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Microsoft Word - H21言語活動指導案.doc

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Academic year: 2021

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第1学年

音楽科学習指導案

1 題材名 曲の雰囲気を感じ取ろう 2 題材設定について (1)生徒観 1年生は、スタートするとすぐに5月の連休明けに予定されている体育館の竣工式に向けての 練習が始まり、例年とは違うあわただしいスタートとなった。「校歌」「生徒会歌」は年度初め の行事ごとに歌うため、授業以外でも上級生の歌声を聞きながら積極的に声を出して暗譜をした。 また、地域の方々に披露するための全校合唱曲「With You Smile」の練習は、初めての混声3 部合唱の体験であり、自分の声の高さを考えてパートを選択したり、パートごとの練習にとまど いながらも、楽しみながら取り組んでいた。時間の足りない中での発表となったが、初めて体験 する全校合唱の響きに、満足した笑顔を見せていた。 1校の小学校だけからほぼ全員本校へ入学してくるため、小学校時代の学力や友人などの関係 からか、授業中多くの生徒に遠慮のようなものが感じられる。例年、発表の声は大変小さく、自 信のなさが感じられる。表情も硬い。それが生徒の歌声やリコーダーの音色にも影響している。 ゆえに目指す生徒像は、「自分の考えを堂々と発表できる生徒」である。文章では書けていても、 挙手や発表は限られた生徒に偏っていることから、授業中のムードづくりも大切な留意事項であ る。 生徒は音楽が好きであり、アルトリコーダーの基礎学習は実力にばらつきは出たものの、基礎 的な演奏技能の定着とリコーダーへの関心・意欲はどの生徒からも感じられる。 鑑賞は、年度初めのアンケートではクラスの2/3が好きと答えている。心で感じたことを素 直に文章表現する力や、それを互いに発表し合うことで、自分が気付かなかった曲や演奏のよさ や美しさなどの新しい価値や 味わい方に気付いたり、仲間の意見に共感することで、生徒一人 一人の音楽性を高め、自分自身の鑑賞の能力に自信がもてるようになってほしい。 (2)教材観 「魔王」は題名からも興味をかきたてられる題材である。詩の内容は現代っ子達にも十分理解 し、想像することができる。歌唱教材としては、一人が4役を歌い分け、ピアノ伴奏が役割の雰 囲気づくりと情景描写をたくみに行っており、詩の内容をよりリアルに想像しながら、音楽の諸 要素(音 色・リズム・速度・旋律・テクスチュア・強弱・構成等)を感じ取る事ができる教材 である。また、短い曲であるため、1時間の使い方を工夫することで、いろいろな鑑賞パターン を取り入れることができる。鑑賞という受け身になりがちな分野を、役割演技等の体験を交える ことで、文章表現や発表だけでは見ることのできない、一人一人の積極的な授業参加を図ること ができると考えた。友との交流を深めながら、自分の考えを自由に発表し合い、生徒一人一人の 音楽性を高めることができると考え、本題材を設定した。 (3)指導観 本題材では、主に詩の内容と音楽を形づくっている要素の働きとの結びつきを感じ取って、音 楽の良さや楽しさを味わわせることを目標とする。主に①声による役割表現 ②表現の違いによ る曲想の感受 ③鑑賞による伴奏や場面の変化の知覚感受などの活動を通して、①詩の内容の理 解と感受 ②役割ごとの表現(歌い方)の違い ③伴奏による情景の変化を感じ取らせたい。ま た、感じ取ったことを自分の言葉で伝えることで、互いの考えを深め合い、理解し認め合う豊か な心を育成する場としたい。授業を通して「鑑賞のしかた」「音楽の諸要素の理解」「音楽の良 さや楽しさ、美しさ」等を感じ取る力を、曲を味わいながら身に付けさせ、日常的、継続的な鑑 賞活動につなげたい。 3 言語活動の充実との関連 本年度の音楽科研究主題は「音楽を特徴付けている要素や仕組みの働きが生み出すよさや面白 さを感じ取れる表現や鑑賞の学習指導の工夫」である。また、本校の研究課題は「知・徳・体の バランスのとれた生徒の育成 ~わかる喜び・できる楽しさを重ねられる学習指導の研究~」で ある。 【実践例1】 「曲の雰囲気を感じ取ろう」 中学校第1学年

