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看護学生の職業的アイデンティティ形成に及ぼす看護学臨地実習の効果

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Academic year: 2021

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(1)看護学生の職業的アイデンティティ形成に及ぼす看護学臨地実習の効果               学校教育研究科専攻                学校心理学コース.                   M09042H                   上野理恵 【問題および目的】職業的アイデンティティとは,. 256名が本研究に協力者として参加した.. 職業集団のもつ規範や価値体系との相互作用の中で. 調査時期:各学年ともに実習終了後で実習評価確定. 自覚される主観的な感覚である(Ericks㎝,1973).. 前の平成21年8月上旬に実施された.. 職業的なアイデンティティを獲得していく過程には,. 調査内容11.臨地実習体験のイメージ測定一25項目. 様々な体験が深く関わっており,看護学教育におけ. の形容詞からなるS D法に基づく質問紙(以下,. る臨地実習は,講義や演習で学んだ知識や技術を看. 25DQ:澁谷ら,2005)が用いられ6件法によって. 護対象の状況に合わせて統合させ,実践に必要な知. 回答が求められた.2.職業的アイデンティティの測. 識や技術,態度を修得していく過程であり(阿. 定一医療系学生用に作成された20項目からなる尺度. 部,1995),看護師をめざす学生の人格形成にとって,. (藤井ら,2002)で,主語を看護学科用の表現にし. 看護の専門職にまつわるさまざまな体験が可能な機. たものを使用し回答は4段階によって求められた.3.. 会といえば,臨地実習がその代表的な活動にあたる.. 職業モデノレー『自分の目標となるような看護者はいま. 臨地実習での体験は個々の看護学生の内面的成長の. すか9』という1項目の質問文を設け『いる』『い. 促進が期待されるし,彼らの職業アイデンティティ. ない』のいずれかを選択し回答するよう求められた.. の形成にも影響を及ぼすと考える.このような青年. 要因計回:データは、いずれも3(学年)×2(モデル. 期における職業的アイデンティティ形成を考えた時,. の有無)の要因計画に基づいて分析がなされた.. 看護専門職の養成課程において,臨地実習での体験. 手続き:平成21年8月,授業の終了後,研究者の教. がどのような影響を及ぼしているのかを明らかにす. 示の下に集団場面で実施された.. ることは,看護師養成機関の基礎教育における効果. 【結果1考察】. 的な実習指導への基礎的資料となりうるという点で. 分析対象:本研究の手続きによって収集されたデー. 意義深い.本研究は,医療系専攻学生用に開発され. タのうち,回答が完全であったものについて,分析. た職業的アイデンティティの測定尺度と,臨地実習. の対象者とされた(表1参照).. の体験をどのように感じているかといったイメージ. 表1.分析対象者内訳. を客観的に把握する,S D法に基づく質問紙を用い. 大学部1年生{82名〕. 59名(刀.蝋). 42名(51.2%). て,看護学生を対象に自記式質間紙調査を行い,得. 大掌部2年生(84名). 54名(62.3時). 51名(60.7帖〕. られたデータを推計的に分析して,各学年における. 短期大学部3年生(89名). 84名(94.4監〕. 80名(89.O瑚. 19フ名(76.1職. 1フ2名(66.側. 臨地実習での体験と職業的アイデンティティ形成の. 合掌年合計259名. 回答者数個蚊寧職. 有効回答者教(有効回答榊〕. 関連を明らかにすることを主たる目的とし,職業ア イデンティティを形成するにあたっては,身近に職 業モデルとなる存在の有無により,どのように異な るかといった点も併せて検討された. 【方法】. 調査協力者1兵庫県下の看護系大学生1年生(83名). 質問紙の因子分析結果 1.臨地実習体験イメージの因子分析結果:第1因子 [尊重すべき実践イメージ],第2因子[親近性イメージ],. 第3因子[複雑さイメージ]の3つの因子が抽出された.. 2.職業的アイデンティティ測定尺度の因子分析結. と2年生(84名),同短期大学部3年生(89名)の. 一74一.

