地域コミュニティにおける災害時要援護者の個人情報の扱いに関する考察
Consideration on Handling Personal Information of Persons in Need of Aids on Occasions of Disaster in Local Community
○山本紋加1,秀島栄三1
Ayaka YAMAMOTO, Eizo HIDESHIMA Keywords :災害時要援護者,個人情報,地域コミュニティ,災害,名簿
persons in need of aids on occasions of disaster,Personal Information,Local Community,disaster,roster
1.はじめに 我が国は地理的・地勢的条件から,地震,火山噴火, 風水害が起きやすく,脆弱な国土をもっている.特に近 年の災害では,災害時要援護者(以下,要援護者)の深 刻な被災が多く,大きな社会問題として注目されてきて いる.要援護者は,多様なハンディを抱えているだけで なく,災害の局面や時期によって求められる援護が異な るため,個々の要望や状況に合わせた対策が求められる. 要援護者の安否を確認し,避難後の支援をしていくため には,平常時から要援護者の安否確認や,行政などの避 難後の支援に当たる機関と支援者が情報の共有を行い, 災害時には速やかな支援を可能とするシステムを構築し ておくべきである.中でも地域コミュニティは行政機能 が麻痺し,行政が被害者を十分に支援できない場合には, 共助による救出率を高めることが重要視されることから, 要援護者の情報を把握しておくことが望まれる.しかし, 個人情報の観点からなど,情報の扱い方には多くの問題 点があることに注意することが必要である.本研究では, 要援護者名簿が抱える問題点を浮き彫りにすることで, 地域コミュニティにおける名簿の扱いの改善案を示す. 2. 要援護者支援に関する現在の状況 首都直下型地震,南海トラフ地震など大規模災害が 懸念される中で,国および地方公共団体による防災・減 災対策とともに,住民自身による自助,地域コミュニテ ィ等における共助が重要であるとの認識が広まりつつあ る.しかし,市町村や民生委員,地域コミュニティなど の支援組織が個々に要援護者対策を行っているため,災 害時に誰がどのような行動をするのかが曖昧になってい る.支援組織の間で協力や情報共有を図ることで,支援 を迅速かつ安全なものにすることが望まれる.名簿の問 題点を浮き彫りにするために,①名簿の作成作業と保存作 業,②要援護者の支援者や支援機関が持つ情報の所在の 調査,③民生委員へのヒアリング調査を行う. ①要援護者名簿の作成作業と保存作業 名古屋市中区栄一丁目にて,要援護者名簿の作成作業 と保存作業を行った.期間は,9月23日から30日までの平 日6日間,約150名の情報をA3版の用紙に記録した. Microsoft Excel を利用してデータを保存した.図1の左側 には名古屋市の個別支援計画(様式13)1を利用し,町内会 名,住所,氏名,生年月日を記録し,右側には住所,地図, 建物の写真を記録した.また,ランドマークとなるようなもの を地図に配置させ,大きな矢印で指した. 名簿の作成では,作成や更新作業が容易になるようにメ ジャーなソフトウェアを利用した.また,助ける側も比較的年 齢層が高くなることを考慮して,情報の保存を紙媒体にする ことで,難しい作業せずとも情報を閲覧できるようにした.一 目見てわかるように文字のサイズなど,レイアウトの工夫も行 った. 図 1 栄一丁目で作成した要援護者名簿の概要
