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SHIPPING

NOW

2013-2014

(2)

内航海運の活躍 日本海運の現況と課題 安全運航への取り組み 環境問題への取り組み 船員育成への取り組み 日本と世界をつなぐ日本の海運 船のいろいろ 海運用語集

CONTENTS

暮らしと経済の原点を支える海上輸送 暮らしを運ぶ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 エネルギーを運ぶ・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 産業を運ぶ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 7 8 9 10 11 19 12∼13 2∼6 14∼18

海運は暮らしと産業のインフラ

 湾岸道路。横浜港あたりで外を眺めると整然と積み重なるコン テナ、大きなクレーンと荷役中のコンテナ船を見下ろすことがで きます。東京お台場、ゲートブリッジに向け出港した水上バスで、 まず目にするのは大井・青海コンテナターミナル。コンテナの荷 役が終了した大型船は、悠然と東京港を後に進んでいきます。石 油製油所見学で偶然見る機会があった停泊中のLNG船。  普段あまり目にすることのないこれらの船。実は私たちの暮ら しで大変重要な役割を担っています。  私たちの衣食住・国内産業に必要な原材料(鉄鉱石、穀物、木材 など)、原油、石炭、天然ガスなどのエネルギー資源のほとんどは 海外から運んでいます。私たちの身近にあるコンビニに並ぶほと んどの品物は、元をたどれば海外からの原材料を使った製品です。 また、デパートやスーパーに並ぶ衣類をはじめ、食品、家電、家 具なども多くは海外から輸入されています。驚くべきことに、こ れら日本の貿易物資の実に「99.7%」(重量ベース)が船で運ばれて おり(2A円グラフ)、その量は9億6000万トン(2012年)、世界全体 の10.1%にもなります。(3B/2B棒グラフ)  中東から日本に向けて原油を運ぶ巨大タンカーは、海賊事件が 多発する海域を通ります。もしも、この重要な輸送ルートが断た れることになればエネルギーをはじめとした産業や私たちの暮ら しに大きな影響が出てきます。外航海運と私たちの生活は強くつ ながっているのです。  国内輸送においても、長距離・大量輸送の利点を生かし船が活 躍しています。例えば北海道から首都圏へ生乳を毎日運んでいる RORO船(通称、牛乳船)のおかげで、私たちは四季を通じ安定的 に牛乳や乳製品を手に入れることができます。  世界の暮らしと産業に欠かせない物資を輸送する重要な役割を 担っている「船」は、まさに、世界経済の重要なインフラなのです。 ▲日本の豊かな生活と産業を支える外航海運 903 177 79 12 128 175 26 306 2011 960 180 87 13 131 185 26 338 2012

世界

[3A] ■主要品目別海上荷動き量 単位:100万トン 出典:国土交通省海事局 全 体 原 油 鉄鉱石 石 炭 穀 物

日本

[3B] 2008 970 205 69 14 140 192 28 322 2009 2010 833 180 65 12 105 162 26 283 915 181 70 12 134 185 27 306 原油 LNG (液化天然ガス) LPG (液化石油ガス) 鉄鉱石 石炭 穀物 その他

出典:Clarksons「SHIPPING REVIEW DATABASE」 国土交通省海事局

原油 鉄鉱石 石油製品 石炭 穀物 その他 2008 2009 2010 2011 841 776 323 3,599 866 898 778 317 3,281 824 992 898 338 3,693 819 1,053 796 771 812 868 945 345 4,057 1,903 1,793 1,858 1,833 日本商船隊 による 輸送量 967 2012 1,110 887 1,047 368 4,200 1,856 974 9,468

10.1

%

9.7

%

11.8

%

17.7

%

7.1

% 8,238 7,838 8,591 9,101 (推計値) ■国際貨物輸送における海上輸送と  航空輸送の割合(2011年、重量ベース)[2A] 航空輸送300万トン (0.3%) 海上輸送9億0,300万トン (99.7%) 出典:日本船主協会「日本海運の現状」 ■わが国の海上荷動き量が  世界に占める割合(2012年)[2B] 暮ら と経済 原点を支え る海上輸送 暮ら と経済 原点を支え る海上輸送

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暮ら 和牛のえさとなるトウモロコシや、冷凍エビ、ウナギ、 バナナ、グレープフルーツもそうです。  住まいでは、マンションの建築用鋼材、木造家屋の 柱、フローリング、テーブル・イス、カーテンなどい ずれもこれらの原材料は、カナダ、米国、オーストラ リアなどの海外から船で運ばれています。(4A帯グラフ・ 4B円グラフ)  今や、衣料品店には中国製やベトナム製の衣料品が たくさん並んでいますが、日本製の衣類でも、その原 料となる綿花や羊毛は全て輸入に頼っています。  スーパーに並んでいる食料品も同様です。パン、豆 腐、ケーキ、ハム、これらの原料となる小麦、大豆、 砂糖類、肉類などは、いずれも米国、オーストラリア、 ブラジルなどの海外から船で運ばれてきたものです。

