ヘーゲル「法・権利の哲学」第3回講義の基本性格 : 1819/20年・冬学期(ベルリン大学)
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(2) こ とを 知 らせ て い るに もか か わ らず 、 結 局 刊 行 が 翌 年 末 で あ る か ら予 定 よ り1年 ほ ど遅延 した の は なぜ か とい うこ とが 問題 に な る。 この 遅延 の 原 因 と して 、私 は 「カ ール スバ ー ト決 議 」 に代 表 され る当 時 の厳 しい 政 治 的社 会 的 状 況 が 強 く影 響 して い る と考 え て い る。 こ の点 に つ い て検 討 して い くさい に 格 好 の 資 料 に な る と 思 われ るの が 、 本 稿 で取 り扱 う1819/20年 学」 講 義(第3回)で. の冬 学 期 に ベ ル リ ン大 学 で 行 な わ れ た 「法 ・権利 の 哲. あ る。 先 にみ た 厳 しい状 況 の真 っ只 中 で本 講 義 が 行 わ れ て い るか らで あ る。. 前年 の 冬 学 期(1818/19年)に. 行 わ れ た第2回 講 義(こ. こで も主 に 「国 内公 法 」 の 個 所)と 同 じ. 内容 に な って い るだ ろ うか。 相 違 点 が あれ ばそ れ は ど の よ うな ものだ ろ うか 。 この よ うな 点 に 注 目しな が ら、 まだ 邦 訳 もな い資 料 で あ るか ら、 まず は で き る だ け てい ね い に 関 連 個 所 を 翻 訳 しつ つ 正確 な 内容 理 解 に つ とめ る こ とか らは じめた い。. まず 、 第3回 講 義 の 全 体 の 区 分構 成 を み て お き た い。 そ れ は 次 の よ うに な って い る。 Inhaltsanzeige Einleitung Übersicht. der Wissenschaft Erster. Teil. Das abstrakte. 1 . Kapitel:Das. Eigentum. 2 . Kapitel:Der. Vertrag. 3 . Kapitel:Das. Unrecht. Zweiter. Teil. Die Moralität. 1 . Kapitel:Handlung 2 . Kapitel:Wohl. und Vorsatz. und Absicht. 3 . Kapitel:Das. Gute. Dritter 1 . Kapitel:Die. und das Gewissen. Teil. Die Sittlichkeit. Familie. a . Die Ehe b . Eigentum. der Familie. c . Auflösung. der Familie. 2 . Kapitel:Die. bürgerliche. a . Das System. Gesellschaft. der Bedürfnisse. b . Die Rechtspflege c . Die Polizei 3 . Kapitel:Der. Staat. a . Das innere. Staatsrecht. a . Die fürstliche 10. Recht. Gewalt.
(3) β.DieRegierungsgewalt r.DiegesetzgebendeGewalt b.DasauβereStaatsrecht c.DieWeltgeschichte. こ の 内 容 の 区 分 構 成 の う ち 、 本 稿 で 検 討 す る 主 な 個 所 は 、 先 に も 述 べ た よ う に 、 「第Ⅲ 部 国 家 」(3.Kapite1:DerStaat)中. 理 」(DritterTei1.DieSittlichkeit)、. 「第3章. 〉(a.DasinnereStaatsrecht)部. 分 で あ る。 この検 討 に あた って 若 干 厄 介 な の は 、ヘ ー ゲル の. 「 法 ・権 利 の 哲 学 」 に 関 す る 他 の 講 義(録)や1820年. の 〈a.国. 倫. 末 に 刊 行 さ れ た 『法 ・権 利 の 哲 学 要 綱 』 と. 比 べ て 、 当 該 個 所 が 内 容 に そ っ て 多 数 の 節 に 区 分 さ れ ず 、 た だ 大 き く 「α.君 f. stlicheGewalt)、. Gewalt)に. 「β.統. 内公 法. 治 権 」(DieRegierungsgewalt)、. 主 権 」(Die. 「γ.立 法 権 」(Diegesetzgebende. 三 区 分 さ れ る に す ぎ な い 点 で あ る 。 した が っ て 、 内 容 展 開 に 基 づ く 区 分 は 私 自身 の 方. で 行 な わ ね ば な らな い の で あ る。 当該 個 所 の 〈 国 内公 法 〉 は、 ヘ ー ゲル に よ って 行 わ れ て は い な い が 、 内容 を考 慮 して私 自身 で 区 分 す る と 、 ま ず 大 き く次 の 二 つ に 分 け る こ と が で き る 。 Iと し て 国 家 の 本 質 ・理 念 に 関 す る こ と 、Ⅱ と し て 国 家 の 機 構 に 関 す る こ と で あ る 。Ⅱ は さ ら に 、 三 つ の 国 家 権 力 論 が 中 心 に な る た め 、 (1)君. 主 権 、(2)統. 治 権 、(3)立. 法 権 に 区 分 され る 。 そ し て 、 三 権 の 各 々 の 意 味 、 機 能 、 役. 割 な ど に つ い て 詳 述 さ れ る 。 し た が っ て 、 以 下 で 翻 訳 し、 検 討 す る に あ た っ て も 、 ヘ ー ゲ ル の 展 開 順序 に お お よそ した が って行 な って い く こ とにす るが 、 内容 理 解 を 容 易 に す る た め に、 一 ま と ま りの 内 容 を 一 言 で 表 現 す る. 1.国. 「 小 見 出 し」 を 私 自 身 で 補 充 す る 予 定 で あ る 。. 家 の本 質 ・理 念 ①. 国 家 と 自由 の実 現 ・. 「国家 の うち に具 体 的 自由 は存 在 す る」(S.226). ・. 「 個 人 が な お みず か らの特 殊 性 に した が って 存 在 しえ る とい う こ と 、 こ の こ と は 個 人 に と って 十 分 に 自由 で あ る」(S.226). ・ ②. 「 最 高 の 自由 を人 間 は 国 家 に お い て もつ」(S.226). 国 家権 力 の 分立 ・. 「人 は 近 代 に お い て 、 権 力 の 分立 の うち に 自由 の保 証 をみ て と っ た の で あ る。 この こ とは総 じて近 代 の理 念 で あ る」(S.231). ・. 「国 家 は 普 遍 的 な もの を 目的 に もち 、 そ して国 家 は み ず か ら の 様 々 な 領 域 一 般 の理 念 的 な も の で あ る。 この 普 遍 的 な もの の うち に は 、 みず か ら の 固有 な も の 以 外 の いか な る他 の 規 定 も存 在 しえ な い。 第1の. もの は 、普 遍 的 な もの と して. の普 遍 的 な もの を 組 織 化 す る こ とで あ る。 これ は立 法 権 で あ る。 第2の. もの は 、. 特 殊 的 な もの を 実 現 す る こ とで あ り、 した が っ て特 殊 的な も のが 普 遍 的 な もの と同 一 に され る こ とで あ る。 これ は統 治 権 で あ る。 第3の. もの は 、 全 く抽 象 的 11.