今回の作業から,掲載する情報をどこまで詳しく記録す るかと,要援護者名簿の保存方法について問題点が挙げ られる.地域コミュニティは個々の要望に応えるため, より詳しい情報を持つことが期待される.しかし,要援 護者の情報を詳しく書けば書くほど,個人情報は量と質 ともに増すため,情報が流出した場合に損失が大きくな る.今回作成した栄一丁目の要援護者名簿では,災害発 生時に安否確認ができない者や行方不明者の発見・救出 までは利用できる可能性があるが,その後の避難生活に 利用するには情報不足であるため,生活再建時には新た な名簿が必要になる.そのため,情報の重要性と開示の タイミングを考慮する必要がある.また栄一丁目での名 簿の保存には,平常時は紙媒体と電子媒体を併用しての 利用を考慮し,緊急時には紙媒体のみの利用を考慮して 作成したが,紙媒体と電子媒体での保存にはそれぞれ長 所と短所がある.紙媒体での保存は,停電などの影響を 受けないことや誰でも見てすぐ理解しやすいことが利点 である.一方で,コピーされると個人情報がどこまで出 回るかわからなくなる.個人情報の取り扱いには慎重に なる必要がある.電子媒体での保存は,セキュリティが 高く,データを更新しやすいため,保存には適している が,緊急時にすぐに対応できない.よって,平常時には 電子媒体で保存,緊急時には紙媒体での利用とすること が望ましい.携帯電話やノートパソコン,タブレット端 末などの持ち運びに便利で停電の影響をすぐには受けな い電子機器の利用により,電子媒体と紙媒体の利点を兼 ね備えた対策が可能であるが,緊急時に発生する通信集 中による輻輳やケーブルの断線などに加えて,高齢者の 電子端末に対する苦手意識の払しょくも求められるため 実現は難しい.よって,緊急時には紙媒体での利用を一 番に考えることが賢明である. ②要援護者名簿の情報の所在の調査 要援護者について支援組織がもつ情報の調査結果を表1 にまとめる.現在,項目の情報を持っている場合は○, 持っていない場合は×と記入する. 市町村などの公助の観点から防災活動に関わる組織は, 名前などの個人を特定できる情報に加え,避難場所など の防災に関わる情報を持っている.民生委員や社会福祉 協議会などの共助の観点から要援護者に関わる組織は, 普段いる部屋の位置や,人工呼吸器の有無など,個人に 密着した情報を持っている.民生委員は特に要援護者と 関わりの深い支援組織であるため,多くの情報を持って いる.さらに,地域コミュニティと民生委員を比較すると,現 在持っている情報は民生委員の方が多いのに対し,災害時 の活躍は要援護者の近くにいると想定される地域コミュニテ ィの方が期待されているため,情報量と期待に相違がわか る.各組織が地域コミュニティと情報を共有することで,地域 全体で要援護者を守る仕組みをつくることが望まれる. さらに,要援護者の個人情報を,日常時には必要ない ものまで全ての支援組織が共有することは,情報漏えい などの可能性を考慮すると危険である.寝室の位置や人 工呼吸器,人工透析の有無などの情報を,地域コミュニ ティという支援組織が災害時に初めて知っても要援護者 を支援することを難しくしないと考えられる.よって表 2に,地域コミュニティが日常時,発災直前,災害発生 時,生活再建時に持っているべき情報を示すことで,ど の情報をどのタイミングで共有することが望ましいかを 考察する.黒字で示したものがすでに持っている情報と し,赤字で示したものがその時に初めて必要になると考 えられる情報である.日常時に持つべき情報は栄一丁目 で作成した要援護者名簿を参考にする. 表1 要援護者情報の所在(現在の状況) ○ 知っている 自助 公助 × 知らない 本人 地域コ 民生委員 社協 市町村 (1)個人を特定できる情報 氏名 ○ ○ ○ ○ ○ 性別 ○ ○ ○ ○ ○ 生年月日(年齢) ○ ○ ○ ○ ○ 宛名番号 ○ × × × ○ 個人番号(マイナンバー) ○ × × × ○ (2)居場所の情報 住所 ○ ○ ○ ○ ○ 電話番号 ○ ○ ○ ○ ○ 町内会名 ○ ○ ○ ○ ○ 家族構成・同居状況 ○ ○ ○ ○ ○ 普段いる部屋の位置 ○ × × ○ × 寝室の位置 ○ × × ○ × 世帯主 ○ ○ ○ ○ ○ 居住建物の構造・経過年数 ○ × × × × (3)要援護者である情報 