tissue consisted of blood vessels, nerve bundles in addition to fibrous connective and adipose tissues, but no bile ducts. Thus, the accessory diver in this case appeared to be supplied by a branch of the hepatic artery and vein. We could not ascertain further connections of extra-hepatic bile duct with this small mass. The gallbladder showed histological
features of chronic cholecystitis.
A CASE OF GALLBLADDER CANCER SUCCESSFULLY TREATED WITH UFTM THERAPY
Yo HORIUCHI, Somei MATSUOKA, Kenji INA, Hirofumi NAGAI, Toshihiro MATSUURA, Shoji SUGA
and Toshiharu OKAE
(Nagoya National Hospital, Aichi)
A 73-year-old woman was admitted to our hospital on May 22, 1986 because of jaundice and hepatomegaly.
A CT-scan and abdominal ultrasound examination revealed a gallbladder cancer with massive direct invasion and multiple metastases to the liver.
She was treated with UFTM chemotherapy. Improvement of subjective symptoms was obtained and hepatomegaly and jaundice reduced remarkably. The serum levels of tumor markers also decreased in parallel with the reduction of hepatic metastasis. However, after two months of remission period the disease recurred, and the patient died about 4 months after the initiation of therapy.
Further trials will be required to determine the efficacy of UFTM therapy for gallbladder cancer.
A SUCCESSFULLY OPERATED CASE OF
CALCITONIN-PRODUCING PANCREATIC TUMOR
Yasuo KUROYANAGI, Takeshi KAKO, Tessei UMEDA, Takao YUKAWA and Yukio IINUMA
(Higashi-Nagoya Byoin National Sanatorium, Aichi)
Galmiche and Krejs and their co-workers individually reported a case of pancreatic somatostatinoma associated with calcitonin secretion. Ooi and his collaborators also
-1014-IRYO Vol.41 (12)
reported 3 cases of WDHA with the same disease. We had the opportunity to operate on a case of sole secretion of 'calcitonin by pancreatic innor. The patient was a 58-year-old woman complaining of upper abdominal pain and weight loss. A diagnosis of endocrine pancreatic tumor was not made pteoperativel'y on the basis of the following clinical exami-nations. Ultrasonography and a CT-scan provided signs of a mass (5 cm in diameter) located in the head of the pancreas. A celiac arteriography revealed a large round tumor with demonstrable vascularity of branches of the gastroduodenal artery in the arterial phase. A remarkable acinar filling in the tumor was visualized by ERCP examinations, and some areas of necrosis within the tumor communicating with the pancreatic ductules showed the appearance of "a lake" of contrast medium.
A pancreaticoduodenectomy was performed on January 18, 1983. Pathological exami-nations by both light and electron microscopy of resected specimen revealed cell prolifer-ations with both duct and endocrine characteristics of a so-called ductulo-insular tumor, and secretory granules in the cytoplasm of the tumor cells. Many tumor cells were well stained by peroxidase-antiperoxidase (PAP) method using specific antibodies 'against calci-tonin, whereas no other polypeptides were negative including ACTH, gastrin, glucagon insulin motilin, secretin, somatostatin and VIP.
This case might be called a pancreatic calcitoninoma, which to our knowledge has not been previously deseribed. The clinical signs and symptoms of this case did not suggest the secretion of calcitonin, because of a very low biological activity of calcitonin. By January of 1987, 4 years after the operation, the patient had been quite well.
A CASE OF CANCER OF THE BODY AND TAIL OF THE PANCREAS SURVIVING MORE THAN 5 YEARS AFTER DISTAL PANCREATECTOMY
Haruo FUNAKI, Sanae OTA, Shuji HIROSE, Toru ISOMOTO and Shigeru HOSAKA
(Oji National Hospital, Tokyo)
A 50-year-old male patient with cancer of the body and tail of the pancreas, underwent distal pancreatectomy on May 18th, 1981.
This was the second case in Japan who survived more than 5 years after the operation of cancer of the body and tail of the pancreas.
We discussed about the reason why the prognosis of the cancer of the body and tail of the pancreas was bad, with special reference to the high grade of the biological malignancy of pancreatic cancer.
We would like to emphasize the importance of early diagnosis to obtain better operative results about the pancreatic cancer, especially in the region of body and tail .
We also presented our operative results of the cancer of the peri-ampullary region.