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共有できる雰囲気や場を工夫する。と設定した。本題材では感じたことを「言葉で説明」したり、 どうしてそう感じたのかを考える際に、「自分の考えの根拠となる音楽的な諸要素を見付ける」 ことを通して言語活動との関連を図りながら、音楽の楽しさや鑑賞の面白さを体験させたい。 4 本題材と学習指導要領とのかかわり 〔B 鑑賞〕 〔共通事項〕 ・(1)ア、イ ・ア 音色 リズム 速度 旋律 強弱 構成 5 題材の目標 ①詩の内容を体験を通して理解し、場面をより身近に想像することができる。 ②4役それぞれの旋律の雰囲気や、表現(歌い方)の違いを感じ取ることができる。 ③伴奏が醸し出す、場面ごとの情景の変化を感じ取ることができる。 6 題材の評価規準及び学習活動における具体の評価規準 ア 音楽への関心・意欲・態度 ィ 音楽的な感受と表現の工夫 ゥ 鑑賞の能力 ○場面を想像しながら鑑賞 し、場面ごとの歌唱表現 の違いを感じ取ろうとす る。 ○伴奏の変化を感じ取り、 場面ごとの違いを言葉で 表現しようとする。 ○場面を想像しながらそれぞ れの役割の変化を感じ、言 葉で表現することができる。 ○伴奏の変化による役割の違 いや雰囲気の変化を感じ取 り、言葉で表現することが できる。 ○詩の内容と役割の違いによ る歌唱表現の違いを意識し て聴くことができる。 ○伴奏の変化と情景の違いを 関連させて聴くことができ る。 ①場面を想像しながら聴こ うとしている。 ②役割ごとの歌唱表現の違 いに注意して聴こうとし ている。 ③伴奏の変化に注意して、 役割の違いや雰囲気の変 化を意識して聴こうとし ている。 ①場面を想像しながら4つの 役割の違いを感じ、その理 由も含めて言葉で表現する ことができる。 ②伴奏の変化を感じ、役割の 違いや場面ごとの変化を感 じ取り、言葉で表現するこ とができる。 ①詩の内容を理解して、情景 や登場人物の心情を感受し 聴き取ることができる。 ②伴奏の変化から、登場人物 の心情や様子を聴き取るこ とができる。 7 題材の指導と評価の計画 時 主な学習活動・学習内容 ○教師の働きかけ ☆具体の評価規準 1 本 時 ○詩の鑑賞・題名の理解 役割ごと・情景の感受 の体験 ・登場人物の確認 ・登場人物の心情の感受 ・内容の理解 ○曲の鑑賞・伴奏楽器の確認 ・演奏形態の理解 ・登場人物の表現の違い の感受 ○「魔王」の詩を情景豊かに朗読する ○心情を意識させて‘せりふ’を読ませる ○物語の内容と登場人物の心情を考えさせる ☆ア―① ○1回目の鑑賞で役割の確認と伴奏楽器名、歌詞は 何語か、演奏形態について確認させる ○2回目は各自登場人物の表現の違いについて感受 させ、発表させる ☆ア―①② イ―① 2 ○曲の鑑賞・伴奏と登場人物や情景 の変化についての感受 ○情景を想像しながら雰囲気の違う場面を感受させ る ○何が基になって、そう感じるのかを考えさせる ○各場面(前奏・語り手・父・子・魔王・語り手)で の伴奏の効果を考えさせる ☆ア―③ イ―② ウ―①② 題 材 の 評 価 規 準 学 習 活 動 に お け る 具 体 の 評 価 規 準

