会計上のカレント・バリューの測定をめぐる諸問題
全文
(2) 第56巻. 第2号. 1は. じ. め. に. 周 知 の よ うに,金 融 商 品 に 関す る会 計 処 理 を は じめ と して,固 定 資 産 の減 損 処 理 に 関す る会 計 基 準 等 に よ り,取 得 原 価(歴 史 的原 価)を. べ 一 ス とす る会 計 の枠 組 み の な か に 時価. 概 念 の導 入 が み られ る。 した が って,現 在 の会 計 モ デ ル は 「原 価 と時価 の混 在 ス タ イ ル と して の会 計 ω」 と して捉 え られ る こ とが で き る。 会 計 上 の カ レン ト ・バ リュ ーの 測 定 は 時価 概 念 の 適 用 に よ って行 われ る。 時価 概 念 に は, 取 替 原 価,正. 味実 現 可 能 価 値,割. 引現 在 価 値 な どが あ げ られ る が,会 計 上 の 関心 の置 き ど. ころ に よ って,適 用 され る時価 概 念 が相 違 す る もの とな る。 た とえ ば,金 融 商 品 の 時価 評 価 の適 用 に 関す る背 景 を と りあ げ る とき,会 計 上 の 関心 の置 き ど ころ は,プ. ロダ ク ト型 市. 場 経 済 で は な く,フ ァイ ナ ンス型 市 場 経 済 を前 提 とす る理 論 に あ る とみ る見 解 が あ る(2)。 近 年,公 正 価 値 概 念 が 財 務 会 計 基 準 審 議 会(FASB),国. 際 会 計 基 準 審 議 会(IASB)等. の会 計 基 準 設 定 機 関 に よ り重 視 され,会 計 上 の測 定 の な か で き わ め て重 要 な位 置 を 占 め て い る。 そ れ ゆ え,会 計 上 の カ レ ン ト ・バ リ ュー の測 定 に 関す る 問題 を検 討 す る とき,公 正 価 値 とそ れ に基 づ く測 定 は,き わ めて興 味 深 い研究 対 象 の一 つ とな る。 た とえ ば,フ ァ ン ・ ジル とウ ィ ッテ ィ ン トンは,公 正 価 値 測 定 に 内在 す る 問題 点 を指 摘 しつ つ,剥 奪 価 値 概 念 に 関 す る再 解 釈 説(3)を 主 張 す る。 ス テ ィー ブ ンソ ンの所 説(4)で は,オ ー ス トラ リア の会 計 を取 りあ げ つ つ,首 尾 一 貫 した測 定 目的 の重 要 性 とい う観 点 か らカ レ ン ト ・バ リ ュー に 基 づ く測定 と公 正 価 値 の 問題 が検 討 され て い る(51。そ こ で,本 稿 で は,主. (1)興. 津裕康. 「取 得 原 価 と 時 価 」,岸 悦 三 編. 『近 代 会 計 の 思 潮 」 同 文 舘,平. に ス テ ィー ブ ン. 成14年,所. 収,132-133. 頁。 興津裕康. 「現 代 会 計 の 論 点 一 原 価 と 時 価 の 混 在 す る 会 計 を 考 え る 」 『企 業 会 計 』 第58巻. (平 成18年11月),10-11頁 (2)武. 第11号. 。. 田 隆 二 「会 計 学 認 識 の 基 点 」 『企 業 会 計 」 第53巻 第1号(平 成13年1月),4-6頁 。 プ ロ ダ ク ト型 市 場 経 済 と フ ァ イ ナ ン ス 型 市 場 経 済 に つ い て は,下 記 の 文 献 を 参 照 し た 。 武 田 隆二. 「最 新 財 務 諸 表 論 」(第11版)中. 央 経 済 社,平. 成20年,680-682頁. 。. (3)TonyvanZijlandG.Whittington,DeprivalValueandFairValue:AReinterpretation andaReconciliation,、4cco〃. η'加gα η4、8〃3加θ∬Rθ3θ ακ 乃,Vol.36.No.2.,pp.121-130.. G.Whittington,AlternativetoFairValue,inP.Walton(ed.),Z乃8R傭18498Co脚. α伽 η. 'oFα ∫7陶1〃 θ αη4F'η αηcノ α1、R〔!ρor伽gRoutledge,2007. こ こ で は,上 記 の フ ァ ン ・ジ ル と ウ ィ ッ テ ィ ン ト ン に よ る 所 説 を 剥 奪 価 値 概 念 に 関 す る 再 解 釈 説 と 呼 ぶ こ と とす る。 (4)K.M.Stevenson,FairValue:theRightMeasurementBasis?AnAustralianPerspective, inP.Walton(ed.),7乃. θRo〃 〃θ4gθCo即. αηノoη'oFoか. 陶1〃θ αη4F伽. ηcノ α1R(ψo珈gRoutledge,. 2007,pp,132-151. (5)P.Walton,NatureofFairValue,inP.Walton(ed.),翫Ro〃'18498Co叩. αη'oη'oFα 〃. 吻1〃θ αη4F加 αηdα1、R(号 ρor加gRoutledge,2007,p.3. ワ ル ト ン に よ れ ば,ス. テ ィ ー ブ ン ソ ン の 所 説 は,公 -294(940)一. 正 価 値 概 念 の 展 開 の 中 で,首. 尾 一・ 貫 し た 測/.
(3) 会 計 上 の カ レ ン ト ・バ リュ ー の測 定 を め ぐる諸 問題(山 ソ ン の 所 説 を 検 討 し つ つ,会. 計 上 の カ レ ン ト ・バ リ ュ ー 測 定 に 関 す る 諸 問 題 を 考 察 す る こ. と が 狙 い と さ れ る。 す な わ ち,カ. レ ン ト ・バ リ ュ ー の 測 定 の 問 題 に 関 し て は,1960年. ら2000年 代 初 頭 に 至 る ま で,い つ つ,公. か な る 測 定 属 性 の 変 遷 が み ら れ た か と い う点 を 明 ら か に し. テ ィ ー ブ ン ソ ン の 所 説 で は,会. す る上 で,次. 2.剥. 代 か. 正 価 値 測 定 の 問 題 点 が 取 り あ げ ら れ る こ と と な る。. さ て,ス. 1.エ. 口). 計 上 の カ レ ン ト ・バ リ ュ ー の 測 定 の 問 題 を 解 明. の 文 献 と所 説 が 時 系 列 の 順 に 取 り あ げ ら れ て い る 。. ド ワ ー ズ ・ベ ル の 所 説:「 意 思 決 定 と 利 潤 計 算(6)』(1961年) 奪 価 値 説(7>(1973∼1984年:物. 価 水 準 変 動 期). 3.「FASB概. 念 報 告 書 第5号. 営 利 企 業 の 財 務 諸 表 に お け る認 識 と測 定(8)」(1984年). 4.「FASB概. 念 報 告 書 第7号. 会 計 測 定 に お け る キ ャ ッ シ ュ ・フ ロ ー 情 報 お よ び 現 在. 価 値 の 使 用(91」(2000年) 5.IASB,FASB,CICAに 6.フ. よ る 公 正 価 値 の 所 説(2001∼2006年). ァ ン ・ ジ ル と ウ ィ ッ テ ィ ン ト ン に よ る 剥 奪 価 値 概 念 に 関 す る 再 解 釈 説(2006年). 本 稿 は,ス テ ィー ブ ン ソ ンの所 説 に み られ る論 点 を 明確 にす る た め に,上 記 の文 献 お よ び所 説 を二 つ に分 け て素 描 す る。 す な わ ち,上 記1と2を 切 り と して3か. 一 つ の 区切 り と し,今 一 つ の 区. ら6を 纏 め て扱 う こ とに よ り,文 献 ・所 説 の 中 で重 視 され るべ き点 を素 描. す る こ とが試 み られ て い る。 上 記 の文 献 と所 説 を二 つ に 区分 す る理 由 は,ス テ ィー ブ ン ソ ンの 指摘 に み られ る よ う に,FASB概. 念 報 告 書 第7号. の 公 表 時 点 か ら,会 計 上 の測 定 属 性. に基 本 的 な シフ トが み られ,測 定 属 性 と して の適 性 が公 正 価 値 に与 え られ た こ と に あ るく10)。. \定 目 的 の必 要 性 が無 視 さ れ て き た こ とを論 じる と さ れ る。 (6)E.0.EdwardsandP.W.Bell,7乃. θ 乃60リ ノαη4読. UniversityofCaliforniaPress,1961.中 と利 潤 計 算 』 日本 生 産 性 本 部,昭 (7)剥. 奪 価 値 説 と は,カ. α3〃γ翻 θη'(ゾ8〃8ノηθ∬Zηco鷹Berkeley,. 西寅雄 監修 和39年. 伏 見 多 美 雄,藤. 森三男訳編. 『意 思 決 定. 。. レ ン ト ・バ リ ュ ー を 会 計 測 定 に 取 り入 れ る た め に,剥. 奪 価 値 概 念 を資 産 評. 価 に適 用 す る理 論 を さす 。 (8)FASB,StatementofFinancialAccountingConceptsNo.5RecognitionandMeasurement inFinancialStatementsofBusinessEnterprises,1984,8'α'θ Coηoξμ&JohnWiley&Sons,NewYork,2000.平 の 諸 概 念 」(増 補 版)中 央 経 済 社,平 上 記 の 文 献 は,FASB概. 〃1θ 廊qズF加 松 一・ 夫,広. 成14年. 念 報 告 書 第5号. 瀬義州訳. αηc'α1オcco〃η伽g 『FASB財. 務会計. 。 と記 す こ と と す る。. (9)FASB,StatementofFinancialAccountingConceptsNo.7UsingCashFlow InformationandPresentValueinAccountingMeasurement,2000,3'α. 伽 θη孟 ∫(ゾF'η αησα1. 加co〃 磁 ηgCoη6`ア'3,JohnWiley&Sons,NewYork,2000.平 財 務 会 計 の 諸 概 念 」(増 補 版)中 上 記 の 文 献 は,FASB概 qO)K.M.Stevensonρ. 央 経 済 社,平. 松 一 夫,広. 念 報 告 書 第7号. 成14年. 。. と記 す こ と と す る。. ρ.c∫'.,p.136. -295(941)一. 瀬義州訳. 『FASB.