ひとつひとつの家庭に彩りを

■「衣・食・住」関連物資の主な輸入先(2012年)[4B] ■主な「衣・食・住」関連物資の輸入依存度 (2011年)[4A] 出典:財務省貿易統計、「森林・林業白書」平成25(2013)年版 (注)木材のみ2011年 ▲国際定期航路の主力として多種多様な貨物を運ぶコンテナ船 オーストラリア 23.3% 羊毛 輸入量1万t ニュージーランド 23.9% 台湾 16.2% 中国 14.6% その他 5.6% フランス 5.9% ウルグアイ 3.4% マレーシア 7.1% 綿花 輸入量10万t 米国 25.6% オーストラリア 13.2% ブラジル 26.2% ギリシャ 7.5% インド 4.8% その他 17.6% 大韓民国 5.1% 小麦 輸入量597万t その他 0.1% オーストラリア 21.6% カナダ 24.2% 米国 54.1% 大豆 輸入量273万t ブラジル 20.0% カナダ 13.8% その他 0.1% 中国 1.5% 米国 64.6% 木材 輸入量5,336万㎥ カナダ 15.0% 米国 11.0% 欧州 10.4% オーストラリア 10.5%

100

%

100

%

4

%

89

%

93

%

100

%

21

%

62

%

46

%

74

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48

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73

% 綿花 羊毛 小麦 大豆 とうもろこし 野菜 果実 肉類 砂糖類 魚介類 木材 出典:「食料需給表」平成23(2011)年度版「木材需給表」平成23(2011)年 他 (注)数値は概算値(綿花、羊毛、木材を除く)。 0 50 100(%) インドネシア 4.9% ニュージーランド 5.2% マレーシア 7.0% チリ 9.8% 中国 4.9% ロシア 4.5% その他 16.8%

(4)

 現代社会は、電車、交通信号機、病院などが使用す る電力、家庭の明かりや料理に使う電力は石炭、天然 ガスなどを用いて発電されています。私たちが普段使 っているテレビやスマートフォンにも、電力が不可欠 です。また、乗用車はガソリン、トラック・バスは軽 油、船は重油で動いていますが、その元は原油です。  このような石炭、天然ガス、原油のようなエネルギ ー源が途絶えたり、不足したりすると、私たちの暮ら しや産業は停止するか、著しく不便になってしまいま す。原子力発電の停止により、太陽光、風力、更には 地熱などの発電が見直されていますが、これらによる 供給はごくわずかな量で、その供給量は石炭、天然ガ スによる発電には遠く及びません。エネルギー資源を 十分に産しない日本はエネルギー全体の90数%を海外 に依存しているのです。  原油は中近東から、石炭はオーストラリア、インド ネシアなどから、また、天然ガスはマレーシア、カタ ール、オーストラリアなどから、それぞれ、安定的に 運んでいるのは船です。  外航海運は、エネルギー資源国と日本をつなぐ欠く ことのできないパイプラインといえるのです。(5A帯グ ラフ・5B円グラフ)

活動の源を供給

▲暮らしに欠かせない天然ガスを運ぶLNG船

95

%

99.6

%

100

%

96.9

% ■エネルギー原料の輸入依存度(2010年度)[5A] ■エネルギー原料の主な輸入先(2011年度)[5B] 出典:「エネルギー白書」2012年版 エネルギー 全 体 原 油 石 炭 LNG 0 50 100(%) ロシア 6.5% インドネシア 19.4% 輸入量1億7,537万トン 一般炭及び 無煙炭 (    )石炭 オーストラリア 61.5% カナダ 5.1% アメリカ 3.6% 中国 2.4% その他 1.5% 輸入量8,318万トン ロシア 9.3% インドネシア 9.5% LNG マレーシア 18.2% オーストラリア 16.3% カタール 17.2% 輸入量2億0,917万キロリットル アラブ首長国連邦 22.5% サウジアラビア 31.1% その他 17.3% 原油 クウェート 7.0% ロシア 4.1% イラン 7.8% カタール 10.2% アラブ首長国連邦 6.8% その他 15.3% ブルネイ 7.4%

(5)

産業

日本商船隊、地球の海を跨ぐ

これらの地域で現地生産された製品がもっと別の地域 に輸出されたり、日本に逆輸出されるなど、貿易の形 態や地域が大きく、かつ、複雑に変化しています。  日本の海運はこれら海外進出した日本企業の輸送ニ ーズに応えて、グローバル輸送ネットワークを形成し、 世界の国々と国境を越えてつながり、世界の産業や人々 の生活に必要な物資を輸送する重要なインフラストラ クチャーとして貢献しているのです(6B円グラフ)。  従来、日本の経済は、海外からの工業原料・エネル ギーの調達、海外への製品の輸出によって発展してき ました。この中で、日本の海運企業は、日本の荷主企 業や商社とともに、コストを抑えつつ、効率よく輸送 するよう努めているのです(6A円グラフ)。  現在では、日本企業が中国、インド、近年ではさら にインドネシア、タイ、ミャンマーなどの東南アジア へと進出し、海外での現地生産が多極化しています。 ▲世界の港に日本製の自動車を運ぶ自動車専用船 ■日本の地域別海上貿易量の内訳(2012年)[6A] 出典:国土交通省海事局 欧州 5.2% アフリカ2.9% 中東 21.1% 大洋州 25.0% アジア 30.9% 中南米 7.1% 北米 7.8% 出典:財務省貿易統計 ■主な工業原料の輸入先(2012年)[6B] その他 2.9% 南アフリカ 4.3% インド 2.0% その他3.4% インド 31.9% ブラジル 28.7% オーストラリア 61.6% インドネシア 8.3% その他 4.3% ペルー 15.5% 銅鉱 輸入量514万t チリ 48.1% 鉄鉱石 輸入量 1億3,110万t 中国 5.9% フィリピン 32.2% ニッケル鉱 輸入量469万t インドネシア 44.0% ニューカレドニア 23.8% インドネシア 41.6% オーストラリア 17.7% アルミニウム鉱 輸入量74万t オーストラリア 8.6% パプアニューギニア 6.7% カナダ 8.5% 米国 7.6% ロシア 2.8% その他 1.6% 原料炭 輸入量 7.148万t インドネシア 25.0% オーストラリア 52.6% カナダ 10.4%

