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縮約,網羅,減算:科学者の仕事とは何か

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Academic year: 2021

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(1)認知科学 第 28 巻 第 2 号 (2021) pp. 236–241 https://doi.org/10.11225/cs.2021.010 Cognitive Studies: Bulletin of the Japanese Cognitive Science Society, Vol. 28, No. 2, pp. 236–241. 誌上討論. インタラクションから現れる生命性. コメンタリー. 縮約,網羅,減算:科学者の仕事とは何か 岡ノ谷 一夫 ∗ 東京大学. Contraction, encompassing, and subtraction: Why are we scientists and what should we do? Kazuo Okanoya∗ The University of Tokyo. Recent advances in cognitive measurements and machine learning are influencing our way of doing science. Without forming hypothesis, just setting up comprehensive measurements and sending data to machine learning is becoming a new standard. Some even suggest interpretation of data should also be asked to an artificial intelligence. However, I am wondering whether this really is work for scientists. Our work should be to establish a system of explanation accessible for humans. In this light, I am discussing the relationship between compression, encompassing, and subtraction. Keywords: contraction(縮約),encompassing(網羅),subtraction(減算),creativity(創造性),data-driven(デー タ駆動),hypothesis formation(仮説形成) Received 26 January 2021. とにより,事物は比較され,序列化され,類似した. 1. はじめに. 事物が近傍に位置するようになる.その平面を解釈. 1988 年,私は博士論文を書いていた.鳥の鳴き 声を種特異的な聴覚特性で分析し,出てきたもの. するのが科学者としての私であり,私はその平面に 種特異性を見たのであった.. を 2 次元空間に置くと,自種の聴覚特性が自種の. このように,私にとって科学とは,次元縮約的で. 鳴き声の差異を拡張するが,他種の鳴き声の差異. あった.私のこの科学観は,池上論考 (池上, 2021). は拡張しないことを示すものであった (Okanoya &. を読んだ後でも揺らいだことはあれ,変更されるこ. Dooling, 1988, 1991).このため,私は Kohonen の. とはなかった.それは私が現象を縮約することに科. 自己組織化ネットワークのプログラムを実装してい. 学者としての喜びを感じるからであろう.そしてそ. た (Kohonen, 1988).その過程で, 「なんだかこんな. れにより,私が近代科学のパラダイムを捨てること. プログラム前も書いてたな」という思いにとらわ. ができないと批判されてもやむをえまい.また,私. れ,よく内省してみると,それは鳥の鳴き声のパラ. がここにまとめた考察は池上論考に刺激されて書い. メタを縮約するための主成分分析のプログラムで. たものだが,池上論考を完全に理解した上のもので. あった.この経験から私は,次元縮約と神経回路網. はない.もしかしたら曲解・誤解にもとづくものか. モデルとの共通点に気が付いた.Kohonen 自己組織. も知れない.しかしその曲解・誤解が新たな議論を. 化ネットに明示的に組み込まれているものは,側抑. 生むという点で生産的であれば,私はうれしく思う.. 制とヘッブ則のみである.側抑制が機能する範囲を 最初は広く,それからだんだんと狭く影響させるこ. 2. 池上論考の流れ 池上 (2021) は認知科学に生命性を復権させたい. ∗ E-mail: [email protected]. 236. という.そのため池上は,概ね以下の順序で議論を. c 2021 Japanese Cognitive Science Society ISSN: 1341-7924 ⃝.