(4) 第56巻 い ま 一 つ の 理 由 と し て,上. 記1と2の. 第2号. 所 説 は,プ. し て 整 理 さ れ る こ と が あ げ ら れ る。 な お,本. ロ ダ ク ト型 市 場 経 済 を 前 提 とす る 理 論 と. 稿 に お い て,上. に よ る 公 正 価 値 の 所 説 に つ い て は,FAS第157号. 記5のIASB,FASB,CICA. 『公 正 価 値 測 定(11)』の み を 取 り あ げ て,. 検 討 が 行 わ れ て い る。. Hカ. レ ン ト ・バ リ ュ ー に 基 づ く会 計 モ デ ル エ ドワ ー ズ ・ベ ル の 所 説 と 剥 奪 価 値 説. エ ド ワ ー ズ ・ベ ル の 所 説 と剥 奪 価 値 説 は,歴. 史 的 原 価 に 代 え て,カ. 基 づ く測 定 を 主 張 す る 理 論 で あ る 。 こ の 二 つ の 所 説 で は,貸 特 に 非 貨 幣 性 資 産 に 光 を あ て,カ こ こ で は,エ. レ ン ト ・バ リ ュ ー に. 借 対 照 表 上 の 借 方 項 目 の う ち,. レ ン ト ・バ リ ュ ー に よ る資 産 評 価 の 意 義 が 説 か れ て い る 。. ドワ ー ズ ・ベ ル の 所 説 と剥 奪 価 値 説 を 素 描 し,こ. れ らの所 説 に関 す る ステ ィー. ブ ン ソ ン の 見 解 が 明 ら か に さ れ る。. 1.エ. ド ワ ー ズ ・ベ ル の 所 説. エ ド ワ ー ズ ・ベ ル の 所 説 は,い. か に し て 会 計 測 定 モ デ ル が 経 済 理 論 か ら導 き 出 さ れ る か. を 明 示 し た 点 に 意 義 を もつ(12}。エ ド ワ ー ズ ・ベ ル の 所 説 が ス テ ィ ー ブ ン ソ ン に よ っ て 取 り あ げ ら れ る意 図 に つ い て み る と,会. 計 上 の 目 的 と測 定 の 問 題 を 考 察 す る 上 で,彼. らの説 く. カ レ ン ト ・バ リ ュ ー に 基 づ く会 計 測 定 モ デ ル が 精 巧 な 理 論 と し て 位 置 づ け ら れ る か ら で あ る。 こ こ で は,会 に,エ. 計 上 の 測 定 目 的 と測 定 属 性 の 選 択 と の 両 者 の 関 連 性 を 明 ら か に す る た め. ド ワ ー ズ ・ベ ル の 主 張 の な か で 特 徴 を な す 基 本 的 な 考 え 方 に 限 定 し て,そ. の考 察 が. 行 な わ れ る。 エ ド ワ ー ズ ・ベ ル に よ る 『意 思 決 定 と利 潤 計 算 』 を 縮 く と き,彼. らの所 説 の骨 格 を なす. キ ー ワ ー ドが い く つ か あ げ ら れ よ う。 企 業 の 価 値 に 関 す る キ ー ワ ー ドに つ い て み る と,主. ql)FASB,Fα. か 陥1〃81晩 α8耀8〃2θ 漉&StatementofFinancialAccountingStandardsNo.157,. 2006. こ こ で は,上 FAS第157号 浦崎直浩. と記 され て い る。. 「公 正 価 値 測 定 』 に つ い て は,下 成20年,所. 収,43-51頁. 44年,所. 「エ ド ワ ー ズ=ベ. 収,121-160頁. 峯村信吉. 中 弘,佐. 藤倫正編. 『財 務 情 報 の 信 頼 性 」. 。. 『公 正 価 値 会 計 の 実 務 」 中 央 経 済 社,平. q2)K.M.Stevenson,(Ψ.6ノ'.,p.136. エ ドワ ー ズ ・ベ ル の 所 説 に つ い て は,下 遠藤久夫. 記 の 文 献 を 参 照 した 。. 「公 正 価 値 測 定 と そ の 信 頼 性 」,友 杉 芳 正,田. 税 務 経 理 協 会,平 金子康則. 記 の 文 献 が,FAS第157号. 成21年. 。. 記 の文 献 を参 照 した。. ル 提 案 の 位 置 」,江 村 稔 編. 『変 動 期 の 現 代 会 計 』 中 央 経 済 社,昭. 。. 『財 務 諸 表 の 基 礎 理 論 」 中 央 経 済 社,昭 -296(942)一. 和52年,174-197頁. 。. 和.
(5) 会 計 上 の カ レ ン ト ・バ リュ ー の測 定 を め ぐる諸 問題(山 観 価 値,主. 観 的 の れ ん,実. 口). 体 の市 場 価 値 等 を あ げ る こ とが で き る。 会 計 上 の測 定 属 性 の選. 択 と 利 益 概 念 に 関 す る キ ー ワ ー ドに つ い て は,カ rentoperatingprofit)(131,経. レ ン ト ・ コ ス ト,当. 営 利 益(businessprofit)(141,実. 期 操 業 利 益(cur-. 現 可 能 原 価 節 約(151,実 現 資. 本 利 得(16},実 現 原 価 節 約(17)等 が 主 要 な も の と して あ げ ら れ る 。 エ ド ワ ー ズ ・ベ ル の 所 説 が カ レ ン ト ・バ リ ュ ー に よ る 測 定 の 関 連 で 検 討 さ れ る と き,会 計 上 の 測 定 属 性 の 選 択,利. 益 概 念 が 浮 上 す る もの と な る。 な ぜ な ら,維. 持 す べ き 資 本 概 念,. 資 産 評 価 基 準 に 適 用 さ れ る 時 価 概 念 が 問 わ れ る こ と に な る か ら で あ る 。 そ こ で,会 測 定 属 性 の 選 択 と利 益 概 念 に 関 す る キ ー ワ ー ドの う ち,当. 計上 の. 期 操 業 利 益 と実 現 原 価 節 約 に 限. 定 し て 取 り あ げ て み よ う。 エ ド ワ ー ズ ・ベ ル の 所 説 に 基 づ く 当 期 操 業 利 益 と実 現 原 価 節 約 を,取. 得 原 価 を ベ ー ス とす る会 計 の 比 較 に よ っ て 図 示 す れ ば,次. の よ うに な る。. 図 表1-1. 実 現 収 益. 一一 一一一. カ レ ン ト ・ コ ス. 名 目貨幣資本. 当期操業利益. 利. 実現原価節約 (保有利得). ト. 益. 取 得 原 価. 保有活動. 一一 一一. (a). 図表1-1に. }操 業活動. (b). お い て は,当 期 操 業 利 益 と実 現 原 価 節 約 を 明 らか にす る た め に,次. が仮 定 され て い る。 第 一 は,カ. の こと. レ ン ト ・コス トは取 得 原 価 を上 回 る状 況 が仮 定 され て い る. こ とで あ る。 第 二 に,当 期 の費 用 は実 現 収 益 に よ って 回収 され る こ とが仮 定 され る。 第 三. q3)E.0.EdwardsandP.W.Bell,op.cノ'.,p.111,p.115.中 編,前. 掲 訳 書,92頁,95頁. 当 期 操 業 利 益 は,実 q4)乃. ∫ 広p,94.同. q5)乃. ∫ 広p,115.同. ㈲Zゐ. 楓. 同上 訳 。. 乃鼠. 同上 訳 。. ㈲. 伏 見 多 美 雄,藤. 現 収 益 か ら カ レ ン ト ・コ ス トを 控 除 し た 額 で あ る 。. 上 訳 書,77頁. 経 営 利 益 と は,当. 西 寅雄 監 修. 。 。. 期 操 業 利 益 と実 現 可 能 原 価 節 約 を合 計 した もの を さす 。. 上 訳 書,95頁. 。. -297(943)一. 森三男訳.