-1015-膵Calcitoninomaの1治 験 例
黒 柳 弥 寿 雄*加 古 健*梅 田 哲 正*
湯 川 孝 雄*飯 沼 幸 雄**
要 旨 患 者, 58才, 女 性, ナ ー ス.主 訴:上 腹 部痛 と体 重 減 少. CT, 動 脈 撮 影, 超 音 波検 査 な ど に て膵 頭 部 に 実 質性 腫 瘍(径5cm)を 認 め, 膵 頭 十二 指 腸 切 除 術 を施 行. 病 理 組 織 所見 で は ductuloinsular tumorの 性格 を有 し, 電 顕 に て胞 体 内 に顆 粒 を 認 め た. 酵 素 抗 体 法(PAP)に
よ りcalcitoninが 染 色 されACTH, gastrin, glucagon, insulin, motilin, secretin, soma-tostatin, VIPは すべ て陰 性 で あ つ た. 手 術 後3年6ヵ 月 経 過 中 で あ るが 極 め て 健 康 で 看 護 業 務 を つづ け てい る. 本腫 瘍 は"pancreatic calcitoninoma"と 呼 ぶ こ とが で きる. 文献 を渉 猟 し
た と ころ, pancreatic somatostatinomaがcalcitoninを 分 泌 して い る2症 例 と, WDHAg 例 の うち3例 がcalcitonin分 泌 を合 併 して い た とい う報告 が あ るが, calcitoninの み単 独 産 生 膵 腫 瘍 の報 告 は 見 当 らな かつ た.
キ ー ワー ド:膵 内 分 泌腫 瘍, カル シ トニ ン, 膵 頭 十 二 指 腸 切 除
Galmiche et al. (1978)1), Krejs et al. (1979)2) は 膵 に お け るsomatostatinomaが 同 時 にcalcitonin 産 生 を 合 併 し た 各1例, ま たOoietal. (1985)3)は WDHAg例 の う ち3例 がcalcitonin産 生 を 合 併 し て い た と い う報 告 が あ る. 私 ど も は 膵 頭 部 腫 瘍 の1 例 に 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 を 行 い, 電 顕 で 認 め ら れ た 腫 瘍 細 胞 内 の 分 泌 穎 粒 が 組 織 的 酵 素 抗 体 法 に よ つ て calcitoninで あ る こ と を 確 認 し た. 症 例 患者-女58才 ナース 既 往 歴 特 記す べ き もの な し. 家 族 歴 姉2人 胃癌 死 現 病 歴 主 訴;上 腹 部 痛, 体 重 減 少 1982年10月 上腹 部 痛 にて 某 内科 を受 診 した. 胃腸 病 と考 え られ て内 服 薬 の投 与 を うけ た. 12月18日 突 然 食 後 に強 い 胃部 痛 を訴 え た. そ の翌 日 も同 様 の 激 痛 が あ つ た.外 来 診 断 に て 胆 の う 炎 と い わ れ た. 白 血 球 数27, 300で あ つ た. 12月22日 某 病 院 に 入 院 し 諸 検 査 の 途 中 で, 1983年1月5日, 当 院 に 転 入 院 し た. 初 診 時 所 見 右 上 腹 部 に 圧 痛 を と もな つ た 鶏 卵 大 の 腫 瘤 を 触 知. 体 温36.1℃, 血 圧120/76mmHg, ツ ベ ル ク リ ン反 応(+). 入 院 時 の 諸 検 査 成 績 末 梢 血:RBC432×104, WBC6, 200, Hb13.39/ dl, Hct40%. 出 血 時 間4分30秒, 凝 固 時 間 開 始13 分30秒, 終 了27分30秒, 血 液 型B型, Rh(+), 血 液 像 好 酸 球2%, 好 中 球64%, リ ン パ 球29%, 単 球5%. 生 化 学 検 査:TP6.89/dl, A/G 1.4, tot.bili. 0.9 mg/dl, ZTT 7u, tot. cholesterol 141mg/dl, uric acid 1.5mg/dl, LAP156GR-u, BUN8mg/ dl, ALP 15.6K-A-u, GOT 40K-u, GPT 78K-u, γ-GTP 61mU/m1, :LDH 236CW-u, S-Amyl 185SU, creatinine 0.8mg/dl, Na 141mEq/l, K 3.9 mEq/l, Cl 106mEq/l, S-glucose 96mg/dl, CRP(+), urine;sugar(-), protein(-). UGI:胃 に 病 変 な く十 二 指 腸 球 部 下 縁 か ら下 行 部 に か け て 膵 頭 部 の 腫 大 に よ る圧 排 に て 十 二 指 腸 粘 膜 に 二 重 像 が み られ た. Vater乳 頭 に や や 腫 大 あ る も潰 瘍 を 認 め ず. 腹 部 エ コ ー:膵 頭 部 に 直 径5cm大 の 球 状 の 腫 瘤 陰 国 立 療 養 所 東 名 古 屋 病 院Higashi-Nagoya