(4) に個 別 性 で あ り、 主 観(体)性. そ の も の で あ る。 これ は君 主 権 で あ る。 これ ら. が[国 家 を構 成 す る]三 つ の 契 機 で あ り、 三 契 機 の 像 で あ る。 立 法 権 に お い て、 した が って統 治 権 と君 主 権 とが 機 能 して い る。 同様 の こ とが統 治 権 お よび君 主 権 に も当 て は ま る。」(S.237) ③. 憲 法 ・国制 の理 念 ・ 「憲 法 ・国制 は 、即 自か つ 対 自的 に 理 性 的 な意 志 が 現 存 在 を もつ 、 とい う点 に あ る」(S.228) いのち ●. 「 憲 法 ・国 制 は 国 民 の 実 体 的 な 生 命 で あ る」(S.229). ●. 「国 民 の 実 体 的 な も の と して の 憲 法 ・国 制 は 、 国 民 の 聖 な る も の で あ る」 (S.230) 「こ う した[先 述 の三 権 の 関係 しあ っ た]憲 法 ・国 制が 、立 憲 君 主 制 と よばれ る. ●. 当 の もの で あ る」(S.237f.) 「立 憲 君 主 制 は 新 しい 世 界 の発 明 品 で あ り、作 品 で あ る。実 体 的 な理 念 は この 中. ●. で み ず か らの無 限 の形 式 を見 出 した の で あ る。 他 の一 切 の憲 法 ・国制 に お い て、 ほ ん と うの 自由 は ま だ実 現 に達 して は い な い。」(S.238). Ⅱ .国 家 の 機 構 (1)君. 主権 ①. 君 主 権 の概 念 ・ 「 君 主 権 は まず 第1に 考 察 され る。なぜ な ら、君 主権 に おい て概 念 そ の もの の現 存 在 が 主 観(体)性. と して 、 みず か らの場 所 を もつ か らで あ る。 この 規 定 に お. け る第1の 契 機 は 、 総 じて 国 家 の 主権 で あ る」(S.238) ・. 「主 権 の この契 機 が 、 と りわ け 封 建 君 主 制 に欠 け て い た。[封 建 君 主 制 に お い て は]君 主 だ け が 国 内 向け の 主 権 を も って い な か った だけ で な く、 国 家 自身 も主 権 を も って いな か った の で あ る」(S.239). ・. 「 君 主 権 の概 念 に お け る第2の 契 機 は、 主 権 で あ る ところ の一 体 性 が主 観(体) と して現 実 的 で あ る とい うこ とで あ る。 主 観(体)性. は最 高 の仕 方 で 、 た だ 自. 我 と して現 存 在 す る。 自我 は 純 粋 な 同 一 性 で あ る。 自我 に お い て は 、 一 切 の 特 殊 化 は廃 棄 され てい る。」(S.239f.) ・ 「君 主 権 に お け る第3の 契 機 は 、即 自か つ 対 自的 に 普遍 的 な も の で あ る。 これ に あた るの が 、法 律 と憲 法 ・国 制 で あ る。」(S.253) ②. 君 主 の成 り立 ち と性 格 ・ 「した が って君 主 は 自然 に よ って 、つ ま り生 まれ に よ って現 に あ る と ころ の も の で あ る」(S.243) ・. 12. 「国家 の主 権 は み ず か らの 現存 在 の側 面 を 主観(体)の. うち に 、一 つ の個 体 の う.
(5) ち に もち 、 そ して この ことが 君 主 で あ る。 立 憲君 主 制 は概 念 の様 々な 契 機 を 自 由に 嵌 め込 み含 ん で い る」(S.240) 「主 観(体)性. は 非 常 に排 他 的 な一 者 で あ り、排他 的 な 人格 で あ る。今 や 主 権 は. この もの(人 格)と. して あ る ので あ るか ら、 主権 は主 権 者 で あ り、 そ れ は 君 主. で あ る。 国民 の主 権 につ い て 語 られ る。 この こ とは 国民 相 互 の 全 体 性 に つ い て の み 妥 当 しえ る」(S.241) 「 君 主 は 国 家 に お い て 人格 性 そ の も の で あ る」(S.241) 「君 主 が みず か らの名 前 を署 名 す る時 には 、そ こに は た ん に単 純 な も の、す な わ. ●. ち 私 が意 志 す る とい うこ とだ け が あ るの で あ る」(S.241) ③. 理 性 的 な 国家 と君 主 の役 割 ・ 「もち ろ ん理 性 的 な もの が 支配 す べ きで あ る。そ して憲 法 ・国 制 が 理 性 性 自身 で あ る。 しか し、 こ の 理 性 性 に お い て 、 一 方 の契 機 は あ の 同一 性 、 あ の 主 観 (体)性 、 こ の 自然 的 な もの で あ る」(S.245) ・ 「 理 性 的 な 国 家 に お い て は 、国 家 の幸 福 が依 存 して い る諸 組 織 ・制 度 が本 質 的 で あ る。 民 主 主 義 にお いて は 、 善 が依 存 して い る 国民 の主 観(体)性 本質 的 で あ る。 理 性 的 な 国 家 に お い て は 、主 観(体)性. そ の もの が. は多かれ少なかれ何か. ど うで も よい も ので あ る」(S.250) ・ 「 主 権 はそ もそ も最終 決 定 で あ る。国 家 に お い て生 じる一 切 の もの は 君 主 の 名 前 に お い て、 ま た君 主 の力 に よ って 生 じる」(S.250) ・ 「 法 律 や 諸 組織 ・制 度 が 何 か即 自かつ 対 自的 で あ って 、そ れ らに つ い て 君 主 は 決 定 しな い。 君 主 は しか しな が ら、特 殊 的 な もの につ い て決 定 す る。 決 定す る も の は 、 みず か ら の真 の、 概 念 に 合致 した形 式 に お い て この主 観(体)で. あ る」. (S.251) ④. 国 政上 の責 任 体 制 ・ 「た ん に 形式 的 な もの は 、まず も って 内容 空 虚 で あ る。 内容 の側 面 は 今 や 特 殊 な 立場 に 、つ ま り君 主 の前 に 出現 しな け れ ば な らな い あ る上 級 の審 議 す る立 場 に 依存 す る。 この審 議 す る立 場 は 、 同 時 に 客 観 的 な もの 、普 遍 的 な も のを 君 主 の 前 に もた らさね ばな らな い。 この こ とは 、総 じて 内 閣 と よば れ て い る もの で あ る。 これ ら諸 個 人[内 閣 の大 臣 た ち]が 君 主 の 直接 的 な人 格 性 とか か わ り合 っ て い る 限 り、彼 らの任 命 と免 職 は 君 主 に委 ね られ た ま まで いな け れ ば な らな い とい うこ とが あ る」(S.252f.) ・ 「 君 主 みず か ら統 治 す る とい うこ とが 本 質 的 な もの とみ な され うる。同時 に しか しな が ら、君 主 の 自己統 治 も また 何 か 非 常 に 危 険 な もの で あ る」(S.253) ・. 「 最 も確 か な も のは 常 に 、 大 臣 が 助 言 を頼 ま れ る とい うこ とで あ る」(S.253). ・ 「責 任 は も っぱ ら大 臣 に 帰 せ られ うる。責 任 を 負 うとい うこ とは 、あ る行 為 が 憲 13.