(6) 第56巻. 第2号. は,費 用 の測 定 に 関 して,取 得 原 価 に基 づ く測 定 とカ レ ン ト ・コス トに基 づ く測 定 の二 つ に分 けて 行 わ れ る こ とが 仮 定 さ れ て い る。 図 表1-1の(a)は 会 計 を,(b)は. 取 得 原 価 を ベ ー ス とす る. エ ドワ ー ズ ・ベ ル の 所 説 に基 づ く会 計 を あ らわ す もの で あ る。. 図 表1-1の(a)取. 得 原 価 を ベ ー ス とす る会 計 で は,実 現 収 益 か ら取 得 原 価 に よ る費. 用 を控 除 した もの が名 目貨 幣資 本 利 益 と され,取 得 原 価 に基 づ く会 計 の利 益 が示 さ れ て い る。 エ ドワー ズ ・ベ ル の所 説 に よ れ ば,カ. レ ン ト ・コス トと取 得 原 価 の差 額 が実 現 可 能 原. 価 節 約 で あ る と され る。 取 得 原 価 を基 本 的 な視 点 とす れ ば,カ の差 額 は保 有 利 得 を あ らわす 。 他 方,カ. レ ン ト ・コス トと取 得 原 価. レ ン ト ・コス トを基 本 的 な視 点 とす れ ば,過 去 時. 点 に有 利 な個 別 価 格 で資 産 の調 達 を した こ とか ら,カ レ ン ト ・コス トと取 得 原 価 の差 額 が 節 約 され た とみ て,こ. の 差 額 が原 価 節 約 と され る。 図 表1-1の(b)エ. の所 説 に基 づ く会 計 に お い て は,名. ドワ ー ズ ・ベ ル. 目貨 幣資 本 利 益 を二 分 し,操 業 活 動 に基 づ く当期 操 業. 利 益 と保 有 活 動 か ら生 ず る実 現 原 価 節 約(保 有 利 得)の 二 つ か ら構 成 され る こ とが示 さ れ て い る。 測 定 属 性 の選 択 に つ い て は,カ. レ ン ト ・コス トが と られ,適 用 され て い る。 カ レ. ン ト ・コ ス ト基 準 を適 用 す る こ と に よ り,会 計 上 の 利 益 概 念 が 操 業 利 益 と実 現 原 価 節 約 (保 有 利 得)か. ら構 成 され る こ とに な る。 か くて,企 業 の 経 済 実 態 は,活 動 源 泉 別 に基 づ. く利 益 の把 握 に よ って描 写 され,こ れ に よ って経 営 意 思 決 定 等 に資 す る もの とな る こ とが 予 定 され る こ と とな る。 ス テ ィ ー ブ ン ソ ンの 所 説 は,エ. ドワー ズ ・ベ ル に よ る会 計 測 定 の 一 般 目的(18}が,今 日. の会 計 上 の 概 念 フ レー ム ワ ー ク に お い て も適 合 性 を有 す る もの と して理 解 し(19),企 業 の価 値 の理 論 か ら測 定 属 性 へ と理 論 構 成 が 行 わ れ て い る と捉 え る⑫ ω 。 言 い 換 え る と,エ. ドワー. ズ ・ベ ル の所 説 に お い て,会 計 上 の測 定 目的 か ら出発 し,カ レ ン ト ・バ リ ュー測 定 の観 点. q8)乃'広p,271.同 上 訳 書,229-230頁 。 エ ドワー ズ ・ベ ル に よ る会 計 測 定 の 一 般 目的 に つ い てみ る と,そ れ は,「 会 計 資 料 の収 集 に よ っ て達 せ られ る主 要 な 目的 は,企 業 の過 去 の意 思 決 定 を評 価 し,ま た こ の よ う な意 思 決 定 に到 達 す る た め に 用 い た方 法 を 評 価 す る の に有 用 な 情 報 を提 供 す る こ とで あ る」(乃'紘p.271.)と し,評 価 の た め に資 す る有 用 な情 報 提 供 が説 か れ て い る。 そ して,評 価 につ い て は,「1不 確 実 下 の将 来 に対 す る行 動 に 際 して,で き る限 り最善 の意 思 決 定 を行 うた め に経 営 者 に よ って 行 わ れ る評 価, 2経 営 者 に対 して 行 わ れ る評 価,あ る い は,よ り広 くは,企 業 の諸 活 動 に 関 して よ り良 い判 断 をす るす る た あ に,株 主,債 権 者,行 政 機 関,そ の他 の外 部 利 害 関係 者 に よ って行 われ る個 々 の 企 業 の 業 績 に対 す る評 価 」(乃泓,p.271.)と い う二 つ の 側 面 が あ る と され る。 エ ドワー ズ ・ベ ル は,こ の よ うな評 価 を通 して,資 源 の効 率 的配 分 が行 わ れ る と み る。 エ ドワ ー ズ ・ベ ル に よ る 会 計 測 定 の一 般 目的 につ い て み る と,企 業 内部 の経 営 管 理 者 と企 業 外 部 の利 害 関係 者 に よ る評 価 の た め の有 用 な情 報 提 供 に狙 い を お き,企 業 の過 去 の意 思 決 定 に対 す る評 価,個 々 の企 業 の業 績 に対 す る評 価 等 が あ げ られ て い る。 q9)K.M.Stevensonρ ρ.c∫ 乙,p.137,p.140. ⑳ 翫訊 一298(944)一.
(7) 会 計 上 の カ レ ン ト ・バ リュ ー の測 定 を め ぐる諸 問題(山. か らカ レ ン ト ・コス ト基 準 の適 用,さ. 口). らに意 思 決 定 に資 す る た め の利 益 とそ の精 緻 化 が行. わ れ た とみ るの で あ る。 会 計 上 の フ レー ム ワー クを理 解 す る場 合,測 定 属 性 の選 択 が測 定 目的 との 関連 で 明 らか に され ね ば な らな い。 ス テ ィー ブ ン ソ ンの所 説 に あ って は,会 計 上 の測 定 目的 と測 定 属 性 との 関連 性 が エ ドワー ズ ・ベ ル の所 説 に み られ る とす る。. 2.剥. 奪価値説. 物 価 水 準 変 動 期 に お い て,剥 奪 価 値 説 ⑳ は,英. 国,米 国,オ. ー ス トラ リア 等 で 支 持 さ. れ た⑳。 剥 奪 価 値 の 考 え方 の ベ ー ス につ いて み る と,そ の べ 一 ス を1930年 代 の ボ ンブ ラ イ トの 「所 有 主 に と って の 価 値(valuetotheowner)剛 値 説 は,ボ. に 求 め る こ と が で き る。 剥 奪 価. ンブ ラ イ トの 「所 有 主 に と って の価 値 」 を実 質 的所 有 価 値 と して解 釈 す る。 そ. して,剥 奪 価 値 の測 定 に 関 して は,カ. レ ン ト ・コス トと回収 可 能 額 の うち,い ず れ か低 い. 方 を選 択 す る こ とに よ って,そ の測 定 が行 わ れ る の で あ る。 な お,回 収 可 能 価 額 とは,資 産 それ 自体 の もつ便 益 を,資 産 か ら生 ず る キ ャ ッシ ュ ・イ ンフ ロ ーで 測定 した もので あ る。 回収 可 能 価 額 は,正 味実 現 可 能 価 値 と使 用 価 値 の両 者 か ら構 成 され,両 者 の うち,い ず れ か一 方 の高 い数 値 で測 定 され る。 取 替 原 価(RC),正. 味 実 現 可 能 価 値(NRV)お. よび使 用 価 値(UV)と. い う三 つ の財 務. 的測 定 概 念 に よ って現 有 資 産 を評 価 す る とき,三 つ の財 務 的測 定 概 念 に基 づ く資 産 評 価 額 の大 小 関係 に は,6つ. の ケ ー ス が あ る。 この6つ の ケ ー ス か ら剥 奪 価 値 が得 られ る こ とに. な る。 図 表1-2は,三. つ の財 務 的 測 定 概 念 に基 づ く資 産 評 価 額 の大 小 関 係,剥 奪 価 値 を. 示 して い る。 剥 奪 価 値 概 念 に基 づ く考 え方 は,資 産 評 価 基 準 と して適 用 され る。 維 持 す べ き資 本 概 念 に は,貨 幣 資 本概 念,一 般 購 買 力 資本 概 念,消 費 者 購買 力 資 本 概 念,投 資購 買 力 資 本 概 念, 営 業 能 力 資 本 概 念 を あ げ る こ とが で き る⑳。 ス テ ィ ー ブ ン ソ ンに よ れ ば,オ ー ス トラ リア. ⑳. 剥 奪 価 値 説 に つ い て は,下 山 口忠 昭 2号(平. 記 の拙 稿 がベ ー ス と さ れ て い る。. 「会 計 上 の 価 値 概 念 に 関 す る 再 検 討. 成20年12月),1-25頁. ⑳K.M.Stevensonρ ㈱J.C.Bonbright,Z舵. 剥 奪 価 値 と公 正 価 値. 」 『商 経 学 叢 』 第55巻. 第. 。. ρ.c∫'.,p.140. 陥1〃α"oη(ゾPrgρ8r砂(Vol.1),TheMichieCompany,Virginia,1937,. Reprinted1965,p.71. ボ ン ブ ラ イ トの 「所 有 主 に と っ て の 価 値 」 は,次 産 の 所 有 主 に と っ て の 価 値 は,所. の よ う に 定 義 さ れ て い る 。 す な わ ち,あ. 有 主 が そ の 財 産 を 剥 奪 さ れ た と 仮 定 さ れ た 場 合 に,所. る財 有主 が. 被 る と 予 測 さ れ る直 接 的 お よ び 間 接 的 な す べ て の 損 失 と い う 不 利 な 価 値 に よ る 金 額 と 同 一 で あ る, とされ る。 ⑳R.S.Gynther,WhyUseGeneralPurchasingPower?,inR.H.Parker,G.C.Harcourt, G.Whittington,(eds.),R8α. 読ηg3'η. 伽Coη. 岬'α. Oxford,1986,PP.342-343.. 一299(945)一. ηげ1晩 α8鷹 〃2θ η'qプZηoo刑 巳PhilipAllan,.
(8) 第56巻. 第2号. 図 表1-2. ケース. (1). NRV>UV>RC. (2). NRV>RC>UV. (3). UV>RC>NRV. (4). UV>NRV>RC. (5). RC>UV>NRV. (6). RC>NRV>UV. の 会 計 を と ら え る と き,資 cept)が. 剥 奪 価 値 RC RC RC RC UV NRV. 本 と利 益 に か か わ る 営 業 能 力 概 念(operatingcapabilitycon一. 重 くみ られ た と さ れ る⑳。 そ して,営. ク に お い て は,エ. ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ ⇒. 各 測 定 概 念 に基 づ く 資 産 評 価 額 の大 小 関係. 業 能 力 概 念 に 基 づ く会 計 上 の フ レー ム ワ ー. ド ワ ー ズ ・ベ ル の 所 説 に み ら れ る 会 計 モ デ ル と 同 様 に,維. 持 す べ き資 本. 概 念 お よ び利 益 概 念 が測 定 目的 との 関連 で 明 らか に され て い た とす るの で あ る⑳。. 皿. 力 レ ン ト ・バ リ ュ ー に 基 づ く 測 定. 公正価値 ・剥奪価値概念 に関す る再解釈説 ワル トンに よ れ ば,公 正 価 値 な る用 語 は,19世 紀 末 の公 益 事 業 料 金 の適 正 な決 定 を め ぐ る訴 訟 と裁 判 所 の判 決 の な か で 用 い られ た と され る⑳。 そ れ ゆ え,公 正 価 値 概 念 は,元 来, 法 律 上 の 概 念 と して 解 さ れ う るが,ペ. イ トンは,「 会 計 上 の 原 価 と価 値 剛. と題 す る論 文. の な か で,公 正 価 値 概 念 を重 要 な鍵 概 念 と して位 置 づ け て い る。 ペ イ トンの所 説 に あ って は,市 場 価 値 と公 正 価 値 は緊 密 に リ ンク す る関 係 が説 か れ た の で あ る。 これ に対 して,. ⑳K.M.Stevenson,ρ. ρ.o".,p.141.. オ ー ス トラ リ ア の 会 計 を み る と き,チ ェ ン バ ー ス の 学 説 を あ げ る こ と が で き る 。 ス テ ィー ブ ン ソ ン は,チ ェ ンバ ー ス の 出 帳 モ デ ル(exitmodel)に つ い て 言 及 して い る 。 ス テ ィ ー ブ ン ソ ン に よ れ ば,チ. ェ ン バ ー ス は,公. る 市 場 を べ 一 ス と し,現 ⑳. ち な み に,英. 正 価 値 に み られ る よ う な 仮 定 上 の 価 値 を と る こ と な く,実. 際 に実 在 す. 在 現 金 等 価 物 を 媒 体 と した 実 体 の コ マ ン ドを 測 定 し よ う と した と さ れ る 。. 国 の 会 計 実 務 基 準 書 第16号. 『カ レ ン ト ・コ ス ト会 計 』 は 資 産 評 価 基 準 と し て 「企. 業 に と っ て の 価 値 」 を 適 用 す る 。 会 計 実 務 基 準 書 第16号. の カ レ ン ト ・コ ス ト会 計 に つ い て は,営. 業 能 力 維 持 会 計 と し て 特 徴 づ け ら れ る こ と が で き る 。 こ れ に つ い て は,下. 記 の拙 著 を参 考 に さ れ. た い。 山 口 忠 昭 「物 価 変 動 会 計 」 同 文 舘,平. 成6年,221-239頁. 。. 伽P.Walton,OP.c∫'.,P.4. ⑳W.A.Paton,CostandValueinAccounting,翫 上 記 の 論 文 は,下. 面 〃脚1(ゾ. ォ6co〃伽 ηc第March1946.. 記 の文 献 に収 録 さ れ て い る。. H.F.Taggart,Pα'oηoη. オ600魏. 加g8θ1θ6'ε4wF〃. 加g3(ゾW.A.Paton,TheUniversityof. Michigan,1964,pp.481-490. な お,ペ 山 口忠 昭 53巻 第3号(平. イ ト ン に よ る 会 計 上 の 価 値 概 念 に つ い て は,下 「会 計 上 の 価 値 概 念 に 関 す る 考 察. 記 の拙 稿 を参 照 され た い。. ペ イ トンの 所 説 を 中心 と して. 成19年3月)。. 一300(946)一. 」 「商 経 学 叢 」 第.
