IRUCAA@TDC : 義歯用軟質裏装材の機械的性質に関する実験的研究
全文
(2) 3 9. 原. 著. 義歯用軟質裏装材の機械的性質に関する実験的研究. 武藤功英. 山倉大紀. 岸. 正孝. 抄録:本研究の目的は長期間使用できると思われる. れている軟質裏装材には様々なものがあり,その機. 軟質裏装材の機械的性質を調べるとともにその適用. 械的性質の違いが床下粘膜の負担圧の分散にどのよ. 方法を明らかにすることである。軟質裏装材の機械. うな影響を与えるかについては不明な点が多い。. 的性質を調査するために JIS T6 5 2 0に準拠した試験. 軟質裏装材の機械的性質については,落合ら1)に. を行い,また被圧変位量からみかけの弾性率を求め. よる1 0 0%引張り応力,伸び,引張り強度,引裂強. た。さらに,二次元有限要素法解析を用いて義歯床. 度,2 5%低伸長応力および硬度の比較検討,日高2). 下組織の応力分布について調査を行った。. の,引張り試験およびずり試験による接着強さ,ひ. 試験結果より市販の軟質裏装材は JIS6 5 2 0の分類. ずみ%,みかけの弾性率の経時的変化および機械的. でタイプはBとC,クラスはⅠとⅡのそれぞれの組. 性質に及ぼす材料の厚さの影響についての報告,篠. み合わせが認められた。. 原ら3)の引張りひずみによる応力緩和試験による軟. 被圧変位量の試験結果から,軟質裏装材のみかけ. 質裏装材の経時的な物性変化についての報告がみら. の弾性率はタイプBで4 6MPa∼1 3 0MPa,タイプC. れる。しかしながらいずれも軟質裏装材の引張りに. で7MPa∼7 0MPa と推定された。. 対する機械的性質の調査である。また,圧力センサ. 二次元有限要素法解析から,軟質裏装材の弾性率. や加速度振動計またはクリープメーターを用いての. が軟組織の弾性率と近似した場合に義歯床下組織の. 加圧下における報告4∼10),さらに有限要素法を用い. 応力分布が減少した。. た応力解析の報告11∼17)や臨床研究18)は多くあるもの. 以上より義歯床下組織の応力緩和には粘膜の弾性. の,実際に軟質裏装材が使用される状況すなわちレ. 率に近似した軟質裏装材を応力集中の範囲に部分的. ジン床と床下粘膜の間で圧縮応力が生じる状況での. に用いることが効果的であることが示唆された。. 検討については明らかにされていない。 他方,軟質裏装材には,義歯床用短期弾性裏装材. 緒 言. JIS T6 5 1 9お よ び 義 歯 床 用 長 期 弾 性 裏 装 材 JIS T. 顎堤および粘膜の条件から,通常のレジン床義歯. 6 5 2 0の日本工業規格が存在する。しかし,長期間の. では床下粘膜の部分的な過剰圧迫により十分な負担. 使用を目的として市販されているほとんどの軟質裏. 能力の回復が得られない場合,義歯床基底面に軟質. 装材には,規格されているタイプおよびクラスの表. 裏装材を応用することがある。しかし,現在市販さ. 示が明記されていないために個々の材品の機械的性 質が不明である。また,これら軟質裏装材の適用方 法についても不明な点が多い。. キーワード:軟質裏装材,機械的性質,弾性率 東京歯科大学大学院歯学研究科歯科補綴学第三講座 (主任:岸 正孝教授) (2 0 0 4年1 1月2 5日受付) (2 0 0 4年1 2月2 4日受理) 別刷請求先:〒2 6 1 ‐ 8 5 0 2 千葉市美浜区真砂1−2−2 東京歯科大学歯科補綴学第三講座 武藤功英. 本研究の目的は,長期間使用できると思われる軟 質裏装材の機械的性質を調べると共にその適用方法 を明らかにすることである。そこでまず軟質裏装材 の機械的性質を調査するために JIS T6 5 2 0に準拠し た試験を行い,また被圧変位量からみかけの弾性率 ― 39 ―.
(3) 4 0. 武藤, 他:軟質裏装材の機械的性質に関する研究. を求めた。さらに,二次元有限要素法解析を用いて 義歯床下組織の応力分布について調査を行った。. 実験方法 1.針入深さ試験 1)試料の作製 試料として現在市販されている軟質裏装材から, 長期間の使用を目的とするものとしてソフリライ ナーミディアムソフトおよびソフリライナースー パーソフト(トクヤマデンタル社製,以下 SFM お 図1. よび SFS と略す) ,ソフテン(亀水化学工業社製,. 測定部位. 以下 SOF と略す) ,ティッシュテンダー(亀水化学 工業社製, 以下 TIS と略す) ,バイオライナー(ニッ. 水及び可塑剤の溶出による劣化を防ぐことを目的と. シン社製,以下 BIO と略す) の5種類,さらに,義. して,2 0±1℃湿度4 0%に調整された大気中に保管. 歯床用短期弾性裏装材の中でも比較的長期間の使用. した。. が可能と判断されたものとして,ジーシーリライン. 2)測定方法. ソフト,ジーシーリラインエクストラソフトおよび. JIS T6 5 2 0に従い,直径1mm の円柱形の針が固. ジーシーリラインウルトラソフト(ジーシー社製,. 定されたプランジャにより試料に荷重を加えた。針. 以下 GCS,GCE および GCU と略す) の3種類の計. と プ ラ ン ジ ャ の 合 計 質 量 を1 0 0±5gと し た。ま. 8種類を選択した(表1) 。. た,プランジャとダイヤルゲージとをどの垂直位置. 試料は室温2 0±1℃,湿度4 0±1 0%に調整された. にも止められる固定装置を付与した。. 恒温恒湿室の中で,直径3 0±1mm,深さ4±0. 5. JIS T6 5 2 0に記載されている測定時間は2 4時間後. mm の凹型をもつ石こう型にそれぞれの裏装材を注. と2 8日後(6 7 2時間後) の2回のみであり,これでは. 入し硬化させた。1種類につき3個の試料を作製し. 試料がどのような変化を示すのかは不明である。そ. た。また試料の保管方法に関して JIS T6 5 2 0は,3 7. こで,練和開始から1時間・3時間・6時間・1 2時. ±1℃の水中に保管し7日ごとに水を取り替えると. 間・2 4時間・4 8時間・7 2時間・1 6 8時間(7日) ・3 3 6. 記載されている。日高2)は3 7℃大気中放置試料およ. 時 間(1 4日) ・5 0 4時 間(2 1日) ・6 7 2時 間(2 8日) 後に. び人工唾液浸漬試料の機械的性質の経時的変化を9 0. JIS T6 5 2 0に従い,5秒間針入深さおよび3 0秒間針. 日間行い,3 7℃大気中放置試料より人工唾液浸漬試. 入深さを1試料につき5部位(図1) を対象として測. 料のほうが経時的に機械的性質の変化が大きかった. 定した。その平均値を各試料の計測値とし,3個の. と報告している。そこで今回は,各軟質裏装材の吸. 試料の測定値の平均を各軟質裏装材の針入深さとし. 表1. 実験に用いた軟質裏装材. 軟質裏装材. 製造会社. ソフリライナーミディアムソフト ソフリライナースーパーソフト ソフテン ティッシュテンダー バイオライナー ジーシーリラインソフト ジーシーリラインエクストラソフト ジーシーリラインウルトラソフト. 株式会社トクヤマ 株式会社トクヤマ 亀水化学工業株式会社 亀水化学工業株式会社 株式会社ニッシン 株式会社ジーシー 株式会社ジーシー 株式会社ジーシー ― 40 ―. 材. 質. シリコーン シリコーン アクリル アクリル アクリル シリコーン シリコーン シリコーン. 略. 号. SFM SFS SOF TIS BIO GCS GCE GCU.
