はじめに
2000年に小渕首相の私的諮問機関である「21世紀日本の構想」懇談会の提言が発表されて以 来、グローバル人材育成のためのコミュニケーションに重きを置いた英語教育に大きく舵を 切った日本の外国語教育だが、英語科目をとっている大学生からは「6年間の英語学習を終え て大学に入ったけれども英語がわからない」や「英文法の勉強はしたけれども実際に使えな い」、はたまた「英語の勉強に何の意味も見いだせなかった」といった声が今だに聞こえ続け ている。世界的に見ても英語教育に極めて熱心な日本で、英語への挫折感や「日本人の英語下 手」という批判はなぜ生じるのだろうか。コミュニケーション重視の英語改革によってどのよ うに日本の外国語教育は変わり、変わっていこうとしているのだろうか。「英語ができれば国 際人」という考えや、「グローバル化には英語が必須」、そして「グローバル時代に英語はコ ミュニケーションの道具として身につけるべきもの」という言説に基づいた英語偏重に過ぎる 現在の外国語教育が、21世紀の日本を取り巻く社会環境によってもたらされる言語状況の変化 に対応していけるのだろうかという懸念がある。 本論では、1 で日本の外国語教育の歴史を概観しながら「読み・書き」中心の外国語教育がグローバル人材育成のための英語教育の問題点と
複言語主義的外国語教育の必要性についての一考察
―持続可能な多言語社会構築に向けて―
山
路 順
子*
A Study of Issues in English Education
for Developing Global Human Resources and of the Need
for Plurilingual Education
in Japan’s Foreign Language Education:
Establishing a Sustainable Plurilingual Society
(YAMAJI Junko)
*近畿大学教職教育部非常勤講師・ 同志社大学 GC 学部嘱託講師
〔キーワード〕 英語教育、複言語主義的外国語教育、グローカ ルな視点
連綿と続いてきたことと、そのことが「英語下手」をつくる要因の一つであることを指摘する。 また、グローバル化に対応する英語教育への変遷から、外国語学習の先に見える目的が必要で あることに言及する。2 では、文科省の学習指導要領解説と政府の提言におけるグローバル化 に向けた早期外国語教育に関して考察する。英語以外の外国語が学習されている状況と英語の 一元化が進む現状を考察し、これからの外国語教育の在り方として外向きだけではなく国内の 状況に目を向ける必要性を指摘したい。3 では外国人訪日者数と在留外国人数の推移が示す多 言語状況を踏まえて、英語に加えた複言語教育の必要性を指摘したい。4 では EU の複言語主 義に基づく新たな指導方法と外国語教育への取り組みについて考察し、持続可能な社会構築と いう視座に立った多文化共生時代の言語政策としての外国語教育の必要性を主張したい。これ らの考察の過程で、今の日本社会を取り巻く環境を視野に入れた言語政策として、従来の外国 語教育を捉え直す必要性を示唆できればと思う。
1.歴史的背景
前近代の日本における外国語教育 日本の外国語教育についてよく指摘される問題点に、英語教育における英文法重視の英文読 解型教育が挙げられる。「読み・書き」中心の語学教育がいかに定着してきたのかを考えるに あたって、要因の一つと考えられるのが日本語成立以降の歴史的背景にあると思われる。安本 (1995)によると、古極東アジア語を基にいくつもの言語が流入し成立した日本語だが、 その 成立過程の最後に最も大きな影響を与えたのが中国語であった。特に書き文字を持たなかった 日本語の表語文字として漢字が利用され、奈良時代から平安時代に漢字を基に平仮名と片仮名 が発明される。つまり外国語の文字が日本語の文字発明に利用されたことになる。日本建国の 黎明期に唐の政治や社会制度の知識を取り入れるために、漢文の「読み・書き」を学ぶことが、 日本における最初の外国語教育といえるかもしれない。 当時漢文に触れられたのは、政治に関われた皇族・貴族や官吏か仏教の経典を読む僧などで あった。漢文の読み書きができることが権力を持つ上流階級の象徴であり、高い身分と知識の 証明でもあった。日本の外国語教育は一握りのエリート教育として始まったと言えよう。この 考えはその後支配階級が貴族から武士へと変わっても続き、「読み・書き」は国家の礎を築く ためにも重要な基礎教養と考えられ、江戸時代の学問所や藩校、寺子屋でも算術と手習いが指 導された。この間、日本はオランダ語・ポルトガル語・フランス語・英語などの言語との接触があったものの、外国語を「読み・書き」できる能力は限られた身分のものであることは変わ らなかった注1。つまり奈良時代から江戸時代に至るまで、読み書き重視の外国語教育はエリー ト教育として限られた人々の間で続いていたと言えよう。 幾度となく外国語との言語接触があったわけだが、英語が重要視されるのは明治維新の頃に なる。William Adams は1600年に日本に来た最初のイギリス人とされていて、のちに三浦按 針となり徳川家康に仕えた話は歴史において有名である。その後、江戸幕府においても英語の 重要性が問われたものの、鎖国によって長崎限定でオランダ語やポルトガル語が認められる状 況が続いた。そのため、江戸時代においては長崎で交易にあたる人々、あるいは西洋学問を学 ぶ蘭学者たちだけが実践的に身につける外国語として、オランダ語が盛んになった。しかし、 1808年のフェートン号事件がきっかけとなり、日本は開国に向けて外国語の習得、ことに英語 の必要性を強く認識したようだ(佐藤,2002)。 ここまで見てみると、日本では西洋学問が入ってくる明治に至るまで、外国語教育は既に、 一部の政府官僚間や知識人の間で盛んに行われていたことがわかる。いずれの時期においても、 教養としての語学教育というよりも、実学としての語学であり、例えば奈良時代の僧侶、安土・ 桃山時代の堺の南蛮貿易商人、江戸時代の長崎で医学を学ぶ蘭学者は、単に外国語を習得しよ うとしたのではなく、学習の先にある必要とする知識や技術、取引を手に入れ、生活に生かす ために語学力を必要としたと考えられる。外国語は誰もが学ぶものではなく、必要とする人が 必要な言語を学ぶものであったと考えられる。つまり、目的達成のために一部の社会階層のみ で行われてきたようだ注2。ところが、日本における外国語教育は明治期以降、段々とその様子 が変わり始める。 明治期の外国語教育 明治政府にとって、開国した日本を列強国と対峙できるだけの国家にするには強い国民を育 成することが急務であり、そのためには江戸時代までの漢字文化の中国モデルから西洋モデル による近代国家へと大きなシステム変換が求められた。近代国家が目指す資本主義国家建設に は、均質な労働力となる均質な国民を育成することが必要となり、文部省はヨーロッパの教育 制度を取り入れて、1872年の「学制」発布をもって統一国民教育を始めた。また、言語的には 方言でばらばらであった国民に「国語」という概念を導入し、言語による国民の一体的共同性 を促す言語政策がとられた注3。西洋的国民国家が理想と考えていた「一国家・一民族・一言語」