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8 本時の学習指導(1/2校時) (1)本時の目標 詩の内容を体験を通して理解し、情景を思い描きながらそれぞれの役の心情を感じ取って聴 くことができる。 (2)展開 主な学習活動・学習内容 ○教師の働きかけ ☆具体の評価規準 ◎言語活動との関わり 1目を閉じてゲーテの「魔 王」の範読を情景を想像 しながら聞く ○題名を伏せて、範読から連想するイメージを基に、何という題名 かを発表させる。 ○教科書とは違う、できるだけわかりやすい言葉で範読する。 ○情景が想像できるようにゆっくりと感情移入をして朗読する。 ○目を閉じて、頭の中やまぶたの裏に映像を浮かべて聞くようにさ せる。 ○朗読後に内容に関する質問を4つする。 ○範読の前に1の質問内容の答えを確認する。 ○情景と内容については教師が生徒の発言を受けて内容を整理しな がらつなげる。 ○教科書等資料を見せずにもう1度1と同じ文章で朗読する。 ○聴きながら4つの質問内容を確認させる。 ○列ごとに役割分担(語り手・父・子・魔王)をさせて 「聞いている人に登場人物の様子や心の動きがよくわかるように」 演じる練習をさせる。 ・歌詞プリント配布 ★行動観察:ア―① ○グループごとに、表現が上手な生徒を推薦させて4役をグループ で発表させる。 ○推薦がなければ、教師の指名で発表させる。 ○その場で発表する。 ○情景を想像しながら発表を鑑賞する。 ○1回目は教師がどの登場人物の演奏部分を前で掲示する。 ○何語で歌われたか、伴奏楽器と演奏形態(何人で歌っていたか) を質問する。 ◎音楽的な諸要素の感受と発表 ○2回目は登場人物の確認なしで鑑賞するが、必要に応じて歌詞プ リントを参考にさせる ○自分が印象に残った人物について挙手で発表させる。 ○あらかじめ4役の枠を板書しておく。 ★行動観察:ア―①② イ―① ◆質問内容◆ ・題名は何だと思うか ・どんな情景か ・登場人物は誰(何人) か ・どんな物語か 2目を閉じて2度目の歌詞 の範読を情景を想像しな がら聞く 〈学習内容〉 ・題名を知る「魔王」 ・登場人物を知る 「父・子・魔王」 「語り手」 ・情景を知る 「強い風が吹く真っ暗 な夜に、小さな息子 を抱いた父親が大急 ぎで馬を走らせ家に 向かっている」 ・物語の内容を知る 「情景を基に魔王の登 場と子どもに見えて 父親には見えない魔 王の様子と最後には 魔王に連れ去られ死 んでしまう子ども」 3グループ(列)ごとに役 割分担をして登場人物の 心情を表現する 〈学習内容〉 ・登場人物それぞれの 心情を理解する 4原語(ドイツ語)の「魔 王」を音のみで全曲鑑賞 をする ◆質問事項◆ ・何語で歌われている か ・伴奏楽器は何か ・演奏形態は何か 5それぞれの役割が、どの ように表現されていた か、気付いたことや感想

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を発表する ◎音楽的な諸要素の感受と発表 ○挙手はできないが、感想や気付きをもった生徒を把握するため、 ワークシートに文章で記録させる。 ○発表された内容でも、自分が同じ考えをもつようであれば記録さ せる。 ★ワークシート:ア―①② イ―① ◎音楽的な諸要素の感受 〈学習内容〉 ・質問事項の内容 ・それぞれの役の表現 の違いに気付く 6ワークシートにまとめる 9 備考 在籍生徒 男子16名 女子15名 合計31名 10 成果と課題 今回の研究を通して、「音楽科における言語活動の充実」に視点を置くことにより、鑑賞活動を通 して「何を聴かせたいのか」「どのように聴かせるのか」を深く意識して指導計画を組み立てること ができた。今までの指導は「曲を聴いて感想を書かせる」ことや「作曲者・作詞者についての知識を 得る」という、生徒にとって受動的で表面的な内容を中心に展開していたが、今回の取組では、生徒 が主体的・意欲的に取り組めるように、授業の流れを工夫することにより、より課題がとらえやすく なり、「知覚・感受」の部分を言語活動により根拠をもって表現し合う授業が展開できた。 ○ 言語活動の充実を図るための手立て 1学年の鑑賞は、個々の発達段階や小学校からの鑑賞指導の方法が具体的に教師に把握できてい ないことを考えると、色々な意味で誰にでも「わかりやすい」「想像しやすい」内容のものがよい と思われる。また本教材は毎年の生徒の様子からも「生徒が好きな教材」である。 導入として、何も資料を与えずに感情豊かに詩を範読をすることによって、生徒の興味関心や想 像力を高め、今後の授業内容に積極的にかかわれるように工夫した。また、原語(ドイツ語)のみ で鑑賞させるために、範読を2回取り入れ、内容の把握と登場人物の様子をより具体的に印象付け た。 役割を体験することで よりリアルに登場人物の心情を想像することができると考え、歌詞を台 詞に換えて、感情を込めた声の演技から、心情を想像し、楽曲の中でそれぞれの登場人物における 心と音楽の変化を感受する活動につなげた。 今回の指導では、2時間を通して一切映像による鑑賞は行っていない。そのため登場人物ごとの 歌手の表情の変化や歌い方の工夫、ピアノ伴奏の様子、独唱の様子など、視覚から得られる形での 鑑賞はしていない。しかし、音を通して生徒は十分想像し、自分なりの世界を創造することがで き、 その考えを自分の意見として根拠をもって発表することができた。そのため本題材の目的とし て いる「言語活動の充実」は達成できたと思われる。 (1)板書計画(上下2段のスライド式黒板)

