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1.遺伝子治療テクノロジーの開発とその応用

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Academic year: 2021

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(1)〔ウイルス 第5 4巻 第1号,pp.4 9―5 7,2 0 0 4〕. 第51回ウイルス学会学術集会シンポジウム 特集2 「ウイルス学から臨床医学へ」. 1.遺伝子治療テクノロジーの開発とその応用 小 澤. 敬 也. 自治医科大学内科学講座血液学部門,輸血・細胞移植部 分子病態治療研究センター遺伝子治療研究部. 遺伝子治療臨床研究の停滞を打ち破ったのが X 連鎖重症複合免疫不全症(X―SCID)に対する造血 幹細胞遺伝子治療で,明瞭な治療効果が得られたことから大きな脚光を浴びた.しかしその後,この 遺伝子治療を受けた患者2名が白血病を発症し,レトロウイルスベクターによる遺伝子導入が引き金 となったことから深刻な問題となった.すなわち,挿入変異による LMO2遺伝子の活性化が白血病 発症の一因となったことが明らかにされた.今後の対策としては,レトロウイルスベクターの安全性 を高めること,部位特異的遺伝子組込み法の開発などの基盤研究が重要となる.また,より多くの疾 患で造血幹細胞遺伝子治療の効果を上げるには,選択的増幅遺伝子(SAG)などの細胞制御技術の 開発も必要である.その他,安全性の観点からは非病原性ウイルスに由来する AAV ベクターの臨床 応用が期待される.このベクターは神経細胞・筋細胞・肝細胞などへの遺伝子導入に適しており,例 えば,パーキンソン病の遺伝子治療などへの応用が検討されている.遺伝子操作技術は再生医療の領 域でも必須であり,さらなる開発研究の推進が望まれる.. はじめに. 伝子治療は際だった成功例として脚光を浴びたが,この遺 伝子治療を受けた患者の2名が約2年半後に白血病を発症. これからの先端医療として,ゲノム医療/再生医療の発. し(2 0 0 2年) ,深刻な問題となっている.原因究明に向け. 展が期待されているが,その中で遺伝子治療がしばらくの. た研究が進むと共に,今後の対策が大きな課題となってい. 間,先導的役割を担ってきた.特に1 9 9 0年代は遺伝子治療. る.このような状況を背景に,ウイルスベクターの安全性. 臨床研究が活発に実施されたが,後半はやや停滞感を伴っ. が改めて大きな問題としてクローズアップしてきており,. たものとなった.状況をさらに悪化させたのが,遺伝子治. そのような観点からは,非病原性ウイルスに由来するアデ. 療自体による最初の死亡事故で,ペンシルバニア大で実施. ノ随伴ウイルス(AAV:adeno―associated virus)ベクタ. されたオルニチントランスカルバミラーゼ(OTC:orni-. ーに対する期待が一層高まっている.. thine transcarbamylase) 欠損症に対する遺伝子治療臨床研. 本稿では,レトロウイルスベクターを用いた遺伝子導入. 究において1 9 9 9年に起こったものである.肝動脈内に注入. に起因する白血病の副作用と今後の対策を前半でまとめ,. されたアデノウイルスベクターが惹起した全身性の炎症反. 後半では AAV ベクターを用いた遺伝子治療を取り上げ. 応が誘因になったものと考えられている.プロトコール自. る.但し,AAV ベクターの詳細については既に本誌で紹. 体に問題があったが,安全性に対する過信が研究者のサイ. 介してある1)ため,ここではパーキンソン病遺伝子治療へ. ドにあったと思われる.さらにその後,フランスで実施さ. の応用について紹介することとする.. れたX 連鎖重症複合免疫不全症(X―SCID:X―linked severe combined immunodeficiency)に対する造血幹細胞遺. 造血幹細胞遺伝子治療と白血病の発生 アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症・慢性肉芽腫 症・ファンコニ貧血・ゴーシェ病などに対して,造血幹細. 連絡先 〒3 2 9―0 4 9 8 栃木県河内郡南河内町薬師寺3 3 1 1―1 TEL:0 2 8 5―5 8―7 3 5 3 FAX:02 8 5―4 4―5 2 5 8 E―mail:kozawa@ms2.jichi.ac.jp. 胞を標的とした遺伝子治療が米国を中心に9 0年代に実施さ れた.しかしながら,造血幹細胞への遺伝子導入効率が不 充分であることや,遺伝性疾患では抗癌剤を用いた移植前 処置が一般に避けられること(したがって移植細胞が生着.