(6)

内航海運 活躍  船舶で国内の港から港へ貨物を運ぶことを内航海運 といい、社会生活においてなくてはならない重要な役 割を担っている輸送機関です。  国内の貨物輸送というとトラックや鉄道を連想する ことが多いと思われますが、島国の日本では、昔から 船舶による輸送が盛んに行われてきました。現在では 約5,000隻の内航船が国内の貨物輸送の約4割を担って おり、産業基礎資材(石油製品、鉄鋼、セメントなど) については8割以上を担い、日本の産業を支えていま す。さらに私たちの暮らしに身近な生鮮食料や日常品 など、様々な物資がその製品輸送に適した船舶によっ て運ばれています。  また、国内の貨物輸送の分野では、トラックへの過 度の依存から生じた道路混雑や騒音公害への対応と、 二酸化炭素排出の削減をめざす地球温暖化対策等の環 境問題への取り組みが社会的に求められています。そ こで、トラックが運んでいる貨物の一部を二酸化炭素 の排出が少なくてエネルギー効率が良く、さらに長距 離・大量輸送に適した内航海運や鉄道に振り替える“モ ーダルシフト※”が推進されています。  内航海運は、地球環境の保全にも大きく貢献すると ともに、東日本大震災の際には被災地に救援物資を継 続的に輸送し、非常時における意義も再認識されるな ど様々な面で私たちの生活を守る重要な基幹産業とし ての役割は今後も変わることはありません。

モーダルシフトへの期待

……基幹産業としての役割

※は巻末「海運用語集」参照 2013年3月31日現在/単位千総トン ( )内は隻数 出典:国土交通省海事局 数値については四捨五入しているため、合計と内計が一致しない場合がある。 その他貨物船 1,7253,463) 48.4% 特殊タンク船 206313)5.8% 自動車専用船 9620)2.7% 合計 3,566 (5,302) 土・砂利・石材専用船 239387)6.7% セメント専用船 361139)10.1% 油送船 939980)26.3% ■内航海運の船別船腹量(2013年) 航空 0.2% (10億トンキロ) 単位:100万トンキロ %は国内全輸送量に占める割合 出典:「内航船舶輸送統計総括表」平成23(2011)年度 ■主要品目別内航輸送量(2011年度) ■輸送機関別にみる国内貨物輸送トンキロ(2011年度) 石灰石・原油等非金属鉱物 35,869 石油製品 40,166 鉄鋼等金属 21,706 その他 34,369 12.4% 10.0% 5.4% 2.8%1.6% 4.6% 19.7% 20.5% 23.0% 出典:国土交通省「交通関連統計資料集」 鉄道 4.7% (200億トンキロ) 自動車 54.1% (2,311億トンキロ) 内航 41.0% (1,749億トンキロ) セメント 17,532 化学薬品・肥料・その他 9,476 砂利・砂・石材 4,925 石炭 2,880 輸送用等機械 7,977 ▶スピーディーな荷役で雑貨輸送 に活躍するRORO船

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日本海運 現況 課題  外航海運企業は、世界単一市場の中で熾烈な国際競 争にさらされています。このため海運主要国では、自 国海運企業、自国籍船の国際競争力維持の観点等から、 税制をはじめとする様々な海運政策を講じています。  特に1990年代後半から、トン数標準税制(船舶のトン 数に応じて法人税額を決める制度)の導入が世界で相次 いだため、わが国においても2008年に日本籍船を対象 とする同税制の導入が決定されました。  しかしながら、諸外国の制度は外国籍船を含むすべ ての船舶を対象にしており、わが国の制度と比べ、き わめて有利な条件であることから、わが国においても 対象の拡充についての検討がなされ、2013年4月より、 一定の要件を満たす外国籍船にも拡充されることにな りました。  わが国外航海運企業活動の国際競争条件が、諸外国 と真に同等となるための努力が続けられています。

国際競争力の強化は、

競争条件の均衡化から

出典:IHS(旧ロイド船級協会)「WORLD FLEET STATISTICS」/国土交通省海事局

出典:国土交通省海事局 (注)対象船舶は2000総トン以上の外航貨物船 ■世界船腹量に占める日本商船隊の割合(2012年) ■日本商船隊の構成の推移(各年央) (2,000総トン以上の外航貨物船) 世界船腹量 108,120万総トン 100% IHS統計による 100総トン以上の貨物船 隻数の推移 船腹量の推移 外国用船 日本籍船 日本籍船 外国用船 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2,428 2,535 日本商船隊 12,915万総トン 約12% 10,092 10,880 2,555 2,653 9,781 10,499 2,214 全体2,306隻 8,582 全体9,309万総トン 107 788 2,623 2,742 10,829 11,840 119 1,011 2,672 2,808 10,915 12,034 98 718 92 727 136 1,119 2,698 2,848 11,629 12,915 150 1,286 ■日本商船隊によるわが国の物資の積取比率(2012年) 出典:国土交通省海事局 (注)数値は暫定値。 輸出 輸入 日本商船隊 26.0% 全体 100% 日本籍船 0.7% 日本商船隊65.3% 全体 100% 日本籍船 10.1% ※は巻末「海運用語集」参照

(8)