(6) 法 ・国制 に 、つ ま り法 ・権 利 で あ る と ころの もの 等 々に 適 合 して い る とい う こ とを意 味 す る。 大 臣 た ち に客 観 的 な も の の こ の側 面 が 帰 着 す る。 君 主 の尊 厳 は 統 治行 為 に と って全 く責 任 が な い ので あ る」(S.253) (2)統. 治権 ①. 統 治 権 の役 割 と意 味 ・ 「この権 力 は 、法 律 の普 遍 的 な もの と憲 法 ・国制 とを 特 殊 的 な もの に お い て妥 当 させ 、 そ して特 殊 的 な 生活 の諸 圏 を普 遍 的 な ものへ と連 れ 戻 さな け れ ば な らな い。 この 領 域 に お い て 、普 遍 的 な もの と特 殊 的 な もの とが 衝 突 す る。 自分 に 没 入 す る とい う特 殊 的 な もの の衝 動 は 、普 遍 的 な もの に 対 して 自立 的 に な る。 こ の領 域 の うちに 今 や 、 総 じて市 民社 会 の特 殊 的 な諸 利 害 が あ る。 そ うい うもの と して 特 殊 的 な 諸 利 害 が 、 みず か らの独 特 の管 理 ・執 行 を もつ 。 職 業 団 体 、 諸 共 同体 お よ び地 方 自治 体 が 特殊 的 な諸 利 害 を もち、 そ してそ れ らに 固 有 の 当 局 や長 をそ のた め に派 遣 す る こ とが で き る。 特 殊 的 な もの は 、 こ こで は確 か に み ず か らの権 利 を手 に入 れ る こ とが で き るが 、 しか し国家 の普 遍 的 な ものに つ い て特 殊 的 な もの に は最 後 の決 定 は や って 来 な い」(S.254). ②. 官 吏 と統 治 組 織 ・ 「こ こに は した が って、普遍 的 な も の の諸 利 害 を 保持 す る上 級 の統 治 権 の官 吏 が い る。 これ ら様 々な官 吏 と上 級 官 庁 とが 大 臣 た ちや 君 主 の も とへ結 集す る。 市 民 社 会 に お い て 、 まず も って各 人 が みず か ら の利 害 を 追 求 し、 そ うす る こ とに よって 特 殊 的 諸 圏 の 利 害 相 互 の衝 突 が生 じ、普 遍 的 な ものに 対 して みず か らの 位 置 を もつ 」(S.254f.) ・ 「本質 的 な契 機 は 、統 治 権 の有 機組 織 に お い て 、上 級 官 庁 が合 議 的 に 組 織 化 され て い る とい う こ とで あ る。 合 議 の 形式 は 、 ドイ ツ の憲 法 ・国制 にお いて は ず っ と前 か ら用 い られ行 わ れ て い た 」(S.256) ・ 「 統 治 権 の様 々な 業務 に は諸 個 人 が 必 要 で あ る。客観 的 な契 機 は そ の さ い、 これ ら諸個 人 が みず か らの能 力 ・才 能 を 実 証 す る とい う こ とで あ る。 この条 件 の も とで 、各 市 民 に は 公務 員 へ の道 が 開 け て い な け れ ば な らな い 。主 観 的 な側 面 は、 多 くの 同 じ よ うな 能 力 ・才 能 を有 す る もの の うち で 、 特 殊 的 な あ る個 人 が採 用 され る とい うこ とで あ る。 大 抵 の国 家 諸 要 件 に は 、 どん な 特殊 的 な 才能 ・能 力 も属 さな い の で あ って 、 多 くの個 人 が そ のた め の能 力 を 与 え られ うる の で あ る。 ま さに この 個 人 が 選 ば れ て 、他 の個 人 が 選 ばれ な い とい うこ とは 、 何 か外 的 な こと で あ る」(S.256f.) ・ 「総 じて 国家 公務 員 へ の採 用 が な され るの は 、 した が っ て君 主 権 で あ る。公務 関 係 は、 契 約 自身 の本 性 に 関 す る何 か を も っ て い る。 給 付 と反 対 給 付 が あ る」 (S.257). 14.
(7) ・ 「 業 務 は即 自か つ 対 自的 で な け れ ば な らな い何 か で あ り、そ して関 係 の 内容 は そ れ 故 、恣 意 に 帰着 しな い」(S.257) ・ 「 採 用 の主 権 的 行 為 に よ って職 務 に任 ぜ られ た個 人は 、みず か らの義 務 履 行 を 指 示 され る」(S.257) ・ 「国 家 の 奉 仕 者 は 国家 の召 使 で は な い。彼 は本 質 的 な 関係 を 引 き受 け 、そ して 義 務 履 行 は そ の も とで彼 が み ず か ら の 職 務 を 遂 行 し うる 本 質 的 な 条 件 で あ る」 (S.257) ③. 統 治 関係 者 の教 養 形 成 ・ 「総 じて 政府 ・統 治 の メ ンバ ーた ち と、そ れ に 関 わ って い る人 た ちは 、そ もそ も 一 層 普 遍 的 な教 養 を必 要 とす る。 そ して この教 養 が 彼 ら の特 殊 的 な 現 存在 に な る 限 り、 この集 団 はそ もそ も、 中 間 階層 と よばれ る ものを 形 成 す る。 この 階 層 は 、彼 が普 遍 的 な認 識 、 普 遍 的 な 見解 に献 身 す る とい う点 に 必 然 的 に 生 き る。 この 階層 の発 展 と概 念 に 総 じて 、 国 家 の本 質 的 な知 性 が 依 存 す る。 諸組 織 ・制 度 は 、 この階 層 がみ ず か らの 威 力 に よ って貴 族 制 の形 成 へ の手 段 を 獲 得 しな い 、 とい う こ とを生 ぜ しめ なけ れ ば な らな い」(S.258) ・. 「諸 組織 ・制 度 は 十 分 な安 定 性 を もた なけ れ ば な らず 、 そ して 公 務 員 の恣 意 と ル ー ズ さに対 して堅 固 な壁 を 形 成 しな け れ ば な らな い」(S.258f.). (3)立. 法権 ①. 立 法権 の 意味 と役 割 ・ 「立 法 権 は 普 遍 的 な もの そ の もの を確 定 しな け れ ば な らな い。諸 法 律 は、国 家 に お け る 普遍 的 な諸 関係 で あ る。 これ ら諸 関 係 の他 に 、統 治 諸 行 為 の規 定 が 立 法 の性 格 を もま た 引 き受 け る と い うよ うな 普遍 的 な統 治 行 為 もまた な お 存 在 す る。 憲 法 ・国制 自身 は立 法 権 の外 部 に あ る。 諸 法律 の発 展 の うち に、 そ の間 に 憲 法 ・国制 の発 展 もま た あ る。 立 法 権 は 今 や 、 そ れ だ け で 同時 に他 の諸 権 力 と同 じ よ うに 、 全 体性 で あ る。 立 法 権 は、 そ の も とに 最高 の決 定 が帰 着 す る君 主 的 契 機 を み ず か らの うち に含 ん で い る。 同様 に 、 統 治権 が立 法 権 の も とで機 能 し働 い て い な け れ ば な らな い。 これ が 審 議 す る契 機 で あ る。 そ れ か ら第3の 契 機 は 議 会 的 要 素 で あ る。 この議 会 的 要 素 が 自立 し、 そ して 抽象 的 に それ だ け で 存 立 しえ な い とい うこ とは 、 これ ま で にす でに 注 意 した」(S.259). ②. 議 会 の 役 割 と機 能 ・. 「 憲 法 ・国制 に おけ る議 会 の 必 要 性 は 、 様 々 な 仕 方 で把 握 され うる 。 非 常 に 度 々、 議 会 は 最 高 権 力 に対 して必 然 的 な対 抗 力 と して 示 され た。 この見 解 の不 十 分 で 惨 め な こ とは 、 す で に これ ま で述 べ られ た 。 も ちろ ん 各 契機 は みず か ら の 自立 的 な 現 存 在 を もつ べ き で あ り、 そ してそ の限 り、 常 に 一 方 の契 機 は他 方 の契 機 に 制 限 的 に 関 係 す る」(S.259) 15.