(4) 歯科学報. Vol.1 0 5,No.1(2 0 0 5). 4 1. た。. 計を取り付けて行った。加圧桿の直径は3mm,針. 3)実験結果の評価方法. とプランジャの合計質量を1 0 0±5gとしてプラン. JIS T6 5 2 0に従い,タイプ・クラスを分類し,さら. ジャにより試料に荷重を加えた。 変位計には宮下ら19)が考案した抵抗線歪みゲージ. に変化率を求めた。 タイプ分類は,2 4時間後の5秒間針入深さ(以下. を応用した被圧変位測定装置を用いた。変位計から. P1)が0. 2 0mm≦P1<0. 4 0mm をタイプA, 0. 4 0mm. の出力は動歪増幅器(共和電業社製:DPM-6 1 1A) を. ≦P1<0. 8 0mm を タ イ プB,0. 8 0mm≦P1<2. 5 0. 介してサーマルドットレコーダ(NEC 三栄社製:. mm をタイプCとした。. Omniace RT3 4 2 4) により記録した。これらの記録. クラス分類は,2 4時間後の3 0秒間針入深さ(以下. はパーソナルコンピュータを用いて,波形解析ソフ. P2)とP1との針入深さ比(以下R) をR=P2/P1と. ト(オムニ Win RT3 4 ‐ 7 0 4 Ver.2. 2) によりデータ解. し,R≦1. 1 0をクラスⅠ,1. 1 0<R≦1. 7 5をクラス. 析を行った。またゲージの初期不平衡を考慮し,予. Ⅱとした。. め0. 1∼0. 2V程度の出力を示す状態とした。なお,. 変化率(以下D)は,2 8日後の5秒間針入深さ(以. 変位計の較正にあたってはマグネスケール(ソニー. 下P3) とP1に対する変化率を, D={ (P1−P3) /P1}. マグネスケール社製:LY-1 0 1) を用い,3 0 0 0μmm. ×1 0 0によって求めた。. の測定時の誤差が±7 0μmm 未満であることを確認. 2.ゴム硬度の測定. した。. 1)試料の製作. 測定は練和開始から1時間後,2 4時間後,4 8時間. 試料は室温2 0±1℃,湿度4 0±1 0%に調整された. 後の3回とし,荷重開始から9 0秒間の被圧変位量の. 恒温恒湿室の中でメーカー指示どおりに練和した. 測定を0. 5秒のサンプリングで測定した。1試料に. 後,二枚のガラス板の間に直径6mm,3mm のア. つき図1に示す5部位で測定し,その平均値を各試. クリル棒をそれぞれ介在させ圧接し硬化させた。気. 料の計測値とした。3個の試料の計測値の平均を各. 泡が無い部分から縦3 0mm,横4 0mm の板状に形成. 軟質裏装材の被圧変位量とした。1回の測定の測定. した。1種類につき2個の試料を作製した。また試. 間隔は3 0秒間とした。. 料の保管は大気中とした。. 3)みかけの弾性率 荷重開始0. 5秒後の被圧変位量より各裏装材のみ. 2)測定方法 試料の練和1時間後に,ゴム硬度計(テクロック. かけの弾性率を以下の式より求めた。 E=σ/ε. 社製,GS-7 0 1) を試料の中央に押針が垂直になるよ うに保持して,可及的に静かにかつ一定の速度で,. (E:みかけの弾性率, σ:垂直応力, ε:ひずみ). 加圧面を試料面に軽く密着(約1Kgf) させた時の硬. このとき垂直応力はσ=P/Aより求め. 度表示を読みとった。1試料につき5回測定し,そ. (P:圧縮荷重,A:試料の面積). の平均値を各試料の計測値とし,2個の試料の計測. またひずみはε=ΔL/Lより求めた。. 値の平均を各軟質裏装材の硬度とした。測定の間隔 は3 0秒間とした。. (ΔL:0. 5秒後の被圧変位量,L:試料の厚さ) 4.軟質裏装材の緩衝効果に関するシミュレーショ. 3.被圧変位量の測定. ン. 1)試料の作製. 1)実験モデルの構成. 測定対象材料は,針入深さ試験より得られた結果. 本研究の解析モデルとして,下顎臼歯部の無歯顎. からタイプB・クラスⅠの GCS,タイプC・クラ. 堤にレジン床義歯が装着された状態の前頭断面を想. スⅠの SFS,タイプB・クラスⅡの SOF,タイプ. 定した。まず,基準モデルとして,下顎骨,顎粘. C超・クラスⅡの TIS,以上4種類とした。試料の. 膜,レジン床義歯からなり,左右対称で単純な形態. 作製は針入深さ試験と同じ作製方法で行った。. をした二次元有限要素解析モデルを構築した(図. 2)測定方法. 2) 。基準モデルにおいては,歯槽骨の頬舌側断面. 被圧変位量の測定は,針入深さの測定装置に変位. は歯槽頂に向かって骨面の傾斜が漸増し,さらに歯. ― 41 ―.
(5) 4 2. 武藤, 他:軟質裏装材の機械的性質に関する研究 表2 対. 象. レジン床 粘 膜 顎 骨 軟質裏装材. 材料定数. 弾性率(MPa). ポアソン比. 2, 5 0 0 1 2 0, 0 0 0 1/7/7 0/1 3 0. 0. 3 0. 3 0. 3 0. 4 9. 装材を,義歯床基底面に床辺縁部を除く中央部のみ にそれぞれ幅2mm,7mm および1 0mm 裏装した モデル(図4∼6) を,それぞれ部分裏装モデル1 ‐ 1,2 ‐ 1および3 ‐ 1 (以下P1 ‐ 1モデル,P2 ‐ 1モデルお 図2. 基準モデル. よびP3 ‐ 1モデルと略す) 。垂直方向に厚さ2mm の 軟質裏装材を,義歯床基底面に辺縁部を除く中央部. 槽骨に垂直方向の粘膜厚径が一定な顎粘膜に被覆さ. のみに幅2mm,7mm および1 0mm 裏装したモデ. れ,粘膜に義歯が適合している。このモデルを用い. ル(図4∼6) を,それぞれ部分裏装モデル1 ‐ 2,2 ‐ 2. て二次元平面応力問題として解析を行うべく要素定. および3 ‐2(以下P1−2モデルP2 ‐ 2モデルおよび. 義を行った。なお,実験モデルを構成する各要素の. P3 ‐ 2モデルと略す) 。以上の合計8種類の条件モデ. 1 1∼1 7). 物性値は従来の報告. を参考とし,表2に示す値. ルを構築した。なお,拘束条件はモデルの底面(顎. とした。. 骨下面) を全方向拘束した。また,軟質裏装材の弾. 2)条件モデル. 性率はみかけの弾性率の最小値7MPa,最大値1 3 0. 軟質裏装材の応力緩和効果を検討するために,基. MPa,またその中間値7 0MPa,および粘膜の弾性. 準モデルに対して,設計変更を行った条件モデルを. 率と同じ1MPa の合計4種類を設定した。. 作製した。. 3)解析方法. 基準モデルに対して,軟質裏装材を義歯床基底面. 有 限 要 素 法 モ デ ル の 解 析 は,パ ー ソ ナ ル コ ン. 全面に垂直方向に厚さ1mm 裏装したモデル(図3). ピュータ上で,汎用有限要素法プログラム・COS-. を全面裏装モデル1(以下F1モデルと略す) 。軟質. MOS/M Ver.1. 7 5A(SRAC 社/横河技術情報社製). 裏装材を義歯床基底面全面に垂直方向に厚さ2mm. により実行した。荷重条件は咬合面中央部に1 0Nの. 裏装したモデル(図3) を全面裏装モデル2(以下F. 垂直荷重とした。なお解析条件としては線形解析を. 2モデルと略す) 。垂直方向に厚さ1mm の軟質裏. 採用し,静的解析を行った。基準モデルに対する条. 図3. 軟質裏装材を義歯床基底面に全面裏装したモデル. 図4 ― 42 ―. 軟質裏装材を義歯床基底面に幅2mm 部分裏装した モデル.