安全運航

物資を安全に運ぶために

……海賊対策の更なる推進を

 国民生活に欠かせない物資を安定輸送するためには、 船舶の安全運航を確保しなければなりませんが、近年、 そうした船舶や乗組員の安全を脅かす凶悪化した海賊 事件が多発しています。特にソマリア沖・アデン湾を 航行中の船舶が襲撃される海賊事件は2008年以降に急 増し、2010年に219件、2011年には237件に上りました。  このような状況に対応すべく、日本の海上自衛隊を はじめとする各国海軍による海賊対処活動や、海運会 社が船舶内に籠城設備を設置するなどの自衛措置を講 じた結果、海賊事件は2012年には75件にまで減少しま した。しかしながら、事件数自体は減少したものの、 ソマリア海賊の脅威は依然として高く、さらに、各国 艦艇による護衛・哨戒活動が及んでいないインド洋や アラビア海の全域や西アフリカ・ギニア湾周辺にまで 海賊事件が拡大しており、引き続き万全な安全対策が 求められる状況にあります。 ▲安全運航会議 ▲船舶を護衛する護衛艦 ▲ソマリア沖・アデン湾に赴く 海上自衛隊を見送る

(9)

環境問題  外航海運は最も地球環境に優しい輸送モードで、大 量の物資を長距離輸送します。しかし、世界経済の成 長にともない、海上輸送量が今後も増大していくこと が想定されるため、CO2等の温室効果ガス(GHG)の排 出量が増加するなど、地球環境への負荷が増大するこ とが懸念されます。  こうした状況を受け、船舶からのGHG排出削減対策 については、国際海事機関(IMO)の場で検討され、条 約改正によって着実にその成果を上げており、2013年 には他の業界に先駆け、初めて国際的なCO2排出規制 が導入されることになりました。  また、それぞれの海運会社においても、運航スケジュ ールに配慮しながら低速で航行することで燃料の消費 量とCO2の排出量を抑えるなどの、運航上の工夫を行っ たり、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを利用 した次世代の船舶を開発するなど、様々なGHG削減 対策に取り組んでいます。  このほかにも、船の構造や設備などが国際基準を満 たしていないサブスタンダード船※の排除や環境に優し い老齢船解撤(シップ・リサイクル※)方法の検討なども 行われています。  「国際海運からのGHG排出削減」は、海上輸送で世界 経済を支え続けている海運業界の責務といえます。海 運業界は、これからも、船舶による環境負荷の低減に 向けたルール作りや技術開発、様々な工夫を続けてい くことによって、地球環境保全に貢献しようとしてい ます。

地球環境に優しい海運の実現に向けた取り組み

地球に 優しい海運 航空(国内線) 自家用自動車 営業用自動車   内航海運     鉄道 単位:キロジュール/トンキロ 出典:「交通関連統計資料集」 ■1トンの貨物を1km運ぶために必要なエネルギー(2008年度)

21,072

10,734

2,128

437

■タンカーのダブルハル化 ■燃料タンクの二重構造化 シングルハル ダブルハル 原油 原油 外板 内板 従来型 新型 燃料タンク バラストタンク 燃料タンク

543

船体形状の改善 プロペラ・船尾形状の改善 船体重量の軽減 省エネ・低公害エンジンの開発   タンカーの二重構造化 サブスタンダード船の排除 シップ・リサイクルの促進 海洋での排出物規制 安全な船底塗料の使用 航路環境整備の促進 省エネの推進と 地球温暖化対策 海洋環境の保全 ■地球環境保護のための海運の対策 ※は巻末「海運用語集」参照 ▲太陽光発電システムを搭載したハイブリッド自動車船(商船三井)

(10)

船員育成

世界で活躍できる優秀な海技者の確保・育成

 日本商船隊は、世界中の海で活躍していますが、そ の安全運航を維持するために、優れた船員(海技者)の 育成は、欠かすことのできないものです。  安全・効率運航を担っていく将来の核となる優秀な 日本人船員を確保するため、日本の海運会社では、国 や教育機関と連携して、生徒・学生を対象としたガイ ダンスの実施や様々な広報活動を展開しており、また、 社船を使った乗船実習等、育成にも積極的に取り組ん でいます。  一方、外国人船員も日本海運にとって欠かせない存 在です。海運各社は、世界各地の商船系教育機関と提 携し、船員養成施設を国内外に設置のうえ、外国人船 員も将来の幹部候補とするため、その養成に力を入れ ています。  これからの船員には、海上現場のみならず、広く海 運界全体でリーダーシップを発揮できる能力が期待さ れており、定期的な事故対応訓練や最新のシミュレー タを利用した研修、その他、海陸現場でのOJT等をと おして高い技術力に加え、グローバルな視野・思考を 身に着けられるよう意識向上を図っています。 ▲日本の海運会社では外国人船員の育成に努めている ▲次世代の優秀な日本人船員の確保に向けて ■職務体制 (注)総乗組員24人の場合 一等航海士  二等航海士  三等航海士  甲板部員6人 機関長  一等機関士  二等機関士  三等機関士  機関部員6人 船長 通信長 事務部員3人 ▲シミュレータを使った訓練

(11)