(8) ・ 「他 の観 点 は 、国民 の代 議 士 た ちに よ る競 争 が 必 要 で あ る とい う もの で あ る。何 故 な ら、 この代 議 士 た ち は 国民 が 必 要 と して い る もの を最 も よ く知 っ てい るか らで あ る。 国民 は政 府 ・統 治 か ら引 き離 され て い る と、み ず か らが何 を欲 す る か を む しろ知 らな い」(S.260) ・ 「 統 治 諸 行 為 が 議 会 の監 察 下 に置 か れ る とい うこ とは、 もち ろ ん偉 大 で正 当な 契 機 で あ る。 この よ うに して普 遍 的 な も のが 妥 当 させ られ る。 議 会 の活 動 の対 象 は総 じて 、 国 家 の 全 く普遍 的 な諸 要 件 で あ る」(S.261) ・. 「そ うした普 遍 的 な諸 要 件 は 、 例 え ば諸 々の 共 同体 や 職 業 団 体 の 資 格 づ け で あ り、 市 民 的 、 刑 罰 的 立 法 で あ る。 こ う した立 法 が発 展 せ られ る限 り、 普遍 的利 益 の公 共 施 設 、 例 え ば 道 路 、橋 、公 邸 、療 養 施 設 は、 一 部 は 普遍 的 な要 件 で あ り、一 部 は む しろ政 府 ・統 治 の 活動 に 属す る 。度 々話 題 に な る対 象 は 、 戦争 と 平和 で あ り、 総 じて 外 国の 諸 威 力 との 関 係 で あ る。 こ の こ とは 国 家 全 体 に 関 わ る要 件 で あ る」(S.261). ・. 「 議 会 の 意 味 は 、そ もそ も普 遍 的な もの の意 味 で な けれ ばな らな い。議 会 は 、本 質 的 に統 治 ・政 府 の意 味 に行 きつ か ね ば な らな い」(S.264). ・. 「 市 民 社 会 は した が って 総 じて 、 自己組 織 化 した もの と して 現 わ れ ね ば な らな い。 組 織 的 な被 規 定性 は 、我 々 のみ る と こ ろで は 、農 業 階 層 と商 工 業 階層 の二 つ の主 要 形 式 を もつ 。我 々は<Stande>と. い う表 現 を、一 つ に は市 民社 会 の階. 層 と して の 、 も う一 つ に は 立 法権 の一 部 と して の二 重 の意 味 で使 用 す る。 かつ て は貴 族 、 聖 職 者 、 市 民 階 級 は政 治 的 階層 で あ った 」(S.265) ・ ③. 「 議 会 的 要 素 は市 民 的憲 法 ・国制 の動 的 側 面 を 形 成 す る」(S.267). 議 会 の二 院制 ・ 「 議 会 が 二 院制 を構 成 す る とい うこ とが 、理性 的 な 関係 を 成 立 させ る。一 方 の 院 は 極 と して止 ま り、他 方 の院 は 媒 介 の 要 素 を 形成 す る」(S.269) ・ 「同 じ普 遍 的 な 国家 要 件 が二 つ の 院 に よ り考 慮 され る こ とに よ って 、そ うす る こ とに よ る決 定 が 必然 的 に大 き な保 証 を 獲 得 す る」(S.270) ・. 「最 も重 要 な こ とは常 に、 そ の よ うに して対 立 が媒 介 され る とい うこ とで あ る」 (S.270). ④. 議 会 の公 開 ・ 「議 会 の 公 開 は 、一 面 で は欠 陥 のあ る効 果 を もち うる。議会 の 公 開 は 、立 ち会 っ て い る 人 々 に よって 強 く印 象 と影 響 を与 え させ られ る。他 面 で は 、 しか しな が ら公 開 に よっ て市 民 た ちが 論 じられ て い る こ とに つ い て 、 よ り詳 細 に 認識 させ られ る 。市 民 た ち は 、 この よ うに して 公 的諸 関係 に つ い て 調 べ 知 る機 会 を もち 、 そ して 彼 らは様 々 な観 点 で も って みず か らに と って重 要 な もの に 、 一 層 習 熟 し 知 る よ うに な る 。議 会 の諸 事 項 の公 開 に よ って 、総 じて人 々が 公 事 に つ い て 考. 16.
(9) え る よ うに な る とい うこ とが 引 き起 こ され る」(S.270f.) 「特 に 市 民 た ち は また 、 この よ うに政 府 ・統 治 と公 務 員 た ち を評 価 ・査 定 す る。 偉 大 な政 治 家 た ちは 、 この よ うに して最 高 の栄 誉 の舞 台 を 獲 得 す る。彼 らが 公 の評 価 に、 真 の外 部 的 栄誉 に 達 す る とい う こ と、 こ の こ とは と りわ け事 項 の 公 開 に よっ て生 じる」(S.271) ⑤. 世 論 の意 義 ・ 「世 論 は い わ ば 、全 体 性 が い か に 議会 に お い て表 明 され てい るか とい う こ とに対 す る補 遺 で あ る。 世 論 は総 じて 、大 き な比 重 と大 き な効 果 の あ る何 か で あ る。 議 会 、 政 府 そ して 君 主 の す べ て が この世 論 の 中 に立 っ てい る。 世 論 は さて まず 、 み ず か ら の うちに 正 義 ・公平 の実 体 的 な諸 原 理 を 含 ん でい る。 世 論 は した が っ て、 国 家 の 、 総 じて 国 民 の心 指 しで あ り、 そ して全 て の公 的 状態 の帰 結 を 含 ん で い る。 世 論 は この 側 面 か ら、 あ る 国民 に おけ る常 識 と よば れ て い る もの な の で あ る」(S.271) ・ 「 世 論 は そ の 限 り、把 握 す るの に 最 も難 しい現 象 の一 つ で あ る。 とい うの も 、世 論 は 諸 対 立 を 直 接 的 に みず か らの うち に 含 ん で い る か ら で あ る 。 世 論 は し た が って 、 完 全 に 無 な る もの で あ り、空 虚 な も ので あ るが 、 同 時 に ま った く実 体 的 な もの で あ る。 国 民 の 意識 の普 遍 的 な も の は神 の声 であ り、 そ して く民 衆 の 声 は 神 の 声 〉(voxpopulivoxdei)と. い う諺 は ま っ た く正 しい 。同様 に、 しか. しな が ら国 民 の 判 断 と声 に つ い て もま た、 対 立 した こ とが根 拠 を も ってい わ れ る。 世 論 が 一 面 で は 尊 重 され 、 しか し他 面 で は軽 蔑 され るに ち が い な い、 とい うこ とが い わ れ うる」(S.272) ・ 「世論 の うち に 真 に含 まれ て い る も のを 認 識 す る とい うこ とに は、深 い洞 察 が 属 して い る。 例 え ば 、 国 民 の 中 に普 遍 的 に不 満 が 支 配 して い る場 合 、要 求 が あ る とい うこ と、 この 欲 求 不満 を取 り除 か ね ばな らな い とい うこ と が 想 定 され る」 (S.273) ⑥. 言 論 ・出 版 の 自 由 と世 論 ・ 「 世 論 と、言 論 ・出 版 の 自 由 と よば れ る もの とが 連 関 して い る。国家 に おい て 議 会 が 存 在 して い る限 り、 こ こで一 般 大 衆 か ら考 えや 忠 告 が 汲 み取 られね ば な ら な い とい うこ とが す で に記 憶 され た」(S.273) ・ 「言 論 ・出版 の 自由 は 、まず も って みず か ら の思 想 や 見 解 を表 明 して も よい とい う形 式 的 権 利 で あ る。 言 論 ・出版 は 、遠 く隔 た っ て、 ま った く多 くの大 衆 と話 し合 え る驚 くべ き手段 で あ る。欲 す る こ とを表 明す る とい う形式 的権 利 は、 同 時 に 行 為 へ の 要 求 を 含 ん で い る 。 した が っ て 、 中傷 や 犯 行 へ の煽 動等 に対 す る 法 律 が 存 在 しなけ れ ば な らな い 。教 説 に よっ て、 そ してす な わ ち 言論 ・出版 に よって もまた 、対 立 が とげ とげ し くされ うる とい う こ とが さ らに あ る」 17.
