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3-3 現地調査 ( カレイ類稚魚生息状況調査 ) 既存文献とヒアリング調査の結果 漁獲の対象となる成魚期の生息環境 移動 回遊形態 食性などの生活史に関する知見については多くの情報を得ることができた しかしながら 東京湾では卵期 浮遊期 極沿岸生活期ならびに沿岸生活期の知見が不足しており これらの

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43 3-3現地調査(カレイ類稚魚生息状況調査) 既存文献とヒアリング調査の結果、漁獲の対象となる成魚期の生息環境、移動・回遊形態、 食性などの生活史に関する知見については多くの情報を得ることができた。しかしながら、 東京湾では卵期、浮遊期、極沿岸生活期ならびに沿岸生活期の知見が不足しており、これ らの成長段階における生息環境・生息条件についての情報を把握することができなかった。 そこで、本年度は東京湾のイシガレイならびにマコガレイの極沿岸生活期~沿岸生活期の ハビタットの利用状況を調査した。なお、本調査は来年度の 4 月以降も継続する予定であ る。 ①調査地点 調査地点は永山ら(2005)が東京湾のマコガレイを対象に実施した調査地点を参考に選定 した。2010 年 6 月~8 月は東京湾の湾奥部に位置する三番瀬、稲毛浜、ならびに湾央部の 盤州の3 地点で実施した。また、2011 年 2 月~3 月は上記の調査地点に湾奥部の三枚洲、 お台場、湾口部の海の公園の3 地点を追加した。 図3-3-1 調査地点 海の公園 お台場 三枚洲 三番瀬 稲毛浜 盤州

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写真 3-3-1 三番瀬 写真 3-3-2 稲毛浜

写真 3-3-3 盤州 写真 3-3-4 三枚洲

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45 ②実施日時・実施回数 調査実施日ならびに各調査地点における調査回数・調査実施日は下記のとおりである。な お、本調査は2010 年 6 月から調査を開始したが、イシガレイとマコガレイの着底時期は 2 ~3 月であるため既に着底時期から 3~4 ヶ月経過していた。そのため着底時期からの生息 状況を把握するため2011 年 2 月以降に調査を再度開始し、貧酸素水塊が解消する 2011 年 11 月まで継続する予定である。 表3-3-1 実施日 区分 実施日 6月調査 2010年6月18日、2010年6月30日 7月調査 2010年7月12日、2010年7月13日、2010年7月24日 8月調査 2010年8月9日、2010年8月10日、2010年8月23日 2月調査 2011年2月22日、2011年2月23日、2011年2月24日、2011年2月26日 3月調査 2011年3月9日、2011年3月10日、2011年3月11日 表3-3-2 各調査地点における調査回数 6月 7月 8月 2月 3月 1 三番瀬① 0.5~1.0 1 1 1 1 1 6/18 7/13 8/11 2/24 3/11 2 三番瀬② 2.0~3.0 1 1 1 1 6/30 7/24 8/23 2/26 3 三番瀬③ 3.0~5.0 1 1 1 1 6/30 7/24 8/23 2/26 4 稲毛浜① 0.5~1.0 1 1 1 1 1 6/18 7/26 8/10 2/24 3/11 5 稲毛浜② 2.0~3.0 1 1 1 1 6/30 7/24 8/23 2/26 6 稲毛浜③ 3.0~5.0 1 1 1 1 6/30 7/24 8/23 2/26 7 盤州① 0.5~1.0 1 1 1 1 1 6/18 7/12 8/9 2/23 3/10 8 盤州② 2.0~3.0 1 1 1 1 6/30 7/24 8/23 2/26 9 盤州③ 3.0~5.0 1 1 1 1 6/30 7/24 8/23 2/26 10 三枚洲① 0.5~1.0 1 1 2/22 3/9 11 三枚洲② 2.0~3.0 1 2/26 12 三枚洲③ 3.0~5.0 1 2/26 13 お台場 0.5~1.0 1 1 2/22 3/9 14 海の公園 0.5~1.0 1 1 2/23 3/10 備考 調査実施回数 名称 水深(m) 2010年 2011年 ③実施方法 各調査地点においてソリネット(幅 1.0m、高さ 30cm、目合 5mm,写真 3-3-7)を用い て極沿岸域~沿岸域に生息するイシガレイとマコガレイの採集を行った。採集した個体は、 種の同定と全長を記録し、曳網距離から算出した曳網面積から単位面積あたりの採集尾数 とバイオマスを算出した。 調査は水深0.5~5.0m の範囲で行い、0.5~1.0m、2.0~3.0m、3.0~5.0m の 3 水深ごと に結果を記録した。干潟域にあたる水深 0.5~1mは、ソリネットを手繰りで曳網し、それ より深い地点については船外機船を使用した(写真3-3-8、写真 3-3-9)。ソリネットの曳網 速度は1 ノットとした。曳網距離は 1 回あたり 100mとし、水深別にそれぞれ 3~5 回行っ

