ミューオンによる非破壊分析の可能性」 2018年11月13日

Ion Source

Detector

Detector

質量分析の最前線

(2)

質量分析とは

質量分析(mass spectrometry)とは,質量分析装置(mass

spectroscope)を用いてイオンの質量電荷比(mass-to-charge ratio)と強度(intensity)を測定する.

質量分解能:

m

Δ

m

=

2

Δ

T

T

(3)

質量分析とは

質量分析(mass spectrometry)とは,質量分析装置(mass

spectroscope)を用いてイオンの質量電荷比(mass-to-charge ratio)と強度(intensity)を測定する.

分子の構造解析

定量分析

・元素の組成比

・化合物の構造解析

・タンパク質・ペプチドのアミノ酸配列

・タンパク質などの立体構造

・自然界や生体内に存在する化

合物の定量

・医薬品や代謝物の体内での分

布状況解析

化合物の同定

高感度

ピコモル,フェムトモル で測定できる

(4)

統一原子質量単位

(Unified atomic mass unit)

質量数12の炭素原子の重さ

12

C = 12

1(u) = 1.6605402(10) 10

-27

kg

-+

6

6

6

C

12

6

+

6

7

6

C

13

6

同位体(isotope)

陽子

中性子

電子

同一元素の原子で,原子核

内の中性子の数が異なる(質

量数が異なる)

(5)

-原子分子を

イオン化

電磁場

中を飛行

質量による運動の違いにより

イオンの質量を測定

する

質 量 分 析 装 置 と は

イオン源

分 析 部

検 出 器

電子イオン化,化学イオン化, 高速原子衝撃イオン化,マトリック ス支援レーザー脱離イオン化,エレ クトロスプレーイオン化など 磁場型,四重極型,イオントラップ 型,飛行時間型,フーリエ変換イオ ンサイクロトロン,オービトラップ など

(6)

m

Δ

m

10%

5%

m+

Δ

m

質量分析装置の基本性能

質量分解能

感度

レスポンス,検出限界

質量範囲

R = m /

Δ m

飛行時間型の場合,半値幅

で定義する(FWHM)

10%谷分解能の約2倍にな

10%谷分解能

(7)

Bainbridge-Jordan型

国内初の質量分析装置(1939年)

分解能8000

(8)

大阪大学大分散質量分析器

H. Matsuda, S. Fukumoto, Y. Kuroda, Z. Naturforschg., 21a (1966), 25-33.

S. Fukumoto, T. Matsuo and H. Matsuda, J. Phys. Soc.

(9)

物 理

装置開発,原子・分子, クラスター,半導体

宇宙地球

惑星探査,同位 体比

化 学

化合物同定,化学 反応

生 物

タンパク質・ペプ チド解析,天然物 分析 プロテオーム,糖 鎖,医学臨床,法 医学

医 学

薬物動態,創薬, ゲノム創薬

薬 学

農薬,環境分析

農学・環境

毒ガス,爆発物, 覚せい剤 テロ・犯罪捜査 年代測定

考古学

質量分析

文化財

(10)
(11)

様々なイオン化法

1950年以前 放電イオン化,電子イオン化(EI), 表面イオン化 原子の精密質量測定が中心 1960年代 光イオン化 ,電界イオン化(FI), 化学イオン化(CI), 電界脱離イオン化(FD) フラグメントがでにくい「ソフト」イオン化が開 発.GC-MSが利用されるようになる. 1970年代 二次イオン質量分析(SIMS), 高速原子衝撃(FAB), 大気圧化学イオン化(APCI) 固体表面分析の開拓, 液相からの直接イオン化 1980年代 エレクトロスプレー(ESI) ペプチドやタンパク質などの生体試料の効率のよ いイオン化 1990年代 マトリックス支援レーザー脱離 イオン化(MALDI) 2000年代 表面支援レーザー脱離イオン(SALDI), DESI,DART, 大気圧MALDI(AP-MALDI)など ノーベル化学賞(Fenn,田中,2002年)

(12)

電子イオン化 (EI : Electron Ionization)