(10) (S.273f.) 「最 大 の保 証 を言 論 ・出 版 は み ず か らの軽 蔑 の うちに もつ 。 イ ギ リス に お い て 、 毎 日多 くの 新 聞 が 発行 され 、そ れ ら の新 聞 は 大 抵 、政 府 に 対 して 向け られ て い る。 新 聞 は 毎 日、 政府 に対 す る多 くの嘲 笑 と根拠 を もた ら し、 政 府 だ け を この こ とが 嘲 笑 して きた。 とこ ろ で、 イギ リス の法律 は普 通 一 般 に 考 え られ て い る ほ どに は、 言 論 ・出版 の悪 事 に対 して 決 して 寛大 では ない 」(S.274) 「主 観 的 思 い込 み が実 体 的に な るな ら、国家 は み ずか ら の解 体 の うち に 把 握 され る。 民 主 主 義 の よ うな 憲法 ・国制 に お いて は 、実 体 的 な も のは 客 観 的 な 有 機 組 織 と して 自分 自身 に対 して あ る の では ない 。 これ に対 して 理 性 的 な も の、 実 体 的 な ものが 客 観 的 な方 法 で存 在 して い る有 機 組織 に お いて は 、 こ の私 の もの は む しろ外 的 な もの 、 偶 然 的 な もの で あ る」(S.275) 「[国家 の]自 立 は 国 民 に と って最 高 の命 令 で あ る。 そ して 自立 を 国 家 に維 持 す る こ とは、 個 々人 に と って最 高 の 、絶 対 的 な義務 で あ る」(S.276). 以上 が 、 第3回 講 義 に おけ る 「第Ⅲ 部 倫 理 」、 「第3章. 国家 」 中 の 〈a.国. 内公 法 〉部 分 の重. 要 個 所 で あ る。 こ こで 整 理 して お きた い の は 、 第2回 講 義 との 内容上 の異 同点 につ い て で あ る。 [第2回 講 義 と第3回 講義 と の共 通 点] 第1に は 、国 家 の本 質 ・理 念 につ いて の考 え の 点 で あ る。 この点 につ い て は 、三 つ の側 面 か ら 指 摘 し うる。(1)国. 家 と自 由 との 関 係 につ い てで あ るが 、家 族 や 市 民社 会 に お い て で は な く、国. 家 に お い て こそ 人 間 の 自 由が 具体 的 に実 現 す る と され る 。 この こ とに つ い て 、 ヘ ー ゲ ル は第3回 講 義 の 中 で こ う述 べ て い る. 「国家 の うち に 具 体 的 自 由は存 在 す る」(S.226)、 「 最 高 の 自由 を. 人 間 は 国家 に お い て もつ 」(S.226)→[第2回. 講義―. 「 国 家 は 具 体 的 自由 の現 実 性 で あ る」(第. 116節)、 「自 由 の現 実 性 が そ こで把 握 され る両極 が 、 国家 の 心 指 し と国 家 の 機 構 とで あ る」(第 118節)]。(2)自. 由 の保 証 の 担保 を 国家 権 力 の分 立(立 法 権 、統 治 権 、 君 主権)の. り、 この こ とに つ い て ヘ ー ゲル は 第3講 義 に お いて 次 の よ うに述 べ る―. うち に み て と. 「人 は近 代 に お い て 、. 権 力 の 分 立 の うち に 自由 の保 証 を み て と っ た の で あ る 。 この こ とは 総 じて近 代 の 理 念 で あ る」 (S.231)→[第2回. 講 義―. 「そ の[国 家 の精 神]自 由は 特 殊 な意 志 に よ って媒 介 され た もの と. して の み 実 在 的 で あ り、現 実 的 で あ る」(第119節)、 「[普遍 的 な もの ・国 家 の 精 神 ・自 由は]ま ず は法 律 へ 、 つ い で 特 殊 な諸 々 の場 合 の そ の も とへ の、 そ して 最 後 の意 志 決 定 と して 主 観 性 へ と区 分 され る。 個 々の 契 機 は 権力 の対 自的 に 具体 的 な体 系 と して あ る… …そ れ らは 君 主 権 、 統 治 権 お よび立 法 権 で あ る」(第121節)]。(3)三. 権 分 立 を基 軸 と した 固有 の 、そ して 理 想 的 な 憲 法 ・国 制. を 「 立 憲 君 主 制 」 と理 解 し、 ヘ ー ゲル は 第3講 義 で は こ う述 べ る―. 「こ う した[三 権 の関 係 し. あ った ] 憲 法 ・国 制 が 、 立 憲君 主 制 と よば れ る当 の もの で あ る」(S.237f.)、 「 立憲君主制は新 し い世 界 の発 明品 で あ り、 作 品 で あ る。 実 体 的 な理 念 は この中 でみ ず か らの無 限 の形 式 を見 出 した の で あ る 。 他 の 一 切 の 憲 法 ・国 制 に お い て 、 ほ ん と うの 自 由 は ま だ 実 現 に 達 して は い な い」 18.