(2) 5 0. 〔ウイルス 第5 4巻 第1号,. 図1 造血幹細胞遺伝子治療を受けた X―SCID 患者における CD3陽性 T リンパ球数の推 移6) A)症例4(P4),症例5(P5)を含む9症例の T リンパ球の回復過程. B)症例4(▲),症例5(■)が白血病発症に至るまでの T リンパ球数の推移(片対数 表示) .. 図2 ベクターゲノムの LMO2遺伝子への組込み 症例4では,第1イントロンに逆向きに組み込まれており,症例5では,第1エクソンの 上流に組み込まれている.その結果,いずれのケースでも,LMO2遺伝子の活性化が生じ ている.. しにくい)など,様々な理由により,いずれも不成功に終. トロウイルスベクターを用いて正常 γc 遺伝子を導入し,. わっていた.. 特に前処置を施すことなく自家移植した.その結果,それ. そのような低迷状況の中で,X―SCID に対する造血幹細. まで著減していた T リンパ球と NK 細胞が順調に増加. 胞遺伝子治療の劇的な治療効果が2 0 0 0年に報告された2).. し,免疫能の回復も認められた2,3).この成功が発表された. X―SCID は,インターロイキン―2(IL―2) ・IL―4・IL―. 当時,遺伝子治療関連では久し振りの明るい話題となっ. 7・IL―9・IL―1 5・IL―2 1などの各受容体に共通するサブ. た.患者末梢血細胞の導入遺伝子陽性率は,T リンパ球・. ユニット=コモンガンマ鎖(γc)の遺伝子の異常に基づく. NK 細胞がほぼ1 0 0%,B リンパ球が1∼数%,単球・顆. 疾患である.細胞性免疫と液性免疫の両者が先天的に障害. 粒球が0. 1%であった.また,CD3 4陽性細胞の導入遺伝子. され,患者は生後まもなくから反復する重症の細菌真菌・. 陽性率も低かったことから,X―SCID では正常遺伝子の導. ウイルス感染症のため,そのままでは予後不良である.. 入により修復されたリンパ球が体内で選択的増殖優位性を. HLA 一致血縁者間骨髄移植が可能な場合はそれが治療の. 示すために治療効果が出やすかったものと考えられた.但. 第一選択であるが,非血縁者間骨髄移植では良い治療成績. し,T リンパ球が高値を続けているのに対し,理由は不明. が得られていない.そこで,遺伝子治療法の開発が進めら. であるが,NK 細胞の数が経過と共に低下してきていた.. れ,マウスの疾患モデル(γc 遺伝子のノックアウトマウ. この臨床研究はその後もしばらくは順調に実施され,英. ス)を用いた造血幹細胞遺伝子治療実験で,その有効性が. 国とオーストラリアの症例を合わせると既に十数例に達し. 認められていた.1 9 9 9年に入って,フランスの A. Fischer. ていた.ところが,1 9 9 9年1 0月に生後1ヶ月でこの遺伝子. 博士らのグループは,X―SCID 患者の CD3 4陽性細胞にレ. 治療を受けた第4例目の男子が,2 0 0 2年になって白血病.

(3) pp.4 9―5 7,2 0 0 4〕. 5 1. (γδT 細胞白血病)を発症し(遺伝子治療後3 0ヶ月) ,大. することはほとんどないだろうと専門家も楽観視してい. 4, 5) 問題となった(図1) .白血病細胞はモノクローナル(Vγ. た.今回の残念な副作用は,1)挿入変異による癌関連遺. 9Vδ1)に増殖しており,導入した γc 遺伝子が第1 1番染. 伝子の活性化に加えて,2)遺伝子導入に成功したリンパ. 色体短腕に位置する LMO2(LIM domain only―2)遺伝. 球系の細胞は体内で活発に増殖するようになったために,. 子の第1イントロンに逆向きに組み込まれ(図2) ,この. 癌化のステップが進みやすかったこと,また,3)ベース. 6). 遺伝子を活性化したことが判明した .LMO2遺伝子は本. に免疫不全があったために,体内で発生した異常細胞を免. 来正常造血に必須の働きをしている転写因子をコードして. 疫学的に排除できなかったこと(癌の免疫学的監視機構の. いるが,染色体転座[t(1 1;1 4( )p1 3;p1 1)など]による. 欠陥)などを原因として挙げることができる.最後の点に. 活性化を通じて小児 T―ALL の発症に関与していることが. ついては,NK 細胞の再建が不完全であったことが関係し. 元々知られており,そのような癌関連遺伝子を人為的に活. ているかもしれない.その他,遺伝子治療を受けた時点が. 性化してしまったわけである7).LM0 2遺伝子トランスジ. 生後間もなくであったこと,また,いずれのケースも比較. ェニックマウスでは,T―ALL が発症することも知られて. 的大量の遺伝子導入 CD3 4細胞の移植を受けており,修復. いる8).尚,この症例では,病気が進行した時点で,partial. された T リンパ球の増殖速度が早かったことなども,何. trisomy6と t(6;1 3)の染色体異常が認められている.. らかの関係があるのではないかと議論されている.尚,複. さらにその後,生後3ヶ月で造血幹細胞遺伝子治療を受け. 製 可 能 レ ト ロ ウ イ ル ス(RCR:replication. た5例目の X―SCID 患者も, 2 0 0 2年1 2月に T―ALL (TCRαβ. retrovirus)の問題については,上述の2症例では関与が. タイプ)を発症した(遺伝子治療後3 4ヶ月) .このケース. 否定されている.. も,不思議なことに,やはり LMO2遺伝子の活性化が挿 入変異の結果生じている(図2) .この症例では,TCRαβ. competent. 造血幹細胞遺伝子治療の今後の安全対策. の解析からは3種類のクローン(Vβ1,Vβ2,Vβ2 3)が. 造血幹細胞への遺伝子導入法は,依然としてレトロウイ. 検出されているが,γc 遺伝子の組込み部位(LMO2遺伝. ルスベクターがスタンダードであり,この状況は当面は変. 