(6) 歯科学報. 図5. Vol.1 0 5,No.1(2 0 0 5). 軟質裏装材を義歯床基底面に幅7mm 部分裏装した モデル. 図6. 4 3. 軟質裏装材を義歯床基底面に幅1 0mm 部分裏装した モデル. の2種類のみであった。 ". 試料のタイプおよびクラス 表4に示すように,SFS はタイプ C の範囲を超. えていた。また,試料の中にタイプ A は存在しな かったが,クラスはⅠおよびⅡが存在した。また材 質別にクラス分類を行うと,クラスⅠは全てシリ コーン系の軟質裏装材,クラスⅡは全てアクリル系 の軟質裏装材であった。 2)ゴム硬度の測定結果 図7. ゴ ム 硬 度 の 測 定 結 果 を 表5に 示 す。SFM,G-. 応力評価部位. CS,GCE および GCU とも試料の厚さ6mm に対 して厚さ3mm はいずれも8%∼2 0%ゴム硬度が大 件モデルの応力値の比較を行うため,図7に示す顎. きく測定された。なお,SFS は軟らかすぎるため. 骨表層部の節点から1 1ヶ所を評価部位とした。これ. に,また,SOF,TIS および BIO はいずれも荷重. ら の 節 点 に お け る Von Mises 相 当 応 力 を 算 出 し. に際して,硬度計の指示値が時間の経過に従って低. た。. 下する(著しい塑性変形を伴う) ために測定が困難で あった。. 実験結果. 3)被圧変位量の測定結果 !. 1)針入深さ試験結果 !. 被圧変位量の経時的変化 被圧変位量の測定結果を図8に示す。この図は縦. 針入深さの経時的変化 表3に示すように,いずれの試料においても練和. 軸に変位量(プランジャの沈下量) を,横軸は荷重後. 後の時間経過に伴って針入深さの減少を示した。ま. の経過時間を示している。まず,図8 ‐ 1に示す GCS. た,クラスⅠに属する SFM,SFS,GCE,GCS,GCU. (タイプB・クラスⅠ) の練和1時間後における被圧. では,5秒間針入試験と3 0秒間針入試験とで計測値. 変位量は,荷重1秒後に0. 1 2mm の変位を示した。. にほとんど差異が認められないのに対して,クラス. その後は3 0秒後で0. 1 2mm,6 0秒後で0. 1 2mm,9 0. Ⅱである SOF,TIS,BIO では5秒間針入試験の計. 秒後で0. 1 2mm とその変位量は加圧時間の経過に対. 測値に対して,3 0秒間針入試験の計測値が明らかに. して変化は認められなかった。また練和1時間後, 2 4. 大きいことが認められた。針入深さの変化率につい. 時間後および4 8時間後とも変位量に若干の差がある. ては変化率が2 0%以下の材料 は GCS お よ び GCU. ものの同様の傾向を示した。. ― 43 ―.
(7) 4 4. 武藤, 他:軟質裏装材の機械的性質に関する研究 表3. 針入深さ試験の測定結果 表3 ‐ 1 5秒間. (単位:mm. n=3). 時間(h). SFM. SFS. SOF. TIS. BIO. GCS. GCE. GCU. 1 3 6 1 2 2 4 4 8 7 2 1 6 8 3 3 6 5 0 4 6 7 2. 1. 6 7±0. 1 2 1. 6 5±0. 1 2 1. 6 7±0. 0 9 1. 6 0±0. 0 9 1. 6 2±0. 0 5 1. 5 8±0. 0 7 1. 5 7±0. 1 0 1. 1 0±0. 0 7 1. 0 3±0. 0 3 1. 0 5±0. 0 8 1. 0 2±0. 0 7. 3. 4 1±0. 1 5 3. 3 4±0. 1 7 3. 3 5±0. 1 9 3. 3 4±0. 1 7 3. 3 1±0. 1 0 3. 2 3±0. 1 9 3. 1 0±0. 2 3 2. 0 1±0. 3 3 1. 5 9±0. 0 4 1. 5 3±0. 0 7 1. 5 3±0. 0 4. 0. 8 7±0. 0 3 0. 8 9±0. 0 5 0. 7 9±0. 0 5 0. 7 5±0. 0 4 0. 7 8±0. 0 1 0. 7 0±0. 0 3 0. 6 4±0. 0 7 0. 5 5±0. 0 1 0. 4 3±0. 0 4 0. 3 7±0. 0 3 0. 3 3±0. 0 2. 2. 9 9±0. 0 9 2. 5 5±0. 1 0 2. 3 1±0. 0 3 1. 8 8±0. 0 1 1. 5 0±0. 0 8 1. 2 1±0. 0 8 1. 1 2±0. 0 1 0. 9 9±0. 0 4 0. 8 5±0. 0 1 0. 8 0±0. 0 5 0. 7 8±0. 0 5. 0. 6 9±0. 0 1 0. 6 8±0. 0 5 0. 6 3±0. 0 6 0. 6 4±0. 0 5 0. 6 0±0. 0 7 0. 5 5±0. 0 8 0. 4 9±0. 0 4 0. 4 3±0. 0 5 0. 3 8±0. 0 5 0. 3 7±0. 0 5 0. 3 5±0. 0 5. 0. 5 1±0. 0 2 0. 5 3±0. 0 3 0. 4 9±0. 0 3 0. 4 6±0. 0 4 0. 4 6±0. 0 6 0. 4 7±0. 0 4 0. 5 0±0. 0 3 0. 4 0±0. 0 6 0. 3 7±0. 0 3 0. 4 4±0. 0 1 0. 4 1±0. 0 2. 1. 1 5±0. 1 6 1. 1 5±0. 1 6 1. 1 4±0. 1 4 1. 1 3±0. 1 1 1. 1 2±0. 1 4 1. 0 7±0. 0 8 1. 0 4±0. 1 1 0. 9 8±0. 0 9 0. 9 2±0. 0 8 0. 9 5±0. 0 2 0. 8 8±0. 0 4. 1. 9 2±0. 1 0 1. 8 7±0. 0 8 1. 9 2±0. 0 5 1. 8 7±0. 1 0 1. 8 0±0. 1 3 1. 7 6±0. 1 0 1. 7 8±0. 0 2 1. 8 4±0. 0 2 1. 7 6±0. 0 3 1. 7 6±0. 0 5 1. 7 5±0. 0 4. 変化率. 3 6. 5 7. 5 3. 8 0. 5 7. 7 0. 4 8. 1 5. 4 1. 3 5. 1 0. 0 4. 2 1. 2 1. 2. 5 1. 表3 ‐ 2 3 0秒間. (単位:mm. n=3). 時間(h). SFM. SFS. SOF. TIS. BIO. GCS. GCE. GCU. 1 3 6 1 2 2 4 4 8 7 2 1 6 8 3 3 6 5 0 4 6 7 2. 1. 7 2±0. 1 2 1. 6 9±0. 1 2 1. 7 0±0. 0 9 1. 6 4±0. 0 9 1. 6 5±0. 0 5 1. 6 2±0. 0 7 1. 6 0±0. 1 0 1. 1 2±0. 0 6 1. 0 4±0. 0 2 1. 0 7±0. 0 8 1. 0 4±0. 0 7. 3. 4 5±0. 1 5 3. 3 9±0. 1 8 3. 4 1±0. 2 0 3. 3 9±0. 1 7 3. 3 7±0. 0 9 3. 3 1±0. 1 9 3. 1 7±0. 2 2 2. 0 8±0. 3 2 1. 6 3±0. 0 4 1. 5 8±0. 0 7 1. 5 7±0. 0 4. 1. 3 3±0. 0 3 1. 3 3±0. 0 6 1. 2 2±0. 0 6 1. 1 4±0. 0 4 1. 1 4±0. 0 2 1. 0 2±0. 0 4 0. 9 5±0. 0 8 0. 8 6±0. 0 2 0. 7 5±0. 0 5 0. 7 1±0. 0 4 0. 6 7±0. 0 4. 3. 7 5±0. 1 1 3. 6 3±0. 0 9 3. 3 1±0. 0 1 2. 6 8±0. 0 3 2. 0 9±0. 1 0 1. 6 6±0. 0 9 1. 5 2±0. 0 2 1. 3 5±0. 0 4 1. 2 1±0. 0 1 1. 5 5±0. 0 5 1. 1 3±0. 0 5. 1. 0 7±0. 0 2 1. 0 6±0. 0 6 1. 0 0±0. 0 7 1. 0 1±0. 0 8 0. 9 3±0. 1 0 0. 9 5±0. 1 0 0. 9 1±0. 0 6 0. 8 5±0. 0 6 0. 8 0±0. 0 7 0. 7 7±0. 0 8 0. 7 7±0. 0 7. 0. 5 2±0. 0 2 0. 5 2±0. 0 2 0. 4 8±0. 0 3 0. 4 7±0. 0 6 0. 4 6±0. 0 6 0. 4 7±0. 0 4 0. 5 0±0. 0 3 0. 4 0±0. 0 6 0. 3 7±0. 0 3 0. 4 4±0. 0 1 0. 4 1±0. 0 2. 1. 1 7±0. 1 8 1. 1 7±0. 1 8 1. 1 4±0. 1 4 1. 1 3±0. 1 1 1. 1 2±0. 1 3 1. 0 7±0. 0 9 1. 0 5±0. 1 1 0. 9 2±0. 1 6 0. 9 3±0. 0 8 0. 9 5±0. 0 2 0. 8 8±0. 0 4. 1. 9 4±0. 1 0 1. 8 8±0. 0 8 1. 9 4±0. 0 5 1. 8 9±0. 1 0 1. 8 1±0. 1 2 1. 7 8±0. 1 0 1. 8 2±0. 0 5 1. 8 6±0. 0 2 1. 7 8±0. 0 3 1. 7 8±0. 0 5 1. 7 6±0. 0 4. 表4. P1値 タイプ R値 クラス. 針入深さ試験結果による各軟質裏装材のタイプ・クラス. SFM. SFS. SOF. TIS. BIO. GCS. GCE. GCU. 1. 6 2 C 1. 0 2 Ⅰ. 3. 3 1 C超 1. 0 2 Ⅰ. 0. 7 8 B 1. 4 6 Ⅱ. 1. 5 0 C 1. 3 9 Ⅱ. 0. 6 0 B 1. 5 5 Ⅱ. 0. 4 6 B 1. 0 0 Ⅰ. 1. 1 2 C 1. 0 0 Ⅰ. 1. 8 0 C 1. 0 1 Ⅰ. (C超:Cより針入深さが大きい). 表5 SFM. GCS. GCE. ゴム硬度計の測定結果 GCU. SFS. 厚さ3mm 5 3. 5 5±0. 2 07 2. 1 5±0. 0 36 0. 5 0±0. 5 55 3. 6 0±0. 2 0 測定不可能 厚さ6mm 4 4. 6 5±0. 0 56 7. 0 5±0. 1 55 3. 5 0±0. 0 04 5. 2 0±0. 8 0. ― 44 ―. (n=2) SOF. TIS. BIO. 測定不可能. 測定不可能. 測定不可能.
