調達やし尿処理に関する民間事業者との連携 災害用トイレを迅速に調達するとともに、汲み取り体制を円滑に構築できるよ う、あらかじめ関係団体や事業者と協定を締結するなど、連携体制を強化し、災 害発生時には円滑に運用することが重要である。 ① 災害用トイレの調達 災害発生時に既設トイレが使用不可になり、災害用トイレ等の備蓄が不足す る場合、レンタル事業者等から迅速に仮設トイレを調達できるよう協定を締結 するなど、確保方策を講じておく。 参考:災害用トイレの調達にかかる協定案 災害時における仮設簡易トイレの設置協力に関する協定書(案) ○○市(以下「甲」という。)と株式会社○○○○(以下「乙」という。)と は、災害時における仮設簡易トイレ(以下「トイレ」という。)の設置協力に 関し、次のとおり協定を締結する。 (趣旨) 第1条 この協定は、地震、風水害等による災害(以下「災害」という。)が発 生した場合において、甲から乙に対して行うトイレの設置協力に関して必要 な手続等を定めるものとする。 (協力要請) 第2条 甲は、災害時における応急措置のため、緊急にトイレを設置する必要 が生じたときは、乙の保有するトイレの設置について要請するものとする。 (協力の実施) 第3条 乙は、甲からの前条に規定する要請を受けた時は、保有するトイレを 優先的に設置協力するものとする。 2 乙は、甲が指定する場所にトイレを運搬し、設置するものとする。 (経費の負担) 第4条 乙が設置したトイレの賃借料及びその他必要経費については、甲が負 担するものとし、甲は、遅滞なくその支払を行うものとする。 (補則) 第5条 この協定に定めのない事項又は疑義を生じた事項については、甲乙協 議のうえ決定するものとする。 付 則 この協定は、平成 年 月 日から効力を生じる。 この協定の締結を証するため、本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ、各自 1通を保有する。 平成 年 月 日 甲 ○○市○○1丁目1番1号 ○○市 市長 ○ ○ ○ ○ 乙 ○○市○○2丁目1番1号 株式会社○○○○ 代表取締役社長 ○ ○ ○ ○ 別添資料1
② 災害時のし尿・浄化槽汚泥の処理 便槽付災害用トイレを設置した場合、便槽のし尿収集・処理が必要となる。 災害用トイレを設置した時点から、避難者数や災害用トイレ数等をもとに、し 尿収集計画を作成する必要がある。特に下水道の整備が進んでいる市町におい ては、バキューム車保有台数に限りがあるため、し尿収集や浄化槽汚泥の収集 運搬業者の組合などに依頼する必要がある。 兵庫県では、被災市町からの応援要請があった場合には、県と兵庫県環境整 備事業協同組合等との協定に基づき、県が市町の要望を取りまとめ、協定締結 先に依頼することとしている。 参考:災害時の廃棄物処理に関する応援協定 災害時の廃棄物処理に関する応援協定 (趣旨) 第1条 この協定は、災害の発生時において、被災市町から災害廃棄物処理に係 る応援要請を受ける○○県(以下「甲」という。)が、○○県環境整備事業協 同組合(以下「乙」という。)の助け合いの精神に基づく自発的な協力を得る にあたり、必要な事項を定めるものとする。 (定義) 第2条 この協定において、「災害」とは、災害対策基本法(昭和36年法律第22 3号)第2条第1号に規定する災害をいう。 2 この協定において、「災害廃棄物」とは、災害時に発生した廃棄物(し尿、 浄化槽汚泥、一般ごみ等)で、市町が生活環境保全上、特に処理が必要と判断 したものをいう。 3 この協定における「応援」とは、次に掲げることをいう。 (1) 災害廃棄物処理に必要な資機材等の提供及びあっせん (2) 災害廃棄物処理に必要な人員の派遣 (3) 前各号に掲げるもののほか、災害廃棄物の処理に関し必要な事項 (応援要請) 第3条 甲は被災市町からの応援要請があり、乙に協力を求める必要があると認 める場合は、乙に対し、応援を要請するものとする。 (応援要請の手続) 第4条 応援要請は、原則として次の事項を明確に記載した応援要請書(様式第 1号)により、速やかに行うものとする。ただし、そのいとまがない場合には、 口頭、電話、電信等、災害時において使用可能な方法で要請を行い、後に応援 要請書を送付するものとする。 (1) 連絡責任者 (2) 応援要請内容(必要とする人員、車輌、資機材等の名称及び数量、応援場