(2) 岡ノ谷/認知科学 (2021) 28(2) 236–241. 237. 進めている. 縮約 → 網羅 → 縮約の否定 → 減算. 外界. → 減算のパラダイム化.. 知覚. まず,意識の科学が縮約によってある程度の成功を 収めた約 30 年前までの話題が提供される.ここで 論ぜられるのは,神経回路網の中間層(池上のいう. 知覚. 運動. Z 層)が入力データの縮約になっているという点で ある.Elman et al. (1996) の研究と Tani (1996) の研 究は,前者は文章の,後者は空間の分節化のモデル. 有機体. となっており,中間層には品詞カテゴリと場所カテ. 運動 知覚. ゴリがそれぞれ現出する.どちらも個体をまたいだ モデルではなく,一個体の学習のモデルである.こ れらのモデルの整合性は,一部神経科学のデータに より補強されてきた. この議論と並行して,池上は Braitenberg (1986) と Brooks (1991) を引用し,環境や構築に埋め込ま れた認知について語る.これは,論考の中間部で減. 図1. 減算.円は有機体,欠けている部分は感覚運 動系.外界の一部は有機体に取り込まれ(感 覚),操作を受け外界に戻される(運動).外 界は縮約されず,減算されて有機体に影響す る.以上は岡ノ谷の解釈.Meillassoux (2008) をもとに作成.. 算についての議論を展開するための布石なのであろ うと私には思われた.Braitenberg と Brooks におい. lassoux は,近現代哲学の基盤である相関主義を批. て表象は内部にある必要はない.その理由は,彼ら. 判し,思弁的唯物論を展開する.彼が批判する相. のロボットは個体レベルの適応ではなく世代レベル. 関主義は,認知科学においては縮約であろう.対し. での適応を目指しているからではないだろうか.世. て,彼が推進する思弁的唯物論は,網羅主義に通じ. 代レベルであれば,個体は環境をニッチとして改変. ている.しかしながら,生体が実際に行うのは網羅. し,また環境は個体と共進化(文化進化)すること. でも縮約でもなく選別であり減算である.有機体は. で,個体に取り込まれてゆく.この過程の一部は,. 外界の一部を取り込みその他は取り込まない.これ. 縮約ではなく減算であると考えるほうが,確かに当. は Meillassoux による縮約は図 1 のように表現でき. てはまりが良い.これには私も同意する.. る.池上は縮約による認知科学でなく,減算による. 次に話題は 2000 年以降に移る.計算速度と使用. 認知科学を提案し,それにより認知科学を生命科学. 可能メモリ空間が何桁も上がり,それまでとは比べ. 化することを目論んでいるのだと,ここに来て私は. 物にならない位の計算資源が使えるようになった.. 気づく.. そこで出てきたのが,網羅という方法である(池 上はこの用語を用いていない).深層神経回路網. 3. 減算すなわち遮断. (DeepNN)の規模が大きくなると,大量のデータ. Meillassoux の評論集へ序文を寄せた千葉 (2018,. を注ぎ込むことができるようになる.例えば,家中. p. 7) は, 「メイヤスーの哲学は,ポスト構造主義か. にセンサをつけ,自身の子供の言語発達過程を網羅. ら引き継がれたテーマ,キーワードを,人間的意味. 的に記録した Speechome 実験 (Roy, 2009) や GPT-3. を徹底的に無化する方向へとラディカライズして. 等の大規模データに基づく言語生成システムが開発. いる」と説明している.ここでいう「人間的意味」. されるようになった.GPT-3 は高い言語生成能力を. が縮約という操作に当たるのであろう.単なる意味. 持つが,これは 1750 憶のパラメタと 5 兆のコーパ. ではなく人間的意味ということで,千葉は,そし. スという圧倒的な物量のなせるわざである.これら. て Meillassoux は,縮約にあたり言語の介在を前提. のシステムの成功は,縮約によるものではなく,網. としていることが予想される.人間的意味とは,状. 羅によるものだと池上は考えているようだ.. 況・事物の言語を介在とした縮約であると理解でき. これと並行して紹介されるのが Meillassoux の思 想 (Meillassoux, 2008 岡嶋訳 2018) である.Meil-. る.そもそもこの文章自体が縮約であるところに, 縮約の人間性がみえる..