(8) 歯科学報. 図8. Vol.1 0 5,No.1(2 0 0 5). 4 5. 被圧変位量の計測結果. 図8 ‐ 2に示す SOF(タイプB・クラスⅡ) の練和1. 6 0秒後で1. 7 3mm, 9 0 た。その後も3 0秒後で1. 4 1mm,. 時間後における被圧変位量は,荷重1秒後に0. 1mm. 秒後で1. 9 6mm と,その変位量は時間の経過に伴っ. の変位を示した。その後3 0秒後で0. 2 2mm,6 0秒後. て漸増し,荷重9 0秒後まで増加を続けた。これに対. で0. 2 5mm,9 0秒後で0. 2 7mm と3 0秒後まではやや. して,練和2 4時間後では,荷重1秒後に0. 1 5mm の. 大きな変位を示した。その後は加圧時間の経過に対. 変位を示した。その後は3 0秒後で0. 2 8mm,6 0秒後. して大きな変化を示さず,また練和1時間後,2 4時. で0. 3 1mm,9 0秒 後 で0. 3 3mm と SOF お よ び SFS. 間後および4 8時間後とも変位量に若干の差があるも. 同様の被圧変位特性を示した。これは練和4 8時間後. のの同様の被圧変位特性を示した。. においても同様の傾向を示し,練和1時間後と2 4時. 図8 ‐ 3に示す SFS(タイプ超・クラスⅠ) の練和1. 間後以降では明らかに異なる被圧変位特性を示し. 時間後における被圧変位量は,荷重1秒後に0. 7 7. た。. mm と大きな変位を示した。その後は3 0秒後で1. 0 0. !. みかけの弾性率 みかけの弾性率は,GCS(タイプB・クラスⅠ) に. mm,6 0秒 後 で1. 0 4mm,9 0秒 後 で1. 0 6mm と3 0秒 後まではやや大きな変位を示した。その後は加圧時. おいては練和1時間後で4 5. 6±5. 4MPa,2 4時間後. 間の経過に対して大きな変化は示さなかった。また. で7 8. 2±2 7. 7MPa,4 8時 間 後 で7 8. 2±3 1. 0MPa で. 練和1時間後,2 4時間後および4 8時間後とも変位量. あった。SOF(タイプB・クラスⅡ) においては練和. に若干の差があるものの同様の被圧変位特性を示し. 1時間後で6 6. 0±2. 4MPa, 2 4時間後で1 2 7. 3±1 2. 0. た。. MPa,4 8時間後で1 3 3. 5±2 0. 0MPa であった。SFS. 一方,図8 ‐ 4に示す TIS(タイプC・クラスⅡ) で. (タイプC超・クラスⅠ) において練和1時間後で. は,練和1時間後と2 4時間後および4 8時間後では異. 7. 7±0. 0MPa,2 4時 間 後 で7. 9±0. 5MPa,4 8時 間. なった被圧変位特性を示した。まず,練和1時間後. 後で1 0. 6±0. 5MPa であった。TIS(タイプC・クラ. では,荷重1秒後に0. 5 8mm と大きな変位を示し. スⅡ) においては練和1時間後で1 2. 6±2. 4MPa,2 4. ― 45 ―.
(9) 4 6. 武藤, 他:軟質裏装材の機械的性質に関する研究. 時間後で4 8. 5±3. 0MPa,4 8時間後で6 2. 5±8. 9MPa. ど基準モデルと比較して応力値が増加する傾向を示. であった。. した。. 4)二次元有限要素法解析結果. ". した場合の各評価部位の応力値. 二次元有限要素法による各モデルの解析結果を表 ①. 6に示す。 !. 床辺縁部を除く中央部のみに軟質裏装材を設定 基準モデルとP1 ‐ 1およびP1 ‐ 2モデルを比較し た場合. 床基底面全面に軟質裏装材を設定した場合の各. P1 ‐ 1およびP1 ‐ 2モデルにおいて,軟質裏装材の. 評価部位の応力値 F1モデルおよびF2モデルの歯槽頂部に相当す. 弾性率が1MPa の時は,基準モデルと比較して歯. るB6の応力値は,軟質裏装材の弾性率が小さいほ. 槽頂部に相当するB6の応力値は減少した。しか. 表6 有限要素法解析結果 表6 ‐ 1 基準モデルにおける各評価部位の応力値. 基準モデル. B1. B2. B3. B4. B5. B6. B7. B8. B9. B1 0. B1 1. 0. 5 1. 0. 6 0. 0. 5 4. 0. 6 5. 0. 8 9. 0. 9 1. 0. 8 5. 0. 6 3. 0. 5 2. 0. 6 0. 0. 4 8) (MPa). 表6 ‐ 2 F1モデルにおける各評価部位の応力値. 1MPa 7MPa 7 0MPa 1 3 0MPa. B1. B2. B3. B4. B5. B6. B7. B8. B9. B1 0. B1 1. 0. 4 6 0. 5 0 0. 5 1 0. 5 1. 0. 6 0 0. 6 0 0. 6 0 0. 6 0. 0. 5 5 0. 5 4 0. 5 4 0. 5 4. 0. 6 6 0. 6 6 0. 6 6 0. 6 6. 0. 9 1 0. 9 0 0. 8 9 0. 8 9. 1. 0 6 0. 9 5 0. 9 2 0. 9 2. 0. 8 7 0. 8 6 0. 8 6 0. 8 6. 0. 6 4 0. 6 4 0. 6 3 0. 6 3. 0. 5 3 0. 5 3 0. 5 2 0. 5 2. 0. 6 0 0. 6 0 0. 6 0 0. 6 0. 0. 4 3 0. 4 6 0. 4 8 0. 4 8 (MPa). 表6 ‐ 3 F2モデルにおける各評価部位の応力値. 1MPa 7MPa 7 0MPa 1 3 0MPa. B1. B2. B3. B4. B5. B6. B7. B8. B9. B1 0. B1 1. 0. 4 7 0. 5 0 0. 5 1 0. 5 1. 0. 5 9 0. 6 0 0. 6 0 0. 6 0. 0. 5 5 0. 5 5 0. 5 4 0. 5 4. 0. 6 7 0. 6 7 0. 6 6 0. 6 6. 0. 9 4 0. 9 1 0. 8 9 0. 8 9. 1. 1 7 0. 9 8 0. 9 2 0. 9 2. 0. 9 0 0. 8 7 0. 8 6 0. 8 6. 0. 6 4 0. 6 4 0. 6 3 0. 6 3. 0. 5 3 0. 5 3 0. 5 2 0. 5 2. 0. 5 9 0. 6 0 0. 6 0 0. 6 0. 0. 4 3 0. 4 7 0. 4 8 0. 4 8 (MPa). 表6 ‐ 4 P1 ‐ 1モデルにおける各評価部位の応力値. 1MPa 7MPa 7 0MPa 1 3 0MPa. B1. B2. B3. B4. B5. B6. B7. B8. B9. B1 0. B1 1. 0. 5 2 0. 5 2 0. 5 1 0. 5 1. 0. 6 0 0. 6 0 0. 6 0 0. 6 0. 0. 5 4 0. 5 4 0. 5 4 0. 5 4. 0. 6 5 0. 6 5 0. 6 5 0. 6 5. 0. 8 8 0. 8 9 0. 8 9 0. 8 9. 0. 8 4 0. 9 0 0. 9 1 0. 9 1. 0. 8 5 0. 8 5 0. 8 5 0. 8 5. 0. 6 3 0. 6 3 0. 6 3 0. 6 3. 0. 5 3 0. 5 2 0. 5 2 0. 5 2. 0. 6 0 0. 6 0 0. 6 0 0. 6 0. 0. 4 9 0. 4 8 0. 4 8 0. 4 8 (MPa). 表6 ‐ 5 P1 ‐ 2モデルにおける各評価部位の応力値. 1MPa 7MPa 7 0MPa 1 3 0MPa. B1. B2. B3. B4. B5. B6. B7. B8. B9. B1 0. B1 1. 0. 5 2 0. 5 2 0. 5 2 0. 5 2. 0. 6 0 0. 6 0 0. 6 0 0. 6 0. 0. 5 4 0. 5 4 0. 5 4 0. 5 4. 0. 6 5 0. 6 5 0. 6 5 0. 6 5. 0. 8 8 0. 8 9 0. 8 9 0. 8 9. 0. 8 2 0. 9 0 0. 9 1 0. 9 1. 0. 8 5 0. 8 6 0. 8 6 0. 8 6. 0. 6 3 0. 6 3 0. 6 3 0. 6 3. 0. 5 3 0. 5 2 0. 5 2 0. 5 2. 0. 6 0 0. 6 0 0. 6 0 0. 6 0. 0. 4 9 0. 4 8 0. 4 8 0. 4 8 (MPa). ― 46 ―.