スエズ運河 バブ・アル・マンデブ海峡 スンダ海峡 ロンボク海峡 カ・ 海峡 海峡 パナマ運河 オ ス ロ ゴ ー テ ボ ル ク ス ト ッ ク ホ ル ム フェリクストウ サザンプトン ヘ ル シ ン キ サンクトペテルブルク モスクワ コペンハーゲン ハンブルク アムステルダム ロッテルダム アントワープ ルアーブル パリ    チューリッヒ  マルセイユ  フォス バルセロナ ウィーン オデッサ ポチ イスタンブール ピレウス トリエステ ミラノ ジェノバ リスボン タンジール カサブランカ マデイラ モ ン ロ ビ ア ア ビ ジ ャ ン ラ ゴ ス / ア パ パ コ ト ノ ウ ロ メ テ マ ルアンダ ポートサラザール ケ ー プ タ ウ ン サ ル ダ ナ リ チ ャ ー ド ベ イ       ダ ー バ ン      イ ー ス ト ロ ン ド ン   ポ ー ト エ リ ザ ベ ス モンバサ タンガ  ダルエスサラーム タ マ タ ブ レ ユ ニ オ ン ポ ー ト レ イ ス ジェッダ ポートサイド ド バ イ   ア ブ ダ ビ ダ ス 島 クウェート ラスタヌラ  ダンマン  バーレーン  ラスラファン     ドーハ バ ス ラ アバダン バンダルホメイニ カーグ ブシェール バンダルアバス チェリヤビンスク ノボシビルスク カラチ カン ド ラ コロンボ トリンコマリー マ ン ガ ロ ー ル モ ル ム ガ オ ム ン バ イ コ ル カ タ チ ッ タ ゴ ン ロスマウエ ペ ナ ン シ ン ガ ポ ー ル バンコク ホーチミンニャチャン ダナン カンファ ハイフォン 香港 厦門 寧波 上海 青島 大連 仁川 釜山 ボ ス ト ー チ ニ ー ナ ホ ト カ ウ ラ ジ オ ス ト ッ ク 基隆 高雄 マニラ バタンガス セブ カガヤン タワウ タラカン ポンタン バリクパ パン コタバル マカッサル ス ラ バ ヤ セ マ ラ ン ジ ャ カ ル タ ポンチアナ バンジェルマシン ク ー チ ン ル ム ッ ト コ タ キ ナ バ ル サ ン ダ カ ン サ イ パ ン グアム トラック ポナペ マジュロ タラワ ホニアラ ラエ ポートモレスビー ダ ー ウ ィ ン ポートヘッドランド ポートウォルコット ポートダンピア ポートカビア フリーマントル バンバリー エスペランス アルバニー アデレード アードロサン メルボルン ジーロング バーニー ポートケンブラ エデン タウンズビル アボットポイント マッケイ ヘイポイント グラッドストーン ブリスベーン ニューキャッスル ワイハ グルートアイランド ゴ ー ブ ポートチャルマーズ リッテルトン ナピア ウェリントン オークランド ニューカレドニア ワイラ スパ ラウトカ パゴパゴ アピア マンタ グアヤキル カラオ マタラニ アリカ イキケ アントファガスタ カルデラ グアヤカン バルパライソ サンアントニオ コロネル プエルトマドリン モ ン テ ビ デ オ ブ エ ノ ス ア イ レ ス リ オ グ ラ ン デ パ ラ ナ グ ア サ ン ト ス リオデジャネイロ セペティバ ツ バ ロ ン   ビ ト リ ア レ シ フ ェ   サ ル バ ド ル ベ レ ン マナウス   マカパ ムングバ ヤクタート ランゲル   スチュワート   プリンスルパート バンクーバー シアトル   タコマ ポートランド クースベイ エウレカ サンフランシスコ オークランド ロサンゼルス ロングビーチ セドロス グァイマス プエルトケツアル アカジュトラ コリント   ブエルトカベヨ カルタヘナ クリストバル ブエナベンツラ サ ン フ ァ ン ダ ラ ス ヒ ュ ー ス ト ン ニ ュ ー オ ー リ ン ズ モビール アトランタ マイアミ ニューヨーク フィラデルフィア ボルチモア ノーフォーク ウイルミルトン チャールストン サバンナ ジャクソンビル セントジョン ハリファックス セブンアイランズ ケベック ボストン モントリオール トロント デトロイト トリード シカゴ 深 アデン湾 ソマリア沖 チ ェ ン ナ イ シドニー カンザスシティ ビ ュ ー モ ン ト ミュンヘン 日本 世界 日本 海運 日本 世界 日本 海運

日本を中心とする海上物流ルート

 四面環海の日本は、海で世界中とつなが っています。  暮らしに欠くことのできない穀物や衣料 品をはじめとする生活物資、産業に欠くこ とのできない原油や天然ガスなどのエネル ギー資源が、今日もまた目に見えない「ラ イフライン」としての船で運ばれてきます。 凡   例 生活物資の輸入経路(穀物・羊毛・綿花・木材等) エネルギー資源の輸入経路(石油・石炭・LNG・LPG等) 工業原料の輸入経路(鉄鉱石・原料炭・銅鉱石・ニッケル鉱石等) 国際定期航路(製品等の輸入航路) ランドブリッジ・サービス ●この地図は、わが国の代表的な輸出入品目の 主な積揚港をもとに、日本船主協会が作成し たものです。なお、地図の経路は実際の航路 ではありません。  また、原材料や部品の調達から、生産や 販売、さらには在庫保管からデリバリーま での企業ニーズに応えるため、日本の海運 は陸運や空運とも総合的な物流ネットワー クを形成して、暮らしや産業の維持発展の 向上に寄与するよう、日々努力を続けてい るのです。

(12)