介護が必要かどうか ○ ○ ○ ○ ○ 要介護度 ○ × × ○ ○ 認知症の有無 ○ × × ○ ○ 障害があるかどうか ○ ○ ○ ○ ○ 障害程度区分 ○ × × ○ ○ (4)避難時に必要な情報 人工呼吸器 ○ × ○ ○ × 透析 ○ × ○ ○ × ペースメーカー ○ × ○ ○ × 補聴器 ○ × ○ ○ × アレルギー ○ × ○ ○ × 避難所で生活ができるか ○ × ○ ○ × 日常生活用具 ○ × ○ ○ × 常用薬 ○ × ○ ○ × 情報伝達方法 ○ ○ ○ ○ × 一時避難場所 ○ ○ ○ × × 風水害時避難所 ○ ○ ○ × ○ 震災時避難場所 ○ ○ ○ × ○ 避難経路 ○ × ○ × × 避難の方法 ○ × ○ × × (5)支援者の情報 緊急連絡先 ○ ○ ○ ○ ○ 避難支援者の情報 ○ ○ ○ ○ ○ かかりつけの医療機関 ○ × ○ ○ ○ 担当ケアマネ・ヘルパー ○ × ○ ○ ○ 共助
日常時から生活再建時までの時間経過を考慮すること で,どの時間帯でその情報が必要になるかを分かりやす くした.その結果,日常時から必要である情報は現在の 要援護者の名簿で十分であると分かる.しかし,災害が 発生した場合にはこれだけの情報では不十分であると言 える.発災直前では,要援護者は早めの避難を行う可能 性があるため,地域コミュニティは要援護者の居住建物 自体やその周辺の危険性を理解して,避難支援を行う必 要がある.また,避難時には要介護度や障害程度区分な どによって人手や必要なものが変わってくるため,日常 時にはあまり知られたくない情報として共有されていな かったとしても,発生が懸念される時点では情報共有が 出来る仕組みが必要である.災害発生時には,安否確認 ができなかった要援護者の元に直接支援に行く可能性が ある.その時,要援護者の居場所の正確な情報を持って いれば,不必要な瓦礫を退かすなどの作業が短縮される. そのため,日常時には盗難などの危険性を考慮して知ら れたくない情報である寝室の位置や普段いる部屋の場所 などの情報も必要になる.生活再建時には,要援護者と 避難所で生活を共にする可能性がある.その時には周り の人と協力して,要援護者の震災関連死を避ける必要が ある.そのため,人工呼吸器や人工透析の有無などの個 人に密着した情報が必要になる. ③民生委員へのヒアリング調査 民生委員は要援護者対策において様々な問題点を抱え ている.それらの問題点を改善する案を模索するために, 民生委員へのヒアリング調査によって,現在の市町村の 状況と抱えている問題点を知り,さらに問題点とどのように 向き合っているか,これからどのように改善したいかを調 査した.本ヒアリング調査は,岐阜県恵那市の中心街であ る長島地区と山間部の地域である山岡地区を担当する民 生委員それぞれに行い,現在の民生委員活動の状況と 課題を訊ねた. 調査から,長島地区では,民生委員は地域コミュニティ とのつながりが深くないと感じていることが分かった.民生 委員が持つ要援護者名簿はバックアップのための保存は されておらず,民生委員本人が被災した場合や,要援護 者名簿が損失した場合は利用が困難である.さらに,そ れぞれの民生委員が担当の要援護者名簿のみを所有し ているため,災害発生時に災害対策本部を設置したとし ても,民生委員全員が集まれなければ,要援護者名簿の 利用が困難であると分かった.また,民生委員と自治会など の地域コミュニティとの関係はあまり深くなく,地区によって は自治連合会との連絡会を行っているところもあるが,長島 地区では行われていないようであった.連携したい意思は あるが,要援護者支援について先頭に立って導く人がいな いのが問題である.民生委員にとって見回り活動をひと月に 2回訪問するのは負担が大きい.それは,一人が担当する 人数が多いことに加えて,見回りに行っても留守のために2 回の訪問では済まないこと,詳しい話を聞くと滞在時間が長 くなり,1日に何人もの人を訪問できないからである.