(9) 会 計 上 の カ レ ン ト ・バ リュ ー の測 定 を め ぐる諸 問題(山 FAS第157号. に よ る 公 正 価 値 概 念 に は,ペ. イ トンの い う公 正 価 値 概 念 の 内 容 と は異 な る も. の が あ る 。 ス テ ィ ー ブ ン ソ ン の 所 説 で は,FASB概 第7号,FAS第157号 で,フ. を あ げ て,こ. 口). 念 報 告 書 第5号,FASB概. 念報告書. れ ら三 つ の 文 献 に 内 在 す る 問 題 点 が 指 摘 さ れ る 。 つ い. ァ ン ・ ジ ル と ウ ィ ッ テ ィ ン ト ン に よ る剥 奪 価 値 概 念 に 関 す る再 解 釈 説 が 吟 味 さ れ て. い る。 こ こ で は,FASB概. 念 報 告 書 第5号,FASB概. 念 報 告 書 第7号,FAS第157号,剥. 奪 価 値 概 念 に 関 す る 再 解 釈 説 を 取 り あ げ る こ と とす る 。. 1.FASB概. 念 報 告 書 第5号. ス テ ィー ブ ン ソ ンの所 説 で は,会 計 上 の測 定 目的 と測 定 属 性 の両 者 の 関連 性 が重 視 さ れ る。 これ が重 視 され る意 図 は,会 計 上 の フ レー ム ワー クにつ い て み る とき,資 本 概 念 お よ び利 益 概 念 は測 定 目的 との 関連 で 明 らか に され ね ば な らな い とす る見 方 が と られ て い る か らで あ る。 FASB概. 念 報 告 書 第5号. に お いて,会 計 上 の測 定 に 関 す る取 り組 み の 方 向 性 が,次. の文. 言 に要 約 され て い る。 す な わ ち,「 い ろ い ろ な理 由 か ら多 くの 例 外 は あ る もの の,現 行 の 会 計 実 務 は単 一 の属 性 に基 づ い て い る と特 徴 づ けよ うとす るよ り もむ しろ,本 諸 概 念 ステ ー トメ ン トは,異 な る属 性 に基 づ い て い る とみ て い る。 本 概 念 ス テ ー トメ ン トは,あ. らゆ る. 種 類 の資 産 お よ び負 債 に単 一 の属 性 を用 い させ るよ うに,単 一 の属 性 を選 択 させ,か つ 実 務 を急 激 に変 え させ よ う とす る もの で は な く,異 な る属 性 が 引 き続 き用 い続 け られ る よ う に提 案 し,ま たFASBが. ど の よ うな方 法 で特 殊 な状 況 に も適 合 す る属 性 を選 択 す る か に. つ い て論 じ る もの で あ る剛. とす るパ ラ グ ラ フで あ る。 こ のパ ラ グ ラ フは,単 一 の測 定 属. 性 の選 択 の方 向で の検 討 が な され て いな い ことを 明 らか に して い る。 したが って,ス テ ィー ブ ンソ ンの 指摘 にみ られ るよ う に,FASB概. 念 報 告書 第5号. には,包 括 的 利益 の報 告 を扱 っ. て い る点 に特 徴 が み られ る もの の(301,会計 上 の 資 本 概 念 と測 定 属 性 の 選 択 を 行 う こ とに よ り,そ こか ら導 き 出 され る会 計 フ レー ム ワー クの主 張 は行 わ れ な い こ と とな る。 ス テ ィー ブ ン ソ ンの 所 説 に よれ ば,FASB概 を継 承 す る傾 向 が み られ,エ. 念 報 告 書 第5号. に は,ピ. ック ス流 の考 え方. ドワー ズ ・ベ ル の所 説 等 の テ ー マ に 関連 させ られ て い る点 が. あ る と され る(31>。 す な わ ち,FASB概. 念 報 告 書 第5号. は,貨 幣 資 本 維 持 概 念 に つ いて,次. の よ う に説 明 す る。 す な わ ち,「 本 ステ ー トメ ン トに お いて 論 じた充 分 か つ 相 互 に有 機 性. ②9)FASBρ. ρ,oノ'.,par,70.平. 松 一 夫,広. 瀬 義 州 訳,前. e①K.M.Stevenson,gρ.6".,p.141. (31)zわ. 此孟,p.142.. 一301(947)一. 掲 訳 書,244頁. 。.
(10) 第56巻. 第2号. を もつ一 組 の 財 務 諸 表 は,貨 幣 資本 維 持 の 概 念 に も とつ い て い る(劃 と し,次 いで 「企 業 は,そ の資 本 が維 持 され るか ま た は 回収 され て は じめ て利 益 を得 る。 した が って,資 本 維 持 の概 念 は,企 業 の投 資 か らの利 益 と投 資 の 回 収 と を 区別 す る場 合 に,重 要 で あ る㈱」 と され,維 持 す べ き資 本 と利 益 の 関係 が説 か れ る。 つ ま り,会 計 上 の資 本 と利 益 の 峻別 が, 選 択 ・適 用 され た 資 本 維 持 概 念 を前 提 に行 わ れ る こ とに な る。 そ して,FASB概 第5号. で は,貨 幣資 本 利 益,物. され て い る(3の 。 ちな み に,こ. 念報告書. 的資 本 利 益,資 本 維 持 概 念 と測 定 属 性 の 関係 の三 つ が説 明. こに み られ る貨 幣 資 本 利 益,物. 的 資 本 利 益,資 本 維 持 概 念 と. 測 定 属 性 の 関係 に 関す る 内容 は,物 価 変 動 下 に お け る利 益 概 念 と資 本 概 念 な る研 究 領 域 で 検 討 され,重 要 な研 究 対 象 と され る もの で あ る。 さて,ス. テ ィー ブ ン ソ ンは,FASB概. 念 報 告 書 第5号. られ て い る と指 摘 す るく3励 。 そ れ は,「 現 在,財. に お い て,公 正 価 値 測 定 が 考 え. 務 諸 表 に お いて 報 告 され る項 目は,異. なる. 属 性 に よ って測 定 され て お り,そ れ は,そ の項 目の性 質 な らび に測 定 され る属 性 の 目的適 合 性 お よ び信 頼 性 に左 右 され る。FASBは,今. 後 も引 き 続 き異 な る属 性 を用 い る予 定 で あ. る㈱」 と し,五 つ の測 定 属 性 が あ げ られ て い る。 こ こ で五 つ の測 定 属 性 と は,歴 史 的原 価 (実 際 現 金 受 領 額),現 在 原 価,現 在 市 場 価 値,正 味 実 現 可 能(決 済)価 額,将 来 の キ ャ ッ シ ュ ・フ ロー の現 在(ま た は 割 引)価 値,こ れ らを さす。 彼 は,将 来 の キ ャ ッ シュ ・フ ロー の現 在(ま. た は割 引)価 値 に注 目 し,さ らに 「属 性 は,そ れ が異 な って い る と して も,と. くに原 初 認 識 時 に は,そ の属 性 が あ らわ す 金 額 が,し. ば しば 同一 で あ る場 合 が あ る剛. と. す る記 述 か ら,原 初 的測 定 時 の異 な る測 定 属 性 に よ る金 額 の一 致 は 問題 を含 む 内容 で あ る とす る(381。 と もあ れ,FASB概. 念 報 告 書 第5号 で 示 さ れ た五 つ の 測 定 属 性 の う ち,将 来 の. キ ャ ッ シ ュ ・フ ロー の 現 在 価 値 は,FASB概. 働FASB,ρ. ρ.6".,par.45.平. ㈱. 乃'広par.46.同. 髄. 乃ノ 砿par.47.同 パ ラ グ ラ フ47で. 松 一 夫,広. 上 訳 書,232頁. 瀬 義 州 訳,前. 幣)額. 。. 本 維 持 概 念 と属 性 に よ る測 定 と の関 係 に. を 超 過 す る 場 合 に,は. 末 現 在 の 純 資 産 の 財 務(貨. る た め に 必 要 と さ れ る 資 源)が る 。 貨 幣 資 本 維 持 概 念 は,特. 末 現 在 の 企 業 の 物 的 生 産 能 力(ま. 期 首 現 在 の 企 業 の 物 的 生 産 能 力 を 超 過 す る 場 合 に,は ら び に お そ ら く そ の 他 の 資 産)が. 測 定 さ れ る 場 合 に の み 意 味 を も ち う る 」 とす る 。 闘K.M.Stevensonρ e6)FASB,ρ ⑳. ρ.c".,p.142.. ρ.o".,par.66.平. 乃∫ 砿par.68.同. た 物 的 資 本 利 益 も,. た は 当該 生 産 能 力 を達 成 す. 定 の 属 性 に よ る 測 定 を 必 要 と し て い な い の に 対 し て,物. 卸 資 産 お よ び 有 形 固 定 資 産(な. 松 一・ 夫,広. 上 訳 書,243頁. 瀬 義 州 訳,前. 。. eaK.M.Stevenson,gρ.6".,p.143. -302(948)一. 掲 訳 書,241頁. 幣). じめ て生 じる。 貨 幣 資 本 概 念 は伝. 行 の 財 務 諸 表 に お け る 資 本 維 持 概 念 で あ る 。 逆 に,ま. 出 資 者 と の 取 引 の 影 響 額 を 除 き,期. 概 念 は,棚. 的 資 本 利 益,資. 資 者 と の 取 引 の 影 響 額 を 除 き,期. 額 が 期 首 現 在 の 純 資 産 の 財 務(貨 統 的 な 見 解 で あ り,現. 掲 訳 書,232頁. 。. 上 訳 書,233頁 。 は,貨 幣 資 本 利 益,物. つ い て,「 貨 幣 資 本 利 益 は,出. 念 報 告 書 第7号 で きわ あ て 重 要 な測 定 属 性 の. 。. じめ て生 じ 的資 本 維 持. そ れ らの現 在 原 価 で.