という単一民族国家を目指す、ナショナリズムによる政策強化が行われた注4。西洋の列強諸国 に追いつき追い越すことを目指し、強い中央集権国家を創生するために「国語」への同化主義 的な言語政策がとられたことは、グローバル化する世界で生き残りをかけて、グローバル社会 の覇権を持つ英語一本に絞り、グローバル人材育成を促す国家の外国語教育政策を打ち出して いる現在の日本に通ずるものがあるかもしれない。 1872年の「学制」発令時には、見せかけに過ぎないものの、誰もが分け隔てなく学校で教育 を受ける保障がなされ、「外国語学」が小学校においても導入された時期がある注5。1886年に は英語が第一外国語、これに加えてフランス語もしくはドイツ語が学習されるようになる。明 治近代教育が始まった当初、外国語の教育はエリート層向けの欧文の「読み・書き」を中心と するものであった。そして、当時の高等教育は日本人が教えていたわけではなく、お雇い外国 人による外国語での教育、多くはアメリカ人によって英語で書かれた教材を使用した英語で行 われる講義であった。 当時のことについて、施(2015)は、東京大学の法学者であった穂積陳重の『法窓夜話』の 中に、「明治20年頃初めて用語も大抵定まり不完全ながら諸科目ともに邦語をもって講義をす ることができるようになった」との記述があることを紹介している。その頃までは西欧諸国の 思想に触れ情報を得るにも、日本人が書いた日本語の書物があったわけでもなく、西欧人教師 が西欧で書かれた書物を教材に講義していたわけである。後ほど考察する現在の政権が打ち出 している「小学校からの外国語必修化」や、「英語は英語で学習するべき」であり「母語話者 による教育が望ましい」という政策は、近代教育萌芽期においては必然的なものであったと考 えられる。 ところが江戸時代後期から明治にかけてエリート教育を受けた人々が、日本人は日本語で西 欧の思想や情報を入手でき、誰もが参加できる高等教育を受けられることを目指すために、和 製漢語をつくり、翻訳作業をしてくれたおかげで、西洋思想や外国語を日本語を使って学習す ることが徐々にできるようになっていった。母語で理解できることは外国語学習に割く時間を 節約でき、その分思索に時間が費やせるので大きな利点ではあるが、同時に外国語学習におい ては外国語の使用を少なくさせてしまう。また、明治以降行われた小学校・中学校令において の「外国語学」は実質英語を意味した。のちに植民地政策のもと志那語(中国語)やマライ語 が追加されたことはあるが、徐々に姿を消して、複数言語が教えられる機会は減っていった (川又,2014)。
明治期において言語政策の観点から注目したいのは、1870年代にすでに日本において英語公 用語論が出ていたことである。初代文部大臣を務めた森有礼は、国家の近代化のためには日本 語を廃止し全て英語で行うべきであると『日本の教育』の中で主張し、小学校からの英語教育 を進め、急速な西欧化を行おうとした。日本語を廃止し英語を公用語にするという提言は反論 を受け実現はしていなかったが、当時、近代思想を表現するにもそれに対する訳語がなく、日 本語で新たな知識を体系的に語ることができなかったという現実があったからなされた提言で あったと思われる注6。 平成以降の外国語教育 明治期の森有礼の英語公用語論から130年の時を経て、2000年小渕首相の諮問機関によって 提言された『21世紀日本の構想』の中で、グローバルリテラシー(国際対話能力)に必要な英 語力について次のような提言が行われた。 「グローバル化と情報化が急速に進行する中では、 先駆性は世界に通用する レベルでなければならない。そのためには情報技術を使いこなすことに加え、 英語の実用能力を日本人が身につけることが不可欠である。ここでいう英語 は、単なる外国語の一つではない。それは、国際共通語としての英語である。 グローバルに情報を入手し、意思を表明し、取引をし、共同作業するために 必須とされる最低限の道具である。…長期的には英語を第二公用語にするこ とも視野に入ってくるが、国民的論議を必要とする。まずは、英語を国民の 実用語とするために全力を尽くさなければならない。これは単なる外国語教 育問題ではない。日本の戦略課題としてとらえるべき問題である。」 (下線筆 者) ここで語られたのは「英語は国際共通語としてゆるぎないもので、それを国民が身につけな ければ、グローバル時代において日本は世界で太刀打ちできない事態が予想されるため、国家 の戦略として強く英語教育を進める」ということである。英語を第二公用語にするという明言 化はなかったものの、視野にある旨が提言されたことで賛否両論の議論が起こった注7。日本国 内で使用されている少数話者言語や在留外国人の話す言語に対する配慮などを考えてみても、
また国語を法律で規定していない現状で公用語を設けることについての異議や十分な国民間の 議論がないこともあったことで、英語公用語化は立ち消えとなった。 その後2002年の小泉政権下、 文科省が発表した「『英語が使える日本人』の育成のための戦 略構想」及び翌年の「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」によって、 英語教育 においては、コミュニケーション能力としての英語能力向上・授業での英語使用率向上・外部 人材の使用が強く提唱されるようになった。この結果、文科省は2002年スーパーイングリッ シュハイスクールを選抜、2009年度まで先端的取り組みを支援するプロジェクトが行われ、グ ローバル対応の英語教育のレベルアップが行われた。その後、2014年度からスーパーグローバ ルハイスクールとスーパーグローバル大学の指定が行われ、グローバル時代を生き抜く人材育 成と日本から世界に発信していく力を持つ研究育成を目的とした教育機関への助成が現在も行 われている注8。 同時に TOEIC の得点を根拠にした英語能力の視覚化が叫ばれ、大学で使用するテキストに も TOEIC スコアによるレベル化やスコアアップの問題集などが採用されるようになった。実 際、大学のクラスレベル分けや単位認定として TOEIC のスコアが利用されている注9。これに は卒業後の受け手である企業側が、即戦力の人材育成を大学に強く求めるようになったことも 大きな要因と考えられる。2010年には株式会社楽天と株式会社ファーストリテイリングが社内 英語公用語化を発表し、いずれも2012年に公用語化が行われている注10。企業のグローバル展開 が相次ぎ、社内全体とまではいかないものの部署によっては社内公用語として英語の使用を義 務化したり、総合職には TOEIC800 以上をとるような目標を設けたりすることで、 英語使用 を促す会社も増えていった。さらには2015年度より国家公務員総合職採用試験にも TOEFL や TOEIC を含む外部英語試験が活用されている。 このように経済界の要望も後押しとなって進められた平成に入ってからのコミュニケーショ ン重視の英語教育改革は、グローバル化時代を生き抜くための国家戦略構想の中で培われ、成 長戦略の一端としての様相が強くみられる注11。英語はグローバルビジネスにおいて利便性の高 い言語であることは否定できない。しかし全ての人々が必ずしもそのような環境に身を置くと は限らない中で、英語のみを教える教育政策では、あまりにも偏った一つの世界観を得るだけ の国際理解教育になってしまうことが危惧される。2015(平成27)年度学校基本調査によると、 過年度生を含む高等学校への進学率が80.6%、大学への進学率が57.3%という現状では、高等 学校を卒業した半分程度の学生が第二外国語教育を大学で受ける機会を得るだけで、それ以外