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46 た。船外機船を使用する場合の曳網距離はGPS(Garmin 社製 eTrex)で測定した。また 調査時にはポータブル水質計(マルチ水質モニタリングシステム U-21XD :HORIBA 製)を 用いて水質(水温、塩分、溶存酸素(底層 DO))の測定を行った。調査中は調査箇所周辺 に調査旗を設置し、漁業者等や一般市民への周知を行った。 写真3-3-7 ソリネット 写真3-3-8 手繰りによるソリネットの曳網

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写真3-3-9 船舶によるソリネットの曳網

写真3-3-10 使用船舶(ビーグルⅡ世号)

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48 ④調査結果 2010 年の 6 月調査から 2011 年の 2~3 月調査における各調査地点の曳網面積 100m2あた りの採集尾数を表3-3-3、バイオマスを表 3-3-4 に示す。また、同地点で測定した水質調査 の結果を表3-3-7~3-3-9 に示す。2010 年 6~8 月については、調査と同時期に測定された 東京湾全域における2010 年 6 月~8 月の「貧酸素水塊速報:千葉県水産総合研究センター」 を掲載した(図3-3-2)。 表3-3-3 単位面積あたりの稚魚分布密度 (上段:イシガレイ、下段:マコガレイ) 6月 7月 8月 2月 3月 0.0 0.0 0.0 31.4 9.0 0.0 0.0 0.0 0.4 0.6 0.0 0.0 0.0 2.0 -0.0 0.0 0.0 0.5 -0.0 0.0 0.0 0.5 -0.0 0.0 0.0 0.0 -1.5 0.0 0.0 3.0 2.4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2.0 -0.0 0.0 0.0 0.5 -0.0 0.0 0.0 1.5 -0.0 0.0 0.0 0.0 -0.0 0.0 0.0 27.0 1.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 -0.0 0.5 0.0 0.0 -0.0 0.0 0.0 0.5 -0.0 0.0 0.0 0.5 -- - - 14.5 28.2 - - - 0.0 0.0 - - - 1.0 -- - - 0.0 -- - - 0.0 -- - - 0.5 -- - - 20.8 5.2 - - - 0.2 0.2 - - - 0.0 2.2 - - - 0.0 0.0 (尾/100m2) 曳網面積100m2当たりの捕獲尾数 2011年 14 海の公園 0.5~1.0 12 三枚洲③ 3.0~5.0 13 お台場  0.5~1.0 10 三枚洲① 0.5~1.0 11 三枚洲② 2.0~3.0 8 盤州② 2.0~3.0 9 盤州③ 3.0~5.0 6 稲毛浜③ 3.0~5.0 7 盤州① 0.5~1.0 4 稲毛浜① 0.5~1.0 5 稲毛浜② 2.0~3.0 2.0~3.0 3 三番瀬③ 3.0~5.0 2010年 1 三番瀬① 0.5~1.0 名称 水深 (m) 2 三番瀬②

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49 表3-3-4 単位面積あたりのバイオマス (上段:イシガレイ、下段:マコガレイ) (湿重量:g/100m2) 6月 7月 8月 2月 3月 0.00 0.00 0.00 0.94 0.92 0.00 0.00 0.00 0.01 0.01 0.00 0.00 0.00 0.02 -0.00 0.00 0.00 0.01 -0.00 0.00 0.00 0.02 -0.00 0.00 0.00 0.00 -15.80 0.00 0.00 0.15 0.36 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.04 -0.00 0.00 0.00 0.01 -0.00 0.00 0.00 0.04 -0.00 0.00 0.00 0.00 -0.00 0.00 0.00 0.95 0.06 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.02 -0.00 4.40 0.00 0.00 -0.00 0.00 0.00 0.01 -0.00 0.00 0.00 0.01 -- - - 0.66 8.47 - - - 0.00 0.00 - - - 0.02 -- - - 0.00 -- - - 0.00 -- - - 0.04 -- - - 0.71 0.90 - - - 0.01 0.02 - - - 0.00 0.26 - - - 0.00 0.00 14 海の公園 0.5~1.0 曳網面積100m2当たりのバイオマス 2011年 12 三枚洲③ 3.0~5.0 13 お台場  0.5~1.0 10 三枚洲① 0.5~1.0 11 三枚洲② 2.0~3.0 8 盤州② 2.0~3.0 9 盤州③ 3.0~5.0 6 稲毛浜③ 3.0~5.0 7 盤州① 0.5~1.0 4 稲毛浜① 0.5~1.0 5 稲毛浜② 2.0~3.0 2 2.0~3.0 3 三番瀬③ 3.0~5.0 2010年 1 三番瀬① 0.5~1.0 名称 水深 (m) 三番瀬②