そのた め,2回のうち1回は地域コミュニティと協力して,地域コミュ ニティにおける担当者が訪問するような仕組みにするなど の工夫をすることが望ましい.しかし,民生委員などの役名 がある人でも,知らない人の家に行くのは負担が大きいため, 地域住民が見回りに行くのはさらに困難であると考えられる. そこで,見守り活動をする側も動きやすいように,新たに役 を任命することや,情報誌や広報などで活動についての周 知に努めることが必要であると考えられる. 山岡地区では長島地区と違い,高齢者同士の交流が多く 開催されている.市の助成による交流会も行われており,出 席者の状況を把握できることで,要援護者の中でも特に誰 に重点を置いて支援するべきかが分かる.交流会などによ る住民同士の交流を増やすことは,要援護者を見る人の目 を増やすため,人手不足の解消につながる.また,山岡地 区はNPO法人を設立 し,住民自治,住民活動,伝統行事 といった山岡町の豊かなソーシャルキャピタルと高い地域力 表2 時系列ごとの地域コミュニティが持つべき情報 日常時 発災直前 災害発生時 生活再建時 氏名 氏名 氏名 氏名 性別 性別 性別 性別 生年月日(年齢) 生年月日(年齢) 生年月日(年齢) 生年月日(年齢) 住所 住所 住所 住所 電話番号 電話番号 電話番号 電話番号 町内会名 町内会名 町内会名 町内会名 家族構成・同居状況 家族構成・同居状況 家族構成・同居状況 家族構成・同居状況 普段いる部屋の位置 普段いる部屋の位置 寝室の位置 寝室の位置 世帯主 世帯主 世帯主 世帯主 居住建物の構造・経過年数 居住建物の構造・経過年数 居住建物の構造・経過年数 介護が必要かどうか 介護が必要かどうか 介護が必要かどうか 介護が必要かどうか 要介護度 要介護度 要介護度 認知症の有無 認知症の有無 認知症の有無 認知症の有無 障害があるかどうか 障害があるかどうか 障害があるかどうか 障害があるかどうか 障害程度区分 障害程度区分 障害程度区分 人工呼吸器 透析 ペースメーカー 補聴器 アレルギー 避難所で生活ができるか 日常生活用具 常用薬 情報伝達方法 情報伝達方法 情報伝達方法 情報伝達方法 一時避難場所 一時避難場所 一時避難場所 一時避難場所 風水害時避難所 風水害時避難所 風水害時避難所 風水害時避難所 震災時避難場所 震災時避難場所 震災時避難場所 震災時避難場所 避難経路 避難経路 避難経路 避難経路 避難の方法 避難の方法 避難の方法 避難の方法 緊急連絡先 緊急連絡先 緊急連絡先 緊急連絡先 避難支援者の情報 避難支援者の情報 避難支援者の情報 避難支援者の情報 かかりつけの医療機関 担当ケアマネ・ヘルパー (2)居場所の情報 (3)要援護者である情報 (4)避難時に必要な情報 (5)支援者の情報 (1)個人を特定できる情報
を維持するための支援を,NPOが山岡町役場の代わりに担 う仕組みを考案した.基本財産を拠出し,住民自治制度に 組み込まれていた全戸がそのまま賛助会員になるNPO法 人まちづくり山岡 2が設立された.市町村合併後,恵那市山 岡支所では行わない住民自治,住民活動,伝統行事への 支援はまちづくり山岡が担い,地域力の活性化に取り組ん でいる.住民自治の仕組みが階層型のネットワークなのに 対し,まちづくり山岡の水平型ネットワークによって新たな地 域交流が生まれ,今後,多様な地域力が展開できると想定さ れる.山岡地区は,社会福祉協議会の会長と民生委員協議 会の会長が同一人物であるため,先頭に立って導く人が決 まっている.また,全国で初めてとなる試みに対して町内か ら反対意見もあがったNPO法人の設立も,山内町長の強い リーダーシップにより達成された.リーダーが決まっている 方が,要援護者支援に対しても決めごとや物事が運びやす い傾向にあることが分かった.また,おくやみの情報を無線 で流す取り組みを行っており,地域の人にとって要援護者 の状況を知る機会となっている.