の人は6年から8年近くもの時間を英語学習のみで終えてしまうことになる。今後、小学校で の英語が義務化されたことで、高校卒業時には10年間外国語教育を受けることになるにも拘ら ず、英語のみの外国語学習では母語以外の複数の言語文化を知り、複数の視野に立ち、国際社 会で多様な文化との共生が図れる人材育成は難しいのではないだろうか。 2013年には安倍政権で「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」が発表され、翌 年には英語教育の在り方に関する有識者会議で「今後の英語教育の改善・充実方策について (報告)~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~」が発表された。 5 つの提言 の中にある重要と思われる点を以下のようにまとめてみた。 改革1 小・中・高等学校で一貫した教育目標を持ち、高校卒業時に、 生涯にわたる 「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を積極的に使える英語能力を身に着け ることを目指す 改革2 ・英語を積極的に使おうとする態度を育成 ・生徒の理解の程度に応じ、授業は英語で行うことを基本とする ・小学校高学年での英語教科化 改革3 ・大学入学者選抜には4技能の能力が評価される必要があり、4 技能を測定す る資格・検定試験の更なる活用を促進 ・そのために学校、テスト理論等の専門家、資格・検定試験関係団体等からな る協議会を設置し、早急に進めることが必要 改革4 ・小学校高学年での教科化をする場合は学習効果の高い ICT の活用 ・デジタル教科書・教材の導入も含め、英語授業の ICT 環境を整備 改革5 2019年度までにすべての小学校に ALT を確保し、 中・高等学校においても ALT の活用を促進 本論では、主に下線を引いた点について、2017(平成29)年度版の学習指導要領で検証し、 英語以外の外国語が学習されている状況とグローバル化が進む日本国内の多様な言語環境の中 での外国語学習の在り方を考え、EU が示す言語の多様性を維持する生涯学習としての複言語 主義的外国語教育を踏まえた日本の教育政策の展望について考えていきたい。
2.グローバル化に向けた早期英語教育と複言語教育
学習指導要領における「外国語活動=英語」について 小学校からの早期英語教育が2011年から本格導入され、2020年からは小学校高学年から教科 化することがすでに決まっている。文科省の小学校学習指導要領(2017(平成29)年告示)解 説では、「外国語活動」として中学年(3・4学年)に年間35単位時間の「聞くこと」「話すこ と(やり取り)」「話すこと(発表)」の3領域を学習すること、高学年(5・6年)では「英 語」として3領域に加え「読むこと」「書くこと」の5領域について年間70単位時間の学習が 必修化されている。 つまり、 小学校で合計210単位時間の授業と600~700語程度の語彙を覚え る英語教育がスタートしたわけである。中学年での外国語活動導入の主旨と要点が挙げられて いるが、その中に次のような文章がある。 「グローバル化が急速に進展する中で、外国語によるコミュニケーション能 力は、これまでのように一部の業種や職種だけでなく、生涯にわたる様々な 場面で必要とされることが想定され、 その能力向上が課題となっている。」 (pp.67) 小・中・高等学校で一貫した外国語教育を実施する過程で、中学校の学習内容を一部前倒し という形で小学校中学年で始まった「外国語活動」であるが、小・中・高等学校を一貫させる ということは、「外国語」=「英語」=「グローバル」となってしまう。 学習指導要領にはど こにもそれが「英語」の学習でなければならないとはされていないが、実際「グローバル言語 としての英語」ありきで新たな英語教育の目標と指導内容が決められ、外国語の指導が行われ ているのが現状である。 「小学校の外国語科では、英語が世界で広くコミュニケーションの手段とし て用いられている実態や、改定前の高学年にける外国語活動においても英語 を取り扱ってきたこと、中学校の外国語科は英語を履修することが原則とさ れていることなどを踏まえ、英語を取り扱うことを原則とすることを示した ものである。」 (p.54)小学校学習指導要領には、「英語を履修させることを原則とする」という文言が記載されて いるわけだが、同ページ内には、「学校の創設の主旨や地域の実情、児童の実態などによって、 英語以外の外国語を取り扱うこともできる」と明記されてもいる。 「その他の外国語の指導」については、小学校学習指導要領第二部第2章第3節(p.136)、 中学校指導要領第2章第3節(p.101)のいずれにも次の文章が記載されている注12。 「グローバル化が進展する中、 日本の子供たちや若者に多様な外国語を学ぶ 機会を提供することは、言語やその背景にある文化を理解することにつなが るため、中央教育審議会答申においては、英語以外の外国語教育の必要性を 更に明確にすることが指摘された。」 しかし、小学校で英語以外の言語が主に教えられていることはなく、世界の挨拶表現や食べ物 の名前を昼食時に紹介する程度で、授業としては児童英語教育が行われているのが現状である。 その他の外国語学習の現状 小・中・高等学校において一貫性を持たせた外国語教育であることや、卒業後の進学もしく は就職を考える学生にとって、最も有利になるのはグローバル言語としての地位を築いた英語 であるとする大方の考えを踏まえれば、外国語学習=英語学習という等式は当然の結果といえ るかもしれない。しかし、グローバル化に対応する人材育成のための外国語学習が英語だけで なければならないのだろうか。しかも提言にあった「英語で英語を学習」しなければならない のかという点については検討する余地があると思われる。 次の表1は「英語以外の外国語の科目を開設している学校の状況について」(2014(平成26) 表1 英語以外の外国語科目開設校数と提供言語数 言語数 学校数(実数) 14言語 512校 公立校 13言語 194校 私立校 5言語 2校 国立校 15言語 708校 合計数 2016(平成28)年3月22日教育課程部会外国語ワーキング グループ資料4より作成
年5月1日現在)をまとめたものである。 文科省によるこの調査は二年に一度行われているものだが、開設校数は2007(平成19)年度 以降は減少傾向にある。2014(平成26)年度の通信を除く高等学校数が4,963校であったので、 約14%の学校が1つ以上の英語以外の外国語を提供していることになる。言語数15の内訳は中 国語が最も多く、韓国・朝鮮語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語の順で、次い で極めて少ないがイタリア語、ポルトガル語、ペルシャ語、ベトナム語、タガログ語、古典ラ テン語、タイ語、ネパール語、トルコ語の順となっている。学習指導要領では、地域の実情や 学校の実態に応じて、積極的な開設を促し弾力的な指導が行えるよう、英語以外の外国語学習 に関しては英語に準ずる目標及び内容にすること以外、特に規定は設けられていない注13。英語 以外の外国語を開設する学校は少なく、高校卒業時に英語以外の言語を学習できる環境にあっ た学生数は絶対的に少ないことがわかる。これは大学進学を考えた場合、多くの大学が外国語 として英語を入試科目に設定していることが大きな要因であろう。 多くの大学が利用する大学入試センター試験の外国語受験者数と平均点を比較してみたい。 センター試験の筆記試験平均点(100点満点換算)はそれぞれ表2のようになる。 圧倒的に英語による受験者数が多い。この10年、英語は常に平均点が低く、このことだけを とらえて英語以外で受験を考える学生もいるかもしれないが、大学入試センターが公開してい る高等学校外国語教科担当教員の意見書からもわかるように、高校からこれらの外国語を学習 した学生にとっては問題設定が難しく、英語以外の外国語については試験対策として付け焼き 刃で点数が採れるものではない。平均点の高さは、中国語・韓国語に関しては特にそうだが、 それらの言語背景を持つ受験生が含まれることを考える必要がある。私立大学が入試専攻科目 表2 外国語試験の言語別受験者数と平均点 平均点 受験者数 61.87 546,712人 英語 77.45 574人 中国語 66.27 146人 韓国語 67.41 109人 フランス語 68.41 109人 ドイツ語 大学入試センター2018(平成30)年度本試験受験生・平均 点の推移より作成