(11) (S.238)→[第2回. 講 義―. 「 個 々 の契 機 は権 力 の対 自的 に 具 体 的 な体 系 と して あ る の で あ る. が 、 こ の場 合 の権 力 は したが って 、三 つ の全 て の契 機 を みず か らに含 ん で い る。 こ う した 個 々の 契 機 は 、 同時 に 他 の契 機 と の一 体 性 へ と 向か う。 そ れ らは君 主 権 、統 治 権 お よび 立 法 権 で あ って 、 これ ら はそ の一 体 性 に お いて 立 憲 君主 制 を形 成 す る」(第121節)]。 第2に は 、 国 家 の 機 構 に つ い て の考 え の 点 で あ る。 この点 につ い て は 、君 主 権 、 統 治 権 、 立 法 権 の三 側 面 か ら留 意 す る こ とが 必要 で あ る。(1)君. 主 権 に 関 して は 、まず 世 襲 君 主 で あ る こ とが. 確 認 され 、 そ うした 君 主 が 有 す る最 終 決 定 権 とい う権 限 と役 割 につ い てヘ ー ゲル は 第1講 義 の 中 で述 べ て い る―. 「君 主 は 自然 に よ って 、つ ま り生 まれ に よっ て現 に あ る と こ ろ の も の で あ る」. (S.243)、 「主権 は そ もそ も最 終 決 定 で あ る。国家 に お い て生 じる一 切 の もの は 君 主 の 名 前 に お い て、 また 君 主 の 力 に よ って 生 じる」(S.250)。 こ う した最 終 決 定 権 を有 す る君 主 は 国 政 上 の 責 任 体 制 と関 わ って 、内 閣 の 大 臣 た ち の任 免 権 を も って い る(「彼 ら[内 閣 の大 臣た ち]の 任 命 と免 職 は 君 主 に 委 ね られ た ま まで い な け れ ば な らな い」S.252f.)が. 、君 主 が下 す 最 終 決 定 は 形 式 的 な もの. で あ って 、 「内容 の側 面 は … …審 議 す る立 場[内 閣]に 依 存 す る」(S.252f.)。. こ こか ら、統 治 行. 為 の責 任 は 君 主 に で は な く大 臣 に 帰 せ られ る こ とにつ い て、 ヘ ー ゲル は第3回 講 義 の 中 で こ う述 べ てい る. 「責 任 は も っぱ ら大 臣 に 帰 せ られ うる。 責 任 を 負 う とい うこ とは 、 あ る行為 が 憲 法. ・国 制 に 、 つ ま り法 ・権 利 で あ る と ころ の もの等 々に適 合 して い る とい うこ とを 意 味 す る。 大 臣 た ちに 客 観 的 な もの の こ の側 面 が 帰着 す る。 君 主 の尊 厳 は統 治 行 為 に とって 全 く責 任 が な い の で あ る」(S.253)。 →[こ れ ら一 連 の 同 じ内容 の主 張 を 第2回 講 義 か ら抜 き出 して お く――. 「君 主. は … … 自然 的 な 方 法 で 、 つ ま り生 まれ に よ って規 定 され て い る」(第122節)、 「空 虚 な 最 終 的 決 定 を 君 主 権 がな す 。 諸 根 拠 に 基 づ い て な され る客 観 的 決 定 に つ い て は まだ 問 題 に な って い な い」 (第122節 補 注)、 「 君 主権 に含 まれ た 他 の契 機 は 、審 議 職 で あ る。 この 審 議職 は 、客 観 的 な もの 、 内容 お よび諸 根 拠 を 君 主 へ と もた ら し、 あ る場 合 に は 内 閣 が もろ もろ の 国事 の 決 定 と遂 行 の た め に、 あ る場 合 に は そ れ と結 び つ い た枢 密 院 が法 律 の審 議 と準 備 の た め に行 な うもの で あ る… … 内 閣 だ け が統 治 行 為 に 責 任 が あ るの で あ って 、 これ に対 して 君 主 に は 一 切 の 責 任 が 免 除 さ れ て い る」(第123節)、 「立 憲 的 国 家 に お い て は 、君 主 の 人格 性 はそ れ ほ ど重 要 で はな い 。 な ぜ な ら、 統 治 に お け る客 観 的 側 面 、 審 理 の側 面 は 君 主 か ら分 離 され て い る か らで あ る。 君 主 で は な くて 大 臣 が責 任 を負 うと い うこ と に よって 、 恣 意 が減 ぜ られ て い る。 なぜ な ら、君 主 が 命 じる も のは 大 臣 に よっ て署 名 され て いな け れ ば な らな い か らで あ る」(第123節 補 注)]。(2)統. 治 権 に 関 して は 、. 市 民 社 会 に おけ る特 殊 的 利 害 相 互 の衝 突 の 中 で 普 遍 的利 益 を擁 護 し発 展 させ る こ とを 使 命 づ け ら れ て い る 、市 民 か ら採 用 され た 公 務 員 ・官 吏 の 意 味 と役 割 に 留意 す る必 要 が あ る。 第3回 講 義 の 中 で ヘ ー ゲ ル は述 べ る―. 「 各 市 民 に は 公 務 員 へ の 道 が 開 け て い な けれ ば な らな い」(S.256f.)、. 「… …普 遍 的 な も の の諸 利 害 を保 持 す る上 級 の 統 治 権 の 官 吏 が い る。 これ ら様 々 な官 吏 と上 級 官 庁 とが大 臣 た ちや 君 主 の も とへ 結 集 す る。 市 民 社 会 に お い て 、 まず も って各 人 がみ ず か らの利 害 を追 求 し、 そ うす る こ とに よっ て特 殊 的 諸 圏 の 利 害 相 互 の衝 突 が 生 じ、 普遍 的 な もの に対 して み ず か らの位 置 を もつ」(S.254f.)。. こ うした役 割 を 有 す る 公務 員 ・官 吏 こそ 「中 間 階 層 」 と よば 19.
(12) れ、 国 家 の教 養 ・知 性 を代 表 す る とされ る。 ヘ ー ゲル は 言 う―. 「 総 じて政 府 ・統 治 の メ ンバ ー. た ち と、 そ れ に 関 わ って い る人 た ちは 、 そ もそ も一 層 普 遍 的 な 教 養 を 必 要 とす る。 … … この集 団 はそ もそ も、 中 間 階層 と よばれ る も のを 形 成 す る。 この 階層 は 、 彼 が 普遍 的 な認 識 、 普 遍 的 な見 解 に献 身 す る とい う点 に必 然 的 に生 き る。 この階 層 の 発 展 と概 念 に 総 じて 、 国家 の本 質 的 な知 性 が依 存 す る」(S.258)→[第2回. 講 義―. 「 統 治 権 は 普遍 的 な も のを 特殊 的諸 圏 に お い て主 張 し、. そ して これ ら特 殊 的諸 圏 を普 遍 的 な も のへ と連 れ 戻 さな け れ ば な らず 、 ま た普 遍 的 目的 の た め の 諸 業 務 に 配慮 しな け れ ば な らな い。 こ の こ とを 内閣 は 協 議 体 的 な 上 級諸 官 庁 お よび 個 々 の官 吏 を 通 して 実 行 す る 。 … …統 治 権 の職 務 に 関 わ る人 は 職 業 団 体 の 幹 部 と と もに 国家 に お い て 中間 階 層 を構 成 す る。 そ して 、 そ の 中間 階 層 に 国 民 の知 性 と教 養 あ る 自己 意識 が は い る ので あ る」(第124 節)]。(3)立. 法 権 の有 す る重要 な 意 味 、役 割、機 能 な どに 関 し て、第3講 義 にお いて ヘ ー ゲ ル は. 「 普 遍 的 な もの の 確 定」(S.259)、 「 国 家 の普 遍 的 な 諸 要 件」(S.261)へ (S.259)の 強 調 と この要 素 の 「市 民 的 憲 法 ・国制 の動 的側 面 」(S.267)の の監 視(S.261)等. と して確 認 す る。そ し て、議 会 の 「二 院制 」(S.269)の. る とと もに 、 「 議 会 の 公 開」(S.270f.)と. の 関 与 、 「議 会 的 要 素 」 形成 、 「 統治諸行為」 必 要 性 に つ い て強 調 す. 「言論 ・出版 の 自 由」(S.)、 お よび これ と連 関 した 「 世. 論」の 重 要 性 に つ い て 次 の よ うに述 べ る―. 