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伊丹市昆虫館研究報告 第 4 号 2016
瑞ヶ池公園にてユーカリハムシを採集
藻川芳彦
1)・
野本康太
2)1)
伊丹市昆虫館友の会、
2)伊丹市昆虫館
Eucalyptus tortoise beetle
(Trachymela sloanei) was
captured at Zugaike park in Itami city
Yoshihiko MOGAWA
1), Kota NOMOTO
2)1)ITAKON Friend Club, 2)Itami City Museum of Insects
問い合わせ先 〒 664−0015 伊丹市昆陽池 3−1 伊丹市昆虫館 e-mail:[email protected] (2016 年 2 月 28 日受理) 筆者らは、伊丹市内初採集記録となるユーカリハムシ を瑞ケ池公園 ( 兵庫県伊丹市瑞ヶ丘5丁目 ) にて採集し たので、ここに簡単にその報告を行う。 筆者らは、公益財団法人日本自然保護協会の実施する 自然観察指導員養成講座を受講し、自然観察指導員とし て登録しているが、各都道府県には自然観察指導員の任 意団体として、連絡会等が組織されている。兵庫県でも NACS-J 自然観察指導員兵庫連絡会が組織されている。 今回、連絡会の研修事業の一環で、2015 年 6 月 21 日 に、昆陽池公園(昆虫館)から瑞ヶ池公園、緑ヶ丘公園、 伊丹緑道を経て猪名野神社までのコースで「ふつうのま ちなかで自然観察」というテーマで観察会を実施した。 その観察コースのうち、瑞ヶ池公園の南側にユーカリ (Eucalyptus globulus)(図1)が植栽されており、筆者 の一人である野本が下見(2015 年 6 月 17 日)のおりに 棲息を確認し、観察会当日(2015 年 6 月 21 日)には、 成虫と幼虫(図2, 図3)をつぶさに観察することができ、 成虫 3 個体を採集した。 このユーカリハムシは、ユーカリを食べるハムシの侵 入種として、2008 年に寝屋川市での採集記録(湯川・ 宮武 2008)があり、その後の記録も存在する(中谷・ 山崎 2008; 宮武 2009a)。 瑞ヶ池公園においても、ユーカリの葉に食痕がみられ た(図4)。また、ユーカリは、一定の期間が過ぎた樹 皮は剥がれてくるが、その剥がれかけた樹皮の下で、幼 虫と成虫を見つけることができた。中谷・山崎(2008) によれば、本種は夜行性とされ、筆者らが観察した時に も、本種の成虫、幼虫ともに日中は樹皮の下にいて、日 が暮れる頃から摂食を開始すると思わせる状況であっ た。ただ、筆者らが観察した限りでは、日中(薄曇りの 状況)でもユーカリの樹皮の上を動き回っている個体 (幼虫)も確認し、撮影することができた(図5)。ただ、 幼虫の動きは緩慢なようであったが、少し触ったぐらい では簡単に落下しなかった。また、同地において、2016 年 1 月 9 日に、ユーカリの樹皮下で越冬する成虫を確認 し、採集している。 このハムシは、発見された当初は種の同定ができてお らず、オーストラリアのハムシ研究者に同定を依頼した 結 果、Trachymela sloanei (Blackburn,1896) で あ る と 同定された ( 宮武 2009a)。オーストラリアのほか、ニュー
図1.ユーカリの一種
12 藻川芳彦・野本康太 図 2.ユーカリハムシ成虫 図 3.ユーカリハムシ幼虫 図 4.ユーカリハムシの食痕 図 5.樹上のユーカリハムシ幼虫 ジーランドや北アメリカにも分布を広げていることが知 られているが、日本に、いつ・どこから・どのようにし て侵入してきたのかは判っていないようである。 このハムシの和名については、宮武はユーカリカメノ コハムシと呼ぶことを提唱していたが、ユーカリハムシ に落ち着いたようである(宮武 2009b)。 引用・参考文献 湯川閑・宮武頼夫(2008) 新しい 進入昆虫 - トラキメラ 属の 1 種(ハムシ科)の大阪府寝屋川市での記録 - . Nature Study54(7):5,12 中谷憲一・山崎一夫(2008)ユーカリを食べるハムシ侵 入種の分布記録と生態 . Nature Study54(12):16 宮武頼夫(2009a)ユーカリを食害するトラキメラ属の 1種の同定結果とその後の知見 . Nature study55(2): 3-4 宮武頼夫(2009b) 新称「ユーカリハムシ」について-ユー カリを食するトラキメラ属の和名の変更- . Nature study55(6):6