個性豊かな船たち

した。また、大量輸送を効率的に行うための大型化も 進んでいます。  今の時代のニーズに応えながら、暮らしや産業を支 え続ける海上輸送のエキスパート。ここにご紹介した のは、そんな個性豊かな船のプロフィールです。  船は様々な貨物を運んでいます。原油、LNG(液化 天然ガス)、鉄鉱石、穀物、自動車、雑貨など、液体が あれば固体もあり、その形や大きさも千差万別。それ ぞれの貨物の特徴に合わせて、もっとも安全で効率的 な輸送方法を追求した結果、多彩な専用船が生まれま 水を積むバラストタンク  積荷スペース  荷役装置 貨物船の中では最速を誇る雑貨輸送の専用船。 衣類や電気製品などの生活雑貨から危険品ま で多種多様な貨物を国際規格のコンテナに収 納して運ぶ。コンテナ化された貨物はトラッ クや鉄道などへの積み替えが容易なため、荷 役の迅速化とともに海陸一貫によるドア・ツ ー・ドアの輸送を実現。国際定期輸送に画期 的な変化をもたらした。

コンテナ船

ばら積み船

木材専用船

チップ専用船

暮ら

を運ぶ船

NYK VIRGO(8,600TEU)

97,825総トン/103,207重量トン/全長338.17m 穀物や石炭などのばら積み貨物を運ぶ。貨物 の流動を防ぐため、船倉上部に傾斜をつけ、 トップサイドタンクという三角形のバラスト タンクを設置している。本船自体に荷役装置 を持つものと持たないものがあるが、穀物の 揚げ荷役には、通常、陸上に設けられたニュ ーマチックアンローダーというバキューム方 式の荷役装置が使われる。 木材を専門に運ぶ船。貨物は船倉内だけでな く甲板上にも積まれ、甲板積みの木材は両舷 に建てられたスタンションと呼ばれる支柱で 左右を押さえ、丈夫なワイヤーで固定される。 荷役施設の不備な積み地が多いため、ほとん どの船がクレーンを装備する。積み荷役は、 筏に組んで運ばれた木材を沖合いで積み取る 方法が一般的である。 FRAGRANT ISLAND 19,885総トン/33,362重量トン/全長177m 製紙原料となるチップ(木材を砕いた小片) を専門に運ぶ。チップは比重がきわめて小さ いため、船倉容積を最大限にして大量に積み 込むとともに、バラストスペースを船底部に 設けている。積み荷役は、陸上のニューマー (空気圧送式荷役装置)で行われ、揚げ荷役 には、本船装備のベルトコンベヤーとバケッ トクレーンが使用される。 SHIN CHUETSU 22,601総トン/25,331重量トン/全長162.0m CAPE SAKURA 92,697総トン/181,529重量トン/全長291.98m

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暮ら

を運ぶ船

石炭専用船

石油代替エネルギーとして近年比重が高まる 電力用石炭の効率輸送に活躍する専用船。国 内の石炭専焼発電所の専用バースサイズに合 わせた船型や喫水、バースに備え付けられた 揚炭機の可動範囲に合わせたハッチ構成など、 日本の発電所向けの輸送に最適な船として設 計されている。現在、日本とオーストラリア などを結んでいる。 SAKURA WAVE 48,950総トン/88,299重量トン/全長229.93m

LNG船

天然ガスをマイナス162℃の超低温で液化し たLNG(液化天然ガス)を運ぶ。超低温輸送 のための特殊な材質のタンク、荷役時の事故 を防ぐ緊急遮断装置、輸送中に気化した天然 ガスを燃料として使うタービンエンジンなど、 先端技術を駆使したハイテク船。船価が高い ため、特定の天然ガス輸入プロジェクトの専 用船として建造されることが多い。

LPG船

プロパンやブタンなどを液化したLPG(液化 石油ガス)を運ぶ。輸送方式には常温で加圧 して液化する加圧式、常圧で冷却して液化す る冷却式及び半冷加圧式があるが、大型 L P G 船はすべて冷却式。防熱材はばら積み船の ような船倉内に防熱を施した低温 L P Gタン クを設置している。輸送中に気化したガスを 液化する再液化装置も備えている。 SUNNY VISTA 47,914総トン/55,154重量トン/全長230m

原油タンカー

原油を運ぶ専用船。複数の区画に仕切られた タンク状の船倉を持ち、事故時の原油流出を 最小限に抑えるため船側と船底を二重構造化 している。荷役用のパイプラインとポンプを 持ち、積み荷役には陸側のポンプを、揚げ荷 役には本船装備のポンプを使う。50万重量 トンを超す大型の船も出現したが、現在は30 万重量トン級のVLCCが主力。 ENEOS TOKYO 160,062総トン/300,976重量トン/全長333m

冷凍運搬船

野菜や果物、冷凍肉、鮮魚などの生鮮食品を 低温輸送する。野菜や果物のように常温に近 いものからマイナス50℃ という超低温が必 要な冷凍マグロまで、さまざまな条件に対応 できるよう船倉内の温度は広範囲に調整が可 能。温度も適切にコントロールできる。船倉 は中甲板で何層かに仕切られ、輸送温度の異 なる貨物を積み分けて運べる。 CROWN GARNET 10,519総トン/10,332重量トン/全長152m

ネルギーを運ぶ船

MUSCAT LNG 118,219総トン/77,351重量トン/全長289.5m

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重量物船

原料を運ぶ船

プラント部品や大型建設機械など重量物を専 門に運ぶ。構造は一般貨物船に似ているが、 重い貨物を自力で積み降ろせるよう、強力な 荷役装置を備えている。船倉内に入らない大 きな貨物は甲板上に積んで運ぶので、甲板は 強固に建造されている。重量物の荷役中に船 体が大きく傾斜するのを防ぐため、大容量の バラストタンクを両舷に設置している。 KAMO 8,145総トン/9,433重量トン/全長120m