(11) 会 計 上 の カ レ ン ト ・バ リュ ー の測 定 を め ぐる諸 問題(山. 口). 位 置 を 占 め る こ と に な る。. 2.FASB概 FASB概. 念 報 告 書 第7号 念 報 告 書 第7号. に関 す る位 置 づ け に つ い て は,立 場 の 相 違 に よ って,多 様 な見. 解 が み られ るで あ ろ う。 ス テ ィ ー ブ ンソ ンの所 説 に あ って は,FASB概. 念 報 告 書 第7号. が. 論 理 的 に首 尾 一 貫 性 を 欠 くもの で あ る とす る見 方 が 披 渥 され て い る{39)。 す な わ ち,FASB 概 念 報 告 書 第7号. は,一 方 で,会 計 測 定 は広 範 な 問題 で あ り,測 定 に 関す る包 括 的 な再 検. 討 は本 報 告 書 の範 囲 を こえ る と しな が ら も,他 方 に お い て,同 報 告 書 のパ ラ グ ラ フ7と パ ラ グ ラ フ22に は会 計 測 定 の 内容 が あつ か わ れ て い る こ とか ら,そ こに 問題 点 が あ る と彼 は み る。 そ こで,パ ラ グ ラ フ7と パ ラ グ ラ フ22を み て み よ う。 パ ラ グ ラ フ7で は,「 近 年,FASBは,原. 初認識 時の測定 およびそれ以 降の期末 におけ. る フ レ ッ シ ュ ・ス タ ー ト測 定 の場 合 に は,ほ ぼ例 外 な く公 正 価 値 が基 本 で あ る こ とを 明 ら か に して きた 。概 念 報 告 書 第5号 で は,公 正 価 値 とい う用 語 は用 い られ て い な い。 しか し, 概 念 報 告 書 第5号. で述 べ られ て い る測 定 属 性 の い くつ か は,公 正 価 値 に該 当す る とい え よ. う。 原 初 認 識 時 に お い て は,支 払 わ れ ま た は受 け 取 られ た現 金 ま た は 現 金 同等 物 の 金 額 (歴 史 的 原 価 ま た は 実 際 現 金 受 領 額)は,反 る と考 え られ て い る。 現 在 原 価(カ. 証 の な い 限 り,通 常,公 正 価 値 の 近 似 値 で あ. レ ン ト ・コス ト)お よ び現 在 市 場 価 値 は,い ず れ も公. 正 価 値 の定 義 に あ て は ま る。 正 味 実 現 可 能 価 値 お よ び現 在 価 値 は,概 念 報 告 書 第5号 べ られ て い る よ うに,公 正 価 値 に は該 当 しな いqω 」 と し,FASB概. で述. 念 報 告 書 第5号 で 扱 わ. れ た測定 属 性 と公 正価 値 の関係 が 述 べ られ て い る。 つ い で,パ ラ グ ラフ22に お いて,「 キ ャ ッ シ ュ ・フ ロー と利 子 率 とを どの よ うに組 み合 わせ て も,現 在 価 値 とい う用 語 を最 も広 い意 味 で解 し さえす れ ば,そ の組 み合 わせ で現 在 価 値 の算 定 を行 う こ とが で き る。 しか し,現 在 価 値 は そ の算 定 自体 が 目的 で は な い。 一 連 の キ ャ ッ シ ュ ・フ ロー に恣 意 的 な利 子 率 を単 に適 用 す るだ け で は,財 務 諸 表 利 用 者 に対 して制 約 の あ る情 報 が提 供 され る こ とに な り, 情 報 提 供 とい うよ り もむ しろ利 用 者 を ミス リー ドしか ね な い。 財 務 報 告 に適 合 す る情 報 を 提 供 す るた め に は,現 在 価 値 は,資 産 ま た は負 債 の な ん らか の客 観 的 な測 定 属 性 を表 現 す る もの で な け れ ば な らな い。(第25パ ラ グ ラ フで 述 べ て い る よ う に,本 ステ ー トメ ン トは, そ の よ う な属 性 を 公 正 価 値 とみ な して い る)ω」 とす る。 パ ラ グ ラ フ22で は,財 務 報 告 に. eg)乃'諾 ㈹FASB,ρ ω. ρ.o".,par.7.平. 乃∫ 砿par.22.同. 松 一・ 夫,広. 上 訳 書,430-431頁. 瀬 義 州 訳,前 。 -303(949)一. 掲 訳 書,424頁. 。.
(12) 第56巻. 第2号. 適 合 的 な情 報 提 供 の た め に,現 在 価 値 は,資 産 ・負 債 の客 観 的 な測 定 属 性 を表 現 す る もの で あ る こ とが要 求 され て い る。 ち な み に,パ ラ グ ラ フ25は 「現 在 価 値 の 唯一 の 目的 は,原 初 認 識 時 に お け る会 計 測 定 お よ び フ レ ッ シ ュ ・ス タ ー ト測 定 に お い て用 い られ る 際 に,公 正 価 値 を見 積 も る こ とに あ る。 い い か え れ ば,現 在 価 値 は,か. りに市 場 価 格,す. な わ ち公. 正 価 値 が存 在 す るな らば,市 場 価 格 を構 成 す る で あ ろ う諸 要 素 を総 体 的 に把 握 しよ う とす る もの で あ る糊. と して,公 正 価 値 測 定 にな か に,現 在 価 値 が包 摂 され る こ とが 記 述 さ れ. て い る。 した が って,FASB概. 念 報 告 書 第7号. で は,会 計 測 定 は 広 範 な 問 題 で あ り,測 定. に 関す る包 括 的 な再 検 討 は本 報 告 書 の範 囲 を こえ る と しな が ら も,公 正 価 値 に よ る測 定 の 内容 が扱 わ れ て い る とみ る こ とが で き る。 ス テ ィー ブ ン ソ ン は,FASB概. 念 報 告 書 第7号. の 原 初 認 識 時 また は フ レ ッシ ュ ・ス タ ー. ト測 定 に お け る現 在 価 値 を詳 細 に検 討 しな が ら,「 最 高 か つ 最 善 の利 用 ㈲」 な る概 念 に注 視 す る。 こ の最 高 か つ最 善 の 利 用 な る概 念 は,FAS第157号 つ に 相 当す る もの で あ る。FASB概. 念 報 告 書 第7号. を理 解 す るた め の 鍵 概 念 の一. に お い て は,「 キ ャ ッ シ ュ ・フ ロ ー の. 現 在 価 値 に 関す る実 体 の最 善 の見 積 りは,不 確 実 な キ ャ ッ シ ュ ・フ ロー の公 正 価 値 と必 ず し も一 致 しな い とい え よ う。 実 体 が実 現 ま た は支 払 を予 測 す る キ ャ ッ シ ュ ・フ ロー と他 の 市 場 参 加 者 の予 測 す る キ ャ ッシ ュ ・フ ロー とが 異 な る こ とに は,い. くつ か の理 由が あ る㈹」. と し,実 体 固有 の測 定 値 と して の現 在 価 値 は,必 ず し も公 正 価 値 に等 しい 関係 に な い こ と が 指 摘 さ れ て い る。 そ の 理 由 の一 つ に,「(a)実. 体 の経 営 者 は,他 の 市 場 参 加 者 が 予 想. す るよ うな利 用 ま た は処 分 の仕 方 とは異 な る方 法 を意 図す る こ とが あ る。 た とえ ば,他 の 市 場 参 加 者 で あ るな らば,あ る土 地 の最 高 かつ 最 善 の利 用 法 と して駐 車 場 を想 定 す る と し て も,経 営 者 は,そ の土 地 を ボ ウ リ ン グ場 と して 利 用 す る か も しれ な い㈱」 と し,現 有 資 産 に 関す る最 高 か つ最 善 の利 用 に つ い て は,実 体 の経 営 者 の考 え る ケ ー ス と市 場 参 加 者 の 想 定 す るケ ー ス が一 致 しな い場 合 を生 ず る こ とが あ げ られ て い る。 ス テ ィー ブ ン ソ ンの所 説 く46)に お いて は,現 有 資 産 の 最 高 か つ 最 善 の利 用 が,エ 一 致 す る と され る。 しか し,FASB概. 念 報 告 書 第7号. ドワー ズ ・ベ ル の 実 現 可 能 利 益 に. の 立 場 は,エ. ドワー ズ ・ベ ル の所 説. とは異 な って,市 場 参 加 者 の視 点 か ら現 有 資 産 を捉 え,資 産 の代 替 的利 用 に 関心 を お く も の で あ る。 した が って,FASB概. 念 報 告 書 第7号. 幽 乃 ノ砿par.25.同 上 訳 書,433頁 。 ㈹ K.M.Stevensonρ ρ.c".,p.145. ω FASB,ρ ρ.o".,par.32.平 松 一・ 夫,広 ㈹ 乃鼠 同 上 訳 。 ω6) K.M.Stevenson,gρ.6".,p.145.. 瀬 義 州 訳,前. 一304(950)一. に み られ る特 徴 と して,最 高 か つ 最 善 の. 掲 訳 書,436頁. 。.