(3) 岡ノ谷/認知科学 (2021) 28(2) 236–241. 238. 図2. 大衆は単純だが間違った答えを求め,崖から落ちてゆく.ごく一部のみが,複雑だが正しい道を選び頂上 を極める([email protected] より.使用許諾 #AML-25999).以下は岡ノ谷の解釈.大衆は縮約を 求め,選良は網羅を求める.しかし網羅の道はあまりに長い.この道を選んだ個人は,頂上を極めたこと にそもそも気が付くのだろうか.網羅の道の途中に「この道は正しい」という看板があれば,それが減算 ということであろうか.. いっぽう減算(図 1)は,外界の一部を切り取る. 最近いろいろなセミナーで目にする図 2 の漫画で. ことであり,Uexk¨ull の環世界 (Uexk¨ull & Kriszat,. は,単純だが間違った説明のほうに群れを成して歩. 1934 日高・羽田訳 2005) の考えに近い.例えばダ. いていく人々が崖から落ちていく.いっぽう,複雑. ニにとっての環世界は赤外線が主要な手がかりであ. だがより正しい説明を選ぼうとする少数の人々は,. り,他の信号は減算される.私たちの聴覚世界では. 長い道を経て頂上に至ることができる.. 100 Hz 以下の空気振動と 20 kHz 以上の空気振動. 現象を網羅するためには漏れのない測定が必要. は減算・遮断される.これは,環世界への適応の証. である.とはいえ,意識的であるかどうかはさてお. である.系統発生的に考えると,生殖隔離や地理的. き,測定には必ず仮説が伴う.ほんの 20 年前まで. 隔離などの遮断によって種分化が進む (Sobel et al.,. は,惑星をともなう恒星系は存在しないとされて. 2010).このように,遮断すなわち減算は,進化の. きた.それは,そのような恒星系の惑星についての. 原動力にもなりうる点で,生命科学的である.減算. 観察バイアスがあったからである (井田, 2017).惑. は当初ランダムに起こるが,それが適応度に反映さ. 星は恒星からある程度距離があり,公転周期が長め. れることで系統発生を可能にする.これは,Breit-. で,小さめの星であることが,長い間前提とされて. enberg や Brooks のロボットが適応するためにアー. いた.しかし,最初に見つかった太陽系以外の惑星. キテクチャの更新を必要とする,すなわち世代交代. は,恒星のすぐ近くで,非常に短い公転周期を持ち,. を必要とすることに対応している.このように,減. 非常に巨大なものであったのだ.このことで,多く. 算は,世代交代により適応的な形質として組み込ま. の系外惑星が観察にかからなかったのである.. れていく.. 4. 縮約と網羅 縮約は個体発生的であり,学習過程の説明により. 過去の認知脳科学的研究では,少数のよく統制さ れた課題と,脳の特定部位との対応をつけることが 研究パラダイムであった.そして実験課題と統制課 題それぞれで得られた脳活動の差分をとることで,. 適している.池上は,縮約は必然的にそれを観察す. 当該の脳機構と関連する部位が同定された (Posner. る自己の関与があることを前提としており,その意. et al., 1988).この方法は,統制された計測と賢い推. 味で,メタ認知的であり生命科学的ではないとする. 測に基づく方法であり,過去に系外惑星を探索する. 立場である.しかし,計算資源の増大により,過剰. ために用いられた方法と同じである.このような方. なデータの取得が可能になると,縮約を前提とした. 法では,もっともらしい仮説は検証できても,前提. 理論構成は不要になるというのが池上の考えであ. とならないような現象は検出できないであろう.. る.縮約の問題は,現象について単純で優美な説明. ところが近年の認知脳科学では,網羅主義的な方. をすることが可能ではあるが,それが現象のすべて. 法が実施されはじめている (Hasson et al., 2020).例. を扱えるとは限らないことだ.. として,Nakai と Nishimoto は,103 もの認知課題.