子の第1エクソンの上流)からはモノクローナルな集団で. わらないと思われる.したがって,実際に白血病の副作用. 6). あった .さらに,このケースでは,SIL―TAL1融合遺伝. が出現するかどうかは,X―SCID のような免疫抑制状態の. 子や trisomy1 0が認められている.尚,いずれの症例でも,. 有無に左右される部分が大きいものと予想されるが,この. ベクターゲノムが LMO2遺伝子に組み込まれたクローン. 点に関しては動物実験での検証作業が必要と思われる.ま. は,白血病が発症するかなり前から僅かに検出され,その. た,今回の白血病発生で注目すべき点は,いずれのケース. 後拡大してきたことが,高感度 LAM―PCR(linear amplifi-. も LMO2遺伝子が活性化されたことである.レトロウイ. cation―mediated polymerase chain reaction)法9)によりレ. ルスベクターやレンチウイルスベクターを用いた場合,ラ. 6). トロスペクティブに明らかにされている .因みに,遺伝. ンダムな遺伝子組込みが起こるとされているが,クロマチ. 子治療の直後では,多数の組込み部位が検出されている(ポ. ン構造などとの関連で,アクティブな遺伝子の近傍に導入. リクローナル) .一方,これらの患者に認められた染色体. 遺伝子が組み込まれやすいことが最近明らかにされてきて. 異常は,secondary event として後から加わってきたもの. いる11∼13).幹細胞/前駆細胞でアクティブな遺伝子(LMO. と理解されている.. 2遺伝子はまさにその例)は,恒常的に活性化された場合,. 最初の症例では癌家系などの特殊な事情もあったが,次. 今回のような問題を引き起こしやすいものと推定される.. のケースではそのような背景はなく,連続して白血病が発. もちろん,その他にもいろいろな遺伝子が活性化された可. 生したことから,より一層深刻な事態と受けとめられた.. 能性があるが,正常 γc の発現で T リンパ球系の増殖が活. 尚,白血病を発症した2症例は,その後,T―ALL に対す. 発になったため,その系統で癌化のトラブルを起こしやす. る化学療法を受け,さらに最初のケースでは HLA 適合非. い LMO2の活性化されたクローンが結果的に選択されて. 血縁者間骨髄移植が実施されている.. きたものと推定される.. さて,遺伝子導入に用いられたレトロウイルスベクター. 幹細胞遺伝子治療における今後の対策としては,より安. は,標的細胞の染色体 DNA にランダムに組み込まれる性. 全性の高いベクターの開発(図3)と,ランダムな遺伝子. 質があることから,挿入変異の問題は以前より指摘されて. 組込みによる挿入変異を防ぐアプローチの二つが基盤研究. 1 0). いた .すなわち,発癌に関わるような遺伝子の近傍にレ. として重要である14).前者のレトロウイルスベクターの改. トロウイルスベクターが組み込まれ,その遺伝子を活性化. 良については,SIN(self―inactivating)ベクターと組織特. してしまう危険性である.しかし,そのようなことが実際. 異的プロモーターの組合せを利用した導入遺伝子の発現制. に起こる確率は極めて低いと予想されたこと,また,癌の. 御が重要である.LTR のプロモーター活性を取り除くこ. 発症に至るには複数の癌化のステップを必要とすること. と(SIN ベクター)により,遺伝子組込み部位近傍の遺伝. (多段階発癌) ,などの理由により,実際に白血病を発症. 子の活性化が起こりにくくなるものと予想される.また,.

(4) 5 2. 〔ウイルス 第5 4巻 第1号,. 図3 安全性の高いレトロウイルスベクターの開発14). 遺伝子発現を特定の細胞集団に限定し,その発現レベルを. selective amplifier gene)と呼んでいるが,これは造血因. 厳格に制御することにより,癌化のリスクの低減化を図る. 子受容体の増殖シグナルを利用するもので,その活性を制. ことが可能になると思われる.さらに,insulator エレメ. 御する分子スイッチとしては,ステロイドホルモン受容体. ントを利用することにより,エンハンサーが組込み部位近. のホルモン結合領域(HBD)やエリスロポエチン受容体. 傍の遺伝子へ影響することを阻止しようというアイデアも. 細胞外領域などを検討している.その他,造血因子受容体. 出されている.また,遺伝子導入した細胞が悪性化した場. の増殖シグナルを利用する同様の試みとして,FKBP1 2ド. 合にそれを排除するための自殺遺伝子(ガンシクロビルと. メイン(FK5 0 6と結合する)と造血因子受容体とのキメラ. 組み合わせる HSV―TK 遺伝子など)を安全装置として組. 蛋白質の遺伝子を導入しておき,FK1 0 1 2(FK5 0 6の二量. み込んでおくような対策も検討されている.後者の挿入変. 体)あるいはその誘導体(AP2 0 1 8 7など)により標的細胞. 異への対策としては,相同組換えによる病因遺伝子自体の. の増殖を誘導するシステムがシアトルの研究グループによ. 修復が理想的であるが,実用化には相当な時間がかかるも. り開発されている27,28).いずれのシステムでも造血因子受. のと予想される.より現実的なアプローチとしては,標的. 容体部分の二量体化誘導が増殖シグナルのスイッチをオン. 細胞のゲノムの中の安全な領域に遺伝子を部位特異的に組. にする役目を果たす.安全性の観点からは,遺伝子導入細. み込ませるという方法である.例えば,AAV の二つのコ. 胞の増殖が恒常的に刺激され続けることのないように,増. ンポーネント(ITR と Rep 蛋白質)を利用した第1 9番染. 殖シグナルを厳格に制御することが重要である.. 1 5∼1 8). 色長腕 AAVS1領域への部位特異的遺伝子組込み法. が. 