(13) 会計上 のカ レン ト・バ リューの測定 をめ ぐる諸 問題(山 口) 利 用 な る概 念,市 場 参 加 者 の二 つ を あ げ る こ とが で き る。 ち な み に,エ. ドワー ズ ・ベ ル の. 所 説 は,実 体 を 中心 とす る視 点 か ら現 有 資 産 を捉 え,そ の資 産 価 値 測 定 を行 う もので あ る。 公 正 価 値 測 定 の た め の現 在 価 値 につ い て は,「 実 体 の経 営 者 に よ る予 測 は,有 用 か つ 有 益 で あ る こ とが少 な くな い が,資 産 お よ び負 債 の価 値 の最 終 裁 定 者 は市 場 で あ る。 公 正 価 値 を 目的 と した現 在 価 値 に よ る測 定 は,見 積 も りを含 ま ざる を え な い が,測 定 を行 う実 体 か ら独 立 して行 わ れ る。 そ の結 果,公 正 価 値 は,あ る実 体 と別 の実 体 とを比 較 す る た め の 中立 的 な基 盤 を提 供 す る。 … …原 初 認 識 に お け る測 定 ま た は フ レ ッ シ ュ ・ス タ ー ト測 定 を 行 う うえ で,公 正 価 値 は,資 産 ま た は負 債 の経 済 的特 徴 に 関す る最 も完 全 かつ 表 現 上 忠 実 な測 定 値 を 提 供 す る鯛. とさ れ る。 そ こで は,見 積 計 算 要 素 の容 認,実. 体 か ら独 立 して行. わ れ る現 在 価 値 測 定 が説 明 され て い る。 実 体 間 の比 較 の た め の 中立 性 の確 保 とい う視 点 か ら,現 在 価 値 測 定 は実 体 か ら独 立 して行 わ れ る こ とが望 ま しい とは い え,市 場 参 加 者 が常 に現 在 価 値 測 定 の た め の必 要 な 情 報 を入 手 で き る と は限 らな い。 そ こで,「 現 在 価 値 測 定 の 目的 と して公 正 価 値 を採 用 す る と して も,実 体 の予 測 に基 づ い た情 報 お よ び仮 定 を妨 げ る もの で は な い。 実 際 問題 と して,会 計 測 定 に キ ャ ッ シ ュ ・フ ロー を用 い る実 体 は,市 場 参 加 者 が資 産 ま た は負 債 の公 正 価 値 を評 価 す る さい の仮 定 の一 部 ま た は全 部 に 関 して ほ と ん どま た は 全 く情 報 を有 さ な い こ とが 多 い㈱」 と して,市 場 参 加 者 は 将 来 キ ャ ッシ ュ ・フ ロー に 関す る実 体 独 自の情 報 お よ び仮 定 を用 い る こ とが,反 証 の な い 限 り,認 め られ る こ と とな る。 ス テ ィー ブ ン ソ ンの所 説 は,公 正 価 値 を,情 報 の非 対 称 性 あ る い は機 会 の不 均 衡 が存 在 しな い 完 全 市 場 で 適 用 さ れ る価 格 で あ る とみ て 叫9>,公正 価 値 測 定 を 批 判 す る。 す な わ ち, 公 正 価 値 の論 者 に よ り,し ば しば観 察 可 能 な価 格 が公 正 価 値 の最 もよ い証 拠 で あ る と説 か れ るけ れ ど も,こ の説 明 は,大 部 分 の市 場 が不 完 全 で あ る こ とか ら,妥 当性 を欠 く根 拠 に な る とす る指 摘 が 行 われ て い るく5ω 。 ま た,彼. は,公 正 価 値 測 定 の 基 礎 にあ る資 本 と利 益 の. 概 念 は何 か とい う問題 が提 起 され る とす る61)。. 3.FAS第157号 FAS第157号. ㈲FASBρ ⑱. は,「 公 正 価 値 と は,. ρ,oノ'.,par,36.平. 乃 ノ 砿par.38.同. 忽9)K.M.Stevensonρ 6① 61)乃. 松 一 夫,. 上 訳 書,439頁. 測 定 日 に お け る市 場 参 加 者 間 の 通 常 の取 引 に よ って,. 広 瀬 義 州 訳,前 掲 訳 書,438頁. 。. μc".,p.146.. 翫 訊 ∫4. 一305(951)一. 。.
(14) 第56巻. 第2号. 資 産 の売 却 に よ り受 領 す る か も し くは 負 債 の 移 転 の た め に支 払 う価 格 で あ る剛. と定 義 す. る。 こ こに公 正 価 値 の主 要 な 内容 が,測 定 日現 在 に お け る市 場 参 加 者 間 で の通 常 の取 引, な らび に資 産 の売 却 も し くは負 債 の返 済 に 際 して受 け払 い され る価 格 に よ って表 現 さ れ て い る。 FAS第157号. の公 正 価 値 とそ の 測 定 に関 す る特 徴 に関 して は,差. しあ た り次 の ① か ら④. の 四 つ の点 を取 りあ げ,整 理 して み よ う。 ①. 取 引市 場. 取 引市 場 に は,入 口市 場 と出 口市 場 が あ る。FAS第157号 あ る と され,出. で は,取 引 市 場 は 出 口市 場 で. 口価 格 ア プ ロー チ が と られ て い る。 出 口市 場 は,実 体 の 関係 す る主 要 な市. 場 で あ る と され るが,主 要 な市 場 が存 在 しな い場 合 に は,最. も優 位 性 の あ る市 場 が前 提 と. され る(531。 ②. 市 場 参 加 者 の特 性. 市 場 参 加 者 は,資 産 も し くは負 債 に 関す る主 要 な市 場(あ. る い は最 も有 利 な市 場)の 買. 主 と売 主 で あ り,次 の条 件 を満 たす もの で あ る とす る岡。 (i)報 告 実 体 か ら独 立 して お り,報 告 実 体 に 関連 した 当事 者 で は な い こ と。 (11)資 産 あ るい は負 債,な. らび に あ らゆ る利 用 可 能 な情 報 に基 づ く取 引 につ い て合 理 的. な理 解 を もち,精 通 して い る こ と。 利 用 可 能 な情 報 に は,通 常 的 かつ 慣 習 的 に行 わ れ る正 当 に して不 断 の努 力 に よ り得 られ る情 報 が含 ま れ る。 ㈹. 資 産 も し くは 負債 の取 引 を行 う能 力 が あ る こ と。. ㈲. 資 産 も し くは 負債 の取 引 を行 う意 思 が あ る こ と。 す な わ ち,強 制 的 な もの で はな く, 自 らの意 思 で取 引 を行 うよ うに動 機 づ け られ て い る こ と。. ③. 資 産 の最 高 か つ最 善 の利 用. 資 産 の最 高 かつ 最 善 の 利 用 は資 産 の 公 正 価 値 の 測定 の た め に用 い る評 価 の前 提 で あ る闘。 つ ま り,評 価 の前 提 を選 択 す る基 礎 と して,最 高 か つ 最 善 の 利 用 な る概 念 が,FAS第157. 62FASB,ρ. ρ.c".,par.5.. (53>zわ'6孟,par.8. 主 要 な 市 場 と は,資 大 量 に 扱 い,ま. 産 の 売 却 あ る い は 負 債 の 移 転 を 行 う場 合 に,当. 該 資 産 あ る い は負 債 を最 も. た 最 も高 い 活 動 水 準 を 有 す る 市 場 を い う 。 最 も優 位 性 の あ る 市 場 と は,資. 却 あ る い は 負 債 の 移 転 を 行 う 場 合 に,市. 場 に お け る 取 引 コ ス トを 考 慮 に 入 れ て,資. 産 の売. 産 につ い て は. 受 領 金 額 の 最 大 化 と な る 価 格 に 基 づ く取 引 を,負 債 に つ い て は 支 払 金 額 の 最 小 化 と な る 価 格 に 基 づ く取 引 を 行 う こ と が で き る 市 場 を い う 。(翫 砿par.8.) (54)Zわ 此孟,par.10. ㈲. 乃 以,par.13,A6. -306(952)一.
(15) 会計上 のカ レン ト・バ リューの測定 をめ ぐる諸 問題(山 口) 号 に組 み 込 ま れ て い るの で あ る6励 。 最 高 か つ最 善 の 利 用 は,単 一 の 資 産 あ る い は資 産 グル ー プ の価 値 を最 大 化 す るた め の利 用 方 法 を い う。 ④. 公 正 価 値 測 定 の方 法. 資 産 の売 却 も し くは負 債 の決 済 に受 け払 い され る価 格 を求 め る場 合,こ. れ らの価 格 と市. 場 との 関 連 性 の 強 弱 の程 度 に応 じて,公 正 価 値 測 定 の階 層 が利 用 さ れ る㊤ の。 す な わ ち,公 正 価 値 測 定 に必 要 な イ ンプ ッ トが観 察 可 能 か否 か に よ って,三 つ の レベ ル が公 正 価 値 測 定 の 階層 と して設 定 され て い る。 まず 第 一 の レベ ル に は,活 発 な市 場 が存 在 し,そ こで取 引 され る同一 の資 産 ・負 債 の市 場 価 格 の適 用 が あ げ られ る。 つ ま り,市 場 価 格 は,上 場 さ れ て い る証 券,商. 品 の取 引価 格 で あ り,観 察 可 能 な もの と して扱 わ れ る。 つ い で第 二 の レベ. ル と して,類 似 した資 産 ・負債 の市 場価 格 の適 用 が あ げ られ る。 これ は,取 引 さ れ る資産 ・ 負債 の市 場 価 格 が利 用 可 能 で な い もの につ い て,そ れ と同 じよ うな他 の資 産 ・負 債 の市 場 価 格 を参 照 す る もの で あ る。 第 三 の レベ ル は,資 産 ま た は負 債 につ い て,観 察 不 能 な イ ン プ ッ トで あ り,多 様 な評 価 技 法 に よ る推 定 の適 用 で あ る。 市 場 価 格 を直 接 的 に観 察 で き な い場 合 に適 用 され る技 法 につ いて は,三 つ の評 価 技 法,す な わ ち マー ケ ッ ト ・ア プ ロー チ, イ ンカ ム ・ア プ ロー チ,コ ス ト ・ア プ ロー チ が説 明 され て い る囲。 公 正 価 値 概 念 は,元 来,法 律 上 の概 念 と して解 され て き た。 ペ イ トンの所 説 で は,市 場 価 値 と公 正 価 値 は 緊密 に リ ンクす る関係 が説 かれ,時 価概 念 が主 張 され た。 これ に対 して, FAS第157号. の公 正 価 値 概 念 は 市 場 価 格 に 限定 され て いな い。 公 正 価 値 測 定 の 第 三 の レベ. ル に み られ るよ うに,多 様 な評 価 方 法 に よ る推 定 が適 用 され,検 証 不 能 な評 価 方 法 が含 ま れ る。 こ こに,公 正 価 値 測 定 の 問題 点 が指 摘 され る こ と とな る倒。 公 正 価 値 に基 づ く財 務 情 報 に つ い て は,ウ. ィ ッテ ィ ン トンは,FAS第157号. の公正価値. 概 念 に 関す る二 つ の特 性 を指 摘 した うえ で,公 正 価 値 に基 づ く測 定 は,現 有 資 産 か ら流 入 す る予 測 的将 来 キ ャ ッ シ ュ ・フ ロー に 関 して,制 約 され た指 標 を あ らわす もの にす ぎ な い と説 く㈹。 こ こで 公 正 価 値 概 念 に関 す る二 つ の特 性 とは,(イ)公 の特 性 か ら非 実 体 固有 性 に 基 づ くも の で あ る こ と,(ロ)公. 正 価 値 は,市 場 参 加 者. 正 価 値 は取 引 コス トを考 慮 に. 入 れ な い こ と,こ れ ら二 つ で あ る。. (56)Zわ ノo孔,C37. (57)Zわ'6孟,pars.22-31. (58>Zわ ノo孔,par.18. 69)公. 正 価 値 測 定 に 関 す る 批 判 的 検 討 と し て,次 村瀬儀祐. の文 献 が あ げ られ る。. 「会 計 概 念 と し て の 公 正 価 値 」 『會 計 」 第174巻. ㊨①G.Whittington,op.cノ'.,p.192. -307(953)一. 第4号(平. 成20年10月),14-25頁. 。.