所及び応援予定期日) (3) その他必要な事項 (応援の実施) 第5条 乙は、応援要請を受けた場合、可能な範囲でこれに応じ、応援を行うも のとする。 2 乙は、被災市町の指示に従い、災害廃棄物処理に関する応援を行うものとする。 (応援実施内容の報告) 第6条 乙は、災害廃棄物処理に関する応援を行ったときは、次の各号に掲げる 事項を文書で甲に通知するものとする。 (1) 応援市町名 (2) 応援の実施内容 (3) その他必要な事項 (経費負担) 第7条 概ね7日間程度、実施する緊急応援に要する経費は無償とする。 その後の応援に要する経費については、原則として、応援要請をした市町が 負担するものとし、甲乙と要請市町が協議のうえ、決定するものとする。 (補則) 第8条 この協定の実施に関し必要な事項又はこの協定に定めのない事項につい ては、その都度甲乙協議のうえ定めるものとする。 (適用) 第9条 この協定は、平成 年 月 日から適用する。 この協定の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙両者記名押印のうえ、 各自1通を保有する。 平成 年 月 日 甲 乙
災害用トイレの種類
災害が発生し、既設トイレが使用できなくなった場合には、設置場所等の諸条 件に応じた災害用トイレを設置することによりトイレ機能を確保する。 なお、災害用トイレには多くの種類があるが、災害時の物品手配等において、 名称が統一されていないため、現場で混乱をきたした例があり、この手引きでは、 下記の名称で統一して記載する。 (1)災害用トイレの種類と概要・使用上の留意点 種 類 概要、使用上の留意点 ①携帯トイレ 【概要】 □ 便袋をトイレとして使用し、吸水シートや凝固剤で 水分を安定化させる。 □ 断水した洋式便器等に設置して使用できる。 □ 消臭剤がセットになっているものや、臭気や水分の 漏れを更に防ぐための外袋がセットになっているも のもある。 □ 在宅被災者等が自宅などでも使用できる。 【課題・問題点】 □ 個室や既設のトイレブース以外で使用する場合は、 プライバシーを保つための工夫が必要である。 □ 使用済み便袋のストック場所、臭気対策、最終処理 方法についての検討が必要である。※ ②簡易トイレ 【概要】 □ 室内に設置可能な小型で、持ち運ぶことができる。 □ 便座と一定の処理がセットになっており、し尿を貯 留できる。 □ 介護用のポータブルトイレも含む。 【課題・問題点】 □ 使用場所や最終処理方法についての検討が必要であ る。 □ 汚物の処理タイプとして、凝固剤を用いた「ラッピ ング」のほか、「コンポスト」「乾燥・焼却」などが あり、電気の確保等、製品ごとに利用上の留意点の 確認が必要である。 ※横浜市では、使用済み便袋を「燃やすゴミ」として回収する(P75) 別添資料2③組立トイレ 【概要】 □ 折りたたみ式で搬送や保管が容易である。 □ 便槽に貯留する方式と、マンホールへ直結して流下 させる方式がある。 □ 手すりが付いているタイプや便座の高さを調節でき るタイプもある。 【課題・問題点】 □ 訓練等で組立方法を習得する必要がある。 □ 安定稼動させるうえで、汲み取り方法や汲み取り体 制など、維持管理のルールが必要である。また、臭 気対策が課題となる。 □ 簡易な仮設物であることが多いため、余震や強風等 に対し、安心して利用できるよう固定させる。 □ マンホール方式の留意点は次頁を参照。 ④仮設トイレ 【概要】 □ 便槽に貯留する方式と、マンホールへ直結して流下 させる方式がある。 □ 車イスで利用できるバリアフリータイプもある。 □ 下水道がなくても設置可能なタイプもある。(汲み取 りが必要) □ イベント時や建設現場で利用されることが多い。 