として英語を指定している場合が多いことは勿論、学習年数の長い、既に高校入試でも受験し た英語が当然最も受験されている結果につながっている。受験の壁がある限り、高校生が英語 以外の言語に手を出す可能性はやはり低くなるのも無理はない。 2020年度からセンター試験は大学入学共通テストに移行し、 英語は民間の資格・検定試験 (TOEIC・TOEFL・英検等)に代わることが決まっている。英語に関しては2023年までの移行 期間があるものの、新しく4技能を評価する民間によるテストでは、高校3年の4月から12月 の間に2回まで受験可能としているが、おそらく英語を受験する学生が減ることは考えにくい。 センター試験では英語以外にも4言語が選択可能であったが、これら英語以外の外国語がどの ようになるのか、今のところ不透明である。英語以外の外国語を学習する学生の学習成果が平 等に評価されるべきであるし、また、学習する機会も同様に守られなければならない。いずれ にせよ、外国語の科目を開設する学校数や提供言語数と、英語以外の外国語で大学入試を受験 する学生数と言語数について、今後どのような変化が現れるか見ていくことが必要だと考える。 グローバル社会に必要な外国語教育 日本国内には日本語だけで十分に生活していけるだけの恵まれた環境があるゆえに、外国語 (英語)学習は日々の実生活の中で使用しないと生きていけなくなる程の言語活動を左右する ものではない。外国語(英語)学習は教養という意味合いが長きにわたりあったことを考える と、実際に使用する機会がないならば、学習内容が生涯にわたり学習者に定着する見込みも期 待はできなかった。そのような社会状況下で、各教育段階に試験や入試のための一つのハード ルとして外国語(英語)学習が行われている現実が、「英語下手の日本人」をつくる要因のひ とつであるのではないだろうか。グローバル化が実際に日々の生活の中で起こっているという 社会状況があるならば、 押しなべて一律の語学力を量る入試ではなく、 それぞれのニーズに 合った語学教育が行われ、教育段階別の多様な評価が必要であると思われる。実際の言語使用 で何語がどのレベル必要なのか、あるいはどのレベルまで学習したいのかに応じた目標設定を カリキュラム化し、中等教育における外国語に複数言語を設定し、学習する機会を与えられる 教育環境整備が必要で、教員の確保・教授法・教材開発などの問題解決に向けて、国家の教育 政策として整備されることが願われる注14。 グローバリゼーションの中で、覇権を得た一つの言語(英語)を学習すればよい、そしてそ の言語(英語)能力だけが評価されてグローバル人材の資質が測られるというのであれば、多
様な言語文化に触れる機会は奪われてしまう。英語という優勢言語への一極化が進めば、しか も英語という言語が半ば強制的に教育され、使用を義務付けられるというのであれば、言語帝 国主義的な力をもって他の言語、特に少数話者言語を社会から抹殺することにもつながりかね ない注15。それは、英語以外の言語を話す人々の言語権を脅かす可能性があることが懸念されて いる。日本の現状を鑑み、グローバリゼーションに対応する外に向けた対策だけではなく、内 に向けた対策も必要となってきている。外国語教育政策にも、グローバルだけではないローカ ルな視座に立った、グローカルな複言語主義的外国語教育政策をとることで、多様な文化が生 き残り共存できる、世界の多様な言語が存続できる持続可能な社会を構築できるのではないだ ろうか(細川・西山,2010)。
3.日本の言語状況を踏まえた国際理解教育としての複言語教育の必要性
外国人訪問者及び在留外国人数の推移から見た外国語学習のありかた 文科省の示した外国語学習が国際理解教育としての側面を持つものであるならば、国際理解 教育=英語教育だけを式として成立させることで、複数の言語文化に触れる機会をそぐもので あってはならない。この点は日本社会が抱える少子高齢化と労働人口の減少という問題ともリ ンクしてくる。すでに国内に在留する外国人が話す言語に加えて、今後移民や外国人労働者を 受け入れるとすれば、受け手である日本人は何語を学んでいく必要があるのかを早い段階で議 論し、国家の言語政策として提示する必要がある。 ここ数年の日本への外国人訪問者数の推移と日本在留外国人数の推移から、多言語状況を考 えてみたい。法務省のデータを見ると、この10年は右肩上がりで、2013(平成25)年以降には 急激な伸び率を示している。 2017(平成29)年度の再入国を含む外国人入国者数は約2,743万人で、アジア圏からの入国者 数は全体の84.8%を占め、中でも特に増加しているのが前年比でみると、韓国・ベトナム、イ ンドネシアである。英語圏を多く含む北米・オセアニアの入国者数合計は全体の8.7%となって いる。日本に来る人の多くが非英語圏であるが、国際共通語としての英語を介して観光地や商 業施設でのコミュニケーションが行われていることが確認されている。 一方で、多くの観光地では注意書きや店員の使用言語として英語に加え、中国語・韓国語も ますます使用されるようになってきており、公共施設や交通機関では日・英・中・韓の4言語 表記及び音声アナウンスが標準になってきている。またタイからの訪日客の増加で、タイ語の需要も増えていることを考慮に入れると、ベトナム語・インドネシア語・タイ語などの言語文 化を理解することが急がれている。この傾向は表4が示す在留外国人数の推移でも明らかであ る。 対前年比をみると、総数では3.7%増で、国籍別ではベトナムが16.3%の増加率で突出して増 えていることがわかる。実際に言語使用が行われている場は教育現場とは違い、急速にすでに 変化していて、大阪では黒門市場の外国人観光客への取り組み、各デパート売り場の外国語対 応スタッフの配置、奈良では奈良駅改札口に外国語対応スタッフを観光時間帯に合わせ常駐さ せたり、東大寺大仏殿周辺の飲食店では外国語メニューを用意し、複数語の対応ができる留学 生が働いている店もある。観光地ではもはやそこが日本であるとは思えないほど日本語以外の 言語が耳に入ってくる昨今、国の教育政策よりも急速に個人や企業単位では多文化多言語対応 が進んでいるようだ。日本人のスタッフがアルバイトの留学生から言葉や習慣について学んで いる姿を見ると、これこそが異文化理解教育を促す外国語学習のあるべき姿だと思える。 2017(平成29)年外国人入国者数統計(法務省入国管理局)より作成 表3 外国人入国者数・地域別推移
日本語指導が必要な児童生徒数について 在留外国人が増えたことによって、教育現場では日本語指導が必要な外国籍の児童生徒数が 増えてきている。2018年6月に文科省が公表した日本語指導が必要な児童生徒数は、外国籍の 生徒が34,335人で前年比17.6%増、 日本国籍の生徒が9,612人で前年比9.3%増となっている。 43,947人の児童生徒が全市町村の47.4%の地域にいる現実は、国内にも多言語に対応する必要 があることを示している。次の表5は日本語指導を必要とする児童生徒数の母語別在籍状況を 示している。 日本語指導を必要とする児童生徒へのケアは、各学校の教員が通常授業内で日本語学習の十 分な対応をすることができず、夜間学級を設置するか、各地の国際交流センターや地域のボラ ンティア活動・NPO との連携によって行われており、 国家の教育政策としては十分に対策が 国籍・地域別在留外国人数の推移(法務省)より作成 表4 国籍・地域別在留外国人数の推移