加速された電子線で気体分子を衝撃してイオン化する方法

 通常の有機物分子のイオン化エ ネルギーは7∼14eV程度であり, イオン化にはこれ以上のエネルギー を必要とする.通常はイオン化効 率が最も高く安定した解離を与え る70∼100eVの電子エネルギーで イオン化が行われる.このエネル ギーの電子衝撃では、分子イオン だけでなくフラグメントイオンが 生成する.  非常に安定なイオン化法であり フラグメントイオンも生成するた め,ライブラリーサーチなどによ り分子構造が決定できる. フィラメント 試料ガス e- e- e- e- e- e- e- e- e- e- e- e- M M+. F+ M M M M M M M +. M +. M +. M +. M +. F + F + F + F + M +. F + F + e- 熱電子 試料分子 M M 分子イオン フラグメントイオン 質量分離部へ 偏向電極 イオン化室

(13)

固体マトリックスとサンプルの混合物にパルスレーザを照射するとサンプルを含むマトリッ

クスが爆発的に気化する.その際に,サンプルとマトリックスの間でプロトンの授受がお

き,それによりサンプルがイオン化すると考えられている.

試料分子とマトリックス 分子との混晶 試料ターゲットの拡大図 試料分子 マトリックス分子 プロトン 質量分離部へ 可動試料ターゲット レーザーパワー調節 機構 レーザー CCDカメラ

マトリックス支援レーザー脱離イオン化

(14)

固体マトリックスとサンプルの混合物にパルスレーザを照射するとサンプルを含むマトリッ

クスが爆発的に気化する.その際に,サンプルとマトリックスの間でプロトンの授受がお

き,それによりサンプルがイオン化すると考えられている.

m m m m m m m m m m m m m m m m m m M m m m M m m m M m mm m m m m m m m m m m m m m m m m m M m m m M m m m M m mm m m m + +

-m m m m m m m m m m m m m m m m m m M m m m m M m m M m mm m m m + +

-レーザ光

マトリックス支援レーザー脱離イオン化

(15)
(16)

質量分析計の種類と特徴

磁場型 (magnetic sector) 1911年のJ.J. Thomsonの放物線型質量 分析器からの長い歴史を有する. 高分解能.ダイナミックレンジが広い. 装置が大きく,重い.

四重極型 (quadrupole)

1953年にPaulにより発明.

卓上サイズ.ダイナミックレンジが

広い

分解能が悪い.質量範囲が数千程度

イオントラップ型 (ion trap) 1953年にPaulにより発明. 卓上サイズ.高感度.MSnが可能. 分解能が悪い. 質量範囲が数千程度まで. FT-ICR型 1974年にMarshallらにより発明. 超高分解能.MSnが可能. 質量精度が非常に高い. 超伝導マグネットが必要 オービトラップ (orbitrap) 1999年にMakarovにより発明. 超高分解能.静電場のみ. 質量精度が高い. 超伝導マグネットが不要. 飛行時間型 (time-of-flight) 1946年にStephensにより発明. 高分解能.質量精度が高い. ダイナミックレンジが狭い.

(17)

r

磁場型質量分析装置

ローレンツ力と向心力

のつりあい

エネルギー保存則

q v B = m v

r

2

1

2

m v

2

= q V

∴m

q =

B

2

r

2

2 V

r =

2 m V

q B

2

(18)

飛行時間型質量分析計

イオンの質量:

m

 イオンの速度: v  価数:z 素電荷:e

飛行時間 Time of Flight (TOF)

エネルギー保存則より

12 m v2 = z e V ∴ v= 2zeV m 12 m v2 = z e V ∴ v= 2zeV m

1

2

m

v

2

= z e V

∴ v =

2 z e V

m

T

= L

v = L

m

2 z e V

Field Free Region

イオン源

V

L

(19)

質量分解能:

分解能を向上させる

飛行時間をのばす

飛行距離をのばす

飛行時間型質量分析計の分解能

時間幅ΔTを狭くする

静電界ミラー,扇形

電場を用いる

m

Δm

=

T

2

ΔT

(20)

マルチターン飛行時間型

質量分析計

Multi-turn TOF mass

spectrometer

(21)

小型・高分解能質量分析計の開発

彗星・惑星探査に適した質量分析計の開発

探査機に搭載

小型・軽量

彗星・惑星表面での分析

   十分な前処理が出来ない

  

高感度・高分解能

本体:1.1kg, 350mm 300mm 80mm

電源:0.75kg,5W

質量分解能:3000以上

GCとの接続(EIイオン源),同位体比の測定が可能

ロゼッタミッションの場合

(22)

マルチターン飛行時間型質量分析計の設計思想

決められたサイズで,出来るだけ飛行距離をのばす.