Byoin National Sanatorium * 外 科Yasuo KUROYANAGI
Takeshi KAKO Tessei UMEDA Takao YUKAWA ** 内 科Yukio IINuMA
(ASuccessfully Operated Case of Calcitonin-producin gPancreaticTumor)
IRYO Vol.41 (12) 影 を認 めた. 一 部 は 多房 性 を示 唆 した. 門 脈 は腫 瘤 で 圧 排 きれ, 下大 静 脈 も圧 迫 され て い た. 胆 の うは軽 度 に腫 大. 結 石 を認 めず 肝 に病 変 を見 ず. 腹 部CT:膵 頭 部 に 円形 腫 瘍, 径5cmを 認 め た. 周 囲 組 織 か ら明瞭 に 区別 で き る. 肝 内胆 管 に 多少 の拡 張 が み られ た. 肝 転 移 な し(Fig. 1). ERCP:Vater乳 頭 は 全体 に腫 大 して い るた め正 面 像 と して捉 え難 く, 一 つ のorificeを 認 めた の で膵 管 造影 を施 行 した. 読 影 す る と こ れ がSantorini ori-ficeで こ こか ら造影 剤 が 注 入 きれ て膵 管 造 影 が 行 わ れ た, Wirsung orificeは 閉 塞 され てい た. 特 徴 的 な 所 見 は造 影 剤 が膵 頭 部 腫 瘍 の 内 部 に び ま ん性 に 入 つ て あ た か もtumorstainを 呈 し, 一 部lakeを 形 成 し て い た(Fig. 2). 体 尾 部 膵 管 は 中等 度 に拡張 して い た, 腹 腔動 脈, 上 腸 間 膜動 脈 撮 影:Seldinger法 に よ る 腹 腔 動 脈撮 影 像 で の 動脈 相 で膵 頭 部 に一 致 して 円 形 の 血 管増 生 を示 す 病 巣 が摘 出 され た. feeding arteries は 胃+二 指 腸 動脈 と膵 背 動 脈 か ら の もの で あ つ た (Fig. 3). 門 脈 相 で み ると腫 瘍 陰 影 そ の も の は 充 実 性 な の に稀 薄 な部分 を 含 ん でい るよ うに み えた. 術 前 診 断:臨 床 症 状 と して は と き ど き繰 り返 され た 食 後 の腹 痛 と6ヵ 月 間 に み られ た5kgの 体 重減 少 以 外 に特 徴 的 な もの は な か つ た. もちろ ん 低 血糖 症 状 も な か つ た. したが つ て膵 頭 部 に発 見 され た腫 瘍 は血 管 増 生 は 著 明 で あ るがinsulinomaで は な く, ま た そ の 他の 内 分 泌腫 瘍 を うか が わせ る よ うな症 状 もみ られ な か つ た. 膵 管 撮 影 によ つ て腫 瘍 内が 造 影 され た こ と か ら一 応 上皮 性 の もの を考 え, 内分 泌 腫 瘍 も否 定 で き ない とい う術 前診 断 を下 した. 手 術 所 見:NLA変 法 に よ る気 管 内麻 酔 下 に て膵 頭 +二 指 腸 切 除 術 を1983年1月18日 に施 行 した. 上腹 部 正 中 切 開 に て 開腹, 肉 眼 的 に肝 に異 常 な し. 膵 頭 部 に 小 児 手 拳 大, 充実 性 腫 瘍 あ り. 一 部 嚢 胞 状 にな つ て い た ので 穿 刺 してみ る と チ ヨ コ レ ー ト色 の 液10mlを うる ことが で きた. 上腸 間 膜 静脈 は圧 排 き れ て は い るが 直 接 浸 潤 は な く容 易 に剥 離 す る こ と が で き た. Whippleに 従 い 膵頭 十 二 指 腸 切 除 を行 い リン パ 節 郭 清(L5, 8, 12)を 含 め てenblocに 腫 瘍 を摘 出 し た. 術 中 出血 量330ml, 手 術 時 間4時 聞, 術 中 輸 血量600 mlで あ つた. 摘 出標 本:肉 眼 的 にみ る と主 病巣 は膵 頭 部 に限 局 し た径5×4cmの 充 実性 腫 瘍 で 一 部 が 壊死 とな り嚢 状
Fig. 1 The tumor located in the head of the pancreas was visualized by abdominal CT. Dotted line indicated the size of the tumor.