とられていないのが現状である。グローバル化に対応する人材育成のための英語教育には熱心 だが、国内のこのような状況には対応が追い付いていない。日本においては日本語を学び使用 するという同化政策のような一方的なものではなく、国内にいる外国語話者を取り込んだ多様 な外国語教育も可能なわけで、双方向性のある外国語教育ができる枠組み作りが必要なのでは ないだろうか。一例に過ぎないが、さいたま市では韓国語・中国語の取り組みが注16、浜松市で はポルトガル語への取り組みが注17 報告されており、住民のニーズに沿った弾力性のある双方向 的外国語教育は、国際社会における言語権の問題を視野に入れた持続可能な言語教育となって いくのではないだろうか。 日本政府は今後2020年には4,000万人、2030年には6,000万人の訪日客獲得の目標を掲げており、 観光業界のみならず商業地域や観光地域に住む日本人と外国人を含めた多言語対応が迫られる 中で、国際理解教育に根差した英語教育及び英語以外の語学教育の複言語化が早急に望まれる ところである。しかも初等教育から高等教育を経る学生対象だけではなく、社会人教育も含め 日本語指導が必要な児童生徒の受け入れ状況等に関する調査 2016(平成28)年度版より作成 表5 日本語指導が必要な児童生徒数の母語話者別在籍状況
た生涯学習として、国家の外国語教育政策の展望を早期に示すことが望まれる。
4.EU の複言語主義的外国語教育政策と日本の外国語教育
CEFR と外国語教育 初等・中等教育において、コミュニケーションの素地を養うことを目標にしている外国語学 習ではあるが、小学校においても「英語を用いて~することができる」という形式を使った目 標設定(CAN-DO リスト)による技能評価を進めている。 小学校高学年で英語の教科化が決 まり、今後は目標達成確認のテストが行われ、他の教科と同様に評価されることになるだろう。 しかし、児童英語教育の訓練を受けた教員が指導できる環境の整わない中、教科評価がなされ ることで外国語嫌いをつくってしまうのではないかという懸念もある。また、母語教育がなさ れるべき年齢での早期英語教育の在り方については各方面から賛否両論があり、関連本もたく さん出版されている。CAN-DO リスト(can-do descriptors)は欧州評議委員会(Council of Europe)が提唱した CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Lan-guages))の中で示された言語能力を表す指標であり、2001年の公開から外国語の指導・学習・ 評価に関する国際基準として、EU 加盟国で利用されているだけではなく、2018年現在40の言 語に翻訳され加盟国以外でも利用されている注18。 日本でも各教育レベルで採用されるように なってきており、文科省は「各中・高等学校の外国語教育における『CAN-DO リスト』の形 での学習到達目標に関する手引き」も公開している。そこで、 EU が持つ外国語教育政策と日 本の早期外国語教育を少し比較してみたい。 大谷(2010)と Romanowski(2016)によると、EU 加盟国の場合、ほとんどの国では6歳 から9歳の間に初習外国語を学んでいるが、 ベルギーとスペインでは3歳の幼児教育からス タートする極めて早期からの外国語教育を行っている。初等教育では1 つの外国語がほぼ必修 科目となっているが、ルクセンブルグのように初等教育で第二外国語を義務付けているところ もある。勿論、ヨーロッパという陸続きの同じインド・ヨーロッパ語族に属する言語を使用す る国々がおかれた環境と日本の環境を単純に比較することはできないが、EU はその設立時か ら、加盟国が持つ言語の多様性を「EU の財産」注19 と位置付けており、「母語1+加盟国の言語 2」の三言語主義を言語政策として提唱している。それゆえ幼児・初等・中等教育における必 修外国語数も多く、提供する言語数も極めて多い(大谷,2010)。CEFR は本来「複数言語学
習促進」や「共存能力の育成」を目的としたもので、外国語学習・教育・評価に関する共通フ レームワークを提供し、加盟国の外国語学習指導要領に適用させることが目的であった。ただ し、実際どのように反映させるかは加盟国に委ねられているため、大きな拘束力があるわけで はないようだ注20。 多様な提供外国語 EU 加盟国で学習されている外国語数について、多様な言語が教えられていることを示すた めに、大谷(2010)にある2002~2003年のデータを基にした表から数か国を参考までに抜き出 した表6を見てもらいたい。EU 離脱が決まったイギリスを除けば、ほぼ英語が第一外国語と して学習され、少なくとも中等教育で第二外国語として学習されている。英語重視は日本と変 わりがないと言えるが、 小学校低学年から外国語を学ぶ歴史は日本より古く、2016年の教育 改革以降、EU では外国語学習をさらに早期化させる国が増えていくようだ( Romanowski, 2016)。 また、複数の言語が地域や学校で選択できる環境にあることは、日本との大きな違い であると言えよう。 早期英語教育に関しては賛成・反対の立場から多くの研究がなされているわけだが、外国語 学習が初等教育からなされていることは EU 加盟国だけではなく、韓国・中国・シンガポール・ インドなど世界的に見ても主流であるといえる。また第一外国語として英語が多くの非英語圏 で教えられているのも事実である注21。 異文化理解教育としての外国語教育 外国語学習の目的が、文科省の学習指導要領にあるように「国際理解力」を身につけるとい うものであるならば、確かに英語を学ぶ意味は大きいと思われる。それは、単に国際的な状況 (共通言語を話さない人同士での会話をするような状況)においては、 コミュニケ-ション手 段として最も多くの機会に使用できる言語であるからである。英語はより多くの人とつながり、 より多くの情報が得られる言語であることは否定するのが難しい。しかし、言語学習には言語 的能力(Linguistic Competence)だけではなく、Hymes(197 2)で提唱された伝達能力(Com-municative Competence)も合わせた学習が必要になる。言語を学習し使用するということは、 単なるコミュニケーションの道具としての役割以上のものを持つことを忘れてはならない。言 葉は世界を見る目そのものであり、言葉が持つ世界観を意識、無意識に関わらず、共有するこ
表6 幼児・初等・中等教育における提供外国語数 イギリス オ ラ ン ダ ル ク セ ン ブ ル ク フ ラ ン ス ス ペ イ ン ド イ ツ ベルギー ス コ ッ ト ラ ン ド ウ ェ ー ル ズ イ ン グ ラ ン ド ・ 北 ア イ ル ラ ン ド オ ラ ン ダ 語 圏 ド イ ツ 語 圏 フ ラ ン ス 語 圏 0 1 1 2 3 2 1 1 2 1 1 n アラビア語 チェコ語 デンマーク語 1 ドイツ語 ギリシア語 3 英語 スペイン語 フィンランド語 アイルランド語 2 フランス語 ゲール語 現代ヘブライ語 イタリア語 日本語 オランダ語 ポーランド語 ポルトガル語 ロシア語 スエーデン語 トルコ語 ウルドゥー語 中国語 古代ギリシア語 古代ヘブライ語 ラテン語 数字は履修順 履修が定められている外国語 nは必修外国語の数 提供される外国語 大谷(2010)より作成