同一飛行空間を複数回,周回させる.

(

多重周回・マルチターン型

)

周回ごとに収差で広がっていかないようなイオン

光学系を探す.

周回後に,周回前と同じ状態で戻ってくる.

完全空間・時間収束

(23)

50 cm x max = 0 .0 0 5 0 m , α max = 0 .0 5 0 0 γ max = 0 .0 0 0 0 , δ max = 0 .1 0 0 0

静電

四重極

レンズ

BX1 + QY3 type

円筒電場

Deflection radius : 0.050 m Deflection angle : 156.87˚

Ion Trajectory (x-direction)

x max = 0 .0 0 3 0 m , α max = 0 .0 2 0 0 , γ max = 0 .0 0 0 0 , δ max = 0 .0 7 0 0

0.000 m 0.005 m

-0.005 m

1.284 m

Ion Trajectory (y-direction)

y max = 0 .0 0 2 0 m , β max = 0 .0 2 5 0 0.000 m 0.005 m -0.005 m 1.284 m E Q Q Q E Q Q E Q Q E Q E Q Q Q E Q Q E Q Q E Q

BX1 type

QY3 type

‘MULTUM’

のイオン軌道

(24)

Photo of ‘MULTUM Linear plus’ in Vacuum Chamber

イオン源 Q-Triplet 扇形電場 Q-Triplet 検出器

400 mm

(25)
(26)

TOF spectra of N

2

+

- CO

+

doublet

0 0.25 0.5 0.75 1277.00 1277.50 1278.00 1278.50 1279.00 0 0.25 0.5 0.75 649.90 650.40 650.90 651.40 651.90 0 0.25 0.5 0.75 1 22.75 23.25 23.75 24.25 24.75 0 0.25 0.5 0.75 323.75 324.25 324.75 325.25 325.75 2

Time-of-Flight (μs)

)ti nu .b ra ( yti sn et nI )ti nu .b ra ( yti sn et nI )ti nu .b ra ( yti sn et nI )ti nu .b ra ( yti sn et nI 1.5 周 (2.354 m) 質量分解能: 460 14N 2 + (28.0056) 12C16O+ (m/z 27.9944) 25.5 周 (33.161 m) 分解能: 23000 51.5 周 (66.535 m) 分解能: 46500 101.5 周 (130.715 m) 分解能: 91300 8 ns 7 ns 7 ns 0 0.1 0.2 3785.40 3785.90 3786.40 3786.90 3787.40 0 0.05 0.1 5044.60 5045.10 5045.60 5046.10 5046.60 0 0.025 0.05 6299.00 6299.50 6300.00 6300.50 6301.00 0 0.2 0.4 2531.25 2531.75 2532.25 2532.75 2533.25

Time-of-Flight (μs)

)ti nu .b ra ( yti sn et nI )ti nu .b ra ( yti sn et nI )ti nu .b ra ( yti sn et nI )ti nu .b ra ( yti sn et nI 201.5 周 (259.075 m) 分解能: 181000 14N 2 + (28.0056) 12C16O+ (m/z 27.9944) 301.5 周 (387.435 m) 分解能: 237000 401.5 周 (515.795 m) 分解能: 252000 501.5 周 (644.155 m) 分解能: 350000 7 ns 8 ns 11 ns 9 ns

(27)

分解能と強度の周回数依存性

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0 100 200 300 400 500

Mass

Resolution

(FWHM)

Number of Cycles

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 100 200 300 400 500

Ion

Intensity

Number of Cycles

高次収差の影響 大きな初期条件をもったイオン が電極などに衝突 中性分子との衝突

(28)

“MULTUM Linear plus”

40 cm

First laboratory model for ROSETTA Second laboratory model for ROSETTA

“MULTUM II”

Tandem TOF mass Spectrometer

“MULTUM TOF/TOF” Imaging mass spectrometer

“MULTUM-IMG”

“MULTUM-SIMS”

Smaller instrument

20 cm

“MULTUM-S”

J. Mass Spectrom., 38 (2003), 1125-1142. J. Mass Spectrom., 38

(2003), 1125-1142.