(10) 歯科学報. Vol.1 0 5,No.1(2 0 0 5). 4 7. 表6 ‐ 6 P2 ‐ 1モデルにおける各評価部位の応力値. 1MPa 7MPa 7 0MPa 1 3 0MPa. B1. B2. B3. B4. B5. B6. B7. B8. B9. B1 0. B1 1. 0. 6 2 0. 5 3 0. 5 2 0. 5 2. 0. 7 1 0. 6 2 0. 6 0 0. 6 0. 0. 5 8 0. 5 4 0. 5 4 0. 5 4. 0. 5 5 0. 6 3 0. 6 5 0. 6 5. 0. 7 3 0. 8 6 0. 8 9 0. 8 9. 0. 8 4 0. 9 0 0. 9 1 0. 9 1. 0. 6 9 0. 8 3 0. 8 5 0. 8 5. 0. 5 3 0. 6 1 0. 6 3 0. 6 3. 0. 5 9 0. 5 3 0. 5 2 0. 5 2. 0. 7 1 0. 6 2 0. 6 0 0. 6 0. 0. 5 8 0. 5 0 0. 4 8 0. 4 8 (MPa). 表6 ‐ 7 P2 ‐ 2モデルにおける各評価部位の応力値. 1MPa 7MPa 7 0MPa 1 3 0MPa. B1. B2. B3. B4. B5. B6. B7. B8. B9. B1 0. B1 1. 0. 6 8 0. 5 5 0. 5 2 0. 5 2. 0. 7 8 0. 6 3 0. 6 0 0. 6 0. 0. 6 2 0. 5 5 0. 5 4 0. 5 4. 0. 5 1 0. 6 2 0. 6 5 0. 6 5. 0. 6 2 0. 8 3 0. 8 8 0. 8 9. 0. 7 7 0. 9 0 0. 9 1 0. 9 1. 0. 5 9 0. 8 0 0. 8 5 0. 8 5. 0. 4 9 0. 6 0 0. 6 3 0. 6 3. 0. 6 1 0. 5 4 0. 5 2 0. 5 2. 0. 7 4 0. 6 3 0. 6 0 0. 6 0. 0. 6 0 0. 5 1 0. 4 8 0. 4 8 (MPa). 表6 ‐ 8 P3 ‐ 1モデルにおける各評価部位の応力値. 1MPa 7MPa 7 0MPa 1 3 0MPa. B1. B2. B3. B4. B5. B6. B7. B8. B9. B1 0. B1 1. 0. 6 6 0. 5 4 0. 5 2 0. 5 2. 0. 7 1 0. 6 1 0. 6 0 0. 6 0. 0. 4 8 0. 5 3 0. 5 4 0. 5 4. 0. 5 7 0. 6 4 0. 6 5 0. 6 5. 0. 7 8 0. 8 7 0. 8 9 0. 8 9. 0. 9 0 0. 9 2 0. 9 1 0. 9 1. 0. 7 5 0. 8 4 0. 8 5 0. 8 5. 0. 5 4 0. 6 2 0. 6 3 0. 6 3. 0. 4 7 0. 5 1 0. 5 2 0. 5 2. 0. 7 1 0. 6 1 0. 6 0 0. 6 0. 0. 6 1 0. 5 0 0. 4 8 0. 4 8 (MPa). 表6 ‐ 9 P3 ‐ 2モデルにおける各評価部位の応力値. 1MPa 7MPa 7 0MPa 1 3 0MPa. B1. B2. B3. B4. B5. B6. B7. B8. B9. B1 0. B1 1. 0. 7 6 0. 5 6 0. 5 2 0. 5 2. 0. 8 1 0. 6 3 0. 6 0 0. 6 0. 0. 4 7 0. 5 2 0. 5 4 0. 5 4. 0. 4 9 0. 6 2 0. 6 5 0. 6 5. 0. 7 0 0. 8 5 0. 8 9 0. 8 9. 0. 8 7 0. 9 2 0. 9 2 0. 9 2. 0. 6 6 0. 8 2 0. 8 5 0. 8 5. 0. 4 7 0. 6 0 0. 6 3 0. 6 3. 0. 4 6 0. 5 1 0. 5 2 0. 5 2. 0. 8 1 0. 6 3 0. 6 0 0. 6 0. 0. 7 2 0. 5 2 0. 4 9 0. 4 8 (MPa). し,軟質裏装材の弾性率が7MPa,7 0MPa および. ルと比較してほとんど差異は認められなかった。. 1 3 0MPa の時は,基準モデルと比較して歯槽頂部に. ③. 基準モデルとP3 ‐ 1およびP3 ‐ 2モデルを比較し. 相当するB6の応力値にほとんど差異は認められな. た場合. かった。また軟質裏装材の弾性率に関係なくB6以. P3 ‐ 1およびP3 ‐ 2モデルにおいて,軟質裏装材の. 外の部位の応力値に大きな差異は認められなかっ. 弾性率が1MPa および7MPa の時はB3,B4,. た。. B5,B6,B7,B8,B9の応力値は,基準モ. ②. 基準モデルとP2 ‐ 1およびP2 ‐ 2モデルを比較し. デルと比較して軟質裏装材の弾性率が小さいほどそ. た場合. れぞれ減少する傾向が認められた。しかしB1,B. P2 ‐ 1およびP2 ‐ 2モデルにおいて,軟質裏装材の. 2,B1 0,B1 1の応力値は,軟質裏装材の弾性率が. 弾性率が1MPa および7MPa の時はB4,B5,. 小さいほどそれぞれ増加する傾向が認められた。ま. B6,B7,B8の応力値は,基準モデルと比較し. た軟質裏装材の弾性率が7 0MPa および1 3 0MPa 時. て軟質裏装材の弾性率が小さいほど,それぞれ減少. の応力値は,基準モデルと比較してほとんど差異は. する傾向が認められた。また軟質裏装材の弾性率が. 認められなかった。. 7 0MPa 時および1 3 0MPa 時の応力値は,基準モデ ― 47 ―.