「[議会 の公 開 に よっ て]市 民 た ち は、 こ の よ うに し. て 公的 諸 関 係 に つ いて 調 べ知 る機 会 を もち、 そ して 彼 らは 様 々な 観 点 で もっ てみ ず か ら に と っ て 重要 な も のに 、 一 層 習 熟 し知 る よ うに な る」(S.270f.)、 「議 会 、 政 府 そ して君 主 のす べ てが こ の 世論 の 中 に立 って い る。 世 論 は さて まず 、 みず か らの うち に 正 義 ・公 平 の実 体 的 な諸 原 理 を 含 ん で い る。 世 論 は した が って 、 国家 の 、総 じて 国民 の心 指 しで あ り、 そ して全 て の公 的 状 態 の帰 結 を 含 ん で い る。 世 論 は この 側面 か ら、 あ る国民 に おけ る常 識 と よば れ て い る も の な の で あ る」、 (S.271)、 「 世 論 と、言 論 ・出版 の 自由 と よばれ る も の とが 連 関 して い る。国家 に お い て議 会 が存 在 して い る 限 り、 こ こで一 般 大 衆 か ら考 え や忠 告 が 汲 み 取 られ ね ばな らな い とい う こ とがす で に 記憶 さ れ た」(S.273)。 →[第2回. 講 義―. 立 法 権 に おけ る議 会 の 国政 上 の重 要 な機 能 につ い て こ. う述 べ て い る。 「立 法 権 は特 に議 会 的 要 素 を 含 ん で い るの で あ って 、 これ に よ って 最 も 普 遍 的 な 要 件 で あ る もの が … …公 衆 の信 頼 と意 識 で も って規 定 され 、 そ して普 遍 的 な もの の意 志 が普 遍 的 で 実体 的 な仕 方 で生 じる」(第125節)。 そ して貴 族 院 と、 「 市 民 た ち に よ って 選 ば れ た 代 議 士 た ち」に よ って構 成 され 、「 市 民 社 会 の動 的 側 面 を 含 ん で い る」(第128節)衆. 議 院 との二 院制 に つ い. て 述 べ る。 そ の上 で 、議 会 の公 開 の 必 要 性 、 お よび世 論 と連 関 した言 論 ・出版 の 自由 の もつ重 要 な 意 義 に つ い て 次 の よ うに強 調 す る―. 「 世 論 は 言論 ・出版 の 自由 と直 接 関 係す る。 議 会 は世 論. の陶 冶 手段 で あ り、 した が って また 議 会 は 公 開 で な けれ ばな らな い。 公 開 な しに は 人 々 は 国家 と も ろ もろ の 国事 とを知 る こ とが で きな い 。 … … 政治 的 な授 業 は主 に議 会 を 通 して行 わ れ るの で あ る」(第129節 補 注)]。 [第2回 講義 と第3回 講 義 との 相 違 点] これ まで み て きた よ うに 、第3回 講 義 の 内容 は 国家 の本 質 ・理 念 お よび 国 家 の機 構 に つ い て の 基 本 的 な 考 え方 の 点 で 、 第2回 講 義 とほ ぼ 同 一 で 共通 した もの で あ る こ とが 確認 で きた 。 しか し 20.
(13) なが ら 同時 に、 二 つ の講 義 に は 重要 な 点 で の相 違 もみ られ る。 そ れ は 、 民 主 主 義 と立 憲 君 主 制 (国 家)と. の関 係 に つ い て の考 え に集 約 で き る よ うに 思 わ れ る。. 民 主 主 義 と立 憲君 主制(国 家)と. の関 係 に つ い て 、 ヘ ー ゲル は 第3回 講 義 に お いて 大 き く区 分. して2個 所 で のべ て い る。1つ は(イ)、 は(ロ)、. 国 家 の 機 構 を 論 じた 「 君 主権 」 の 中に おい て 、 も う1つ. 同 じ く国 家 の機 構 に お い て で は あ る が、 「 立 法権 」 中 の 言論 ・出版 の 自 由 と世 論 の 関 係. に つ い て の個 所 に お い て で あ る。 (イ)で は、 「民 主 主義 に お い て は、 善 が 依 存 して い る国 民 の 主 観 性 そ の も のが 本 質 的 で あ る」 (S.250)と. い い 、民 主 主 義 に お い て は 国 民 一 人 ひ と りの思 い 、考 え、思 想 な どを重 視 す る こ とが. 本 質 的 に な って い る とす るの に 対 して 、立 憲 君 主 制 と い うヘ ー ゲ ル の 理 想 とす る 憲 法 ・国 制= 「 理 性 的 な 国 家 」 に お い て は 、 こ うした主 観 的 な も の よ りは 、 客 観 的 な 「 諸 組 織 ・制 度 が 本 質 的 で あ る」(S.250)。 したが って 理 性 的 な 国 家 に お い て は 、 「主 観 性 は 多 か れ少 なか れ 何 か ど うで も よい もの で あ る」(S.250)。 この よ うに 民 主 主義 に お け る 国民 の 「 主 観 性」 は 、 「ど うで も よ い も の」 に まで貶 め られ て理 解 され る。 (ロ)で は 、民 主 主 義 につ い て こ う述 べ る―. 「主 観 的 思 い込 み が実 体 的 に な るな ら、 国 家 は. みず か らの解 体 の うち に把 握 され る。 民 主 主 義 の よ うな 憲法 ・国制 に お いて は 、 実 体 的 な も の は 客 観 的 な有 機 組 織 と して 自分 自身 に 対 して あ るの で は な い」(S.275)。 こ こで も、(イ)の. 場合と. 同 じ よ うに、 民 主 主 義 を 「 主 観 的 思 い 込 み」 との 関連 で論 じて い る。 こ の場 合 の 主観 的 思 い 込 み とは どの よ うな も のか と い うと、 言 論 ・出版 の 自由 お よび世 論 との関 わ りに お け る もの で あ る。 そ れ は次 の よ うな つ な が りに お い て 理 解 され て い る。 先 に み た よ うに ヘ ー ゲル は 、 世 論 お よび 言論 ・出版 の 自由を 議 会 の公 開 との 関連 で非 常 に 重 視 した が 、 こ の さい の 言 論 ・出 版 の 自由 は まず も って みず か ら の思 想 ・見 解 を表 明す る 「 形 式 的権 利 」 とお さ え、 そ の 上 で この 権 利 は 同 時 に 「 行 為 へ の要 求 」 を 含 んで い る と し、 この要 求 は す な わち、 「 言 論 ・出版 は遠 く隔 た って 、 ま った く多 くの 大衆 と話 し合 え る驚 くべ き 手 段 で あ る」 か ら、 「 中 傷 や 犯 行 へ の煽 動 」に もな りう る と考 え る。 こ の よ うな 状 況 の 言 論 ・出版 の 自 由 は 「 主観 的 思 い 込 み が 実 体 的 に な 」 った もの で あ り、 そ うな る と 「国 家 は みず か らの解 体 の うちに 把 握 さ れ る」 とヘ ー ゲル は い う。 国 家 の 解 体 に まで ゆ きつ く可能 性 の あ る、 言 論 ・出版 の 自 由に よ る 「中傷 や 犯 行 へ の 煽 動 」 な どに 対 して は 、 これ に対 処 す る法 律 が なけ れ ば な らな い と され る 。少 な く ともヘ ー ゲル の 考 え で は 、民 主 主 義 に お け る 「 主 観 的 思 い 込 み 」は 、「理 性 的 な もの 、実 体 的 な ものが 客 観 的 な 方 法 で 存 在 し て い る有 機 組 織 」 で あ る立 憲 君 主 制 か らみ る と 「外 的 な も の 、 偶 然 的 な も の で あ る 」 (S.275)。 この よ うに第3回 講 義 に おけ る民 主 主 義 の 位 置 づ け ・理 解 は、 国民 の 「主 観 性」、 「主 観 的 思 い 込 み」 とさ れ 、偶 然 的 で 、 ど うで も よい もの 、 非 本質 的 な もの と価 値 の低 い もの と され て い る。 これ に対 して 、第2回 講 義 に おけ る民 主 主義 と立 憲君 主 制(国 家)と. の関 係 に つ い て の 考 え は ど. うで あ ろ うか 。 21.