【課題・問題点】 □ 安定稼動させるうえで、汲み取り方法や汲み取り体 制の構築など、維持管理のルールが必要である。 □ 臭気対策、段差の解消等が課題となる。 □ 便器様式(和式・洋式)や室内照明の有無等を確認 し、トイレットペーパーや清掃用具、洗浄剤等をセ ットした状態で調達することが望ましい。 □ マンホール方式の留意点は次頁を参照。 ⑤段ボールトイレ ※作成方法は資料編(P76) に記載 【概要】 □ トイレがない、洋式トイレがない場合の応急対応の 一つである。この方法に限定することなく現場にあ るものを活用してトイレを作ることが必要である。 □ 段ボール、新聞紙、テープを使って作成する。 □ 携帯トイレを設置することができる。 □ 在宅被災者等が自宅などでも使用できる。 □ ワークショップや訓練等で作成を体験することが効 果的である。 □ 防水や耐久性について、工夫が必要である。 【課題・問題点】 □ 個室や既設のトイレブースの中に設けるなどプライ バシーを保つための工夫が必要である。 □ 使用済み便袋のストック場所、臭気対策、最終処理 方法についての検討が必要である。 (出典:「東日本大震災 3.11のトイレ:日本トイレ研究所」を一部修正)
(2)マンホールトイレ マンホールトイレとは、地震時に下水道管理者が管理するマンホールの直上に便 器及び仕切り施設等の上部構造物を設置するものをいう。(国土交通省HPより) ・ マンホールトイレは汲み取りが不要で便利だが、発災前から準備をしておかな いと設置できないので、事前計画を立てておくことが必須である。 ・ マンホールトイレの形式は、大別して①本管直結型、②流下型、③貯留型があ る。 ・ 本管直結型及び流下型のマンホールトイレは、下流側の下水道管路が被災し、 流下機能が確保できない場合は使用することができないため、管路の耐震化が 条件となる。 ・ そのため、マンホールトイレの形式を選定する際には、下流側管路の耐震化状 況の確認や、下水道管路の復旧前後で貯留型と流下型を切り替えて使用するな どの運用面の検討が必要となる。 ・ 各避難所等の敷地内における避難者の動線、照明用電源の確保、夜間使用の容 易性、トイレ用水の確保、清掃の容易性等を考慮し、最も適切な箇所を選定し、 設置する。 ・ 維持管理の問題として、マンホールトイレは、日常的に使用する機会がないた め、定期的な備蓄状態の点検のほか、地域住民が参加する防災訓練等の機会を とらえて、実際に上部構造物(便器及び仕切り施設等)を組み立ててもらう等 の訓練をしておくことが必要である。
(参考)事例紹介 ① 東京都の対策 東京都では、トイレを新たに設置する土地(面積)の確保が問題となるため、 携帯トイレを中心に備蓄を進めている。また、マンホールトイレについては、 都市部においては汲み取りの手配・対応が難しいことを考慮し、下水道直結型 での整備が進められている。 耐震化を行ったマンホールを指定し、避難所でマンホールトイレが設置でき る設備を整備している。また、配管内の水はプールや井戸による水を使用し、 下水道本管まで流す仕組みとしている。 ② 名古屋市の対策 名古屋市では、トイレ用水の確保が不要なことから、下水道本管が接続して いるマンホールに災害用トイレを設置できるよう整備を行っている。
(3)その他のトイレ等 災害時に次のような形態のトイレ等の活用も考えられるが、設置条件や設置 コスト等について考慮する必要がある。これらについては、いずれも平常時か ら整備・使用し、災害時にもその特性を生かして有効に活用することが考えら れる。 自己処理型トイレ (水循環式、コンポス ト式、乾燥・焼却式) 【概要】 □ 処理装置を備えており、汚水を排水しない水循 環式と、おが屑等によるコンポスト式、乾燥・ 焼却式がある。 □ 水循環式は、汚水を好気性微生物により処理す るものや、鉱物抽出液等を用いて凝集沈殿する タイプ等がある。 車載トイレ □ トイレ設備を備えた車両を指し、し尿を貯留す るタイプや処理装置を備えたタイプがある。 □ トイレは車載可能な範囲で設計変更できる。 □ 処理方式の違いで、使用可能回数が異なる。 □ ユニバーサルデザインを導入したタイプも開発 されている。 □ 平常時は、イベントや公園等で使用できる。 便槽貯留 □ 平常時は水洗トイレとして使用する。 □ 断水や停電時には、地下ピットとつながる蓋や 便器底を開けて貯留式トイレとして使用する。 □ くみ取り方法や作業の容易性などを確認する必 要がある。 □ 上下水道が復旧した際に、水洗トイレとして利 用再開する方法や地下ピットの清掃方法等につ いても確認する必要がある。 □ 地下ピットだけを有し、仮設ブースを設けて使 用するタイプもある。平常時は組立式のトイレ をピットの中に保管できるタイプもある。 (出典:「東日本大震災 3.11のトイレ:日本トイレ研究所」を一部修正)
(参考)自己処理型トイレの種類について 自己処理型トイレについては、避難所等におけるすべての必要数を満たすだけの 配備は困難とみられるものの、臭気が比較的少なく、水が不要なタイプもあるとい った利点もある。このため、例えば平常時から試験的に導入し災害時にも役立てる など、その特長を生かしてトイレの種類に幅を持たせ、トイレ環境の向上につなげ ることが考えられる。 特長及び課題・問題点 長 所 短 所 1 汚物引き抜き回数が、通常の汲み取り式トイレ に比べ、少ない。 2 適正な管理をすれば、臭気が少ない。 3 使用に際して水を確保する必要のないタイプも ある。 1 設置コストが高い(固定型:約 300 万円、簡易トイ レ型:約 80 万円) 2 設置時及び設置後の専門業者によるメンテナンス が必要 3 一日当たりの処理量に限界がある 4 電源が必要で運搬に比較的手間がかかる(固定型の 場合) 型式・外観 概 要 備 考 固 定 式 ・ 水を使わないバイオ(そば殻)分解 ・ 雨水をトイレ洗浄水に利用可 ・ 処理量:30 回~100 回/日 ・ 電 源:100v。オプションで太陽光発電 風力発電も可能。 1年に3回、メンテ ナンス(そば殻交換 等)が必要 導入例:高地・山地 ・ 水を使わないバイオ(オガクズ)分解 ・ し尿が直接攪拌機に入りトイレ洗浄水不要 ・ 処理量:8回~25 回/日 ・ 電 源:100v。そのほか、オガクズ撹拌を手 や足を使って行う「無電源仕様」も ある。 1年に2~3回、メ ンテナンス(オガク ズ交換等)が必要 導入例:高地・山地 ・ トイレの洗浄水をバイオの働きと独自システ ムにより分解、消臭、循環 ・ 処理量:100 回/日 ・ 電 源:100v 1年に4回、メンテ ナンス(洗浄作業、 バイオの補充等)が 必要 導入例:高地・山地 簡 易 ト イ レ 式 ・ 電気炉で排せつ物を焼却 ・ 触媒の働きにより悪臭や煙 を除去 ・ 処理量:16 回~48 回/日 ・ 電 源:100v~200v 1週間に1回、焼却 された灰を取り出し て廃棄 導入例:福祉施設等 ・ バイオ(杉チップ)に一定の水分と温度を与 え、撹拌することにより、微生物が活発に働 き、排泄物を「炭酸ガス」と「水」に分解 ・ 処理量:2回~8回/日 ・ 電 源:100v 1年に1回、バイオ の補充が必要 導入例:福祉施設等 ① コンポスト式 (そば殻) ※コンポスト =堆肥化 ②コンポスト式 (オガクズ) ③水循環式 ④乾燥・焼却式 ⑤コンポスト式
(4)災害用トイレの選択 災害用トイレはそれぞれ特徴があり、災害発生の場所や発災からの時間経過 (ライフラインやし尿処理体制の状況等)、設置場所、使用する者の事情などの 諸条件により設置に適したタイプも変わってくる。また、同じ種類であっても パッキングや乾燥、焼却など処理方法に違いがあったり、マンホールに接続可 能な場所に設置すれば汲み取りは不要になる。 このため、避難所や地域の事情等も考慮しつつ、被害想定を踏まえた確保計 画を作成し、備蓄や流通在庫備蓄などの手法を組み合わせるなど、トイレの種 別や特性を踏まえて必要数の確保を図る必要がある。その際、例えば、車いす の障害者用には段差のない広い空間での設営を想定するなど、災害時要援護者 の利用にも十分配慮して必要な仕様を選択する。 