(11) 4 8. 武藤, 他:軟質裏装材の機械的性質に関する研究. 時間後の間で大きく針入深さが減少し,また TIS. 考 察. も針入深さの大幅な減少が練和4 8時間後まで認めら. 1.針入深さ試験について. れた。これらの針入深さの減少は主に可塑剤の揮発. 1)試料の針入深さについて. が原因と考えられる。したがって,可塑剤の揮発状. 市販の軟質裏装材に対する材料規格は,義歯床用. 態に製品間の差異があることが判明した。. 短期弾性裏装材(粘膜調整材・動的印象材・暫間裏. 義歯床用短期弾性裏装材である GCS,GCE およ. 装材) に JIS T6 5 1 9が,義歯床用長期弾性裏装材(比. び GCU を義歯床用長期弾性裏装材の規格で測定を. 較的長期に使用する弾性裏装材) に JIS T6 5 2 0が適. 行ったが,変化率 D が義歯床用長期弾性裏装材の. 用される。両者は針入の条件が若干異なるが,材品. 規格基準である2 0%以下であったのは GCS,GCU. の針入深さ試験が規定されている。本研究で対象と. のみであった。このことから,GCS,GCU は義歯. したのは,JIS 規格による義歯床用長期弾性裏装材. 床用短期弾性裏装材および義歯床用長期弾性裏装材. である。JIS T6 5 2 0によると, 針入深さ試験結果から. の両方の規格を満たす可能性が高いと思われる。 臨床で被圧時における床下粘膜の過剰圧迫による. 針入深さより3つのタイプ(A:硬い,B:中程度, C:軟らかい) に,針入深さ比により2つのクラス. 粘膜疼痛を緩解するために,義歯床と粘膜の間に弾. (Ⅰ:塑性変形に対する抵抗が大,Ⅱ:塑性変形に. 性を示す材料を介在させることが行われる。この場. 対する抵抗が小) に分類するとされている。従っ. 合,短期間で粘膜の過剰圧迫を改善するためには,. て,タイプではA,B,Cの順に針入深さが大きく. 義歯床用短期弾性裏装材(暫間裏装材・粘膜調整材). (軟らかく) なり,クラスⅠでは軟質ゴムの性質(弾. が適用される。義歯床用短期弾性裏装材には,適用. 性体に近い) ,クラスⅡでは加圧時間の経過により. 部位の粘膜の圧負担を均等にするために,適用時に. 大きな針入深さ(著しいクリープ) を示すことが理解. は軟らかさと流動性とが求められるが,経時的にそ. される。. れらが低下することになる。このために,義歯床用. 本研究対象とした市販の軟質裏装材は,表4に示. 短期弾性裏装材の機械的性質は稠度試験および練和. したように,タイプB:中程度が SOF,BIO およ. 2時間後の針入深さおよび7日後の針入深さ比で規. び GCS の3品, タイプC:軟らかいが SFM,TIS,. 定される(JIS T6 5 1 9) 。. GCE お よ び GCU の4品,タ イ プC超 が SFS と 判. 他方,長期間にわたって粘膜疼痛を避けるために. 定されたが,タイプAは存在しなかった。また,ク. は,義歯床用長期弾性裏装材が適用され,2 4時間後. ラ ス Ⅰ:塑 性 変 形 に 対 す る 抵 抗 が 大 き い の は. の針入深さおよび2 4時間後と2 8日後の針入深さ比で. SFM,SFS,GCS,GCE および GCU の5品,クラ. 規定される(JIS T6 5 2 0) 。従って,義歯床用長期弾. ス Ⅱ:塑 性 変 形 に 対 す る 抵 抗 が 小 さ い も の は. 性裏装材には軟らかさが長期に持続することが求め. SOF,BIO および TIS の3品であった。. られる。しかしながら,義歯床用長期弾性裏装材の. 以上から,クラスⅠでは弾性的な軟質裏装材,ク. 軟らかさの長期持続は2 4時間後からの規定であるた. ラスⅡでは粘弾性的な軟質裏装材でありそれぞれよ. めに,それ以内の時間経過についての規定が無い。. り軟らかさを求めるために,タイプAからB,Bか. 従って,義歯床用長期弾性裏装材の2時間後と7日. らC,またタイプC以上の軟らかさに考案されたも. 後の針入深さ比が JIS T6 5 1 9の規定に納まれば,義. のと推測される。しかしながら針入深さで示される. 歯床用短期弾性裏装材に適合する裏装材も存在しう. 軟質裏装材の軟らかさが,どのような臨床成績を示. ることになる。. すかについては明らかではない。. これは,規格を定めるときには考慮されなかった. 2)針入深さの経時的変化について. 事柄と思われるが,目的の異なる2つの治療法が,. 図9に各軟質裏装材の針入深さの経時的変化を示. 規格が類似していること,および義歯床用長期弾性. す。今回の結果から SOF,BIO,GCS,GCE, およ. 裏装材の規格が針入深さのみであるために,単品で. び GCU では大きな変化はみられなかった。しかし. 短期と長期の両規格を満たす材品の開発が起こった. SFM および SFS においては,練和7 2時間後から1 6 8. と判断される。. ― 48 ―.
(12) 歯科学報. Vol.1 0 5,No.1(2 0 0 5). 図9. 針入深さ試験結果. ― 49 ―. 4 9.
(13) 5 0. 武藤, 他:軟質裏装材の機械的性質に関する研究. 単品の軟質裏装材で短期と長期の両規格を満たす. 3.軟質裏装材の被圧変位量について. 裏装材は,既存の義歯の不具合を改善できるので,. 特徴的な針入状況を示す材品に対して,針入深さ. 新規義歯の作製を不要とする利点が考えられるが,. 試験機を一部改造して軟質裏装材の被圧変位量の計. 材品の治療効果についてはさらに検討が必要であ. 測を行った。その結果は図8に示すとおりである。. る。. GCS(タイプB・クラスⅠ) および SOF(タイプB・. 2.軟質裏装材のゴム硬度について. クラスⅡ) は練和後の時間経過に対する被圧変位量. 材料の硬さを計測する場合,一般にショアー型ま 2 0). および被圧変位特性の差異は小さいと判断される。. たは JIS 型の硬度計が用いられる。守谷 はリラク. しかし SFS(タイプC超・クラスⅠ) では,練和後. ゼーション試験とゴム硬度計を用いて軟質裏装材の. の時間経過に対する被圧変位特性の差異は小さいと. 粘弾特性を評価することの有用性を強く示唆した。. 判断されるが,練和後の時間経過に対する被圧変位. 21). 井上ら は改良型硬度計とゴム硬度計およびオート. 量に関しては練和4 8時間後で変位量の減少が認めら. グラフを用いて軟質裏装材の硬さ,ポアソン比,瞬. れた。また TIS(タイプC・クラスⅡ) では,練和1. 間弾性率等の測定を行い,ゴム硬度計は測定器とし. 時間後と比較して練和2 4時間後および4 8時間後の被. て十分使用できると報告している。. 圧変位量および被圧変位特性が明らかに異なる。こ. 今回の測定結果から,タイプB・クラスⅠで6 7∼. れは可塑剤の揮発によりその高い流動性が失われ練. 7 2度,タイプC・クラスⅠで4 4∼6 0度と計測された. 和初期の軟らかさ(流動性) が無くなったためと思わ. が,クラスⅡでは安定した計測値が得られなかっ. れる。. た。. 4.みかけの弾性率について. JIS 規格によるクラス分類で,針入深さ比Rは(2 4. 軟質裏装材は床下粘膜の部分的な過剰圧迫に対し. 時間後の3 0秒間針入深さ) /(2 4時間後の5秒間針入. て,機能的に粘膜厚径を増大させることによる粘膜. 深さ) でありR≦1. 1 0がクラスⅠ,針入深さ比1. 1 0. 負担圧の緩衝を期待して適用される。このために軟. <R≦1. 7 5がクラスⅡと決められている。従って,. 質裏装材を義歯床・床下粘膜間に介在させた場合の. クラスⅠでは2 4時間後の5秒間針入深さと2 4時間後. 緩衝効果を判定するために軟質裏装材の弾性率を知. の3 0秒間針入深さがほぼ等しい,すなわち針入深さ. る必要がある。しかしながら,薄く軟らかいシート. が5秒後から3 0秒後までほとんど変化しないので針. 状の物体の弾性率を計測する事は困難であるので,. 入深さ試験での針入時の抵抗が荷重量に対応してい. 薄いシート状の物体の被圧変位量からみかけの弾性. ると判断される。このために,クラスⅠではゴム硬. 率を求めることにした。. 度の計測が可能であったと思われる。しかしクラス. 河野ら22)によると上下顎総義歯装着患者を用いて. Ⅰの SFS でゴム硬度の測定が困難であったのは,. 負担圧の持続時間を測定した結果,ピーナッツ咀嚼. 軟質過ぎるためゴム硬度計の測定範囲を超えたもの. 時で0. 2 7 4∼0. 4 7 9秒であり,かまぼこ咀嚼時で0. 2 1 1. と考えられる。. ∼0. 4 8 6秒であったと報告している。この報告を参. これに対して,クラスⅡでは2 4時間後の5秒間針 入深さより2 4時間後の3 0秒間針入深さのほうが明ら. 考にして,荷重開始0. 5秒後の変位量より各軟質裏 装材のみかけの弾性率を求めた。. かに大きく,すなわち時間の経過に従って針入深さ. タイプBのみかけの弾性率は4 6∼1 3 0MPa,タイ. が漸増するという性質を示す。これは針入深さ試験. プCは7∼7 0MPa の値を得た。ここで口腔粘膜の. での針入時の抵抗が時間によって変化すること,す. 弾性率についての報告23∼26)は異なる測定方法ではあ. なわち針入に際して材品の流動(塑性変形) が生じて. るが0. 1MPa∼1 0MPa と幅広い。今回測定を行った. いることを意味している。従って,クラスⅡの材品. 軟質裏装材はタイプBでは予測される床下粘膜より. では計測中にフローが生じるためにその硬度が時間. 硬く,タイプCの中でも軟らかいものが予測される. と共に変化する。このために安定した計測値が得ら. 床下粘膜の弾性率に近似している可能性があると推. れなかったと判断された。. 定される。. ― 50 ―.