(4) 岡ノ谷/認知科学 (2021) 28(2) 236–241. 239. を遂行中の被験者の大脳皮質活動を 2 × 2 mm の精. 論考の終盤に差し掛かり,再び批判に転じている.. 度で,各被験者について 40,000–60,000 地点で計測. これは,せっかく現象を網羅したように見える超巨. した (Nakai & Nishimoto, 2020).大量の認知課題に. 大データベースでも,いったん人間が利用しようと. より計測する対象を限定することを防ぎ,大量の計. すると,縮約という過程を避けて通れないからであ. 測地点により脳機能についての仮説が紛れ込むこと. ろう.縮約が作る物語は,典型的であり普遍性があ. を防ごうとしたのである.この方法より彼らは認知. るが,減算が作る物語は個別性があり生命的なのだ.. 課題が大脳皮質活動によって階層的に処理されてい ることを発見した.さらに,実験には使用しなかっ た認知課題についても,得られた階層処理モデルに よりその脳活動を十分予測することができた.. 6. Alter3 が発見する創造性 池上らの Alter3 は眼前のヒトの動きを模倣しよ うとし,それがうまく行かない場合には記憶から. もちろん,103 の認知課題とはいえ,日常で我々. 模倣できるパターンを探す.眼前に誰もいないとき. が遭遇する認知課題のごくごく一部にすぎない.ま. には,想起したパターンにノイズを加えて新たなパ. た,数万の脳地点とはいえ,兆単位の神経細胞の数. ターンを生成する.Alter3 の創造性は,模倣という. には程遠いし,脳の深部構造や脳幹の活動は考慮さ. 受動性と記憶の更新という能動性とがバランスを. れていない.こうしたことから,この研究も完全に. とったり,バランスを取り損ねたりすることから出. 仮説から自由なものにはなりえない.しかし,仮説. てくるのであろうと考えられる.. をもたない網羅的な計測は原理的には可能であるこ. これは,私が池上の論考を曲解・誤解し,それに. と,そこから得られる大規模モデルから,計測して. 対して池上が怒りを持った反論を書くことによって. いない事象を演繹することが可能であることを,こ. 生じる創造性に似ているかも知れない.このような. の研究は示している.. 相互作用は,敵対的ネットワークや GPT-3 の超大. 5. 網羅から減算へ このように,最先端の認知科学の動向は,縮約よ り網羅に向かっていると考えて間違いないだろう. (Hasson et al., 2020).しかし,網羅されたデータを. 規模データを補完するような縮約にもとづく愚劣な 生成ではなく,青い海の表象のような生の体験によ る能動的な生成であることを祈る.. 7. おわりに:科学者の仕事. 人工知能が人間に説明するとき,または網羅された. 我々は人間で,認知科学を行っている.人間の知. データベースをもとに人間が推論をするとき,再び. 識や意識がどのように形成されるのか,知りたい. ここに縮約が発生する.Meillassoux の言う,反動. と思っている.そのために,縮約は自然な方法であ. 的で愚劣な生成とは,たとえ網羅的なデータベース. る.そもそも我々の脳が縮約をするための器官なの. を作っても,それを縮約でしか理解できない人間の. であるから,縮約された表現は馴染みが良い.しか. 言語的認知の限界を批判しているのではないか.で. し池上は,縮約を批判する.網羅と減算にしか,生. は網羅されたデータベースを,縮約を経ずに利用す. 命の躍動はないと主張する.減算 vs. 縮約という構. るにはどうするか.Meillassoux の言う能動的な生. 図を,何とか解消できないものか.. 成とは,減算による利用であろう. 自然の豊饒さはそのままに,それにいかに光を当. 網羅主義において,科学者の仕事は究極的には測 定を準備するのみである.もちろん測定には仮説,. てその反射を観測するか,それが発する音にいかに. すなわち事前的縮約が入り込む危険が多い.科学者. 共振するかは,多様性の生成と環境による選択によ. の努力は偏向を受けない測定システムを考案するこ. る適応進化の過程である.このように,減算とは運. とである.そのもとで実験がなされ,得られたデー. 命を受け入れることでもある.運命を受け入れた上. タは縮約を受けない形で提出される.そのように. での生命の在り方は縮約とは異なり,個体性をもっ. して提示されるデータは膨大であり,そこから何ら. た物語を生成する.これは愚劣で反動的な生成では. かの有効な知見,すなわち予言を導きだすことは人. なく,能動的な生成である.. 間にはできない.そこで今後,データは人工知能に. ここに来て問題は明白になる.池上は論考の途中 であたかも GPT-3 を称賛しているように見えるが,. よってなんらかの縮約処理を受け,人間に提示され ることになる..