(14) ヘ ー ゲル は まず 、 「 民 主 制 は 人格 的 自由 の 自己 意 識 の 開 始 で あ る」(第121節)と. し、 君 主 制. (「家 父 長 的 な形 式 の直 接 的 な反 映 と して 最 初 の形 式 」)お よび 貴 族 制(そ の 「第2の 形 式 」 で あ り、 「も ろ もろ の憲 法 ・国制 の 中 で最 も悪 い もの」)と 比 べ て 、 民 主 制(こ の 場 合 、 古代 ギ リシ ャ の民 主制)の 違 い を 確 認 しつ つ 高 く評 価 す る。 次 に 、 しか し民 主 制 は 「 現 実 的 な理 念 」 の どん な 像 で もな く、 「小 さ な 国 民 の も とで の み ふ さわ しい」 もの で あ って 、や が て 歴 史 の進 展 に よ り特 殊 的 利 害 が前 面 に 出 、 「人 格 的 自 由」 の 一層 の発 展 が 要 求 され て い くこ とに よ って 、 「習 俗 ・倫 理 喪 失 」 に よ り滅 亡 す る と され る。 だ が、 「 理 性 的 な 憲法 ・国制 」=立 憲 君 主制 にお い て は 、民 主 制 そ の ものの滅 亡 原 因 とな る個 人 の 「 特殊性」や 「 個 別 性 」 の原 理 が みず か らを 形 成 して い き、 「[立 憲君 主 制 そ の もの の]倫 理 の原 理 」(第121節)に. な る とヘ ー ゲ ル は い う。 す な わ ち 、 立 憲 君 主 制. に お い ては 、個 人 の 特殊 性 つ ま り 「人格 的 自由」 は な くな る の で は な く、形 成 ・発 展 させ られ て い く。 こ の場 合 もち ろん 、 普 遍 的 な 目的 を履 行 し、実 行 す る とい うこ とにつ な が る形 の も ので は あ る。 こ うして立 憲 君 主 制 で は民 主 制 の原 理 が 活 か され 、新 た に 展 開 を み るの で あ る。 この視 点 が 、 立 法 権 に お け る 「議 会 的 、民 主 主 義 的 要 素 」 の 強 調 、 例 え ば 「 議 会 に お い て 、 さ らに 国民 が まず も って 政府 に直 接 対 立 して あ らわ れ る」(第127節)と. され る、 政 府 に 対 立 さえ し うる 国民 の直 接. 的 な意 志反 映 と して の議 会 の 強調 や 、 また 「市 民 た ちに よ っ て選 ばれ た 代 議 士 た ち」 に よ り構 成 され る衆 議 院(二 院制)の. 意義 の強 調 、 それ に議 会 の公 開 の必 然 性 、 それ に 密 接 に 連 関 した 言 論. ・出版 の 自由 の重 要性 な どの 強調(第129節)と. い う一 連 の 主 張 へ とつ な が って い くの で あ る。. こ うみ て くる と、 第2回 講 義 で は 民主 主義 的 要 素 が立 憲 君 主 制 へ と引 き継 が れ て い き、 新 た に 発 展 させ られ 理 解 され て い るの に 比 べ て 、 第3回 講義 で は 民 主 主 義 は 低 く評 価 され て い る のが 分 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、 、. 、. 、. 、. か るの で あ る。 こ う した 民 主 主 義 へ の低 い 評 価 、 つ ま りは 国 民 の 自 由意 志発 露 へ の軽 視 は必 然 的 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. 、. に 国 家主 権 の重 視 、 あ る い は国 家(存 続)自 体 の 自己 目的 化 へ と帰 着 す る、 あ る い はそ の よ うな 方 向性 が 明示 され る。第3回 講 義 の 中 で ヘ ー ゲル は述 べ る―. 「[国家 の]自 立 は 国民 に とっ て最. 高 の命 令 で あ る。 そ して 自立 を 国家 が 維 持 す る ことは 、 個 々人 に とって 最 高 の 、絶 対 的 な義 務 で あ る」(S.276)。 く り返 しに な るが 、国家 の 自立 を損 じ、国 家 を 解 体 へ と導 く可能 性 の あ る民 主 主 義 に おけ る国 民 の 「主 観 性」 の 強調 、 「主 観 的 思 い込 み」(例 え ば 、言 論 ・出 版 の 自由 の過 度 の 強 調)は 、 法 律 に よ って 対 処 され な けれ ば な らな い とされ る。 こ う した ヘ ー ゲル の主 張 に は 、 第2回 講 義 が 行 われ た1818/19年 れ た1819/20年. のわ ず か1年. 冬学 期 か ら第3回 講 義 が な さ. の間 の 政治 的社 会 的状 況 の 悪化(1819年9月. の 「カ ール ス バ ー ト決. 議 」 に 代表 され る)が 如 実 に反 映 して い る よ うに 私 は考 え て い る。. 注 本 稿 で は ヘ ー ゲ ル の 「法 ・権 利 の哲 学 」 第3回 講 義 を主 に 分 析 研 究 の対 象 に した が 、 そ の さい ベ ー ス に し た テ キ ス トは 次 の もの で あ る。 G.W.F.Hegel,. 22. Philosophie. des Rechts,. Die Vorlesungen. von. 1819/20 in einer Nachschrift,. hrsg.. von.
(15) DieterHenrich,Frankfurt1983. こ の テ キ ス トか ら の 引 用 ペ ー ジ は 、 本 文 に お い て()の す る た め に 第2回. 中 で 明 示 し た 。 な お 、 第3回. 講 義 の 内 容 と比 較. 講 義 か ら も 引 用 し た が 、 そ の さ い 使 用 し た テ キ ス トは 次 の も の で あ る 。. G.W.F.Hegel,DiePhilosophiedesRechts,DieMitschriftenWannenmann(Heidelberg1817/18)und Homeyer(Berlin1818/19),hrsg.Eingeleitet こ の テ キ ス トか ら の 引 用 に あ た っ て は 、 第3回. und. erlautert. von. Karl-Heinz. Ilting,Stuttgart1983.. 講 義 筆 記 録 と異 な っ て 節 ご と に 区 切 ら れ 、 そ し て 各 節 に は. 通 し 番 号 が つ け ら れ て い る た め 、 ペ ー ジ 数 は 記 さ ず に 節 番 号 だ け を 本 文 に お い て()の. 中 で 明示 した 。. 23.
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