(14) 歯科学報. Vol.1 0 5,No.1(2 0 0 5). 5.軟質裏装材の緩衝効果に関するシミュレーショ ンについて. 5 1. その厚径を2mm 以上で用いることは不必要である と考えられる。 #. 1)実験モデルについて 頬舌的に傾斜を持つ歯槽堤に適合した義歯が被圧. 裏装法の違いが床下組織の応力分布に与える影 響について. 時に生じる骨面の応力分布は,歯槽部の傾斜が急な. 歯槽頂部の応力は義歯床全面に軟質裏装材を裏装. 部位ほど応力値が高くなる。これは被圧時に義歯が. するモデルよりも,床辺縁を除く中央部のみに軟質. 荷重方向と平行に沈下するのに対して,骨面に生じ. 裏装材を裏装したモデルの場合に応力値の減少が認. る圧力は骨面の法線方向に生じるためであり,骨面. められた。. の傾斜が急になるほど骨面に対して法線方向の粘膜. 河野ら14)は粘性要素を取り入れた有限要素法解析. の圧縮量が大きくなる。さらに臨床的に歯槽頂部に. を行い,裏装法の違いによって義歯床下支持組織の. 疼痛を起こす症例の多くが,周辺部に比べて歯槽頂. 応力分布に変化が認められ,義歯床辺縁部を裏装し. 部の粘膜が薄いことが知られている。このことか. ない場合に最も均等な応力分布を示したと報告して. ら,今回のモデルは歯槽頂に向けて傾斜が急になる. いる。これは本研究の結果と一致し,部分的な裏装. 顎堤に,垂直方向に均一の粘膜厚径を設定したので. 材の適用時には応力の集中部位の緩和(応力値の低. 歯槽頂に向けて骨面の法線方向に対する粘膜厚径は. 下) をもたらすが,非裏装部位の粘膜の負担圧は若. 薄くなっている。. 干増大する。結果として,床下粘膜に最も均等な負. 2)解析結果について. 担圧分布が得られると考えられる。. !. 軟質裏装材の弾性率について. また義歯床辺縁部を裏装しない場合における裏装. 図1 0に示すように基準モデルと比較して,各条件. 範囲の影響についての報告はほとんどない。本研究. モデルとも軟質裏装材の弾性率が7MPa 以上の時. では,義歯床辺縁部を裏装しないモデルに裏装範囲. にはほとんど変化が認められなかった。しかし軟質. の差を与えて比較検討した結果,歯槽頂部の部分裏. 裏装材の弾性率が1MPa の時には,応力値に大き. 装が狭いP1 ‐ 1モデル(図1 0 ‐ 3) では,歯槽頂部付近. な差が生じた。これより実際に軟質裏装材を使用す. のB5およびB7の応力が緩和されていない。これ. る場合には,適用する粘膜の弾性率に近似した軟質. はB5およびB7の骨面に対する法線方向の粘膜厚. 裏装材を用いなければ効果が期待できないと推測さ. 径が未だに不足しているためであり,軟質裏装材を. れ,軟質裏装材の弾性率が粘膜の弾性率より数倍大. 厚く裏装したP1 ‐ 2モデル(図1 0 ‐ 4) でも緩和されて. きな場合では緩圧効果が期待できない可能性が高. ない。. い。よって被圧変位量より得られたみかけの弾性率. 逆に歯槽頂部の裏装範囲が広いP3 ‐ 1 (図1 0 ‐ 7) お. から,タイプBの軟質裏装材では緩圧効果を得るこ. よびP3 ‐ 2モデル(図1 0 ‐ 8) では,裏装されたB3∼. とはできず,タイプCの中でも軟らかい軟質裏装材. B9の応力値は減少するが,裏装されていない床辺. だけが緩圧効果を得ることができると推測される。. 縁部のB1,B2,B1 0およびB1 1の応力値が著し. ". く増加し,床辺縁部に応力集中が生じてしまう。. 軟質裏装材の厚径について F1モデルとF2モデル,P1 ‐ 1モデルとP1 ‐ 2モ. これより義歯床辺縁部を裏装しない場合,歯槽頂. デル,P2 ‐ 1モデルとP2 ‐ 2モデルおよびP3 ‐ 1モデ. 部の裏装範囲が狭すぎると歯槽頂部付近の応力集中. ルとP3 ‐ 2モデルを比較した場合,応力値に大きな. が緩和されず,逆に裏装範囲が広すぎると,裏装部. 1 2). 差異は認められなかった。佐藤ら は有限要素法解. 位の応力集中は緩和されるが,非裏装部位に応力集. 析により軟質裏装材は1mm の厚さでも2mm と同. 中が生じることになる。よって軟質裏装材は適切な. 程度の応力緩和を発揮したと報告している。また日. 範囲で,骨面の法線方向に適切な厚さで裏装して使. 2). 高ら は軟質裏装材の厚径を2mm 以上にする必要 2 7). がないと報告し,Bascom は1. 5mm 以上で患者は. 用しなければ十分な緩圧効果が期待できないと推測 される。. ゴムボールを咬んでいる感じがすると報告してい る。これより軟質裏装材の臨床応用に当たっては, ― 51 ―.
(15) 5 2. 武藤, 他:軟質裏装材の機械的性質に関する研究. 図1 0 各モデルにおける軟質裏装材のヤング率の変化に伴う応力値. ― 52 ―.
(16) 歯科学報. Vol.1 0 5,No.1(2 0 0 5). 結 論 一般的に軟質裏装材には,粘膜調整や動的印象お よび暫間裏装などのように短期間の使用を目的にす るものと,長期間の使用を目的にするものに分類さ れる。また日本工業規格で義歯床用短期弾性裏装材 と義歯床用長期弾性裏装材に分類される。しかしな がら,市販の義歯床用長期弾性裏装材の機械的性質 と適用方法については不明な点が多い現状にある。 そこで,現在市販されている軟質裏装材8種類を用 いて日本工業規格 JIS T6 5 2 0に準拠した針入深さ試 験を行い材品のタイプおよびクラスを調べた。また 各タイプおよびクラスの軟質裏装材の被圧変位量を 計測し,みかけの弾性率を求めた。さらに二次元有 限要素法解析により床下粘膜の応力分布に関する検 討を行い,軟質裏装材の適用に関する評価を行っ た。 これらの実験によって得られた結果は以下に要約 される。 1.試料とした軟質裏装材は,JIS T6 5 2 0でタイプ B・クラスⅠ,タイプB・クラスⅡ,タイプC・ クラスⅠ,タイプC・クラスⅡおよびタイプC 超・クラスⅠの5種類に分類された。 2.軟質裏装材に対する被圧変位量の測定結果か ら,みかけの弾性率として7∼1 3 0MPa の推定値 を得た。 3.二次元有限要素法解析結果から,応力集中部の 応力緩和には,粘膜の弾性率に近似した軟質裏装 材を応力集中の範囲で,骨面の法線方向に適切な 厚径で使用することが好ましいことが判明した。 本論文の要旨は,第6回日本補綴歯科学会東関東支部学術 大会(2 0 0 3年2月9日,千葉) ,第1 1 1回日本補綴歯科学会学 術大会(2 0 0 4年5月2 1日,東京) において発表した。. 参. 考. 文. 献. 1)落合公昭,鷹股哲也:市販軟質裏装材の物理・機械的性 質に関する基礎的検討.日補綴歯会誌,3 8:3 8 3∼3 9 0, 1 9 9 4. 2)日高里史:軟質裏装材の物理に関する基礎的研究.九州 歯会誌,3 4:6 7 8∼6 9 5,1 9 8 1. 3)篠原直幸,嶺崎良人,自見 忠,藤井孝一,井上勝一 郎:軟質裏装材の力学的性質に関する研究 ―応力緩和挙 動 の 経 時 的 変 化―.日 補 綴 歯 会 誌,2 7:1 2 4 2∼1 2 4 7, 1 9 8 3. 4)佐藤 仁,織井康亙,森谷良彦,古賀淳二朗,澤田健. 5 3. 友,吉村 剛,吉岡眞弘,藤本圭介,今井一男,山本克 之:局所機能圧・負担圧に関する基礎的研究V‐ 1.弾性裏 装材使用時のポリフッ化ビニリデンフィルムの出力特性に ついて.日大歯学,7 2:5 1 9∼5 2 6,1 9 9 8. 5)斎藤好文:局所機能圧・負担圧に関する基礎的研究V‐ 2.弾性裏装材使用時の上顎無歯顎臼歯部シミュレーショ ンモデルの負担圧分布について.日 大 歯 学,7 3:2 0 1∼ 2 0 7,1 9 9 9. 6)佐藤 仁:局所機能圧・負担圧に関する基礎的研究V‐ 3.弾性裏装した上顎総義歯の中心咬合位および側方咬合 位での緩衝効果.日補綴歯会誌,4 3:4 6 9∼4 8 0,1 9 9 9. 7)河野文昭,永尾 寛,野田正純,松本直之,今 政幸, 浅岡憲三:軟質裏装材の衝撃緩衝に関する研究 ―第一報 板 状 試 料 の 衝 撃 緩 衝 能―.日 補 綴 歯 会 誌,3 7:1 1 7 2∼ 1 1 7 9,1 9 9 3. 8)河野文昭,永尾 寛,野田正純,岡 謙次,友竹偉則, 川端修一,松本直之,今 政幸,浅岡憲三:軟質裏装材の 緩圧効果に関する研究 第2報 裏装法の違いが衝撃緩衝 能に与える影響.日補綴歯会誌,4 0:5 0 1∼5 0 7,1 9 9 6. 9)河野文昭,多田 望,中畑哲也,佐藤修斎,羽田 勝, 松本直之:軟質裏装材の緩圧効果に関する研究 第1報 平 行板試験.日補綴歯会誌,3 2:1 2 4 1∼1 2 5 2,1 9 8 3. 1 0)G. Muraoka, H. Takahashi,I. Hayakawa : Effects of cyclic loading on viscoelastic properties of soft lining materials.Dent Mater J,2 2:2 5 1∼2 6 1,2 0 0 3. 1 1)砂川 孝:弾性裏装材が咬合力および義歯沈下量に及ぼ す影響に関する研究(下顎両側遊離端義歯について) .日補 綴歯会誌,2 3:1 9 5∼2 0 8,1 9 7 9. 1 2)佐藤祐二,守谷直史,湯浅良孝,赤川安正:義歯床用軟 質裏装材の応力緩和に関する有限要素解析.広大歯誌, 2 6:1 3 4∼1 3 7,1 9 9 4. 1 3)河野文昭,永尾 寛,多田 望,羽田 勝,松本直之: 粘弾性解析による義歯床下組織の応力分布 ―粘弾性解析 の導入―.日補綴歯会誌,3 4:6 2 3∼6 3 0,1 9 9 0. 1 4)河野文昭,浅岡憲三,永尾 寛,多田 望,松本直之: 粘弾性解析による軟質裏装材の有用性に関する研究 ―第 一報 軟質裏装材が床下組織の応力分布に及ぼす影響―. 日補綴歯会誌,3 6:1 3 0 5∼1 3 1 1,1 9 9 2. 