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50 表3-3-5 各調査海域ごとのイシガレイの平均全長 2010年 三番瀬① 0.5~1.0 (n=0) (n=0) (n=0) 三番瀬② 2.0~3.0 (n=0) (n=0) (n=0) 三番瀬③ 3.0~5.0 (n=0) (n=0) (n=0) 稲毛浜① 0.5~1.0 77.7 (n=3) (n=0) (n=0) 稲毛浜② 2.0~3.0 (n=0) (n=0) (n=0) 稲毛浜③ 3.0~5.0 (n=0) (n=0) (n=0) 盤州① 0.5~1.0 (n=0) (n=0) (n=0) 盤州② 2.0~3.0 (n=0) (n=0) (n=0) 盤州③ 3.0~5.0 (n=0) (n=0) (n=0) 2011年 三番瀬① 0.5~1.0 15.2 (n=146) 20.0 (n=45) 三番瀬② 2.0~3.0 12.5 (n=4) 三番瀬③ 3.0~5.0 15.4 (n=1) 稲毛浜① 0.5~1.0 16.3 (n=16) 25.1 (n=12) 稲毛浜② 2.0~3.0 14.5 (n=4) 稲毛浜③ 3.0~5.0 13.4 (n=3) 盤州① 0.5~1.0 14.9 (n=129) 16.3 (n=5) 盤州② 2.0~3.0 14.5 (n=1) 盤州③ 3.0~5.0 11.3 (n=1) 三枚洲① 0.5~1.0 17.3 (n=61) 28.2 (n=141) 三枚洲② 2.0~3.0 12.3 (n=2) 三枚洲③ 3.0~5.0 (n=0) お台場 0.5~1.0 14.4 (n=108) 24.4 (n=26) 海の公園 0.5~1.0 (n=0) 22.0 (n=11) -3月 2月 -8月 7月 6月 名称 水深(m) 表3-3-6 各調査海域ごとのマコガレイの平均全長 2010年 三番瀬① 0.5~1.0 (n=0) (n=0) (n=0) 三番瀬② 2.0~3.0 (n=0) (n=0) (n=0) 三番瀬③ 3.0~5.0 (n=0) (n=0) (n=0) 稲毛浜① 0.5~1.0 (n=0) (n=0) (n=0) 稲毛浜② 2.0~3.0 (n=0) (n=0) (n=0) 稲毛浜③ 3.0~5.0 (n=0) (n=0) (n=0) 盤州① 0.5~1.0 (n=0) (n=0) (n=0) 盤州② 2.0~3.0 (n=0) 88.0 (n=1) (n=0) 盤州③ 3.0~5.0 (n=0) (n=0) (n=0) 2011年 三番瀬① 0.5~1.0 10.2 (n=2) 13.8 (n=3) 三番瀬② 2.0~3.0 12.7 (n=1) 三番瀬③ 3.0~5.0 (n=0) 稲毛浜① 0.5~1.0 (n=0) (n=0) 稲毛浜② 2.0~3.0 12.0 (n=1) 稲毛浜③ 3.0~5.0 (n=0) 盤州① 0.5~1.0 (n=0) (n=0) 盤州② 2.0~3.0 (n=0) 盤州③ 3.0~5.0 14.5 (n=1) 三枚洲① 0.5~1.0 (n=0) (n=0) 三枚洲② 2.0~3.0 12.2 (n=1) 三枚洲③ 3.0~5.0 20.8 (n=1) お台場 0.5~1.0 17.3 (n=1) 21.9 (n=1) 海の公園 0.5~1.0 (n=0) (n=0) -- -- -- -- -- -- -- -- -6月 7月 8月 - -名称 水深(m) 2月 3月