なお、本格的な災害用トイレが設置されるまでの間や上下水道が途絶した在 宅被災者等にとっては携帯トイレが役立つと考えられる。かさばることもない ので、食料のように平常時から防災用品として備蓄することも一つの方策であ る。 〔災害用トイレの設置条件〕 災害用トイレはそれぞれ特徴があり、災害発生の場所や発災からの時間経過、 設置場所などの諸条件により設置するタイプも変わってくる。 ○・・・なくても使える △・・・使えるタイプもある 種 別 インフラ等の条件 水 電気 後処理 使用場所 携帯トイレ ○ ○ 一時保管 建物内 屋外 簡易トイレ ○ △ 一時保管 建物内 屋外 組立トイレ ○ ○ 汲み取り 屋外 建物内 仮設トイレ △ (簡易水洗、非水洗) ○ 汲み取り 屋外 〈トイレの選択例〉 ○ 発災直後や自宅避難等を想定し、「携帯トイレ」などを備蓄 (防災用品として個人備蓄もあわせて推奨) ○ 大量に設置できるよう、備蓄、調達がしやすいバリアフリーの「組立トイ レ」などを備蓄 ○ 「組立トイレ」「仮設トイレ」は、マンホールが使えるときは、直接つな いで使用すれば汲み取りが不要 ○ より快適なトイレ環境を確保するうえで、「自己処理型トイレ」や災害時 要援護者用の「多機能トイレ」など、さまざまな状況や多様なニーズを想 定した手段を確保
〔参考1:主な災害用トイレの比較〕 種類 条件 携帯トイレ 簡易トイレ 組立トイレ 仮設トイレ 自己処理型トイレ 使用想定場所 自宅避難等 自宅避難等 避難所等 避難所等 (屋外のみ) 避難所等 使用想定人数 個人向け 家族向け 不特定多数 不特定多数 特定少数 運搬方法 - 人力又は台車 貯留槽が空で あれば人力又 は台車 車両・ユニック 車(クレーン付きのト ラック)が必要 車両・ユニック 車(クレーン付きのト ラック)が必要 設置の容易性 ◎ 一人で設置可 ◎ 一人で設置可 ○ 複数人で設置 △ 人力では無理 (機械が必要) △ 専 門 業 者 の み 可能(保守管理 を含む) 水の確保 ○ 不要 ○ 不要 ○ 不要 ○ 水 洗 タ イ プ 以 外は不要 ○ 不要 (雨水を洗浄等に利用 できるタイプあり) 電気の確保 ○ 不要 △ 必要 (パッキング処理等) ※電源不要タイプもあり ○ 不要 ○ 不要 △ 必要 (太陽光発電可) 処理能力 - △ 1回ごとに処理 ※コンポスト、乾燥焼 却タイプもあり ○ 50~100 回/日 (汲み取り方式の場合) ○ 100 回/日以上 (汲み取り方式の場合) ○ 30~100 回/日 ※オプションで使 用量増が可能 後処理方法 保管・回収 保管・回収 ※乾燥、焼却タイプも あり 汲み取り (マンホール直結型 は汲み取り不要) 汲み取り (マンホール直結型は汲 み取り不要) 専 門 業 者 が 廃 棄物を搬出 利用者のプラ イバシーへの 配慮 △ 既設トイレブー スやパーテーシ ョンが必要(※) △ 既設トイレブー スやパーテーシ ョンが必要(※) △ 簡易なテント 等を設置 (既設トイレブースやパー テーションでも可) ○ (通常のトイレと同等のプラ イバシーの確保が可能) ○ (通常のトイレと同等のプラ イバシーの確保が可能) 備蓄スペース ◎ 省 ス ペ ー ス で 備蓄可能 ○ 倉庫等の確保 が必要 ○ 倉庫等の確保 が必要(折りたた むことが可能) △ 倉 庫 等 で 1 基 ご と の ス ペ ー スが必要 △ ト イ レ の ス ペ ー ス に 応 じ た 場 所 の 確 保 が 必要 標準的な梱包サイ ズ (W×D×H) - 440×460×400 650×1,350×350 850×1,590×2,590 - 調 達 費 用 の 目 安 ◎ 約2万円/100回セット ○ 約20万円/個 (パッキング方式の場合) ○ 約25万円/個 ○ 約30万円/個 △ 約300万円~/基 (工事費、オプション別途) 利 用 適 性 発災直後など、仮 設 ト イ レ 等 が 設 置 さ れ る ま で の 短 期 間 の 使 用 や 自 宅 避 難 時 の 使 用 に 適 す る。 