「日本在宅血液透析学会誌」創刊のごあいさつ
一般社団法人日本在宅血液透析学会
理事長
政金 生人
このたび一般社団法人日本在宅血液透析学会(Japa-nese Society for Home Hemodialysis:JSHHD)は, 我が国における在宅血液透析(Home hemodialysis: HHD)の普及・啓発における本学会の役割を明確にす るための一つの方策として学会誌を発行することにな りました.本学会誌には,年次集会で会員の皆様が発 表された研究成果が論文化されて収載される他,原著 論文,総説,研究会の各種委員会報告などを掲載して いく予定でおります.本学会誌を通じて,HHD につい ての情報発信を高めて行きたいと考えております. HHD は,ライフスタイルに合わせた十分な透析量を 確保出来るため,理想的な治療モダリティとして広く 認識されています.また,施設血液透析と比較してコ ストが安いため,急増する透析患者に対する医療費削 減効果を期待して世界中で推進されています.しかし ながら,我が国の HHD 患者数は 2018 年末の日本透析 医学会統計調査ではわずか 720 人で,全透析患者の 0.2% に過ぎません.なぜ我が国では,諸外国に比較し て HHD が普及していないのでしょうか.それには正 確な情報の発信不足による患者の不安や医療者のオプ ション不足,ビジネスモデルが未確立,医療費削減効 果が諸外国よりインパクトが小さいなど様々な原因が 考えられます.今まさに,JSHHD には我が国における HHD 普及の課題の明確化,道標を定めた具体的なアク ションプランの提示が求められています. 日本在宅血液透析学会の前身の在宅血液透析研究会 は,HHD が保険適応となる直前の 1997 年に発足し, 1998 年から年次集会を開催してきました.研究会への 参加者は年々増加し,わが国における HHD の普及啓 発にある一定の役割を果たしてきました.研究会は 2017 年の 5 カ年計画で HHD 患者数 1000 人という目的 を掲げましたが,現時点ではまだ遠い目標のままです. 在宅血液透析研究会はわが国の HHD 普及啓発におけ るミッションを明確にして,結果を出すための具体的 な活動を行うことが出来るように,2020 年一般社団法 人日本在宅血液透析学会とリニューアルし,そしてそ の一環として学会誌の創刊を決めたのです. 「日本在宅血液透析学会誌」は今まさに生まれたばか りです.本学会誌を我が国における HHD 普及啓発の プラットホームとして成長させて行きたいと考えてお ります.皆様の研究発表のご投稿をお待ちしておりま す. 1 在宅血液透析 vol. 1 no. 1