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51 表3-3-7 水質調査結果(底層水温) (℃) 6月 7月 8月 2月 3月 1 三番瀬① 0.5~1.0 25.0 24.3 29.7 10.4 11.4 2 三番瀬② 2.0~3.0 21.7 28.2 26.3 12.6 -3 三番瀬③ 3.0~5.0 23.8 28.8 25.4 11.6 -4 稲毛浜① 0.5~1.0 23.9 31.1 28.7 10.4 9.5 5 稲毛浜② 2.0~3.0 21.2 28.0 26.0 9.8 -6 稲毛浜③ 3.0~5.0 21.0 27.8 25.9 10.3 -7 盤州① 0.5~1.0 22.2 25.7 26.6 10.9 10.4 8 盤州② 2.0~3.0 20.9 27.5 26.4 11.4 -9 盤州③ 3.0~5.0 23.8 27.3 25.6 11.5 -10 三枚洲① 0.5~1.0 - - - 10.5 12.3 11 三枚洲② 2.0~3.0 - - - 10.3 -12 三枚洲③ 3.0~5.0 - - - 10.5 -13 お台場 0.5~1.0 - - - 9.7 10.9 14 海の公園 0.5~1.0 - - - 9.5 10.5 2010年 2011年 名称 水深(m) 表3-3-8 水質調査結果(底層 DO) (mg/l) 6月 7月 8月 2月 3月 1 三番瀬① 0.5~1.0 5.82 4.96 5.52 13.33 11.31 2 三番瀬② 2.0~3.0 5.66 5.57 5.25 8.37 -3 三番瀬③ 3.0~5.0 5.15 7.18 7.05 8.89 -4 稲毛浜① 0.5~1.0 8.19 7.90 6.88 10.03 6.93 5 稲毛浜② 2.0~3.0 3.14 4.96 8.85 8.92 -6 稲毛浜③ 3.0~5.0 4.07 4.48 8.99 8.33 -7 盤州① 0.5~1.0 5.72 7.50 6.60 8.28 7.91 8 盤州② 2.0~3.0 13.67 7.14 6.48 7.17 -9 盤州③ 3.0~5.0 13.11 7.32 7.17 7.35 -10 三枚洲① 0.5~1.0 - - - 8.35 6.99 11 三枚洲② 2.0~3.0 - - - 7.12 -12 三枚洲③ 3.0~5.0 - - - 7.25 -13 お台場 0.5~1.0 - - - 6.74 6.63 14 海の公園 0.5~1.0 - - - 8.0 6.77 2011年 2010年 名称 水深(m) 表3-3-9 水質調査結果(底層塩分濃度) (‰) 6月 7月 8月 2月 3月 1 三番瀬① 0.5~1.0 2.8 2.4 2.3 2.8 3.0 2 三番瀬② 2.0~3.0 3.0 2.4 2.6 3.0 -3 三番瀬③ 3.0~5.0 3.0 2.4 2.6 3.1 -4 稲毛浜① 0.5~1.0 2.7 2.3 2.3 3.1 3.0 5 稲毛浜② 2.0~3.0 2.9 2.4 2.5 3.2 -6 稲毛浜③ 3.0~5.0 2.9 2.5 2.7 3.2 -7 盤州① 0.5~1.0 3.1 3.0 3.3 3.0 3.0 8 盤州② 2.0~3.0 2.8 3.0 2.9 3.2 -9 盤州③ 3.0~5.0 2.8 2.9 3.0 3.2 -10 三枚洲① 0.5~1.0 - - - 3.0 2.8 11 三枚洲② 2.0~3.0 - - - 3.2 -12 三枚洲③ 3.0~5.0 - - - 3.2 -13 お台場 0.5~1.0 - - - 2.9 2.7 14 海の公園 0.5~1.0 - - - 3.2 3.1 名称 水深(m) 2010年 2011年

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図3-3-2 東京湾全域における底層 DO 観測結果(2010 年 6~8 月) (出典:貧酸素速報(千葉県水産総合研究センター))