Fig. 2 ERCP, Iateral view
Fig. 3 A celiac arteriography revealed a round, hypervascular tumor located in the head of the pancreas.
Fig. 4 Macroscopic findings, cut surface of the resected tumor. A tumor at-tached to the 2nd portion of the duo-denum was a large well-demarcated gray-white nodule of 5 cm in diameter.
Fig. 5 Microscopic findings showing many tumor cells with abundant granules immunostained for calcitonin.
とな つ て 褐 色 液 を 入 れ る. 腫 瘍 の 割 面 は 淡 黄 色. 全 体 と し て 被 膜 に 覆 わ れ 周 囲 か ら 判 然 と 区 画 さ れ て い た (Fig. 4).
病 理 組 織 所 見:H・E染 色 で み る とacinar origin と も, ま たislet cell originと もい い う る よ う な い わ ゆ るductulo-insulartumor(Reid)4)の 性 格 を も つ 癌 と 考 え られ た. 電 顕 に て 分 泌 穎 粒 が み ら れ た の で, 酵 素 抗 体 法(peroxidase-antiperoxidase, PAP) に よ る顆 粒 の 検 索 の 結 果, ACTH, gastrin, gluca-gon, inSUIin, mOtilin, seCretin, SOmatOStatin, VIPは い ず れ も陰 性 でcalcitoninの み が 強 く 染 色 さ れ た(Fig. 5). 電 顕 に て み られ た 顆 粒 がcalcitonin で あ る こ と が 確 定 され た.し た が つ て 本 腫 瘍 はcaト
citonin producing pancreatictumorと 診 断 す る こ と が で き た.
術 後 は 順 調 に 経 過 し 合 併 症 な く手 術 後49日 目 に 退 院 し た. 1986年6月 現 在 極 め て 健 康 で, 血 清calcitonin 値 は38∼50pg/mlの 範 囲 を 維 持 し て い る.
考 案
本 症 例 の 病 理 所 見 は 主 と し てislet cell featuresを も ち, 一 部 に お い てacinar cell featuresの 組 織 発 生 を 思 わ せ る と こ ろ が あ つ てReidetal-(1982)4) の い うductulo-insulartumorと い い う る. しか し PAP法 に よ つ て 豊 富 なcalcitoninが 染 色 さ れ た こ と はcarcinoidに 近 い も の と考 え る こ と も で き る.元 来, calcltoninはthyroidのC-cellに よ つ て 分 泌 さ れ 甲 状 腺 の 髄 様 癌 に し ば し ば 認 め ら れ る. ま た い わ ゆ るectopic calcitonin productionを し て い る もの に 肺 癌 のoatcellcancerが あ る. Pearse (1969)5)は 原 腸 系 内 分 泌 細 胞 腫 に(amineprecursoruptake
and decarboxylation, APUD)な る 概 念 を 提 唱 し, 各 種 のpolypeptidesを 産 生 す る 腫 瘍 は そ れ が ど こ の 臓 器 に 出 現 し て もectopic productionと 考 え る必 要 は な く, 下 垂 体, 肺, 消 化 管, 甲 状 腺, 膵, 副 腎 髄 質, 神 経 節 な ど 向 処 に で も発 生 す る 可 能 性 を 認 めneural crestに 由 来 す る とい う根 拠 で 統 一 し て 考 え, い わ ゆ る異 所 性 と い う 表 現 を 否 定 し た. 本 症 例 も酵 素 抗 体 法 に てcalcitoninを 同 定 し え た の でAPUDOMAの 概 念 に あ た る も の と考 え られ る. 文 献 上, somatostatinomaがcalcitonin分 泌 を 伴 っ て い た 膵 腫 瘍 の2例1)2), WDHAでcalcitonin分 泌 を 合 併 し た3例3)の 報 告 は あ る が 単 独calcitonin 産 生 の 膵 内 分 泌 腫 瘍 は 見 当 ら な か つ た. 次 に 手 術 と の 関 係 に つ い て 文 献 上 調 査 し て み た. 