(16) 第56巻. 第2号. ス テ ィ ー ブ ン ソ ン の 所 説 ⑯1)にお い て は,FASB概. 念 ス テ ー トメ ン ト第7号. 完 全 市 場 を 前 提 と し た 考 え 方 で あ る と す る 。 こ れ に 対 して,FAS第157号 提 とす る考 え 方 に 関 す る実 践 的 限 界 を 認 め,出 て,公. 正 価 値 を べ 一 ス とす る会 計 は,い. の公 正 価 値 が は 完 全 市 場 を前. 口価 格 ア プ ロ ー チ を 適 用 し た と み る 。 そ し. か な る資 本 概 念 を考 え て い る の か とい う問題 が提. 起 さ れ て い る㊨2}。. 4.剥. 奪 価 値 概 念 の再 解 釈 説. フ ァ ン ・ジ ル と ウ ィ ッ テ ィ ン ト ンの 所 説 で は,剥. 奪 価 値概 念 と公正 価 値 概 念 が カ レン ト ・. バ リ ュ ー に 基 づ く測 定 で あ る こ と に 着 眼 点 を 置 き,剥. 奪 価 値 概 念 と公 正 価 値 概 念 の 調 和 を. 図 ろ う と す る 試 み が 行 わ れ て い る ㈹。 彼 ら に よ る 試 み は,一 価 値 概 念 に 関 す る解 釈(剥. 奪 価 値 説)を. 修 正 し,新. 公 正 価 値 概 念 の 内 容 に 関 す る詳 細 な 検 討 し て,公 わ れ る。 こ の 試 み に よ り,彼. ら の 所 説 は,報. 方 に お い て,従. 来 か らの剥 奪. た な 解 釈 を 主 張 す る 。 他 方 に お い て,. 正 価 値 に 修 正 を 加 え よ う とす る試 み が 行. 告 実 体(企. 業)の. カ レ ン トな 経 済 的 実 態 の 表. 現 が 可 能 と な る こ と を 提 示 し よ う とす る も の で あ る㈹。 フ ァ ン ・ ジ ル と ウ ィ ッ テ ィ ン ト ン の 所 説 で は,剥 い る と み る。 す な わ ち,報 tunities)の. 範 囲 内 で,現. で あ る{6励 。 こ の 前 提 は,企 rationality)を. 告 実 体(企. 業)は,利. 奪 価 値 概 念 に は,次. の前 提 が お か れ て. 用 可 能 な 経 済 的 機 会(economicoppor-. 有 資 産 の 価 値 を 最 大 化 す る よ う に 利 用 で き る と い う 前 提,こ 業 に よ る 経 済 的 機 会 の 選 択 に お い て,経. 済 的 合 理 性(economic. べ 一 ス とす る も の で あ る 。. ウ ィ ッ テ ィ ン ト ン は,剥. 奪 価 値 が,あ. ら ゆ る 利 用 可 能 な 特 定 の 経 済 的 機 会 を 考 慮 し,利. 潤 極 大 化 を 志 向 す る主 体 者 に よ っ て 採 用 さ れ る も の を 反 映 す る と し,剥. 奪 価 値 測 定 の もつ. 取 捨 選 択 的 性 質 の 妥 当 性 を 説 く(66)。 剥 奪 価 値 測 定 の も つ 取 捨 選 択 的 性 質 と は,取 (RC),正. れ. 味 実 現 可 能 価 値(NRV),使. 用 価 値(UV)の. の 観 点 か ら選 択 す る こ と に よ っ て,現. う ち,ど. 替原価. れ か一 つ を経 営 意 思 決 定. 有 資 産 の 評 価 が 行 わ れ る こ と を さす も の で あ る 。 し. ㊨1)K.M.Stevenson,gμ6".,p.148. ㈹. 金 融 商 品 の 時 価 評 価 に つ い て は,企. 業 の 継 続 を 前 提 と し た 「投 下 貨 幣 資 本 の 時 点 的 ・即 時 的 清. 算 を指 向 した清 算 貨 幣 資 本 維 持 」 と い う考 え方 が あ る。 武 田 隆 二,前 ㈹. 掲 書,73頁,681頁. 。. 剥 奪 価 値 説 と 剥 奪 価 値 概 念 に 関 す る 再 解 釈 説 に つ い て は,下 山 口忠 昭. 記 の拙 稿 が ベ ー ス と され て い る。. 「会 計 上 の 資 産 評 価 概 念 を め ぐ る 諸 問 題 一 剥 奪 価 値 説 と 剥 奪 価 値 概 念 の 再 解 釈 説 一 」. 『企 業 会 計 』 第61巻. 第3号(平. 成21年3月),88-95頁. 御VanZijl,T.andG.Whittington,op.cπ.,p.123. (65>zわ 此孟,p.124. ㊨6)G.Whittington,op.cπ.,p.192. -308(954)一. 。.
(17) 会 計 上 の カ レ ン ト ・バ リュ ー の測 定 を め ぐる諸 問題(山 た が っ て,剥. 口). 奪 価 値 測 定 に お け る取 捨 選 択 的性 質 は実 体 固有 性 を反 映 した もの に ほ か な ら. な い ㈹。 図 表1-3は,(a)三. つ の 財 務 的 測 定 概 念 に 基 づ く資 産 評 価 額 の 大 小 関 係,(b)フ. ジ ル と ウ ィ ッ テ ィ ン ト ン に よ っ て 再 解 釈 さ れ た 剥 奪 価 値(剥 従 来 の 解 釈 に 基 づ く剥 奪 価 値(剥 解 釈 に 基 づ く剥 奪 価 値(剥. 奪 価 値 説)を. 奪 価 値 説)は,図. 奪 価 値 概 念 の 再 解 釈 説),(c). 示 して い る㊨8>。 な お,こ. 表1-2で. ァン ・. こ で(c)従. 来 の. 示 さ れ た も の を さ して い る 。. 図 表1-3. (a)各 測 定 概 念 に基 づ く 資 産 評 価 額 の大 小 関係. ケース. (b)再 解釈 さ れ た剥 奪 価 値. (c)剥 奪 価 値. (1). NRV>UV>RC. NRV. RC. (2). NRV>RC>UV. NRV. RC. (3). UV>RC>NRV. RC. RC. (4). UV>NRV>RC. NRV. RC. (5). RC>UV>NRV. UV. UV. (6). RC>NRV>UV. NRV. NRV. フ ァ ン ・ジ ル と ウ ィ ッ テ ィ ン トン の 所 説 は,図 み ら れ るNRV>RCの. 状 況 に お い て,現. る と 主 張 す る 。 な ぜ な ら,NRV>RCの. 表1-3の(1),(2),(4>の3つ. のケ ースに. 有 資 産 に関 連 す る測 定 が 正 味 実 現 可 能 価 値 で あ よ う な 状 況 下 に お い て は,再. 開発 あ る い は配 置. 転 換 と い う経 済 的 機 会 を 実 行 に 移 す こ と に よ っ て 得 ら れ る こ と の で き る 潜 在 的 な 便 益 が, 正 味 実 現 可 能 価 値 の 適 用 に よ っ て 可 能 と な る か ら で あ る 。 か く て,現 能 価 値 に よ る測 定 は,公. 有 資 産 の正 味 実 現 可. 正 価 値 測 定 に 際 して前 提 を なす 最 高 かつ 最 善 の利 用 な る概 念 に 関. 連 す る も の と し て 捉 え ら れ る こ と と な る ㈱。 剥 奪 価 値 概 念 の 再 解 釈 説 と公 正 価 値 概 念 の 両 者 に,フ 所 説 は,関. 連 性 を 見 い だ し,そ. れ た 剥 奪 価 値 の 測 定 が,出 す る。 な ぜ な ら ば,図. ァ ン ・ジル とウ ィ ッテ ィ ン トンの. れ を 指 摘 す る。 そ の 指 摘 に よ る と,図. 表1-2の. 口価 格 ア プ ロ ー チ を と る 公 正 価 値 概 念 に 近 似 し た も の で あ る と. 表1-2の(1),(2),(4)の. ケ ー ス に つ い て は,NRVの. 適 用 に よ っ て,. 公 正 価 値 測 定 に 近 似 す る 測 定 概 念 が 用 い ら れ る か ら で あ る 。 彼 ら の 所 説 で は,公. 御. ち な み に,剥 正 価 値 は,市. 再解釈 さ. 正価値 に. 奪 価 値 が 実 体 固 有 性 を 基 礎 と す る 測 定 で あ る と い う特 徴 を 有 す る の に 対 し て,公 場 参 加 者 の 特 性 か ら非 実 体 固 有 性 に 基 づ く特 徴 を もつ 。(乃'広p.192.). ㈹VanZijl,T.andG.Whittington,op.cπ.,p.125. (69)zわ 此孟,p.126. -309(955)一.