(2) 果:第1因子〔現実的な有用性],第2因子の〔誇りコ,. 次に上昇するV字型の変化を示した.3.[社会的貢. 第3因子[有能感コ,第4因子[社会的貢献コの4つの. 献コでは,職業モデル魚群では学年間に有意差が認. 因子が抽出された.. められなかったが職業モデル有群では1年次一2年次. 各学年における臨地実習体験のイメージと職業そ…ア. で当該得点が顕著に低落するが,2年次一3年次で著. ルの有無による影響:1.[尊重すべき実践イメージコ. しく上昇するV字型の変化を生じていた.. は,1−2年次生間では,職業モデル魚群の当該得.  1年次で得点が高いのは,職業アイデンティティ. 点が職業モデル有群を著しく上まわった.職業モデ. が確立しているからではなく,看護職の勉強に対す. ル魚群では当該得点が学年を追って低落していたが,. る希望や期待の現れであり,それが2年目になって. 職業モデル有群は1−2年次生間では差はないが,3. 低下してくるのは,専門分野を学んでいくにつれ現. 年次では得点が上昇し,職業モデル魚群と同水準に. 実的となり,本当に自分に合っているのか,将来続. 上昇していた.次に,2.[親近性イメージ]では,職業. けていけるのかなどという不安を感じることも多く. モデル魚群の方がモ職業デル有群よりも顕著に親近. なり,看護職としてのアイデンティティが揺るがさ. 的であること,1年次・2年次にかけて,当該得点が. れた結果であると考えられる.. 有意に上昇していた.3.こ複雑さイメージコでは,いず.  職業アイデンティティの全体尺度得点の分散分析. れの主効果も交互作用も有意ではなかった.. 結果では,職業モデル魚群では、1年次一2年次に職.  1年次の肯定的なイメージは臨地実習後に低下す. 業アイデンティティ全体得点が著しく低落し,2年. る傾向にあるが,これはリアリティ・ショックと考. 次一3年次にかけても回復しないが,職業モデル有群. えられ,職業モデルの存在を持つとか持たないにか. では1−2年次聞で得点は顕著に低下し,2−3年次. かわらず,影響が強いことも本研究の結果は示して. で著しく回復していた.これは職業モデルの存在が. いる.現実に直面することで低落する実習体験イメ. 看護学生にとってアンカーパーソンとして機能し,. ージ得点も,3年次になると職業モデルとなる存在. 社会的学習を促進する意味ある他者として機能した. を有するか否かで,異なった様相が出現する.職業. 可能性を示唆している.看護学生にとって魅力的な. モデルとなる存在を有する群は,臨地実習をさらに. モデルとなる存在が,学生の職業的アイデンティテ. 経験することによって,当該のイメージが回復する。. ィに影響を与えているといえる.臨地実習における. これは,新しい環境に入って一時的に歪んだ職業像. 実習指導着の役割は大きく,学生の職業意識の変化. が,さらに臨地実習を積み重ねることによって回復. や価値観の多様化に対応するために,指導者自信が. することを示唆している.学生は臨地実習において,. 魅力あるモデルとして存在感を示せることが求めら. 自分の人間としての成熟や学習の必要性,看護とい. れる.. う仕事のおもしろさなど,様々な葛藤を体験してお. 1引用文献】E.Hエリクソン19冊岩瀬廉理課アイデンティティー青年と危機・金沢文庫⑰、H.E刷㎜呵. り,その中で,患者だけではなく,職業モデルとな.  1㏄守I化皿的唖㎜曲㎜出脱出WWN耐㎜ムOo.,I皿。〕・阿部裕子0995〕.臨床実習が看証学生. るような臨床看護師や指導教員から受ける影響は大.  の自虐感情と同一性形成に及圧す見書,神奈川県立衛生短期大学紀要,Ψ皿1.蝸,8・13.. きいと考える.. ・澁谷幸・中田康夫・田村由美・中山出喪・石川雄一一・津田紀子砲005〕.慎摂患者を導入したコミュ. 各字隼における職業的アイデンティティの変化と職 業モデルの有無による影響:1.[現実的な有用性]は.  ニケーシ目ン演習の意義一学生の受け止め方に対する分析を通して一着読教育,46ω,師4・馴9.. ・農奔恭子・野点村典子・鈴木纐恵・檸固崖二・石川清美・長谷触太節・山元由葵子・大橋ゆか。・岩. 職業モデルの有無に関係なく,1年次一2年次では当.  井浩一・N.1〕.パリー・才津芳昭・海山宏之・紙魔克子・落合幸子{2002〕、医療系学生における職業. 該の得点が低落し,2年次一3年次は職業モデル魚群.  的アイデンティティの分析茨城県並医療大学紀要,7,131・1躯.. の得点は低落したまま変化なく,職業モデル有難の.        主任指導教員(指導教員)浅川潔司. 当該得点は有意に上昇していた.2.[誇りコにおけ. る当該得点は,1年次一2年次に低落し,2年次一3年. 一75一.

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