我々の研究グループは臨床応用の第一段階としては,安. 知られている.現状はコンセプトの証明の段階であるが,. 全性を重視し,造血前駆細胞レベルでの増幅誘導システム. このような研究は今後益々活発になるものと予想される.. を試みる計画である.増幅効果が一時的であっても,顆粒. 造血幹細胞遺伝子治療の有効性を高めるための テクノロジー開発 1 9). X―SCID,ADA 欠損症 では,修復されたリンパ球系細 胞がそれぞれ選択的増殖優位性,選択的生存優位性を獲得 するために,造血幹細胞への遺伝子導入効率が低くても治. 球・単球など食細胞の先天的機能異常症の一つである慢性 肉芽腫症の場合には,感染症などの必要時にのみ正常化し た顆粒球を増幅させるだけでも臨床的には充分価値がある と考えている25). 遺伝子治療用 AAV ベクターの開発. 療効果が出やすい.しかしながら,慢性肉芽腫症,ゴーシ. AAV は直線状一本鎖 DNA ウイルスで,それ自身は非. ェ病,ファンコニ貧血などのように,修復細胞の体内での. 病原性であることから,このウイルスに由来するベクター. 選択的優位性を認めない疾患では,何らかの工夫が必要と. は安全性が高い.また,非分裂細胞への遺伝子導入が可能. なる.そこで我々は,遺伝子導入細胞を体内で選択的に増. であること,さらに非分裂細胞が標的の場合には一回の遺. やす新しい細胞制御システムの開発に取り組んでい. 伝子導入で長期間に亘る遺伝子発現が期待できることなど. る20∼26).この新規テクノロジーを選択的増幅遺伝子(SAG:. の特徴があり,AAV ベクターは神経細胞や筋細胞,肝細.

(5) pp.4 9―5 7,2 0 0 4〕. 5 3. 図4 パーキンソン病モデルサルにおける遺伝子治療の効果40) MPTP 慢性投与によりパーキンソン病を発症させたサルにおいて,片側(このサルでは左 側)の被殻に AAV―TH,AAV―AADC,AAV―GCH を注入した.エサを取らせる動作を させると(左図) ,右上肢の動きに改善がみられた.上肢の動きをビデオ解析した結果を 右図に示す.グラフ上のバーはエサを取るのに要する時間を示す.また,左上肢では震え が認められる.. 胞などを標的とした遺伝子治療に適している29,30).尚,小. いる.骨格筋への遺伝子導入では,筋細胞のゲノムへの組. 型ウイルスに由来するため,大きな遺伝子を挿入すること. 込みは長期間の観察でもほとんど検出されず39),AAV ベ. はできないが,AAV は重複感染が可能なために,複数の. クターはむしろ non―integrating vector として扱われるよ. 遺伝子を別々のベクターを用いて同一の標的細胞に導入す. うになってきている.野生型 AAV との大きな違いは,Rep. ることができる31,32).. 遺伝子を取り外してあることで,その結果,AAV ベクタ. 従来,AAV2に由来するベクターが用いられてきたが, 最近,AAV の血清型と組織特異性の関係が注目されてい 3 3). ーゲノムのほとんどは標的細胞の核内でエピソームとして 存在していることが実験的に示されている.. 3 4). る.例えば,神経系 や気道系 では遺伝子導入効率が AAV5ベクターの方が優れていると報告されており,さ らに,AAV5ベクターを用いると神経細胞だけでなくグ. パーキンソン病に対する AAV ベクターを用いた 遺伝子治療. リア細胞への遺伝子導入も可能であるとされている(神経. パーキンソン病は黒質―線条体系ドパミンニューロンの. 細胞へ特異的に遺伝子導入するには AAV2ベクターが適. 選択的変性により線条体におけるドパミン含量の低下を生. している) .また,筋肉を標的とする場合には,AAV1ベ. ずる原因不明の神経変性疾患である.遺伝子治療法として. クターが最も効率が良く,AAV2ベクターはあまり適し. は,ドパミン合成系酵素の遺伝子を線条体に導入するアプ. 3 5, 3 6). .肝臓には AAV8ベクターが優れている .. ローチが動物実験で検討されてきている4,5).ドパミン合成. このように標的組織の種類に応じて種々の血清型の AAV. の律速酵素はチロシン水酸化酵素(TH:tyrosine hydrox-. ていない. 3 7). ベクターを使い分ける必要がある.. ylase)であり,L―ドーパ合成を触媒する.L―ドーパは芳. 最近,AAV ベクターを用いた肝臓への遺伝子導入実験. 香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC:aromatic L―amino acid. で,特定の遺伝子領域に組込みが起こりやすいことが報告. decarboxylase)によりドパミンに変換される.また,TH. され,安全性が高いことで知られていた AAV ベクターで. の補酵素として働くテトラヒドロビオプテリンの合成経路. 3 8). も注意が喚起された .しかしながら,非分裂細胞の場合. の律速酵素として GTP シクロヒドロラーゼⅠ(GCH:. は,secondary event の起こる確率が低いことから,実際. GTP cyclohydrolaseⅠ)が知られる.パーキンソン病患者. に癌化が起こることは考えにくい.肝臓の場合は再生を起. ではこれらの酵素活性がいずれも低下しており,効率よく. こしやすい臓器であることから若干問題があるが,神経細. ドパミンを産生させるには三種類の酵素全てを補充する必. 胞や筋細胞を標的とする場合はほとんど心配する必要はな. 要がある.なお,AADC 活性の著しい低下のために L―ド. いと思われる.さらに,AAV ベクターの場合は,遺伝子. ーパが効きにくくなってきた患者では,AADC 遺伝子を. 組込みが起こる頻度は予想以上に低いことが判明してきて. 補充すれば L―ドーパが再び効くようになると考えられる..