(5) 240. 岡ノ谷/認知科学 (2021) 28(2) 236–241. 縮約と網羅の違いは大きい.人工知能は網羅にも とづき予想を立てるが,人間に提示される縮約は,. 輔氏,外谷弦太氏,森田純哉氏のコメントを参考に した.記して感謝する.. 網羅の中に見られるであろう特異点を見逃す.人間 にとっての想定外は人工知能にとっては常に想定内 である.人間にとって想定外の事象は,それが生起 してから人工知能によって人間に伝えられることに なろう.それを見逃したことが,非常にまれである が,惨事をもたらす.例えば津波による原発事故や, 初期情報を隠蔽したことによる世界的疫病流行のよ うに.しかしそのような特異点は実際のシステムに おいては,経済性のもとに看過せざるを得ない.特 異点が現出した時のみ対応が作られるが,次に出て くる特異点は,不幸なことにその対応の想定外であ ろう. では網羅されたデータは,縮約を受けず減算に よって人間に提示されるべきであろうか.減算の問 題は,減算の基準をどのように設定するかにある. 減算が系統発生的に働くのであれば,この問題は環 境と主体の相互作用と,それによる進化の問題とな る.しかし,認知科学は進化の時間軸よりずっと短 く,人間の意思決定を規範時間として構成されねば ならない. そうであれば,認知科学は縮約と減算の並行処理 にならざるを得ない.すなわち,網羅されたデータ を縮約したもの(愚劣な生成)が人間に提示され, 網羅されたデータそれ自体は保持される.そして 個々の意思決定を説明するような減算が試行錯誤さ れ,最適な減算(能動的な生成)も人間に提示され る.網羅からどのような減算が妥当なのかを判断す るためにも,縮約は必要な過程であろう.このよう に,網羅から縮約に至る道は,認知科学の主流であ り続けるであろう. 以上,私は縮約と減算の二律背反を手打ちした. これ自体は,結局は愚劣な生成に引き寄せられた結 論である.池上論考を読んで考えることは,池上自 身が,縮約と減算の二律背反で起こしている苦悩に ついてである.池上論考のわかりにくさは,池上が 新たな科学のパラダイムを提唱している産みの苦し みによるのである.だから池上は私の手打ちを潔し としないだろう.. 謝 辞 本 論 考 は 科 研 費 新 学 術 領 域『 共 創 言 語 進 化 』 (#4903)の支援を受けた.まとめにあたり,橘亮. 文 献 Braitenberg, V. (1986). Vehicles: Experiments in synthetic psychology. MIT press. Brooks, R. A. (1991). Intelligence without representation. Artificial Intelligence, 47 (1–3), 139–159. https://doi.org/ 10.1016/0004-3702(91)90053-M 千葉 雅也 (2018). 序文 メイヤスーの方法:存在と倫理と文 学をまたいで メイヤスー, Q. 岡嶋 隆佑・熊谷 謙 介・黒木 萬代・神保 夏子 (訳) 亡霊のジレンマ:思弁 的唯物論の展開 (pp. 7–13) 青土社 Elman, J. L., Bates, E. A., & Johnson, M. H. (1996). Rethinking innateness: A connectionist perspective on development (Vol. 10). MIT press. Hasson, U., Nastase, S. A., & Goldstein, A. (2020). Direct fit to nature: An evolutionary perspective on biological and artificial neural networks. Neuron, 105 (3), 416–434. https://doi.org/10.1016/j.neuron.2019.12.002 井田 茂 (2017). 系外惑星と太陽系 岩波書店 池上 高志 (2021). 生命としての認知科学:減算と縮約を めぐって 認知科学, 28 (2), 198–210. https://doi.org/ 10.11225/cs.2021.007 Kohonen, T. (1988). Self-organization and associative memory. Springer. Meillassoux, Q. (2008). Soustraction et contraction: A propos d’une remarque de Deleuze sur Matiere et memorie. Philosophie, 96, 67–93. https://doi.org/10.3917/phil o.096.0067 (メイヤスー, Q. 岡嶋 隆佑 (訳) 減算と縮 約:ドゥルーズ, 内在,『物質と記憶』 メイヤスー, Q. 岡嶋 隆佑・熊谷 謙介・黒木 萬代・神保 夏子 (訳) (2018). 