自動車専用船

自動車を専門に運ぶ船。貨物となる自動車を 専門のドライバーが運転し、船側のランプウ ェイから船内に積み込む。船内は何層ものデ ッキに分かれ、バスなど大型車両を積むため のデッキは車高に合わせて上下する。全体に 屋内駐車場のような構造をしている。最大級 のものでは13層ものデッキを持つ6,500台 積みの大型船もある。 LONDON HIGHWAY 55,600総トン/17,765重量トン/全長199.94m

ケミカルタンカー

CHEMROUTE BRILLIANT 16,360総トン/25,594重量トン/全長159.03m

鉱炭兼用船

製鉄原料の石炭と鉄鉱石を運ぶ。鉱石専用船 同様、大型化が進んだ船種で、最近は製鉄原 料輸送の主力。鉄鉱石と比べてはるかに比重 の小さい石炭も運ぶため、鉱石専用船より積 荷スペースは広い。石炭の場合は全船倉に満 載されるが、比重の大きい鉄鉱石の場合は船 倉1つおきに積み込むジャンピングロードと いう方法を採用する場合もある。 FIRST EAGLE 90,411総トン/180,199重量トン/全長288.93m

鉱石専用船

鉄鉱石を専門に運ぶ船。鉄鉱石は比重が極端 に大きいため、積荷スペースを狭くし、船体 中央部に積荷を高く積み上げられるようにな っている。戦後、日本の製鉄業の発展にとも なって登場し、スケールメリットの追及から タンカーに次いで大型化した船種。最大級の ものでは30万重量トンに及ぶものもある。 NSU INSPIRE 132,868総トン/250,813重量トン/全長329.95m

製品を運ぶ船

プラスチックや化学繊維の原料となる石油化 学品や燐酸、硫酸など液状の化学品を運ぶ。 多種類の貨物を積み合わせるため、数多くの タンクを持ち、タンクごとに独立したポンプ とカーゴラインを備えている場合が多い。腐 食や貨物同士の汚染を防ぐため、ステンレス を用いたり、特殊なコーティングを施すなど、 タンク内も工夫されている。

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セメント専用船

工場でつくられたセメントをばら荷の状態で 全国の流通基地まで運ぶ。軽い粉末であるセ メントの特徴を利用し、積み降ろしには空気 圧で搬送する方式がとられ、そのための荷役 装置を装備している。流通基地で荷揚げされ たセメントはセメントサイロに格納され、そ の後、袋詰めまたはばら荷のままタンクロー リーに積まれて搬送される。 第六芙蓉丸 3,610総トン/5,477重量トン/全長98.02m

LPG船(内航)

LPG(液化石油ガス)を国内輸送するための 専用船。冷却式の外航LPG船に対して、内航 LPG船は常温で加圧して液化する加圧式を採 用。球形または円筒形の圧力タンクを持つ。 常温で輸送できるので断熱材は持たない。加 圧式はタンクの大型化に限界があるため、小 型船に限られるが、貨物の取り扱いは冷却式 よりはるかに容易である。 第三十二雄豊丸 749総トン/960重量トン/全長67.9 m

ケミカルタンカー(内航)

合成樹脂やポリウレタンなどの原料となる石 油化学品をはじめ、液体化学品を専門に運ぶ 船。油タンカーの構造と似ているが、タンク 内を細かく区切っているのが特徴である。有 害な液体物質を運ぶことが多いため、タンク 内をコーティングしたり、ステンレス製のタ ンクを用いるなど、腐食や汚染防止、環境保 全が考慮されている。

油タンカー

石油製品を運ぶ油送船。重油用の黒油船(ダ ーティー・タンカー)とガソリン、ナフサ、 灯油、軽油用の白油船(クリーン・タンカー) に分類される。黒油船はタンク内が鉄板のま まなのに対し、白油船はコーティングされて いるのが特徴。タンク内は壁で仕切られ、船 体が揺れても、油が片側に移動しないようバ ランスが保たれている。 鶴宝丸 3,869総トン/4,999重量トン/全長104.94 m

一般貨物船

鋼材、機械、家具、食料、衣類などのばら積 み貨物を運ぶ、最もオーソドックスな内航貨 物船。船倉内に雑貨を混載し、さまざまな貨 物に対応できるよう汎用性のある構造になっ ている。699総トン型、499総トン型、199 総トン型が輸送効率の高い船型として多く建 造されている。 豊竜丸 499総トン/1,600重量トン/全長74.86m

国内貨物を運ぶ船

のじぎく 499総トン/1,199重量トン/全長64.8m

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石灰石専用船

鉄鋼業界やセメント業界向けの石灰石を専門 に運ぶ。ばら積み船のような構造の船もある が、最近はセルフアンローダー型の船型が増 えている。これはベルトコンベヤー方式の揚 げ荷役装置を船底部に持ち、ホッパー状の船 倉から落とされた石灰石をそのまま陸上に運 び出す方式で、荷役に人手がほとんどかから ないという特徴を持つ。 名友丸 4,734総トン/7,400重量トン/全長105.63m

RORO船

船の前後のランプウェイからトラックやトレ ーラー、フォークリフトによって直接貨物を 積み降ろしするRORO(ロールオン/ロール オフ)方式の貨物船。クレーンで荷役する方 式はLOLO(リフトオン/リフトオフ)方式 と呼ばれる。主に定期航路に就航し、雑貨輸 送に活躍。荷役の迅速化とともにモーダルシ フトの受け皿としても注目される。 ほっかいどう丸 11,386総トン/6,890重量トン/全長173.08m

自動車専用船(内航)