(6) 5 4. 〔ウイルス 第5 4巻 第1号,. 我々の研究グループ(自治医大神経内科との共同研究). ては,具体的な問題が発生しているわけではないが,それ. では,疾患モデル動物として,黒質―線条体系ドパミンニ. ぞれの特徴に応じた注意を払っていく必要がある.例え. ューロンを神経毒 の6―OHDA(6―hydroxydopamine). ば,レンチウイルスベクターを用いた遺伝子導入では,標. で片側だけ破壊したパーキンソン病モデルラットを作製し. 的細胞あたりのコピー数が通常のレトロウイルスベクター. た.このラットでは,破壊側の線条体でドパミン含量が低. の場合より多いと言われており,挿入変異による癌遺伝子. 下し,パーキンソン病類似の病態が出現する.遺伝子治療. 活性化のリスクもそれだけ高くなる可能性を考えておく必. 実験では,TH,AADC,GCH の各遺伝子を搭載した AAV. 要がある.. ベ ク タ ー(AAV―TH,AAV―AADC,AAV―GCH)を 作. 一方,遺伝子治療が行われた1例目,2例目の X―SCID. 製し,それをモデルラットの黒質破壊側の線条体に定位脳. 患者は,既に4年以上に亘って治療効果が持続しており,. 手術により注入した.その結果,一回の遺伝子治療で異常. 遺伝子治療のポジティブな面を評価することも忘れてはな. 運動が改善され,その効果は1 8カ月以上持続した31,32).次. らない.最初から完璧な治療法であることを望むのは臨床. に,大型動物で同様の結果が得られるかどうかが懸念され. の現場では困難である.有用性と限界を充分わきまえた上. たため,霊長類のカニクイザルを用いて遺伝子治療前臨床. で前に進めていくべきであろう43∼45).. 研究を行った(自治医大神経内科,筑波霊長類センターと. 重篤な副作用の発生と有効性が今一つといった最近の厳. 4 0) の共同研究) .まず,ドパミンニューロンを選択的に破. しい状況のために遺伝子治療臨床研究が全体的にスローダ. 壊する神経毒の MPTP(1―methyl―4―phenyl―1, 2, 3, 6―. ウンする中で,AAV ベクターの臨床展開も遅れ気味であ. tetrahydro―pyridine)を慢性投与することにより薬剤性. るが,前臨床研究での成果は大いに期待を抱かせるもので. パーキンソニズムを発症させた.次に,このパーキンソン. ある.. 病モデルサルの一側の被殻に,定位脳手術により AAV―. 企業の立場からは,現状では非ウイルス性ベクターに向. TH,AAV―AADC,AAV―GCH のベクター混合液を注入. かう傾向があるが,遺伝子導入効率と遺伝子発現効率,な. した.その結果,対側上下肢の運動障害の明らかな改善が. らびに効果の持続期間などを考えると,やはりウイルスベ. 認められ,レーズン取りなどの動作が素早くなり, 筋強剛,. クターに代わり得るものではない.また,遺伝子操作を取. 振戦も消失した(図4) .副作用は特に認められなかった.. り入れた新しい治療テクノロジーは再生医療の領域でも必. また,マイクロダイアリシス法により,注入側被殻でドパ. 須のものであり,現在直面している課題を克服しつつ,開. ミン分泌量の増加が確認された.この実験で,L―ドーパ. 発研究をさらに推進していくことが重要である.. を静脈注射するとドパミン分泌量が著しく増加した.この ことは遺伝子導入により発現させた AADC がよく働いた ことを示している. 臨床応用の第一段階では,AADC 活性の低下のために L―ドーパ療法が効きにくくなってきた患者を対象とし,L ―ドーパ内服に AAV―AADC だけを組み合わせる方法が妥 当であると思われる41,42).この方法では,線条体における ドパミン産生を L―ドーパ投与量でコントロールできるこ とから安全性が高い.また,AAV ベクターの安全性評価 という点でも,最初は一種類のベクターからスタートする のが望ましいと考えられる.この治療ストラテジーについ ても,モデルサルを用いた前臨床研究を行っており,明ら かな治療効果を確認している. おわりに X―SCID でみられた白血病発生の副作用に関しては,も ともと白血病を発症しやすいマウスでの遺伝子治療実験で も観察されなかったような高頻度であり,免疫不全状態な ど,かなり特殊な状況下で生じたものと思われる. しかし, レトロウイルスベクターを用いた幹細胞遺伝子治療に対す る深刻な警鐘として,従来に増して安全性に配慮し,慎重 に取り組んでいくことが大切である.オンコウイルス由来 のレトロウイルスベクター以外のウイルスベクターに関し. 文. 献. 1)小澤敬也:アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターに よる遺伝子治療.ウイルス5 3:1 6 3―1 7 0,2 0 0 3. 2)Cavazzana―Calvo M, Hacein―Bey S, de Saint Basile G, Gross F, Yvon E, Nusbaum P, Selz F, Hue C, Certain S, Casanova JL, Bousso P, Deist FL, Fischer A:Gene therapy of human severe combined immunodeficiency(SCID) ―X1disease. Science 2 8 8:6 6 9―6 7 2, 2 0 0 0. 3)Hacein―Bey―Abina S, Le Deist F, Carlier F, Bouneaud C, Hue C, De Villartay JP, Thrasher AJ, Wulffraat N, Sorensen R, Dupuis―Girod S, Fischer A, Davies EG, Kuis W, Leiva L, Cavazzana―Calvo M:Sustained correction of X―linked severe combined immunodeficiency by ex vivo gene therapy. N Engl J Med3 4 6: 1 1 8 5―1 1 9 3,2 0 0 2. 4)European Society of Gene Therapy:French gene therapy group reports on the adverse event in a clinical trial of gene therapy for X―linked severe combined immune deficiency(X―SCID) . J Gene Med5: 8 2―8 4,2 0 0 3. 5)Hacein―Bey―Abina S, von Kalle C, Schmidt M, Le Deist F, Wulffraat N, McIntyre E, Radford I, Villeval JL, Fraser CC, Cavazzana―Calvo M, Fischer A:A serious adverse event after successful gene therapy for X ―linked severe combined immunodeficiency. N Engl J 5 6,2 0 0 3. Med3 4 8:2 5 5―2.