持ち運びが容易 で、家族単位など少 人数での利用に適 する。 調達しやすく、 長期間の使用にも 適する。 マンホール直結 型以外は、汲み取 りや臭気対策が必 要。 調達しやすく長期 間 の 使 用 に 適 す る が、段差があるもの が多く、高齢者、身 障 者 は 利 用 し に く い。マンホール直結 型以外は汲み取りや 臭気対策が必要。 長 期 間 の 使 用 に 耐えられ、臭気も少 ないが、廃棄物の処 理は、専門業者が行 う必要がある。 他 の タ イ プ に 比 べコスト高。 ※ 一般的な条件を記載しているが、製品ごとに利用できる条件が異なる場合があるので確認が必要。 出典:「災害時トイレ衛生管理講習会テキスト:日本トイレ研究所」をもとに一部加除した。
〔参考2:災害発生時からの災害用トイレの選び方〕 〈避難所を開設する〉 〈水道、下水道が機能する〉 既設トイレ(不足が生じる時は仮設が必要) 〈既設トイレが機能しない〉 〈発災直後など仮設設置までの間〉 携帯トイレ 簡易トイレ(※電源不要タイプ) 〈汲み取り体制が機能する〉 組立トイレ 仮設トイレ 〈汲み取り体制が機能しない〉 〈近くにマンホールがあり下水道管が使用できる〉 組立トイレ(マンホール直結型) 仮設トイレ(マンホール直結型) ※下水道が機能しないときは、「便槽貯留方式」以外は不可 〈近くにマンホールがない〉 簡易トイレ(※電源必要タイプ) 自己処理型トイレ(※電源確保が必要) 車載トイレ 携帯トイレ 〈自宅避難をする〉 〈水道、下水道が機能する〉 既設トイレ 〈水道、下水道が機能しない〉 携帯トイレ 災害発生 既設トイレ 仮設トイレ 自己処理型トイレ 車載トイレ 携帯トイレ 組立トイレ 簡易トイレ (電源不要タイプ) 簡易トイレ (電源必要タイプ)
〔参考3:上下水道途絶時に使用可能なトイレの例〕 被害の状況等 (ケース例) 使用可能なトイレの例 ・ 電 気:○ ・ 汲み取り:○ 携帯トイレ 簡易トイレ (電源不要タイプ) ※ 簡易トイレ (電源必要タイプ) ※ 組立トイレ 仮設トイレ ・ 電 気:○ ・ 汲み取り:× ・ マンホール:○ 携帯トイレ 簡易トイレ (電源不要タイプ) ※ 簡易トイレ (電源必要タイプ) ※ 組立トイレ (マンホール直結タイプ)※ 仮設トイレ (マンホール直結タイプ)※ ・ 電 気:○ ・ 汲み取り:× ・ マンホール:× 携帯トイレ 簡易トイレ (電源不要タイプ) ※ 簡易トイレ (電源必要タイプ) ※ ・ 電 気:× ・ 汲み取り:○ 携帯トイレ 簡易トイレ (電源不要タイプ) ※ 組立トイレ 仮設トイレ ・ 電 気:× ・ 汲み取り:× ・ マンホール:○ 携帯トイレ 簡易トイレ (電源不要タイプ) ※ 組立トイレ (マンホール直結タイプ)※ 仮設トイレ (マンホール直結タイプ)※ ・ 電 気:× ・ 汲み取り:× ・ マンホール:× 携帯トイレ 簡易トイレ (電源不要タイプ) ※ ※ マンホールが直結できても、下水道が機能していない場合は、排水管への貯留型(P15参照)以外は不可 ※ 簡易トイレについては、電源が必要なものやバッテリーで作動するもの、電源不要タイプなどがあり、製 品ごとに利用できる被害の状況(ケース例)が異なるので確認が必要。
健康被害の防止と衛生対策
大規模災害発生時には、建物やライフラインの被害により、避難所等に被災者が 集中し、かつ施設等の既設トイレが使用不能になることにより、衛生状況が悪化す るおそれがある。また、過去の災害では、排泄を抑えるための飲食を自制すること による健康被害の事例も報告されている。 トイレの状況や感染者の有無等を踏まえて、循環器疾患や感染症等の発症、拡大 を防ぐために、継続的に清掃活動を行う必要がある。 (1)トイレの使用にかかる課題と留意点 ① トイレが使えないため水分摂取を制限すると脱水になる。脱水は各臓器の機能 低下や脳卒中・心筋梗塞・尿路感染症・肺栓塞症(エコノミークラス症候群) などを引き起こす。また、免疫力を低下させ感染症にかかりやすくなる。 