とになる。 英語と日本語の学習においては、例えば Hall(1976)が分類した低文脈文化と高文脈文化の 違いや、池上(1981)が提唱した「する」言語と「なる」言語の違いのような言語文化を、語 学学習と同時に理解することが求められる。日本人は高文脈文化に属し、多くの人が同じ文化 を共有することで、言葉ではっきり言わなくても相手の意図を文脈から推測し理解することが 可能で、伝統的にはむしろ意思疎通において相手に解釈を委ねることすら美徳と考えられてき た。これに対し、英語は言葉ではっきりと伝えたいことを言う低文脈型の言語文化を持ち、あ いまいな表現や話し方ではうまく意志疎通ができないことを理解せず英語を使用すると、誤解 を招きかねないことになる。単に統語構造だけではなく、日本語と英語の発想の違いを理解す ることが大切で、同様のことは他の言語についても言えよう(池上,2006)。 小学校での外国 語活動が様々な文化・社会を体験し、言語学習によって母語にはないものの見方や考え方に触 れる機会を与えるためのものであるとすれば、英語だけではなく複数の言語を学ぶことは母語 と比較しながら考え、複数の視野を持つことを促し、異文化理解教育の一環としてさらに意義 あるものだと考える。 EU の外国語教育法から学ぶべきことと、その導入の問題点 小学校高学年から教科として英語が教えられることになると、新たな問題も出てくる。将来 的には中学校の入試科目になる可能性もあり、公教育だけではなく、私塾での英語学習が行わ れ、様々な問題集・参考書が出版されることになるだろう。EU 加盟国のほとんどが採用して いる内容言語統合型の外国語指導方法である CLIL(Content and Language Integrated Learning) を利用した英語教育を行う学校や学習塾も既に現れ注22、本屋には CLIL に関連する書籍や児童 向けの英語教材がたくさん並んでいる。 CLIL は母語ともう一つの外国語を使用して2言語での概念操作能力を習得することを目的と している。基本的には言語運用能力よりも教科内容を重要視するもので、外国語は学習言語と いう扱い方になり、必要な語彙を習得し、その語彙を使って教科内容を学習することになる注23。 この指導法を導入するメリットとしては、学習者の動機付けがしやすく、与えられたテーマに 対して4技能をバランスよく使いながら思考・探求する力を養うことができ、学習内容と学習 言語の定着がしやすいということが指摘されている。理想的ともいえる学習法だが、小学生に この教育法を使って指導することができる教員の養成と教材の開発が何より必要になる。
今までとは違う状況に、おそらく学校教員も親も不安になり、できるだけの対策を講じたい と思うのは、児童生徒だけではなく多く出てくることが予想される。このような状況はおそら く、親の経済格差で子供の教育格差が生まれる事態を助長することになるのではないだろうか。 日本が2020年のオリンピック開催を機に、急いでグローバル化に対応する人材育成に向けて導 入する外国語教育改革は議論の余地が多い。 EU では CEFR による小・中・高等教育で一貫した教授法や評価方法を持っているだけでは なく、Socrates(総合教育プログラム)や Leonardo da Vinci(外国語研修を含む職業訓練プ ログラム)、さらにそれらを統合した Grundtvig 計画などの生涯にわたる教育プログラムを今 までに提供してきた。ヨーロッパ市民がグローバル化した社会の中で貢献できるよう、「アク ティヴ・シティズンシップ」を創生するための「生涯教育プログラム(就学前から成人教育を 含む)」を提供することは、EU にとって政治課題の一つでもある。日本においても国家として このような生涯教育を含む一貫したナショナル・カリキュラムが早期に提供される必要がある。 また児童英語を専門にする英語教員ではなく、研修を受けた教科担任やクラス担任が英語を教 えている現状にも問題がある注24。そこで出てくるのが「全ての小学校に ALT を配置する、ま た中等教育においても ALT を積極的に活用しよう」という提言である。 ALT について
ALT:Assistant Language Teacher(外国語指導助手)の派遣状況について、2017(平成 29)年度の「外国語指導助手(ALT)等の任用・契約形態別人数等の状況」のデータをみてみ ると、2016(平成28)年度実績で ALT が活用されている授業時間数の割合は、小学校高学年 で62.4%、中学校で21.9%、高等学校で10.8%となっている。表7は ALT として任用されてい る人々の内訳を示している 表7 ALT 学校種別雇用形態 合計 その他 請負契約 労働者 派遣契約 直接雇用 JET プログラム 校種/形態 12,424人 5,140人 1,831人 1,362人 1,875人 2,216人 小学校 7,722人 970人 1,612人 1,240人 1,436人 2,464人 中学校 2,842人 263人 357人 74人 471人 1,677人 高等学校 18,484人 5,948人 3,023人 2,134人 2,858人 4,521人 純計 ※純計は学校種間で兼務している場合の重複を除いて計算した数字 2017(平成29)年度「英語教育実施状況調査」結果(文科省)より作成
表7にある JET プログラムとは、語学指導等を行う外国青年招致事業(The Japan Exchange and Teaching Program)の略称で、外務省・文部科学省・総務省の協力のもとに行われてい る事業である。JET 公式サイトによると、2018年7月現在、5,528人が参加し、45都道府県、 19政令都市を含む1,000以上の地方公共団体(任意団体)に受け入れられている。「外国語指導 助手(ALT)」「国際交流員(CIR)」「スポーツ国際交流員(SEA)」の3つの職種で招致され、 プログラム参加者の90%以上が ALT として教育委員会に配置されているようだ。JET の国別 参加人数の表を基に、それぞれの出身国の ALT1年目から5年目の参加者総数を表8に視覚化 してみた。 参加人数の80%以上がアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアで占められていること がわかる。提言にあった「英語は英語で学習」と言った場合、世界のどの地域で話されている 英語を指すのかを考えると、やはりアメリカ英語・イギリス英語の2つをスタンダードとみな すことになるだろう。グローバル化に対応する人材育成という意味では世界で使用される様々 JET 公式サイトに発表された国別参加者数(2018年7月現在)を基に作成 表8 ALT としてのプログラム参加者の国別人数