(7) pp.4 9―5 7,2 0 0 4〕. 6)Hacein―Bey―Abina S, Von Kalle C, Schmidt M, McCormack MP, Wulffraat N, Leboulch P, Lim A, Osborne CS, Pawliuk R, Morillon E, Sorensen R, Forster A, Fraser P, Cohen JI, de Saint Basile G, Alexander I, Wintergerst U, Frebourg T, Aurias A, Stoppa―Lyonnet D, Romana S, Radford―Weiss I, Gross F, Valensi F, Delabesse E, Macintyre E, Sigaux F, Soulier J, Leiva LE, Wissler M, Prinz C, Rabbitts TH, Le Deist F, Fischer A, Cavazzana―Calvo M:LMO2―associated clonal T cell proliferation in two patients after gene therapy for SCID―X1. Science3 0 2:4 1 5―4 1 9,2 0 0 3. 7)McCormack MP, Rabbitts TH:Activation of the T― cell oncogene LMO2after gene therapy for X―linked severe combined immunodeficiency. N Engl J Med 3 5 0:9 1 3―9 2 2,2 0 0 4. 8)Larson RC, Lavenir I, Larson TA, Baer R, Warren AJ, Wadman I, Nottage K, Rabbitts TH:Protein dimerization between Lmo2(Rbtn2)and Tal1alters thymocyte development and potentiates T cell tumorigenesis in transgenic mice. EMBO J 1 5:1 0 2 1―1 0 2 7, 1 9 9 6. 9)Schmidt M, Zickler P, Hoffmann G, Haas S, Wissler M, Muessig A, Tisdale JF, Kuramoto K, Andrews RG, Wu T, Kiem HP, Dunbar CE, von Kalle C:Polyclonal long ―term repopulating stem cell clones in a primate model. Blood1 0 0:2 7 3 7―2 7 4 3,2 0 0 2. 1 0)Baum C, Dullmann J, Li Z, Fehse B, Meyer J, Williams DA, von Kalle C:Side effects of retroviral gene transfer into hematopoietic stem cells. Blood 1 0 1:2 0 9 9― 2 1 1 4,2 0 0 3. 1 1)Wu X, Li Y, Crise B, Burgess SM:Transcription start regions in the human genome are favored targets for MLV integration. Science3 0 0:1 7 4 9―1 7 5 1,2 0 0 3. 1 2)Trono D.:Picking the right spot. Science3 0 0:1 6 7 0― 1 6 7 1,2 0 0 3. 1 3)Schroder AR, Shinn P, Chen H, Berry C, Ecker JR, Bushman F:HIV―1integration in the human genome favors active genes and local hotspots. Cell 1 1 0:5 2 1―5 2 9,2 0 0 2. 1 4)Kohn DB, Sadelain M, Glorioso JC:Occurrence of leukaemia following gene therapy of X―linked SCID. Nat Rev Cancer3:4 7 7―4 8 8,2 0 0 3. 1 5)Surosky RT, Urabe M, Godwin SG, McQuinston SA, Kurtzman GJ, Ozawa K, Natsoulis G:Adeno―associated virus Rep proteins target DNA sequences to a unique locus in the human genome. J Virol7 1:7 9 5 1― 7 9 5 9,1 9 9 7. 1 6)Urabe M, Hasumi Y, Kume A, Surosky RT, Kurtzman GJ, Tobita K, Ozawa K:Charged―to―alanine scanning mutagenesis of the N―terminal half of adeno―associated virus type2Rep78protein. J Virol7 3:2 6 8 2― 2 6 9 3,1 9 9 9. 1 7)Kogure K, Urabe M, Mizukami H, Kume A, Sato Y, Monahan J, Ozawa K:Targeted integration of foreign DNA into a defined locus on chromosome19in K 5 6 2 cells using AAV―derived components. Int J Hematol7 3:4 6 9―4 7 5,2 0 0 1. 1 8)Urabe M, Kogure K, Kume A, Sato Y, Tobita K, Ozawa K:Positive and negative effects of adeno―as-. 5 5. sociated virus Rep on AAVS1―targeted integration. J Gen Virol8 4:2 1 2 7―2 1 3 2,2 0 0 3. 1 9)Aiuti A, Slavin S, Aker M, Ficara F, Deola S, Mortellaro A, Morecki S, Andolfi G, Tabucchi A, Carlucci F, Marinello E, Cattaneo F, Vai S, Servida P, Miniero R, Roncarolo MG, Bordignon C:Correction of ADA― SCID by stem cell gene therapy combined with nonmyeloablative conditioning. Science 2 9 6:2 4 1 0―2 4 1 3, 2 0 0 2. 2 0)Ito K, Ueda Y, Kokubun M, Urabe M, Inaba T, Mano H, Hamada H, Kitamura T, Mizoguchi H, Sakata T, Hasegawa M, Ozawa K:Development of a novel selective amplifier gene for controllable expansion of transduced hematopoietic cells. Blood 9 0:3 8 8 4―3 8 9 2. 1 9 9 7. 2 1)Matsuda KM, Kume A, Ueda Y, Urabe M, Hasegawa M, Ozawa K:Development of a modified selective amplifier gene for hematopoietic stem cell gene therapy. Gene Ther6:1 0 3 8―1 0 4 4,1 9 9 9. 