自動車を専門に運ぶ船。専門のドライバーが 自動車を運転して船内に積み込む。船内は床 を広くとり、5層以上の多層構造になってい る。バスやトラックなど車高の高さに合わせ て床の一部を上下することもできる。海上雑 貨輸送の需要増加にともない、トレーラーな どの大型車両を同時に運べる構造の船も増え ている。 しゃとるえーす 8,280総トン/5,271重量トン/全長161.52m

プッシャーバージ

貨物を積むバージ(はしけ)とそれを押すプ ッシャー(押船)を組み合わせた水上輸送シ ステム。バージの船尾に造られたノッチ(切 り欠き部)にプッシャーの船首部分をはめ込 んで連結し、プッシャーの推進力でバージを 運航する。波やうねりのある沿岸でもある程 度活動できるように改良が加えられ、近年、 大型化も進んでいる。 プッシャー:鉱翔丸 全長24m/幅15.72m 石灰石バージ:鉱翔 全長117.4m/幅21m

外航客船

飛鳥Ⅱ 50,142総トン/全長241m

国内貨物を運ぶ船

ーを楽

む船

レジャークルーズのための客船。5∼6層に 分かれたデッキには、客室やレストラン、ラ ウンジ、シアターなど贅沢な設備が整えられ、 航海中はショーやイベントなどが開催 される。単なる移動手段を超えて、 船旅そのものを楽しむために、設 備とサービスの充実をめざす。新 しい時代のレジャーとして人気を高めている。

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 ● 原油タンカー(約330m)  ● 大型バス(12m)  ● 東京タワー(333m)  ● 新幹線のぞみ16両編成(400m) ∼船の大きさ∼ 原油を運ぶタンカーは20∼30万トン級のVLCC(Very Large Crude Carrier)と呼ばれるタンカーが中心となっています。 就航の多い26万tクラスのタンカーで全長は約330m。東京タ ワーとほぼ同じ長さです。

海運

豆知識

【日本商船隊】 日本の外航海運会社が運航する船隊全体を指し、日本籍船と外 国船主から用船した外国籍船によって構成される。近年は、日 本商船隊全体に占める日本籍船の割合は減少し、隻数で5.3%、 トン数で10.0%(2012年)となっている。 【トンキ口】 輸送トン数に輸送距離 (km) を乗じた単位で、船舶など輸送機 関の活動量を表すために用いる。 【モーダルシフト】 地球環境問題や道路混雑、労働力問題など、制約要因が顕著に なってきたトラックから低公害で効率的な大量輸送機関である 船舶などへ輸送モードをシフトさせることをいう。 【総トンと重量トン】 総トン数は、船舶の大きさ(容積)を表す単位。重量トン数は、 満載喫水線の限度まで貨物を積載した時の全重量から船舶自体 の重量を差し引いたトン数であり、燃料・水・食料などの重量 を含むが、船が積める貨物の重量を示す目安となる。 【サブスタンダード船】 構造・設備・人員等の面で、国際条約による安全基準に達して いない船舶。海上交通の安全からも海洋汚染防止の観点からも、 国際海運市場から排除する必要がある。また、寄港国(港が所 在する国)は、入港船舶に対し、船舶設備や船員の資格等につい てIMO(国際海事機関)などが定めた国際条約に適合しているか 検査を行うことが認められており、これをポートステートコン トロール(PSC)という。このPSCによって、サブスタンダード 船については、条約の基準を満たすまで改善措置(場合によっ ては航行停止)をとらせることができる。 【シップ・リサイクル】 老朽船を解体し、資源を再利用すること。船舶は解撤による鋼 材や部品の再利用/再使用率が90%以上と、自動車や家電と比 較しても極めて高く、解徹の促進は、海洋環境の保全とともに 資源の有効活用という点でも意義が大きい。 【当直】 24時間休みなく運航される船舶では、航海士と部員(甲板手)の ペアによって構成される当直員が交替で船橋に立ち、運航状況 や周囲の船舶の動きなどを監視する。これが航海当直で、通常 は 1日を4時間ごとの6つの時間帯に分け、一等から三等の各航 海士が甲板手1名と組み、それぞれが4時間当直して8 時間休む というサイクルで当直を行う。同様に機関室の当直も機関士と 部員によって行われるが、最近では自動運転され、機関当直を 行わない船も多くなっている。

海運

用語集

 船員になるには、様々な方法があります が、外航船員になるためには、中学校卒業 後に商船高等専門学校へ進学する道と、高 校卒業後に専門部のある大学へ進学する道 が一般的です。資格を得て、乗船すると航 海士・機関士としてスタート。乗船履歴を 積みながら、上のクラスへ試験にパスして いくと、やがて船長・機関長として船を運 航するチャンスがやってきます。  また、国内の貨物輸送に携わる内航船員 になるためには、別の教育機関があります。

船員になるには

■当直体制 地球環境問題/道路混雑緩和 省人化対策/省エネ効果 地球環境問題/道路混雑 労働力不足/エネルギー問題 モーダルシフトの 推進 従来のトラック輸送 消費地 工場 内 航 海 運 三航士 甲板手C 甲板手B二航士 一航士 甲板手A 00:00 12:00 04:00 16:00 08:00 20:00

(18)

(公財)日本海事広報協会

〒104-0043 東京都中央区湊 2-12-6 TEL03-3552-5033 FAX03-3553-6580 http://www.kaijipr.or.jp

(一社)日本船主協会

http://www.jsanet.or.jp

(公財)日本海事センター

http://www.jpmac.or.jp ●協力● ●編集・発行●

SHIPPING NOW

2013-2014

参照

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