ねら い

内容を知り、情景を想像しながら聴こう。

まと め

魔王

ドイツ語 ピアノ伴奏 独唱(バリトン)

登場人物

*4役のイメージパネルを貼る。 ・ ・ ・ ・ 語り 手 父 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 魔王 子 ・・ ・ ・ ・ ・

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(2)ワークシート *授業で出された主な意見 1年生音楽ワークシート① 月 日( ) 組 番 名前

それぞれの役割がどのように表現されていただろうか

曲を聴いて、下の表の4つの役割が、どのように歌われて(表現されて)いたと思いましたか。 役割の気持ちの表現やその場の情景や雰囲気などにも気付いたら、自分の言葉で感じたこと を書きましょう。 役 気 持 ち 情景・雰囲気 語 り 手 ・状況を伝えるために、初めは弱く、最後は強く表現 していた。 ・死んだところを弱く表現していた。怖さをイメージ している。 ・暗い ・怖い ・強い風が吹いている 父 親 ・子どもを心配する感じ。 ・父も最後は怖くなった感じ。 ・自分には見えていないものが、子どもには見えている ので、父が焦っている様子が、父の声の強さに表れて いた。 ・馬で走っている 子 供 ・父を呼んでいるときの様子が忠実に表現されている。 ・あわてた感じ。 ・怖い気持ち。 ・おびえた気持ち。 ・おびえている ・魔王が自分に話しか ける 魔 王 ・声の強弱で優しさと怖さを出している。 ・優しそうだけど本当 は怖い ○全項目、原則として個人で感じた内容を記述する。しかし、文章表現が苦手だったり、まとまらな い場合は、曲の合間のワークシート記入時に、隣どうしで意見交換をしてもよいとした。 ○2回の鑑賞の中で、1回目は言葉がわからないために、心情にまで入れない生徒が多いと思われる が、明らかに雰囲気の違う「魔王」と初めと終わりの「語り手」の部分については、漠然ととらえ ることができる。原則としてプリント記入は鑑賞後であるが、全体の流れを鑑賞しながらのメモは 可とした。

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11 まとめ 今回の鑑賞活動を通し、中学1年時から、生徒達に音楽的な言語活動を行うための言語力を身に付 けさせる指導を始めなければならないということを実感した。発達段階に応じて語彙は広くなり、繊 細な音楽的ニュアンスを、豊かな表現力で表すことができるようになるであろうこの3年間を、いか に丁寧に指導するかがポイントとなる。それには、教師が毎時間意図的に言語活動につながる指導を 積み重ね、3年間を見通して計画的に指導を重ねていかなければならない。 生活環境が言葉の発達と深く関わっているため、個人的にみるとかなり表現力に(文章表現を含む) 差が見られる。このことを踏まえて「繰り返し」や「積み重ね」の言語指導を行うことにより、「こ のような場面を表現するためには、このような言葉をつかうことができる。」という気付き、理解、 引用ができるようになる。また、友だちと意見交換をすることにより、自分が気付かなかった音楽の 見方や聴き方に気付き、音楽を様々な方向からとらえ、深く楽しむことができるようになる。初めて 聞く言葉や新しい感情表現や音楽表現は、意識して記録し、クラスや学年で共有することにより、言 葉の数を増やしていくことができる。 今までの鑑賞の授業を基にしながら、新しい視点に立った指導を工夫することで、生徒の取組にど のような変化が生まれるかを楽しみながら、今後も3年間の積み重ねを意識した、新しい発見を見つ けられる鑑賞指導を展開していきたい。

参照

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