な英語に触れる機会が与えられるべきであろうが、実際には教科書や入試で使用される英語に ジャマイカ英語やシンガポール英語が扱われることはない。最近の TOEIC・TOEFL において は、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア英語の特徴を取り入れた Listening 問題が 取り入れられてはいるものの、学校英語となるとやはりアメリカ英語が主流であり、ALT に求 められるものも必然的にそうなっているのではないだろうか。 また、ALT としてどのような人材を招致するかについては、国内に少し目を向けることも必 要であるかもしれない。表7にあった「その他」が示すのは、留学生や日本人を含む「英語が 堪能な地域人材」の人数である。このような人材を活用することは、地域に住む英語圏の人々 と地域の日本人英語学習者を繋ぐ文化交流にもなり、留学生から外国語の学習方法を学ぶ機会 もできる。ALT の人材不足を補うためにも、こうした人材と協力関係を構築していくことは、 英語教育にとってプラスとなることが期待できる。 勿論、Standard English として世界的に学習されるアメリカ英語やイギリス英語を学ぶこと に問題はないのだが、むしろ第二言語として学んでいる国々からも多くの ALT を招致し、学 習方法や指導方法を学ぶことで、多様な英語に触れる機会も得られ、英語をより効果的に習得 する手掛かりが得られる可能性もある。英語教育において多様な英語(World Englishes)の 存在も忘れてはならない。言語の多様性を維持しながら持続可能な多文化社会構築に向けて、 教育の中でも言語の多様性に触れることは、異なった視点で世界を捉える目を持つことを可能 にしてくれる意味で極めて重要である。このことからも、 初等から中等教育のみならず、 グ ローバル市民としての資質を生涯にわたって学習できる機会を提供する教育システムが必要な のではないだろうか。
結論にかえて
グローバル化の波と IT の進歩は、国内の英語教育の在り方を大きく変えていることは確か なことだろう。グローバル化はある意味、資本主義経済の利益追求として世界経済や金融シス テムの一元化を促し、言語においても英語という国際共通語に一元化していく結果をもたらし ているかもしれない。人・物・金融・情報をグローバルに動かすことが更なる多様化を促すの か、はたまた覇権を握る国家に一元化していくのか。不透明な部分はあるが、英語一辺倒に傾 くことが少数話者言語の消滅を加速させ、世界の言語の多様性をなくしてしまうということが 懸念されてもいる。そのようなことにならぬよう、また国連憲章にも謳われている基本的人権としての言語権を維持するためにも、英語偏重の外国語教育ではなく、複数の言語を学ぶ選択 肢が必要とされる。 EU の複言語主義的外国語学習を見習って、各個人が学習レベルを設定し、必要な言語の学 習時間を選択し、複数の言語で概念操作ができることの方がよほどグローバルなのではないだ ろうか。それぞれが生活する環境において必要な言語もあるだろうし、学習する必要のある言 語も個人や地域によって異なるだろう。外の世界に向けたグローバルな視点(英語)と国内の ローカルな視点(中国語や韓国語などの英語以外の言語)を併せ持った外国語教育政策を打ち 出し、柔軟な言語選択をしながら生涯にわたって学習できる学習環境配備を急ぐ必要がある。 これには国家の言語政策としての枠組み作りが必要となってくるであろう。具体的な施策につ いての考察は稿を改めたいと思う。 注 注1 江戸時代には「通司」と呼ばれた世襲の役人が通訳としてポルトガルや中国との貿易に 従事し、英語は当初ポルトガル人などから学んでいたとされる。 注2 鈴木(1999)は外国語を「目的言語・手段言語・交流言語」の3つに分類している。例 えば、蘭学者にとってオランダ語は、オランダ人との意思疎通に必要なので学んだ目的言語 であり、オランダ人が持つ医学の知識を獲得するために学ぶ手段言語でもあり、オランダ人 以外の西欧人と交流する際には共通言語として使用する交流言語でもあった。グローバル言 語としての英語にもこの3種の役割がある。 注3 当時アイヌ民族や琉球民族への国語教育が義務付けられ、民族言語は日本語の方言とみ なされた。学校で彼らの方言を使った場合には「方言札」を掛けさせられるという辱めを受 ける同化主義政策がとられていた。 注4 辻本(2008)を参照。 注5 文部大臣であった森有礼の強い思いで小学校での英語教育が始まったが、彼が暗殺され た後は欧米化の急速な勢いは止まった。 注6 志賀直哉は雑誌『改造』(1946)の中で、フランス語を日本語の代わりに国語にしよう と提言している。 注7 代表的なものに賛成派の船橋洋一(2000)や反対派の津田幸雄(2003)などがある。 注8 文科省のホームページ内スーパーグローバル大学創生支援とスーパーグローバルハイス
クール専用ホームページ参照 注9 TOEIC のサイト参照
注10 社内公用語化のその後については AERA.dot, Sankei Biz に掲載されている。
注11 楽天の CEO 三木谷浩史氏は中央教育審議会有識者会議のメンバーでもあり、グローバ ル化に対応した英語教育改革推進派で、楽天は2017年より英語教育産業に参入している。こ のことについて批判する向きもある(阿部, 2017) 注12 2018(平成30)年7月告示版の高等学校学習指導要領解説第2章8節(p.119)にもこの ことが書かれている。 注13 しかし、高校が初習である外国語に英語と同じ目標・内容設定は事実上不可能と思われ る。 注14 2014年、日本言語政策学会が文科省他関係機関に「グローバル人材育成のための外国語 教育政策に関する提言」を発表したことは意義深い。詳しくは森住・古石・杉谷・長谷川編 (2016)参照。 注15 Pennycook(1994)、Phillipson(1992)、津田(2003)参照 注16 さいたま市観光協会ホームページ参照 注17 毎日新聞 online 記事(2018年7月1日地方版)によると、市役所を訪れる外国人が多国 籍化していることから試験的にタブレットを用いて12か国語対応のサービスを始めている。 注18 CAN-DO リストのオリジナル:The CEFR can-do descriptors 参照
注19 European Commission:“Linguistic Diversity”参照 注20 EU の「補完性の原則」による 注21 矢野・本名・木村・木下編著(2011)参照。British Council の2011-2012年の調査によ ると世界64か国で英語が小学校で教えられている。調査国のうち14か国・地域が幼児教育で 英語を必修化している。 注22 ECC は TVCM でも CLIL について説明している。学校の例としては四天王寺小学校、 東京三育小学校など。それぞれのホームページ参照。
注23 実践の研究の例としては山野(2013)、CLIL Japan Primary 参照。
注24 現在小学校英語教育指導については、中学校の英語教員や特別非常勤講師として外部人 材も利用されている。教員免許を持っていない指導資格者は教員免許を持つ人と一緒に英語 をティームティーチングすることができる。文科省は2020年の教科化を受けて、英語の専科
教員の1,000人増を2017年に発表している。さらに、今後の質の向上に向けて、小学校の教員 に中学校英語教員免許習得が勧められている。
引用・参考文献
阿部公彦(2017)『史上最悪の英語政策―ウソだらけの「4技能」看板―』ひつじ書房 船橋洋一(2000)『あえて英語公用語論』文春新書
Hall, Edward. T.(1976)Beyond Culture. Anchor Books.
細川英雄・西山教行(編)(2010)『複言語・複文化主義とは何か-ヨーロッパの理念・状況か ら日本における受容・文脈化へ』くろしお出版
Hymes, Dell. H.(1972)“On Communicative Competence.” In Pride, J. B.; Holmes, J. Sociolinguistics: Selected Readings. pp. 269293. Penguin.