2 2)Xu R, Kume A, Matsuda KM, Ueda Y, Kodaira H, Ogasawara Y, Urabe M, Kato I, Hasegawa M, Ozawa K:A selective amplifier gene for tamoxifen―inducible expansion of hematopoietic cells. J Gene Med1: 2 3 6―2 4 4,1 9 9 9. 2 3)Kume A, Koremoto M, Xu R, Okada T, Mizukami H, Hanazono Y, Hasegawa M, Ozawa K:In vivo expansion of transduced murine hematopoietic cells with a selective amplifier gene. J Gene Med5:1 7 5―1 8 1, 2 0 0 3. 2 4)Hanazono Y, Nagashima T, Takatoku M, Shibata H, Ageyama N, Asano T, Ueda Y, Dunbar CE, Kume A, Terao K, Hasegawa M, Ozawa K:In vivo selective expansion of gene―modified hematopoietic cells in a nonhuman primate model. Gene Ther9:1 0 5 5―1 0 6 4, 2 0 0 2. 2 5)Hara T, Kume A, Hanazono Y, Mizukami H, Okada T, Tsurumi H, Moriwaki H, Ueda Y, Hasegawa M, Ozawa K:Expansion of genetically corrected neutrophils in chronic granulomatous disease mice by cotransferring a therapeutic gene and a selective amplifier gene. Gene Ther(in press) 2 6)Nagashima T, Ueda Y, Hanazono Y, Kume A, Shibata H, Ageyama N, Terao K, Ozawa K, Hasegawa M:In vivo expansion of gene―modified hematopoietic cells by a novel selective amplifier gene utilizing the erythropoietin receptor as a molecular switch. J Gene Med6:2 2―3 1,2 0 0 4. 2 7)Jin L, Zeng H, Chien S, Otto KG, Richard RE, Emery DW, Blau CA:In vivo selection using a cell―growth switch. Nat Genet2 6:6 4―6 6,2 0 0 0. 2 8)Neff T, Horn PA, Valli VE, Gown AM, Wardwell S, Wood BL, von Kalle C, Schmidt M, Peterson LJ, Morris JC, Richard RE, Clackson T, Kiem HP, Blau CA: Pharmacologically regulated in vivo selection in a large animal. Blood1 0 0:2 0 2 6―2 0 3 1,2 0 0 2. 2 9)Russell DW, Kay MA:Adeno―associated virus vectors and hematology. Blood9 4:8 6 4―8 7 4,1 9 9 9. 3 0)Flotte TR:Gene therapy progress and prospects: recombinant adeno―associated virus(rAAV)vectors..

(8) 5 6. Gene Ther1 1:8 0 5―8 1 0,2 0 0 4. 3 1)Fan D, Ogawa M, Fujimoto K, Ikeguchi K, Ogasawara Y, Urabe M, Nishizawa M, Nakano I, Yoshida M, Nagatsu I, Ichinose H, Nagatsu T, Kurtzman GJ, Ozawa K:Behavioral recovery in6―hydroxydopamine―lesioned rats by cotransduction of striatum with tyrosine hydroxylase and aromatic L―amino acid decarboxylase genes using two separate adeno associated virus vectors. Hum Gene Ther9:2 5 2 7―2 5 3 5,1 9 9 8. 3 2)Shen Y, Muramatsu S, Ikeguchi , Fujimoto K, Fan D, Ogawa M, Mizukami H, Urabe M, Kume A, Nagatsu I, Urano F, Suzuki T, Ichinose H, Nagatsu T, Monahan J, Nakano N, Ozawa K:Triple transduction with adeno associated virus vectors expressing tyrosine hydroxylase, aromatic L―amino―acid decarboxylase, and GTP cyclohydrolase I for gene therapy of Parkinson’ s disease. Hum Gene Ther1 1:1 5 0 9―1 5 1 9,2 0 0 0. 3 3)Davidson BL, Stein CS, Heth JA, Martins I, Kotin RM, Derksen TA, Zabner J, Ghodsi A, Chiorini JA:Recombinant adeno―associated virus type2,4, and5 vectors:transduction of variant cell types and regions in the mammalian central nervous system. Proc Natl Acad Sci USA9 7:3 4 2 8―3 4 3 2,2 0 0 0. 3 4)Zabner J, Seiler M, Walters R, Kotin RM, Fulgeras W, Davidson BL, Chiorini JA:Adeno―associated virus type5(AAV5)but not AAV2binds to the apical surfaces of airway epithelia and facilitates gene transfer. J Virol7 4:3 8 5 2―3 8 5 8,2 0 0 0. 3 5)Rabinowitz JE, Rolling F, Li C, Conrath H, Xiao W, Xiao X, Samulski RJ:Cross―packaging of a single adeno associated virus(AAV)type2vector genome into multiple AAV serotypes enables transduction with broad specificity. J Virol7 6:7 9 1―8 0 1,2 0 0 2. 3 6)Chao H, Liu Y, Rabinowitz J, Li C, Samulski RJ, Walsh CE:Several log increase in therapeutic transgene delivery by distinct adeno―associated viral serotype vectors. Mol Ther2:6 1 9―6 2 3,2 0 0 0. 3 7)Gao GP, Alvira MR, Wang L, Calcedo R, Johnston J, Wilson JM:Novel adeno―associated viruses from rhesus monkeys as vectors for human gene therapy. Proc Natl Acad Sci USA9 9:1 1 8 5 4―1 1 8 5 9,2 0 0 2.. 