膵 somatostatinomaに 対 し て5例 の 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術(Whipple operation)が 行 わ れ て い る. Ganda6) の1例 が4年 後 に 健 在, Galmiche1)の1例, Larsson7)の1例 は 共 に 術 後 死, Krejs2)の1例 は 化 学 療 法 を 追 加 し て い る の で 長 期 生 存 は 期 待 で き な か っ た も の と思 わ れ る. わ が 国 で は 内 田 ら8)の1例 が あ り 術 後3年 生 存 例 を 報 告 し て い る. 私 ど も の 症 例 も病 巣 が 膵 頭 部 に 限 局 し て い た の で 膵 頭 十 二 指 陽 切 除 術 を 施 行 し, 術 後3年6ヵ 月 を 経 過 しつ つ あ り, 全 く健 康 で 看 護 業 務 を つ づ け て い る. 術 前 あ つ た 上 腹 部 痛 は 消 失 し, 体 重 減 少 もな く な り 何 らの 愁 訴 もな い. 術 前 の 主
IRYO Vol.41 (12) 訴 が果 してcalcitoninの もつ 胃液 分 泌, 膵 外分 泌 の 抑制 作 用 に よ る もの で あ つ た か ど うか はわ か らな い. しか し術 後 は全 く愁 訴 が な くな つ た こ とは 因 果 関係 を うかが わせ る. 反 省 す べ き点 と して は膵 腫 瘍 の中 で も, そ の腫 瘍 が 血管 増 生 を伴 う球 形 の もの で あ る場 合 には た とえ特 徴 的 な 内分 泌症 状 が な くて も一 応polypeptides産 生 腫 瘍 を 考慮 して術 前か ら対 処 す べ きで あつ た と思 う. い わ ゆ るasymptomatic tumorと 呼 ばれ る もの も酵素 抗体 法 に よ つ て精 査 をす れ ば そ の本 体 とな つ たpoly-peptidesを 確 定 し うる もの と思 う. ま と め 酵 素抗 体 法 な ど に よつ て膵 内分 泌 腫 瘍 の 多 彩 な病 態 が 次 第 に 明 らか にな りつ つ あ る. 私 ど もは膵 頭 部 腫 瘍 でcalcitonin産 生 を して い た極 め て まれ な1症 例 を 手 術 し, 治 癒 させ る こ とが で きた. 文 献 上膵 内分 泌 腫 瘍 でcalcitoninを 単独 に産 生 し てい た もの は な く, somatostatinomaの2症 例, WDHAの3症 例 が 同 時 にcalcitoninを 産 生 し て い た 報 告 が あ る. 膵 calcitoninomaをAPUDの 概 念 か ら論 じた. 本症 例 の 酵素 抗 体 法 に つ い て愛 知 県 が ん セ ンタ ー臨 床 検査 部 の御 協力 を得 た. こ こに謝 意 を表 す る. 文 献
1) Galmiche, J. P., Colin, R., DuBois, P. M. et al.:Calcitonin secretion by a pancreatic somatostacinoma. N. Engl. J. Med., 299,
1252, 1978
2) Krejs, G., Orci, L., Conlon, J. M. et al. Somatostatinoma syndrome. N. Engl. J. Med., 391, 285, 1979
3) Ooi, A, Kameya, T. et al.:Pancreatic endo-crine tumours associated with WDHA syndrome. Virchows Arch. Path. Anat., 495, 311, 1985
4) Reid, J. D., Yuh, S. L., Petrelli, M. et al. Ductuloinsular tumors of the pancreas. Cancer, 49, 908, 1982
5) Pearse, A. G. E.:The cytochemistry and ultrastructure of polypeptide hormone-producing cells (the APUD series) and the embryologic, physiologic and pathologic implications of the concept. J. Histochem., 17, 303, 1969
6) Ganda, O. P., Weiner, G. C., Soeldner, J. S. et al.:"Somatostatinoma" a somatostatin-containing tumor of the endocrine pancreas. N. Engl. J. Med., 296, 963, 1977
7) Larsson, L. I., Hirsch, M. A., Holst, J. J. et al.:Pancreatic somatostatinoma;clinical features and physiological implications. Lancet, 1, 666, 1977
8) 内田 立 生, 中 山和 道, 友 田信 之 他:十 二 指 腸 乳頭 部carcinoidの 検 討. 胆 と膵, 6, 1647, 1985