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53 <2010 年調査> 2010 年 6~8 月の調査の結果、イシガレイは 6 月に稲毛浜で 3 個体確認された。確認され たイシガレイの全長は69~80mm であり、すべての個体が水深 0.5~1.0m 帯で採集された。 それ以外の調査地点では、いずれの水深帯においてもイシガレイは採集されなかった。 マコガレイは7 月に盤州で 1 個体確認された。それ以外の調査地点では 6~8 月の期間に いずれの水深においてもマコガレイは採集されなかった。 上記の結果から、6~8 月の期間はいずれの調査地点においてもイシガレイとマコガレイの 生息数は少なかった。この原因として、イシガレイは水深0.5~1.0mの干潟域から成長とと もに沖合に分布を広げたことが推測される。ただし、その場合は水深2.0~5.0mに生息して いる可能性が高いが、水質調査の結果、湾奥部の大部分は高水温や溶存酸素濃度の低下に より、カレイ類の生息が困難な状況が見られた。 写真3-3-12 稲毛浜で採集されたイシガレイ(6 月) 写真3-3-13 盤州で採集されたマコガレイ(7 月)

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54 <2011 年調査> 2011 年 2~3 月の調査の結果、イシガレイはすべての調査地点で確認された。2 月調査で は海の公園を除くすべての調査地点で着底直後のイシガレイが多数確認された。水深別で はすべての地点で0.5~1.0m が最も生息密度が高かった。 一方、マコガレは各調査地点とも採集尾数が0~2 個体であり、イシガレイに比べて生息 密度が全体的に低かった。また、全水深帯で採集されたものの水深0.5~5.0m の範囲では イシガレイのような水深ごとの生息密度の違いは見られなかった。 お台場では2 月に水深 0.5~1.0mでイシガレイの 1 歳魚が 1 個体採集された。1 歳魚の確 認は2010 年の 6 月調査以降、これが最初である。 湾口部の海の公園では、2 月にイシガレイならびにマコガレイの生息は確認されなかった が、3 月調査でイシガレイが 9 個体採集された。2 月調査では湾奥部~湾央部の調査地点で 多数のイシガレイが確認されたことから、湾奥部に比べて湾口部ではイシガレイの確認時 期に遅れが見られた。 調査地点別では、三枚洲と三番瀬は2 月、3 月とも多数のイシガレイが確認された。しか し、湾奥部の盤州では3 月の生息密度が 2 月に比べて大幅に減少した。

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55 写真3-3-14 三番瀬(水深 0.5~1m)で採集されたイシガレイ (曳網面積:500m2、左:2 月、右:3 月) 写真3-3-15 盤州(水深 0.5~1m)で採集されたイシガレイ (曳網面積:500m2、左:2 月、右:3 月) 写真3-3-16 お台場(水深 0.5~1m)で採集されたイシガレイ (曳網面積:500m2、左:2 月、右:3 月)

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56 写真3-3-17 三枚洲(水深 0.5~1m)で採集されたイシガレイ (曳網面積:500m2、左:2 月、右:3 月(写真 3 枚分) 1/3 2/3 3/3

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57 写真3-3-18 稲毛浜(水深 0.5~1m)で採集されたイシガレイ (曳網面積:500m2、左:2 月、右:3 月) 写真3-3-19 海の公園(水深 0.5~1m)で採集されたイシガレイ (曳網面積:500m2、右:3 月) 写真3-3-20 お台場(水深 0.5~1m)で採集された イシガレイ 1 歳魚(2 月 22 日)

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58 写真3-3-21 三番瀬(水深 0.5~1m)で採集されたマコガレイ (曳網面積:500m2、左:2 月、右:3 月) 写真3-3-22 お台場(水深 0.5~1m)で採集されたマコガレイ (曳網面積:500m2、左:2 月、右:3 月) 写真3-3-23 三番瀬で採集されたマコガレイ

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写真3-3-24 三枚洲で採集されたマコガレイ

写真3-3-25 盤州で採集されたマコガレイ

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60 <今後の調査予定> 来年度は、検討委員会(7 章)で指摘があった①イシガレイとマコガレイの塩分濃度との 関係解析、②貧酸素水塊発生時のイシガレイの生息状況の把握、ならびに③イシガレイと マコガレイの産卵場の確認を目的とした調査を実施する。 ①については、ソリネットによる稚魚の採集に加えて、全調査地の各水深帯に塩分・温度 連続測定器機(データロガー)を2 ヶ月間(4~5 月)設置し、塩分濃度(日周変動)を測 定する。これにより塩分濃度の日周変動と稚魚の個体数密度、成長速度との関係を明らか にする。 ②については、4~5 月の調査時に採集したイシガレイ稚魚(全長 4~6cm)にイラストマ ー標識を付けて再放流し、貧酸素水塊が発生する時期の生息場や移動状況を追跡する。 ③については、イシガレイはプランクトンネット、マコガレイはサンドスキャンソナーや スミス・マッキンタイヤ採泥器などを用いて、東京湾における両種の産卵場を確認する。

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