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フィールドワークを通して公共性の構築を目指す高等学校地理Aの授業開発 : 中山間地域における地域活性化を題材として

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Academic year: 2021

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(1)フイ‘ルドワークを通して公共性の構築を目指す高等学校地理Aの授業開発         一中山間地域における地域活性化を題材として一 教育内容・方法開発専攻. 認識形成系教育コース (社会系教育分野). M11133K. 坂  元     亮 I 問題の所在. 理的な諸課題の解決を目的とした探究する活動.  社会科では,社会認識の形成を通して市民的資. (フィールドワーク)や生徒及び地域住民との議. 質を育成することが目標として捉えられており,. 論を通して構築する認識・態度の共有化」と捉え. 高等学校の地理歴史科地理においても同様のこ. る。その上で,フィールドワークを通して発見し. とが言える。平成25年度より実施の高等学校学. た地域の課題を検証する過程で,他者と語らい,. 習指導要領地理歴史科地理Aには,生活圏の地理. 議論し,決定し,学習成果を地域に還元すること. 的な諸課題をとらえるために地域調査を活用し,. によって,公共性を構築するための授業モデルの. 「学習成果を地域に還元するなどの社会参画を. 開発を行う。. 目指すことを視野に入れた」主体的な学習活動が 示されている。. 血 論文構成.  生徒が探究する活動を通して学習成果を地域. 序 論. に還元するためには,フィールドワーク(地域調. 策I章 高等学校の地理教育における公共性の. 査)を行うことにより,生徒が生活圏にみられる.     性格. 課題を発見して仮説を設定し,仮説を検証してい. 第皿章 フィールドワークを用いて公共性を構. く過程が必要であると考える。しかし,高等学校.     築するための方法. の地理の授業においてフィールドワークに熱心. 第皿章 フィールドワークを用いた高等学校地. に取り組んでいる実践例は極めて少ないと言え.     理及ぴ中学校社会科地理的分野の先行. る。.     授業実践の分析.  学習指導要領解説地理Aでは,「地域調査の際. 第1V章 高等学校地理Aにおける「中山間地域に. に生徒自らが地理的事象を見いだし,課題を設定.     おける地域活性化」を題材とした授業モ. し,調査方法などを工夫して調査を行う」ことを.     デルの設計. 想定しており,高等学校の地理の授業においてフ. 結 論. ィールドワーク(地域調査)を積極的に取り入れ ることは,生徒の主体的な学習活動を促すと同時. 皿 研究の概要. に,市民的資質の育成につながるものと考える。. 1 高等学校の地理教育における公共性の性格.  学習成果を生活圏に還元するためには,フィー.  平成25年度より実施の高等学校学習指導要領. ルドワークを通して他者と意見を共有しながら. において,生活圏の地理的な諸課題をとらえるた. 公共性を構築していくプロセスが求められる。そ. めの地域調査を通して,学習成果を地域に還元す. こで,高等学校地理Aの授業において,フィール. るなどの社会参画を目指す主体的な学習活動が. ドワークを通して構築するための公共性を「社会. 重視されていることに注目した。その背景として,. の形成者として公共をになうために,生活圏の地. 社会の空洞化や他者化の進行により社会の同質.

(2) 性が崩壊したため,社会の変化に対応するための. 4 高等学校地理Aにおける「中山間地域におけ. 公共性の構築を基軸とした社会科教育への転換.  る地域活性化」を題材とした授業モデルの設計. が求められていることを明らかにした。.  授業モデルの設計を通して,フィールドワーク を複数の段階に分けて行うことにより,他者の意. 2 フィールドワークを用いて公共性を構築す. 見を受け入れることから社会の異質性・他者性を.  るための方法. 認識し,他者と意見を認め合うことから多元性・.  生活圏におけるフィールドワークを「異質性・. 多様性へと転換させ,さらに三他者との意見交換. 他者性が多元性・多様性へと転換し,公共性を構. の場を拡大し,住民の意見を反映させることによ. 築するために,複数の視点や立場から自分たちの. って,公共性の構築が可能となることを明らかに. 生活圏を多面的・多角的に捉えるために行われる. した。. 主体的な学習活動(例:聞き取り調査,アンケー ト調査など)」と捉えた。次に,フィーノレドワー. w 研究の成果と課題. クを通して構築するための公共性を「社会の形成.  本研究の成果は,次の3点である。. 者として公共をになうために,生活圏の地理的な. (1)高等学校地理Aの授業において,生徒が生. 諸課題の解決を目的とした探究する活動(フィー. 活圏の地理的な諸課題を発見し,課題を設定し,. ルドワーク)や生徒及び地域住民との議論を通し. その解決に向けた取組などについて探究するた. て構築する認識・態度の共有化」と定義し,複数. めには,生活圏の地理的な諸課題を社会問題とし. の段階に分けたフィールドワークを行うことに. て捉えるための公共性が必要となることが明ら. より,公共性の構築が可能となり,市民的資質の. かとなった。. 育成につながることを明らかにした。. (2)複数の段階に分けたフィールドワークを行 うことにより,課題の発見や仮説の設定を通して. 3 フィールドワークを用いた高等学校地理及. 異質性・他者性を認識し,仮説の検証を通して多.  び中学校社会科地理的分野の先行授業実践の. 元性,多様性へと転換し,学習成果を地域に還元.  分析. することによって公共性を構築することが可能.  フィールドワークを用いた高等学校地理及び. となることが明らかとなった。. 中学校社会科地理的分野の先行授業実践を分析. (3) フィールドワークを用いた高等学校地理及. するための分析フレームワークを作成し,分析を. び中学校社会科地理的分野の先行授業実践の分. 行った。分析の視点として,以下の3点を抽出し. 析から,公共性を構築するための視点と方法を明. た。. らかにし,高等学校地理Aにおける「中山間地域.  ①フィールドワークを通して発見した課題. における地域活性化」を題材とした授業モデルを.   の内容,設定した仮説の内容が明示されてい. 設計することができた。.   ること。.  今後の課題は,以下の2点である。.  ②複数の段階に分けたフィールドワークが. (1)設計した授業モデルに基づき,授業実践を行.   設定され,その形態・手法が明示されている. いその有効性を明らかにする。.   こと。. 〈2)高等学校地理Bの授業において,フィール.  ③ 異質性・他者性の認識が多元性・多様性へ. ドワークを通して公共性の構築を目指す授業モ.   と転換し,公共性の構築に至るプロセスが明. デルを設計する。.   示されていること。.         主任指導教員 原田 智仁.         指導教員吉水裕也.

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