【対策内容】 ・ 十分な食事を摂取するとともに、1日 1,300ml 程度の飲料水を 摂取し、1日4回以上の排尿回数を確保するよう呼びかける。 (夏期は発汗量が増加するため、多めに水分摂取する) ・ トイレ掃除を徹底し、清潔で安心できる明るいトイレ環境をつ くる。 ・ トイレを我慢しないように呼びかける。 ② その他の留意点 ・ 人工肛門等の方々の汚物流し台や乳幼児等のオムツ交換台など のスペースを確保する。 ・ 便座が冷たい場合は、衛生面に配慮しながらカバーをするなど の工夫をする。 ・ 外国人にも配慮し、使用方法等を掲示する。 ・ 様々な事情を有する人々が居住しているため、できる限りきめ 細やかな対応に努める。 ・ 内部障害者は、自分から言わないことが多いので、声をかける ようにし、注意しておく。 別添資料3(2)衛生面に配慮した避難所等でのトイレの清掃方法 不衛生なトイレは感染症の温床となり、使い勝手の悪いトイレは、被災者にトイ レへの嫌悪感を抱かせ、水分や食事を控えさせてしまうことで、体調を崩す原因と なる。このため、衛生面に配慮して継続的に清掃を行う。 作業内容等 留意事項 ①基本的事項 □ ホコリを立てない。 □ 感染源を広げたりすることのないよう注意して 清掃する。 ②各種装備品の着用 □ マスク、手袋、前掛け等の着用により、自身の手 指の傷などからの感染等、自己を防衛する。 □ マスク、手袋、前掛け等は、ディスポ(使い捨て) を使用する。 ③換気の確保 □ ドア・窓を開放し、換気を行う。 ④消毒水と清掃用水(水道 水)の用意 □ 消毒水(次亜塩素酸ナトリウム約0.1%)は、き れいなバケツの水1ℓに、キッチン用塩素系漂白剤 を24mℓ(キャップ一杯)混ぜて作成する。 ⑤汚物・汚れの除去 □ 室内の備品を取り出し、大きな汚物等があればペ ーパータオルや新聞紙等で覆い、外側から内側へ 包み込むように拭き取る。 □ 汚物の包みをビニール袋に入れ、消毒液を染みこ ませて密封して廃棄する。 ⑥拭き掃除 □ 空間の高い所から順に、敷居、壁面などを消毒液 で濡らした雑巾などで拭き掃除を行う。 □ 汚物等で汚れていたり、土や砂がある部分は、水 で濡らした雑巾等で汚れを拭き取った後、消毒液 で濡らした雑巾などで拭く。 ⑦床の掃除 □ 消毒液で濡らしたモップでトイレ全体の床を拭 く。 □ 汚物等で汚れていたり、土や砂がある部分は、水 で濡らした雑巾等で汚れを拭き取った後、消毒液 で濡らした雑巾などで拭く。
⑧個室内清掃 □ 消毒水に浸して絞った雑巾で、汚れの小さい順 に、便座、フタ、タンク、便器の外側の順で拭く。 ⑨便器の内側の清掃 □ 上水道が復旧していない場合で、詰まり以外の原 因で便器に流れていない汚物がある場合は、2~ 3L の水をバケツで上から勢い良く流し込む。 (特に和式) □ 水洗トイレの場合、塩素系洗剤を便器の内側にか け、数分後に水で流す。 □ 水アカがひどい場合などは、必要に応じてクレン ザーまたはメラミンスポンジを使用する。 ⑩手で触れる部分の拭き 取り □ これまでの手順で使用していない消毒水で濡ら した雑巾を使い、ドアノブ、手すり、水洗レバー、 ペーパーホルダーを拭く。 □ 手洗い周りは水アカを拭きとる。 □ 換気を十分に行う。 ⑪道具の片付け □ ゴミや清掃用具を持って移動する場合、衛生・安 全のため、袋を二重にして管理する。 □ 使用後の道具類で繰り返し使用するものは、分け 洗いのうえ消毒する(可能であれば温水で10 分 程度浸け置く)。 ⑫備品の設置・補充 □ 手袋をはずし(外側が内側になるように外す)、 トイレットペーパー、消臭剤、ペーパー分別ボッ クスを設置する(ルールが既に構築されている場 合、それに沿った運用ができるように配慮する)。 □ 掲示物は、使用時の目線に入るよう配置する。 ⑬掃除終了時の留意点 □ 脱いだマスク、手袋、前掛け等は、廃棄用袋に入 れる。 □ 泥落としマット等で靴の泥を落とし、消毒液を染 みこませた消毒用マットで踏み靴裏を消毒する。