Rev. Sci. Instrum.,78 (2007), 074101

J. Mass Spectrom. Soc. Jpn., 55 (2007), 363-368. J. Biomed. Opt., 16 (2011), 046007.

1996 - 2001 Grant in Aid for Scientific Research (B) 1999 - 2002 Grant in Aid for Scientific Research (B) 2004 - 2006 Grant in Aid for Young Scientists (A)

2005∼ CREST

2003 - 2005 constructed in workshop of Osaka Univ.

2005 - 2008 Grant-in-Aid for Creative Scientific Research

Simplify MS/MS

Imaging MS

Miniaturize

40 cm

2007 - 2008 JST Supporting Program for Creating University Ventures

“MULTUM-S II” Compact instrument Improvement of manufacturing precision. Compact system

Development History of MULTUM at Osaka University

Anal. Chem., 82 (2010), 8456.

(29)

Photograph of MULTUM-S II (infiTOF)

50 (H) cm × 30 (W) cm × 60 (D) cm

,35kg

Resolution : > 30,000

20 cm

Electric sector for injection

Electric sector for ejection

Detector

Ion

Source

50. 4 cm

58. 4 cm

27.3 cm

(30)

Photograph of MULTUM-S II (infiTOF)

50 (H) cm × 30 (W) cm × 60 (D) cm

,35kg

Resolution : > 30,000

20 cm

Electric sector for injection

Electric sector for ejection

Detector

Ion

(31)

5 10 15 20 25 30 35 40 45 m/z 2.0154 15.9963 39.9632 43.9918 1.99 2 2.01 2.02 2.03 2.04 2.0154 14.8 14.9 15 15.1 15.2 15.3 15.0241 15.9 15.95 16 16.05 16.1 16.15 15.9968 27.92 27.96 28 28.04 28.08 28.12 31.8 31.85 31.9 31.95 32 32.05 32.1 32.15 39.4 39.6 39.8 40 40.2 40.4 40.6 40.8 39.9632 43 43.2 43.4 43.6 43.8 44 44.2 44.4 44.6 44.8 45 43.9918 44.9968 44.95 45 45.05 44.9968 Calibrant 1 of 2 N2 (m/z 28.00615) Calibrant 2 of 2 O2 (m/z 31.98983) H2 (m/z 2.01565) CH3 (m/z 15.02348) HN (m/z 15.0109) O (m/z 15.99492) H2N (m/z 16.01872) 15.99 16 16.01 16.02 16.03 16.04 15.9968 CH4 (m/z 16.0313) N2 (m/z 28.00615) CO(m/z 27.99492) O2 (m/z 31.98983) ? (m/z 31.8987) ? (m/z 31.8589) C3H4 (m/z 16.0313) 40.0326 39.5191 ++ ? (m/z 79.0382) ? (m/z 43.89827) CHO N (m/z 44.00285)15 44.00319 CO2 (m/z 43.98983) CO O(m/z 44.99405)17 H4 13C215 N(m/z 45.03812) 45.0374 Vacuum Background Resolving power: 6000(FWHM)

(32)

「現場(オンサイト)」で質量分析を行なう

.オンサイトで測定を行

なえる

装置開発

アプリケーション開拓

.さらにはそこから切り拓か

れる

新しいサイエンス

質量分析装置を「現場(オンサイト)」に持ちこむ

ことは様々な分野

で切望されている.

医療現場(医学,歯学,法医学...)

食品(食品加工現場,残留農薬...)

環境(温暖化ガスモニター,環境モニター...)

安全・安心(危険物質検知,違法薬物検知...)

On-site Mass Spectrometry

質量分析装置を「現場(オンサイト)」に持ちこむことにより,これ

までにない新しい知見を得ることが可能になる

参照

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