1 5)河野文昭,永尾 寛,井上三四郎,今 政幸,浅岡 憲 三,松本直之:粘弾性解析による軟質裏装材の有用性に関 する研究 ―第二報 軟質裏装材の裏装法の違いが床下組 織の応力分布に与える影響―.日補綴歯会誌,3 8:1 3 2 8∼ 1 3 3 5,1 9 9 4. 1 6)河野文昭,永尾 寛,岡 謙次,友竹偉則,今 政幸, 浅岡憲三,松本直之:粘弾性解析による軟質裏装材の有用 性に関する研究 ―第三報 軟質裏装材の粘性が床下組織 の応力分布に及ぼす影響―.日補綴歯会誌,3 9:1 0 0 4∼ 1 0 0 9,1 9 9 5. 1 7)巫 春和:軟質裏装材が床下組織の応力分布に及ぼす影 響 ―接触要素を導入した有限要素解析―.日補綴歯会誌, 4 4:2 3 4∼2 4 3,2 0 0 0. 1 8)大本 統:無作為割付臨床試験による長期型軟質裏装材 使用総義歯の検討.日補綴歯会誌,4 7:5 5 4∼5 6 3,2 0 0 3. 1 9)宮下有恒,嶋村一郎,岸 正孝:Anchored Overlay Denture における支台装置の配置条件が義歯の変位に及ぼす 影響に関する実験的研究.歯科学報,9 8:1 1 8 9∼1 2 1 9, 1 9 9 9. 2 0)守谷直史:軟質裏装材の粘弾性特性に関する研究.広大 歯誌,2 5:1 8 6∼1 9 9,1 9 9 3. 2 1)井上勝一郎,糸永昭仁,鶴田浩範,寺尾隆治,山下洋 基,塚田岳司,奥 淳一,有川裕之,蟹江隆人,藤井孝 一:改良型試作硬度計を用いて決定した義歯床用軟質裏装. ― 53 ―.
(17) 5 4. 武藤, 他:軟質裏装材の機械的性質に関する研究. 材の硬さと圧縮弾性率.歯科材器,1 2:3 4 6∼3 5 1,1 9 9 3. 2 2)河野文昭:機能時の下顎全部床義歯の負担圧に関する研 究 ―特に臼歯排列位置について―,日補綴歯会誌,3 1: 7 2 6∼7 3 9,1 9 8 7. 2 3)K. Inoue, H. Arikawa, K. Fjii, N. Shinohara, N. kawahata : Viscoelastic properties of Oral Soft Tissue 1. Amethod of determining elastic modulus of oral soft tissue.Dent Mater J, 4:4 7∼5 3,1 9 8 5. 2 4)Tomlin G, Olsson K,JensenSA, Cantor R, Tarsetano JJ,. Brill N : The thickness and hardness soft tissue. BrDent J,1 2 4:2 2 3∼2 2 6,1 9 6 8. 2 5)Kydd WL, Mandiey J : The stiffness of palatal mucoperiosteum. J Prosthet Dent,1 8:1 1 6∼1 2 1,1 9 6 7. 2 6)田中資郎:口蓋粘膜のクリープに関する研究.日補綴歯 会誌,1 6,3 5 8∼3 7 9,1 9 7 3. 2 7)Bascom PW : Resilient denture base materials : J Prosthet Dent,1 6:6 4 6∼6 4 9,1 9 6 6.. Experimental Study on the Mechanical Property of Soft Lining Material. Isahide MUTO,Daiki YAMAKURA,Masataka KISHI Department of Removable Partial Prosthodontics,Tokyo Dental College (Chairman:Prof.Masataka Kishi) Key words: Soft lining material ,Mechanical property,Modulus of elasticity. The purpose of this study is to clarify the usage and mechanical properties of soft lining material proposed for long term use. In order to investigate this,we carried out our experiments based on JIS T6 5 2 0 and calculated the apparent modulus of clasticity from the compressive strain. Furthermore,we examined the stress distribution of soft tissues under the denture base by using two simensional finite element method analysis. The results showed that soft lining material is divided into two types and classes of JIS6 5 2 0;Type B and C,Class Ⅰ and Ⅱ,and each type combines with each class. The apparent modulus of elasticity of type B is from4 6MPa to1 3 0MPa and type C is from7MPa to7 0 MPa. The result of2D FEM showed that the stress distribution of soft tissue under the denture base is reduced,when the modulus of soft lining material is similar to soft tissues. It was suggested that,in order to reduce the stress on soft tissue under the denture base,it is necessary to partially apply soft lining materials,with a modulus of elasticity close to that of the mucosa,to the (The Shikwa Gakuho,1 0 5:3 9∼5 4,2 0 0 5). stress concentration ares.. ― 54 ―.
(18)
関連したドキュメント
He thereby extended his method to the investigation of boundary value problems of couple-stress elasticity, thermoelasticity and other generalized models of an elastic
Keywords: continuous time random walk, Brownian motion, collision time, skew Young tableaux, tandem queue.. AMS 2000 Subject Classification: Primary:
Using the fact that there is no degeneracy on (α, 1) and using the classical result known for linear nondegenerate parabolic equations in bounded domain (see for example [16, 18]),
Section 3 is first devoted to the study of a-priori bounds for positive solutions to problem (D) and then to prove our main theorem by using Leray Schauder degree arguments.. To show
In order to solve this problem we in- troduce generalized uniformly continuous solution operators and use them to obtain the unique solution on a certain Colombeau space1. In
discrete ill-posed problems, Krylov projection methods, Tikhonov regularization, Lanczos bidiago- nalization, nonsymmetric Lanczos process, Arnoldi algorithm, discrepancy
Beyond proving existence, we can show that the solution given in Theorem 2.2 is of Laplace transform type, modulo an appropriate error, as shown in the next theorem..
Since weak convergence is preserved by continuous mappings, the weak convergence in H α provides weak convergence results for H 0 α -continuous functionals of paths and for some