⑭手洗い、手指の消毒や、 うがい □ 石けんで手を洗う。(1分間) □ 水がない場合は、ウエットティッシュやアルコー ル 消 毒 液 等 を 使 用する。 □ うがいをする。 □ 指先、指の間、親 指の周り、手首等 は 汚 れ が 残 り や す い の で 注 意 す る。(右図参照) ⑮その他の対策 □ 汚染を広げないため、靴底消毒マット(泥落とし ⇒消毒)を、靴を脱ぐ前の場所に設置する。 □ その他、蓄光テープ、足元・室内明かりなどが確 保できる場合は設置する。 □ 使用者自身が汚した時にも清掃できるよう、簡易 な清掃用具を配置する。 □ 移動用の車内を汚染させないため、別途泥落とし マットや消毒マットがあるとよい。 (出典:「災害時トイレ衛生管理講習会テキスト:日本トイレ研究所」を一部修正) (3)清掃実施体制 ① 自主的な清掃体制の整備 避難所の管理責任者は、避難者が自ら清掃にあたる体制を自主防災組織等と 連携して早急に整えるよう努める。避難者にとって避難所は「自分達の生活の 場」であり、衛生環境の維持のために、トイレをきれいに維持する必要性を理 解し、率先して清掃にあたることが大切である。継続的に清掃活動を行うこと ができるよう、班単位での当番制をとるなど、しっかりとした体制をつくる必 要がある。 ② ボランティアとの連携 東日本大震災の場合など、避難所の状況によっては、ボランティアが中心と なり清掃を実施した例も少なくない。 トイレ掃除を毎日、熱心に行う姿勢を示すことは、被災者に元気を与えると 同時に、健康を守ることができる。また、ボランティアと被災者のコミュニケ ーションのきっかけにもなるため、過度にボランティアに依存することのない よう注意する必要はあるものの、こうした取り組みを行うことも避難所運営に おいて効果的である。 ③ 清掃専門業者の活用 避難所では、十分な水の確保が難しい場合や、多人数が集中的に利用するな ど、トイレの衛生環境を保つうえで厳しい状況も想定される。このため、清掃 専門業者に定期的な清掃を委託し、良好な衛生環境の確保を図るとともに、避 難者等に清掃の助言、指導を行うなど、状況に応じて専門業者のノウハウや人 材を活用することが考えられる。 今後、行政と専門業者間で、効果的な清掃体制のあり方について、事前に協 議、検討し、具体化を図ることも有効な方策である。
(4)衛生面に配慮した避難所等でのトイレ掃除のための準備品例 災害時に衛生面に配慮した継続的な清掃を行うために必要な準備品等を速やか に確保できるよう、平常時から備蓄に努めるとともに、事業者と協定等を締結す るなど、あらかじめ準備をしておく必要がある。 区 分 準 備 品 装備 □ マスク(サージカルマスク) □ ゴム手袋(ディスポ) □ 作業着(レインスーツでもよい) □ 履物(室内トイレ用、屋外作業用 防水が好ましい) □ 泥落としマット 衛生 □ 手指消毒スプレー(二酸化塩素入りアルコール消毒剤等) □ウェットティシュ □石けん、ハンドソープ □ ペーパータオル(手洗い用) 清 掃 用 具 ( 容 器 に 中 身 と 使 用 個 所 を 表記) □ 水(清掃用、消毒液希釈用) □ バケツ(消毒水用、モップ洗い用) □ キッチン用塩素系漂白剤(もしくは、次亜塩素酸タブレット) □ ビニール袋(ごみ袋用、清掃用具持ち運び用) □ ホウキ・チリトリ □ 雑巾(多用途のため多めに用意)、 □ ブラシ(床用、便器用) □ トイレ用塩素系洗剤(災害用トイレには中性洗剤) □ 扉開放用具(ドアストッパー・土嚢など) □ ペーパータオル(新聞紙) □ 消臭・浄化促進剤(災害用トイレ投入用) □ モップ(床水拭き用、床乾拭き用、壁面用)、 □ クレンザー(もしくは、メラミンスポンジ) トイレ関 連備品 □ トイレットペーパー(ビニール包装が望ましい) □ ペーパー分別ボックス/サニタリーボックス(段ボール製の場合 は、床面からの水を防ぐための防護策が必要) □ 消臭剤(トイレ室内設置) □ 消毒マット(室内との靴の境界) □ 備品置き台 □ 掲示物(マナーアップ、エチケット、ルール、思いやり等につ いて) (注)□:必須なもの □:準備が望ましいもの