〔ウイルス 第5 4巻 第1号,. 3 8)Nakai H, Montini E, Fuess S, Storm TA, Grompe M, Kay MA:AAV serotype2vectors preferentially integrate into active genes in mice. Nat Genet3 4:2 9 7― 3 0 2,2 0 0 3. 3 9)Schnepp BC, Clark KR, Klemanski DL, Pacak CA, Johnson PR:Genetic fate of recombinant adeno―associated virus vector genomes in muscle. J Virol 7 7: 3 4 9 5―3 5 0 4,2 0 0 3. 4 0)Muramatsu S, Fujimoto K, Ikeguchi K, Shizuma N, Kawasaki K, Ono F, Shen Y, Wang L, Mizukami H, Kume K, Matsumura M, Nagatsu N, Urano F, Ichinose H, Nagatsu T, Terao T, Nakano I, Ozawa K:Behavioral recovery in a primate model of Parkinson’ s disease by triple transduction of striatal cells with adeno ―associated viral vectors expressing dopamine―syn5 4, thesizing enzymes. Hum Gene Ther 1 3:3 4 5―3 2 0 0 2. 4 1)Bankiewicz KS, Eberling JL, Kohutnicka M, Jagust W, Pivirotto P, Bringas J, Cunningham J, Budinger TF, Harvey―White J:Convection―enhanced delivery of AAV vector in parkinsonian monkeys;in vivo detection of gene expression and restoration of dopaminergic function using pro―drug approach. Exp Neurol 1 6 4:2―1 4,2 0 0 0. 4 2)Sanchez―Pernaute R, Harvey―White J, Cunningham J, Bankiewicz KS:Functional effect of adeno―associated virus mediated gene transfer of aromatic L― amino acid decarboxylase into the striatum of6― OHDA―lesioned rats. Mol Ther4:3 2 4―3 3 0,2 0 0 1. 4 3)Kohn DB, Sadelain M, Dunbar C, Bodine D, Kiem HP, Candotti F, Tisdale J, Riviere I, Blau CA, Richard RE, Sorrentino B, Nolta J, Malech H, Brenner M, Cornetta K, Cavagnaro J, High K, Glorioso J:American Society of Gene Therapy(ASGT)ad hoc subcommittee on retroviral―mediated gene transfer to hematopoietic stem cells. Mol Ther8:1 8 0―1 8 7,2 0 0 3. 4 4)Williams DA, Baum C:Gene therapy―new challenges ahead. Science3 0 2:4 0 0―4 0 1,2 0 0 3. 4 5)Cavazzana―Calvo M, Thrasher A, Mavilio F:The future of gene therapy. Nature4 2 7:7 7 9―7 8 1,2 0 0 4..

(9) pp.4 9―5 7,2 0 0 4〕. 5 7. Development and Application of Gene Therapy Technologies Keiya Ozawa, M. D., Ph. D. Division of Hematology, Department of Medicine Division of Cell Transplantation and Transfusion Division of Genetic Therapeutics, Center for Molecular Medicine Jichi Medical School 3 3 1 1―1Yakushiji, Minamikawachi―machi Kawachi―gun, Tochigi3 2 9―0 4 9 8, Japan E―mail:kozawa@ms2.jichi.ac.jp The success of hematopoietic stem cell gene therapy for X―linked severe combined immunodeficiency(X―SCID)was a major breakthrough in the field of gene therapy. However, two patients treated with this gene therapy developed leukemia at a later time, and retroviral vector―mediated gene transfer was considered to trigger leukemogenesis;i.e. insertional mutagenesis caused activation of LMO2gene, which was one step toward leukemia development. To cope with this serious problem, basic studies are required to improve the safety of retroviral vectors and to develop the method for site―specific integration of transgenes. In addition, we have to develop technologies such as selective amplifier genes(SAGs),the system for selective expansion of transduced cells, in order to obtain therapeutic efficacy of hematopoietic stem cell gene therapy in many other disorders. Moreover, clinical applications of AAV vector are promising from the standpoint of safety issue, because this vector is derived from non―pathogenic virus. AAV vector is appropriate for gene transfer into neurons, muscles, and hepatocytes. For example, gene therapy for Parkinson's disease is investigated using AAV vectors. Genetic manipulation is also one of the indispensable technologies in the field of regeneration medicine, and further promotion of basic research is important..

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