亡霊のジレンマ:思弁的唯物論の展開 (pp. 211–264) 青土社) Nakai, T., & Nishimoto, S. (2020). Quantitative models reveal the organization of diverse cognitive functions in the brain. Nature communications, 11 (1), 1–12. https: //doi.org/10.1038/s41467-020-14913-w Okanoya, K., & Dooling, R. J. (1988). Obtaining acoustic similarity measures from animals: A method for species comparisons. The Journal of the Acoustical Society of America, 83 (4), 1690–1693. https://doi.org/10.1121/1. 395927 Okanoya, K., & Dooling, R. J. (1991). Perception of distance calls by budgerigars (Melopsittacus undulatus) and zebra finches (Poephila guttata): Assessing speciesspecific advantages. Journal of Comparative Psychology, 105 (1), 60–72. https://doi.org/10.1037/0735-7036. 105.1.60 Posner, M. I., Petersen, S. E., Fox, P. T., & Raichle, M. E. (1988). Localization of cognitive operations in the human brain. Science, 240 (4859), 1627–1631. https://doi. org/10.1126/science.3289116 Roy, D. (2009). New horizons in the study of child language acquisition. Proceedings of the 10th Annual Conference of the International Speech Communication Association. Sobel, J. M., Chen, G. F., Watt, L. R., & Schemske, D. W. (2010). The biology of speciation. Evolution: Interna-.

(6) 岡ノ谷/認知科学 (2021) 28(2) 236–241 tional Journal of Organic Evolution, 64 (2), 295–315. https://doi.org/10.1111/j.1558-5646.2009.00877.x Tani, J. (1996). Model-based learning for mobile robot navigation from the dynamical systems perspective. IEEE Transactions on Systems, Man, and Cybernetics, Part B (Cybernetics), 26 (3), 421–436. https://doi.org/10.1109/ 3477.499793 Uexk¨ull, J. V., & Kriszat, G. (1934). Streifz¨uge durch die Umwelten von Tieren und Menschen: ein Bilderbuch unsichtbarer Welten. Springer. (ユクスキュル, J. V.・クリ サート, G. 日高 敏隆・羽田 節子 (訳) (2005). 生物か ら見た世界 岩波書店). 241 岡ノ谷 一夫. ヒトの意識と行動の特異性を進 化的連続性として位置付けるため の研究を進めている.特に言語と 音楽について,それらの萌芽的機 能を非ヒト動物に見出し,それら の神経機構と進化過程を探るとい う方法をとる.具体的には小鳥のさえずり,齧歯類 の情動音声コミュニケーション,ヒトの音楽生成と 知覚,ヒトと動物のメタ認知などを研究対象として いる.趣味は 19 世紀以前の撥弦楽器の演奏だが, 右手が局所性ジストニアなので,これをどう克服す るかが目下の課題..

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図 2 大衆は単純だが間違った答えを求め,崖から落ちてゆく.ごく一部のみが,複雑だが正しい道を選び頂上 を極める(WileyInk@EarthLink.Net より.使用許諾 #AML-25999).以下は岡ノ谷の解釈.大衆は縮約を 求め,選良は網羅を求める.しかし網羅の道はあまりに長い.この道を選んだ個人は,頂上を極めたこと にそもそも気が付くのだろうか.網羅の道の途中に「この道は正しい」という看板があれば,それが減算 ということであろうか. いっぽう減算(図 1 )は,外界の一部を切り取る ことであり,

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