池上嘉彦(1981)『「する」と「なる」の言語学―言語と文化のタイポロジーへの試論―』大修 館書店 池上嘉彦 (2006)『英語の感覚・日本語の感覚〈言葉の意味〉のしくみ』NHK 出版 岩崎正吾編著(2018)『多文化・多民族共生時代の世界の生涯学習』学文社 川又正之(2014)「日本の異言語教育政策を考える―中学校教育における英語以外の異言語 教育について―」『敬愛学園大学紀要』23,pp.5572 文部科学省(2018)『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語活動・外国語編』開 隆堂出版 文部科学省(2018)『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編』開隆堂出版 宮崎幸江(2014)『日本に住む多文化の子供と教育―言葉と文化のはざまで生きる―』上智大 学出版 宮崎里司・杉野俊子編著(2017)『グローバル化と言語政策―サステイナブルな共生社会・言 語教育の構築に向けて―』明石書店 森住衛・古石篤子・杉谷眞佐子・長谷川由起子編著(2016)『外国語教育は英語だけでいいの か―グローバル社会は多言語だ!―』くろしお出版 大谷泰照(編集代表)(2010)『EU の言語教育政策―日本の外国語教育への示唆―』くろしお 出版
Phillipson, Robert.(1992)Linguistic Imperialism. Oxford University Press.
Romanowski, P.(2016)“A Statistical Analysis of the Stake of Foreign Language Learning in the EU”Lingwistyka Stosowara 17: 2, pp.6779
佐藤義隆(2002)「日本の外国語及び教育の歴史を振り返る―日本の英語学習および教育目的 論再考―」『岐阜女子大学紀要31』pp.4352 鈴木孝夫(1999)『日本人はなぜ英語ができないか』岩波新書 施 光恒(2015)『英語化は愚民化―日本の国力が地に落ちる―』集英社新書 津田幸雄(2003)『英語支配とは何か』明石書房 辻本雅史(2008)『教育の社会史』放送大学教育振興会 寺沢拓敬(2014)『「なんで英語やるの?の戦後史」―《国民教育》としての英語,その伝統の 成立過程』研究社 矢野安剛・本名信行・木村松雄・木下正義(編)(2011)『英語教育政策―世界の言語教育政策 論をめぐって―』大修館書店 山野有紀(2013)「小学校外国語活動における内容言語統合型学習(CLIL)の実践と可能性」 『英検研究助成報告/日本英語検定協会編』25,pp.94126 安本美典(1995)『言語の科学 日本語の起源を訪ねる』朝倉書店 Online: AERA.dot.(2017.10.31)上田千春「英語公用語化から7年 楽天はこう変わった」 https://dot.asahi.com/dot/2017102600084.html(2018年9月6日閲覧)
British Council Survey of Policy and Practice in Primary English Language Teaching Worldwide.(Shelagh Rixon)日本語版「世界の小学校英語教育についての政策と実践」 https://www.britishcouncil.jp/programmes/english-education/updates/overseas-report (2018年9月1日閲覧)
CEFR: can-do descriptors(CAN-DO リストオリジナル)
https://www.coe.int/en/web/common-european-framework-reference-languages/the-cefr-descriptors(2018年9月5日閲覧)
CLIL Japan Primary: http://primary.cliljapan.org/what-is-clil/
ECC ジュニア CLIL:
https://www.eccjr.co.jp/clil/pc.php?utm_source=pcALclil&utm_medium=banner(2018 年9月5日閲覧)
European Commission:“Linguistic Diversity”(2018年9月11日参照)
https://ec.europa.eu/education/policy/multilingualism/linguistic-diversity_en European Commission:“Multilingualism”(2018年9月5日閲覧)
http://ec.europa.eu/education/policy/multilingualism_en Eurostat:“Foreign Language Learning”
https://ec.europa.eu/eurostat/statistics -explained/index.php?title=File:Foreign_ language_learning_cut-01.jpg(2018年9月11日閲覧)
Eurostat:“Foreign Language Skills Statistics”
https://ec.europa.eu/eurostat/statistics -explained/index.php/Foreign_language_ skills_statistics(2018年9月5日閲覧) 法務省:「在留外国人の推移(総数)」 http://www.moj.go.jo/content/001238032,pdf(2018年9月10日閲覧) 法務省入国管理局:「平成29年における外国人入国者及び日本人出国者数等について(速報値) http://www.moj.go.jp/nyukokukanri/ プレスリリース(2018年9月10日閲覧) JET プログラム:http://jetprogramme.org/ja/ 人事院「国家公務員採用総合職試験における英語試験の活用」 www.jinji.go.jp/saiyo/siken/eigosiken.pdf(2018年9月6日閲覧) 官邸ホームページ:21世紀日本の構想報告書「日本のフロンティアは日本の中にある」 https://www.kantei.go.jp/jp/21century/houkokusyo/index1.html(2018年8月30日閲 覧) 毎日新聞 online 記事(2018/7/1)地方版「タブレットで通訳 12か国語試験導入」 https://mainichi.jp/articles/20180701/ddl/k22/010/114000c(2018年9月6日閲覧) 文部科学省「英語以外の外国語の科目を開設している学校の状況について」 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/0581siryo/_icsFiles/afield/ 2016/03/23/1367581_7.pdf(2018年8月31日) 文部科学省「平成29年度の『英語教育実施状況調査』の結果について」
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1403468.htm(2018年9月10日閲 覧) 文部科学省「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」(2018年8月30日閲覧) http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/15/03/030318a.htm 文部科学省「平成29年度学校基本調査 報道発表」(2018年9月2日閲覧) http://www.mext.go.jp/component/bmenu/.../1388639_1.pdf 文部科学省「各中・高等学校の外国語教育における『 CAN -DO リスト』の形での学習到達目 標設定のための手引き」(2018年9月5日閲覧) http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1332306.htm 文部科学省「日本語が必要な児童生徒の受け入れ状況等に関する調査 平成28年度の結果につ いて」 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/29/06/1386753.htm(2018年9月10日閲覧) 文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援」(2018年9月4日閲覧) http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/sekaitenkai/1319596.htm 「スーパーグローバルハイスクール専用ホームページ」http://www.sghc.jp/ さいたま市観光協会ホームページ https://www.stib.jp/kokusai/index.shtml(2018年9月8日閲覧) Sankei Biz.(2017. 3.26)「ユニクロ社員は英語がペラペラになったか,社内公用語から5年, 『困っています』の声も」(2018年9月6日閲覧) https://www.sankeibiz.jp/business/news/170326/bsd1703261313001-n1.htm 四天王寺小学校:http://www.shitennojigakuen.ed.jp/primary/ TOEIC:「入試試験。単位認定の活用状況」 https://www.iibc-global.org/toeic/official_data/lr/search.html(2018年9月2日閲覧) 統計局 e-stat 平成26年度学校基本調査 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00400001&tstat=000001011528 (2018年9月1日閲覧) 東京三育小学校の英語教育:http://www.tokyosaniku.ed.jp/concept/english.html