(18) 第56巻. 取 引 コス トを加 算 す る こ とが主 張 され,さ. 第2号. らに公 正 価 値 測 定 の前 提 を なす 最 高 かつ 最 善 の. 利 用 な る概 念 か ら(3)・(5)のケ ー ス を再 定 義 す る こ とが 提 起 さ れ て い る㈹。 か くて,剥 奪 価 値 概 念 の再 解 釈 説 と公 正 価 値 は調 和 の方 向 に 向 か う とみ るの で あ る。 ス テ ィー ブ ン ソ ンの所 説 に お い て は,剥 奪 価 値 概 念 の再 解 釈 説 に 関す る 問題 点 と して, 次 の こ とが 指 摘 され て い る㈲。 第 一 は,会 計 上 の資 本 概 念 と利 益 概 念 が 明 確 さ に欠 け る こ とで あ る。 つ い で,再 開発 あ る い は配 置 転 換 とい う経 済 的機 会 の実 行 は,剥 奪 価 値 概 念 の も とで現 有 資 産 の価 値 を特 徴 づ け る もの で は な い こ とが指 摘 され て い る。. IVむ. す び に代 え て. 本 稿 で は,会 計 上 の カ レ ン ト ・バ リ ュー の測 定 の諸 問題 を考 察 す る た め に,1960年. 代か. ら2000年 代 初 頭 ま で の文 献 と所 説 が素 描 され,検 討 され た。 この検 討 の な か で,ス テ ィー ブ ン ソ ンの所 説 で は,会 計 上 の測 定 目的 と測 定 属 性 との 関連 性 を重 視 す る こ とが指 摘 さ れ て い る。 測 定 目的 と測 定 属 性 の 関連 性 を重 視 す る理 由 は,資 本 概 念 お よ び利 益 概 念 が測 定 目的 との 関連 で会 計 上 の フ レー ム ワー クを考 え ね ば な らな い とす る見 方 が と られ る こ とに あ る。 エ ドワーズ ・ベ ルの所 説 と剥 奪価 値説 の両者 は,歴 史 的原 価 に代 えて,カ レン ト ・バ リュー に基 づ く測 定 を主 張 す る理 論 で あ る。 この二 つ の所 説 で は,貸 借 対 照 表 上 の借 方 項 目の う ち,非 貨 幣性 資 産 に焦 点 を絞 り,カ レ ン ト ・バ リ ュー に基 づ く資 産 評 価 の意 義 が説 か れ て い る。 ス テ ィー ブ ン ソ ンに よ れ ば,こ れ ら二 つ の所 説 に は,会 計 上 の測 定 目的 と測 定 属 性 との 関連 性 が 明確 で あ る と され る。 す な わ ち,会 計 上 の フ レー ム ワー クは,資 本 概 念 お よ び利 益 概 念 が 測 定 目 的 との 関 連 で 捉 え られ,構 成 され て い る の で あ る。 これ に対 して, FASB概. 念 報 告 書 第7号,FAS第157号,剥. 奪 価 値 概 念 に 関す る再 解 釈 説 に は,会 計 上 の. 測 定 目的 と測 定属 性 との 関連 性 が 明確 に され て いな い とす る指 摘 が行 わ れ る。 この指 摘 に, ス テ ィー ブ ン ソ ンに よ る所 説 の特 徴 を見 い だす こ とが で き る。 現 在 の会 計 モ デ ル は,原 価 と時価 の混 在 ス タ イ ル と して捉 え られ る こ とが で き る。 こ こ に,ス テ ィー ブ ン ソ ンの指 摘 に み られ るよ うに,会 計 上 の測 定 目的 な らび に資 本 概 念 と利 益 概 念 を どの よ うに理 解 す る か とい う点 が,常 に古 き に して新 しい 問題 と して提 起 さ れ る こ と とな る。. σ①Zわ. 此孟,p.128.. σ1)K.M.Stevenson,gμ6".,p.149.. 一310(956)一.
(19) 会 計 上 の カ レ ン ト ・バ リュ ー の測 定 を め ぐる諸 問題(山. 参. Bonbright,J.C.[1937]:窃. 考. 文. 口). 献. θ 陥1〃α"oη{ゾPrρ ρ8吻(Vol.1),TheMichieCompany,Virginia,. Reprinted1965. Edwards,E.0.andP.W.Bell[1961]:7物. θ 窃 θoワ αη4読. UniversityofCaliforniaPress.中 計 算 』 日本 生 産 性 本 部,昭. 西寅雄監修 和39年. α5〃7θ 耀 η'げB〃 珈 θ∬ 加co耀,Berkeley,. 伏 見 多 美 雄,藤. 森三男訳編. 『意 思 決 定 と 利 潤. 。. FASB[1984]:StatementofFinancialAccountingConceptsNo.5RecognitionandMeasurement inFinancialStatementsofBusinessEnterprises,1984,8'α'8〃2θ. 濡qプF'η. Coη6`ア'3,JohnWiley&Sons,NewYork,2000.平 の 諸 概 念 』(増 補 版)中 FASB[2000]:8'α'α. 央 経 済 社,平. 松 一 夫,広 成14年. 諸 概 念 」(増 補 版)中 FASB[2006]:Fα. 央 経 済 社,平. 〃2ε 薦,FASB.平 成14年. 『FASB財. 務会計. 。. ηθη'ρプF'ηαηo'α1!10co粥 伽gCoη6(勿8八b.7硫'ηgCα. Prε3εη'陥1〃 θ'η オ600襯"ηg漉03〃rε. αηo'α1オ600〃η枷g. 瀬義 州訳. 松 一 夫,広. 訥Flow.聯or御 瀬義州訳. 『FASB財. α"oη αη4 務会計 の. 。. か 晦1〃θ 娩 α8〃r卿8漉8,StatementofFinancialAccountingStandardsNo.157.. Gynther,R.S.[1986]:WhyUseGeneralPurchasingPower?,inR.H.Parker,G.C. Harcourt,G.Whittington,(eds.),R6α4ノ. ηg∫∫ η 伽Coη. α勿 αη4読. α3〃 γ翻6η'(ゾ 伽o溺. θ,Philip. Allan,Oxford. Paton,W.A.[1946]:CostandValueinAccounting,窃. θ 力 〃Fη01(ゾ ォ060襯. αηα,March1946.. Stevenson,K.M.[2007]:FairValue:theRightMeasurementBasis?AnAustralianPerspective, inP.Walton(ed.),翫R傭1α. なθCo脚. Taggart,H.F.[1964]:Pα'oηoη. α伽 η'01zα 〃 晦1〃θ αη4F'η αηc'α1R(ψo痂gRoutledge.. 』cco〃η'加g8θ1θc'θ4w∫'加g3(ゾW.A.Paton,TheUniversityof. Michigan. VanZijl,T.andG.Whittington[2006]:DeprivalValueandFairValue:AReinterpretation andaReconciliation,.4cco〃. η'加gα η4、8〃3加θ∬Rθ3θ ακ 乃,VoL36.No.2.. Walton,P.[2007]:NatureofFairValue,inP.Walton(ed.),7乃. θRoπ'1θ㎏ θCo耀 ρ傭oη'oFα. か. 陥1〃θ αηげF'η αηdα1R(毫ρo厩 ηgRoutledge. Whittington,G.[2007]:AlternativetoFairValue,inP.Walton(ed.),窃. θRo〃'1ε4gθCo〃1-. Pαηノoη'01㌃1か 晦1祝6α η4F∫ ηαηc'α1・ 飽 ρoπ加gRoutledge. 浦 崎 直 浩[2008]:「. 公 正 価 値 測 定 と そ の 信 頼 性 」,友 杉 芳 正,田. 性 」 税 務 経 理 協 会,平 遠 藤 久 夫[1969]:「 44年,所. 成20年,所. エ ドワ ー ズ=ベ. 中 弘,佐. 藤倫正編. 『財 務 情 報 の 信 頼. 収。 ル提 案 の位 置 」 江 村 稔 編. 『変 動 期 の 現 代 会 計 』 中 央 経 済 社,昭. 和. 収。. 興 津 裕 康[2002]:「. 取 得 原 価 と時価 」. 興 津 裕 康[2006]:「. 現 代 会 計 の 論 点 一 原 価 と 時 価 の 混 在 す る 会 計 を 考 え る 」 『企 業 会 計 』 第58巻. 号(平. 岸悦三編. 『近 代 会 計 の 思 潮 』 同 文 舘,平. 成14年,所. 収。 第11. 成18年11月)。. 金 子 康 則[2009]:『. 公 正 価 値 会 計 の 実 務 』 中 央 経 済 社,平. 武 田 隆 二[2001]:「. 会 計 学 認 識 の 基 点 」 『企 業 会 計 』 第53巻. 武 田 隆 二[2008]:『. 最 新 財 務 諸 表 論 』(第11版)中. 峯 村 信 吉[1977]:『. 財 務 諸 表 の 基 礎 理 論 』 中 央 経 済 社,昭. 村 瀬 儀 祐[2008]:「. 会 計 概 念 と し て の 公 正 価 値 」 『會 計 』 第174巻. 山 口 忠 昭[1994]:『. 物 価 変 動 会 計 論 』 同 文 舘,平. 山 口 忠 昭[2007]:「. 会 計 上 の価 値 概 念 に 関 す る考 察. 第53巻. 第3号(平. 山 口 忠 昭[2008]:「 第2号(平. 成21年. 央 経 済 社,平. 成6年. 。. 第1号(平. 和52年. 成20年. 成13年1月)。 。. 。 第4号(平. 成20年10月)。. 。 ペ イ トンの 所 説 を 中心 と して. 」 「商 経 学 叢 』. 成19年3月) 会 計 上 の 価 値 概 念 に 関 す る 再 検 討 一 剥 奪 価 値 と 公 正 価 値 一 」 『商 経 学 叢 』 第55巻. 成20年12月)。. 一311(957)一.
(20) 第56巻. 山 口忠 昭[2009]:「. 第2号. 会計 上 の資 産 評 価 概 念 を め ぐる諸 問題 一 剥 奪 価値 説 と剥 奪 価 値 概 念 の 再解 釈 説 一 」. 「企 業 会 計 』 第61巻 第3号(平. 成21年3月)。.
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