そのため,要援護者名簿に はあまり詳しい個人情報を記録しておらず,最低限の情報 だけ記録してあればよいとのことであった.狭い地域コミュ ニティであり,かつ昔からの人と人とのつながりが深いからこ そできるようなものも多いが,要援護者支援に対しての見守 りは十分なされている.しかし,高齢者の割合が多い山間部 では,人手が少ないため,日中に災害が発生した場合は支 援が困難である.さらに,民生委員が女性の場合は,災害時 以外にも夜間など人気がない時間帯に要援護者を訪問する のは危険が伴うため,億劫になるようであった. 地域により問題点に違いがあるため,それぞれの地域の 特徴に合わせた対策が望まれる. 3.要援護者名簿の扱いにおける問題点と改善案 要援護者名簿の扱いにおける問題点は3つ挙げられる. 1つ目は要援護者の問題点である.民生委員の活動への理 解のない要援護者がいること,自分が要援護者の対象では ないと考えている人からの情報の回収が困難であることなど である.2つ目は民生委員の問題点である.民生委員が被 災した場合,所有する要援護者名簿が紛失する可能性があ ること,被災した民生委員が集まれない場合は全員分の 名簿が集まらず,支援が困難になること,一人の民生委員 が避難支援に対応できる要援護者は数名にとどまること,被 災時の民生委員による要援護者宅への訪問には危険が伴う こと,通信手段の喪失で民生委員が孤立し無理な支援を強 いられることで自身の避難が遅れること,分散避難する住民 に対する民生委員による支援継続が難しいことなどが挙げ られる.3つ目は個人情報の扱いに関する問題点である.安 全性を考慮すると保存場所の準備が難しい場合があること, 名簿の保存場所やパスワードなどの情報を知る人が増えれ ば,情報流出の確率が上がることなどの問題が挙げられる. 要援護者名簿の扱いの改善案は,名簿本体の改善と利 用方法の改善が挙げられる.名簿本体の改善は,作成時に 平常時と緊急時に利用すべき情報を分類すること,支援内 容の具体化のために,介護度や障害程度,日常生活用品な どを記録することが挙げられる.さらに,保存時にはコピー できない用紙を利用すること,電子機器による更新の仕組 みの確立などが挙げられる.名簿の利用方法の改善は,民 生委員が活動を周知することや,役職の引き継ぎの簡潔化 などが挙げられる.また,地域コミュニティとしては,地域毎 に適切な更新回数の決定や,交流会の開催,保存場所の周 知により緊急時の迅速な利用を促すことなどが挙げられる. 4.おわりに 要援護者名簿についての各調査により,名簿の扱いの改 善を行うことで,現在よりも要援護者支援を迅速かつ安全に 行うことを可能にすると分かった.特に地域コミュニティと民 生委員が連携を強化することにより,改善される問題点が多 いため,自主防災組織を結成するなど,地域住民が自発的 かつ無理せず継続的に参加できる仕組みづくりが望まれる. 地域コミュニティが民生委員と同等の要援護者の支援情 報をもつことが出来ればで,災害時に人手が増えるため,民 生委員だけでは支援できなかった要援護者の支援も可能と なる.それは,名簿に記載する情報の公開範囲を災害発生 前と後で分類することで現実となる可能性が上がる.しかし, 地域住民の自主性に全て委ねてしまうのでは地域間に差が 生じるため,市町村などの行政機関も地域活動に協力し, ひとりでも多くの住民が防災への関心を持てるよう,意識の 啓発と参加のきっかけづくりをしていくべきである. 最後に、多忙な御身であるにもかかわらず本研究で扱っ た要援護者名簿の作成作業にご尽力いただいた栄一丁目 学区の町内会長様,ヒアリング調査にご尽力いただいた恵 那市の市役所職員,民生委員の方々に深く御礼申し上げた い. 参考文献 1)名古屋市(2016),「災害時要援護者の個別支援計画」,様式13 2)北海道知事政策部 (2005),「ソーシャルキャピタルの醸成と地 域力の向上」,平成 17 年度アカデミー政策研究, pp.25